JP2001517662A - フタリドの製造法 - Google Patents

フタリドの製造法

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JP2001517662A JP2000512821A JP2000512821A JP2001517662A JP 2001517662 A JP2001517662 A JP 2001517662A JP 2000512821 A JP2000512821 A JP 2000512821A JP 2000512821 A JP2000512821 A JP 2000512821A JP 2001517662 A JP2001517662 A JP 2001517662A
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Abstract

(57)【要約】 I. そのカルボキシル基が縮合反応においてカルボキシル基から誘導可能である単位により置換されていてよく、かつo−フェニレン単位の1つもしくはそれ以上の水素原子が不活性基により置換されていてよい、電解液中に溶解されたフタル酸またはフタル酸誘導体を、区分されていない電解槽中で陰極還元し、II. 電解液中のフタリドの含分と、フタリドおよびフタル酸またはフタル酸誘導体の含分からなる総和とから形成されるモル比(M)が0.8:1〜0.995:1であるようにして反応が十分に進行する場合に、電解液を電解槽から排出し、ならびにIII. フタリドを、場合により電解液の蒸留により後処理した後に、電解液から結晶化させ、かつ母液から分離させる、フタリドの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、特に高純度のフタリドを製造する新規方法に関するものであり、そ
の際、 I. そのカルボキシル基が縮合反応においてカルボキシル基から誘導可能であ
る単位により置換されていてよく、かつo−フェニレン単位の1つもしくはそれ
以上の水素原子が不活性基により置換されていてよい、電解液中に溶解されたフ
タル酸またはフタル酸誘導体を、区分されていない電解槽中で陰極還元し、 II. 電解液中のフタリドの含分と、フタリドおよびフタル酸またはフタル酸
誘導体の含分からなる総和とから形成されるモル比(M)が0.8:1〜0.9
95:1であるようにして反応が十分に進行する場合に、電解液を電解槽から排
出し、ならびに III. フタリドを、場合により電解液の蒸留により後処理した後に、電解液
から結晶化させ、かつ母液から分離させる。
【0002】 フタリドは、殊に、植物保護剤の製造のための中間生成物として要求されてい
る。
【0003】 フタリドの電気化学的製造法は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第21444
19号明細書から公知である。この際、50%までの含量の有機溶剤を有する水
溶液中のアンモニウムフタラメートは、65℃までの温度で、Cuよりも大きい
水素過電圧を有する金属、例えば鉛上で陰極還元される。これらの条件下では、
フタリドの製造は、区分されている電解槽中で還元が行われる場合に、満足でき
る収率で成功する。
【0004】 特に純粋なフタリドの製造は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第251092
0号明細書に記載されている。この教示によれば、フタル酸または無水フタル酸
のアンモニア性水溶液は、100℃までの温度で、Cuよりも大きい水素過電圧
を有する金属上で陰極還元される。この方法は、同様に、区分されている電解槽
を必要とする。電解液混合物からフタリドを分離するためには、過剰のアンモニ
アを分離した後に、35〜100℃の温度で、酸性化し、かつ沈殿したフタリド
が分離される。
【0005】 しかしながら、区分されている電解槽の使用に結びついた装置による費用が、
記載された方法の欠点である。それというのも、この場合に、2つの槽サイクル
が必要とされるからである。その上、2つの槽サイクルでの処理は、次のような
別の欠点と結びついている: 槽サイクルは、膜または隔膜により分離されていなければならない;このことは
、オーム熱によるエネルギーの損失を意味する。この損失を回避するためには、
少なくとも1つの部屋は、たいてい水性の(>80% H2O)導電性塩溶液で 装入される。陰極還元の場合は、これは陽極質である。この方法のための必然性
により、陽極反応を使用するための自由空間が強く制限される。通常、陽極生成
物として、単に酸素のみが生じる。
【0006】 区分されていない電解槽中でのフタル酸誘導体の電気化学的還元を用いたフタ
リドの製造は、まだ公開されていないドイツ連邦共和国特許出願番号19618
854.7において提案されている。この刊行物中で、更に、フタリドを再結晶
化により精製することが提案されている。終了する前にどれだけの変換率までフ
タル酸誘導体の電解液が実施されるかという具体的な記載は、この刊行物中には
見出されない。また、実施例において、変換率は、当業者のために暗示的に開示
されてもいない。
【0007】 予め記載された方法により製造されたフタリドは、また、たいてい使用目的に
は十分であるかなりの高純度を有する。しかしながら、個々の場合には、予め公
知の方法で、全く達成できないか、または多大な費用でのみ達成可能である純度
のフタリドが必要とされる。
【0008】 殊に、フタル酸ジメチルエステルおよびその核置換された誘導体を使用する場
合には、フタリドおよびその出発物質が、蒸留により殆ど互いに分離されること
ができないという問題が存在する。原則として、この精製問題は、確かに、事実
上出発物質の全量が変換されるまで、電解が実施されることにより回避される。
例えば、98%の品質で生じるためには、出発物質は、生成物と出発物の質量比
が少なくとも98:2およびモル比が0.98:1であるように反応しているべ
きである。従って、フタル酸ジメチルエステル(MG 194)を使用する場合
には、生成物と出発物の質量比が99:1を目標としなければならない。しかし
ながら、純度問題のこれらの解決は、反応の選択性が強く低下し、かつ著しい分
量で有用ではない副生成物が形成されるという欠点に結びついている。
【0009】 従って、本発明の課題は、フタリドを高純度で、良好な収率で、かつ経済的で
あまり費用のかからない技術的方法を提供することのできる方法を提供すること
にあった。
【0010】 それに応じて、冒頭に記載された方法が見出された。
【0011】 フタリドの製造のための出発化合物として、殊に、一般式(I)
【0012】
【化2】
【0013】 [式中、置換基は次の意味を有する: R1、R2、R3およびR4は互いに独立して、水素、C1〜C4−アルキルまたはハ
ロゲンであり、 R5、R6は a)互いに独立して−COOHまたはCOOXであり、その際、XはC1〜C4
アルキルを表し、 b)置換基R5またはR6の一方は−COONY4であり、かつ他方の置換基はC ONH2であり、その際、YはC1〜C4−アルキルまたは水素を表し、 c)R5およびR6は一緒になって−CO−O−CO−である]で示されるものが
使用される。
【0014】 特に好ましくは、R1、R2、R3およびR4が水素を表すフタル酸の誘導体であ
り、その中では、殊にフタル酸ジ(C1〜C3−アルキル)−エステルであり、と
りわけフタル酸ジメチルエステルである。
【0015】 これらの出発物質の電気化学的反応は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開
第19618854号明細書に記載されているような方法により行われることが
できる。
【0016】 本方法の場合には、電極材料(陰極ならびに陽極)として、とりわけ、グラフ
ァイトおよびカーボンからなる市販の電極が使用される。
【0017】 電解液は、通常、有機溶剤中、または有機溶剤および水からなる混合物中のフ
タル酸またはフタル酸誘導体の2〜40質量%溶液であり、その際、混合物は、
一般に50質量%未満、好ましくは25質量%未満、特に好ましくは5質量%未
満の水を含有する。
【0018】 有機溶剤として、殊に脂肪族C1〜C4−アルコール、殊にメタノールもしくは
エタノール、またはこのようなアルコールとカルボン酸アミド、例えばジメチル
ホルムアミドもしくはt−ブチルホルムアミドの混合物が適している。
【0019】 導電性塩として、電解液は、例えば第四級アンモニウム塩、例えばテトラ(C 1 〜C4−アルキル)アンモニウムハロゲン化物またはテトラ(C1〜C4−アルキ
ル)アンモニウムテトラフルオロボレート、好ましくはメチルトリブチルアンモ
ニウムメチルスルフェートもしくはメチルトリエチルアンモニウムメチルスルフ
ェートを、電解液に対して、通常0.4〜10質量%の量で含有する。
【0020】 陽極のカップリング処理(Koppelprozess)のためには、電気化学的酸化の適性 が、当業者に一般的に公知である陽極の減極剤として常用の有機化合物を使用し
たほうがよい。幾つかの陽極のカップリング処理は、好ましくは、メディエータ
ーの存在下に実施される。適した陽極のカップリング処理は、例えば、D. Kyria
kou, Modern Electroorganic Chemistry, Springer, Berin 1994 in Kapitel 2 に記載されている。
【0021】 陽極のカップリング処理として、殊に、C−OまたはC−Nの単結合または二
重結合の酸化、例えばカルボン酸の酸化、または酸化的C−Cカップリング、殊
にナフタレンまたは活性化されたCH基の酸化的C−Cカップリング、ならびに
芳香核に結合したメチル基のアルデヒドへの酸化に適している。
【0022】 メチルベンゼンまたはメチルベンゼンの核置換された誘導体の使用が、特に有
利であることが証明され、その際、フェニル基の1〜3個の水素原子が、C1〜 C6−アルキル基またはC1〜C4−アルコキシ基により置換されていてよい。こ のような陽極の減極剤の例は、p−キシレンおよびp−t−ブチルトルエンであ
る。
【0023】 カップリング生成物としてアルデヒドを製造する際に、溶剤として上記のアル
コールを使用することが望ましい。それというのも、アルデヒドはアセタール化
され、更に酸化される前に保護されるからである。
【0024】 従って、その他の処理パラメータ、例えば温度および電流密度が関連すること
は、有機化合物の電気化学的反応において常用の範囲内で変動する限り、重要で
はない。これは、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第2510920号明細
書により詳細に記載されている。
【0025】 電解液中のフタリドの含分と、フタリドおよびフタル酸またはフタル酸誘導体
の含分の総和から形成されるモル比(M)が、0.8:1〜0.995:1、好
ましくは0.83:1〜0.99:1、特に好ましくは0.86:1〜0.95
:1であるようにして反応が十分に進行する場合には、電解液は電解槽から排出
される。
【0026】 反応は、不連続的ならびに連続的に実施されることができる。
【0027】 本方法が連続的に実施される場合には、有利に、電解液の連続的な排出ならび
に電解液の不活性成分、例えば溶剤および導電性塩、および電気化学的反応のた
めの出発物質の連続的な補充は、電解液の全ての成分の濃度が広範囲に亘り一定
のままであるように、互いに、および反応速度に調節される。このことは、殊に
、定義された範囲内で変動するモル比(M)に当てはまる。
【0028】 一般に、排出される電解液(以下の文章において「粗フタリド」と呼ぶ)は、
結晶化される前に後処理される。これは、好ましくは、次の方法で行われる: まず最初に、溶剤、引続きフタリドを含有する画分を、電解液から留去する。有
利には、蒸留は、溶剤および主としてフタリドを含有する画分に加えて、主とし
てカップリング生成物を含有する別の画分を別個に集まるようにして実施される
。残存する蒸留残留物は、一般に主として導電性塩を含有する。
【0029】 粗フタリドの蒸留は、一般に、1〜100ミリバールの圧力および100〜2
20℃の温度で行われる。このためには、例えば薄層蒸発器が使用される。たい
てい、実質的に導電性塩からなる蒸留残留物は、電解槽中へ返送されてよい。
【0030】 場合によりこうして予め精製された粗フタリドは、引続き、結晶化により精製
される。
【0031】 使用される結晶化法は、制限されていない。結晶化は、連続的または非連続的
に、1段階または多段階で実施されることができる。
【0032】 この際、好ましくは、助剤を添加せずに、殊に有機溶剤を添加せずに処理され
る。
【0033】 有利に、結晶化は1段階で行われる。本発明の別の好ましい実施態様において
、結晶化は、分別された結晶化として実施される。
【0034】 通常、分別された結晶化の際に、供給された粗フタリドよりも純粋な結晶を生
じる全ての段階は、精製工程と呼ばれ、全ての他の工程は蒸留分離工程と呼ばれ
る。この際、有利に、多段階による方法は向流原理により運転され、その際、結
晶化後に、結晶は、それぞれの段階で母液から分離され、かつこれらの結晶は、
すぐ次に高純度を有するそれぞれの段階へ供給されるのに対して、結晶化残留物
は、すぐ次の低純度を有するそれぞれの段階へ供給される。
【0035】 有利に、結晶化中の溶液または融液の温度は、−10℃〜75℃、殊に20〜
70℃である。結晶器中の固体含量は、使用物質100gあたり通常0〜70g
、好ましくは30〜60gである。
【0036】 本発明の更に有利な実施態様において、結晶化は、結晶が、結晶化装置中で、
冷却された表面上で成長する装置中で行われ、すなわち、装置中に固定されてい
る(例えば、Fa. Sulzer Chemtech(スイス)の層結晶化法またはFa. BEFS PROKEM
(フランス)の平衡結晶化法)。
【0037】 更に、結晶化は、装置壁の冷却によるか、または真空下での粗フタリド溶液の
蒸発により行われる。このためには、特に、メタノール中の粗フタリドの5〜3
0質量%溶液が適しており、その際、メタノールが、電解液中の溶剤として使用
されるメタノールであってよい。
【0038】 冷却による結晶化の際に、熱は、撹拌容器または撹拌機を有しない容器と結合
しているスクレーパ冷却器(Kratzkuehler)を介して冷却される。この際、結晶懸
濁液の循環は、ポンプにより保証される。また、その上、熱が、壁との間隔が狭
い撹拌機での撹拌容器の壁を介して導出される可能性が存在する。冷却による結
晶化の場合の更に好ましい実施態様は、例えばFa. Gouda(オランダ)から製造 されているような冷却円盤結晶器の使用である。冷却による結晶化のための更に
適した変法の場合には、熱は、常用の熱交換器(好ましくは管束熱交換器または
プレート熱交換器)を介して導出される。これらの装置は、スクレーパ冷却器、
壁との間隔が狭い撹拌器を有する撹拌容器または冷却結晶ディスクと比較して、
熱移行する表面上の結晶層の防止のための装置を有しない。運転中に、伝熱抵抗
が結晶層形成により高い値に高められる状態が達成される場合には、第二の装置
の切り替えが行われる。第二の装置の運転時間中に、第一の装置は、再生される
(有利に、結晶層の溶融によるか、または飽和溶液で装置をすすぐことにより)
。第二の装置中で高すぎる伝熱抵抗に達する場合には、第一の装置等に再び切り
替えられる。また、この変法は、2つよりも多い装置で交互に運転されてよい。
その上、結晶化は、真空下での溶液の常用の蒸発により行われてよい。
【0039】 結晶化されたフタリドから母液を分離するためには、固−液分離の全ての公知
方法が適している。本発明の好ましい実施態様において、結晶は、母液の濾過お
よび/または遠心分離により分離される。有利に、濾過または遠心分離には、懸
濁液の予めの濃縮が、例えばハイドロサイクロンにより、前接続されている。遠
心分離には、不連続的または連続的に運転される全ての公知の遠心分離機が適し
ている。最も有利には、1段階または多段階で運転されることのできる押出形遠
心分離機(Schubzentrifugen)が使用される。また、その上、スクリュースクリー
ン遠心分離機(Schneckensiebzentrifugen)またはスクリューディスチャージ遠心
分離機(Schneckenaustragszentrifugen)(デカンター)も適している。濾過は、
不連続的または連続的に、撹拌機を有するかもしくは有さずに運転される吸引濾
過器を用いるか、またはバンドフィルターを用いて有利に行われる。一般に、濾
過は、加圧下または真空下に行われてよい。
【0040】 固−液分離中および/または固−液分離後に、別の処理工程は、結晶または結
晶ケーキの純度を高めるために考慮に入れてよい。本発明の特に有利な実施態様
において、母液から結晶を分離した後に、結晶もしくは結晶ケーキの1段階また
は多段階の洗浄および/または滲出が続く。
【0041】 洗浄の際に、洗浄液の量は、好適には洗浄液0〜500g/結晶100g、有
利に洗浄液30〜200g/結晶100gにある。
【0042】 適した洗浄液は、例えば a)溶剤から結晶化される場合には、溶剤、 b)液状の純粋な物質または c)液状の装入される物質である。
【0043】 洗浄は、このために常用の装置中で行われることができる。有利に、母液の分
離および洗浄が1つの装置中で行われる洗浄塔、1段階または多段階で運転され
ることができる遠心分離機、または吸引濾過器またはバンドフィルターが使用さ
れる。洗浄は、遠心分離機またはバンドフィルター上で1段階または多段階で実
施される。その際、洗浄液は、結晶ケーキに対して向流で導入されることができ
る。
【0044】 滲出は、精製されていない領域の局所的な溶融である。有利に、滲出量は、溶
融した結晶0.1〜90g/溶融前の結晶100g、有利に溶融した結晶5〜3
5g/結晶100gである。特に好ましいのは、遠心分離機またはバンドフィル
ターでの滲出の実施である。また、1つの装置中での洗浄または滲出からなる組
合せの実施は、適当でありうる。
【0045】 得られるフタリドの純度は、有利に97〜99.9質量%、殊に98.5〜9
9.5質量%である。
【0046】 助剤を添加せずに結晶化され、かつ陽極のカップリング生成物が前もって分離
された場合には、ついで殊に、母液および洗浄液は、別に後処理せずに電解槽中
へ返送されることができる。それというのも、実質的にフタリドおよび相応する
出発化合物からなる混合物から構成されているからである。
【0047】 また、同じことは、電解槽中でも併用される溶剤を用いた結晶化が行われる場
合にも当てはまる。
【0048】 粗フタリドが、溶液から結晶化されるか、または電解液の成分ではない溶液で
洗浄された場合には、溶液は留去され、引続き蒸留残留物は、電解槽中へ返送さ
れることができる。
【0049】 本方法の主な利点の1つは、望ましくない副生成物の含分が特に僅かであり、
かつ実質的に母液の成分としてはじめて、フタリドの結晶化の際に分離されるこ
とのできる未反応の出発物質が、再び電解液に返送されることができることであ
ると思われる。同じことは、カップリング生成物もしくはその出発化合物、陽極
の減極剤に当てはまる。従って、本方法は、特に経済的に運転される。
【0050】 実験の部 実験の部における百分率の記載は質量%である。
【0051】 例1 グラファイトからなる陽極導線およびグラファイトからなる陰極導線を有し、
区分されていない電解槽中で、1.4dm2の表面積を有するグラファイトリン グディスク(Graphitringscheiben)を、10つのスリットが生じるように配置し 、その中で電解が生じうる。2つの別のグラファイトディスクは、陽極導線およ
びカソード導線と接触している。電解槽の原理は、当業者には公知であり、例え
ばDegner他, AIChE Symposium Series 第185号, 第75巻, 第14頁以降に記載され
ている。この電解槽中で、メタノール中に溶解した、20%パラチノール(Palat
inol) ( 登録商標 )M 20%(o−フタル酸ジメチルエステル)、p−t−ブチ
ルトルエン13%およびメチルトリブチルアンモニウムメチルスルフェート1.
2%からなる溶液を、40℃でポンプ輸送し、連続的に反応させた。電流入力:
パラチノールMに対して6F、電流密度:2A/dm2。フタリドは、連続的な 排出液中に90%の選択率で形成されていた。
【0052】 引続き、溶剤であるメタノールを、まず最初に真空下に留去した。その後、排
出液を、真空下に蒸留した。t−ブチルベンズアルデヒドのジメチルアセタール
を分画した後に、フタリドを留去した。これは、導電性塩の分解の結果としての
ガラス化を回避するために、迅速に行われた。
【0053】 生じた粗生成物は、フタリド82%およびパラチノールM 7%を含有してい
た。モル比(M)は、0.94:1であった。t−ブチルベンズアルデヒドのア
セタールは、定量的にフタリドから分離されることができなかったので、この成
分4%がまた見出された。
【0054】 底部にガラスフリットを有する加熱した円柱状ガラス容器中で、25℃に冷却
した後に、フタリド35%の含量およびパラチノールM 24%の含量を有する
液相22〜25%を分離した。
【0055】 生じたフタリド相は、約95%のフタリド含量を有し、これは、60℃までの
別の液体含分の融解により99%に豊富化された。
【0056】 99%フタリドの収率:約60%。
【0057】 例2 パラチノールMの含量13%およびフタリドの含量79%を有し、類似した不
連続的な電解からの粗フタリドを、溶融した形で例1によるガラス装置中に充填
した。25℃に冷却した後に、41%のフタリド含分および36%のパラチノー
ルM含分の液相28%が得られた(モル比(M)0.90:1)。
【0058】 60℃までの融解後に、パラチノールM 0.2%の残留含量を有する98%
濃度の生成物53%が残留していた。
【0059】 比較例 例1に記載されている電解槽中で、パラチノール(Palatinol)M 20%(フ タル酸ジメチルエステル)、t−ブチルトルエン12%およびメチルトリブチル
アンモニウムメチルスルフェート1.2%からなる溶液を50℃で反応させた。
電流の強さ5A。
【0060】 パラチノールM 4.4F/モルの後に、溶液のフタリド含量は、11.2質
量%であり、これは81%の収率に相当し、パラチノールMは、90%を上回り
反応していた。モル比(M)は、この時点で、0.93:1であった(GC値)
。パラチノールM 4.8F/モルの場合に、約90%の収率に相当する最大1
2.2質量%を上回るフタリド濃度が達成され、モル比(M)は、0.97:1
に増大していた。引続き、モル比は、確かに更に増大したが、しかし電解液中の
フタリド濃度は低下した:パラチノールM 5.2F/モルで、0.99:1の
モル比(M)で、フタリド含量は11.1質量%での値であった。この時点では
じめて、蒸留により98%を上回る純度のフタリド品質を達成することが可能で
ある。
【0061】 また、反応時間の関数としての曲線中で提供されるフタリドの収率は、期待さ
れていたように、限界値に寄り添うのではなく、一定の変換率で最大値を達成し
、引続き再び低下した。従って、一定の変換率で反応が中断するか、または反応
混合物を連続的に反応容器から取り出し、反応混合物から引続き結晶化により出
発物質を分離した場合にのみ、全体の方法の高い経済性は達成されることができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハインツ ハンネバウム ドイツ連邦共和国 ルートヴィッヒスハー フェン オストリング 56 Fターム(参考) 4C037 RA01 4K021 AC17 BA11 BA18 BB03 DA13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フタリドの製造法において、 I. そのカルボキシル基が縮合反応においてカルボキシル基から誘導可能であ
    る単位により置換されていてよく、かつo−フェニレン単位の1つもしくはそれ
    以上の水素原子が不活性基により置換されていてよい、電解液中に溶解されたフ
    タル酸またはフタル酸誘導体を、区分されていない電解槽中で陰極還元し、 II. 電解液中のフタリドの含分と、フタリドおよびフタル酸またはフタル酸
    誘導体の含分からなる総和とから形成されるモル比(M)が0.8:1〜0.9
    95:1であるようにして反応が十分に進行する場合に、電解液を電解槽から排
    出し、ならびに III. フタリドを、場合により電解液の蒸留により後処理した後に、電解液
    から結晶化させ、かつ母液から分離させる ことを特徴とする、フタリドの製造法。
  2. 【請求項2】 工程(I)における出発物質として、一般式(I) 【化1】 [式中、置換基は次の意味を有する: R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して水素、C1〜C4−アルキルまたはハ
    ロゲンであり、 R5、R6は、a)互いに独立して−COOHまたは−COOXであり、この場合
    XはC1〜C4−アルキルを表し、 b)置換基R5またはR6の1つはCOONY4であり、かつ他の置換基はCON H2であり、この場合YはC1〜C4−アルキルまたは水素を表し、 c)R5およびR6が一緒になって−CO−O−CO−である]で示されるものを
    使用する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(I)における出発物質として、フタル酸ジ(C1〜C3 −アルキル)エステルを使用する、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 電解液は、溶剤として有機溶剤または水と有機溶剤とからな
    る混合物を含有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 溶剤としてメタノールを使用する、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 陽極の減極剤として、メチルベンゼンまたはメチルベンゼン
    の核置換された誘導体を使用し、その際、フェニル基の1〜3個の水素原子が、
    1〜C6−アルキル基またはC1〜C4−アルコキシ基により置換されていてよい
    、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 電解により排出される電解液を、結晶化前に、蒸留により後
    処理する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 電解液の蒸留による後処理を行い、その際、有機溶剤、引続
    きフタリドを含有する画分を電解液から留去する、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 蒸留による電解液の後処理を、 a)工程(a)において、実質的に溶剤のみを電解液から留去し、 b)工程(a)の後に、残存している蒸留残留物から、一方は主としてフタリド
    、および他方は主として陽極の復極の際に生じる生成物を含有する2つの別の画
    分を留去する ようにして行う、請求項7または8記載の方法。
  10. 【請求項10】 フタリドの結晶化を、助剤の不在下に実施する、請求項1
    から8までのいずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 フタリドの結晶化を、冷却した表面上で実施し、その表面
    上で結晶を成長させる、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 フタリドの結晶化の際に形成された母液を、工程(I)で
    使用される電解液の製造のために使用する、請求項1から8までのいずれか1項
    に記載の方法。
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