JP2001521907A - 天然アレルゲンの寛容原性断片 - Google Patents

天然アレルゲンの寛容原性断片

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然アレルゲンの寛容原性断片 【解決手段】 本発明は、屋内および屋外源物質からの精製され脱色された活性アレルギー原性蛋白質の制御された酵素切断の方法に関し、該方法は、天然T−リンパ球刺激エピトープを保持するが、IgE−結合性B細胞エピトープおよび補体−活性化剤が枯渇したアレルゲンの断片を生じる。また、本発明は、新しい医薬製品に関する。これらのアレルゲン断片は、免疫療法のための通常のアレルギー原性抽出物の不利を呈せず、アレルギーヒトにおいて特異的T細胞アネルギーおよび免疫学的寛容性の状態を誘導するのに安全に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の概要) 本発明は、屋内および屋外の供給源物質から精製され脱色された活性アレルギ
ー蛋白質の制御された酵素切断方法に関し、該方法は、天然T−リンパ球刺激性
エピトープを保持するが、IgE−結合性B細胞エピトープおよび補体−活性化
剤が除去されたアレルゲンの断片を生じる。また、本発明は、新しい医薬製品に
関する。これらのアレルゲン断片は、免疫療法用の通常のアレルギー抽出物の不
利を呈さず、アレルギー性のヒトにおいて特異的T細胞アネルギーの状態および
免疫学的寛容性を誘導するのに使用するのに安全である。
【0002】 (一般的背景) 家庭ダスト、動物皮膚の放出上皮夾雑物、草本、雑草、樹木の花粉粒、および
いくつかの他の物質のような種々の環境物質の水性抽出物は、病気素因をもった
ヒト、所謂「アトピー」患者における気管支喘息、血管運動鼻炎および花粉症の
ようなアレルギー疾患のイン・ビボおよびイン・ビトロ診断で広く使用される。
NoonおよびFreemanによる1911年の最初のの臨床的報告以来、か
かる抽出物は、これらの病気の「脱感作」、「低感作」または「免疫療法」のた
めの皮下注射の方法においてアトピーアレルギー疾患の治療で適用されてきた。
抽出物における原因および支配的アレルギー成分が10〜70kDaの範囲の分
子量の蛋白質骨格構造を含むという観察に基づいて、10kDa公称カットオフ
の膜を通して水性抽出物を透析しまたは限外濾過して、10kDa未満の分子量
を持つより関連性の低い成分を除去し、それにより、10〜100kDaの範囲
の多価抗原蛋白質を保持して、臨床適用のためのアレルギー抽出物の質を改良す
ることが、アレルギー抽出物の製造プロセスにおける通例となった。ある場合に
は、3kDaまたは5kDaのより低いカットオフ制限が選択される。
【0003】 現在の理論によると、ヒトにおける環境アレルゲンに対する暴露は、IgG−
およびIgE−イソタイプのアレルゲン−特異的抗体の形成を引き起こす。従っ
て、免疫学的意味において、アレルゲンは、特別な分子的特徴または適当なモジ
ュレーターのアレルギー抽出物における同時存在いずれかに起因して、IgEク
ラスの抗体の生合成をさらに促進するための、補助的特性が付与された通常のI
gG−抗体誘導外来性抗原とみなすことができる。従って、一時、かかる抗原は
、より適当には「アトピー性アレルゲン」[1]と呼ばれた。遺伝的に病気素因
をもった所謂「アトピー性」のヒトは、この点に関して特に、アレルゲン特異的
IgE抗体の上昇したレベルに応答する傾向がある。最初の誘導または「感作」
相の後、アレルゲンとの新たな接触は、究極の病気兆候の原因であるアレルゲン
−(IgE)抗体複合体の局所的形成を導くと考えられる。より詳細には、最終
的にアレルギーの臨床的発現兆候の原因であるメディエーター物質の放出を導く
生化学事象の系列をトリガーすると考えられるのは、細胞膜上の(すなわち、肥
満細胞または好塩基性白血球の)IgE−(e)受容体に結合したその特異的I
gG−クラス固着抗体とアレルゲンとの相互作用である。免疫療法の間にアナフ
ィラキシー副作用の危険を低下させるために、非常に多数のアプローチが記載さ
れてきた。最近、PCT/EP96/01733号が公開され(1996年、1
1月7日)、ここにはアレルギー罹患者の脱感作療法で使用される新規医薬組成
物が開示されている。この組成物は、チロシンおよび重合されたアレルゲンを含
む。他のアプローチは80年代初期に既に提示されているが、不適当であること
が判明した。GB−A−1,492,073号は、分子内架橋を引き起こす薬剤
剤によって修飾されたチロシンおよびアレルゲンの共沈殿を記載している。EP
−A−0,367,306号は、重合されたアレルゲンを調製し、架橋を提供し
、その結果アレルギー原性を低下することを目的としたプロセスを記載している
。1981年に既に公開されたさらにもう1つの古い公開EP−B−0,038
,154号には、そのアレルギー原性を低下させるためのアレルゲンのポリサル
コシンでの処理が記載されている。この刊行物によれば、特に2,000〜12
,000の分子量を持つポリサルコシンが有用である。この明細書は、プロッキ
ング抗体を誘導する能力を保持して、それを脱感作療法のためにより適したもの
にすることが示唆される。この特許はまた、グルタルアルデヒドでの処理によっ
てアレルゲンのアレルギー原性が低下される改良された形態の療法を記載するU
K特許1,282,163に言及している。別のアプローチがUK特許第1,5
78,348号で提供され、そこでは、アレルゲン−ポリエチレングリコールコ
ンジュゲートがアレルゲン特異的IgE生産を抑制する所望の治療効果を誘導で
きると述べられている。これらの物質は非アレルギー原性で且つ非免疫原性であ
ると述べられている。寛容原性アレルゲン断片によるアレルギー病の意図した免
疫療法については、選択された生成物は、生理学条件下での酸性ヒドロラーゼお
よび他の酵素による所謂「抗原−提示細胞」(APC)内で生じた天然T細胞エ
ピトープに非常に近いはずである。この特別のアプローチは、米国特許第4,4
69,667号および欧州特許EP0113712 B1(文献6および7も参
照)において先行技術に採用されている。かかる天然要素は、可能なペプチド結
合ハプテン化学構造を含み、制御された条件下で蛋白質分解切断に対してアレル
ゲン抽出物成分を付すことにより、実験室において模倣することができる。この
分野における多くの研究経路のうちの1つは、ヒトにおけるアレルギーの治療は
、特異的IgE抗体を誘導しないアレルゲン誘導体、すなわち、その所謂IgE
−結合性「B細胞エピトープ」を欠如したアレルゲン誘導体を用いて行われるべ
きことを示唆する。
【0004】 かくして、アレルギー原性の低下によって脱感作用の組成物を提供する種々の
非常に多数の方法が、過去20年間にわたって提案されてきた。かなりの努力が
種々の方法における問題に向けられているが、これまで殆ど成功していない。治
療の要件の良好な理解を得るためには、アレルギー応答の誘導または惹起の間に
、現実に何が起こるかを評価することが必須である。
【0005】 外来性抗原に対する免疫応答の誘導は、単純な形態の種々のカテゴリーの細胞
の協働、即ち、所謂「抗原−提示細胞」(APC)およびT−およびB−リンパ
球集団の協働を要する。APCおよびT−リンパ球の間の最初のシグナルは、A
PC、例えば、マクロファージによって内部化された外来性抗原の(蛋白質分解
切断による)細胞内プロセッシングの間に生起する抗原性ペプチド断片よりなる
。(「T細胞エピトープ」としても知られている)(外来性)抗原断片はAPC
の外方膜に実質的にリサイクルされ、次いで、それらは主要組織化学複合体(M
HC)の膜−結合クラスII抗原と会合したリガンドの形態で暴露されるように
なる。APC上のかかるT細胞エピトープを認識し、それ自体がB−リンパ球を
分泌する免疫グロブリンと協力するT−(ヘルパー)リンパ球(Th1−および
Th2−細胞)の集団のうち、特にアレルゲン特異的Th2細胞クローンが、ヒ
トアトピー疾患の発症において中枢的役割を果たすと考えられる。Th1細胞と
は異なり、その表面上の適当なT細胞エピトープを発現するAPCとの接触によ
って活性化されたTh2細胞は、比較的大量のインターロイキン4(IL−4)
および5(IL−5)を生じ、これは、とりわけ、Bリンパ球または血漿細胞に
よるサイトカインシグナル促進IgE生合成として作用できる。これに基づいて
、「即時型I」(アトピー)アレルギーの一時的理論は、アトピーヒトにおいて
、Th1リンパ球よりもTh2が比較的優勢になり、その結果、IgE合成が増
加する。従って、活性な療法は、Th2>Th1〜Th1>Th2へのアレルゲ
ン特異的T細胞活性のバランスを回復させることを目論む。アレルギー原性分子
に由来するT細胞エピトープによるアレルゲン特異的T細胞クローンの考慮され
た操作は、それにより、それ自体を成功した免疫療法に対する潜在的に新しいア
プローチとして提案されたが、かかるエピトープはアレルゲンアレルゲン−特異
的IgE抗体に結合もしないしそれを誘導もしないという制限がある[2,3]
。しかしながら、分子クローニングおよび組換え技術に由来する選択されたIg
E−結合抗原のアミノ酸配列から構造的に規定されるいくつかの合成T細胞ペプ
チドエピトープでの最近の臨床テストは、これまでのところ、所望の便宜な効果
を達成しておらず[4,5]、従って、この最近採られた経路は結果に至るよう
には見えない。
【0006】 理論に拘束されるつもりはないが、APCおよびTh細胞の間の相互作用は、
いくつかの膜受容体を含む共刺激因子を要することはよく確立されているようで
ある。また、もし最初のシグナル、すなわち、T細胞エピトープ認識のみが起こ
るならば、T細胞アネルギーが起こり得るという証拠も存在する。刺激のこれら
初期相の後、これらTh2細胞はアレルゲン−パルストAPCによるさらなる刺
激に応答しなくなる。よって、アレルゲン由来ペプチドでの刺激に続いてT細胞
アネルギーがアレルゲン−特異的Th2細胞クローンで誘導され得る。かかるア
ネルギーTh細胞はIgE−生産B細胞に対する助けを提供せず、IgEレベル
を下方調節するに至る。超最適用量の予備形成されたMHC適合T細胞エピトー
プの提示または投与が、共刺激シグナルの不存在下で、および恐らくは予備存在
免疫状態においてさえT細胞アネルギーおよび免疫寛容性を誘導するという考え
を支持するいくつかの予備的臨床データがある[6,7]。
【0007】 個々のアレルギー源物質の抽出物は、非常に多様な区別されるIgE−結合蛋
白質アレルゲンを具体化することが知られている。さらに、単一源からのいずれ
の個々の蛋白質アレルゲンも、ある範囲の多様な非IgE結合T細胞エピトープ
を呈することができるT細胞活性化エピトープの豊富さおよびそれらからの適切
な寛容原性ペプチドの困難性を考慮するとT細胞エピトープでの効果的な広スペ
ククトル免疫療法は、最良には、少しの選択された合成ペプチドまたは組換えア
レルゲンでよりもむしろ、供給源物質におけるアレルゲンの天然ライブラリーの
非IgE結合性断片のコレクションで達成することができると推定するのが合理
的である。これは、優性エピトープの可能な化学的性質においてより激しくなる
。現在の見解はT細胞エピトープが線形アミノ酸配列のペプチドであることをこ
とを指示しており、これは一旦同定されれば、合成により生産できる。しかしな
がら、この論点は、天然に生じるアレルゲンは、しばしば蛋白質骨格に化学的に
結合した糖鎖または他の有機化合物よりなる翻訳後側鎖を担持することを全く否
定する。しかしながら、かかる化学的に結合した構造または酵素により生産され
たアレルゲンの断片は、合成ペプチドまたは組換えアレルゲン転写体が無い。最
後に、アレルゲンの科学および技術は、最も重要な現実的論点、すなわち、分解
生成物および非生理学的分子複合体の形成に至る、未精製アレルギー抽出物にお
ける多数の成分の間で起こる化学的および物理的相互作用に関しては、未だ沈黙
したままである。前記組成物での現実的結果の欠如と組み合わせたこれらの理由
により、アレルギーの治療についてのより適切な調製物を開発する別のアプロー
チが採られた。
【0008】 (発明の背景) 前記より、通常なされるように、免疫系は、丁度それが通常の外来性抗原を扱
うようにアレルギーを扱うと推定した。しかしながら、この推定は、アレルゲン
が何故通常の蛋白質抗原とは異なり、IgE−抗体と縦列にて特異的IgE−抗
体の形成を誘導するかを説明せず、また、なぜヒト集団の少ない部分のみ(「ア
トピー」の人々)が、上昇したレベルのかかるIgE−抗体を生産するのみなら
ず、臨床的発現アレルギー疾患を発症する傾向にあるのかを理解する助けとはな
らない。アレルギー疾患の病理メカニズムを逆調節するための最も適したアレル
ゲン調製物または断片を設計する前に、さらなる因子が考慮されなければならな
いのは明らかであり、これら因子のうちの1つは、補体系およびアレルギー抽出
物の成分によるその活性化に関する。
【0009】 アレルギー原性「屋内」起源物質の水性調製物は、イン・ビトロにて、ヒト血
清で溶血補体(huC)を消費することが長い間知られていた[8]。膨大なア
レルギー抽出物の化学的研究が、炭水化物を持つ蛋白質またはペプチドの>10
kDaメイラード型の反応生成物(すなわち、メラノイジン)、ならびにハウス
ダストおよび動物のふけの抽出物中の可溶性(eu-)メラニンを含む、有機分解 生成物のほとんど普遍的な存在を発見した。これらの成分は、補体活性化および
部分的にはアトピーアレルギー対象におけるイン・ビボ陽性皮膚反応の原因であ
ることが示されてきた。他方、植物花粉のような典型的な「屋外」アレルゲンの
水性抽出物において、補体活性化に関与する主要な物質+が、最近、本発明者ら
によって、遊離もしくは蛋白質が吸着された縮合または加水分解可能タンニン、
またはハプテン形態の蛋白質担体分子に高密度でコンジュゲートしたフラボノシ
ドおよび他のポリフェノールであると同定された。メラノイジン、メラニンまた
はタンニン分解生成物はそれ自体が免疫原性であるが、それ自体は抽出物中で蛋
白質抗原と物理的に会合した存在し得、それにより、IgEクラスの抗体の優先
的な誘導に至ると1983年に既に記載されている[9]。
【0010】 アレルゲン原性抽出物のこれら特別の成分による非抗体媒介性補体活性化のメ
カニズムは、成分C1、C4、C2および特別の条件下での古典的経路のC3を
含む。かくして、アレルゲン抽出物中の化合物を変調することによる補体の局所
的活性化は、強力なヒスタミン−遊離アナフィラキシーC3aおよび断片C3b
(細胞性免疫系の調節における鍵となる因子)の生成に至り得る。さらに、「ア
トピー」個体の血清中の補体は、健康な対照個人の血清で観察された活性化因子
に対してより感受性である傾向にあることが示されている[8]。
【0011】 本発明者らは、予期せぬことに、アレルゲン抽出物中のタンニンおよびメラノ
イジンが、抗原の不存在下においてさえ補体系を活性化できることを観察した。
よって、これらの物質は、B−リンパ球の増殖および抗体合成の刺激のための適
当な「第2」シグナルを提供する(多価)C3bのような補体因子を生成するこ
とによってアジュバント特性を真に呈する。B細胞自体上の区別されるC3b外
方膜受容体CD21は、B−リンパ球上のレクチンCD23に対するリガンドで
あり、これは、低親和性IgE(Fc)−受容体として認識されてきたT細胞/
B細胞の鎖および補体受容体相互作用の詳細は本明細書の範囲を超えているが、
アレルゲン−特異的IgE抗体合成に対するおよび非アレルゲン特異的補体活性
化に対する刺激は密接に連結し得ることは明らかなようである[10]。高めら
れた抗アレルゲンIgE生産は、一般に、臨床的発現アレルギー反応をトリガー
オフすると考えられるので、かくして、それは、免疫療法および寛容性誘導を意
図したアレルゲン抽出物中の補体−、CD21−およびCD23−活性化剤が望
ましくなく、T細胞アネルギーの成功した誘導が一度に試みることができる前に
出来る限り排除されなければならないことになる。この前提要件およびその現実
的実行の認識は全く新しく、先行技術では提案されていない。
【0012】 アレルゲン抽出物中の有機化合物の少なくとも2つの機能的に区別される群、
すなわち、補体活性化タンニンおよびメラノイジン(または「アジュバント」)
の認識は、一方では、抗原性(糖)蛋白質成分と相乗的に作用し、他方では、ヒ
トにおけるIgE−媒介アレルギー疾患の理解における新しくて予期せぬ突破口
を表し、これは、新規な医薬のデザインおよび生産にとって重要な技術的反響を
有する。例えば、IgE−抗体誘導に至らない寛容性T細胞エピトープ組成物の
製造では、アレルゲン出発物質は、補体活性化因子が可能な限り一掃されなけれ
ばならない。
【0013】 その補体活性化特性とは別に、タンニンおよびメラノイジンは多くの他の望ま
しくない効果を発揮する。これらの化合物は、多数の水素結合および疎水性相互
作用によってほとんどの蛋白質に密に吸着され、それにより、酵素攻撃から蛋白
質を保護する。逆に、タンニンおよびメラノイジンは、セリンプロテイナーゼト
リプシン、キモトリプシンおよびカリクレインを含めた、中性もしくはわずかに
アルカリ性の生理学的pH値で働く非常に多様な酵素を阻害する[11]。タン
ニン/メラノイジン−蛋白質相互作用に関与する物理的力は2.5未満のpH値
でゼロに可逆的に降下するので、アレルゲンマクロ分子からのT細胞エピトープ
の酵素生産についての選択プロテイナーゼは、pH2でその最適活性を持つ胃酵
素ペプシンである。このpH値では、(約5kDaの最大分子サイズを有する)
タンニンおよびメラノイジンは、蛋白質から解離し、透析または限外濾過によっ
て除去することができる。従って、アレルゲン断片化についてのペプシンでの酵
素消化プロセスに、酵素不存在下で酸性(pH2.5未満)媒体からの透析工程
が先行させて、アレルゲン蛋白質構造に影響することなく干渉タンニンおよび/
またはメラノイジンを除去するのは絶対的に重要である。もしこれらの補体−活
性化ポリヒドロキシ物質がペプシン消化プロセスに先だって除去されなければ、
それらは、中和に際して所望のT細胞ペプチドと再会合せず、最終医薬生成物に
おいてこれらを利用できなくするであろう。酵素断片化についての候補出発物質
は、従って、酵素の不存在下でpH2で調製された「脱色された」アレルゲンを
含むことができ、これは、欧州特許番号EP0 662 080 B1号に記載
されている。タンニンおよび/またはメラノイジンは5kDa膜を介して透析工
程で除去することができる。
【0014】 EP0 662 080 B1号に詳細に記載されているごとく、pH2.0
±0.1における希塩酸または硫酸溶液中でのアレルゲン蛋白質の脱色プロセス
は、10kDaカットオフ膜を介して酸性媒体から直接的に透析または限外濾過
によってアレルゲン抽出物中の溶解した>10kDa成分の実質的割合(起源物
質に依存して、15〜60重量%)を除去する。従って、遊離の成分の分子サイ
ズは10kDa未満であり、5kDaあたりの分子質量を通常は有する天然タン
ニン、(eu−)メラニンおよびメラノイジンを含む。米国特許第4,469,
667号および欧州特許EP0113712B1号に記載された手法に取り入ら
れなかったように、もしこの注意した酸透析工程が消化相、例えば、ペプシンが
添加された消化相に先だって採られなかったら、pH2での加水分解後のペプシ
ンの場合に酸性溶液の中和は、前記したタンニン−ペプチド複合体の再会合を引
き起こし、それにより、細胞性免疫系による引き続いての認識から所望のT細胞
エピトープを保護する。酵素消化に先だってタンニンおよびメラノイジンを除去
しないと、最終生成物の補体−活性化力を影響させず、ヒト適当に際してIgE
合成の望まない刺激に至る。
【0015】 正しく実行された脱色プロセスにも拘わらず、化学的に結合したポリフェノー
ルおよびメイラード型構造は、しばしば、適当に脱色されたアレルゲン蛋白質上
でさえ化学的および分光学的に同定することができる[12]。かかるコンジュ
ゲートしたポリフェノールおよび炭水化物誘導体は、蛋白質アレルゲンの分子構
造の一体的一部を形成し、酸性媒体中では除去することができない。事実、かか
る非蛋白質側鎖は、ハプテンでさえ、米国特許第5,384,395号および欧
州特許EP A 0,387,952号に概説されているように、特異的IgE
−およびIgG−抗体によって認識されるB細胞エピトープ部位の一部を形成す
る。事実的観点では、EP0 662 080 B1号の脱色プロセスによる吸
着されたタンニンおよびメラノイジンの排除は、これらの蛋白質接合ハプテン構
造のマスク解除を助け、ほとんどのアレルゲンにおいて、特異的IgE抗体の結
合のわずかな増加に至る。他方、蛋白質抗原担体上のハプテン分布および密度は
、Partetaria judaicaの花粉からのアレルゲンで報告されて
いるように、特定の>10kDa脱色調製物(HMW−D)が酵素により容易に
は加水分解できないようになものにできる[12]。欧州特許EP011371
2B1号で示されているものとは対照的に、ペプシンによる酵素消化の容易性は
、区別される脱色された>10kDaアレルゲン調製物の中では異なることが判
明し、これは、酵素加水分解の条件がアレルゲン源に依存して適合されなければ
ならないことを意味する。本特許出願の図1の例に示されているように、ペプシ
ン消化の間にニンヒドリン試薬で測定された遊離ペプチドアミノ基の出現率は、
事実、種々のアレルゲン花粉調製物の中では顕著な変化を示す。
【0016】 アレルゲン蛋白質骨格に取り込まれて見出される優性ハプテン構造は、ポリヒ
ドロキシルフラボノイドおよび他のポリフェノールの群に属し、これは、酸化的
条件下では、蛋白質マクロ分子におけるシステイン残基との強力なチオエーテル
結合を形成するか、あるいはリシン側鎖のe−アミノ基に連結したヘキソースま
たはペントースの化学的転移生成物を表す[1]。S−結合およびN(e)−結
合の両ハプテン構造は、純粋な蛋白質吸収が無視できる300〜350nmの範
囲の紫外光を吸収する。図2の例で示したように、事実、遊離されたニンヒドリ
ン反応性遊離アミノ基の項で測定されたごとく、UV−スペクトロスコピーによ
って近似されたハプテン密度およびペプシンによるアレルゲンハプテン−蛋白質
複合体の消化の間で逆の関係が観察される。
【0017】 高度にペプシン耐性のHMW−D調製物のいくつかの場合には、遊離された遊
離アミノ基の不足にも拘わらず(図1)、断片化はそれにも拘わらず検出可能蛋
白質成分の喪失によって明らかであることが、電気泳動方法によって示すことが
できる。Parietaria花粉の例では、明瞭なカット断片化が、少なくと
も100倍だけ、酵素(Fb−D)断片において、IgE−結合ではなく補体−
活性化力の喪失によって示すことができる。ポリフェノール−またはリシン−糖
構造要素の強く還元する特性に鑑みると、ある場合には、酸化は、IgE−結合
および補体活性化部位双方を十分に排除するのに必須の前提要件であり得る。断
片化前のHMW−D調製物の酸化は、種々の化学剤を用いて、例えば、過ヨウ素
酸塩で行うことができる(後記参照)。しかしながら、可能な炭水化物T細胞エ
ピトープを保護するには、選択された方法は、紫外線照射による酸化であり、こ
れは、補体活性化およびIgE−結合能双方をなくすることが示されている(1
3)。いくつかの雑草、樹木および薬草の花粉からのHMW−D調製物の場合、
従って、補足的酸化工程を脱色の前であるが断片化の後に導入することができる
(後記参照)。
【0018】 本発明による酵素断片化および(所望の)酸化手法は、ダニ、昆虫、黴、草本
、雑草および樹木の科の花粉、職場環境における有機ダスト等を含めた、全ての
公知のアレルゲン環境、屋内および屋外物質に適用することができる。これらの
物質は抽出され、例えば、本明細書の一部をなすものとして援用するEP 0
662 080 B1号に記載された脱色工程に付される。抽出物中のアレルゲ
ン物質の蛋白質分解を得るための断片化条件(予備酸化、基質に対する酵素の比
率、酵素加水分解の時間等)の引き続いての正しい選択は、源物質の性質による
予備的実験的証明に依存し得る。かかる選択は、当業者にとってルーチン的事項
であり、過度の負担なくして実施することができる。
【0019】 天然T細胞エピトープの提案されている調製は、実施例に記載される手法で例
示される一連の工程に従う。一般に、本発明の方法は、アレルゲン性物質に対し
て寛容性を供するために個体への適用されるための寛容性提供抽出物の製法であ
って、該製法は、 a)アレルギー源物質を抽出し、 b)3.5kDaよりも低い分子量を持つ物質を除去してHMW−N画分を得
、所望によりHMW−Nを凍結乾燥し、 c)該画分からのHMW−N中のアレルギー物質に物理的に付着したタンニン
およびメラノイジンを除去して、タンニンおよびメラノイジンを含まない脱色H
MW−D画分ならびに非コンジュゲーテッドタンニンおよびメラノイジンを得、
所望によりHMW−Dを凍結乾燥し、 d)HMW−D画分に存在する蛋白質を分解して1および10kDaの間の分
子量を持つ断片を得ることを含み、 ここに、工程d)の該生成物はFb−Dであり、工程a−dの操作は該工程用
の自体公知の方法で行うことを含む。
【0020】 また、本発明は、補体−活性化剤が最大限に枯渇し、その天然T−リンパ球刺
激エピトープを保持するが、IgE−結合エピトープを含まず、アレルギー性ヒ
トにおいて特異的T細胞アネルギーおよび免疫学的寛容性を誘導するための組成
物として使用される安全なアレルゲンの断片を含むアレルギー源物質の抽出物を
含む。本発明による抽出物は、公知のアレルギー環境、昆虫、ダニ、黴、草木、
雑草、花、低木および樹木の花粉を含めた屋内および屋外アレルギー物質から、
および職場環境中の有機ダストから選択されるアレルゲン源に由来し得る。
【0021】 かかる抽出物は、好ましくは、標準的なアッセイ条件下でIgE−結合の50
%阻害に必要な凍結乾燥物質の量として表されるアレルゲン断片のIgE−結合
能が、同一溶媒中、同一条件下で、未処理抽出物のそれの少なくとも100倍低
いものである。別法として、あるいは前記と組み合わせて、本発明の抽出物は、
例えば、ヒト溶血補体の50%喪失を引き起こすための凍結乾燥物質の量として
表したアレルゲン断片の補体−活性化能が、同一溶媒中、同一条件下で、未処理
抽出物のそれの少なくとも100倍低いものである。
【0022】 前記具体例のいずれかにおける本発明の抽出物は、アレルゲン断片のT−リン
パ球刺激指標が、同一溶媒中、同一条件下、未処理抽出物のそれに対して50〜
150%であるものであり得る。特に、本発明の抽出物は、かかる公称カットオ
フ値の膜を通してpH7.0の水溶液の透析によって測定して、アレルゲン断片
が1kDaおよび10kDaの間の分子量を有するものである。本発明の抽出物
は、遊離および/または蛋白質吸着タンニン、メラノイジンおよび他の色素が除
去されている。
【0023】 すなわち、開示された本発明の方法により得ることができる調製物は、本発明
の範囲内に入る。本発明によるかかる調製物は、適当には、ヒトおよび/または
動物への適用ができるために医薬上許容される投与形態とされるであろう。
【0024】 調製物がそれから由来する天然アレルゲン物質に対する寛容性を誘導する目的
での、アレルゲン個体の治療用の医薬の有効成分としての本発明の調製物の使用
も、本発明の適当な具体例と考えられる。
【0025】 本発明の製法における抽出、脱色および断片化を説明する例 A.HNW−Nの調製 脱脂植物花粉粉末、動物のふけ、消費ダニ培養または清浄ダニの乾燥体または
他の昆虫体のような乾燥されたアレルゲン源物質を、0.15M NaClを含
有する0.01Mリン酸緩衝液pH7.0に懸濁させる(PBS)。最初の4時
間の実行において、+4℃の冷い部屋で撹拌しつつ抽出を2回行い、その際、遠
心後の残渣を18時間再抽出し、遠心する。合わせた調製物を、10kDa公称
カットオフの膜(参照;Millipore,PLBS 000 05)を装備
したPellicon系を用い、5容量の蒸留水に対して透析する。透析された
>10kDa保持物を、次いで、凍結乾燥によって乾燥して、>10kDaの粗
製アレルゲン生成物HMW−Nを得る。10kDa未満の「小量」アレルゲンが
存在することが知られている選択された場合、該10kDa膜を3.5kDa透
析シートで置き換えることができる。
【0026】 B.HNW−Dの調製 脱色手法の詳細は、EP0 662 080 B1号で公開されている。略言
すれば、凍結乾燥したHMW−N生成物サブA)を、10mg/mlの濃度の蒸
留水に室温で溶解させる。室温でこの溶液に、一定撹拌しつつ、2N HClを
添加し、終点に近づくと、pHを2.0±0.1まで下降させるために0.1N
HClを添加する;次いで、少なくとも15分間撹拌を継続する。HMW−N
からの酸性媒体中で吸着された色原体物質または「色素」を、次いで、10kD
aカットオフ膜を通しての蒸留水の数回の交換に対して少なくとも17時間、4
℃の冷たい部屋での反復された透析または限外濾過によって排除し、それにより
、>10kDa保持体溶液のpHは約3.5の値まで上昇する。透析終了後の保
持体溶液を、1.0〜0.1N NaOHの添加によってpH7.0±0.1と
する。中和した溶液を最後に遠心し、0.2μm滅菌フィルターを通し、凍結乾
燥によって乾燥して、脱色されたアレルゲン生成物HMW−Dを得る。
【0027】 C.HMW−Doxの調製 プロトタイプの手法において、凍結乾燥HMW−Dの試料をpH5.3の0.
05M(50mM)メタ過ヨウ素酸ナトリウムに溶解させ、雰囲気温度で1時間
撹拌しつつ放置する。次いで、溶液を蒸留水中でセファデックスG25の小さな
カラムを通し、カラムを出てくる最初の溶出物画分をプールし、凍結乾燥して酸
化された調製物HMW−Doxを得る。酸化された調製物の能力は、溶血補体消
費によって、および確立された技術による特異的IgE抗体−結合の阻害によっ
て、元のHMW−D生成物と比較して決定される。Parietaria ju
daica花粉からのHMW−Dの場合についての例は表Iに示す。残存する化
学物質または望まない分裂生成物での汚染を回避するには、しかしながら、先行
技術に記載されているごとく紫外光での照射によって水溶液中でのHMW−Dの
酸化に選択を与えるべきである。
【0028】 D.酵素断片Fb−Dの調製 蛋白質消化に由来する天然T細胞エピトープペプチドまたはハプテン−ペプチ
ドを得るための提案されている手法において、出発物質は、サブB)に記載され
ているおよび欧州特許EP0 662 080 B1号におけるプロセスに従っ
て得られる脱色調製物HMW−DまたはサブC)に記載されているHMW−Do
xである。両出発物質から酵素断片Fb−Dを得るための手法は同一であり、以
下に詳細に記載することができる。
【0029】 凍結乾燥脱色物質HMW−D(またはHMW−Dox)を10容量のビ−蒸留
水に溶解させ、二重壁容器に運び入れ、消化の間、ペリスタポンプによって、外
方および内方壁を通して、37±1℃の水を循環させる。この溶液に一定撹拌し
つつ2N HClを添加して、pHを約2.5に下降させる。次いで、4%架橋
セファロース(セファロース−ペプシン、米国セントルイス(St.Louis
e,USA)のシグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co.)
;参照、カタログP−3286)にカップリングさせた固定化形態の蛋白質分解
酵素ペプシンを、HMW−D1mg当たり4ユニット(すなわち、アレルゲン源
に依存して、約1:5酵素/基質w/wまたはその他)のペプシン活性の比率に
て、乾燥粉末として添加する。次いで、懸濁液を、0.1N HClの滴下によ
って、pH2.0±0.1に調整し、37±1℃で少なくとも6時間撹拌を継続
し、混合物のpH−値を、自動pH−スタット制御によって2.0±0.1に維
持する。消化時間の最後に、2.0N−0.1N NaOHで混合物をpH7.
0に中和し、次いで、0.4μm膜を通して濾過して、酵素粒子を除去する。次
いで、蒸留水を添加して、元の溶液の容量の2倍の最終容量とし、続いて、10
kDaのMillipore膜を装備したMinitan接線流システム中で透
析する。外方液体(分子サイズM<10kDa)を収集し、>10kDaエンド
断片Fa−Dを含有する内方液体を捨てる。説明の目的で、主としてヘテロ多糖
よりなるエンド断片Fa−D>10kDaを本明細書の表Iで示す。次いで、M
<kDa物質を、1kDa膜を用い、さらなるMinitan透析を介してサイ
クルさせ、それにより、>1kDa保持物を保持し、外方液体を捨てる。保持体
溶液を0.22μmフィルター膜を通して最後に滅菌濾過し、凍結乾燥して所望
の1kDa>Fa−D<10kDa断片生成物を得る。
【0030】 出発生成物HMW−N、中間調製物HMW−D(またはHMW−Dox)、未
消化(ほとんどは、>10kDaヘテロ多糖)副産物Fa−D、および所望の目
的生成物Fa−Dの収率および分光学的特徴は、表IIの一連の代表的なアレル
ゲン源物質につき示す。
【0031】 プロセス制御 酵素消化の進行は、遊離アミノ基の遊離によってモニターされる。酵素加水分
解のプロセスの間の規則的間隔で、0.5ml試料をペプシン/蛋白質混合物か
ら捨て、4N酢酸ナトリウム緩衝液pH5.5中0.5mg/mlの最終濃度に
調整し、次いで、酢酸緩衝メチルセロソルブ中の50μlの2%ニンヒドリンに
て、100℃で15分間加熱する。冷却した後、試薬ブランクに対して541n
mで吸光度を読む。遊離アミノ基の遊離に基づく消化反応速度曲線の代表的な例
を集合的に図1に示す。
【0032】 図1で観察されるごとく、いくつかのアレルゲン調製物での検出可能な遊離ア
ミノ基の放出はかなり低い(例えば、Parietaria,Artemisi
a,Ambrosia)。しかしながら、これは、ペプシンの影響下の断片化が
起こることを意味しない。何故ならば、Parietaria judaica
[12]の花粉を除き、これらのアレルゲン生成物の酵素断片Fa−Dは、かり
の程度、特異的IgE−抗体、すなわち、そのB細胞エピトープに対するその結
合能力を失った(表II)。ニンヒドリン試薬は、時々、ポリフェノールペプチ
ド側鎖によってブロックされるようになることができる。しかしながら、生成物
制御における重要な点は、最終断片生成物Fa−Dが、低下されないT細胞刺激
特性と共に、IgE−結合および補体−活性化能力の喪失につきスクリーニング
されなければならないことである。
【0033】 目的生成物制御 アレルゲン−特異的IgE抗体の結合 特異的IgE−クラス抗体と組み合わせるFa−D目的生成物のイン・ビトロ
能力は、特異的に感作されたアレルギー患者の血清を用い、確立された阻害手法
のいずれかによってチェックされる。標準的なアッセイ条件下で結合の50%阻
害を引き起こす乾燥物質の量として表した断片のIgE−結合能は、同一条件下
での親HMW−DまたはHMW−Dox調製物のそれの少なくとも100倍低い
にちがいない、すなわち、断片化前の出発物質に対して等しいまたはそれの1%
未満の低下である。非酸化調製物HMW−Dで得られたいくつかの代表的なデー
タをまとめて表IIIに示す。
【0034】 補体活性化 補体系を活性化するFa−D目的生成物のイン・ビトロ能力は、公表された手
法に従った溶血−または酵素免疫アッセイによって確立される(8,13)。例
えば溶血補体の50%喪失を引き起こす乾燥物質の量として表した断片の補体−
活性化能力は、同一条件下でアッセイした親HMW−DまたはHMW−Dox調
製物のそれよりも少なくとも100倍低いにちがいない、すなわち、断片化前の
出発物質に対して等しいまたはそれの1%未満の低下である。
【0035】 T細胞刺激 本質的T細胞エピトープを保有する活力のある調製物としての目的生成物Fa
−Dの適用性を示すために、Fa−D断片を、確立された免疫学的手法に従って
特異的アレルギー患者の血液から単離されたT−リンパ球の増殖を誘導するその
能力につき調べる。最終断片のT細胞刺激指標は、親HMW−D調製物に対して
50−150%の間にあるはずである。図3は、高度にアレルギー性の熱帯ダニ
Blomia tropicalisの培養から単離したHMW−D調製物の断
片化によって得られるペプシン断片Fa−Dに関するいくつかの代表的なデータ
をまとめる。
【0036】 Miscellaneous方法論 全ての目的生成物Fa−Dは、例えば、pH3〜10の範囲のAmpholi
nesの存在下、ポリアクリルアミドゲルでの等電点電気泳動によって、さらな
る制御手法に付され、これは、HMW−D親調製物とは対照的に、慣用的蛋白質
株で検出可能ないずれの成分バンドも明らかにしない。トリシン(N−2−ヒド
ロキシ−1,1−ビス[ヒドロキシメチルエチル]グリシン)に存在下における
電気泳動分離は、親HMW−D調製物で観察されたものとは全く異なり、生成プ
ロセスの再現性を証明するのに使用できるクーマシーブルー染色可能バンドの分
布パターンを明らかにする。
【0037】 いくつかの代表的なアレルギー原性調製物についての分析データのリストを表
IIおよびIIIに示す。
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】 表I Parietaria judaicaの花粉からの脱色されたアレルギー原
性調製物HMW−DのIgE−結合および補体−活性化能力に対するメタ過ヨウ
素酸ナトリウムでの酸化の効果
【表3】
【0040】 表II ペプシンアレルゲン断片の分析
【表4】
【0041】 (*)該Fa−D画分は消化できない>10kDa残渣を含む。 1kDa<M<10kDaの該Fa−D断片は所望の最終生成物を含む。
【0042】 表II ペプシンアレルゲン断片の分析
【表5】
【0043】 (*)該Fa−D画分は消化できない>10kDa残渣を含む。 1kDa<M<10kDaの該Fa−D断片は所望の最終生成物を含む。
【0044】 表III ペーパーディスクに臭化シアンで化学的にコンジュゲートさせた個々のアレル
ゲン生成物についての特異的ヒト血清からのIgE結合の阻害によって測定され
たIgE−結合能(B細胞エピトープての反応性)についての還元因子(「RA
ST−阻害」)。HMW−D=1の相対的能力につき再計算。
【表6】
【0045】 *非酸化脱色調製物 **ウェルの表面にコートされたHMW−Dにて、マイクロタイタープレート
中の酵素免疫アッセイから計算された還元因子
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1:ペプシンによって酵素的に加水分解された代表的な一連のHMW−Dア
レルゲン調製物の放出のキネティックス。条件:テキスト参照
【図2】 図2:ペプシンによる花粉のHMW−D調製物の消化性(すなわち、37℃お
よびpH2における加水分解の6時間後におけるニンヒドリン発色)と0.01
Mリン酸緩衝液pH7.0中の紫外スペクトルからとった325nmにおける吸
光係数E(1%、1cm)との間の逆関係
【図3】 図3:脱色調製物HMW−DおよびBlomia tropicalisの抽
出物から調製した断片Fa−Dによる刺激に際しての、(a)特異的アレルギー
患者および(b)皮膚−テスト陰性の健康な対照の血液からの末梢リンパ球の培
養におけるT細胞の増殖(放射性チミジンの取り込み、相対的単位)
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年12月8日(1999.12.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ガレゴ・カマラ、マリア・テレサ スペイン国、イー − 28760 トレス・ カントス、カレ・オセアノ・アトランティ コ 7−2エー Fターム(参考) 4C085 AA06 BB03 BB04 DD31 DD51

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アレルギー物質に対して寛容性を与えるために個体に適用す
    るための寛容性付与抽出物の製造方法であって: a)アレルギー源物質を抽出することと; b)3.5kDaよりも低い分子量を持つ物質を除去してHMW−N画分を
    得、所望によりHMW−Nを凍結乾燥することと; c)該画分からのHMW−N中のアレルギー物質に物理的に付着したタンニ
    ンおよびメラノイジンを除去して、タンニンおよびメラノイジンを含まない脱色
    HMW−D画分ならびに非結合タンニンおよびメラノイジンを得、所望によりH
    MW−Dを凍結乾燥することと; d)HMW−D画分に存在する蛋白質を分解して1および10kDaの間の
    分子量を持つ断片を得ることとを具備し、 前記工程d)での生成物はFb−Dであり、工程a)〜d)の操作はこれら
    工程としてそれ自体公知の方法で行うことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、さらに、それ自体公知の方
    法で、工程d)に先立ってHMW−Dの酸化することにより画分HMW−Dox
    を得る工程を具備し、工程d)はHMW−DではなくHMW−Doxを分解する
    ことを含む方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法であって、該アレルギー源物質
    が公知のアレルギー環境、昆虫、ダニ、黴、草本、雑草、花、低木および樹木の
    花粉、職場環境中の有機ダストを含めた屋内および屋外物質から選択される方法
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法であって、工程a)
    がリン酸緩衝液中にアレルギー源物質を懸濁させ、続いて工程b)において3.
    5kDaのカットオフ値を持つ半透膜を用いて蒸留水に対して透析することを含
    む方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、10kD
    a未満のMWを持つ所謂「小量」アレルゲンがアレルギー源物質に存在しない場
    合、工程b)が10kDa未満の分子量を持つ物質を除去して、HMW−N画分
    を得ることを含む方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の方法であって、工程a)がリン酸緩衝液中
    にアレルギー源物質を懸濁させ、続いて工程b)において10kDaのカットオ
    フの透析を用いて蒸留水に対して抽出することを含む方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載の方法であって、工程c)
    がEP−B−0,662,080に記載されているのと同様に脱色し、続いて遊
    離のタンニン、メラノイジンおよび他の色素をHMW−Nから除去し、それによ
    り、非共有結合したタンニン、メラノイジンまたは他の色素が枯渇した調製物H
    MW−Dを得る工程を含む方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1項に記載の方法であって、工程c)
    がpHが2.5未満まで低下される脱色工程、続いて遊離タンニン、メラノイジ
    ンおよび他の色素を除去を確実とする工程を含み、それにより、例えば、特定の
    分子サイズのカットオフ値の少なくとも1つの半透膜を用いる透析によってかか
    る化合物の枯渇した調製物HMW−Dを得る方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項に記載の方法であって、工程c)
    がpHが2.5未満まで低下される脱色工程、続いて遊離タンニンおよびメラノ
    イジンを含む得られた画分の除去を確実とする工程を含み、それにより、例えば
    、10kDaカットオフ値を持つ膜上での透析によって遊離タンニンおよびメラ
    ノイジンを含まないHMW−Dが得られ、それにより、10kDa未満の分子量
    を持つ画分を保持し、続いて1kDaカットオフ値を持つ膜上で透析し、それに
    より、1kDaを超える分子量を持つ画分を保持する方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れか1項に記載の方法であって、工程c
    )がHMW−D溶液を中性pH値まで調整する最終工程を含む方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れか1項に記載の方法であって、工程
    d)が酸性プロテイナーゼで蛋白質分解し、それにより、源物質および選択され
    たプロテイナーゼの性質に依存した変形に従って、自体公知の方法で正しい断片
    化条件が選択される方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11の何れか1項に記載の方法であって、工程
    d)が酸性ヒドラーゼペプシンで蛋白質分解することを含む方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れか1項に記載の方法であって、工程
    d)が酸性プロテイナーゼにより蛋白質切断し、例えば、10kDaカットオフ
    を持つ膜上の透析によって得ることができるように、続いて10kDaよりも低
    い分子量を持つ画分を保持することを含む方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13の何れか1項に記載の方法であって、酸化
    工程が、250nmまたは360nm波長の紫外線をHMW−D溶液を照射する
    ことによって、工程(c)の後であって工程(d)の前に挿入される方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13の何れか1項に記載の方法であって、工程
    (c)の後であって工程(d)の前の酸化工程が、メタ過ヨウ素酸ナトリウムで
    HMW−Dを処理し、続いて、例えば、セファデックスカラム上での分子ふるい
    によって過剰のオキシダントを除去するために精製することを含む請求項1〜1
    3のいずれか1つに記載の方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15の何れか1項に記載の方法であって、前記
    工程(d)の際の蛋白質分解の程度をモニターすることによってイン−プロセス
    制御が行われ、該制御は以下の工程から選ばれる1以上の方法により行われる方
    法: 1)自体公知の方法で、遊離アミノ基の放出の測定を介して工程(d)の間の
    蛋白質分解の程度をモニターすること; 2)自体公知の方法で、特異的ヒトIgE抗体の結合によって目的生成物Fb
    −Dを制御すること; 3)自体公知の方法で、補体活性化の測定によって目的生成物を制御すること
    ; 4)pH範囲3〜10のアンォリン の存在下でポリアクリルアミドゲル中で
    等電点電気泳動を行うことを含む自体公知の方法でHMW−D調製物に対して目
    的生成物Fb−Dを制御すること; 5)トリシンの存在下でドデシル硫酸ナトリウムを用いるポリアクリルアミド
    ゲル中で電気泳動分離することを含む自体公知の方法でHMW−D調製物に対し
    て目的生成物Fb−Dを制御すること;および 6)ヒトT−リンパ球増殖の刺激を測定するアッセイを介して目的生成物を制
    御すること。
  17. 【請求項17】 補体−活性化剤が最大限に枯渇し、その天然T−リンパ球
    刺激エピトープを保持するが、IgE−結合エピトープを含まず、アレルギー性
    ヒトにおいて特異的T細胞アネルギーおよび免疫学的寛容性を誘導するための組
    成物として使用される安全なアレルゲンの断片を含むアレルギー源物質の抽出物
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の抽出物であって、標準的なアッセイ条
    件下でIgE−結合の50%阻害に要する凍結乾燥した物質の量として表される
    アレルゲン断片のIgE−結合能が、同一溶媒中で、同一条件下で未処理抽出物
    のそれの少なくとも100倍低い抽出物。
  19. 【請求項19】 請求項17または18に記載の抽出物であって、例えば、
    ヒト溶血性補体の50%喪失を引き起こす凍結乾燥物質の量として表されるアレ
    ルゲン断片の補体活性化能が、同一溶媒中で、同一条件下で未処理抽出物のそれ
    の少なくとも100倍少ない抽出物。
  20. 【請求項20】 請求項17〜19の何れか1項に記載の抽出物であって、
    アレルゲン断片のT−リンパ球刺激指標が、同一溶媒中、同一条件下で、未処理
    抽出物のそれに対して50〜150%である抽出物。
  21. 【請求項21】 請求項17〜20の何れか1項に記載の抽出物であって、
    公知のアレルギー環境、昆虫、ダニ、黴、草本、雑草、花、低木および樹木の花
    粉を含めた屋内および屋外アレルギー物質から、および職場環境中の有機ダスト
    から選択される抽出物。
  22. 【請求項22】 請求項17〜21の何れか1項に記載の抽出物であって、
    アレルゲン断片が、公称カットオフ値の膜を通してpH7.0の水溶液の透析に
    よって測定して、1kDaおよび10kDaの間の分子量を有する抽出物。
  23. 【請求項23】 請求項17〜22の何れか1項に記載の抽出物であって、
    遊離および/または蛋白質−吸着タンニン、メラノイジンおよび他の色素が枯渇
    した抽出物。
  24. 【請求項24】 請求項1〜16の方法により得ることができる調製物。
  25. 【請求項25】 医薬上許容される投与形態にある請求項17〜24の何れ
    か1項に記載の調製物。
  26. 【請求項26】 当該調製物が由来する天然アレルギー物質に対して寛容性
    を誘導する目的で、アレルギー個体の治療のための医薬品の有効成分としての請
    求項17〜25のいずれか1項に記載の調製物の使用。
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