【発明の詳細な説明】
ジフルオロヌクレオシドホスホン酸とその誘導体
本発明は有機化学の技術に関する。ことに本発明はある種の医薬的応用に有用
性のあるジフルオロヌクレオシドに関する。
ある種のジフルオロヌクレオシドは抗ウイルス性化合物(米国特許第4808
614号)および抗新生物性化合物(米国特許第5464826号)としての有
用性をもつことが知られている。ヒトでの固形腫瘍の処置に現在使用されている
ジフルオロヌクレオシド化合物はゲンシタビン(gemcitabine)塩酸
塩(次式(I))である:
ウイルス性疾患および新生物疾患の処置に別の化合物を提供するために別種の
ジフルオロヌクレオシド化合物を開発することは望ましいことである。
この発明は式(II):
[ここに、Rはから構成される群から選択される塩基である。
R1は水素、メチル、ブロモ、フルオロ、クロロまたはヨードである。
R2はヒドロキシまたは−NR4R5である。
R3は水素、ブロモ、クロロまたはヨードである。
R4およびR5は水素、メチル、エチルおよびプロピルから構成される群から独
立に選択される。
両R6は同一であり、また−OR7であるかまたは−(O−R8)であるかのい
ずれかである。
R7は水素、メチル、エチルおよびイソプロピルから構成される群から選択さ
れる。
R8は医薬的に許容されるカチオンである]
で示されるジフルオロヌクレオシドホスホン酸とその誘導体およびその医薬的に
許容される塩および溶媒和物に関する。
この発明はまた式(B):[ここに、Xは−Cl、−Brまたは−Iであり、Rは前記定義の通りである]
で示されるハロゲン化されたジフルオロヌクレオシド化合物に関する。
この発明はまた、かかる処置を要する哺乳類に式(II)で示される化合物の
治療的有効量を投与することを包含する哺乳類における感受性新生物を処置する
方法に関する。
この発明はまた、かかる処置を要する哺乳類に式(II)で示される化合物の
治療的有効量を投与することを包含する哺乳類におけるヘルペスウイルス感染症
を処置する方法に関する。
この発明はまた式(II)で示される化合物の1種またはそれ以上と医薬的に
許容される添加剤および/または希釈剤との組合せにおいて含有する医薬組成物
に関する。
この明細書で本発明を説明するために使用する各種の用語の意味および範囲を
提示し、規定するために以下の定義を列記する。
用語「医薬的に許容されるカチオン」には、これに限定するものではないが医
薬的に許容されるアルカリ金属、アルカリ土類金属および有機アミンのカチオン
を包含する。これらのカチオンは1価−、2価−または3価のカチオンであるこ
とができる。好適なカチオンには、これに限定するものではないが、ナトリウム
(Na+)、カリウム(K+)、リチウム(Li+)、カルシウム(Ca+)、マグ
ネシウム(Mg++)、アルミニウム(Al+++)、亜鉛(Zn++)、アンモニウ
ム(NH4 +)、トリメチルアンモニウム((CH3)3NH+)およびトリエタノ
ールアンモニウム((HOCH2CH2)3NH+)を包含する。
「医薬的に許容される塩」は薬剤としての投与に適する無機酸または有機酸か
ら誘導される無毒性塩のいずれであってもよい。これらの塩は、たとえば塩酸、
臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸、その他のような無機酸および、たとえば酢酸、
プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コ
ハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデ
ル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、サリチル酸、p−トルエンスルホ
ン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、乳酸、o−(4
−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロ
キシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、
2−ナフタレンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.
2.2]オクタン−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−
メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−ナフトエ)酸、3−フェニルプロピオン
酸、トリメチル酢酸、t−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルクロン酸、グルタミ
ン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ステアリン酸、ムコン酸、その他のよ
うな有機酸から誘導される。
「医薬的に許容される溶媒和物」は式(II)で示される化合物と溶媒分子と
の集合体を示す。この溶媒は水または通常のいかなる有機溶媒であってもよい。
「治療的有効量」は処置すべき病状における望ましい変化を起こすために十分な
用量を示す。この用語「望ましい変化」は患者、疾患および実行中の処置に依存
して意味が変化するものである。例えば一般に腫瘍溶解剤の有効量は癌性腫瘍の
サイズ減少を起こす用量であることができるが、また癌性腫瘍サイズ減少が起き
なくても腫瘍溶解剤の有効量は癌患者の鎮痛剤消費量減少を起こす用量であるこ
ともできる。
式(II):
で示される化合物には炭水化物誘導体環と塩基との間の立体化学的方向関係が式
(IIa):に描くようなα(アルファ)配置である化合物、式(IIb):
[ここにRおよびR6は前記定義の通りである]
に描くようなβ(ベータ)配置である化合物およびこれらの混合物を包含する。
式(II)で示される化合物の好適なものは炭水化物誘導体環と塩基との間の
立体化学的方向関係がβ配置である化合物である。
式(II)で示される化合物の中でさらに好適なものでは炭水化物誘導体環と
塩基との間の立体化学的方向関係がβ配置であって、Rが基:
であり、またR6が−(O−R8)であり、R8が医薬的に許容されるカチオンで
ある。
式(II)で示される化合物の中で特に好適な化合物は式:で示される1’−デスオキシ−1’−β−(1H−2−オキソ−4−アミノピリ
ミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−5
−ジアンモニウムホスホネートである。
式(II)で示される化合物の中でその他の好適な化合物には、これらに限定
するものではないが以下に列記するものを包含する。これらには立体化学的方向
関係がαである化合物もβである化合物も両方とも包含するものと理解される。
1A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5’−ホ
スホノ−リボース;
1B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−メチル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シ−5’−ホスホノ−リボース;
1C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−ブロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シ−5’−ホスホノ−リボース;
1D)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−フルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシ−5’−ホスホノ−リボース;
1E)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−クロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シ−5’−ホスホノ−リボース;
1F)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジ
ン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5’−ホスホノ
−リボース;
1G)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−メチ
ル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5
’−ホスホノ−リボース;
1H)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ブロ
モ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5
’−ホスホノ−リボース;
1I)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−フル
オロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−
5’−ホスホノ−リボース;
1J)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−クロ
ロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5
’−ホスホノ−リボース;
1K)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ヨー
ド−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5
’−ホスホノ−リボース;
1L)1’−デスオキシ−1’−(グアニン−9−イル)−2’,2’−ジフ
ルオロ−5’−デスオキシ−5’−ホスホノ−リボース;
1M)1’−デスオキシ−1’−(1−デヒドロ−2−デスアミノ−6−デス
オキソ−6−アミノグアニン−9−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デ
スオキシ−5’−ホスホノ−リボース;
1N)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
エチレニル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシ−5’−ホスホノ−リボース;
1O)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ヨードエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシ−5’−ホスホノ−リボース;
1P)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−クロロエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシ−5’−ホスホノ−リボース;
1Q)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ブロモエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシ−5’−ホスホノ−リボース;
2A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−
5’−ジメチルホスホネート;
2B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−メチル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジメチルホスホネート;
2C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−ブロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジメチルホスホネート;
2D)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−フルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシリボース−5’−ジメチルホスホネート;
2E)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−クロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジメチルホスホネート;
2F)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジ
ン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−5’−
ジメチルホスホネート;
2G)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−メチ
ル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジメチルホスホネート;
2H)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ブロ
モ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジメチルホスホネート;
2I)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−フル
オロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリ
ボース−5’−ジメチルホスホネート;
2J)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−クロ
ロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジメチルホスホネート;
2K)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ヨー
ド−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジメチルホスホネート;
2L)1’−デスオキシ−1’−(グアニン−9−イル)−2’,2’−ジフ
ルオロ−5’−デスオキシリボース−5’−ジメチルホスホネート;
2M)1’−デスオキシ−1’−(1−デヒドロ−2−デスアミノ−6−デス
オキソ−6−アミノグアニン−9−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デ
スオキシリボース−5’−ジメチルホスホネート;
2N)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
エチレニル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシリボース−5’−ジメチルホスホネート;
2O)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ヨードエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジメチルホスホネート;
2P)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−クロロエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジメチルホスホネート;
2Q)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ブロモエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジメチルホスホネート;
3A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−
5’−ジエチルホスホネート;
3B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−メチル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジエチルホスホネート;
3C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−ブロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジエチルホスホネート;
3D)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−フルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシリボース−5’−ジエチルホスホネート;
3E)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−クロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジエチルホスホネート;
3F)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジ
ン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−5’−
ジエチルホスホネート;
3G)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−メチ
ル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジエチルホスホネート;
3H)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ブロ
モ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジエチルホスホネート;
3I)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−フル
オロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリ
ボース−5’−ジエチルホスホネート;
3J)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−クロ
ロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジエチルホスホネート;
3K)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ヨー
ド−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジエチルホスホネート;
3L)1’−デスオキシ−1’−(グアニン−9−イル)−2’,2’−ジフ
ルオロ−5’−デスオキシリボース−5’−ジエチルホスホネート;
3M)1’−デスオキシ−1’−(1−デヒドロ−2−デスアミノ−6−デス
オキソ−6−アミノグアニン−9−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デ
スオキシリボース−5’−ジエチルホスホネート;
3N)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
エチレニル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシリボース−5’−ジエチルホスホネート;
3O)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ヨードエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジエチルホスホネート;
3P)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−クロロエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジエチルホスホネート;
3Q)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ブロモエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジエチルホスホネート;
4A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−
5’−ジイソプロピルホスホネート;
4B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−メチル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−ブロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4D)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−フルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシリボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4E)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−クロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4F)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジ
ン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−5’−
ジイソプロピルホスホネート;
4G)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−メチ
ル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4H)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ブロ
モ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4I)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−フル
オロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリ
ボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4J)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−クロ
ロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4K)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ヨー
ド−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4L)1’−デスオキシ−1’−(グアニン−9−イル)−2’,2’−ジフ
ルオロ−5’−デスオキシリボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4M)1’−デスオキシ−1’−(1−デヒドロ−2−デスアミノ−6−デス
オキソ−6−アミノグアニン−9−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デ
スオキシリボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
167 −2=PCT/US98/05477−2
4N)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
エチレニル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシリボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4O)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ヨードエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4P)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−クロロエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
4Q)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ブロモエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジイソプロピルホスホネート;
これらの医薬的に許容される塩、医薬的に許容される溶媒和物および混合物。
その他の好適な化合物には、これらに限定するものではないが以下のものを包含
する。これらには立体化学的方向関係がαである化合物およびβである化合物の
両方が包含されると理解される。
5A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−
5’−ジアンモニウムホスホネート;
5B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−メチル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−ブロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5D)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−フルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシリボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5E)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−クロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5F)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジ
ン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−5’−
ジアンモニウムホスホネート;
5G)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−メチ
ル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5H)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ブロ
モ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5I)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−フル
オロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリ
ボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5J)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−クロ
ロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5K)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ヨー
ド−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5L)1’−デスオキシ−1’−(グアニン−9−イル)−2’,2’−ジフ
ルオロ−5’−デスオキシリボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5M)1’−デスオキシ−1’−(1−デヒドロ−2−デスアミノ−6−デス
オキソ−6−アミノグアニン−9−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デ
スオキシリボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5N)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
エチレニル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシリボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5O)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ヨードエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5P)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−クロロエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
5Q)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ブロモエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジアンモニウムホスホネート;
6A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−
5’−ジナトリウムホスホネート;
6B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−メチル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−ブロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6D)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−フルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシリボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6E)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−クロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シリボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6F)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジ
ン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−5’−
ジナトリウムホスホネート;
6G)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−メチ
ル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6H)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ブロ
モ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6I)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−フル
オロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリ
ボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6J)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−クロ
ロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6K)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ヨー
ド−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボ
ース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6L)1’−デスオキシ−1’−(グアニン−9−イル)−2’,2’−ジフ
ルオロ−5’−デスオキシリボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6M)1’−デスオキシ−1’−(1−デヒドロ−2−デスアミノ−6−デス
オキソ−6−アミノグアニン−9−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デ
スオキシリボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6N)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
エチレニル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシリボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6O)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ヨードエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6P)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−クロロエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
6Q)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−
(2−ブロモエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ
−5’−デスオキシリボース−5’−ジナトリウムホスホネート;
それらの医薬的に許容される溶媒和物および混合物。
式(B)で示される化合物には、これらに限定するものではないが以下のもの
を包含する。これらには立体化学的方向関係がαである化合物およびβである化
合物の両方を包含すると理解される。
7A)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジ
ン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5’−ブロモリ
ボース;
7B)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジ
ン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5’−クロロリ
ボース;
7C)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジ
ン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5’−ヨードリ
ボース;
8A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5’−ブ
ロモリボース;
8B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5’−ク
ロロリボース;
8C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5’−ヨ
ードリボース;
9A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−メチル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シ−5’−ブロモリボース;
9B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−メチル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シ−5’−クロロリボース;
9C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−5
−メチル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキ
シ−5’−ヨードリボース;
10A)1’−デスオキシ−1’−(グアニン−9−イル)−2’,2’−ジ
フルオロ−5’−デスオキシ−5’−ブロモリボース;
10B)1’−デスオキシ−1’−(グアニン−9−イル)−2’,2’−ジ
フルオロ−5’−デスオキシ−5’−クロロリボース;
10C)1’−デスオキシ−1’−(グアニン−9−イル)−2’,2’−ジ
フルオロ−5’−デスオキシ−5’−ヨードリボース;
11A)1’−デスオキシ−1’−(1−デヒドロ−2−デスアミノ−6−デ
スオキソ−6−アミノグアニン−9−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−
デスオキシ−5’−ブロモリボース;
11B)1’−デスオキシ−1’−(1−デヒドロ−2−デスアミノ−6−デ
スオキソ−6−アミノグアニン−9−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−
デスオキシ−5’−クロロリボース;
11C)1’−デスオキシ−1’−(1−デヒドロ−2−デスアミノ−6−デ
スオキソ−6−アミノグアニン−9−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−
デスオキシ−5’−ヨードリボース;
12A)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5
−エチレニル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デス
オキシ−5’−ブロモリボース;
12B)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5
−エチレニル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デス
オキシ−5’−クロロリボース;
12C)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5
−エチレニル−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デス
オキシ−5’−ヨードリボース;
13A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−
5−ブロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシ−5’−ブロモリボース;
13B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−
5−ブロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシ−5’−クロロリボース;
13C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−
5−ブロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシ−5’−ヨードリボース;
14A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−
5−フルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デス
オキシ−5’−ブロモリボース;
14B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−
5−フルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デス
オキシ−5’−クロロリボース;
14C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−
5−フルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デス
オキシ−5’−ヨードリボース;
15A)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−
5−クロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシ−5’−ブロモリボース;
15B)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−
5−クロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシ−5’−クロロリボース;
15C)1’−デスオキシ−1’−(1,3−ジヒドロ−2,4−ジオキソ−
5−クロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオ
キシ−5’−ヨードリボース;
16A)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ブ
ロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−
5’−ブロモリボース;
16B)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ブ
ロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−
5’−クロロリボース;
16C)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ブ
ロモ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−
5’−ヨードリボース;
17A)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−フ
ルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ
−5’−ブロモリボース;
17B)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−フ
ルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ
−5’−クロロリボース;
17C)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−フ
ルオロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ
−5’−ヨードリボース;
18A)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ク
ロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−
5’−ブロモリボース;
18B)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ク
ロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−
5’−クロロリボース;
18C)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ク
ロロ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−
5’−ヨードリボース;
19A)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ヨ
ード−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−
5’−ブロモリボース;
19B)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ヨ
ード−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−
5’−クロロリボース;
19C)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−ヨ
ード−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−
5’−ヨードリボース;
20A)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5
−(2−ヨードエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオ
ロ−5’−デスオキシ−5’−ブロモリボース;
20B)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−(
2−ヨードエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−
5’−デスオキシ−5’−クロロリボース;
20C)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−(
2−ヨードエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−
5’−デスオキシ−5’−ヨードリボース;
21A)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5
−(2−クロロエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオ
ロ−5’−デスオキシ−5’−ブロモリボース;
21B)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−(
2−クロロエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−
5’−デスオキシ−5’−クロロリボース;
21C)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−(
2−クロロエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−
5’−デスオキシ−5’−ヨードリボース;
22A)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−ヒドロキシ−5
−(2−ブロモエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオ
ロ−5’−デスオキシ−5’−ブロモリボース;
22B)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−(
2−ブロモエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−
5’−デスオキシ−5’−クロロリボース;
22C)1’−デスオキシ−1’−(1H−2−オキソ−4−アミノ−5−(
2−ブロモエチレニル)−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−
5’−デスオキシ−5’−ヨードリボース;および
それらの医薬的に許容される塩;医薬的に許容される溶媒和物および混合物。
式(B)で示される化合物の中で殊に好適な化合物は1’−デスオキシ−1−
β−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジン−1−イル)−2’,2’−
ジフルオロ−5’−デスオキシ−5−ブロモリボースである。
式(II)で示されるジフルオロヌクレオシドホスホン二酸化合物およびその
誘導体を製造するための第一工程は、式(A):
[ここに、Rは前記定義の通りである]
で示されるジフルオロヌクレオシド化合物の炭水化物誘導体環の5’−炭素に結
合する−OH基の位置に−Cl、−Brまたは−Iで置換するものである。
式(A)で示される化合物はここにその記載を参考のために引用する米国特許
第4808614号および第5464826号に記載されている操作法にしたが
って製造できる。式(A)で示されるある種のジフルオロヌクレオシドの別途合
成法はここにその記載を参考のために引用する米国特許第4965374号、第
5223608号、第5371210号、第5401838号、第542026
6号、第5426183号、第5434254号、第5480992号および第
5606048号に記載されている。これらの合成法のあるものではそのヒドロ
キシ置換基および/またはアミノ置換基のいずれかに保護基を有するジフルオロ
ヌクレオシドの段階で終了している。本明細書に記載する式(II)で示される
ジフルオロヌクレオシドホスホン酸およびその誘導体の合成はジフルオロヌクレ
オシドに存在する−OH基と結合して存在する保護基をまず除去する必要がある
ことは理解される。これは5’−炭素上の−OH基を製造の第一工程で置換する
ために必要である。ヒドロキシ保護基の除去が有機合成化学の当技術分野でよく
知られていることは理解されている。たとえば、「Protective−Gr
oups・in・Organic・Synthesis(有機合成における保護
基)」、第2版、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts著、199
1年、John・Wiley・&・Sons社、参照。
炭水化物誘導体環の5’炭素に結合するヒドロキシ基をクロロ、ブロモまたは
ヨードで置換するためには、式(A)で示されるジフルオロヌクレオシドを溶媒
中でハロゲン化剤と接触させる。このハロゲン化剤はこれらに限定するものでは
ないが、たとえば四塩化炭素、四臭化炭素、四ヨウ化炭素のような四ハロゲン化
炭素のような適切なハロゲン化剤のいずれかから選択する。別のハロゲン化剤に
は三臭化燐および塩化チオニルを包含する。四ハロゲン化炭素を使用する時には
四ハロゲン化炭素液にトリフェニルホスフィンを添加する。好適なハロゲンは臭
素である。好適なハロゲン化剤はトリフェニルホスフィンを添加した四臭化炭素
である。
このハロゲン化のための溶媒は、これらに限定するものではないがジメチルホ
ルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリ
ジノン(NMP)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1
H)−ピリミジノン(dMPU)、ヘキサメチルホスホロアミド(HMPA)、
およびこれらの混合物を包含する適切な有機溶媒の群から選択する。1,3−ジ
メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンはトリフェ
ニルホスフィン添加四臭化炭素を臭素化剤として使用する時には好適な溶媒であ
る。
このハロゲン化反応は低くとも約40℃、高くとも約75℃、好ましくは約5
0℃と約70℃との間、最も好適には約60℃の昇温下に、短くとも約30分間
から長くとも約5時間、好ましくは短くとも約45分間から長くとも約2時間、
最も好ましくは約1時間の間行う。
非保護ヌクレオシドの5’位でのハロゲン化は「Facile・5’−Hal
ogenation・of・Unprotected・Nucleosides
(非保護ヌクレオシドの簡便な5’−ハロゲン化)」、Nucleosides
・&・Nucleotides、6(3)巻:575〜580頁(1987年)
にも記載されている。
式(B):
[ここに、Xは−Cl、−Brまたは−Iである。Rは前記定義の通りである]
で示されるハロゲン化されたジフルオロヌクレオシドを次に、これらに限定する
ものではないがたとえば結晶化、濾過およびクロマトグラフィーのような当技術
分野で知られている標準的な技術を使用して分離精製する。このようにして精製
された式(B)で示される化合物は製造法の次工程で使用できる。あるいは式(
B)で示される化合物を当技術分野で知られている標準的技術を使用して医薬的
に許容される塩または溶媒和物に変換でき、この化合物、塩または溶媒和物を抗
新生物性または抗ウイルス性の医薬化合物として使用できる。
ここで式(B)で示されるハロゲン化された化合物に存在する1級および2級
のアミノ基および−OH基はすべて次工程の前に保護しなければならない。従っ
て、式(B)で示されるハロゲン化されたジフルオロヌクレオシドを次に非保護
の1級および2級のアミノ基および−OH基がすべて保護できるように適切な保
護基試薬1種またはそれ以上と接触させる。もしも式(A)で示されるジフルオ
ロヌクレオシド出発物質に存在するアミノ置換基が全て既に保護されているなら
ばここでは−OH基の保護基を提供することのみが必要になることに注目すべき
である。1級および2級のアミノ基および−OH基が同じ保護基で保護できるよ
うに保護基試薬を選択することは好適である。保護基試薬を添加する反応を繰返
さないですむように保護基試薬1種のみを選択するのは好適である。1級および
2級のアミノ基および−OH基を保護することができる保護基を提供することの
できる適切な保護基試薬の一つはアセチル化剤である。一般にアセチル化剤は1
級および2級のアミノ基および−OH基を−COCH3基で保護する。アセチル
化剤は当技術分野で知られているもののいずれであることもできるが、これに限
定するものではないが塩化アセチルおよび無水酢酸とを包含する。好適なアセチ
ル化剤は無水酢酸である。
典型的には保護基の導入は適切な溶媒中で実行する。この反応に適切な溶媒の
一群は、たとえばピリジン、DMF、DMAc、NMP、dMPU、HMPAの
ような有機溶媒およびこれらの混合物である。この反応の好適な溶媒はピリジン
である。
保護基を付着する反応は通常約−25℃と約10℃との間、好ましくは約−1
0℃と約8℃との間、最も好ましくは約0℃と5℃との間の低温で;短くとも約
1時間から長くとも約30時間、好ましくは短くとも約5時間から長くとも約2
0時間、最も好ましくは約18時間実行する。
式(C):
[ここに、Pgは個々にリボース環の3’−炭素に付着する−Oに結合するか、
(R)環に付着する1級および2級のアミノ基に結合する適切なヒドロキシおよ
びアミノ保護基である。
X、R、R10、R11は前記定義の通りである]
で示される保護ジフルオロヌクレオシドを次にたとえばそれらに限定するもので
はないが前記列挙した当技術分野で知られている標準的技術を使用して分離精製
する。
次の工程は式(C)で示される保護されたハロゲン化ヌクレオシドを炭水化物
誘導体環の第5番の炭素に結合するのハロゲンを基:
−PO(O−R20)2
[ここに、R20はメチル、エチルまたはイソプロピルである]
に置換することのできる試薬と接触させるものである。適当なホスホン化剤には
これらに限定するものではないが、亜燐酸トリメチル、亜燐酸トリエチルおよび
亜燐酸トリイソプロピルを包含する。これらの適切なホスホン化剤の中で亜燐酸
トリエチルが好適である。ホスホン化反応は試薬および溶媒の双方の役目をする
このホスホン化剤を使用しても実行できる。このホスホン化反応は昇温および長
時間を必要とする。亜燐酸トリエチルをホスホン化剤として使用する時にはこの
反応は低くとも約100℃と170℃との間、好ましくは約125℃と約170
℃との間、最も好ましくは約160℃と約170℃との間の昇温下に、短くとも
約10時間から長くとも約48時間、好ましくは短くとも約20時間から長くと
も約40時間、最も好ましくは約30時間実行する。ホスホン化剤として亜燐酸
トリメチルを使用する時には、この反応は低目の温度で(亜燐酸トリメチルの沸
騰点が低い(111℃〜112℃)ため)実行する。すなわち、低くとも約60
℃と約110℃との間、好ましくは約75℃と約110℃との間、最も好ましく
は約100℃と約110℃との間で;短くとも約20時間から長くとも約100
時間、好ましくは約50時間から長くとも約100時間、最も好ましくは約60
時間実行する。ホスホン化剤として亜燐酸トリイソプロピルを使用する時には、
この反応は亜燐酸トリイソプロピルの沸騰点が低いためさらに低い温度で実行す
る。すなわち、低くとも約25℃と約62℃との間、好ましくは約40℃と約6
2℃との間、最も好ましくは約55℃と約62℃との間で;短くとも約30時間
から長くとも約100時間、好ましくは約50時間から長くとも約90時間、最
も好ましくは約80時間実行する。
式(D):
[ここに、R20はエチル、メチルまたはイソプロピルである。
PgおよびRは前記定義の通りである]
で示されるホスホネートエステルを次に当技術分野で知られている標準的技術を
使用して分離精製する。
次に式(D)で示される保護されたホスホネートエステルはエステル官能基を
酸官能基または塩官能基のいずれかに変換するか、ジフルオロヌクレオシドのそ
れ以外の部分にある1級および2級のアミノ基および−OH基の保護基を除去す
ることによって式(E):
[ここに、Rは前記定義の通りである]
で示される非保護ホスホン酸に変換するか、または式(F):
[ここに、R8は医薬的に許容されるカチオンである。
Rは前記定義の通りである]
で示される非保護ホスホン酸塩に変換することができる。
これらの変換を実行するためには1級および2級のアミノ基および−OH基の
保護基を除去するとともにホスホネートエステル基を切断して対応する酸または
塩を製造する合成経路を選択する必要がある。これらの工程は都合または所望に
よって同時にまたは別々に実行できる。同様に所望の官能基がジエステルである
ならば残された合成工程は保護基の除去のみになる。
保護基の除去およびホスホネートエステル官能基から酸官能基または塩官能基
のいずれかへの変換は有機合成の技術分野では知られている。例えば式(D)で
示されるホスホネートエステルを式(G):
[ここに、Rは前記定義の通りである]
で示されるアンモニウム塩に変換する一方法は式(D)で示されるホスホネート
エステルと保護基を除去するために適当な試薬とを接触させてエステル基を塩に
変換するものである。これらの反応のために適当な試薬の組合せの一つはブロモ
トリメチルシランとそれに続く無水アンモニアであることが知られている。この
反応は、たとえばアセトニトリルのような適当な非反応性有機溶媒中で実行でき
る。このブロモトリメチルシラン反応は約25℃の室温で起こすこともでき、約
2時間と約4時間との間、好ましくは約2.5時間と約3時間との間、最も好ま
しくは約2.5時間が必要である。
ジアンモニウム塩は前記のブロモトリメチルシラン反応のホスホン酸生成物を
無水アンモニアと接触させ、この反応混合物を低くとも50℃と約100℃との
間、好ましくは約60℃と約90℃との間、最も好ましくは約70℃と約90℃
との間で;短くとも約10時間から長くとも約30時間、好ましくは短くとも約
15時間から長くとも25時間、最も好ましくは約18時間加熱することによっ
て形成する。
式(G)で示されるアンモニウム塩を次に当技術分野で知られている標準的技
術を使用して分離精製する。
前記の通り、本発明には式(II)で示される化合物の溶媒和物を包含する。
本発明の特定化合物が水または通常の有機溶媒とともに溶媒和物を形成すること
もある。このような溶媒和物はここに特許請求する本発明化合物の範囲内に包含
される。
また前記の通り本発明には式(II)で示される化合物の医薬的に許容される
塩も包含する。これらの塩は前記に列挙した標準的な塩形成試薬を使用して製造
してもよい。通常の様式ではジエステルホスホネートのみが塩を形成することは
注目に価する。その理由はホスホン二酸化合物は両性であって、それ自体でプロ
トン化することができるからである。
ジフルオロヌクレオシドホスホン酸またはその誘導体が形成された後、当技術
分野で知られている標準的技術を使用してこれらを抗ウイルス性および抗新生物
性について検査できる。
I型およびII型の単純疱疹ウイルスに対する活性を測定するための適当な検
査法は参考のために引用した前記米国特許第4808614号の18〜19欄に
記載されている。
抗新生物性の作用を測定するための適当な検査法は参考のために引用した前記
米国特許第5464826号の19〜23欄に記載されている。これらの検査法
では細胞系統CCRF−CEMが関与する標準的細胞傷害性スクリーニング試験
によって本化合物をある種の癌性細胞系統の増殖を阻止する性能について検査す
る。これらの検査結果は「IC50」で与えられるが、これは50%増殖阻止を示
す化合物濃度である。
本発明の化合物はいかなる哺乳類に投与してもよい。これらの化合物の投与は
哺乳類の中でヒトへの投与が最も有益であると信じられる。それ自体としてヒト
への投与は好適である。
本発明の化合物は抗新生物剤である。本発明の態様の一つはこの処置を必要と
する哺乳類、好ましくはヒト、で感受性新生物を処置する方法を提供する。本化
合物はこれらに限定するものではないが、癌腫、肉腫、メラノーマ、結腸直腸、
絨毛上皮腫、前立腺、白血病、乳癌、扁平上皮、または小胞性肺癌、非小胞性肺
癌、卵巣、精巣、副腎癌、表皮、リンパ肉腫、膵臓、頭頚部、腎臓、骨および肝
臓の癌を包含する新生物または「癌腫」の増殖を阻止するために有用である。
本発明の化合物は哺乳類、好ましくはヒトでの使用に適する抗ウイルス剤でも
ある。本化合物はウイルス感染一般に対する処置について有効であり、最も特定
的にはヘルペス属ウイルスが起こす感染症の処置に有効である。
本発明の化合物は経口的に、非経口的に、または噴霧器を使用して、または坐
剤の挿入によって投与できる。この化合物は個々にまたは組合せとして好ましく
は非経口的に、通常は医薬組成物の形で投与できる。非経口的投与経路には筋肉
内、髄腔内、皮下、静脈内、動脈内、眼窩内、関節嚢内、脊髄腔内および胸骨内
の経路を包含する。錠剤およびカプセル剤を含む経口的用量型は単位用量当り薬
剤1ないし3000mgを含む。1〜100mg/mLを含有する等張食塩水溶
液も非経日投与のために使用できる。
組成物は医薬技術分野でよく知られている様式で製造され、少なくとも1種の
活性化合物を含有する。従って、本発明にはまた活性成分として式(II)で示
される化合物1種またはそれ以上を少なくとも1種の医薬的に許容される担体、
希釈剤または添加剤とともに含有する医薬組成物も包含する。本発明はまた活性
成分として式(II)で示される化合物1種またはそれ以上および、これらに限
定するものではないがたとえばゲンシタビン塩酸塩、シスプラチン、パクリタキ
セル、カルボプラチン、5−フルオロウラシル、ドキソルビシン、エピルビシン
、エトポシド、ビノレルビン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、
タモキシフェン、メトトレキセートおよびイリノテカン塩酸塩のような腫瘍崩壊
剤1種またはそれ以上を少なくとも1種の医薬的に許容される担体、希釈剤また
は添加剤とともに含有する医薬組成物も包含する。
本発明の組成物ならびに式(II)で示される他の化合物1種またはそれ以上
を含有する組成物を製造するには活性成分を通常添加剤と混合し、添加剤で希釈
するか、またはカプセル、分包包装、紙、またはその他の容器の形であることも
できる担体に封入する。添加剤が希釈剤の役目をする時には、活性成分のための
賦形剤、担体または媒体として役立つ固体、半固体または液体の物質であっても
よい。そこで、この組成物は錠剤、ピル剤、粉剤、エリキシール剤、懸濁剤、乳
剤、液剤、シラップ剤、軟および硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌注射用溶液
および無菌包装粉末剤の形であることができる。
適当な添加剤の数例を列挙すれば、乳糖、デキストロース、ショ糖、ソルビト
ール、マンニトール、澱粉、アラビアゴム、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロー
ス、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シラップ、およびメチルセルロー
スを包含し、またこの製剤はさらにたとえばタルク、ステアリン酸マグネシウム
および鉱油のような滑沢剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、たとえばメチルおよ
びプロピルヒドロキシベンゾエートのような保存剤、甘味剤または矯味剤を含有
できる。本発明の組成物は当技術分野でよく知られている操作法を採用して患者
に投与した後に活性成分の迅速な、持続的なまたは遅延した放出を提供すること
ができるように製剤化することができる。
この組成物は好ましくは単位用量型に製剤化する。各用量には通常は体表面積
当り約0.1ミリグラム(mg/M2)から約3000mg/M2、より通常には
約10mg/M2から250mg/M2の活性成分を含有する。この用語「単位用
量型」は対象とするヒトその他の哺乳類に対する単位用量として適する物理的に
区別された単位を示し、各単位は所望の治療効果が得られるように計算された活
性成分の所定量を適当な医薬的添加剤とともに含有する。
しかしながら、単位時間当り実際に投与する化合物の量および投与頻度は病状
の相対的重症度、投与を決定した化合物、個々の患者の年齢、体重および応答、
および選択した投与経路を含む関連する状況に照らして医師または獣医師によっ
て決定されるものであることは理解されるものである。それ故、前記用量範囲で
この発明の範囲を限定する意図はない。
次の製剤例は例示的なものであって、いかなる意味でも本発明の範囲を限定す
るものではない。「活性成分」は式(II)で示される化合物1種またはそれ以
上を示す。
製剤例1
次の成分を使用して硬ゼラチンカプセル剤を製造する。
量(mg/カプセル)
活性成分 250
乾燥澱粉 200
ステアリン酸マグネシウム 10
合計 460 mg
製剤例2
下記成分を使用して錠剤を製造する。
量(mg/カプセル)
活性成分 250
微結晶セルロース 400
二酸化ケイ素 10
ステアリン酸 5
合計 665 mg
各成分を混合し、打錠して各665mg重の錠剤とする。
製剤例3
活性成分60mgを含有する錠剤を下記の通りに製造する。
量(mg/錠剤)
活性成分 60
澱粉 45
微結晶セルロース 35
ポリビニルピロリドン(10%水溶液) 4
カルボキシメチル澱粉ナトリウム 4.5
ステアリン酸マグネシウム 0.5
タルク 1
合計 150
活性成分、澱粉およびセルロースを米国局方45メッシュ篩を通してよく混合
する。得られた粉末とポリビニルピロリドンを含有する水溶液とを混合し、この
混合物を次に米国局方14メッシュ篩を通す。こうして製造した顆粒を50℃で
乾燥し、米国局方18メッシュ篩を通す。予め米国局方60メッシュ篩を通して
おいたカルボキシメチル澱粉ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタル
クを次に顆粒に添加して混合した後に打錠機で打錠して各150mg重の錠剤を
得る。製剤例4
活性成分80mgを含有するカプセル剤を下記の通りに製造する。
量(mg/カプセル)
活性成分 80
澱粉 59
微結晶セルロース 59
ステアリン酸マグネシウム 2
合計 200
活性成分、セルロース、澱粉およびステアリン酸マグネシウムを混合し、米国
局方45メッシュ篩を通し、硬ゼラチンカプセルに200mg重を封入する。
製剤例5
活性成分225mgを含有する坐剤を下記の通りに製造する。
量(mg/単位)
活性成分 225
飽和脂肪酸グリセリド 2000
合計 2225
活性成分を米国局方60メッシュ篩を通し、予め必要最小限の熱で溶融してお
いた飽和脂肪酸グリセリドに懸濁させる。この混合物を次に公称2g容の坐剤金
型に注入して放冷する。
製剤例6
5mL用量当り活性成分50mgを含有する懸濁剤を下記の通りに製造する。
量(mg/単位)
活性成分 50mg
カルボキシメチルセルロースナトリウム 50mg
シロップ 1.25mL
安息香酸溶液 0.10mL
矯味剤 適量
着色料 適量
精製水を加えて 5mLとする製剤例7
静脈注射剤を下記の通りに製造する。
量
活性成分 100mg
等張食塩水 1000mL
以下の実施例は例示目的のみで提供するものであっていかなる意味でも本発明
の範囲を限定する意図ではない。
実施例
本実施例に使用する用語および略号は特段の指摘をしていない限りその通常の
意味を有する。例えば:「℃」は摂氏の温度を示す;「N」はノルマルまたは規
定を示す;「mol」はモルを示す;「mmol」はミリモルを示す;「g」は
グラムを示す;「mg」はミリグラムを示す;「mL」はミリリットルを示す;
「mp」は融点を示す;「M」はモルまたはモル濃度を示す;「Mass sp
ec.」は質量スペクトルを示す;「NMR」は核磁気共鳴スペクトルを示す。
特段の指摘がない限り、試薬は全て商業的供給者から入手した試薬級の材料で
あり、別段の精製をすることなしに使用した。
実施例1
1’−デスオキシ−1’−β−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジン−
1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−5−ジアン
モニウムホスホネートの合成第1工程
:1’−デスオキシ−1’−β−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシ−5’−ブ
ロモリボースの合成 ゲンシタビン0.528g(2.0ミリモル)、四塩化炭素3.32g(10
ミリモル)およびトリフェニルホスフィン2.63g(10ミリモル)を1,3
−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン12m
Lに懸濁し、この液を油浴上、60℃で1時間加熱した。不透明な反応物を25
℃まで放冷し、メタノール20mLで希釈し、真空濃縮して油状物とした。この
油状物をヘキサン(10mL)で2回、エーテル(10mL)で2回、およびト
ルエン(10mL)で2回スラリー化した後、溶媒はデカンテーションして廃棄
した。残渣を真空乾燥し(4.1g)、シリカゲル上でCH2Cl2の2カラム容
量を使用し、続いて5%メタノール添加CH2Cl2を溶離液とするフラッシュク
ロマトグラフィーによって精製して残渣0.87g(100%)を得、特性解析
でこれを化合物1とした。
β−アノマー:1H−NMR(300MHz、CH3OD)δ3.7〜4.25
(一群のm、4H);5.98(d,1H,J5,6=7.6Hz,5−H);6
.28(t,1H,J1',F=8HZ,1’−H);7.66(d,1H,J5,6
=7.6Hz,6−H)。
質量分析:(FD+)m/e326(M+)。第2工程
:1’−デスオキシ−1’−β−(1H−2−オキソ−4−アセトアミ
ルピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−3’−アセトキシ−5’
−デスオキシ−5’−ブロモリボースの合成 0.67g(2.1ミリモル)の化合物1を0℃〜5℃でピリジン18mLに
溶解し、これに無水酢酸0.461g(4.5ミリモル)を添加した。この温度
で18時間後にメタノール1.0mLを加え、反応物を真空濃縮した。残渣をト
ルエンに取り、再度溶媒を真空除去した。メタノールを用いて残渣をシリカゲル
に吸着させてカラムの上部に入れた。生成物を溶離液として2%メタノール含有
CH2Cl2を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して残渣0.
38g(45%)を得、特性解析でこれを化合物2とした。1
H−NMR(300MHz、CDCl3)δ 2.19(s,3H);2.3(
S,3H);3.7(dd,1H,J4',5B'=4.3Hz,Jgem=13.2H
z,5B’−H);3.78(dd,1H,J4',5A'=3.5Hz,Jgem=1
3.2Hz,5A’−H);4.35(m,1H,H−4’);5.35(m,
1H,H−3’);6.45(t,1H,J=8Hz,1’−H);7.55(
d,1H,J5,6=7.6Hz);7.85(d,1H,J5,6=7.6Hz);
9.88(s,1H,N−H)。
質量分析:(FD+)m/c410(M+)。第3工程
:1’−デスオキシ−1’−β−(1H−2−オキソ−4−アセトアミ
ルピリミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−3’−アセトキシ−5’
−デスオキシリボース−5’−ジエチルホスホネートの合成 0.38g(0.93ミリモル)の化合物2を亜燐酸トリエチル7.2mLに
溶解し、この溶液に窒素を導通しながら160〜170℃に30時間加熱した。
反応はHPLC(250mm・Dynamax・SiO2、5%メタノール添加
CH2Cl2、1.0mL/分)で監視した。真空下に亜燐酸トリエチルを80〜
100℃で除去した。残渣をヘキサンでスラリー化して溶媒をデカンテーション
した。残渣を真空乾燥し、シリカゲル上で4%メタノール含有酢酸エチルを溶離
液とするフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、残渣0.21g(4
9%)を得、特性解析でこれを化合物3とした。1
H−NMR(300MHz、CH3OD)δ1.3(t,6H);2.0(s,
6H);2.39(m,2H,5’−H);4.0〜4.28(m,6H);5
.92(d,1H,J5,6=7.6Hz,5−H);6.19(t,1H,J=
8Hz,1’−H);7.65(d,1H,J5,6=7.6Hz,H−6)。
質量分析:(FD+)m/e468(M+)。第4工程
:1’−デスオキシ−1’−β−(1H−2−オキソ−4−アミノ−ピ
リミジン−1−イル)−2’,2’−ジフルオロ−5’−デスオキシリボース−
5’−ジアンモニウムホスホネートの合成 モレキュラーシーブスで2時間撹拌しておいたCH3CN1.2mLに0.2
g(0.43ミリモル)の化合物3と、続いてブロモトリメチルシラン0.2g
(1.28ミリモル)とを添加した。25℃で1時間後に濃厚懸濁液は溶解し、
さらに1.5時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を25mLのメタノール/
水(10/1)混合物に取り、これを無水アンモニアで飽和してパールビンに入
れて油浴上、80℃で18時間加熱した。反応物を真空濃縮し、残渣を酢酸エチ
ルに溶解して水洗した。有機層を真空濃縮して残渣0.1g(65%)を得、特
性解析でこれを化合物4とした。指定化合物は250mm・Whatman・S
axカラム(0.05M−NH4H2PO4、pH=3.0、1.0mL/分)か
ら4.67分で溶離した。13
C−NMR(D2O)δ 32.31(JCP=131.71,C−5’);7
5.26(C−3’);77.60(C−4’);85.75(JCF=24.0
9/38.55,C−1’);97.16(C−2’);123.05(JCF=
258.60/258.60,C−2’):142.46(C−6);157.
58(C−2);166.66(C−4)。
試験結果
実施例1、第4工程の化合物をヒト白血病細胞系統(CCRF−CEM)に対
する作用について米国特許第5464826号(19〜20欄)に記載の方法に
従って検査した。IC50は0.3μg/mLであることが判明した。
実施例1、第4工程の化合物を単純疱疹ウイルスのI型(HSV−1)および
II型(HSV−2)に対する作用について米国特許第4808614号(18
〜19欄)に記載の方法に従って検査した。この化合物はHSV−1およびHS
V−2の両者に対して抗ウイルス作用を示した。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61P 31/12 A61P 31/12
31/22 31/22
35/00 35/00
C07H 19/173 C07H 19/173
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E
S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID
,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M
G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT
,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,
TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V
N,YU,ZW