JP2001519180A - ラミニン及びそれらの利用 - Google Patents

ラミニン及びそれらの利用

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JP2001519180A
JP2001519180A JP2000515919A JP2000515919A JP2001519180A JP 2001519180 A JP2001519180 A JP 2001519180A JP 2000515919 A JP2000515919 A JP 2000515919A JP 2000515919 A JP2000515919 A JP 2000515919A JP 2001519180 A JP2001519180 A JP 2001519180A
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シャンプリオー マリーフランス
オールソン パメラ
コーク マニュエル
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/78Connective tissue peptides, e.g. collagen, elastin, laminin, fibronectin, vitronectin or cold insoluble globulin [CIG]

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Abstract

(57)【要約】 この発明は、α1サブユニット、β2サブユニット及びγ3サブユニットを含む精製されたラミニン12ポリペプチドに向けられている。湖の発明は又、単離されたラミニンβ4及びγ3サブユニットにも向けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 この発明は、ラミニン12、ラミニンサブユニットγ3及びラミニンサブユニ
ットβ1、及びこれらの分子の製造方法及び利用方法に関係する。
【0002】 発明の要約 本発明は、少なくとも部分的に、ラミニンファミリーの新規なメンバーである
ラミニン12の発見に基づいている。従って、本発明は、α2サブユニット、β
1サブユニット及びγ3サブユニットを含むラミニン12の精製された若しくは
単離された標品又は組換え標品を特徴とする。
【0003】 好適具体例において、このα2サブユニットは、ヒトのα2サブユニット例え
ばSEQ ID NO:7のヒトα2サブユニットと少なくとも60〜約70%の、一層好
ましくは少なくとも約80%の、尚一層好ましくは少なくとも約90〜95%の
、最も好ましくは少なくとも約99%の配列同一性を有する。このα2サブユニ
ットは、ヒトα2配列例えばSEQ ID NO:7の配列と同一であってよい。他の具体
例において、このα2サブユニットは、緊縮条件下で、SEQ ID NO:8に示した核
酸配列の核酸分子にハイブリダイズする核酸分子によりコードされる。更に、こ
のα2サブユニットは、ヒトα2サブユニットと実質的に同じ電気泳動移動度を
有することができ、例えば、それは、還元的ゲル上で205kDaの電気泳動バ
ンドとして出現する。この発明の更に別の好適具体例は、α2特異的な抗体例え
ばmAb5H2により認識されるエピトープに結合する抗体と反応性のα2サブ
ユニットを特徴とする。α2特異的な抗体は、当分野で公知の方法により作成す
ることができる。
【0004】 この発明の他の好適具体例は、ヒトのβ1サブユニット例えばSEQ ID NO:9の
ヒトβ1サブユニットと少なくとも60〜約70%の、一層好ましくは少なくと
も約80%の、尚一層好ましくは少なくとも約90〜95%の、最も好ましくは
少なくとも約99%の配列同一性を有するβ1サブユニットを特徴とする。好ま
しくは、このβ1サブユニットは、ヒトβ1サブユニットの例えばSEQ ID NO:9
のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する。他の具体例において、このβ1
サブユニットは、緊縮条件下で、SEQ ID NO:10に示した核酸配列の核酸分子と
ハイブリダイズする核酸分子によりコードされる。更に、このβ1サブユニット
は、ヒトβ1サブユニットと実質的に同じ電気泳動移動度を有することができ、
例えば、それは、還元的ゲル上で185kDaの電気泳動バンドとして出現する
。この発明の更に別の好適具体例は、β1特異的な抗体例えばmAb545によ
り認識されるエピトープに結合する抗体と反応性であるβ1サブユニットを特徴
とする。β1特異的な抗体は、当分野で公知の方法により作成することができる
【0005】 更に別の好適具体例において、ラミニン12のγ3サブユニットは、ヒトγ3
サブユニット例えばSEQ ID NO:3のγ3サブユニットと少なくとも60〜約70
%の、一層好ましくは少なくとも約80%の、尚一層好ましくは少なくとも約9
0〜95%の、最も好ましくは少なくとも約99%の配列同一性を有する。この
γ3サブユニットは、天然のヒトγ3サブユニット例えばSEQ ID NO:3のものと
同一であってよい。他の具体例において、このγ3サブユニットは、緊縮条件下
で、SEQ ID NO:4に示した核酸配列の核酸分子とハイブリダイズする核酸分子に
よりコードされる。更に、このγ3サブユニットは、ヒトγ3サブユニットと実
質的に同じ電気泳動移動度を有してよく、それは、還元的ゲル上で170kDa
の電気泳動バンドとして出現する。この発明の更に別の好適具体例は、γ3特異
的な抗体と反応性であるγ3サブユニットを特徴とする。γ3特異的な抗体は、
当分野で公知であり且つ本明細書で教示する方法により作成することができる。
【0006】 好適具体例において、このラミニン12は、ヒトの胎盤絨毛膜絨毛において見
出され又はそこから単離され得る三量体である。他の具体例においては、このラ
ミニン12は、組換え細胞例えば細菌細胞、培養細胞(例えば、培養真核細胞)又
は非ヒトトランスジェニック動物の細胞により発現される。培養細胞は、CHO
細胞又はSF8細胞を包含し得る。ラミニン12のトランスジェニック動物中で
の発現は、全身的であっても組織特異的プロモーターの制御下であってもよい。
好ましくは、このラミニン12三量体のサブユニットをコードする少なくとも一
の配列を、好適な細胞型において、組織特異的プロモーター例えばミルク特異的
プロモーターにより発現させる。
【0007】 本発明は又、部分的に、新規なラミニンサブユニットγ3の発見にも基づいて
いる。従って、この発明は、γ3ポリペプチドの組換えの又は実質的に純粋な若
しくは単離された標品を特徴とする。
【0008】 好適具体例において、このγ3ポリペプチドは、次の生物学的活性を有する:
1)それは、組織エレメント間の接着を促進し;2)基底膜中への神経の挿入の
ための部位を提供する。他の好適具体例においては:このγ3ポリペプチドは、
SEQ ID NO:3からのアミノ酸配列と少なくとも60%、80%、90%、95%
、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を包含し;このγ3ポリ
ペプチドは、SEQ ID NO:3中のアミノ酸配列と本質的に同じアミノ酸配列を包含
し;このγ3ポリペプチドは、少なくとも5、10、20、50、100又は1
50アミノ酸長であり;このγ3ポリペプチドは、SEQ ID NO:3からの少なくと
も5の、好ましくは少なくとも10の、一層好ましくは少なくとも20の、一層
好ましくは少なくとも50、100又は150の隣接アミノ酸を包含し;このγ
3ポリペプチドは、天然のγ3サブユニットの生物学的活性のアゴニスト又はア
ンタゴニストであり;このγ3ポリペプチドは、脊椎動物の、例えば哺乳動物の
、例えば霊長類の、例えばヒトのγ3ポリペプチドである。
【0009】 好適具体例において、この発明は、ATCCに受理番号209357で寄託さ
れたプラスミドのDNAインサートによりコードされるγ3ポリペプチドを包含
する。他の具体例において、このγ3ポリペプチドは、ATCCに受理番号20
9357で寄託された7つのプラスミドの一より多くの好ましくはすべての重複
するDNAインサートのヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドであ
る。
【0010】 好適具体例において:このγ3ポリペプチドは、SEQ ID NO:4中の核酸により
、又はSEQ ID NO:4からの核酸と少なくとも約85%の、一層好ましくは約90
〜95%の、最も好ましくは少なくとも約99%の配列同一性を有する核酸によ
りコードされる。
【0011】 好適具体例において、このγ3ポリペプチドは、ナイドジェン結合ドメインを
含む。一般に、ナイドジェン結合ドメインは、少なくとも5残基長であり、好ま
しくはSEQ ID NO:3に示した蛋白質のナイドジェン結合ドメイン(アミノ酸残基 750〜755)と約70、80、90又は95%の配列同一性を有する。他の 具体例において、このγ3ポリペプチドは、天然のγ3蛋白質中に見出されるシ
ステインの少なくとも5、好ましくは6、最も好ましくは8を包含する。この発
明の更に別の具体例においては、γ3の生物学的活性に対するアンタゴニストと
して働く不活性化されたナイドジェン結合ドメインを含まないか又は有するγ3
ポリペプチドを特徴とする。更には、アンタゴニスト活性を有するγ3ポリペプ
チドは、天然のγ3蛋白質中に見出される少なくとも一のシステインを含む不活
性化された領域又は排除された領域を有してよい。
【0012】 好適具体例において、このγ3ポリペプチドは、アミノ酸配列において、SEQ
ID NO:3の配列と最大で1、2、3、5又は10残基異なる。他の好適具体例に
おいて、このγ3ポリペプチドは、アミノ酸配列において、SEQ ID NO:3の配列
と最大で残基の1、2、3、5又は10%だけ異なる。好ましくは、これらの差
異は、γ3ポリペプチドがγ3の生物学的活性を示すようなものであり、例えば
、このγ3ポリペプチドは天然のγ3サブユニットの生物学的活性を保持する。
【0013】 好適具体例において、このγ3ポリペプチドは、ここに記載のγ3サブユニッ
トの配列並びに他のN末端及び/又はC末端アミノ酸配列を含む。
【0014】 好適具体例において、このγ3ポリペプチドは、更なるアミノ酸残基と好まし
くはSEQ ID NO:3からの配列をコードするゲノムDNAの5’側のゲノムDNA
によりコードされる残基と読み枠にて融合されたSEQ ID NO:3からのアミノ酸配
列の全部又は断片を含む。
【0015】 更に別の好適具体例において、このγ3ポリペプチドは、第1のγ3部分と第
2のポリペプチド部分(例えば、γ3に無関係なアミノ酸配列を有する第2のポ リペプチド部分)を有する組換え融合蛋白質である。この第2のポリペプチド部 分は、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合ドメイン又
はポリメラーゼ活性化ドメインの何れかであってよい。好適具体例においては、
この融合蛋白質を、ツーハイブリッドアッセイにおいて用いることができる。
【0016】 好適具体例において、このγ3ポリペプチドは、SEQ ID NO:3のアミノ酸残基
750〜755を含む。他の具体例においては、このγ3ポリペプチドは、γ3
サブユニットのドメインIV〜VIをコードする。
【0017】 好適具体例において、このγ3ポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有し、
結合組織間の接着を阻害することができる。
【0018】 好適具体例において、このγ3ポリペプチドは、結合組織の接着を阻害する天
然のγ3の断片である。
【0019】 この発明のポリペプチドには、同義遺伝子、選択的転写事象、選択的RNAス
プライシング事象並びに選択的翻訳及び翻訳後事象の存在の結果として生じるも
のが含まれる。このγ3ポリペプチドは、γ3が天然の細胞中で発現される場合
に存在するものと実質的に同じ翻訳後修飾を生じる系において、又は天然の細胞
中で発現される場合に存在する翻訳後修飾の省略を生じる系例えば培養細胞にお
いて発現させることができる。
【0020】 この発明は、γ3ポリペプチドを免疫原性標品中に含む免疫原であって、γ3
ポリペプチドに特異的な免疫応答例えば体液性応答、抗体応答又は細胞性応答を
誘出することのできる免疫原を包含する。好適具体例において、この免疫原は、
SEQ ID NO:3により表される蛋白質からの抗原決定基例えばユニークな決定基を
含んでいる。
【0021】 本発明は又、このγ3免疫原又は一般にγ3ポリペプチドのエピトープと、好
ましくは完全に若しくは部分的にSEQ ID NO:3のアミノ酸配列からの残基からな
るエピトープと、又は抗体と結合したときに生物学的活性の調節を生じるエピト
ープと特異的に反応性の抗体標品をも包含する。
【0022】 好適具体例において、γ3様ポリペプチドは、それが通常発現される細胞又は
他の真核細胞において発現された場合に、SDS−PAGEにより測定して、1
70kDaの分子量を有する。
【0023】 他の具体例において、γ3ポリペプチドは、SEQ ID NO:3のアミノ酸残基10
0〜1761を含む。
【0024】 好適具体例において、γ3ポリペプチドは、下記の特性の少なくとも一を有す
る: (i)それは、結合組織間の接着を促進する能力を有し; (ii)それは、SEQ ID NO:3のγ3の分子量、アミノ酸組成又は他の物理的特性
を有し; (iii)それは、SEQ ID NO:3のγ3ポリペプチドと少なくとも50%の、好ま しくは少なくとも60%の、一層好ましくは少なくとも70、80、90又は9
5%の全体的配列類似性を有し; (iv)それは、ヒトの胎盤絨毛膜絨毛から単離することができ; (v)それは、好ましくはSEQ ID NO:3のアミノ酸残基750〜755と約70
%、80%、90%又は95%であるナイドジェン結合ドメインを有し; (vi)それは、蛋白質ユビキチンカルボキシターミナルヒドロキシラーゼIと同
所局在化でき; (vii)それは、天然のγ3のアミノ酸配列見出される少なくとも5の好ましく は6又は7の最も好ましくは8のシステインを有する。
【0025】 γ3ポリペプチド(又はそれをコードする核酸)及び少なくとも一の更なる成分
例えばキャリアー、希釈剤又は溶媒を含む組成物も又、この発明に包含される。
更なる成分は、この組成物をイン・ビトロの又はイン・ビボの医薬又は獣医学的
用途について有用にするものであってよい。
【0026】 他の面において、この発明は、γ3ポリペプチド例えばここに記載のγ3ポリ
ペプチドをコードするヌクレオチド配列を有し又は含む単離された又は実質的に
純粋な核酸を提供する。
【0027】 この発明の好適具体例は、SEQ ID NO:4のヌクレオチド配列と少なくとも約8
5%の配列同一性のヌクレオチド配列を有する核酸分子を特徴とする。他の好適
具体例において、γ3ポリペプチドは、SEQ ID NO:4からのヌクレオチド配列に
対して少なくとも約90〜95%の、一層好ましくは約98〜99%の配列同一
性を有するヌクレオチド配列を有する核酸分子によりコードされる。他の好適具
体例において、γ3ポリペプチドは、SEQ ID NO:4の核酸分子によりコードされ
る。
【0028】 好適具体例において、単離された核酸分子は、受理番号209357でATC
Cに寄託したプラスミドのDNAインサートの少なくとも一の好ましくはすべて
のヌクレオチド配列を含む。
【0029】 好適具体例において、主題のγ3核酸は、例えばγ3遺伝子を発現ベクターと
しての使用に適したものにするために、γ3遺伝子配列(LAMG3とも呼ばれ る)に操作可能に結合された転写調節配列例えば少なくとも一の転写プロモータ ー又は転写エンハンサー配列を含む。
【0030】 尚更なる好適具体例において、この発明のγ3ポリペプチドをコードする核酸
は、緊縮条件下で、SEQ ID NO:4の少なくとも12の連続するヌクレオチドに対
応する核酸プローブとハイブリダイズする。一層好ましくは、この核酸プローブ
は、SEQ ID NO:4からの少なくとも20の連続するヌクレオチドと対応する。
【0031】 この発明は又、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含むプローブ又はプ
ライマーをも提供する。このオリゴヌクレオチドは、SEQ ID NO:4からのセンス
又はアンチセンス配列の少なくとも10の連続するヌクレオチド又はこれらの天
然の変異体と緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の一領域を含む
。好適具体例において、このプローブ又はプライマーは更に、それらに付けられ
た標識基を包含する。この標識基は、例えば、放射性同位体、蛍光性化合物、酵
素及び/又は酵素補因子であってよい。好ましくは、このオリゴヌクレオチドは
、少なくとも10ヌクレオチド長であり且つ20、30、50、100又は15
0ヌクレオチド長未満である。
【0032】 この発明は、この発明のγ3ポリペプチドをコードする核酸例えばRNA又は
DNAを包含する。これは、二本鎖核酸並びにコード鎖及びアンチセンスの一本
鎖を包含する。
【0033】 他の面において、この発明は、γ3サブユニットトランスジーンを含むか或は
γ3遺伝子を誤発現する細胞又は細胞の精製標品を特徴とする。この細胞標品は
、ヒト又は非ヒト細胞例えばゲッ歯類細胞例えばマウス若しくはラット細胞、ウ
サギ細胞若しくはブタ細胞よりなっていてよい。好適具体例において、これらの
細胞は、γ3トランスジーン例えば異種形態のγ3遺伝子例えばヒトから由来す
る遺伝子(非ヒト細胞の場合)を含む。γ3トランスジーンは、誤発現例えば過剰
発現又は過少発現させることができる。他の好適具体例において、これらの細胞
は、内因性γ3遺伝子を誤発現する遺伝子例えば発現が破壊れた遺伝子例えばノ
ックアウトを含む。かかる細胞は、変異した若しくは誤発現されるγ3対立遺伝
子に関係する病気の研究又は薬物スクリーニングにおける利用のためのモデルと
して役立ち得る。
【0034】 他の面において、この発明は、トランスジェニックのγ3動物例えばゲッ歯類
例えばマウス若しくはラット、ウサギ、ブタ、ヤギ又はウシを特徴とする。好適
具体例において、このトランスジェニック動物は、異種形態のγ3遺伝子例えば
ヒトに由来する遺伝子を含む(そして、好ましくは、発現する)。更なる具体例に
おいて、このγ3トランスジーンは、組織特異的プロモーター例えばミルク特異
的プロモーターを含む。他の好適具体例において、この動物は、誤発現される内
因性γ3遺伝子例えばノックアウトを有する。かかるトランスジェニック動物は
、変異した若しくは誤発現されるγ3対立遺伝子と関係する病気の研究のための
モデルとして又は薬物スクリーニングにおける利用のために役立ち得る。
【0035】 この発明は又、部分的に、新規なラミニンサブユニットであるβ4の発見にも
基づいている。従って、この発明は、β4ポリペプチドの組換えの又は実質的に
純粋な標品を特徴とする。
【0036】 好適具体例において、β4ポリペプチドは、次の生物学的活性を有する:1)
それは、組織エレメント間の接着を促進し;2)それは、傷の治癒を助ける。他
の好適具体例において:β4ポリペプチドは、SEQ ID NO:1からのアミノ酸配列
と少なくとも65%、80%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性
を有するアミノ酸配列を含み;β4ポリペプチドは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配
列と本質的に同じアミノ酸配列を含み;β4ポリペプチドは、少なくとも5、1
0、20、50、100又は150アミノ酸長であり;β4ポリペプチドは、SE
Q ID NO:1からの少なくとも5好ましくは少なくとも10一層好ましくは少なく
とも20最も好ましくは少なくとも50、100又は150の隣接するアミノ酸
を含み;β4ポリペプチドは、天然のβ4サブユニットの生物学的活性のアゴニ
スト又はアンタゴニストであり;β4ポリペプチドは、脊椎動物例えば哺乳動物
例えば霊長類の、例えばヒトのβ4ポリペプチドである。
【0037】 好適具体例において:β4ポリペプチドは、SEQ ID NO:2の核酸によりコード
され、又はSEQ ID NO:2からの核酸と少なくとも約65〜70%の一層好ましく
は少なくとも80%の尚一層好ましくは少なくとも約90〜95%の、最も好ま
しくは約99%の配列同一性を有する核酸によりコードされる。
【0038】 好適具体例において、β4ポリペプチドは、天然のβ4サブユニットで見出さ
れるドメインVI及びVを含む。SEQ ID NO:1の約221〜262及び263〜
535からのアミノ酸残基は、それぞれ、β4のドメインVI及びVの例である
。一般に、ドメインVIは少なくとも33残基長であり、好ましくは、SEQ ID N
O:1に示したβ4蛋白質のアミノ酸残基221〜262と少なくとも約60%一
層好ましくは約70〜80%、最も好ましくは約90〜95%の配列同一性を有
する。ドメインVは少なくとも272残基長であり、好ましくはSEQ ID NO:1に
示したβ4蛋白質のアミノ酸残基263〜535と少なくとも約60%一層好ま
しくは約70〜80%、最も好ましくは約90〜95%の配列同一性を有する。
他の具体例においては、β4ポリペプチドは、天然のβ4で見出される少なくと
も5、好ましくは6又は7、最も好ましくは8のシステインを有する。更に別の
具体例においては、アンタゴニスト活性を有するβ4ポリペプチドは、天然のβ
4蛋白質で見出されるシステインの少なくとも一つを含む不活性化された又は排
除された領域を有する。
【0039】 好適具体例において、β4ポリペプチドは、アミノ酸配列が、SEQ ID NO:1の
配列と最大で1、2、3、5又は10残基だけ異なっている。他の好適具体例に
おいては、β4ポリペプチドは、アミノ酸配列が、SEQ ID NO:1の配列と最大で
残基の1、2、3、5又は10%だけ異なっている。好ましくは、これらの差異
は、β4ポリペプチドがβ4の生物学的活性を示すようなものである(例えば、 このβ4ポリペプチドは、天然のβ4サブユニットの生物学的活性を保持してい
る)。
【0040】 好適具体例において、β4ポリペプチドは、ここに記載のβ4配列並びに他の
N末端及び/又はC末端アミノ酸配列を含む。
【0041】 好適具体例において、β4ポリペプチドは、更なるアミノ酸配列と好ましくは
SEQ ID NO:1からの配列をコードするゲノムDNAの5’側のゲノムDNAによ
りコードされる残基と読み枠にて融合されたSEQ ID NO:1からのアミノ酸配列の
全部又は断片を含んでいる。
【0042】 更に別の好適具体例において、β4ポリペプチドは、第一のβ4部分と第二の
ポリペプチド部分(例えば、β4に無関係のアミノ酸配列を有する第二のポリペ プチド部分)を有する組換え融合蛋白質である。この第二のポリペプチド部分は 、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合ドメイン又はポ
リメラーゼ活性化ドメインの何れかであってよい。好適具体例において、この融
合蛋白質は、ツーハイブリッドアッセイで用いることができる。
【0043】 好適具体例において、β4ポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有し、結合
組織の接着を阻害することができる。
【0044】 好ましくは、β4ポリペプチドは、結合組織の接着を阻害する天然のβ4の断
片である。
【0045】 この発明のポリペプチドは、同義遺伝子、選択的転写事象、選択的RNAスプ
ライシング事象並びに選択的翻訳及び翻訳後事象の存在の結果として生じるもの
を包含する。この発明の一の面において、β4ポリペプチドは、β4サブユニッ
トのスプライス変異体である。他の好適具体例において、β4スプライス変異体
は、SEQ ID NO:6のヌクレオチド配列と同じ核酸分子によりコードされる。この
ポリペプチドを、天然の細胞中でβ4が発現される場合に存在するものと実質的
に同じ翻訳後修飾を生じる系例えば培養細胞において、又は天然の細胞中で発現
される場合に存在する翻訳後修飾の省略を生じる系において発現させることがで
きる。
【0046】 この発明は、β4ポリペプチドを免疫原性標品中に含む免疫原を包含し、その
免疫原は、β4ポリペプチドに特異的な免疫応答例えば体液性応答、抗体応答又
は細胞性応答を誘出することができる。好適具体例において、この免疫原は、SE
Q ID NO:1により表される蛋白質からの抗原決定基例えばユニークな決定基を含
む。
【0047】 本発明は又、β4免疫原の又は一般にβ4ポリペプチドのエピトープと、好ま
しくは完全に又は部分的にSEQ ID NO:1のアミノ酸配列からの残基からなるエピ
トープと、或は抗体と結合したときに生物学的活性の調節を生じるエピトープと
特異的に反応性の抗体標品をも包含する。
【0048】 好適具体例において、β4様ポリペプチドは、それが通常発現されている細胞
又は他の真核細胞において発現された場合に、SDS−PAGEにより測定して
200kDaの推定分子量を有する。
【0049】 好適具体例において、β4ポリペプチドは、少なくとも一の下記の特徴を有す
る: (i)それは、結合組織間の接着を促進する能力を有し; (ii)それは、SEQ ID NO:1のβ4サブユニットの分子量、アミノ酸組成又は物
理的特性を有し; (iii)それは、SEQ ID NO:1のβ4ポリペプチドと少なくとも50%の、好ま しくは少なくとも65%の、一層好ましくは少なくとも70、80、90又は9
5%の全体的配列類似性を有し; (iv)それは、ヒト胎盤絨毛膜絨毛から単離することができ; (v)それは、α3又はγ2サブユニットと会合することができ; (vi)それは、ドメインI及びII中に高次コイルを有する。 (vii)それは、天然のβ4配列中で見出されるシステインの少なくとも5、好 ましくは6又は7、最も好ましくは8を有する。
【0050】 β4ポリペプチド(又は、それをコードする核酸)及び少なくとも一の更なる成
分例えばキャリアー、希釈剤又は溶媒を含む組成物も又、この発明に含まれる。
この更なる成分は、この組成物を、イン・ビトロ及びイン・ビボの医薬又は獣医
学的用途のためのものにするものであってよい。かかる用途は、傷の治癒を助け
ること又は表皮若しくは真皮細胞の接着の促進を包含することができる。
【0051】 他の面において、この発明は、β4ポリペプチド例えばここに記載のβ4ポリ
ペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するか又は含む単離された又は実質
的に純粋な核酸を提供する。
【0052】 この発明の好適具体例は、SEQ ID NO:2のヌクレオチド配列と少なくとも約6
5%の配列同一性のヌクレオチド配列を有する核酸分子を特徴とする。他の好適
具体例において、β4ポリペプチドは、SEQ ID NO:2からのヌクレオチド配列と
少なくとも70%の好ましくは80%の一層好ましくは約90〜95%の尚一層
好ましくは約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有する核酸分子に
よりコードされる。他の好適具体例において、β4ポリペプチドは、SEQ ID NO:
2の核酸分子によりコードされる。
【0053】 好適具体例において、主題のβ4核酸は、例えばβ4遺伝子配列を発現ベクタ
ーとしての使用に適したものにするために、β4遺伝子配列に操作可能に結合さ
れた転写調節配列例えば少なくとも一の転写プロモーター又は転写エンハンサー
配列を含む(LAMB4とも呼ばれる)。
【0054】 尚更に好適な具体例において、この発明のβ4ポリペプチドをコードする核酸
は、緊縮条件下で、SEQ ID NO:2からの少なくとも12の連続するヌクレオチド
に一層好ましくはSEQ ID NO:2からの少なくとも20の連続するヌクレオチドに
対応する核酸プローブとハイブリダイズする。
【0055】 好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:2のヌクレオチド配列、ヌクレ
オチド4686〜5870と少なくとも1ヌクレオチドだけ異なっている。
【0056】 この発明は又、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含むプローブ又はプ
ライマーをも提供する。このオリゴヌクレオチドは、SEQ ID NO:2からのセンス
又はアンチセンス配列の少なくとも10の連続するヌクレオチドに又はそれらの
天然の変異体に緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の一領域を含
む。好適具体例において、このプローブ又はプライマーは、それらに結合された
標識基を更に含む。標識基は、例えば、放射性同位体、蛍光性化合物、酵素及び
/又は酵素補因子であってよい。好ましくは、このオリゴヌクレオチドは、少な
くとも10ヌクレオチド長であり且つ20、30、50、100又は150ヌク
レオチド長未満である。
【0057】 この発明は、この発明のβ4ポリペプチドをコードする核酸例えばRNA又は
DNAを包含する。これは、二本鎖核酸並びにコード鎖及びアンチセンス一本鎖
を包含する。
【0058】 他の面において、この発明は、β4トランスジーンを含むか或はβ4遺伝子を
誤発現する細胞又は細胞の精製標品を特徴とする。この細胞標品は、ヒト又は非
ヒト細胞例えばゲッ歯類細胞、例えばマウス若しくはラット細胞、ウサギ細胞、
又はブタ細胞よりなるものであってよい。好適具体例において、これらの細胞は
、β4トランスジーン例えば異種形態のβ4遺伝子例えばヒトに由来する遺伝子
(非ヒト細胞の場合)を含む。このβ4トランスジーンは、誤発現(例えば、過剰 発現又は過少発現)され得る。他の好適具体例において、これらの細胞は、内因 性β4遺伝子を誤発現する遺伝子、例えば発現が破壊されている遺伝子例えばノ
ックアウトを含む。かかる細胞は、変異した若しくは誤発現されるβ4対立遺伝
子に関係する病気の研究のためのモデルとして又は薬物スクリーニングにおける
使用のために働き得る。
【0059】 他の面において、この発明は、トランスジェニックのβ4動物例えばゲッ歯類
例えばマウス若しくはラット、ウサギ、ブタ、ヤギ又はウシを特徴とする。好適
具体例において、トランスジェニック動物は、異種形態のβ4遺伝子例えばヒト
由来の遺伝子を含む(そして、好ましくは発現する)。更なる具体例において、こ
のβ4トランスジーンは、組織特異的なプロモーター例えばミルクプロモーター
を含む。他の好適具体例において、この動物は、誤発現される内因性β4遺伝子
例えばノックアウトを有する。かかるトランスジェニック動物は、変異した若し
くは誤発現されるβ4対立遺伝子に関係する病気の研究のためのモデルとして又
h薬物スクリーニングにおける使用のために役立ち得る。
【0060】 他の面において、この発明は、第1の組織エレメントの第2の組織エレメント
への接着を促進する方法を特徴とする。この方法は、第1の組織エレメントと第
2の組織エレメントの一方又は両方を、接着を促進するのに十分な量のここに記
載のラミニン分子例えばラミニン12又はγ3(又はγ3を含むラミニン三量体)
と接触させることを含む。この方法は、イン・ビボでもイン・ビトロでも実施す
ることができる。イン・ビボでの方法においては、このラミニンを患者に投与す
る。この投与は、例えば局所適用によって接着が望まれる部位に向けることもで
きるし、全身投与することもできる。
【0061】 組織エレメントは、細胞であっても無細胞構造上の多数の細胞であってもよい
。組織エレメントの例には、皮膚細胞例えば上皮細胞若しくは真皮細胞、神経細
胞、網膜細胞、中枢若しくは末梢神経系成分、基底膜若しくは基底膜の成分、又
は任意の細胞若しくは構造(通常の非負傷の又は非疾病の組織において、ここに 列記した特異的な組織エレメントに隣接し又は接着されているもの)が含まれる 。
【0062】 好適具体例において、この分子は、外因性である(例えば、患者に投与され、 又は組換えによるものである)。
【0063】 好適具体例において、この方法は、イン・ビボの方法である。イン・ビボの方
法は、自家移植、同種異系又は異種性であってよい。自家移植方法においては、
患者からの2つの組織エレメント間の接着を促進させる。同種異系の方法におい
ては、レシピエントの組織エレメントと同種異系ドナーからのドナー組織エレメ
ントとの間の接着を促進させる。異種性の方法においては、レシピエントの組織
エレメントと異種のドナーからのドナー組織エレメントとの間の接着を促進させ
る。従って、一のエレメントは、レシピエント患者に移植されるドナーの組織エ
レメントであってよい。
【0064】 好適具体例において、第1の組織は、健康な組織例えば皮膚であり、第2の組
織は、負傷して(例えば、火傷、疾病、怪我、切り傷を受けて)おり、或は怪我人
である。例えば、第1の組織は、患者からの又はドナーからの皮膚組織であり、
第2の組織は、負傷した例えば火傷又は擦過傷を負った組織である。
【0065】 好適具体例において、第1の組織エレメントと第2の組織エレメントは、通常
接着されているが、負傷、火傷若しくは他の物理的傷害、病気又は加齢により、
互いに分離する。
【0066】 好適具体例において:第1の組織エレメントは真皮細胞であり、第2の組織エ
レメントは上皮細胞であり;第1の組織エレメントは神経細胞若しくは神経であ
り、第2の組織エレメントは細胞若しくは構造(通常の非負傷の若しくは非疾病 の組織において、この神経細胞若しくは神経と隣接し若しくは接着するもの)で あり;第1の組織エレメントは網膜細胞若しくは網膜組織であり、第2の組織エ
レメントは細胞若しくは構造(通常の非負傷の若しくは非疾病の組織において、 この網膜細胞若しくは網膜組織に隣接し若しくは接着するもの)であり、第1の 組織は神経であり且つ第2の組織は基底膜である。
【0067】 ラミニンの投与は、反復することができる。 他の面において、この発明は、患者における傷の治癒を促進する方法を特徴と
する。この方法は、傷の治癒を促進するのに十分な量のここに記載のラミニン分
子例えばラミニン12、γ3(又は、γ3を含むラミニン三量体)を傷に投与する
ことを含む。この投与は、例えば局所適用若しくは注射により治癒が望まれる部
位に向けることもできるし、全身投与することもできる。
【0068】 この傷は、如何なる組織中にあってもよいが、好ましくは、ラミニンが通常存
在する組織中がよい。例は、皮膚、中枢若しくは末梢神経組織、眼の組織例えば
網膜、基底膜、又は通常の非負傷の若しくは非疾病の組織においてこれらに隣接
し若しくは接着している任意の組織である。
【0069】 好適具体例において、この分子は、外因性であり(例えば、患者に投与される)
又は組換えによるものである。
【0070】 好適具体例において、この負傷した組織は、火傷、病気、外傷、切り傷を負っ
ており、免疫攻撃例えば自己免疫攻撃の対象であり、又は擦過傷を負っている。
【0071】 ラミニンの投与は、反復することができる。 他の面において、この発明は、患者における神経の成長又は再生を促進する方
法を特徴とする。この方法は、神経の成長又は再生を促進するのに十分な量のこ
こに記載のラミニン分子例えばラミニン12又はγ3(又は、γ3を含むラミニ ン三量体)を投与することを含んでいる。この投与は、例えば局所適用若しくは 注射により神経の成長若しくは再生が望まれる部位に向けることもできるし、全
身投与することもできる。
【0072】 好適具体例において、この分子は、外因性であり(例えば、患者に投与される)
又は組換えによるものである。
【0073】 好適具体例において、神経の成長又は再生を、負傷部位において促進させる。
【0074】 このラミニンの投与は、反復することができる。 他の面において、この発明は、患者が、ここに記載のラミニン例えばγ3又は
ラミニン12をコードする遺伝子の損傷又は誤発現に関係する病気の危険にある
かどうかを決定する方法を提供する。
【0075】 かかる病気には、例えば、ラミニン例えばラミニン12の誤発現若しくはγ3
サブユニットの誤発現と関連する病気;中枢若しくは末梢神経系の病気;第9染
色体の領域q31−34における遺伝子損傷と関連する病気;フクヤマ型筋ジス
トロフィー;筋−眼−脳病;ウォーカー−ワールブルク症候群(水頭症、無脳回 症、網膜形成異常);網膜疾患例えば色素性網膜炎−難聴症候群(ウォーカー−ワ
ールブルク症候群の亜類型);異常レベルの例えば異常に低いレベルの組織間接 着と関係する病気;基底膜と関係する病気;皮膚病例えば上皮若しくは真皮の病
気;精巣、脾臓、胎盤、胸腺、卵巣、小腸、肺若しくは肝臓と関係する病気が含
まれる。
【0076】 この方法は、下記の少なくとも一を含む: 患者の組織において、γ3遺伝子又はラミニン12のサブユニットをコードす
る他の遺伝子の発現に影響を与える変異の存否を検出(例えば、その遺伝子の発 現を制御する領域における変異例えば5’側制御領域内の変異の存否を検出)し ; 患者の組織において、γ3遺伝子又はラミニン12のサブユニットをコードす
る他の遺伝子の構造を変える変異の存否を検出し; 患者の組織において、γ3遺伝子又はラミニン12のサブユニットをコードす
る他の遺伝子の誤発現をmRNAレベルで検出(例えば、非野生型レベルのγ3 又は他のラミニン12サブユニットのmRNAを検出)し; 患者の組織において、γ3又はラミニン12のサブユニットをコードする他の
遺伝子の誤発現を蛋白質レベルで検出(例えば、非野生型レベルのγ3又は他の ラミニン12サブユニットのポリペプチドを検出)する。
【0077】 好適具体例において、この方法は:γ3遺伝子又はラミニン12のサブユニッ
トをコードする他の遺伝子からの少なくとも一のヌクレオチドの欠失;その遺伝
子への少なくとも一のヌクレオチドの挿入;その遺伝子の点突然変異例えば少な
くとも一のヌクレオチドの置換、その遺伝子の大きな染色体再配列例えば転座、
逆位又は欠失の内の少なくとも一つの存在を確認することを含む。
【0078】 例えば、遺伝子損傷の検出は、(i)SEQ ID NO:4からのセンス若しくはアンチ
センス配列又はその天然の変異体にハイブリダイズするヌクレオチド配列の一領
域又はLAMG3遺伝子と自然に会合する5’若しくは3’隣接配列を含むオリ
ゴヌクレオチドを含むプローブ/プライマーを用意すること;(ii)このプロー
ブ/プライマーを組織の核酸にさらすこと;及びこのプローブ/プライマーの核
酸へのハイブリダイゼーション例えばイン・シトゥーハイブリダイゼーションに
より遺伝子損傷の存否を検出することを含むことができる。
【0079】 好適具体例において、誤発現の検出は、γ3遺伝子若しくはラミニン12のサ
ブユニットをコードする他の遺伝子のメッセンジャーRNA転写物のレベルの変
化;γ3遺伝子若しくはラミニン12のサブユニットをコードする他の遺伝子の
非野生型のスプライシングパターンの存在の内の少なくとも一つの存在を確認す
ることを含む。
【0080】 この発明の方法を出生前に利用し、又は患者の子孫が病気の危険にあることと
なるかどうかを決定することができる。
【0081】 好適具体例において、この方法は、γ3遺伝子又はラミニン12のサブユニッ
トをコードする他の遺伝子の構造を決定することを含み、異常な構造は、病気の
危険を示す。
【0082】 好適具体例において、この方法は、患者からの試料をラミニン蛋白質に対する
又はγ3若しくはラミニン12のサブユニットをコードする他の遺伝子と特異的
にハイブリダイズする核酸に対する抗体と接触させることを含む。
【0083】 他の面において、この発明は、第一の組織エレメントの第二の組織エレメント
への接着を促進する方法を特徴とする。この方法は、第一の組織エレメントと第
二の組織エレメントの一方又は両方を接着を促進するのに十分な量のここに記載
のラミニン分子例えばβ4と接触させることを含む。この方法は、イン・ビボで
もイン・ビトロでも実施することができる。イン・ビボの方法においては、この
ラミニンを患者に投与する。この投与は、例えば局所適用若しくは注射により接
着が望まれる部位に向けることもできるし、全身投与することもできる。
【0084】 組織エレメントは、細胞であっても、無細胞構造上の多数細胞であってもよい
。組織エレメントの例には、皮膚細胞例えば上皮細胞若しくは真皮細胞、ニュー
ロン細胞例えば神経細胞、網膜細胞、中枢若しくは末梢神経系成分、基底膜若し
くは基底膜の成分、又は任意の細胞若しくは構造(通常の、非負傷の又は非疾病 の組織において、ここに列記した特異的な組織エレメントと隣接し又は接着する
)が含まれる。
【0085】 好適具体例において、この分子は、外因性である(例えば、患者に投与される)
か又は組換えによるものである。
【0086】 好適具体例において、この方法は、イン・ビボの方法である。イン・ビボの方
法は、自家移植、同種異系又は異種的であってよい。自家移植方法においては、
患者由来の2つの組織エレメントの間の接着を促進する。同種異系方法において
は、レシピエントの組織エレメントと同種異系のドナーからのドナー組織エレメ
ントとの間の接着を促進する。異種的方法においては、レシピエント組織エレメ
ントと異種のドナーからのドナー組織エレメントとの間の接着を促進する。従っ
て、一のエレメントは、レシピエント患者に移植されたドナーの組織エレメント
であってよい。
【0087】 好適具体例において、第1の組織は健康な組織例えば皮膚組織であり、第2の
組織は負傷して(例えば、火傷、疾病、外傷、切り傷を受けて)おり、又は怪我人
である。例えば、第1の組織は患者又はドナーからの皮膚組織であり、第2の組
織は負傷した例えば火傷又は擦過傷を受けた組織である。
【0088】 好適具体例において:第1の組織エレメントは真皮細胞であり且つ第2の組織
エレメントは上皮細胞であり;第1の組織エレメントは神経細胞又は神経であり
且つ第2の組織エレメントは細胞又は構造(正常の、非負傷の又は非疾病の組織 において、この神経細胞又は神経に隣接し又は接着している)であり;第1の組 織は神経であり且つ第2の組織は基底膜である。
【0089】 このラミニンの投与は、反復することができる。 他の面において、この発明は、患者における傷の治癒を促進する方法を特徴と
する。この方法は、傷の治癒を促進するのに十分な量のここに記載のラミニン分
子例えばβ4を傷に投与することを含む。この投与は、例えば局所適用若しくは
注射により治癒が望まれる部位に向けることもできるし、全身投与することもで
きる。
【0090】 この傷は、如何なる組織にあってもよいが、好ましくは、胎児又は成体の生活
においてラミニンが通常存在する組織がよい。例には、皮膚基底膜が含まれる。
【0091】 好適具体例において、この分子は、外因性(例えば、患者に投与される)であり
又は組換えによるものである。
【0092】 好適具体例において、負傷した組織は、火傷、病気、外傷、切り傷を受け、免
疫攻撃例えば自己免疫攻撃の対象であり、又は擦過傷を受けたものである。
【0093】 このラミニンの投与は、反復することができる。 他の面において、この発明は、患者における組織の成長、発達又は再生を促進
する方法を特徴とする。この方法は、患者における組織の成長、発達又は再生を
促進するのに十分な量のここに記載のラミニン分子例えばβ4を投与することを
含む。この投与は、例えば局所適用又は注射により神経の成長又は再生が望まれ
る部位に向けることもできるし、全身投与することもできる。
【0094】 好適具体例において、この分子は、外因性(例えば、患者に投与される)であり
又は組換えによるものである。
【0095】 好適具体例において、この神経の成長又は再生は、傷の部位で促進される。
【0096】 このラミニンの投与は、反復することができる。 他の面において、この発明は、患者が、ここに記載のラミニン分子例えばβ4
の損傷又は誤発現に関係する病気の危険にあるかどうかを決定する方法を提供す
る。
【0097】 かかる病気には、例えば、ラミニン例えばβ4の誤発現と関係する病気;染色
体領域7q22−q31.2における遺伝子損傷と関係する病気;発育異常;組
織間接着の異常なレベル例えば異常に低いレベルと関係する病気;基底膜と関係
する病気;皮膚病例えば上皮若しくは真皮の病気が含まれる。
【0098】 この方法は、下記の少なくとも一つを含む: 患者の組織において、β4遺伝子の発現に影響を及ぼす突然変異の存否を検出
し、例えばこの遺伝子の発現を制御する領域内の突然変異例えば5’側制御領域
内の突然変異の存否を検出し; 患者の組織において、β4遺伝子の構造を変える突然変異の存否を検出し; 患者の組織において、β4遺伝子の誤発現を検出し、例えば非野生型レベルの
β4mRNAを検出し; 患者の組織において、β4の誤発現を蛋白質レベルで検出し、例えば非野生型
レベルのβ4ポリペプチドを検出する。
【0099】 好適具体例において、この方法は、β4からの少なくとも一のヌクレオチドの
欠失;この遺伝子への少なくとも一のヌクレオチドの挿入、点突然変異例えばβ
4遺伝子の少なくとも一のヌクレオチドの置換、β4遺伝子の大きな染色体再配
列例えば転座、逆位又は欠失の内の少なくとも一つの存在を確認することを含む
【0100】 例えば、遺伝子損傷の検出は、(i)SEQ ID NO:2からのセンス若しくはアンチ
センス配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列の一領域若しくはその天然の
変異体又はLAMB4遺伝子と自然に会合する5’若しくは3’隣接配列を含む
オリゴヌクレオチドを含むプローブ/プライマーを用意し;(ii)このプローブ
/プライマーを組織の核酸にさらし;このプローブ/プライマーの核酸へのハイ
ブリダイゼーション例えばイン・シトゥーハイブリダイゼーションにより遺伝子
損傷の存否を検出することを含む。
【0101】 好適具体例において、誤発現の検出は、β4のメッセンジャーRNA転写物の
レベルの変化;β4のメッセンジャーRNA転写物の非野生型スプライシングパ
ターンの存在;又は非野生型レベルのβ4の内の少なくとも一つの存在を確認す
ることを含む。
【0102】 この発明の方法を出生前に用いて、患者の子孫が病気の危険にあることとなる
かどうかを決定することができる。
【0103】 好適具体例において、この方法は、β4の構造を決定することを含み、異常な
構造は病気の危険を示す。
【0104】 好適具体例において、この方法は、患者からの試料をβ4蛋白質又はβ4と特
異的にハイブリダイズする核酸に対する抗体と接触させることを含む。
【0105】 他の面において、この発明は、化合物を、主題のラミニンポリペプチド例えば
ラミニン12、γ3、γ3を含むラミニン三量体、β4又はβ4を含むラミニン
三量体と相互作用(例えば、結合)する能力について評価する方法を特徴とする。
この方法は、化合物を主題のラミニンポリペプチドと接触させ;そしてその化合
物の、主題のラミニンポリペプチドと相互作用する(例えば、結合し又は複合体 を形成する)能力を評価することを含む。この方法は、イン・ビトロで例えば無 細胞系で実施することもできるし、イン・ビボで例えばツーハイブリッド相互作
用トラップアッセイにおいて実施することもできる。この方法を用いて、主題の
ラミニンポリペプチドと相互作用する天然の分子を同定することができる。それ
は又、主題のラミニンポリペプチドの天然の又は合成の阻害剤を見出すために利
用することもできる。
【0106】 他の面において、この発明は、化合物例えばポリペプチド例えばラミニン12
、γ3、γ3を含むラミニン三量体、β4、又はβ4を含むラミニン三量体の天
然のリガンド又は主題のラミニンポリペプチドが結合する天然の基質を、主題の
ラミニンポリペプチドに結合する能力について評価する方法を特徴とする。この
方法は、化合物を主題のラミニンポリペプチドと接触させ;そして、その化合物
の、主題のラミニンポリペプチドと相互作用する(例えば、結合し又は複合体を 形成する)能力、例えば、この化合物の主題のラミニンポリペプチド/リガンド 相互作用を阻害する能力を評価することを含む。この方法は、イン・ビトロで例
えば無細胞系で実施することもできるし、イン・ビボで例えばツーハイブリッド
相互作用トラップアッセイで実施することもできる。この方法を用いて、主題の
ラミニンポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストである化合物例えば主題
のラミニンポリペプチドの断片又はアナログを同定することができる。
【0107】 他の面において、この発明は、第1の化合物例えば主題のラミニンポリペプチ
ド例えばラミニン12、γ3、γ3を含むラミニン三量体、β4又はβ4を含む
ラミニン三量体を、第2の化合物例えば第2のポリペプチド例えば天然のリガン
ド又は主題のラミニンポリペプチドが結合する基質に結合する能力について評価
する方法を特徴とする。この方法は、第1の化合物を第2の化合物と接触させ;
そして、第1の化合物の、第2の化合物と複合体を形成する能力を評価すること
を含む。この方法は、イン・ビトロで例えば無細胞系で実施することができるし
、イン・ビボで例えばツーハイブリッド相互作用トラップアッセイで実施するこ
ともできる。この方法を用いて、主題のラミニンポリペプチドのアゴニスト又は
アンタゴニストである化合物例えば主題のラミニンポリペプチドの断片又はアナ
ログを同定することができる。
【0108】 更に別の面において、この発明は、化合物を、例えば、主題のラミニンポリペ
プチドの例えばラミニン12、γ3、γ3を含むラミニン三量体、β4又はβ4
を含むラミニン三量体の、第二のポリペプチド例えばポリペプチド例えば天然の
リガンド又は主題のラミニンポリペプチドが結合する基質又はこれらの断片との
相互作用を調節する能力について評価する方法を特徴とする。この方法は、(i)
第二のポリペプチド(好ましくは、その精製標品)、主題のラミニンポリペプチド
(好ましくは、その精製標品)及び化合物を例えばその化合物の不在時に第二のポ
リペプチドと主題のラミニンポリペプチドが相互作用する(例えば、結合し又は 複合体を形成する)ことのできる条件下で合わせ;そして(ii)相互作用を検出 する(例えば、第二のポリペプチド及び主題のラミニンポリペプチドを含む複合 体の形成又は分離を検出する)ステップを含む。化合物の存在下での複合体の形 成における変化例えば減少又は増加(この化合物の不在時に見られるものと比較 しての)は、第二のポリペプチドと主題のラミニンポリペプチドとの間の相互作 用の調節例えば阻害又は促進を示す。好適具体例においては、第二のポリペプチ
ドと主題のラミニンポリペプチドを無細胞系で合わせてこの化合物と接触させ;
無細胞系を細胞溶解物及び再構成蛋白質混合物よりなる群から選択し;主題のラ
ミニンポリペプチドと第二のポリペプチドを一つの細胞中で同時に発現させて、
その細胞をこの化合物と例えば相互作用トラップアッセイ(例えば、ツーハイブ リッドアッセイ)において接触させる。
【0109】 更に別の面において、この発明は、化合物を、例えば、主題のラミニンポリペ
プチド例えばラミニン12、γ3、γ3を含むラミニン三量体、β4又はβ4を
含むラミニン三量体と第二の化合物例えば第二のポリペプチド例えば天然のリガ
ンド又は主題のラミニンポリペプチドが結合する基質又はその断片との相互作用
を調節する(例えば、阻害し又は促進する)能力について評価するための二相法( 例えば、イン・ビトロ相(例えば無細胞系)及びイン・ビボ相を有する方法)を特 徴とする。この方法は、イン・ビトロで実施される直ぐ上に記載した方法のステ
ップ(i)及び(ii)を含み、更に、(iii)この化合物がイン・ビトロで例えば
無細胞系での相互作用を調節するかどうかを測定し、もし調節するならば;(i v)その化合物を細胞又は動物に投与し;そして(v)この化合物の主題のラミニ ンポリペプチドと第二のポリペプチドとの相互作用に対するイン・ビボの効果例
えば阻害を評価することを含む。
【0110】 他の面において、この発明は、化合物を、主題のラミニンポリペプチド例えば
ラミニン12、γ3、γ3を含むラミニン三量体、β4又はβ4ポリペプチド調
節配列を含むラミニン三量体をコードする核酸に結合する能力について評価する
方法を特徴とする。この方法は、この化合物をこの核酸と接触させ;そしてこの
化合物のこの核酸との複合体を形成する能力を評価することを含む。
【0111】 他の面において、この発明は、γ3又はβ4ポリペプチド(例えば、非野生型 活性を有するペプチド、例えば天然のγ3又はβ4ポリペプチドのアンタゴニス
ト、アゴニスト又はスーパーアゴニスト、例えば天然のγ3又はβ4ポリペプチ
ド)の製造方法を特徴とする。この方法は、γ3又はβ4ポリペプチドの配列を 変化させること、例えば非保存的領域、ここに開示したドメイン又は残基の少な
くとも一つの残基の置換又は欠失により配列を変化させ、その変化したポリペプ
チドを所望の活性について試験することを含む。
【0112】 他の面において、この発明は、天然のγ3又はβ4ポリペプチドの生物学的活
性を有するγ3又はβ4ポリペプチドの断片又はアナログの製造方法を特徴とす
る。この方法は、例えばγ3又はβ4ポリペプチドの少なくとも一の残基の置換
又は欠失によりその配列を変えること、例えば非保存的領域の配列又はここに記
載のドメイン若しくは残基を変化させること、及び変化したポリペプチドを所望
の活性について試験することを含む。
【0113】 他の面において、この発明は、主題のラミニンポリペプチド例えばラミニン1
2、γ3、γ3を含むラミニン三量体、β4又はβ4を含むラミニン三量体をコ
ードする核酸でトランスフォームしたヒトの細胞例えば造血幹細胞を特徴とする
【0114】 他の面において、この発明は、γ3、β4核酸、例えばベクターに挿入された
γ3、β4核酸、γ3、β4核酸でトランスフォームされた細胞;γ3、β4核
酸でトランスフォームされた細胞の培養により作成したγ3、β4;及びγ3、
β4核酸でトランスフォームした細胞を培養することを含むγ3、β4ポリペプ
チドの製造方法を含む。
【0115】 本願発明者は、γ3がα2及びβ1と会合してラミニン12を形成することを
示した。しかしながら、我々は、他の組織内におけるγ3の鎖の会合については
確信がない。γ3がγ3、α3、α4とも会合でき;β2、β3、β4及びβ5
とも会合できるということは、非常にありそうなことである。それ故、我々の結
果は、25の新規なラミニン:ラミニン12〜37を予言する。この発明のγ3
及びβ4ポリペプチドは、ここに記載の任意の方法で、他のラミニンサブユニッ
トと共に発現され、アセンブルされ又は投与され得る。例えば、γ3は、α及び
βサブユニットとアセンブルされてラミニン三量体を形成することができる。β
4は、α及びβサブユニットとアセンブルされてラミニン三量体を形成すること
ができる。
【0116】 γ3を投与する任意の処理又は治療応用において、β2サブユニットも又、投
与することができる。
【0117】 「異種プロモーター」は、ここで用いる場合、遺伝子又は精製された核酸と自
然には会合しないプロモーターである。
【0118】 ポリペプチドの「精製された」又は「実質的に純粋な」又は単離された「標品
」は、ここで用いる場合、自然においてそれが一緒に存在する他の蛋白質、脂質
及び核酸から単離されたポリペプチドを意味する。好ましくは、このポリペプチ
ドは、それを精製するために用いた物質例えば抗体又はゲルマトリクス例えばポ
リアクリルアミドからも分離される。好ましくは、このポリペプチドは、精製標
品の少なくとも10、20、50、70、80又は95%(乾量)を構成する。好
ましくは、この標品は、蛋白質配列決定を可能にするのに十分なポリペプチド;
少なくとも1、10又は100μgのポリペプチド;少なくとも1、10又は1
00mgのポリペプチドを含む。
【0119】 「細胞の精製標品」は、ここで用いる場合、植物又は動物細胞の場合には、イ
ン・ビトロ細胞標品ををいい、完全な植物又は動物ではない。培養細胞又は微生
物細胞の場合には、それは、少なくとも10%の、一層好ましくは50%の主題
細胞の標品からなる。
【0120】 「処理」は、ここで用いる場合、任意の治療処理例えば治療剤又は治療物質例
えば薬物の投与を包含する。
【0121】 「単離された」又は「純粋な核酸」例えば実質的に純粋なDNAは、その核酸
が由来した生物の天然のゲノム中で直接隣接している(即ち、5’端側と3’端 側の)配列例えばコード配列の一方又は両方と直接隣接していない一方又は両方 ;か又はその核酸が由来した生物中に一緒に存在する核酸配列を実質的に含まな
い核酸である。この用語は、例えば、ベクター例えば自律的に複製するプラスミ
ド若しくはウイルスに又は原核生物若しくは真核生物のゲノムDNAに取り込ま
れた又は他のDNA配列とは独立して分離した分子(例えば、PCRにより又は 制限エンドヌクレアーゼ処理により生成されたcDNA又はゲノムDNA断片) として存在する組換えDNAを包含する。実質的に純粋なDNAは又、ハイブリ
ッド遺伝子をコードする配列の部分である組換えDNAをも包含することができ
る。
【0122】 「配列同一性又は相同性」は、ここで用いる場合、2つのポリペプチド分子間
の又は2つの核酸分子間の配列類似性をいう。2つの比較される配列の両者のあ
る位置が同じ塩基又はアミノ酸単量体サブユニットで占められているならば、例
えば2つのDNA分子の各々のある位置がアデニンで占められているならば、こ
れらの分子は、その位置で相同であり又は配列同一である。2つの配列間の相同
性又は配列同一性のパーセントは、これらの2つの配列に共有される一致するか
相同で同一の位置の数を比較される位置の数で除して100を乗じたものの関数
である。例えば、もし2つの配列中の10の位置の内の6箇所が同じであれば、
これら2つの配列は60%相同であり又は60%配列同一性を有する。例として
、DNA配列 ATTGCC と TATGGC は、50%相同性又は配列同一性を共有してい
る。一般に、比較は、2つの配列を最大の相同性を与えるように整列させて行う
【0123】 用語「ペプチド」、「蛋白質」及び「ポリペプチド」は、ここでは、交換可能
に用いる。 ここで用いる場合、用語「トランスジーン」は、それを導入されるトランスジ
ェニック動物若しくは細胞にとって部分的に又は完全に異種性即ち外来性である
か、又はそれを導入されるトランスジェニック動物若しくは細胞の内因性遺伝子
に相同であるが、その動物のゲノム中に、それが挿入された細胞のゲノムを変化
させる(例えば、それは、天然の遺伝子と異なる位置に挿入され又はその挿入は ノックアウトを生じる)ような仕方で挿入されるようにデザインされ(又は挿入さ
れ)ている核酸配列(例えば、少なくとも一の主題のラミニンポリペプチドをコー
ドするもの)を意味する。トランスジーンは、少なくとも一の転写調節配列及び 選択した核酸の最適発現に必要であり得る任意の他の核酸例えばイントロンを含
むことができ(すべて選択された核酸に操作可能に結合される)、エンハンサー配
列を含むことができる。
【0124】 ここで用いる場合、用語「トランスジェニック細胞」は、トランスジーンを含
む細胞をいう。 ここで用いる場合、「トランスジェニック動物」は、その動物の少なくとも一
の好ましくは本質的にすべての細胞がトランスジーンを含む任意の動物である。
このトランスジーンは、その細胞に、その細胞の前駆細胞中に意図的な遺伝子操
作例えばマイクロインジェクション又は組換えウイルスを用いる感染によって導
入することにより、直接又は間接に導入することができる。この分子は、染色体
中にインテグレートすることができ、又はそれは、染色体外で複製するDNAで
あってよい。
【0125】 ここで用いる場合、用語「組織特異的プロモーター」は、プロモーターとして
役立つ即ちそのプロモーターに操作可能に結合された選択したDNA配列の発現
を調節するDNA配列、及び組織例えば乳組織の特異的細胞において選択したD
NA配列の発現を達成するDNA配列を意味する。この用語は又、一の組織にお
いて主として選択したDNAの発現を調節するが他の組織においても発現を引き
起こす、いわゆる「漏出性」プロモーターをもカバーする。
【0126】 「γ3又はβ4アミノ酸又は核酸配列に無関係」は、ここに開示した天然のγ
3又はβ4配列と30%未満の配列同一性、20%未満の配列同一性、好ましく
は10%未満の相同性を有することを意味する。
【0127】 一のポリペプチドは、もしそれがここに開示したγ3の特性の少なくとも一つ
を有するならば、γ3の生物学的活性を有する。一のポリペプチドは、もしそれ
がここに開示したγ3の特性の一つを有するポリペプチドのアンタゴニスト、ア
ゴニスト又はスーパーアゴニストであるならば、生物学的活性を有する。
【0128】 一のポリペプチドは、もしそれがここに開示したβ4の特性の少なくとも一つ
を有するならば、β4生物学的活性を有する。一のポリペプチドは、もしそれが
ここに開示したβ4の特性の一つを有するポリペプチドのアンタゴニスト、アゴ
ニスト又はスーパーアゴニストであるならば、生物学的活性を有する。
【0129】 「誤発現」は、ここで用いる場合、RNA又は蛋白質レベルでの、遺伝子発現
の非野生型パターンをいう。それは、非野生型レベルでの発現即ち過剰発現若し
くは過少発現;遺伝子が発現される時期又はステージに関して野生型と異なる発
現のパターン、例えば、予め決められた発現時期又はステージにおける増大した
又は減少した発現(野生型と比較して);予め決められた細胞型又は組織型におけ
る減じた発現に関して野生型と異なる発現パターン(野生型と比較して);発現さ
れたポリペプチドのスプライシング型、アミノ酸配列、翻訳後修飾又は生物学的
活性に関して野生型と異なる発現パターン;環境刺激又は細胞外刺激の遺伝子発
現に対する効果に関して野生型と異なる発現パターン、例えば刺激の強度の増減
の存在下での増大した又は減少した発現のパターン(野生型と比較して)を含む。
【0130】 患者は、ここで用いる場合、哺乳動物例えばヒトをいい、又は実験用即ち動物
若しくは疾病モデルをいう。患者は、非ヒト動物例えばウマ、ウシ、ヤギ又は他
の家畜であってもよい。
【0131】 ここに記載の通り、この発明の一つの面は、γ3又はβ4ポリペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列を含む実質的に純粋な(又は組換えの)核酸及び/又は かかる核酸の同等物を特徴とする。用語核酸は、ここで用いる場合、断片及び同
等物を含んでよい。この用語同等物は、機能的に同等なポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列をいう。同等なヌクレオチド配列には、少なくとも一のヌク
レオチドの置換、付加又は欠失により異なる配列例えば対立遺伝子変異体及び遺
伝コードの縮重によりここに開示したヌクレオチド配列と異なる配列が含まれる
【0132】 本発明の実施は、別途指示しない限り、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、
トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNA及び免疫学の慣用技術を用
いる(これらは、当業者の技能の範囲内である)。かかる技術は、文献に記載され
ている。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual,第二版、Sambrook,F
ritsch及びManiatis編(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989); DNA Clo
ning,I 及び II巻(D.N.Glover等、1985); Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait
等、1984); Mullis等、米国特許第4,683,195号;Nucleic Acid Hybrid
ization(B.D.Hames 及び S.J.Higgins編、1984); Transcription And Translati
on(B.D.Hames 及び S.J.Higgins編、1984); Culture Of Animal Cells(R.I.Fres
hey,Alan R.Liss,Inc.,1987); Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press,1986
); B.Perbal,A Practical Guide To Molecular Cloning(1984); 論文、Methods
In Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.); Gene Transfer Vectors For Mamma
lian Cells(J.H.Miller 及び M.P.Calos編、1987,Cold Spring Harbor Laborato
ry); Methods In Enzymology,154 及び 155巻(Wu等編),Immunochemical Methods
In Cell And Molecular Biology(Mayer及びWalker編、Academic Press,London,
1987); Handbook Of Experimental Immunology,I-IV巻(D.M.Weir及びC.C.Blackw
ell編、1986); Manipulating the Mouse Embryo,(Cold Spring Harbor Laborato
ry Press,Cold Spring Hrbor,N.Y.,1986)を参照されたい。
【0133】
【詳細な説明】ラミニン12の単離 ラミニン12を、ヒトの胎盤絨毛膜絨毛から単離した。簡単に言えば、ヒト胎
盤絨毛膜絨毛を液体窒素中で凍結し、ワーリングブレンダー中で破砕して1M
NaCl中で洗った。この最終組織ペレット(200g、湿量)を1Lの抽出緩衝
液(50mMトリス−HCl50mM、pH=7.8;NaCl0.5M、ED TA10mM、625mg/lのN−エチルマレイミド、150mg/lのフェ
ニルメチルスルホニルフルオリド)中に再懸濁した。この懸濁液を4℃で撹拌し ながら48時間インキュベートした。別途示さない限り、以後のすべてのステッ
プは、4℃で行った。遠心分離(30000×g、60分)及び300g/lの硫
安による沈殿の後に、可溶性画分を集めた。沈殿した蛋白質を遠心分離(300 00×g、60分)により集めて、クロマトグラフィー用緩衝液(2M尿素、25
mM NaCl、5mM EDTA及び50mMトリス−HCl、pH=7.8
)中に再溶解させた。次いで、この試料を、同じ緩衝液に対して透析した。透析 後に、0.5容の緩衝液で平衡化したDEAE−セルロース(DE−52、Whatm
an)を加え、この混合物を一晩振盪した。DEAE−セルロースに結合しなかっ た物質を、ブフナー漏斗(Whatmanフィルター4)上での濾過により集め、300 g/lの硫安の添加により沈殿させた。これらの蛋白質を遠心分離(30000 ×g、60分)により集めて、コンカナバリンA緩衝液(0.5M NaCl、5
mM CaCl2、5mM MgCl2及びトリス−HCl50mM、pH=7.
8)に再溶解させ、同じ緩衝液に対して一晩透析した。この画分を、2.5×5 cmのコンカナバリンAセファロースカラム(Pharmacia)に載せ、未結合の物質 を多数回の洗浄により除去した。結合した蛋白質を先ず10mMα−D−マンノ
ピラノシド(ミス゛ーリ、 St.Louis在、Sigma)で溶出させ、次に、1Mα−D−グルコ ピラノシド(ミス゛ーリ、 St.Louis在、Sigma)で溶出させた。1Mα−D−マンノピラ ノシド(ミス゛ーリ、 St.Louis在、Sigma)での3回目の溶出は、関心ある蛋白質の回収 を与えた。各画分を、独立に、Amicon(商標)濃縮機で、10mlまで濃縮
し、2.5×100cmのセファクリルS−500カラムに加えた(0.5M NaCl、50mMトリス−HCl、pH=7.8緩衝液中)。関心ある画分を プールして、Mono−Q緩衝液(0.1M NaCl、25mMトリス−HC l、pH=7.8)に対して透析し、1×5cmのMono−Qカラム(Pharmaci
a)に加えた。溶出を、60ml0.1〜0.5M NaCl勾配を用いて遂行し
た。
【0134】 上記のプロトコールから生じた関心ある最終画分は、多数のラミニンを含んで
いる。ラミニン12を、この混合物から、SDS−PAGE(3〜5%ポリアク リルアミド)により、非還元的条件下で分離した。6つのバンドが分離された。 約560kDaの及びゲルのトップのバンドだけが、ポリクローナル抗ラミニン
抗血清(ミス゛ーリ、 St.Louis在、Sigma)と反応性であることが示された。
【0135】α2、β1、γ3サブユニットのラミニン12からの単離 ラミニン12を、10%2−meSDS−PAGE試料用緩衝液にて切り出し
、平衡化して還元し、5%SDS−PAGEにより分離した。約205kDa、
185kDa及び170kDaの3つのバンドが分離された。185kDaのバ
ンドは、ラミニンβ1サブユニットに特異的なモノクローナル抗体545と反応
した。これらの3つのバンドの各々は、トリプシンで消化され、それらのペプチ
ドはHPLCにより分離された。これらの選択した分離物をペプチド配列決定に
かけた。
【0136】ラミニン12のα2、β1サブユニットの配列決定 蛋白質配列決定を、Aebersold等(1987)に従って行った。複合ラミニン5−ラ ミニン7を2−メルカプトエタノールの存在下でポリアクリルアミド上で電気泳
動し、ニトロセルロース膜(Biorad)上にブロットした。β2の190kDaのバ
ンドとα3の165kDaのバンドを別々に切り出し、プロテアーゼトリプシン
により消化した。この消化生成物をHPLCにより分離し、一つの断片をアプラ
イドバイオシステムシーケンサー(カリフォルニア、 Foster City在、Applied Biosystem s)で配列決定した。205kDaの鎖は、ヒトのラミニンα2と同じ配列を含ん
でおり、従って、ヒトのラミニンα2サブユニットと同定された。185kDa
のものは、ヒトβ1と同じ2つのペプチドを生じ、従って、ヒトのラミニンβ1
サブユニットと同定された。170kDaのバンドは、如何なる公知のラミニン
鎖中にも含まれていない3つの配列を含んでいた。170kDaの鎖のN末端配
列も又、決定した。更に、このN末端配列は、如何なる公知のラミニン配列とも
同じでなかった。
【0137】γ3サブユニットの同定 ヒトのγ1及びγ2のcDNA配列をプローブとしてを用いて、National Cen
ter for Biomedical Information (NCBI)dBest(商標)データベースを、BLAS
Tサーチにより検索して、γ1及びγ2に相同であるが同一ではない一つのクロ
ーンを単離した。このクローンを5’末端でClonetech(カリフォルニア、 Palo Alto)か らのヒト胎盤由来のマラソンcDNAを用いるPCRにより拡張した。その結果
生成した配列は、170kDaのバンドのペプチド配列の3つすべてと100%
同一であることが決定された。 単離されたγ3サブユニットのγ1に対するヌクレオチド配列の比較は、約8
0%の配列同一性を示した。
【0138】γ3をコードするDNAの構造分析 γ3をコードするヒトのcDNAは約4710ヌクレオチド長であって、推定
分子量約146kDaを有し(翻訳後修飾を含む)且つ約1570アミノ酸残基長
である蛋白質をコードしている。このヒトγ3蛋白質は、ナイドジェン結合ドメ
インを含んでいる(例えば、SEQ ID NO:3のほぼアミノ酸750〜755に見出 すことができる)。このγ3アミノ酸配列及びラミニンγ3をコードするヌクレ オチド配列を、それぞれ、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4に示す。
【0139】 ノーザン分析により、γ3のmRNAの大きさは、約5kbであり、これは、
他のラミニンγサブユニットと一致する。このγ3mRNA転写物は、脾臓、精
巣、脳、胎盤、肺及びおそらくは肝臓を含むヒトの組織において発現される。γ
3cDNA配列を用いる染色体マッピングは、ヒトのγ3の遺伝子が第9染色体
のq31−34に位置していることを示す。第9染色体上のγ3の位置は、予想
されるドメインI及びII(γサブユニット中で最低の配列同一性の領域)内で1
.3kbのγ3cDNAプローブを用いるFISH分析により確認された。ウォ
ーカー−ワールブルク症候群、フクヤマ筋ジストロフィー、色素性網膜炎−難聴
症候群及び眼、筋肉、脳疾患と関連する4つのヒト遺伝子も又、第9染色体のq
31−34にマップされた。
【0140】γ3特異的抗体の産生及びγ3の組織局在性 170kDaの鎖(γ3)を、上記の還元的SDS−PAGEゲルから切り出し
、抗体生産用のウサギに注射した。その結果生成した血清(ウサギ16)をウエス
タン分析により評価して、170kDaのγ3鎖と反応することが示され、又、
他のラミニン鎖との僅かな交差反応性を示した。
【0141】 免疫蛍光法を用いて、この抗血清は、γ3の次の組織領域への局在性を示す:
1)ヒトの皮膚の真皮−上皮接合基底膜中への神経の挿入部位;2)ヒト、マウ
ス及びラットの神経網膜の内顆粒層、外顆粒層及び外境界膜;3)マウス及びラ
ットの小脳のプルキンエ細胞及び分子層及び(おそらくは)グリア細胞;4)骨格
筋の神経筋肉接合点;及び5)ウシの舌の味蕾。
【0142】 このγ3は又、蛋白質ユビキチンカルボキシターミナルヒドロラーゼIと同所
局在化することが抗体pGp9.5を用いて示された。このγ3サブユニットは
又、同じ組織切片において、α2サブユニットと同所局在化するようでもある。
【0143】β4をコードするcDNAの単離及び配列決定 ヒトのラミニンβ4のcDNAの最初の350bpを、タッチダウンRT−P
CRにより、培養ヒトケラチノサイト全RNAから、公開されたニワトリのラミ
ニンβxの503bpのcDNA配列(Ybot-Gonzalez等(1995)に記載されている
)から作成したネストしたプライマーを用いて増幅した。その後、cDNAクロ ーンを、ネステッドPCRにより、ラムダ−gt11(カリフォルニア、 Palo Alto在、C lontech)中にパッケージされたヒト胎盤cDNAライブラリーから直接単離し、
又はネステッドPCRにより、ヒト胎盤マラソン−レディcDNA(カリフォルニア、 Pa lo Alto在、Clontech)から直接単離した。このcDNAの5’末端を、5’−R
ACE技術を用いて、ヒト胎盤全RNAからクローン化した。エキスパンデッド
ロングテンプレートPCRシステム(インテ゛ィアナ、 Indianapolis在、Boehringer Man nheim Biochemicals)を、すべてのPCR反応に用いた。これらのPCR生成物 を、pCR2.1ベクター(カリフォルニア、 San Diego在、Invitrogen)中に連結し、組 換えプラスミドをQIAprep(商標)キット(Qiagen)を用いて配列決定するた
めに精製した。このDNA配列を、シーケナーゼバージョン2.0DNAシーケ
ンシングキット(Amersham)と35S−dATPを用いるか又はサーモシーケナーゼ
ラジオラベルドターミネーターサイクルシーケンシングキット(Amersham)と33
−ddNTPを用いて決定した。少なくとも2つの独立のcDNAサブクローン
を配列決定して、Taqポリメラーゼにより生じるヌクレオチド置換を排除した
。幾つかの場合には、PCR生成物のバンドを、TAE−EtBrアガロースゲ
ルからの切り出し及びQIAquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いる精製の
後にサイクルシーケンシングにより直接配列決定した。
【0144】β4をコードするDNAの構造解析 長型β4をコードするヒトcDNA(約5.87kb)は、約200kDaの推
定分子量を有し且つ1761アミノ酸残基長である蛋白質をコードする。このヒ
トβ4蛋白質は、ドメインVI及びVと最高のアミノ酸配列同一性を保持してい
る(例えば、SEQ ID NO:1のアミノ酸221〜262及び263〜535の辺り に見出され得る)。更に、β4の短型のスプライス変異体(約3.84kbで、推
定分子量120kDa)も又、単離された。このスプライス変異体は、長型のβ 4と同じ132ヌクレオチド配列を有するが、ヌクレオチド3375で配列分岐
を有してユニークな3’非翻訳領域内にスプライスされる。この短型cDNAは
、β4サブユニットの短腕のみを含みヘテロ二量体形成に必要なドメインを欠く
切り詰められたβ4サブユニットをコードする。このβ4アミノ酸配列及びヒト
ラミニンβ4をコードするヌクレオチド配列を、それぞれ、SEQ ID NO:1及びSE
Q ID NO:2に示す。
【0145】 JAR細胞、培養ヒトケラチノサイト及びヒト胎盤からトリゾール(メリーラント゛、 Bethesda在、Gibco BRL)又はRNイージー(商標)(Qiagen)を用いて調製した全R NAを用いてノーザン分析を行った(変性して、ホルムアルデヒドアガロースゲ ル上で分離し、標準的プロトコール(Sambrook等、1989)に従ってニトロセルロー
ス上にブロットした)。更に、ヒトの多数の組織のノーザンブロット(カリフォルニア、 P alo Alto在、Clontech)及びヒューマンノーザンテリトリー正常組織ブロット及 び特注胎児皮膚ノーザンブロット(カリフォルニア、 San Diego在、Invitrogen)を用いた 。ハイブリダイゼーション及び洗浄を、ノーザンMAX(商標)緩衝システム(Amb
ion)を用いて製造業者の推奨プロトコールにより行った。32P−dCTP標識
されたプローブをゲル精製した制限断片からレディプライム(商標)ランダムプラ
イマーラベリングキット(Amersham)を用いて生成した。32P−UTP標識され
たアンチセンスRNAプローブをRNA転写キット(カリフォルニア、 La Jolla在、Stra tagene)を用いて、ブルースクリプトIIKS+(カリフォルニア、 La Jolla在、Stratag ene)中にサブクローン化したcDNAから生成した。
【0146】 ノーザンブロッティングは、ヒトラミニンβ4が未発達の絨毛膜絨毛由来のJ
AR細胞及び胎盤で発現されることを示した。RT−PCRにより、それは、培
養ケラチノサイトにおいても発現される。ヒト胎児皮膚の発生経過のノーザンブ
ロットを用いて、β4サブユニット(長型)は、胎児発生の11週に強い発現を示
し誕生まで持続するが、発現は成人の皮膚では僅かに検出される。しかしながら
、β4スプライス変異体は、成人の心臓、脳、肺、肝、骨格筋、腎臓、脾臓、胃
、食道、腸、結腸、子宮、膀胱、脂肪組織及び膵臓を含む様々な組織で発現され
る。β4cDNAプローブを用いた染色体マッピングは、ヒトのβ4サブユニッ
トが遺伝子座7q22−q31.2に位置することを示す。β1をコードする遺
伝子は、第7染色体のこの位置の近くに位置するがこの位置ではない。マッピン
グデータのβ1及びβ4に対するマーカーを用いた統計的分析は、β1をコード
する遺伝子がβ4をコードする遺伝子の両端と連鎖していることを示唆する。更
に、多様な表現型の新生児の弛緩性皮膚が、β4をコードする遺伝子の近くにマ
ップされたが同じ位置ではない。
【0147】 ヌードマウスに移植された負傷したヒトの皮膚に対するイン・シトゥーハイブ
リダイゼーションは、ラミニンβxが傷の閉鎖中移動する上皮の舌の下で真皮に
おいて発現されることを示唆する。
【0148】 SEQ ID NO:3に示したβ4をコードするヒトヌクレオチド配列を用いるGen
Bank(商標)の検索は、ESTを示した(SEQ ID NO:3に描いたβ4をコード するヒトヌクレオチド配列のヌクレオチド4686〜5870に対応する)。β 4をコードするcDNAの、ヒトのラミニンβ1及びラミニンβ2をコードする
遺伝子とのアラインメントは、図5に示したように、それぞれ、61%及び59
%の配列同一性を示す。
【0149】β4特異的抗体の生成及びβ4の組織局在性 SEQ ID NO:1のドメインVI(例えば、アミノ酸残基221〜262)の175
アミノ酸残基に対応する26kDaの細菌性融合蛋白質に対する抗体をウサギに
おいて高めた。簡単にいえば、この融合蛋白質を、β4をコードするcDNAの
ヌクレオチド302〜785のアダプタープライマーを用いるPCR増幅により
作成してpET−15b(Novagen)のNdeI及びSacII部位中にフレーム を合わせてクローン化した。融合蛋白質構築物を、制限地図及びDNA配列決定
により確認した。この融合蛋白質の発現を誘導して、大腸菌蛋白質から還元的S
DS−PAGEを用いて分離した。この融合蛋白質に対応するバンドをゲルから
切り出し、平衡化し、フロイトアジュバントを用いてホモジェナイズした。同じ
融合蛋白質をニトロセルロース上でウエスタンブロットも行い、DMSOに溶解
させ、モノクローナル抗体産生用のマウスを免疫するのに用いた。 この融合蛋白質に対してマウスにおいて高められたポリクローナル抗血清は、
β4並びにβ1及びβ2ポリペプチドとよく反応した。
【0150】β4サブユニット及びβ4スプライス変異体の構造解析 このβ4サブユニットは、6つのドメイン及びα中断及びシグナルペプチドを
含む。シグナルペプチド及びドメインVIは、例えば、SEQ ID NO:1のアミノ酸
残基1〜262の辺りに見出され得る。ドメインVは、例えば、SEQ ID NO:1の
アミノ酸残基263〜535辺りに見出され得る。ドメインIV及びIIIは、
例えば、それぞれ、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基536〜767及び768〜1
178の辺りに見出され得る。ドメインIは、例えば、SEQ ID NO:1のアミノ酸
残基1409〜1761の辺りに見出され得る。
【0151】 このβ4サブユニット(長型)は、大きさ及びドメイン構造において、ラミニン
β1に最も似ており、42.5%のアミノ酸配列同一性を有する。β4は、図6
に示したように、ドメインVI及びVにおいて、他のラミニンβサブユニットと
最高レベルのアミノ酸同一性を保持し且つドメインI及びIIにおいては最低レ
ベルを保持している。マルチコイル(商標)プログラムを用いて、β4のドメイン
I及びIIのみが高次コイル構造を形成する高い確率を有することが決定された
。β4のドメインI及びIIは、ヒトのβ3に最も似ている。β4及びβ3の両
者は、上皮性であり且つドメインI及びII中の高次コイル構造は、βサブユニ
ットが会合したα及びγサブユニットを指図する。
【0152】 β4のスプライス変異体をコードするcDNAは、図5に示したように、β4
サブユニットの短腕のみを含み、ドメインIIIのEGFリピートを欠いている
。従って、このβ4cDNAによりコードされたβ4ポリペプチドスプライス変
異体は、ドメインI及びIIに高次コイル構造を欠いており、これは短型サブユ
ニットをラミニンヘテロ三量体中に会合できなくしている。ヒトのゲノムDNA
のPCR増幅は、別の短型の3’非翻訳領域をコードするエキソンがカルボキシ
ル端側の最も一般的なエキソンであるエキソン23の下流に位置し、β4サブユ
ニット(長型)がエキソンスキッピングによりスプライスアウトされることを示唆
している。
【0153】γ3及びβ4の類似体 類似体は、天然のγ3又はβ4と、アミノ酸配列において又は配列以外の点で
、或はこれらの両方で異なってよい。配列以外の改変には、γ3又はβ4のイン
・ビボ又はイン・ビトロの化学的誘導体化が含まれる。配列以外の改変には、ア
セチル化、メチル化、リン酸化、カルボキシル化又はグリコシル化の変化が含ま
れる。
【0154】 好適な類似体には、配列が少なくとも一の保存的アミノ酸置換により又は少な
くとも一の非保存的アミノ酸置換、欠失若しくは挿入(γ3又はβ4の生物学的 活性を完全には破壊しないもの)により野生型の配列と異なるγ3又はβ4(又は
生物学的に活性なこれらの断片)が含まれる。保存的置換は、典型的には、一の アミノ酸を他の類似する特性を有するアミノ酸の代用とすること、例えば次のグ
ループ内での代用を包含する:バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バリン
、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グ
ルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;及びフェニルアラニン、
チロシン。他の保存的置換は、下記の表から選ぶことができる。
【0155】
【表1】
【0156】 この発明に含まれる他の類似体は、ペプチドの安定性を増大させる改変を有す
るものであり;かかる類似体は、例えば、少なくとも一の非ペプチド結合(ペプ チド結合に置き換わるもの)をペプチド配列中に含むことができる。天然のL− アミノ酸以外の残基例えばD−アミノ酸又は非天然の若しくは合成のアミノ酸例
えばβ若しくはγアミノ酸を含む類似体;及び環状類似体も又、含まれる。
【0157】遺伝子治療 この発明の遺伝子構築物は又、アゴニスト又はアンタゴニスト形態のγ3又は
β4ポリペプチドをコードする核酸を送達するための遺伝子治療プロトコールの
一部として用いることもできる。この発明は、γ3又はβ4ポリペプチドが誤発
現される細胞において該ポリペプチドの機能を再構成するか或は該機能に拮抗す
るために、特定の細胞型におけるγ3又はβ4ポリペプチドのイン・ビトロトラ
ンスフェクション及び発現のための発現ベクターをを特徴とする。γ3又はβ4
ポリペプチドの発現構築物は、効果的にγ3又はβ4遺伝子をイン・ビボで細胞
に送達することのできる任意の生物学的に有効なキャリアー例えば任意の配合物
又は組成物にて投与することができる。アプローチには、組換えレトロウイルス
、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス及び1型単純ヘルペスウイルスを含むウ
イルスベクター又は組換えの細菌用若しくは真核生物用プラスミド中への主題の
遺伝子の挿入が含まれる。ウイルスベクターは、細胞を直接トランスフェクトし
;プラスミドDNAは、例えばカチオン性リポソーム(リポフェクチン)又は誘導
体化した(例えば、抗体と結合体化した)ポリリジン結合体、グラミシジンS、人
工ウイルスエンベロープ若しくは他のこのような細胞内キャリアーの助成により
並びに遺伝子構築物の直接注入又はイン・ビボで実施されるCaPO4沈殿によ り送達することができる。
【0158】 核酸の細胞へのイン・ビボ導入のための好適なアプローチは、核酸例えばγ3
又はβ4ポリペプチドをコードするcDNAを含むウイルスベクターの利用であ
る。ウイルスベクターを用いる細胞の感染は、標的細胞の大集団に核酸を受けさ
せることができるという利点を有する。更には、ウイルスベクター内に例えばウ
イルスベクターに含まれるcDNAによりコードされた分子を、ウイルスベクタ
ー核酸を取り込んだ細胞中で効率的に発現させることができる。
【0159】 レトロウイルスベクター及びアデノ随伴ウイルスベクターは、外因性遺伝子の
イン・ビボの移送(特に、ヒトへの移送)のための組換え遺伝子送達システムとし
て利用することができる。これらのベクターは、遺伝子の細胞への効率的な送達
を与え、移送された核酸は、宿主の染色体DNA中に安定に組み込まれる。複製
欠損レトロウイルスのみを生成する特殊化された細胞株(「パッケージング細胞 」と呼ばれる)の開発は、遺伝子治療に対するレトロウイルスの有用性を増大さ せたが、欠損ウイルスは、遺伝子治療目的のための遺伝子移送における利用に関
して特性決定されている(総説として、Miller,A.D.(1990)Blood 76:271を参照さ
れたい)。複製欠損レトロウイルスは、標準的技術によるヘルパーウイルスの利 用により標的細胞への感染に用いることのできるビリオン中にパッケージするこ
とができる。組換えレトロウイルス製造の及びかかるウイルスを用いるイン・ビ
トロ又はイン・ビボでの細胞への感染のプロトコールは、Current Protocols in Molecular Biology , Ausubel,F.M.等,(編)Greene Publishing Associates,(198
9),9.10-9.14節及び他の標準的研究室マニュアル中に見出すことができる。レト
ロウイルスの適当な例には、pLJ、pZIP、pWE及びpEMが含まれ、こ
れらは、当業者に公知である。環境栄養及び両栄養性レトロウイルスシステムの
両者を調製するために適したパッケージングウイルス株の例には、ΨCrip、
ΨCre、Ψ2及びΨAmが含まれる。レトロウイルスは、様々な遺伝子を上皮
細胞を含む多くの異なる細胞型にイン・ビトロ及び/又はイン・ビボで導入する
ために用いられてきた(例えば、Eglitis等(1985)Science230:1395-1398;Danos 及びMulligan(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:6460-6464;Wilson等(1988)Proc
.Natl.Acad.Sci.USA85:3014-3018;Armentano等(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA8
7:6141-6145;Huber等(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:8039-8043;Ferry等(19
91)Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:8377-8381;Chowdhury等(1991)Science254:1802-
1805;van Beusechem等(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:7640-7644;Kay等(199
2)Human Gene Therapy3:641-647;Dai等(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:10892
-10895;Hwu等(1993)J.Immunol.150:4104-4115;米国特許第4,868,116
号;米国特許第4,980,286号;PCT出願WO89/07136;PC
T出願WO89/02468;PCT出願WO89/05345;及びPCT出
願WO92/07573を参照されたい)。
【0160】 本発明で有用な他のウイルス遺伝子送達システムは、アデノウイルス由来のベ
クターを利用する。アデノウイルスのゲノムは、それが関心ある遺伝子産物をコ
ードし且つ発現するが通常の細胞溶解性ウイルス生活環において複製する能力に
関しては不活性化されるように操作することができる。例えば、Berkner等(1988
)BioTechniques6:616;Rosenfeld等(1991)Science252:431-434;及びRosenfeld 等(1992)Cell68:143-155を参照されたい。アデノウイルス株Ad型5d1324
又は他のアデノウイルス株(例えば、Ad2、Ad3、Ad7等)から誘導された
適当なアデノウイルスベクターが、当業者には公知である。組換えアデノウイル
スは、それらが非分裂細胞に感染できず且つ上皮細胞を含む広範囲の多様な細胞
型への感染に用いることができるというある種の状況において有利であり得る(R
osenfeld等(1992)前出)。その上、このウイルス粒子は、比較的安定であり、精 製及び濃縮に従順であり、そして上記のように、感染スペクトルに影響を及ぼす
ように改変することができる。更に、導入されたアデノウイルスDNA(及びそ こに含まれる外来DNA)は、宿主細胞のゲノム中に組み込まれず、エピソーム のままであり、それにより、導入されたDNAが宿主ゲノムに組み込まれる状況
(例えば、レトロウイルスDNA)では挿入による突然変異誘発という結果を生じ
得るという潜在的問題を回避する。その上、アデノウイルスゲノムの外来DNA
の運搬許容量は、他の遺伝子送達用ベクターと比べて大きい(最大で8キロベー ス)(Berkner等、前出;Haj-Ahmand及びGraham(1986)J.Virol.57:267)。
【0161】 主題の遺伝子の送達に有用な更に別のウイルスベクターシステムは、アデノ随
伴ウイルス(AAV)である。アデノ随伴ウイルスは、アデノウイルス又はヘルペ
スウイルス等の他のウイルスを効率的な複製及び生産性生活環のためのヘルパー
ウイルスとして必要とする天然の欠損ウイルスである。(総説として、Muzyczka 等Curr.Topics in Micro.and Immunol.(1992)158:97-129を参照されたい)。それ
は又、そのDNAを非分裂細胞に組み込むことができ且つ高頻度の安定な組込み
を示す数少ないウイルスの一つでもある(例えば、Flotte等(1992)Am.J.Respir.C
ell.Mol.Biol.7:349-356;Samulski等(1989)J.Virol.63:3822-3828;及びMcLaug
hlin等(1989)J.Virol.62:1963-1973を参照されたい)。AAVの僅か300塩基 対しか含まないベクターは、パッケージして感染させることができる。外因性D
NAのためのスペースは、約4.5kbまでに限られている。AAVベクター例
えばTratschin等(1985)Mol.Cell.Biol.5:3251-3260に記載されたものは、DNA
を細胞に導入するために用いることができる。様々な核酸が、AAVベクターを
用いて、種々の細胞型に導入されてきた(例えば、Hermonat等(1984)Proc.Natl.A
cad.Sci.USA81:6466-6470;Tratschin等(1985)Mol.Cell.Biol.4:2072-2081;Won
disford等(1988)Mol.Endocrinol.2:32-39;Tratschin等(1984)J.Virol.51:611-6
19;及びFlotte等(1993)J.Biol.Chem.268:3781-3790を参照されたい)。
【0162】 上記のようなウイルスによる移送方法に加えて、非ウイルス性の方法を用いて
動物の組織においてγ3又はβ4ポリペプチドの発現を引き起こすこともできる
。遺伝子移送の非ウイルス性の方法の殆どは、哺乳動物細胞が巨大分子を取り込
み、細胞内を輸送するために用いる通常の機構に依存している。好適具体例にお
いて、本発明の非ウイルス性遺伝子送達システムは、標的細胞による主題のγ3
又はβ4遺伝子の取込みのためにエンドサイトーシス経路に依存する。この型の
典型的な遺伝子送達システムには、リポソームに由来するシステム、ポリリジン
結合体及び人工的ウイルスエンベロープが含まれる。
【0163】 代表的具体例において、γ3又はβ4ポリペプチドをコードする遺伝子は、正
電荷を表面に有するリポソームに捕捉され得るし(例えば、リポフェクチン)、又
(適宜)標的組織の細胞表面抗原に対する抗体で標識される(Mizuno等(1992)No Sh
inkei Geka20:547-551;PCT公開WO91/06309;日本国特許出願第1
047381号;及び欧州特許出願EP−A−43075)。
【0164】 臨床環境において、治療用のγ3又はβ4遺伝子のための遺伝子送達システム
を、多くの方法(当分野で周知)の何れかによって、患者に導入することができる
。例えば、この遺伝子送達システムの医薬製剤を例えば静脈注射によって全身に
導入することができ、標的細胞におけるその蛋白質の特異的な形質導入が、遺伝
子送達ビヒクルにより与えられるトランスフェクションの特異性、レセプター遺
伝子の発現を制御する転写調節配列による細胞型若しくは組織型発現、又はこれ
らの組合せにより優勢に起きる。他の具体例において、組換え遺伝子の初期の送
達は、一層限られており、動物への導入は全く局所的である。例えば、遺伝子送
達ビヒクルを、カテーテル(米国特許第5,328,470号参照)により又は定
位注射(例えば、Chen等(1994)PNAS91:3054-3057)によって導入することができる
【0165】 この遺伝子治療構築物の医薬製剤は、本質的に、許容し得る希釈剤中の遺伝子
送達システムよりなってよく、又は遺伝子送達用ビヒクルを埋め込んだ低速放出
用マトリクスを含んでよい。或は、無傷の組換え細胞から完全な遺伝子送達シス
テム(例えば、レトロウイルスベクター)が生成され得る場合には、この医薬製剤
は、その遺伝子送達システムを生成する少なくとも一の細胞を含むことができる
【0166】トランスジェニック動物 この発明は、γ3又はβ4トランスジーンを含む細胞(トランスジェニック動 物の細胞)を含む及び好ましくは(適宜ではあるが)内因性の又は外因性のγ3又 はβ4遺伝子を少なくとも一の細胞において発現(又は誤発現)するトランスジェ
ニック動物を包含する。このγ3又はβ4トランスジーンは、その蛋白質の野生
型をコードしてよいし、その同族体(アゴニスト及びアンタゴニストの両者並び にアンチセンス構築物を含む)をコードしてもよい。好適具体例において、この トランスジーンの発現は、例えば所望のパターンで発現を制御するシス作用性配
列を用いて、特異的な細胞又は組織のサブセットに限定される。組織特異的な調
節配列及び条件的調節配列を用いて、トランスジーンの発現をある空間的パター
ンで制御する(例えば、生成を動物の乳その他の分泌性産物に限定する)ことがで
きる。
【0167】断片及び類似体の生成 断片の生成 蛋白質の断片を幾つかの方法で、例えば組換えにより、蛋白質分解消化により
又は化学合成によって生成することができる。ポリペプチドの内部又は末端断片
を、少なくとも一つのヌクレオチドをこのポリペプチドをコードする核酸の一端
から(末端断片の場合)又は両端から(内部断片の場合)除去することにより生成す
ることができる。突然変異させたDNAの発現は、ポリペプチド断片を生成する
。従って、「末端を少しずつかじり取る」エンドヌクレアーゼでの消化は、断片
の配列をコードするDNAを生成することができる。蛋白質の断片をコードする
DNAは又、ランダムシェアリング、制限消化又は上記の方法の組合せによって
生成することもできる。
【0168】 断片は又、慣用のメリーフィールド固相f−Moc又はt−Boc化学等の当
分野で公知の技術を用いて化学合成することもできる。例えば、本発明のペプチ
ドは、重複を有しない所望の長さの断片に又は所望の長さの重複する断片に自由
に分割することができる。
【0169】 類似体の生成:ランダム法による変化させたDNA及びペプチド配列の生成 蛋白質のアミノ酸配列変異体を、蛋白質又は蛋白質の特定のドメイン若しくは
領域をコードするDNAのランダム突然変異導入により調製することができる。
有用な方法には、PCR突然変異導入及び飽和突然変異導入が含まれる。ランダ
ムアミノ酸配列変異体のライブラリーは又、縮重オリゴヌクレオチド配列のセッ
トの合成によっても生成することができる(変異体のライブラリー中の蛋白質の スクリーニング方法は、本明細書の他所に記載されている)。
【0170】 PCR突然変異導入 PCR突然変異導入においては、減じたTaqポリメラーゼの忠実度を利用し
て、ランダムな突然変異をDNAのクローン化した断片中に導入する(Leung等,
1989,Technique1:11-15)。これは、ランダムな突然変異導入の非常に強力で且つ
比較的迅速な方法である。突然変異導入すべきDNA領域を、Taqポリメラー
ゼによるDNA合成の忠実度を減少させる条件下で(例えば、dGTP/dAT P比5を用いること及びMn2+をPCR反応に加えることにより)、ポリメラー ゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅する。増幅されたDNA断片のプールを適当な
クローニングベクターに挿入してランダム変異ライブラリーを与える。
【0171】 飽和突然変異 −+ 飽和突然変異は、クローン化DNA断片中への多数の単一塩基置換の迅速
な導入を可能にする(Mayers等,1985,Science229:242)。この技術は、例えばイン
・ビトロでの一本鎖DNAの化学処理又は照射による突然変異の生成及び相補的
DNA鎖の合成を包含する。その突然変異頻度は、処理の強さを調節することに
より調節することができ、本質的に、すべての可能な塩基置換が得られる。この
手順は、変異型断片についての遺伝的選択を含まないので、中立的置換並びに機
能を変えるものの両方が得られる。点突然変異の分布は、保存的配列エレメント
に偏っていない。
【0172】 縮重オリゴヌクレオチド 同族体のライブラリーは、一組の縮重オリゴヌクレオチド配列から生成するこ
ともできる。縮重配列の化学合成は、自動化DNAシンセサイザーにおいて行う
ことができ、次いで、合成遺伝子を適当な発現ベクター中に連結する。縮重オリ
ゴヌクレオチドの合成は、当分野で公知である(例えば、Narang,SA(1983)Tetrah
edron39:3;Itakura等(1981)Recombinant DNA,Proc 3rd Cleveland Sympos.Macr
omolecules,AG Walton編,Amsterdam:Elsevier p273-289;Itakura等(1984)Annu.
Rev.Biochem.53:323;Itakura等(1984)Science198:1056;Ike等(1983)Nucleic A
cid Res.11:477を参照されたい)。かかる技術は、他の蛋白質の有向進化におい て用いられてきた(例えば、Scott等(1990)Science249:386-390;Roberts等(1992
)PNAS89:2429-2433;Devlin等(1990)Science249:404-406;Cwirla等(1990)PNAS8
7:6378-6382;並びに米国特許第5,223,409号、5,198,346号 及び5,096,815号を参照されたい)。
【0173】 類似体の生成:指定された突然変異導入による変化されたDNA及びペプチド 配列の生成 ランダムでない即ち指定された突然変異導入技術を用いて、特異的領域内に特
異的な配列又は突然変異を与えることができる。これらの技術を用いて、例えば
蛋白質の公知のアミノ酸配列の残基の欠失、挿入又は置換を含む変異体を造るこ
とができる。突然変異部位は、例えば(1)先ず保存的アミノ酸を置換し次いで、
達成された結果に依って一層激しい選択物で置換し、(2)標的残基を欠失させ、
又は(3)同じ若しくは異なるクラスの残基を指定部位の隣に挿入することにより
、又はオプション1〜3の組合せによって、個々に又は連続的に改変することが
できる。
【0174】 アラニンスキャニング突然変異導入 アラニンスキャニング突然変異導入は、所望の蛋白質の突然変異導入に好適な
位置又はドメインである残基又は領域の同定のために有用な方法である−Cunnin
gham及びWells(Science244:1081-1085)。アラニンスキャニングにおいて、残基 又は標的残基の基を同定し(例えば、Arg、Asp、His、Lys及びGl u等の帯電した残基)、中性の又は負に帯電したアミノ酸(最も好ましくはアラニ
ン又はポリアラニン)により置換する。アミノ酸の置換は、アミノ酸と細胞内外 の周囲の水性環境との相互作用に影響を与え得る。次いで、置換に対する機能的
感受性を示すドメインを、更なる又は別の変異体をこれらの置換部位に又は該部
位に向けて導入することにより精密化する。従って、アミノ酸配列変異を導入す
る部位は予め決められるが、変異の性質自体は、予め決められている必要はない
。例えば、所定部位における突然変異の性能を最適化するために、アラニンスキ
ャニング又はランダム突然変異導入を標的コドン又は領域において行うことがで
き、発現された所望の蛋白質サブユニット変異体を所望の活性の最適の組合せに
ついてスクリーニングする。
【0175】 オリゴヌクレオチド媒介の突然変異導入 オリゴヌクレオチド媒介の突然変異導入は、DNAの置換、欠失及び挿入変異
体の調製のために有用な方法である。例えば、Adelman等(DNA2:183,1983)を参照
されたい。簡単にいえば、所望のDNAを、突然変異をコードするオリゴヌクレ
オチドをDNAテンプレートにハイブリダイズさせることにより変化させ、ここ
に、このテンプレートは、所望の蛋白質の変化してない自然のままのDNA配列
を含む一本鎖形態のプラスミド又はバクテリオファージである。ハイブリダイゼ
ーション後に、DNAポリメラーゼを用いてテンプレートの完全な第二の相補鎖
を合成し、こうしてそれはこのオリゴヌクレオチドプライマーを取り込み、所望
の蛋白質のDNA中に選択した変化をコードすることとなる。一般に、少なくと
も25ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを用いる。最適のオリゴヌクレオチ
ドは、突然変異をコードするヌクレオチドの両側でテンプレートに完全に相補的
である12〜15ヌクレオチドを有するであろう。これは、オリゴヌクレオチド
が一本鎖DNAテンプレート分子に適当にハイブリダイズすることを確実にする
。これらのオリゴヌクレオチドは、Crea等(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:5765[19
78])により記載されたような当分野で公知の技術を用いて容易に合成される。
【0176】 カセット突然変異導入 変異体を調製する他の方法であるカセット突然変異導入は、Wells等(Gene,34:
315[1985])により記載された技術に基づいている。出発材料は、変異させるべき
蛋白質サブユニットのDNAを含むプラスミド(又は他のベクター)である。その
蛋白質サブユニットDNA中の変異させるべきコドンを同定する。同定された突
然変異部位の両側には、ユニークな制限エンドヌクレアーゼ部位がなければなら
ない。かかる制限部位が存在しない場合には、それらを上記のオリゴヌクレオチ
ド媒介の突然変異導入を用いて生成して、所望の蛋白質サブユニットDNA中の
適当な位置に導入することができる。これらの制限部位をプラスミドに導入した
後に、そのプラスミドをこれらの部位で切断して線状化する。これらの制限部位
の間のDNAの配列をコードするが所望の変異を含む二本鎖オリゴヌクレオチド
を標準的手順を用いて合成する。これらの二本鎖は、別々に合成してから標準的
技術を用いて一緒にハイブリダイズさせる。この二本鎖オリゴヌクレオチドを、
カセットと呼ぶ。このカセットは、それがプラスミドに直接連結され得るように
、その線状化したプラスミドの両端と同じである3’及び5’末端を有するよう
にデザインする。このプラスミドは、今や、変異した所望の蛋白質サブユニット
のDNA配列を含む。
【0177】 組合せ突然変異導入 組合せ突然変異導入を用いて突然変異体を生成することもできる。例えば、一
群の同族体又は他の関連蛋白質のアミノ酸配列を、好ましくは可能な最高の相同
性が得られるように、整列させる。これらの整列させた配列の所定位置に出現し
たアミノ酸のすべてを、組合せ配列の縮重セットを造るように選択することがで
きる。変異体の多彩なライブラリーを、核酸レベルで組合せ突然変異導入により
生成し、それは、多彩な遺伝子ライブラリーによりコードされる。例えば、合成
オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子配列中に、潜在的配列の縮重セットが個々
のペプチドとして或いは縮重配列のセットを含む一層大きい融合蛋白質のセット
として発現可能であるように酵素的に連結することができる。
【0178】 ペプチド断片又は同族体のライブラリーをスクリーニングするための第一次の 高スループットの方法 当分野では、生成された変異型遺伝子産物をスクリーニングするための様々な
技術が知られている。大きい遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための技
術は、しばしば、その遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクター中にクロー
ニングすること、その結果生成したベクターのライブラリーを用いて適当な細胞
をトランスフォームすること及びそれらの遺伝子を、所望の活性(この場合、他 のラミニンサブユニットへの結合、三量体ラミニン分子中へのアセンブリ、天然
リガンド又は基質への結合)の検出が、産物が検出された遺伝子をコードするベ クターの比較的容易な単離を促進する条件下で発現させることを含む。下記の技
術の各々は、例えばランダム突然変異導入技術により造られた多数の配列をスク
リーニングするための高スループット分析に従順である。
【0179】 ツーハイブリッドシステム 上記のシステムのようなツーハイブリッドアッセイを(本明細書中に記載され た他のスクリーニング法と共に)用いて、断片又は類似体を同定することができ る。これらは、アゴニスト、スーパーアゴニスト及びアンタゴニストを含むこと
ができる。(この主題の蛋白質及びそれが相互作用する蛋白質は、餌蛋白質及び 魚蛋白質として用いられる)。
【0180】 ディスプレーライブラリー 一つのスクリーニングアッセイのアプローチにおいて、候補のペプチドを細胞
又はウイルス粒子の表面にディスプレーし、特定の細胞又はウイルス粒子のディ
スプレーされた産物を介して適当なレセプター蛋白質に結合する能力を「パニン
グアッセイ」において検出する。例えば、遺伝子ライブラリーを細菌細胞の表面
膜蛋白質の遺伝子中にクローン化し、その結果生成した融合蛋白質をパニングに
より検出することができる(Ladner等、WO88/06630;Fuchs等(1991)Bi
o/Technology9:1370-1371;及びGoward等(1992)TIBS18:136-140)。類似の様式に
おいて、検出可能に標識されたリガンドを用いて、潜在的に機能的なペプチド同
族体を評価することができる。蛍光標識したリガンド例えばレセプターを用いて
、リガンド結合活性を保持している同族体を検出することができる。蛍光標識し
たリガンドの利用は、細胞を蛍光顕微鏡下で視覚的に調べて分離することを可能
にし又は、細胞の形態が許容する場合は、蛍光活性化セルソーターにより分離す
ることを可能にする。
【0181】 遺伝子ライブラリーを、ウイルス粒子の表面上の融合蛋白質として発現させる
ことができる。例えば、繊維状ファージシステムにおいて、外来ペプチド配列を
、感染性ファージの表面上で発現させそれにより2つの重要な利益を与えること
ができる。第一に、これらのファージはアフィニティーマトリクスに1013ファ
ージ/ミリリットルより十分高濃度で加えることができるので、多数のファージ
を一度にスクリーニングすることができる。第二に、各感染性ファージがその表
面に遺伝子産物をディスプレーするので、特定のファージがアフィニティーマト
リクスから低い収率で回収されたならば、そのファージを感染の別のラウンドに
より増幅することができる。殆ど同じである大腸菌の繊維状ファージM13、f
d及びf1は、ファージディスプレーライブラリーで最もしばしば用いられる。
ファージgIII又はgVIIIコート蛋白質の何れかを用いて、ウイルス粒子
の最終的パッケージングを破壊することなく融合蛋白質を生成することができる
。外来エピトープをpIIIのNH2末端に発現することができ、かかるエピト ープを有するファージをこのエピトープを欠く大過剰のファージから回収するこ
とができる(Ladner等PCT公開WO90/02909;Garrard等、PCT公開
WO92/09690;Marks等(1992)J.Biol.Chem.267:16007-16010;Griffith
s等(1993)EMBO J12:725-734;Clackson等(1991)Nature352:624-628;及びBarbas
等(1992)PNAS89:4457-4461)。
【0182】 一般的アプローチは、大腸菌のマルトースレセプター(外側膜蛋白質LamB)
をペプチド融合のパートナーとして用いる(Charbit等(1986)EMBO 5,3029-3037) 。オリゴヌクレオチドを、この蛋白質の細胞外ループの一つに融合されたペプチ
ドを生成するようにLamB遺伝子をコードするプラスミドに挿入した。これら
のペプチドは、リガンドに例えば抗体に結合するために利用可能であり、これら
の細胞を動物に投与した場合には、免疫応答を誘出することができる。他の細胞
表面蛋白質例えばOmpA(Schorr等(1991)Vaccines91,p.387-392)、PhoE(A
gterberg等(1990)Gene88,37-45)、及びPAL(Fuchs等(1991)Bio/Tech9,1369-13
72)並びに大きい細菌表面構造は、ペプチドディスプレーのためのビヒクルとし て役立ってきた。ペプチドを、重合して細菌間の遺伝情報の交換のための導管で
あるピリ繊毛aを形成する蛋白質のピリンに融合させることができる(Thiry等(1
989)Appl.Environ.Microbiol.55,984-993)。他の細胞との相互作用における役割
の故に、ピリ繊毛は、細胞外環境にペプチドを提示するための有用な支持を与え
る。ペプチドディスプレーに用いられる他の大きい表面構造は、細菌原動機関で
ある鞭毛である。サブユニット蛋白質フラジェリンへのペプチドの融合は、宿主
細胞におけるメイペプチドのコピーの密な配列を与える(Kuwajima等(1988)Bio/T
ech.6,1080-1083)。他の細菌種の表面蛋白質も又、ペプチド融合パートナーとし
て役立ってきた。例には、スタフィロコッカスプロテインA及びNeisseriaの外 側膜プロテアーゼIgAが含まれる(Hansson等(1992)J.Bacteriol.174,4239-424
5及びKlauser等(1990)EMBO J.9,1991-1999)。
【0183】 上記の繊維状ファージシステム及びLamBシステムにおいて、ペプチドとそ
のコードDNAとの間の物理的結合は、そのペプチドを表面上に有する粒子(細 胞又はファージ)内にそのDNAが閉じこめられることにより生じる。ペプチド を捕らえることにより、粒子及びその中のDNAが捕らえられる。別の計画は、
DNA結合蛋白質LacIを利用して、ペプチドとDNAの間の結合を形成する
(Cull等(1992)PNAS USA89:1865-1869)。このシステムは、LacI遺伝子をその
3’末端のオリゴヌクレオチドクローニング部位と共に含むプラスミドを用いる
。アラビノースによる制御された誘導下で、LacI−ペプチド融合蛋白質を生
成する。この融合物は、LacOオペレーター(LacO)として知られる短いD
NA配列に結合するLacIの自然の能力を保持している。発現プラスミド上に
2コピーのLacOを設置することにより、LacI−ペプチド融合物は、それ
をコードしたプラスミドにきつく結合する。各細胞中のプラスミドは、単一のオ
リゴヌクレオチド配列しか含んでおらず、各細胞は、単一のペプチド配列しか発
現しないので、これらのペプチドは、その合成を指示したDNA配列と特異的に
且つ安定に会合する。このライブラリーの細胞を穏やかに溶解させ、このペプチ
ド−DNA複合体を固定化したレセプターのマトリクスにさらして、活性ペプチ
ドを含む複合体を回収する。会合したプラスミドDNAを、次いで、増幅及びペ
プチドリガンドの同定のためのDNA配列決定のために細胞に再導入する。この
方法の実際的有用性の例示として、ドデカペプチドの大型ランダムライブラリー
を作製して、オピオイドペプチドのダイノルフィンBに対して高めたモノクロー
ナル抗体で選択した。ダイノルフィンBの6残基部分に対応するコンセンサス配
列によりすべて関係するペプチドの一団が回収された(Cull等(1992)Proc.Natl.A
cad.Sci.USA89-1869)。
【0184】 この計画(時には、プラスミド上のペプチドと呼ばれる)は、2つの重要な点に
おいて、ファージディスプレー法と異なっている。第一に、これらのペプチドは
、融合蛋白質のC末端に付けられ、遊離のカルボキシ末端を有するペプチドとし
てライブラリーメンバーのディスプレーを生じる。繊維状ファージコート蛋白質
pIIIとpVIIIの両者は、それらのC末端によりファージに係留され、ゲ
ストペプチドは、外側に向かって伸びるN末端ドメイン中に位置される。幾つか
のデザインにおいては、ファージディスプレーされたペプチドは、融合蛋白質の
アミノ末端に正しく提示される(Cwirla等(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA87,6378
-6382)。第二の違いは、これらのライブラリー中に現実に存在するペプチドの集
団に影響を及ぼす生物学的偏向のセットである。LacI融合分子は、宿主細胞
の細胞質に閉じ込められている。ファージコート融合物は、翻訳中は細胞質に一
時的にさらされているが、内膜を通ってペリプラスム区画へ迅速に分泌され、そ
れらのC末端疎水性ドメインにより膜に係留されたままでいるが、ペプチドを含
むN末端は、ファージ粒子へのアセンブリを待ちながらペリプラスムに突き出し
ている。LacI及びファージライブラリー中のペプチドは、それらを種々の蛋
白質分解活性にさらすことの結果として有意に異なり得る。ファージコート蛋白
質は、内膜を横切る輸送及びシグナルペプチドプロセッシングを、ファージへの
取り込みの前奏曲として、必要とする。あるペプチドは、これらのプロセスに悪
影響を発揮し、これらのライブラリーにおいて不十分に表示される(Gallop等(19
94)J.Med.Chem.37(9):1233-1251)。これらの特定の偏向は、LacIディスプレ
ーシステムでは、因子ではない。
【0185】 組換えランダムライブラリーで利用可能な小さいペプチドの数は、巨大である
。107〜109の独立のクローンのライブラリーが、日常的に、調製されている
。1011もの組換え体の大きいライブラリーが造られたが、この大きさは、クロ
ーンライブラリーの実際上の限界に近い。このライブラリーの大きさの限界は、
ランダムにされたセグメントを含むDNAを宿主細菌細胞にトランスフォームす
るステップにある。この限界を回避するために、ポリソーム複合体における発生
期のペプチドのディスプレーに基づくイン・ビトロシステムが、最近、開発され
た。このディスプレーライブラリーの方法は、現在利用可能なファージ/ファー
ジミド又はプラスミドライブラリーより3〜6桁大きい規模のライブラリーを生
成する潜在的能力を有している。更に、これらのライブラリーの構築、ペプチド
の発現及びスクリーニングは、完全に、無細胞形式で行われる。
【0186】 この方法の一つの応用(Gallop等(1994)J.Med.Chem.37(9):1233-1251)において
、1012のデカペプチドをコードする分子DNAライブラリーが構築され、大腸
菌のS30でイン・ビトロで発現されたそのライブラリーは、転写/翻訳システ
ムと共役した。リボソームをmRNA上で失速させるように条件を選択して、m
RNAのかなりの割合をポリソーム中に蓄積させ、未だRNAに結合している発
生期のペプチドを含む複合体を生成した。これらのポリソームは、もっと慣用的
な組換えペプチドディスプレーライブラリーをスクリーニングするのと大体同じ
方法で、固定化したレセプター上でのアフィニティー精製にかけるのに十分丈夫
である。結合した複合体からRNAを回収して、cDNAに変換し、PCRによ
り増幅して次回の合成及びスクリーニングのためのテンプレートを生成する。こ
のポリソームディスプレー法は、ファージディスプレーシステムと共役させるこ
とができる。数回のスクリーニングの後に、ポリソーム富化プールからのcDN
Aをファージミドベクター中にクローン化した。このベクターは、コート蛋白質
に融合されたペプチドをディスプレーするペプチド発現ベクターとしても、ペプ
チド同定のためのDNA配列決定用ベクターとしても役立つ。ポリソーム由来の
ペプチドのファージ上での発現により、アフィニティー選択手順をこの形式で続
けるか又はこれらのペプチドを個々のクローン上で、結合活性(ファージELI SA)若しくは結合特異性(完結ファージELISA)についてアッセイすること ができる(Barret等(1992)Anal.Biochem204,357-364)。活性ペプチドの配列を同 定するためには、ファージミド宿主により生成されたDNAを配列決定する。
【0187】 二次的スクリーニング 上記の高スループットアッセイは、更なる生物学的活性を同定するために、二
次的スクリーニングで追跡することができる(例えば、当業者がアゴニストをア ンタゴニストから識別することを可能にする)。用いる二次的スクリーニングの 型は、試験することが必要な所望の活性に依存するであろう。例えば、関心ある
蛋白質とそれの応答性リガンドとの間の相互作用を阻害する能力を利用してアン
タゴニストを上記の一次スクリーニングの一つにより単離した一群のペプチド断
片から同定することのできるアッセイを開発することができる。
【0188】 それ故、断片及び類似体を生成する方法及びそれらを活性について試験する方
法は、当分野で公知である。一度関心あるコア配列が同定されれば、当業者にと
っては、類似体及び断片を得ることは、日常的に行われることである。
【0189】擬似ペプチド この発明は又、擬似物(例えばペプチド又は非ペプチド剤)を生成するための主
題のγ3又はβ4ポリペプチドの蛋白質結合ドメインの還元をも提供する。例え
ば、「Peptide inhibitors of human papillomavirus protein binding to reti
noblastoma gene protein」欧州特許出願EP−412,762A及びEP−B 31,080Aを参照されたい。
【0190】 重要な残基の加水分解可能でないペプチド類似体を、ベンゾジアゼピン(例え ば、Freidinger等[Peptides:Chemistry and Biology,G.R.Marshall編、ESCOM Pub
lisher:Leiden,オランタ゛、1988]を参照されたい)、アゼピン(例えば、Huffman等[Pep tides:Chemistry and Biology,G.R.Marshall編、ESCOM Publisher:Leiden,オランタ゛、 1988]を参照されたい)、置換されたガンマラクタム環(Garvey等[Peptides:Chemi stry and Biology,G.R.Marshall編、ESCOM Publisher:Leiden,オランタ゛、1988])、ケ ト−メチレンシュードペプチド(Ewenson等(1986)J Med Chem 29:295;及びEwens
on等[Peptides:Structure and Function(Proceedings of the 9th American Pep
tide Symposium)Pierce Chemical Co.Rockland,イリノイ、1985])、β−ターンジペプ チドコア(Nagai等(1985)Tetrahedron Lett26:647;及びSato等(1986)J Chem Soc
Perkin Trans 1:1231)、及びβ−アミノアルコール(Gordon等(1985)Biochem Bi
ophys Res Commun126:419;及びDann等(1986)Biochem Biophys Res Commun 134:
71)を用いて生成することができる。
【0191】抗体 この発明は又、主題のγ3又はβ4ポリペプチドと特異的に反応する抗体をも
包含する。抗−蛋白質/抗−ペプチド抗血清又はモノクローナル抗体を、標準的
プロトコールによって作製することができる(例えば、Antibodies: A Laborator
y Manual,Harlow及びLane編(Cold Spring Harbor Press: 1988)を参照されたい)
【0192】 γ3又はβ4エピトープに特異的に結合する抗体も又、γ3又はβ4の発現の
豊富さ及びパターンを評価するために、組織試料の免疫組織化学的染色において
用いることができる。抗γ3又はβ4抗体を、診断のために、免疫沈降及び免疫
ブロッティングにおいて用いて、臨床試験手順の一部として、組織又は体液中の
γ3又はβ4のレベルを検出して評価することができる。
【0193】 本発明の抗体の他の応用は、発現ベクター例えばλgt11、λgt18−2
3、λZAP及びλORF8中に構築したcDNAライブラリーの免疫学的スク
リーニングにある。正しい読み枠と向きで挿入されたコード配列を有するこの型
のメッセンジャーライブラリーは、融合蛋白質を生成することができる。例えば
、λgt11は、アミノ末端がβ−ガラクトシダーゼのアミノ酸配列からなりカ
ルボキシ末端が外来ポリペプチドからなる融合蛋白質を生成するであろう。次い
で、主題のポリペプチドの抗原性エピトープを、抗体を用いて検出することがで
きる(例えば、感染プレートからリフトしたニトロセルロースフィルターをこの 発明の抗体と反応させる)。このアッセイにより評価したファージを、次いで、 感染プレートから単離することができる。従って、同族体の存在を検出して、他
の動物からクローン化することができ、代わりのイソ型(スプライシング変異体 を含む)を検出してヒト起源からクローン化することができる。
【0194】 他の具体例 次のものは、この発明に含まれる:対立遺伝子変異体;天然の変異体;誘導さ
れた変異体;高緊縮又は低緊縮条件下で、SEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:3のポリ
ペプチドをコードする核酸にハイブリダイズするDNAによりコードされる蛋白
質(高緊縮及び低緊縮条件の定義は、Current Protocols in Molecular Biology,
John Wiley & Sons,New York,1989,6.3.1-6.3.6を参照されたい。参考として本 明細書中に援用する);及びγ3又はβ4に対する抗血清により特異的に結合さ れるポリペプチド。
【0195】 この発明の核酸及びポリペプチドは、配列決定時の誤りによりここに開示した
配列と異なるものを包含する。
【0196】 この発明は又、γ3又はβ4の断片(好ましくは、生物学的に活性な断片)又は
類似体をも包含する。生物学的に活性な断片又は類似体は、SEQ ID NO:3及びSE
Q ID NO:1にそれぞれ示したγ3又はβ4に特徴的な、或は他の天然のγ3又は
β4に特徴的な任意のイン・ビボ又はイン・ビトロの活性(上記の生物学的活性 の少なくとも一つ)を有するものである。特に好適なのは、イン・ビボで存在す る断片(例えば、転写後プロセッシングから生じる断片又は選択的スプライシン グを受けたRNAの翻訳から生じる断片)である。断片は、自然のままの細胞又 は内因性細胞において例えば転写後プロセッシングの結果として(例えば、アミ ノ末端シグナル配列の除去の結果として)発現されたもの並びに発現用の系例え ばCHO細胞における発現において生成されたものを包含する。特に好適な断片
は、蛋白質加水分解又は選択的スプライシング事象により生成された断片(例え ば、活性な断片)である。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図面を簡単に説明する。
【図1】 ヒトのα2サブユニットのcDNA配列を描いた図である。
【図2】 ヒトのα2サブユニットについて予想されるアミノ酸配列を描いた図である。
【図3】 ヒトのβ4サブユニットのcDNA配列を描いた図である。
【図4】 ヒトのβ4サブユニットについて予想されるアミノ酸配列を描いた図である。
【図5】 SEQ ID NO:1のヒトβ4のアミノ酸配列とSEQ ID NO:5のβ4のスプライシン
グ変異体とラミニンβ1、β2及びβ3サブユニットのアラインメントを描いた
図である。
【図6】 ラミニンβ4ドメインの類似物の他の公知のラミニンβサブユニットのドメイ
ンとの比較を与えた図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パメラ オールソン アメリカ合衆国 02167 マサチューセッ ツ、ブルックライン、ウォリス ロード 127 ナンバー3エフ (72)発明者 マニュエル コーク アメリカ合衆国 02138 マサチューセッ ツ、ケンブリッジ、ガーフィールド スト リート 64 (72)発明者 ウィリアム ブランケン アメリカ合衆国 02167 マサチューセッ ツ、チェスナット ヒル、コモンウェルス アベニュー 140、デパートメント オ ブ ニューロバイオロジー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α2サブユニット、β1サブユニット及びγ3サブユニット
    を含む単離されたラミニン12。
  2. 【請求項2】 単離されたγ3サブユニット。
  3. 【請求項3】 単離されたβ4サブユニット。
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