JP2001521918A - アルキレングリコールモノアルキルエーテルのカルボン酸エステルを製造するための連続法 - Google Patents

アルキレングリコールモノアルキルエーテルのカルボン酸エステルを製造するための連続法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アルキレングリコールモノアルキルエーテルのカルボン酸エステルを製造するための改良法であって、このモノアルキルエーテルを酸触媒によりカルボン酸でエステル化することによる方法を提供する。本発明の好ましい態様においては、カルボン酸とアルコール類を反応器/カラム内で反応させ、得られたエステル生成物を単一相としてオーバーヘッドデカンター/抽出器内へ蒸留する。少量の溶媒、好ましくは炭化水素をこの混合物に添加して、前記で得た留出物を2相に分離させる。一方の相は目的生成物を含有し、他方は主に水を含有する。本明細書に記載する方法は、バッチ式および連続式両方の操作に適用でき、沸点の近似する共沸混合物の分離の困難さによって束縛されず、従来法によって達成されるより実質的に高い生産率が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は一般にカルボン酸エステルの製造、詳細にはアルコキシアルキルエス
テルの製造方法に関する。
【0002】 発明の背景 本発明はカルボン酸エステルの製造、詳細にはアルキレングリコールモノアル
キルエーテルのアルコキシアルキルエステルを連続方式で製造する方法に関する
。この反応により水が放出され、これは未反応の反応体のほかに操作および精製
上の問題の原因となる。
【0003】 アルコール類とカルボン酸の反応によりエステルを製造する連続法では、転化
率を高めるために反応水を分離する。一般にこの反応は、アルコール類、カルボ
ン酸、エステル、水および酸触媒の混合物を収容する反応器を用いて行われる。
反応器を加熱して平衡混合物を得る。生成物は分別カラムで蒸留される。生成物
の留出に伴って、アルコール類およびカルボン酸を反応器に供給する。簡単なエ
ステル、たとえば酢酸エチルおよび酢酸ブチルを用いて、水をこのエステルおよ
び未反応アルコール類との共沸混合物として取り出す。留出物は2液相に分離す
る。“油相”と呼ばれる上相は主にエステルを含有し、少量のアルコール類およ
び少量の水を伴う。“水相”と呼ばれる下相は大部分が水であり、少量のエステ
ルおよびアルコール類を含有する。水相を蒸留塔へ移し、水を塔底から廃液とし
て排出させ;留出物を再循環させる。油相は精製塔で蒸留され、純エステルの塔
底排出生成物と留出物が得られ、留出物は反応器へ再循環される。この方法が長
年にわたって最適化され、これらの簡単なエステルを高率で製造するのは可能と
なった。
【0004】 この方法で1−メトキシ−2−プロパノールのようなアルキレングリコールモ
ノアルキルエーテルをエステル化しようとすると、たとえ作動してもわずかであ
ることが認められた。反応器カラムからの留出物が容易には2相に分離せず、前
記方法で反応水を分離するのはきわめて困難となる。相分離が起きない理由は、
簡単なエステルと比較してアルコール類およびエステルが水にはるかに可溶性だ
からである。沸点の近似する2種類の共沸混合物(一方はアルキレングリコール
モノアルキルエーテルに富み、他方は対応するエステルに富む)を分離するよう
に反応器/蒸留塔を操作できることが見出された。これは蒸留塔を高い還流対留
出比(reflux to distillate ratio)で操作することにより達成できるが、この方
式で蒸留塔を操作するとその生産能力が大幅に低下する。これによって確かに油
相と水相に分離する留出物は得られるが、分離度が悪い。さらに、反応器/蒸留
塔を全体的生産性が経済的にみて実施不能になるほど低い速度で操作しなければ
ならない。
【0005】 前記の溶解度の問題のため、アルキレングリコールモノアルキルエーテルエス
テルは通常は欧州特許出願第0119833B1号に記載の方法で製造される。
トルエンなどの化合物を反応器に添加し、水をトルエンとの共沸混合物として取
り出す。これにより反応は完結に向かう。共沸混合物が2相に分離し、水を水相
として取り出し、油相を反応器へ再循環する。この方法では、水のみが共沸混合
物として留出し、エステル、未反応のアルコール類またはカルボン酸、および触
媒は反応器内に残る。この方法では、精製の前に中和または他の何らかの手段で
生成物から触媒を分離する必要がある。他の欠点は、これらの方法が普通は連続
式でなくバッチ式で行われ、そのため原料効率が低く、触媒の損失が生じること
である。さらに、この方法で製造したエステルは酸性度および安定性に関して問
題がある。
【0006】 発明の概要 本発明の目的は以上の難点を克服することである。本発明者らは、アルキレン
グリコールモノアルキルエーテルエステル、たとえば酢酸1−メトキシ−2−プ
ロピルを連続法により、高収率、高速で、卓越した生成物品質において、触媒損
失なしに製造できることを見出した。これは、水を共沸剤として使用し、生成物
を水、カルボン酸エステル、および少量の未反応グリコールエーテルアルコール
の共沸混合物として、反応器からオーバーヘッドデカンター/抽出器内へ蒸留す
ることにより達成できる。この生成物は単一相になる。少量の不活性溶媒をデカ
ンター/抽出器に供給して、留出物を油相と水相に分離する。油相は主に溶媒、
エステル、ならびに少量の水および未反応アルコール類を含有する。水相は主に
水、ならびに少量の未反応アルコール類および少量のエステルを含有する。未反
応カルボン酸および触媒は反応器内に残る。この方法は沸点の近似する共沸混合
物またはより高い沸点のエステル生成物の分離の困難さによって束縛されず、実
質的に高い生産率が得られる。さらに、カルボン酸はオーバーヘッド蒸留されず
、生成物を汚染しない。
【0007】 発明の説明 本発明は、カルボン酸とアルコール類の反応によりアルコキシアルキルエステ
ルを製造する方法を提供する。本発明の好ましい態様においては、カルボン酸と
アルコール類を反応器/リボイラー内で反応させ、得られたエステル生成物を水
により単一相としてオーバーヘッドデカンター/抽出器内へ共沸蒸留する。少量
の抽出溶媒を混合物に添加して、得られた留出物を2相に分離させる。一方の相
は目的生成物を含有し、他方は主に水を含有する。本明細書に記載する方法は、
近似する沸点をもつ、反応体および生成物の共沸混合物の分離の困難さ、または
高沸点エステル生成物によって束縛されず、従来法で達成されるより実質的に高
い生産率が得られる。
【0008】 本発明によれば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルのカルボン酸エ
ステルの製造方法であって、 a)反応カラム内で、次式の1〜10個の炭素原子をもつモノカルボン酸また
はハロゲン化モノカルボン酸とアルキレングリコールモノアルキルエーテル:
【0009】
【化2】
【0010】 (式中、n=0〜6;R1、R2=H、CH3−(CH2n−;X=Cl、Br、 F)を酸触媒の存在下に反応させ;X基は鎖の任意の位置にあってよく; b)混合物を蒸留塔内で蒸留し、その際、カルボン酸エステルおよび未反応ア
ルキレングリコールモノアルキルエーテルを共沸させるために水を使用し; c)(b)の留出物をオーバーヘッド抽出器へ送り、少なくとも2液相を形成
しうるのに有効な量の不活性溶媒(相分離剤とも呼ぶ)と接触させ; d)混合物の得られた相(水相と油(生成物)相)を分離し; e)油相を蒸留して(実質的に純粋な)モノカルボン酸エステル生成物および
不活性溶媒(再循環のために)を回収し;そして f)水相を蒸留する(廃棄物処理ならびにアルコール類およびエステルの再循
環のために、水を分離する); ことを含む方法が提供される。
【0011】 この方法は連続式またはバッチ式の反応設定に適用できる。これは、反応器カ
ラム、蒸留塔、およびオーバーヘッドデカンター/抽出器を伴う連続反応設定に
適用するのが好ましい。
【0012】 C1-10酸の例には酢酸、ギ酸、プロピオン酸、イソ酪酸、およびn−酪酸が含
まれるが、これらに限定されない。本方法の生成物グリコールエステルの例には
酢酸1−エトキシ−2−エチル、酢酸1−メトキシ−2−プロピル、およびプロ
ピオン酸1−メトキシ−2−プロピルが含まれるが、これらに限定されない。有
用なエーテルの例には1−エトキシ−2−エタノール、および1−メトキシ−2
−プロパノールなどが含まれる。
【0013】 この反応は酸、たとえば濃硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸により触媒される。ル
イス酸、たとえば三フッ化ホウ素、五フッ化アンチモンなども使用できる。有機
スルホン酸およびハロゲン化スルホン酸、たとえばメタン、エタンおよびブタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、o
−またはp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など、ならびに強酸性ス
ルホン化芳香族イオン交換樹脂およびペルフルオロアルカンスルホン酸樹脂も有
用である。酸触媒は一般に反応混合物の全量に対し約0.01〜約10重量%、
好ましくは約0.1〜約2.0重量%の濃度で用いられる。この濃度は用いる個
々の酸によって変更できる。
【0014】 以下の節で、従来用いられている共沸法と本発明における相分離剤(抽出剤)
の使用との相異を説明する。たとえばこの方法で炭化水素を共沸剤として用いる
場合、それを反応器/リボイラーに添加するか、またはそこに存在させる。定沸
点混合物が蒸留塔から留出して、炭化水素および他の成分(この場合は主に水)
を含有する留出物が生成する。目的生成物、未反応のアルコール類および/また
はカルボン酸、ならびに触媒は、反応器/リボイラー内に残る。本発明方法にお
いて相分離剤(抽出剤)として炭化水素を用いる場合は、それをオーバーヘッド
デカンター/分離器に添加して、生成物を2相に分離させる。この方式で操作す
ることにより、カルボン酸が蒸留されず、生成物の精製が大幅に簡略化される。
【0015】 有用な相分離剤には、不活性であり、反応成分と適合性の化学的特性をもち、
かつ目的生成物を相分離させる溶媒が含まれる。一般に、これらの特性および低
い水溶性をもつ任意の溶媒が適する。溶媒は直鎖、分枝鎖、芳香族、環状芳香族
の炭化水素、エステル、エーテル、ケトンおよびフルオロクロロ化合物であって
よい。一般にこれらの化合物は約5〜12個の炭素原子をもつ。適切な溶媒の例
には以下のものが含まれるが、これらに限定されない:ペンタン、シクロペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン、オレフィン系
炭化水素、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸エチル、メチルt−ブチルエーテル
(MTBE)、ジイソプロピルエーテル、メチルエチルケトン(MEK)、メチ
ルプロピルケトン(MPK)、メチルブチルケトン(MBK)、および対応する
化合物、フルオロクロロ炭化水素、クロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレン、
およびフレオン(Freon、登録商標)類。好ましい相分離溶媒は、特に大気
条件下で用いる場合、C5〜C12炭化水素である。C12を超える炭化水素は好ま しくない。炭化水素の沸点が高すぎると、一般に炭化水素が蒸留塔オーバーヘッ
ド受け器/デカンターではなく、反応器の方へ行きやすいからである。炭化水素
の沸点が低すぎると、大気条件下で用いるのには実用的でない。オレフィン系炭
化水素も使用できるが、それらが反応器内で重合する傾向があるため好ましくな
い。
【0016】 相分離溶媒は、デカンター/抽出器の操作温度範囲内で2相を形成しうるのに
有効な量で用いられる。適切な量には約5〜70重量%、好ましくは10〜約5
0重量%、最も好ましくは約20〜40重量%が含まれる。少なすぎる相分離剤
は相分離を起こさず、多すぎる場合は操作に過度の装置サイズおよびエネルギー
消費を必要とするであろう。
【0017】 酸触媒によるエステル化反応は任意の適切な反応器内で実施でき、反応器は、
反応体を混合する手段、反応温度を調節する手段、ならびに目的エステル生成物
を未反応成分および反応中に生成する水から分離する手段を備えている。好まし
い態様においては、上記のほか、蒸留カラム、冷却器、および溶媒(生成物を含
有)−水相を分離するための相分離器またはデカンター/抽出器、ならびに溶媒
および水を蒸留カラムへ戻すための手段を用いる。
【0018】 本反応を実施するための一般法は、以下のものである。グリコールエーテル、
カルボン酸および酸触媒を反応器または反応カラムに装入する。混合物を希望す
る反応温度に加熱し、適切な期間維持し、次いで留出した生成物混合物をオーバ
ーヘッド相分離器へ移す。混合物を相分離器内で相分離溶媒と接触させ、相分離
させる。次いで、得られた混合物の相(水相および油(生成物を含有)相)を分
離し、各相を蒸留し、目的とするモノカルボン酸エステルを回収することにより
、生成物の単離操作を行う。
【0019】 図1には反応器/リボイラーが示され、ここで標準的な反応工学的方法により
反応体を互いに接触させて十分に混合する。連続方式で操作する場合、反応温度
で適切な滞留時間を維持するように、反応体の供給速度を調節する。混合物は蒸
留塔の底へ送られ、ここでエステル生成物、水および未反応の反応体が留出する
。次いで目的のエステル生成物を含有する留出生成物流をデカンター/分離器へ
送り、ここで混合物に相分離剤を添加する。一般に相分離剤を添加した後、短時
間(一般に数分)以内に混合物は少なくとも2液相になる。油相、すなわち生成
物相を、水相から分離する。次いで生成物相を蒸留して、より高い純度を達成す
る。大部分は水、少量のエステル、および少量の未反応アルコールを含有する水
相を、有機物回収塔へ送る。
【0020】 本発明のエステル化のための一般的反応条件には、約80〜約160℃の反応
器/カラム温度範囲、約0.1〜10気圧の圧力、および約0.5〜約5時間の
反応器滞留時間が含まれる。これら3パラメーターはプロセスを最適化するよう
に調節でき、生成するエステル毎に異なるであろう。経済的理由で、好ましい条
件はほぼ1気圧の圧力および約0.5〜2時間の反応器滞留時間での操作である
【0021】 本発明方法はアルキレングリコールモノアルキルエーテルエステルの製造を目
的とするが、本方法は一般のエステル化反応に利用できる。本発明方法を適切な
グリコールエーテルとモノカルボン酸を用いる他のエステル、たとえば酢酸プロ
ピレングリコールモノブチル、酪酸ジプロピレングリコールモノオクチル、ギ酸
エチレングリコールモノエチルなどの製造に広く利用できることは、当業者に理
解されるであろう。
【0022】 以下の実施例は説明のためのものであり、本発明の範囲を限定するためのもの
ではない。
【0023】 実施例 実施例1 30トレー、直径2″のオルダーショー(Oldershaw)蒸留カラム、還流冷却器 、オーバーヘッド受け器(デカンター)およびリボイラー/反応器を備えた装置
を組み立てた。新たな材料をリボイラーへ、またシクロヘキサンをオーバーヘッ
ド受け器へ供給するために、ポンプを用いた。リボイラー/反応器に62.8g
の酢酸1−メトキシ−2−プロピル、66.0gの1−メトキシ−2−プロピル
アルコール、132.1gの氷酢酸、67.1gの水、および17.9gのメタ
ンスルホン酸触媒を添加した。蒸留カラムを大気圧で還流対留出比1.0におい
て操作した。1−メトキシ−2−プロピルアルコール44.0重量%、氷酢酸1
4.0重量%、および水42.0重量%の組成をもつ新たな材料を、5.28g
/分の速度でリボイラーに供給した。シクロヘキサンを1.07g/分の速度で
オーバーヘッド受け器に供給した。操作中、リボイラー内の温度を112℃、蒸
留カラム最上トレーの温度を94℃に維持した。これにより蒸留塔または反応器
/リボイラー内にシクロヘキサンがほとんど、または全く存在しないことが保証
された。オーバーヘッドデカンターからの全生産速度は、シクロヘキサン供給量
を含めて6.36g/分であった。凝縮した留出物は、主にシクロヘキサンおよ
び酢酸1−メトキシ−2−プロピルを含有する油相と、大部分が水であって少量
の1−メトキシ−2−プロピルアルコールおよび酢酸1−メトキシ−2−プロピ
ルを含有する水相とに、直ちに分離した。水相のみを蒸留塔へ還流した。これら
の操作条件を5時間保持した。
【0024】 シクロヘキサン添加前の留出物の組成は、酢酸1−メトキシ−2−プロピル3
3.1重量%、1−メトキシ−2−プロピルアルコール21.2重量%、および
水45.7重量%と測定された。以前の実験から、これらの反応条件下ではこの
混合物は2相に分離しないと判定された。シクロヘキサンを添加して相分離させ
た後、油相はシクロヘキサン44.1重量%、酢酸1−メトキシ−2−プロピル
46.6重量%、1−メトキシ−2−プロピルアルコール7.7重量%、および
水1.6重量%を含有していた。シクロヘキサン約10重量%でも相分離はみら
れた。
【0025】 実施例2 実施例1の操作に従って、蒸留カラムを大気圧で還流対留出比0.68におい
て操作した。1−メトキシ−2−プロピルアルコール47.7重量%、氷酢酸1
8.2重量%、および水34.0重量%の組成をもつ新たな材料を、5.85g
/分の速度でリボイラーに供給した。シクロヘキサンを2.01g/分の速度で
オーバーヘッド受け器に供給した。操作中、リボイラー温度を約115℃、蒸留
カラム最上部の温度を約93℃に維持した。オーバーヘッド受け器からの全生産
速度は、シクロヘキサン供給量を含めて7.78g/分であった。これは前記実
施例と同様に油相と水相に分離した。これらの操作条件を5時間保持した。
【0026】 オーバーヘッド受け器へのシクロヘキサン添加前の留出物の組成は、酢酸1−
メトキシ−2−プロピル32.5重量%、1−メトキシ−2−プロピルアルコー
ル19.3重量%、および水48.2重量%であった。以前の実験から、これら
の反応条件下ではこの混合物は2相に分離しないと判定された。
【0027】 シクロヘキサンを添加して相分離させた後の生成物相の組成は、シクロヘキサ
ン50.8重量%、酢酸1−メトキシ−2−プロピル43.5重量%、1−メト
キシ−2−プロピルアルコール5.7重量%、および水0.0重量%を含有して
いた。
【0028】 比較例 シクロヘキサンを添加しない多数の実験で、30トレーのカラムを用い、塔の
還流対留出比が少なくとも3.0、好ましくは5.0を超えなければ、オーバー
ヘッド受け器での相分離を達成できないことが示された。ただしこれらの操作条
件下ではリボイラーへの供給量を約1.0g/分に維持できたにすぎない。実際
上、未反応1−メトキシ−2−プロピルアルコールの再循環や水分離カラムの操
作を考慮すると、この速度すら不可能であろう。
【0029】 これらの例は、相分離剤を用いない場合の>5倍の速度で目的エステル生成物
を分離できることを示す。これらは、目的エステルを含有し、カルボン酸反応体
を含有しない留出生成物が得られることも示す。これらは、純粋な生成物を回収
するために酸触媒を中和する必要のない実用的方法を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい態様を示し、反応器/リボイラー、蒸留塔、およびデカンタ
ー/分離器を用いる、エステル化プロセスを示す。
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月24日(2001.1.24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 AD11 AD14 AD16 BA28 BA31 BA34 BA36 BA37 BA52 BA66 BA72 BB11 BB12 BB15 BB16 BC35 BD20 BP10 KA06 4H039 CA66

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキレングリコールモノアルキルエーテルのカルボン酸エス
    テルの製造方法であって、 a)反応カラム内で、次式の1〜10個の炭素原子をもつモノカルボン酸また
    はハロゲン化モノカルボン酸とアルキレングリコールモノアルキルエーテル: 【化1】 (式中、n=0〜6;R1、R2=H、CH3−(CH2n−;X=Cl、Br、 F)を酸触媒の存在下に反応させ; b)混合物を蒸留カラム内で蒸留し、その際、カルボン酸エステルおよび未反
    応アルキレングリコールモノアルキルエーテルを共沸させるために反応水を使用
    し; c)(b)の留出物をオーバーヘッド相抽出器/分離器へ移し、少なくとも2
    相を形成しうるのに有効な量の不活性溶媒と接触させ; d)混合物の得られた相を分離して水相と油(生成物)相を調製し;そして e)油相を蒸留してモノカルボン酸エステル生成物および不活性溶媒を回収す
    る; ことを含む方法。
  2. 【請求項2】 酸触媒が、濃硫酸、塩酸、硝酸、三フッ化ホウ素、五フッ化ア
    ンチモン、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、トリフル
    オロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、o−またはp−トルエン
    スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スルホン化芳香族イオン交換樹脂およびペル
    フルオロアルカンスルホン酸樹脂などのスルホン酸よりなる群から選択される、
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 エーテルが1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−
    2−エタノールである、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 不活性溶媒が直鎖、分枝鎖、芳香族、環状芳香族の炭化水素、
    エステル、エーテル、ケトンおよびフルオロクロロ化合物である、請求項1記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 溶媒が、C5-12のペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シク
    ロヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン;および酢酸ブチル、酢酸プロピル
    、酢酸エチル、MTBE、ジイソプロピルエーテル、MEK、MPK、MBK、
    および対応する分枝鎖化合物、塩化メチレン、四塩化炭素から選択される、請求
    項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 溶媒を約5〜70重量%使用する、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 溶媒を約10〜50重量%使用する、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 溶媒を約20〜40重量%使用する、請求項7記載の方法。
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