JPWO2003020306A1 - 脱感作剤 - Google Patents

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Abstract

アレルギー反応を惹起する抗原性物質と同一の抗原性物質に由来するペプチドであって該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤、該抑制剤を含むI型アレルギー疾患の防止剤および/若しくは治療剤または医薬組成物、およびこれらを用いたアレルギー反応の抑制方法、脱感作方法、I型アレルギー疾患の防止方法および/または治療方法、並びに細胞傷害性T細胞誘導活性を有するがアレルギー反応を惹起する腫瘍拒絶抗原由来ペプチドと、該ペプチドと同一抗原由来であり該ペプチドが有するエピトープとは異なるエピトープを有し且つ該アレルギー反応を抑制する作用を有するペプチドとを含む癌ワクチン、該癌ワクチンを含む癌の治療剤、および該癌ワクチンを利用する癌の治療方法を提供する。

Description

技術分野
本発明はアレルギー反応抑制剤または脱感作剤に関し、より詳しくは、主要組織適合性遺伝子複合体(MHC)クラスI拘束性のペプチドからなるアレルギー反応抑制剤または脱感作剤に関するものである。
背景技術
アレルギー反応とは、抗原に対して免疫反応が過度にあるいは不適当な形で起こり組織が傷害される、いわゆる過敏反応を意味する。アレルギー反応は4種類、すなわちI型、II型、III型、およびIV型に分類されている。その中でI型アレルギーは即時型アレルギーまたは即時型過敏症とも言われ、抗原特異的イムノグロブリンE抗体(以下、IgEと略称することもある)により惹起される。
I型アレルギーは、一般的に外来抗原に対する過敏反応であると考えられており、ある抗原により刺激を受けた生体において同じ抗原との再度の接触後数分から数時間以内に認められる。アレルギー反応を誘発する抗原性物質はアレルゲンと呼ばれ、草木の花粉、菌類、ダニ、動物の垢、室内塵、植物中の成分、ある種の薬物、昆虫毒等が知られている。アレルゲンにより刺激を受けた生体では抗原特異的IgEが産生され、それがIgE受容体を細胞表面にもつマスト細胞や好塩基球に結合している。この生体が再度同じアレルゲンと接触すると、これら細胞表面上に結合したIgEがアレルゲンにより架橋され、その結果、細胞からヒスタミン等の様々な化学伝達物質が放出される。これら化学伝達物質により、例えば炎症、血管浮腫、紅潮、全身性蕁麻疹、気管支平滑筋収縮、および/または血圧下降等の末梢循環障害等を伴うアナフィラキシーと呼ばれるアレルギー症候が引き起こされる。このような機構が、近年問題となっているアレルギー性疾患、例えばアレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎等に関与している。
I型アレルギーの治療方法として、アレルゲン自体を少量ずつ段階的に投与して病因アレルゲンに対する感受性を低下させる減感作療法または脱感作療法が知られている。この療法は、特に吸入性アレルゲン、例えば花粉、菌類、ダニ、動物の垢、室内塵等に対して用いられる。上記のように少量のアレルゲンを連続投与すると多量のイムノグロブリンG抗体(以下、IgGと略称することもある)産生が誘発されるため、該IgGがアレルゲンと結合してIgEとアレルゲンとの結合を阻害すること、および/または抗原特異的IgEの産生が阻害されることにより、アレルギー反応が抑制されると考えられている。しかし、少量ずつとはいえアレルゲン自体を投与する減感作療法は患者にとって負担が大きい。従って、アレルギー性疾患に有効な新たな治療法の確立が待望されている。
本来、免疫反応は外来抗原に対する生体防御機構であり、正常な健康状態保持のために必須の反応である。しかし、ときに免疫反応が自己抗原に対して惹起されることがある。その結果、自己免疫疾患等、例えば慢性関節リウマチ、インスリン依存性糖尿病等が引き起こされる。自己免疫疾患における組織傷害のメカニズムはアレルギーにおける免疫反応と基本的には同じであり、II型、III型、およびIV型アレルギーが関与していると考えられる自己免疫疾患が報告されている。しかし、従来I型アレルギーが自己免疫疾患で重要な役割を演じているとは考えられていなかった。
近年、自己ペプチドに対するアナフィラキシーショックが、実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)マウスで報告された(Nature Immunology(2001)2,193)。EAEマウスはヒト多発性硬化症の動物モデルであり、CD4Tヘルパー1(Th1)細胞が媒介する自己免疫疾患のモデルである。EAEは自己ペプチド、例えばミエリン・プロテオリピッド蛋白質(PLP)ペプチド139−151(PLPp139−151)を完全フロイントアジュバント(CFA)と共にSJLマウスに免疫することにより誘発できる。すなわち、PLPp139−151をCFAまたは不完全フロイントアジュバント(IFA)で乳剤となしてマウスに免疫し、次いでPLPp139−151を注射すると、該マウスはアナフィラキシーショックを起こす。この報告では自己ペプチド特異的IgEの存在は検証されていない。しかし、アナフィラキシーショックは表現型としてIgEが媒介するI型アレルギーである。これらから、自己抗原に対する免疫反応に、I型アレルギーが関与していることが示唆された。
また、重篤なアトピー性疾患に、自己抗原に対するIgE媒介性反応が関与していることが報告されている〔Susanne,N.,FASEB J.(1998)12:1559−1569;Ulrich,A.,Int.Arch.Allergy Immunol.(1999)118:193−196〕。
発明の開示
本発明者らは、I型アレルギー反応の調節、例えば自己抗原に対するI型アレルギー反応の調節のために種々の検討を重ねた結果、アレルギー反応を惹起する抗原性物質のアミノ酸配列のうち、アレルギー反応を惹起するエピトープペプチド(以下、アレルギー性ペプチドとよぶこともある)とは異なる部分配列からなる非アレルギー性ペプチドを頻回投与すると、抗原特異的IgE反応およびI型アレルギーが抑制されることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の一態様は、アレルギー反応を惹起する抗原性物質と同一の抗原性物質に由来するペプチドであって該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤である。
本発明の一態様は、アレルギー反応を惹起するペプチドが由来した抗原性物質と同一の抗原性物質に由来するペプチドであって該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤であり得る。
本発明の一態様は、アレルギー反応を惹起する自己抗原と同一の自己抗原に由来するペプチドであって該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤であり得る。
本発明の一態様は、アレルギー反応を惹起するペプチドが由来した自己抗原と同一の自己抗原に由来するペプチドであって該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤であり得る。
本発明の一態様は、上記アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドが、さらにMHCクラスI拘束性であることを特徴とする前記いずれかのアレルギー反応抑制剤であり得る。
本発明の一態様は、細胞傷害性T細胞を誘導し得る腫瘍拒絶抗原由来ペプチドにより惹起されたアレルギー反応の抑制剤であって、該ペプチドが由来した腫瘍拒絶抗原に由来するペプチドであり該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤であり得る。
本発明の一態様は、上記腫瘍拒絶抗原がサイクロフィリンB、ART4、SART2、およびSART3からなる群から選ばれる1または複数個である前記アレルギー反応抑制剤であり得る。
本発明の一態様は、サイクロフィリンB由来の配列表の配列番号1に記載のペプチドにより惹起されたアレルギー反応の抑制剤であって、サイクロフィリンB由来の配列表の配列番号2または9に記載のペプチドからなるアレルギー反応抑制剤であり得る。
本発明の一態様は、ART4由来の配列表の配列番号3に記載のペプチドにより惹起されたアレルギー反応の抑制剤であって、ART4由来の配列表の配列番号4に記載のペプチドからなるアレルギー反応抑制剤であり得る。
本発明の一態様は、SART2由来の配列表の配列番号6に記載のペプチドにより惹起されたアレルギー反応の抑制剤であって、SART2由来の配列表の配列番号5に記載のペプチドからなるアレルギー反応抑制剤であり得る。
本発明の一態様は、SART3由来の配列表の配列番号7に記載のペプチドにより惹起されたアレルギー反応の抑制剤であって、SART3由来の配列表の配列番号8に記載のペプチドからなるアレルギー反応抑制剤であり得る。
本発明の一態様は、前記いずれかのアレルギー反応抑制剤を含んでなるI型アレルギー性疾患の防止剤および/または治療剤である。
本発明の一態様は、前記いずれかのアレルギー反応抑制剤を利用することを特徴とするI型アレルギー性疾患の防止方法および/または治療方法である。
本発明の一態様は、前記いずれかのアレルギー反応抑制剤を利用することを特徴とするアレルギー反応抑制方法であり得る。
本発明の一態様は、前記いずれかのアレルギー反応抑制剤を利用することを特徴とするイムノグロブリンE抗体産生の低減方法であり得る。
本発明の一態様は、前記いずれかのアレルギー反応抑制剤を利用することを特徴とする脱感作方法であり得る。
本発明の一態様は、前記いずれかのアレルギー反応抑制剤の製造方法であり得る。
本発明の一態様は、アレルギー反応惹起性の蛋白質および/またはペプチドと、該蛋白質および/またはペプチドと同一の抗原性物質由来であり該アレルギー反応に関与するエピトープとは異なるエピトープを有し且つ該アレルギー反応を抑制する作用を有するペプチドとを組み合わせてなる医薬組成物であり得る。
本発明の一態様は、細胞傷害性T細胞誘導活性を有するがアレルギー反応を惹起する腫瘍拒絶抗原由来ペプチドと、該ペプチドと同一抗原由来であり該ペプチドが有する該アレルギー反応に関与するエピトープとは異なるエピトープを有し且つ該アレルギー反応を抑制する作用を有するペプチドとを含む癌ワクチンであり得る。
本発明の一態様は、前記癌ワクチンであって、サイクロフィリンB由来の配列表の配列番号1に記載のペプチドと、配列表の配列番号2または配列番号9に記載のペプチドとを含む癌ワクチンであり得る。
本発明の一態様は、前記癌ワクチンであって、ART4由来の配列表の配列番号3に記載のペプチドと、配列表の配列番号4に記載のペプチドとを含む癌ワクチンであり得る。
本発明の一態様は、前記癌ワクチンであって、SART2由来の配列表の配列番号6に記載のペプチドと、配列表の配列番号5に記載のペプチドとを含む癌ワクチンであり得る。
本発明の一態様は、前記癌ワクチンであって、SART3由来の配列表の配列番号7に記載のペプチドと、配列表の配列番号8に記載のペプチドとを含む癌ワクチンであり得る。
本発明の一態様は、前記いずれかの癌ワクチンを含む癌の治療剤であり得る。
本発明の一態様は、前記いずれかの癌ワクチンを利用することを特徴とする癌の防止方法および/または治療方法であり得る。
本発明の一態様は、前記医薬組成物の製造方法であり得る。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明について、発明の実施の形態をさらに詳しく説明する。以下の詳細な説明は例示であり、説明のためのものに過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
本明細書中で使用されている技術的及び科学的用語は、別途定義されていない限り、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者により普通に理解される意味を持つ。また、本明細書中に引用されている刊行物等の資料はそれらを引用することにより本明細書中にそれらの全体が完全に記載されているものとして導入される。
本発明においては、抗原性物質である腫瘍拒絶抗原由来ペプチドにより惹起されたアレルギー反応が、該抗原性物質に由来するペプチドであって、該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープを含まず、アレルギー反応を惹起しないエピトープを含むペプチドを頻回投与することにより、抑制されることを見い出した。また、このとき、アレルギー反応が惹起された生体において血清中のイムノグロブリンE抗体(IgE)産生が低減されることを確認した。以下、本発明にいうアレルギー反応は、IgEが介在するI型アレルギー反応を意味する。
本発明は、上記発見に基づいて達成されたものであり、アレルギー反応を惹起する抗原性物質と同一の抗原性物質に由来するペプチドからなるアレルギー反応抑制剤を提供する。上記ペプチドは上記アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含むペプチドであり且つアレルギー反応を惹起しないことを特徴とする。ここにおいてエピトープとは、抗原決定基を意味し、抗原構造の一部であって生体に対して免疫反応を誘導し得る構造部位をいう。またエピトープを含むペプチドをエピトープペプチドと呼ぶ。エピトープは、免疫反応に関与する細胞、例えばT細胞においてはT細胞受容体を介して、またB細胞においてはその細胞表面上に存在する抗体を介して各細胞に認識され免疫反応を誘導する。免疫反応は細胞性免疫および液性免疫に大別され、それぞれに関与する細胞が異なる。また、エピトープの種類によって誘導される免疫反応が異なり、細胞性免疫を誘導するものと液性免疫を誘導するものがある。さらに、液性免疫を誘導するものであっても誘導する抗体の種類が異なる。例えば、CD4T細胞により認識される主要組織適合性抗原(MHC)クラスII拘束性エピトープペプチドは生体内に投与した場合、ヘルパーT1細胞(Th1)の作用のみならず、IgE産生に関与するヘルパーT2細胞(Th2)の作用も増強する可能性がある。一方、MHCクラスI拘束性エピトープペプチドは抗原性物質特異的なCD8T細胞のクローン性増加を誘導するがTh2の活性化は伴わず、さらにCD8T細胞により産生されたインターフェロンγはTh2が介するIgE反応を阻害する。従って、上記アレルギー反応を惹起しないペプチドは上記特徴に加え、MHCクラスI拘束性であることがより好ましい。以下、アレルギー反応の惹起に関与するエピトープを含むペプチドをアレルギー性ペプチド、アレルギー反応を惹起しないエピトープを含むペプチドを非アレルギー性ペプチドと呼ぶこともある。
非アレルギー性ペプチドは、アレルギー反応を惹起する抗原性物質の作用を抑制でき、且つ該抗原性物質由来であってアレルギー反応を惹起するエピトープとは異なるエピトープを含むものであればよく、そのアミノ酸配列は特に限定されるものではない。その長さは、一般に抗原性が発揮できる長さであれば十分であり、少なくとも5個以上、より好ましくは7個以上、最も好ましくは9個ないし10個のアミノ酸からなる。ペプチドの長さの上限は特に限定されるものではないがその作用の効率を考慮して9個ないし50個前後のアミノ酸からなることが好ましい。かかるペプチドは、抗原性物質のアミノ酸配列に基づいて、該抗原性物質のアレルギー反応に関与するエピトープを含まない配列部位のアミノ酸配列を有するペプチドを設計して調製し、それらの中からIgE産生を抑制し得るペプチドを選別することにより得ることができる。該配列部位としては、アレルギー反応を惹起するエピトープペプチドの近傍が好適に例示され、該ペプチドと一部重複する配列部位であってもよい。ペプチドは天然物から公知の方法で調製してもよく、また遺伝子工学的方法や各種合成法等の自体公知の手法を利用して調製できる。ペプチドの選別は、例えば、後述する実施例1に記載したように、試験に供されるペプチドを皮内に注入して、その結果起きる炎症性発赤の大きさにより判定するアレルギー性皮膚テストを行うことにより、簡易に実施できる。
抗原性物質は、従来I型アレルギー反応を惹起することが知られている外来性抗原、例えば草木の花粉、菌類、ダニ、動物の垢、室内塵、植物中の成分、ある種の薬物、昆虫毒等であり得る。また、自己抗原も抗原性物質に包含される。自己抗原性物質としては、例えばアトピー性皮膚炎で検出されているIgEの産生を誘導する自己抗原〔Susanne,N.,FASEB J.(1998)12:1559−1569;Ulrich,A.,Int.Arch.Allergy Immunol.(1999)118:193−196〕、腫瘍拒絶抗原、医療用ヒト蛋白質若しくはペプチド、またはウイルス等に感染した自己の細胞が生体防御機構である免疫反応によって破壊されて生じる自己抗原等を挙げることができる。腫瘍拒絶抗原としてはサイクロフィリンB〔J.Immunol.(1999)163:4994−5004〕、ART4(特開2000−116383号公報)、SART2(特開平11−318455号公報)、およびSART3〔Cancer Research(1999)59:4056−4063〕等が例示されるが、これらに限定されない。また、抗原性物質は、花粉、菌類、ダニ等の生物自体であってもよく、生物に由来する細胞、蛋白質、若しくはペプチドであり得る。同様に、抗原性物質が自己抗原である場合、該抗原性物質は自己抗原である細胞、またはそれに由来する蛋白質若しくはペプチドであり得る。さらに、抗原性物質は、天然物、遺伝子工学産物、および合成産物のいずれであってもよく、アレルギー反応を惹起するものである限り特に限定されない。
上記アレルギー反応抑制剤を用いることにより、例えば生体に頻回投与することにより、抗原性物質に対する特異的なIgE産生が低減され、ひいてはIgEが関与するI型アレルギー反応が抑制される。従って、上記アレルギー反応抑制剤は、脱感作剤としていわゆる脱感作のために使用できる。従来の減感作療法は、アレルゲン自体を用いるものであり、そのため患者にとって負担が大きかった。しかし、上記アレルギー反応抑制剤は、アレルギー反応を惹起しないペプチドからなるものであり、より安全性が高く有用である。近年、抗原性物質特異的な脱感作療法において、抗原性物質の完全な分子を免疫するよりむしろMHCクラスII拘束性エピトープペプチドを免疫することが試みられてきている。しかし、MHCクラスII拘束性エピトープペプチドは上記のようにTh2をも活性化する可能性があり、必ずしも有効に脱感作を誘導し得るとはいえない。また、上記のように、MHCクラスI拘束性エピトープペプチドはCD4T細胞を誘導せず、むしろIgE産生を抑制する可能性があることから、上記アレルギー反応抑制剤に含まれる非アレルギー性ペプチドがさらにMHCクラスI拘束性ペプチドであれば、従来の脱感作療法よりさらに有効で安全な脱感作療法を実施できる。すなわち本発明に係るアレルギー反応抑制剤は、I型アレルギー性疾患の防止剤および/または治療剤として有用であり、I型アレルギー性疾患の防止方法および/または治療方法に使用できる。I型アレルギー性疾患としては、各種外来性抗原または自己抗原によって惹起される即時型過敏症、例えばアトピー性喘息を含む喘息、アトピー性皮膚炎を含む皮膚炎、枯草熱、蕁麻疹、アナフィラキシー、またはいわゆる花粉症等が挙げられる。また、自己抗原に対する免疫反応により自己免疫疾患が引き起こされることはよく知られていることであり、上記アレルギー反応抑制剤は、自己抗原により産生されるIgE抗体が関与する自己免疫疾患の治療にも有用である。
上記アレルギー反応抑制剤の具体例としては、アレルギー反応を惹起する抗原性物質が細胞傷害性T細胞を誘導および/または活性化し得る腫瘍拒絶抗原由来ペプチドである場合、該腫瘍拒絶抗原由来ペプチドとは異なる部分配列からなる該腫瘍拒絶抗原由来の非アレルギー性ペプチドが挙げられる。例えば腫瘍拒絶抗原由来アレルギー性ペプチドがサイクロフィリンB由来の第84−92位のペプチド(CypB84、KFHRVIKDF)(配列表の配列番号1)であるとき、サイクロフィリンB由来の第91−99位のペプチド(CypB91、DFMIQGGDF)(配列表の配列番号2)またはCypB91の第2番目のフェニルアラニンをチロシンに置換したペプチド(CypB91−2F−Y)(配列表の配列番号9)からなるアレルギー反応抑制剤を用いることができる。また、腫瘍拒絶抗原由来アレルギー性ペプチドがART4由来の第13−20位のペプチド(ART413、AFLRHAAL)(配列表の配列番号3)であるときはART4由来の第75−84位のペプチド(ART475、DYPSLSATDI)(配列表の配列番号4)を、腫瘍拒絶抗原由来アレルギー性ペプチドがSART2由来の第899−907位のペプチド(SART2899、SYTRLFLIL)(配列表の配列番号6)であるときはSART2由来の第161−169位のペプチド(SART2161、AYDFLYNYL)(配列表の配列番号5)を、腫瘍拒絶抗原由来アレルギー性ペプチドがSART3由来の第109−118位のペプチド(SART3109、VYDYNCHVDL)(配列表の配列番号7)であるときはSART3由来の第315−323位のペプチド(SART3315、AYIDFEMKI)(配列表の配列番号8)を、上記アレルギー反応抑制剤の具体例として挙げることができる。
本発明に係るアレルギー反応抑制剤は、上記具体例に限定されるものではなく、アレルギー反応を起こす抗原性物質の作用を抑制でき、且つ該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含む該抗原性物質由来の非アレルギー性ペプチドからなるものであればよい。例えば、医療用のヒト蛋白質由来のペプチドがアレルギー反応を惹起するような場合、このアレルギー性ペプチドが由来した蛋白質に基づいてアレルギー反応惹起に関与するエピトープを含まない部位のアミノ酸配列を有するペプチドを調製し、それらの中からIgE産生を抑制し得るペプチドを選別することにより、アレルギー反応抑制剤を得ることができる。また医療用ヒト蛋白質がアレルギー反応を惹起する場合も、該蛋白質のアレルギー反応惹起に関与するエピトープあるいは該エピトープを含むエピトープペプチドを特定することにより、上記同様にアレルギー反応抑制剤を得ることができる。上記ヒト蛋白質由来の医療用ペプチドまたは医療用ヒト蛋白質は、合成産物、天然物、または遺伝子工学産物等のいずれであってもよく、特に限定されるものではない。また、本発明においてアレルギー反応をおこすペプチドの長さは、一般に抗原性が発揮できる長さであり、少なくとも5個以上、より好ましくは7個以上、最も好ましくは9個ないし10個のアミノ酸からなる。ペプチドの長さの上限は特に限定されるものではないが、例えばワクチン等として使用される医療用ペプチドの場合、その作用の効率上9個ないし50個前後のアミノ酸からなることが好ましい。
上記アレルギー反応抑制剤は1つの抗原性物質に由来する1つの非アレルギー性ペプチドからなるものであってもよいし、1つの抗原性物質に由来する複数個の非アレルギー性ペプチドからなるものであってもよい。また、複数個の抗原性物質に由来する複数個の非アレルギー性ペプチドからなるものであってもよい。複数個の抗原性物質に対してアレルギー反応が惹起される場合は、各抗原性物質由来の複数個の非アレルギー性ペプチドからなるアレルギー反応抑制剤を使用することが好ましい。例えば、上記腫瘍拒絶抗原由来アレルギー性ペプチドを複数個組み合わせて医療用ペプチドとして使用するとき、各腫瘍拒絶抗原由来非アレルギー性ペプチドを組み合わせてなるアレルギー反応抑制剤を使用することが好ましい。
上記アレルギー反応抑制剤は、抗原性物質によりアレルギー反応が惹起された時、またはアレルギー反応を惹起する可能性のある医療用ヒト蛋白質またはヒト蛋白質由来のペプチドの投与前または投与時に投与される。投与量は、アレルギー反応の重篤度またはアレルギー反応を惹起する蛋白質若しくは蛋白質由来のペプチドの投与量によって調整され得る。一般的には、抗原性が発揮され得る量、例えば0.01mgないし100mg/日/ヒト、好ましくは0.1mgないし10mg/日/成人ヒトである。投与方法は、公知の医療用ペプチドの投与方法に準じて行えばよく、全身投与であっても局所投与であってもよいが、好適には皮内投与または筋肉内投与にて行われる。投与に際しては、該アレルギー反応抑制剤を単独で用いてもよく、適当な公知のアジュバントの存在下または非存在下に、単独でまたは担体に結合して用いてもよい。担体は、それ自体が人体に対して有害な作用を及ぼさずかつ抗原性を増強せしめるものであれば特に限定されず、例えばセルロース、重合アミノ酸、アルブミンなどが例示される。アジュバントは、通常のペプチドワクチン接種に用いられるものであればよく、フロイント不完全アジュバント(FIA)、アルミニウムアジュバント(ALUM)、百日咳ワクチン(Bordetella pertussis vaccine)、鉱物油などが例示される。
上記アレルギー反応抑制剤は、単独で医薬として使用してもよいし、あらかじめアレルギー惹起性の医療用ペプチドまたは医療用蛋白質と組み合わせて医薬用組成物として調製することも可能である。
例えば、上記例示した腫瘍拒絶抗原由来ペプチドは、腫瘍特異的細胞傷害性T細胞を誘導および/または活性化し得るので、ペプチド癌ワクチンとして使用できる。しかし、腫瘍拒絶抗原由来ペプチドのうちアレルギー性ペプチドは生体でアレルギー反応を惹起するため癌ワクチンとして使用できない。このような場合、該腫瘍拒絶抗原由来アレルギー性ペプチドと同一抗原由来の非アレルギー性ペプチドを利用することにより副作用であるアレルギー反応が抑制されるため、腫瘍拒絶抗原由来アレルギー性ペプチドであっても癌ワクチンとして使用できるようになる。すなわち例えば、細胞傷害性T細胞を誘導および/または活性化する作用を有するがアレルギー反応を惹起する腫瘍拒絶抗原由来ペプチドと、該ペプチドと同一抗原由来であり該ペプチドが有するエピトープとは異なるエピトープを有し且つ該アレルギー反応を抑制し得るペプチドとを含む医薬組成物は、癌ワクチンとして有用である。かかる医薬組成物の具体的として、下記組み合わせの2つのペプチドを含む癌ワクチンが挙げられるが、本発明の医薬組成物は、これらに限定されるものではない;CypB84(配列表の配列番号1)とCypB91(配列表の配列番号2);CypB84(配列表の配列番号1)とCypB91−2F−Y(配列表の配列番号9);ART413(配列表の配列番号3)とART475(配列表の配列番号4);SART2899(配列表の配列番号6)とSART2161(配列表の配列番号5);SART3109(配列表の配列番号7)とSART3315(配列表の配列番号8)。上記アレルギー反応抑制剤を含む癌ワクチンを使用するとき、該癌ワクチンは単独で用いてもよいし、複数個を組み合わせて使用することもでき、さらには細胞性免疫の賦活のために適当な公知のアジュバントの存在または非存在下で担体に結合して用いてもよい。担体およびアジュバントは、上記に例示したものを同様に使用できる。上記癌ワクチンは、癌の治療剤として有用であり、癌の防止方法および/または治療方法に使用することができる。投与方法は、自体公知のペプチドワクチンの投与方法を利用でき、全身投与であっても局所投与であってもよいが、好適には筋肉内投与される。その投与量は、細胞傷害性T細胞がペプチドを認識する強さにより変更可能であるが、一般的には活性本体として0.01mgないし100mg/日/ヒト、好ましくは0.1mgないし10mg/日/ヒトである。これを数日ないし数月に1回投与する。
本発明に係るアレルギー反応抑制剤、医薬組成物、癌ワクチン、または癌の治療剤の処方は、適当な医薬担体と組み合わせて処方することが好ましい。かかる処方は、治療上有効量の上記非アレルギー性ペプチド、アレルギー惹起性の医療用ペプチド若しくは医療用蛋白質、腫瘍拒絶抗原由来ペプチド、または癌ワクチンに、さらに医薬上許容される担体または賦形剤を含む。かかる担体としては、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。処方は投与経路に適したものを選択すればよく、該処方は当業者によく知られている。アレルギー反応抑制剤、医薬組成物、癌ワクチン、または癌の治療剤は、単独で使用してもよく、あるいは治療に必要な他の化合物または医薬と一緒に使用してもよい。
実施例
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
HLA−A24拘束性細胞傷害性T細胞を誘導および/または活性化し得る腫瘍拒絶抗原として同定されたサイクロフィリンB(CypB)由来のペプチドおよびART4由来のペプチドの癌治療への有効性を検討するための第I相臨床試験において、該試験前の予備ワクチン接種(pre−vaccination)による皮膚テストで、CypBの第84−92位のペプチド(CypB84)(KFHRVIKDF)(配列表の配列番号1)、およびそれを部分的に変更したペプチドであるCypB84F−Y〔2位のフェニルアラニン(F)をチロシン(Y)に置換〕が、予備ワクチン接種した肺癌患者10人中8人で即時型の過敏性皮膚反応を引き起こした。この2つのペプチドのアミノ酸配列は、真菌やダニ等のアレルゲンとなり得る外来生物でもよく保存された配列であり、外来抗原の関与も示唆された。しかし外来抗原との交叉反応性が全く認められないART4の第13−20位のペプチド(ART413)(AFLRHAAL)(配列表の配列番号3)も卵巣癌患者にアレルギー性の皮膚反応を惹起した。このことから、上記ペプチドワクチンによるI型アレルギー反応は、外来抗原に対するものではなく、自己抗原によるものであると考えられた。
そこで、上記自己抗原由来のペプチドに対するアレルギー反応が、健常人でも見られるか検討した。年齢範囲が19歳ないし54歳(平均年齢は29.2歳)の健常人42例を対象として、細胞傷害性T細胞を誘導し得る自己由来の腫瘍拒絶抗原ペプチドについて皮膚テストを行った。
使用したペプチドは、マルチプルペプチドシステム(Multiple Peptide System)社のグッドマニュファクチャリングプラックティス(Good Manufacturing Practice)の条件に基づいて調製した下記ペプチドである;CypBの第84−92位のペプチド(CypB84)(KFHRVIKDF)(配列表の配列番号1)、第91−99位のペプチド(CypB91)(DFMIQGGDF)(配列表の配列番号2)、およびCypB91の第2番目のフェニルアラニンをチロシンに置換したペプチド(CypB91−2F−Y)(配列表の配列番号9);ART4の第13−20位のペプチド(ART413)(AFLRHAAL)(配列表の配列番号3)および第75−84位のペプチド(ART475)(DYPSLSATDI)(配列表の配列番号4);SART2の第161−169位のペプチド(SART2161)(AYDFLYNYL)(配列表の配列番号5)および第899−907位のペプチド(SART2899)(SYTRLFLIL)(配列表の配列番号6);SART3の第109−118位のペプチド(SART3109)(VYDYNCHVDL)(配列表の配列番号7)および第315−323位のペプチド(SART3315)(AYIDFEMKI)(配列表の配列番号8)。これらのペプチドはいずれもHLA−A24拘束性に細胞傷害性T細胞を誘導および/または活性化し得る。また、これらのペプチドは逆層高速液体クロマトグラフィー分析による評価では純度が90%以上であった。各ペプチドはDMSOに溶解して−80℃にて保存し、使用直前に生理的食塩水で希釈した。
アレルギー性皮膚反応を試験するために、各10μgのペプチド(50μl容量)を皮内に注入し、その15分後に評価を行った。皮膚テストの結果は、炎症性発赤の大きさにより判定し、以下のように判別した。その結果を表1から4に示す。なお、表中、NTとはテスト不実施を、S.Tとは皮膚テストを意味する。
Figure 2003020306
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CypB84ペプチドに対する陽性の皮膚反応が健常人42例中40例(95%)で観察された。ART413も健常人の大多数で陽性反応を引き起こした(39/41、95%)。SART2899に対しては41例中10例(24%)が陽性反応を示した。一方、CypB91、ART475、またはSART2161に対する陽性の反応は健常人でほとんどみられなかった(それぞれ0/42、1/41、または0/42)。SART3315では41例中18例(44%)が陽性であった。SART3109に対しては、42例中7例(17%)が陽性であった。皮膚反応は発赤を伴い、いくつかのケースでは浮腫も観察された。反応は1分以内に現れ、5分から20分で最大に達した。続いて、反応は徐々におさまり、ほとんどのケースで1時間後には消失した。これらのことから、上記ペプチドが惹起した皮膚反応は典型的なI型アレルギーであると示唆される。また、これらのアレルギー性皮膚反応と、被験者の性別、またはMHC、すなわちMHCクラスI抗原であるHLA−A若しくはMHCクラスII抗原であるHLA−DRセロタイプとの間に関連性は見い出せなかった。
次に、上記のアレルギー性皮膚反応がIgEにより媒介されているか確認するために、ペプチド特異的IgEおよびIgGの血清レベルを測定した。血清中のペプチド特異的IgEおよびIgGレベルは酵素免疫固相法(ELISA)により測定した。まず、ペプチドを96ウェルのヌンク・コヴァリンク(Nunc Covalink)平底プレート(Fisher Scientific社)にジスクシンイミジルスベレート(disuccinimidylsuberate)(PIERCE社)を用いて製品指示書に従って固相化(immobilize)した。各ペプチド(20μg/ウエル)を固相化したプレートは、ブロックエース(Block ace)(雪印社)でブロックし、0.05%ツイーン20を含むリン酸緩衝食塩水(Tween20−PBS)で洗浄した。次いで、血清または血漿サンプルを、0.05%ツイーン20を含むブロックエースで希釈し、その100μl/ウエルを上記プレートに加えた。37℃で2時間インキュベーション後、プレートをTween20−PBSで洗浄し、1:1000希釈したウサギ抗ヒトIgE抗体(ε鎖特異的)、抗ヒトIgG抗体(γ鎖特異的)(DAKO社)、または抗ヒトIgGサブクラス特異的抗体(Zymed Laboratories社)と共にさらに37℃で2時間インキュベーションした。このプレートを9回洗浄し、1:100希釈したヤギ抗ウサギIgを結合させたホースラディッシュ・パーオキシダーゼ−デキストランポリマー(EnVision、DAKO)を100μlずつ各ウエルに加えて室温で40分間インキュベーションした。洗浄後にテトラメチルベンジジン基質溶液(KPL社)100μlを加え、その後に1Mのリン酸を添加して反応を停止した。ペプチド特異的IgEレベルを算定するため、各サンプルの吸光度の値を、段階希釈した標準サンプルのものと比較して、ODユニット/mlとして表示した。ペプチド特異的IgGレベルも同様に算定し、結果を上記表1から4に示した。標準ウエルとして1:100希釈した抗ヒトIgE(Southern Biotechnology Associates社)または抗ヒトIgG(Leinco社)モノクローナル抗体をペプチドの代わりに固相化し、上記同様に測定を行った。サンプルの総IgEレベルおよび総IgGレベルは、エスアールエル(SRL)社に依頼して測定した。また、上記測定されたIgEおよびIgGがそれぞれのペプチドに対する特異抗体であることを、各抗体の測定系であるELISAにそれぞれに対応する可溶性ペプチドを加えると反応が阻害されて吸光度が低下するが、関連性のないペプチドを加えても阻害がみられないことにより確認した。
CypB84およびCypB91ペプチドに対するペプチド特異的IgEは健常人42例中それぞれ12例および7例で検出された(表1)。一方、CypB84およびCypB91ペプチドに対するIgGは試験した37例中それぞれ4例および5例で検出された。CypB84ペプチドに対する皮膚反応が認められた40例のうち12例で、血清中に該ペプチド特異的IgEが認められたものの、皮膚反応の程度は血清IgEレベルと相関していなかった。しかしながら、CypB84に対する皮膚反応が見られない2例(HD5およびHD38)では、血清中に検出可能なレベルのIgGが認められ、該ペプチド特異的IgEが認められなかった。
同様に、ART413およびART475(表2)、SART2161およびSART2899(表3)、並びにSART3109およびSART3315(表4)においても、上記皮膚テストの結果とペプチド特異抗体の産生は必ずしも一致していなかった。これは血清IgEの検出率が低いためであると考えられる。インビボ(in vivo)で産生されたIgEのほとんどはマスト細胞(mast cell)の表面上に高親和性Fc受容体を介して捕捉されているため、血中で検出されるIgEが極めてわずかであることはよく知られていることである。
上記のような自己抗原由来のMHCクラスI拘束性腫瘍拒絶抗原由来ペプチドに対するアレルギー反応および特異的IgE産生については今までに報告はなく、ここにおいて初めて開示されるものである。
さらに、上記42例中6例についてペプチド特異的IgGおよび総IgGのサブクラス分布を分析した。その結果、総IgGの主要なIgGサブクラスはIgG1(総IgGの59%〜79%)であり、次にIgG2が多かった(17%〜29%)。IgG3およびIgG4の相対的な含有量はそれぞれ8%〜3%および6%〜2%であった。CypB84、CypB91、ART413、およびART475のそれぞれに対するペプチド特異的IgGのサブクラス分布は総IgGと同様であった。
上記アレルギー性皮膚試験においてCypB84に対する皮膚反応および血清IgEレベルが陽性であった肺癌患者に、CypB91を用いたペプチドワクチンの第I相臨床試験を行った。この患者はCypB91に対しては皮膚反応および血清IgEレベルが陰性であった。図1の(A)に示すように、CypB913回投与後にCypB84に対する皮膚反応の低減および血清IgEレベルの低下が認められた。この時、血清IgGレベルに変化は無かった。CypB91に対する皮膚反応および血清IgEレベルは、CypB913回投与後にも投与前と変わらず陰性であった〔図1の(B)〕。同様に、CypB91またはそれを部分的に変更したペプチド(CypB91−2F−Y)(配列表の配列番号9)のワクチン接種による、CypB84に対する皮膚反応および特異的IgEレベルの抑制が、試験した10例のうち9例で確認された。これらから、CypB84に対するアレルギー反応および血清中特異的IgEレベルがCypB91の投与により低減されることが判明した。
ART413に対する皮膚反応が陽性であった卵巣癌患者に、ART475を用いた第I相臨床試験を行った。この患者においてはART475に対する皮膚反応が陰性であり、ART413およびART475に対する血清中の特異的IgEレベルは低かった。図1の(C)に示すように、ART4753回投与後にART413に対する血清IgEレベルの低下が認められ、9回投与後には皮膚反応の消失が認められ、15回投与後には血清IgEレベルがさらに低下した。血清中のART475特異的IgEレベルはART475投与により漸増したものの、皮膚反応は投与前も投与後も陰性であった〔図1の(D)〕。すなわち、ART413に対するアレルギー反応および血清中特異的IgEレベルがART475の投与により低減された。
SART3315に対する皮膚反応が陽性であった大腸癌患者に、SART3109を用いた第I相臨床試験を行った。この患者においてはSART3109に対する皮膚反応が陰性であり、SART3315およびSART3109に対する血清中の特異的IgEレベルは低かった。図1の(E)に示すように、SART3109の13回投与後にSART3315に対する皮膚反応の低減および血清IgEレベルの低下が認められ、17回投与後には皮膚反応は消失した。血清中のSART3109特異的IgEレベルはSART3109投与により増加したものの、皮膚反応は投与前も投与後も陰性であった〔図1の(F)〕。すなわち、SART3315に対するアレルギー反応および血清中特異的IgEレベルがSART3109の投与により低減された。
また、SART2899に対する皮膚反応が陽性であった癌患者に、SART2161を用いた第I相臨床試験を行ったときも、上記3例と同様に、SART2161の頻回投与後にSART2899に対する皮膚反応の低減および血清IgEレベルの低下が認められた。すなわち、SART2899に対するアレルギー反応および血清中特異的IgEレベルがSART5161の投与により低減された。
これらのことから、腫瘍拒絶抗原由来ペプチドにより惹起されたアレルギー反応を、該ペプチドが由来した抗原分子の該ペプチドとは異なる部分配列を有する非アレルギー性ペプチドが抑制し得ることが明らかになった。アレルギー性ペプチド、例えばCypB84、ART475、およびSART3315は、腫瘍拒絶抗原ペプチドとして有用であっても、その副作用のために使用出来ないが、上記のようにこれらのペプチドに対するアレルギー性皮膚反応および血清中特異的IgEレベルが低減された患者においては、このようなペプチドをもペプチドワクチンとして使用できるようになる。このような同一抗原分子由来の非アレルギー性ペプチドのワクチン接種による、アレルギー性ペプチド特異的IgE反応の抑制は予期せぬものであり、他の腫瘍拒絶抗原ペプチドの組み合わせによっても確認された。
実施例2
アトピー性皮膚炎患者(AD)の血清について、上記自己抗原由来のMHCクラスI拘束性腫瘍拒絶抗原由来ペプチド、CypB84、CypB91、ART413、およびART475に特異的なIgEレベルおよびIgGレベルを測定した。測定は実施例1に記載の方法と同様の方法で行った。その結果、表5に示すように、CypB84やART413のようなアレルギー性ペプチド特異的なIgEレベルおよびIgGレベルともに癌患者および健常人に比べ非常に高かった。また、CypB91やART475のような非アレルギー性ペプチド特異的血清IgEレベルのパターンが、癌患者や健常人と比べて著しく異なっていた。この検討により、アトピー性皮膚炎においても自己抗原由来のMHCクラスI拘束性ペプチドに対するIgEが血清中に存在することが判明した。
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産業上の利用可能性
本発明によれば、抗原性物質により惹起されたアレルギー反応を抑制し得る、該アレルギーの惹起に関与するエピトープを含まない該抗原性物質由来の非アレルギー性ペプチドからなるアレルギー反応抑制剤を提供できる。該アレルギー反応抑制剤を使用すれば、抗原性物質により誘導されるIgE産生を低減でき、ひいてはIgEにより惹起されるアレルギー反応を抑制できる。また該アレルギー反応抑制剤は、アレルゲンである抗原性物質の脱感作に使用し得る。すなわち、本発明に係るアレルギー反応抑制剤は、I型アレルギー疾患、例えばアトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息、花粉症等の防止および/または治療に有用である。
また、本発明によれば、腫瘍拒絶抗原由来ペプチドを用いた癌ワクチン療法において、該腫瘍拒絶抗原由来ペプチドにより惹起される可能性のあるI型アレルギー反応を、該腫瘍拒絶抗原由来ペプチドと同一蛋白質分子由来の非アレルギー性MHCクラスI拘束性ペプチドを用いて抑制できる。
さらに本発明は、アレルギー性疾患並びに腫瘍細胞に対する宿主の防御機構およびペプチド癌ワクチンの作用機序を理解するためにも重要なものである。
配列表フリーテキスト
配列番号1:サイクロフィリンBの第84番目から第92番目の9アミノ酸残基からなるペプチド。
配列番号2:サイクロフィリンBの第91番目から第99番目の9アミノ酸残基からなるペプチド。
配列番号3:ART4の第13番目から第20番目の8アミノ酸残基からなるペプチド。
配列番号4:ART4の第75番目から第84番目の10アミノ酸残基からなるペプチド。
配列番号5:SART2の第161番目から第169番目の9アミノ酸残基からなるペプチド。
配列番号6:SART2の第899番目から第907番目の9アミノ酸残基からなるペプチド。
配列番号7:SART3の第109番目から第118番目の10アミノ酸残基からなるペプチド。
配列番号8:SART3の第315番目から第323番目の9アミノ酸残基からなるペプチド。
配列番号9:サイクロフィリンBの第91番目から第99番目の9アミノ酸残基からなるペプチドに基づいて設計されたペプチド。
【配列表】
Figure 2003020306
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【図面の簡単な説明】
第1図は、腫瘍拒絶抗原由来ペプチドを用いた癌ワクチン療法において、該腫瘍拒絶抗原由来ペプチドにより惹起されたI型アレルギー反応および血清中IgEレベルが、該腫瘍拒絶抗原由来ペプチドが由来した抗原分子の該ペプチドとは異なる部分配列を有する非アレルギー性ペプチドにより抑制されることを示す。第1図(A)および第1図(B)は、それぞれCypB84およびCypB91に対するI型アレルギー反応および血清中IgEレベルの、非アレルギー性ペプチドCypB91投与による変化を示す。第1図(C)および第1図(D)は、それぞれART413およびART475に対するI型アレルギー反応および血清中IgEレベルの、非アレルギー性ペプチドART475投与による変化を示す。第1図(E)および第1図(F)は、それぞれSART3315およびSART3109に対するI型アレルギー反応および血清中IgEレベルの、非アレルギー性ペプチドSART3109投与による変化を示す。

Claims (26)

  1. アレルギー反応を惹起する抗原性物質と同一の抗原性物質に由来するペプチドであって該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤。
  2. アレルギー反応を惹起するペプチドが由来した抗原性物質と同一の抗原性物質に由来するペプチドであって該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤。
  3. アレルギー反応を惹起する自己抗原と同一の自己抗原に由来するペプチドであって該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤。
  4. アレルギー反応を惹起するペプチドが由来した自己抗原と同一の自己抗原に由来するペプチドであって該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤。
  5. 上記アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドが、さらにMHCクラスI拘束性であることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載のアレルギー反応抑制剤。
  6. 細胞傷害性T細胞を誘導し得る腫瘍拒絶抗原由来ペプチドにより惹起されたアレルギー反応の抑制剤であって、該腫瘍拒絶抗原由来ペプチドが由来した腫瘍拒絶抗原に由来するペプチドであり該アレルギー反応の惹起に関与するエピトープとは異なるエピトープを含み且つアレルギー反応を惹起しないペプチドからなるアレルギー反応抑制剤。
  7. 上記腫瘍拒絶抗原がサイクロフィリンB、ART4、SART2、およびSART3からなる群から選ばれる1または複数個である請求の範囲第6項に記載のアレルギー反応抑制剤。
  8. サイクロフィリンB由来の配列表の配列番号1に記載のペプチドにより惹起されたアレルギー反応の抑制剤であって、サイクロフィリンB由来の配列表の配列番号2または9に記載のペプチドからなるアレルギー反応抑制剤。
  9. ART4由来の配列表の配列番号3に記載のペプチドにより惹起されたアレルギー反応の抑制剤であって、ART4由来の配列表の配列番号4に記載のペプチドからなるアレルギー反応抑制剤。
  10. SART2由来の配列表の配列番号6に記載のペプチドにより惹起されたアレルギー反応の抑制剤であって、SART2由来の配列表の配列番号5に記載のペプチドからなるアレルギー反応抑制剤。
  11. SART3由来の配列表の配列番号7に記載のペプチドにより惹起されたアレルギー反応の抑制剤であって、SART3由来の配列表の配列番号8に記載のペプチドからなるアレルギー反応抑制剤。
  12. 請求の範囲第1項から第11項のいずれか1項に記載のアレルギー反応抑制剤を含んでなるI型アレルギー性疾患の防止剤および/または治療剤。
  13. 請求の範囲第1項から第11項のいずれか1項に記載のアレルギー反応抑制剤を利用することを特徴とするI型アレルギー性疾患の防止方法および/または治療方法。
  14. 請求の範囲第1項から第11項のいずれか1項に記載のアレルギー反応抑制剤を利用することを特徴とするアレルギー反応抑制方法。
  15. 請求の範囲第1項から第11項のいずれか1項に記載のアレルギー反応抑制剤を利用することを特徴とするイムノグロブリンE抗体産生の低減方法。
  16. 請求の範囲第1項から第11項のいずれか1項に記載のアレルギー反応抑制剤を利用することを特徴とする脱感作方法。
  17. 請求の範囲第1項から第11項のいずれか1項に記載のアレルギー反応抑制剤の製造方法。
  18. アレルギー反応惹起性の蛋白質および/またはペプチドと、該蛋白質および/またはペプチドと同一の抗原性物質由来であり該アレルギー反応に関与するエピトープとは異なるエピトープを有し且つ該アレルギー反応を抑制する作用を有するペプチドとを組み合わせてなる医薬組成物。
  19. 細胞傷害性T細胞誘導活性を有するがアレルギー反応を惹起する腫瘍拒絶抗原由来ペプチドと、該ペプチドと同一抗原由来であり該ペプチドが有する該アレルギー反応に関与するエピトープとは異なるエピトープを有し且つ該アレルギー反応を抑制する作用を有するペプチドとを含む癌ワクチン。
  20. 請求の範囲第19項に記載の癌ワクチンであって、サイクロフィリンB由来の配列表の配列番号1に記載のペプチドと、配列表の配列番号2または配列番号9に記載のペプチドとを含む癌ワクチン。
  21. 請求の範囲第19項に記載の癌ワクチンであって、ART4由来の配列表の配列番号3に記載のペプチドと、配列表の配列番号4に記載のペプチドとを含む癌ワクチン。
  22. 請求の範囲第19項に記載の癌ワクチンであって、SART2由来の配列表の配列番号6に記載のペプチドと、配列表の配列番号5に記載のペプチドとを含む癌ワクチン。
  23. 請求の範囲第19項に記載の癌ワクチンであって、SART3由来の配列表の配列番号7に記載のペプチドと、配列表の配列番号8に記載のペプチドとを含む癌ワクチン。
  24. 請求の範囲第19項から第23項のいずれか1項に記載の癌ワクチンを含む癌の治療剤。
  25. 請求の範囲第19項から第23項のいずれか1項に記載の癌ワクチンを利用することを特徴とする癌の防止方法および/または治療方法。
  26. 請求の範囲第18項に記載の医薬組成物の製造方法。
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