JP2001515719A - Mplリガンド類似体 - Google Patents

Mplリガンド類似体

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JP2001515719A
JP2001515719A JP2000510861A JP2000510861A JP2001515719A JP 2001515719 A JP2001515719 A JP 2001515719A JP 2000510861 A JP2000510861 A JP 2000510861A JP 2000510861 A JP2000510861 A JP 2000510861A JP 2001515719 A JP2001515719 A JP 2001515719A
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Abstract

(57)【要約】 対応するアミノ酸数の天然のmplリガンド配列と比べて1個以上のグリコシル化部位が変更されているMplリガンド類似体を開示する。また、本発明は、前記mplリガンド類似体をコードするDNA配列、類似体を発現させるための組換えプラスミドおよび宿主細胞、ならびにかかる類似体を含む治療組成物にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、少なくとも1個のOまたはN結合型グリコシル化部位が変化したmp
lリガンド類似体に関する。また、本発明は、これらのmplリガンド類似体をコー
ドするDNA配列、ならびに類似体を発現させるための組換えプラスミドおよび宿 主細胞にも関する。
【0002】 (発明の背景) MGDF、または巨核球増殖および発達因子は、最近、循環血小板レベルの主要な
調節因子であると考えられているクローンサイトカインである。Bartley, T.D. ら, Cell 77:1117-1124(1994); Lok, S.ら, Nature 369:565-568(1994); de Sau
vage, F.J.ら, Nature 369:533-538(1994); Miyazake, H.ら, Exp. Hematol. 22
:838(1994); およびKuter, D.J.ら, PNAS USA, 91:11104-11108(1994)を参照さ れたい。MGDFは、Bartley, T.D.ら, Cell 77:1117-1124(1994)に記載されている
ように、トロンボポエチン(TPO)、mplリガンドおよびメガポエチンとも称される
。本明細書では「mplリガンド」という用語を用いることにより、TPO、MGDFなど
のmpl受容体を活性化するポリペプチド全てを総称する。mpl受容体は、活性化の
際に、巨核球および血小板の製造および/または発達をもたらす細胞表面タンパ
ク質である。
【0003】 「mplリガンド類似体」は、糖質(carbohydrate)結合部位の数、位置またはタ イプに影響を及ぼす点で天然の配列とは異なるポリペプチドである。かかるポリ
ペプチドは本発明の一つの側面である。成熟天然ヒトmplリガンドは合計332個の
アミノ酸を有するタンパク質である。このタンパク質の配列(21アミノ酸長リー
ダー配列に結合)およびその対応cDNAを図1に示す(配列番号1および2)。
【0004】 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびE.coli細胞において産生された 組換えmplリガンドは、マウス、ラットおよびサルにおいてin vivoで巨核球およ
び/または血小板を特異的に刺激または増大させる生物活性を有することが示さ
れている。例えば、Hunt, P.ら, Blood 84(10):390A(1994)を参照されたい。図 1の22位のアミノ酸から始まって少なくとも151個のアミノ酸からなるように先 端切断されたヒトmplリガンド分子(ヒトにおいてcDNAでコードされる332個のア
ミノ酸タンパク質と比較した場合に先端切断されている)は、in vivoで生物学 的に活性である。図2(配列番号3および4)は、成熟状態で174個のアミノ酸 を有し、且つ生物活性を有する先端切断mplリガンド分子の一例を示すものであ る。図2には、21アミノ酸N末端リーダー配列に結合された174個のアミノ酸長 タンパク質が示されている。この分子を用いて、下記の実施例においてmplリガ ンド類似体のいくつかを作製した。その他の類似体は、図1のアミノ酸1〜199 、1〜191、および1〜183に基づくものである。成熟ヒト配列mplリガンドタン パク質のN-末端の最初の6個までのアミノ酸を除去して生物活性を維持させるこ
とも可能である。したがって、生物活性は、図1に示されたヒトmplリガンドの 成熟アミノ酸配列のアミノ酸7〜151(7と151も含む)に保持されるていると考
えられる。
【0005】 一般に、真核細胞によって産生される多くの細胞表面および分泌タンパク質は
1個以上のオリゴ糖基で修飾されている。この修飾はグリコシル化と称され、タ ンパク質の物理的特性に劇的に影響を与え得るものであり、タンパク質の安定性
、分泌、および細胞局在化においても重要であり得る。適正なグリコシル化は生
物活性に必須であり得る。実際、タンパク質をグリコシル化するための細胞プロ
セスが欠けている細菌(例えばE.coli)において真核生物由来のいくつかの遺伝
子を発現させた場合、そのグリコシル化の欠如により活性がほとんどないか皆無
であるタンパク質が生じる。
【0006】 グリコシル化は、ポリペプチド主鎖の特定の位置または部位で生じ、通常、二
つのタイプがある:O結合型オリゴ糖はセリン(Ser)またはトレオニン(Thr)残基
に結合され、N結合型オリゴ糖(鎖)は、アスパラギン(Asn)が配列Asn-X-Ser/T
hr(ここでXはプロリンを除く任意のアミノ酸であり得る)の一部である場合、 そのアスパラギン(Asn)残基に結合される。Xは好ましくは19個の天然アミノ酸(
プロリンは数に入れない)の一つである。N結合型およびO結合型オリゴ糖の構
造ならびに各タイプに見られる糖残基は相違している。両方に一般的に見出され
る糖の一つのタイプはN-アセチルノイラミン酸(以下、シアル酸と称する)であ
る。シアル酸は、通常、N結合型とO結合型の両方のオリゴ糖の末端残基であり
、その陰性電荷により糖タンパク質に酸性特性を付与し得る。
【0007】 本明細書で用いられる場合、グリコシル化「部位」は、構造的にグリコシル残
基に連結することができるアミノ酸残基であるが、かかる部位に実際にグリコシ
ル残基が連結されていてもされていなくてもよい。上記のように、O結合型部位
はSerまたはThr残基のいずれかであり、一方、N結合型部位はAsn-X-SerまたはA
sn-X-Thr(ここでXはPro以外の任意のアミノ酸と定義される(好ましくはProを 除く19個の天然アミノ酸の一つである))のいずれかである。所与の部位がグリ
コシル鎖でグリコシル化されるか否かは、分子が発現される宿主細胞、その部位
に隣接しているアミノ酸、およびその他の因子によって決定される。
【0008】 本明細書で用いられる場合、所与のmplリガンド類似体に結合した「鎖」の数 は、特定の宿主細胞によって発現される所与のmplリガンド分子に結合した糖質 (すなわちグリコシル)鎖の数の平均である。特に、天然および対応する組換え
mplリガンドのグリコシル化部位は一般的に同一であり、一方、鎖の数は、組換 え発現に用いられた特定の宿主細胞が、グリコシル鎖を天然起源の場合と同一の
部位に結合させるか否かによって変動する可能性がある。本明細書では、組換え
mplリガンド類似体と天然mplリガンド類似体との比較を行うときはいつも、天然
起源が実際にその長さのmplリガンド分子を産生するか否かにかかわらず、同数 のアミノ酸を比較する。したがって、「天然」とは、そのような天然起源におい
て実際に発現された分子の長さではなく、特定の種(ヒトなど)において使用さ
れている配列を意味するものである。
【0009】 天然mplリガンドはグリコシル化された分子である。天然mplリガンドのグリコ
シル化様式は、mplリガンド内に見出された2個の主要ドメインに関係している 。成熟ヒトmplリガンドの最初の約151個のアミノ酸の配列は、分子の活性部分に
対応しており、赤血球の産生刺激能を有するサイトカインであるエリスロポエチ
ン(EPO)に対してかなりの相同性を有し、ヒトmplリガンドの「EPO様ドメインと 称される。成熟タンパク質の残りのアミノ酸は、N結合型グリコシル化のための
天然部位を全て含まないにしてもほとんど含むので、いわゆる「N結合型糖質」
ドメインを構成するものである。ヒトmplリガンドにおいては、N結合型グリコ シル化ドメインに6個のN結合型グリコシル化部位が全部含まれている。O結合 型グリコシル化部位は両ドメインに含まれる。分子内には推定12〜14個のO結合
型グリコシル化鎖が存在する。CHO細胞内で組換えにより発現させたヒトmplリガ
ンドDNAを用いた実験的証拠により、EPO様ドメインにおいて、1位(Ser)および37
位(Thr)にある少なくとも2個のO結合型部位がグリコシル化されているというこ
とが示されている。
【0010】 mplリガンドのような糖タンパク質は、等電点電気泳動(IEF)などの技術を用い
て種々の荷電形態に分離することができる。例えば、いくつかのグループは、粗
エリスロポエチンと部分精製エリスロポエチン調製物のIEF研究を報告した(Luk
owskyら, J. Biochem. 50:909(1972); Sheltonら, Biochem. Med. 12:45(1975);
Fuhrら, Biochem. Biophys. Res. Comm. 98:930(1981))。
【0011】 mplリガンド分子のグリコシル化についての上記情報にもかかわらず、依然と して、異なるグリコシル化様式を有し、生物活性を保持するかまたはそれが向上
しているmplリガンド分子を得る必要がある。
【0012】 したがって、本発明の課題は、mplリガンド類似体と称される新規グリコシル 化mplリガンド分子を提供することである。本発明のさらなる課題は、かかる分 子を含む医薬組成物、ならびにmplリガンドによって治療可能な症状を本発明のm
plリガンド類似体を用いて治療する方法を提供することである。
【0013】 (発明の概要) 一つの実施形態において、本発明は、対応する天然配列mplリガンドと比べて 、グリコシル化の部位が少なくとも1個付加されているか、少なくとも1個欠失
されているか、および/または少なくとも1個付加され且つ少なくとも1個欠失
されているアミノ酸配列を含むmplリガンドの類似体に関する。付加または欠失 された1個または複数のグリコシル化のための部位により、対応する天然配列mp
lリガンド、特にヒトmplリガンドよりも糖鎖の数が多くまたは少なくなり得るも
のであり、そしてシアル酸含量が高くまたは低くなり得るものである。例えば、
類似体の一つのタイプは、1個以上のN結合型またはO結合型部位の欠失、なら びにそれと同一または異なる位置における1個以上のN結合型またはO結合型部
位の付加を含む。
【0014】 上記実施形態の別の側面においては、本発明は、1個以上のNまたはO結合型 グリコシル化部位の、1個以上の非天然部位による置換を含むアミノ酸配列を含 有するmplリガンド類似体に関する。したがって、N結合型部位は、異なるN結 合型部位で置換され得るものであり;N結合型部位はO結合型部位で置換され得
るものであり;O結合型部位は異なるO結合型部位で置換され得るものであり;
そしてO結合型部位はN結合型部位で置換され得るものである。
【0015】 本発明は、上記変更の任意の組合せをさらに含む。
【0016】 本発明は、そのようなmplリガンド類似体をコードするDNA配列、ならびに類似
体を発現させるための組換えプラスミドおよび宿主細胞をさらに含む。
【0017】 上記事例の全てにおいて、グリコシル化部位の変更は、得られるmplリガンド 類似体におけるグリコシル鎖の数、量、位置またはタイプ(N型、O型)を変化
させ、mplリガンドの生物活性を保持している、すなわち類似体は依然としてmpl
リガンドを活性化し得るものである。mpl受容体の活性化とは、巨核球産生が増 大されることによって、in vivoでの血小板の増大が生じることを意味するもの である。
【0018】 (発明の詳細な説明) 本発明は、対応する配列を有する天然mplリガンドとは異なるグリコシル化部 位を有するmplリガンドを提供する。好ましくは、得られた分子は、哺乳動物細 胞(COS、CHO、ヒト細胞など)における発現の際にグリコシル鎖で占有された付
加的グリコシル化部位を有するものである。
【0019】 第1の実施形態において、本発明は、対応する天然配列mplリガンドと比べた 場合に、グリコシル化のための部位が少なくとも1個付加、少なくとも1個欠失
、および/または少なくとも1個付加および欠失されているアミノ酸配列を含む
mplリガンドの類似体に関する。グリコシル化のための部位が付加または欠失さ れたことによって、対応する天然配列mplリガンド、特にヒトmplリガンドより糖
鎖の数が多くまたは少なくなり、シアル酸含量が高くまたは低くなり得る。1個
の部位の欠失と別の部位の付加の組合せでは部位の数は実質変化しないが、部位
の位置および/またはタイプの変化が生じる。また、そのような組合せの変更が
なされた類似体も本発明に含まれる。
【0020】 上記の実施形態の別の側面においては、本発明は、1個以上のNまたはO結合
型グリコシル化部位が1個以上の非天然部位により置換されたアミノ酸配列を含
有するmplリガンド類似体に関する。したがって、N結合型部位は、異なるN結 合型部位で置換され得るものであり;N結合型部位はO結合型部位で置換され得
るものであり;O結合型部位は異なるO結合型部位で置換され得るものであり;
および/またはO結合型部位はN結合型部位で置換され得るものである。本質的
に同位置における1個の部位の別の部位による置換は、その部位におけるグリコ
シル化効率の増大という成果があるか、またはその他の効果を有し得る。例えば
、本明細書には、Ser残基の代わりにThr残基を用いるとO結合型部位におけるグ
リコシル化効率が増大され得るという証拠が示されている。
【0021】 「mplリガンド」という用語は、本明細書で用いられる場合、天然mplリガンド
、天然mplリガンドの先端切断物、ならびに天然mplリガンドのアミノ酸配列を、
巨核球および/または血小板の増殖、発達および/または産生を特異的に刺激す
る生物活性を保有するように十分に複製されたアミノ酸配列およびグリコシル化
を有する非天然ポリペプチドを含む。図1の少なくともアミノ酸7〜151からアミ
ノ酸1〜332までに基づいたmplリガンド類似体が好ましい。
【0022】 好ましい実施形態においては、mplリガンドは、真核宿主細胞にトランスフェ クトされた外来DNA配列の発現の産物であり、すなわち好ましい実施形態におい ては、mplリガンドは「組換えmplリガンド」である。好ましい真核宿主は哺乳動
物細胞であり、特に好ましくはCHO細胞である。組換えmplリガンドは、本明細書
およびmplリガンドのクローニングおよび発現に関して本明細書に引用された刊 行物に記載した手順にしたがって都合よく産生される。
【0023】 いくつかのさらに好ましいmplリガンド分子は、図1に基づいて、下記のアミ ノ酸配列: mplリガンド1〜332 図1のアミノ酸1〜332 mplリガンド1〜199 図1のアミノ酸1〜199 mplリガンド1〜191 図1のアミノ酸1〜191 mplリガンド1〜183 図1のアミノ酸1〜183 mplリガンド1〜174 図1のアミノ酸1〜174 mplリガンド1〜163 図1のアミノ酸1〜163 mplリガンド1〜153 図1のアミノ酸1〜153 mplリガンド1〜152 図1のアミノ酸1〜152 mplリガンド1〜151 図1のアミノ酸1〜151 mplリガンド7〜332 図1のアミノ酸7〜332 mplリガンド7〜199 図1のアミノ酸7〜199 mplリガンド7〜191 図1のアミノ酸7〜191 mplリガンド7〜183 図1のアミノ酸7〜183 mplリガンド7〜174 図1のアミノ酸7〜174 mplリガンド7〜163 図1のアミノ酸7〜163 mplリガンド7〜153 図1のアミノ酸7〜153 mplリガンド7〜152 図1のアミノ酸7〜152 mplリガンド7〜151 図1のアミノ酸7〜151 を有する。
【0024】 例えば、mplリガンド1〜183、1〜191、7〜183、および7〜191は、より短い配 列と比べた場合に、そのC末端に1個または2個の付加的天然グリコシル化部位を 含むことに留意すべきである。上記の各場合において、Met-LysがさらにそのN 末端に含まれ得る。
【0025】 本明細書でいうin vitro比活性とは、相対的なin vitro比活性の測定値であり
、絶対的なin vitro比活性の測定値ではない。本発明の課題のために、比活性は
、同一アッセイを用い、同一内部標準などの同一条件を用い、そして比活性など
の計算に用いたデータについて同一分析を行って検定されたmplリガンド類似体 の相対的活性を比較するためだけに用いられる。
【0026】 本明細書で用いられる場合、「mplリガンドの類似体」または「mplリガンド類
似体」という語句は、糖質結合のための部位のタイプ(NまたはO結合型、結合 される糖質の量に影響を及ぼし得る)、数または位置に変化が生じるようにmpl リガンドのアミノ酸配列が1個以上変更されているmplリガンドを意味する。好 ましい実施形態においては、グリコシル化部位における変更によってmplリガン ド分子に結合したグリコシル鎖の数に変化が生じる。特に好ましい実施形態にお
いては、グリコシル化部位における変更は、少なくとも1個の(一般的に1〜6
個、好ましくは1〜5個、特に好ましくは2〜4個)のグリコシル鎖を付加する
ものであり、最も好ましくは、1個または複数の鎖をN結合を介して付加するも
のである。別の特定の好ましい実施形態においては、mplリガンド類似体は、天 然配列mplリガンド(例えば、ヒトmplリガンド)と比べた場合に、in vivoで少 なくとも同等の生物活性を保持し、生物活性についてのアッセイで測定した場合
、in vivoで実質的に高い活性を保有し得る。このようなアッセイには、巨核球 または血小板産生を検出するアッセイが含まれる。
【0027】 そのようなmplリガンドの類似体を調製するために、グリコシル化に利用可能 な部位を付加、除去または変更するアミノ酸残基の付加、欠失または置換を生じ
させる部位特異的突然変異誘発によって類似体を作製するのが好ましい。「変更
された」とは、ある部位が欠失されており、その欠失部位と同一位置または別の
位置に別の部位が付加されていることを意味する。しかしながら、当業者には認
識されているとおり、その他の方法によって同一のアミノ酸配列をコードする遺
伝子を得ることができ、かかる方法は本明細書に含まれるものである。得られた
類似体は、天然のヒト/組換えmplリガンドよりも結合した糖鎖が少ないか、多 く(好ましくは多く)あり得る。
【0028】 mplリガンドへの1個以上の糖質(すなわちグリコシル)鎖の付加は本発明の 重要な課題の一つである。対応する天然アミノ酸配列(例えば、1〜332または1 〜174など)に見出されるよりも糖鎖の数が多いMplリガンド類似体は、実質的に
生物活性を低下させるような二次または三次コンホメーションの混乱を生じさせ
ないグリコシル化部位の付加によって作製される。本明細書で用いられる場合、
「天然」mplリガンドとは、その特定の長さのmplリガンド種が天然種において実
際に発現されるわけではないが、関連類似体として対応する数のアミノ酸を有す
るアミノ酸配列を意味するものである。都合がよいことには、mplリガンドの類 似体はN-グリコシル化またはO-グリコシル化のための付加的部位を最大6個まで 有し、それによって1〜6個の付加的なN-結合型またはO-結合型糖鎖(または
その組合せ)の付加が生じる。
【0029】 例えば、30位におけるProをAsnで置換し、32位におけるValをThrで置換するこ
とにより配列Asn-Glu-Thrが得られ、この配列はN-グリコシル化のための新規部 位として作用する(下記の類似体N4;表1を参照されたい)。2個以上のN結合 型鎖が付加された類似体も、突然変異を組み合せることによって構築され得る。
例えば、表1に記載された類似体N4およびN10を組み合せることにより、糖質付 加のための部位が2個付加された類似体が得られ得る(すなわち表1の類似体N15
)。同様の方法で3個以上の鎖が付加された類似体を構築することができる。当 業者に認識されているように、本発明は、その他、種々のグリコシル化のための
部位(部位の数、タイプまたは位置に関して)を有する多くのmplリガンド類似 体を含む。本発明のmplリガンド類似体は、多くの場合、ヒトアミノ酸配列(図 1および2を参照されたい)を有するmplリガンドを基礎とするものであるのが 特に好ましく;その他の種(例えばイヌ、ブタ、サル、マウスまたはラット)由
来のmplリガンド配列を基礎とする類似体も本発明に含まれるものである。
【0030】 グリコシル化部位の作製のためにアミノ酸の挿入も考えられる。例えば、下記
のように、57位のGluがThrで置換され、Asnが55位のMet直後に挿入される:
【0031】
【0032】 これによって新規グリコシル化部位(アミノ酸55'、56および57)が付加される 。下記の類似体N23を参照されたい。
【0033】 また、mplリガンドのカルボキシ末端から1個以上のアミノ酸が伸長している 類似体も本発明の類似体に含まれ、ここで、カルボキシ末端伸長は糖質部位を少
なくとも1個付加するものである。mplリガンドのカルボキシ末端は、用いたmpl
リガンドの特定の形態にかなり依存する(例えば、mplリガンド1〜332アミノ酸 、またはmplリガンド1〜163アミノ酸)。mplリガンド種のカルボキシ末端にアミ
ノ酸を付加することによって、付加的な糖質部位をそのカルボキシ末端に付加し
得るものであり、そのようなアミノ酸は、1個以上のNまたはO結合型グリコシ ル化部位を含む。
【0034】 表1および6に、N結合型糖鎖のための付加的部位を有するいくつかの代表的
なmplリガンド類似体を列挙する。この類似体は、N結合型部位を作製するため に、ヒトアミノ酸配列を基礎とするヒトmplリガンドポリペプチド鎖内の種々の 位置に配列Asn-X-SerまたはAsn-X-Thrを含んでいる。表4および7に、SDSゲル における糖タンパク質の移動により明らかなように、付加的N結合型糖鎖が少な
くとも1個付加された類似体を列挙する(実施例6ならびに図3、5、6、7、
9、10、12、および13を参照されたい)。これらの表には、本明細書で定義した
ような「類似体」ではないいくつかの先端切断種(すなわちN1、N16、N17、およ
びN31)が含まれるということに留意されたい。これらは、種々の先端切断種の調
製方法を示して表に列挙されている。
【0035】 また、本明細書に開示されたmplリガンド類似体をコードするDNA配列、好まし
くはN結合型鎖のための付加的部位を有する類似体をコードするものも本発明に
含まれる。糖質のための結合部位を作製、欠失および/または変更する目的でmp
lリガンドDNA配列に変更を導入するために用いられる手順は実施例4および14に
開示されている。
【0036】 これらのmplリガンド類似体は、外来DNA配列の発現によって、すなわち組換え
DNA技術によって産生された産物であり得る。これらの類似体は、化学的に合成 された産物であっても方法の組合せによって製造されたものでもよい。外来DNA 配列は、mplリガンド類似体をコードするcDNA、ゲノムDNAまたは化学合成された
DNAを含む。組換えDNAプラスミドおよびかかる類似体の発現に有用な真核宿主細
胞も提供される。発現ベクターとしては、真核宿主細胞においてクローンDNA配 列を発現する能力を有する任意のベクター、特に、COSおよびCHO細胞における発
現に用いられるベクターが挙げられる。そのようなベクターとしては、例えば、
プラスミドpDSRαおよびpDSRα2が挙げられる。Mol. Cell. Biol. 8:466-472(19
88); WO 91/13160(1991); およびWO 90/14363(1990)を参照されたい。mplリガン
ド類似体を発現するCOSおよびCHO宿主細胞の培養は、当業者に公知の標準的な手
順を用いて実施した。
【0037】 mplリガンドに結合した糖鎖の数、タイプ、位置、または量を変更することに より、可溶性を増大させ、タンパク質分解に対する耐性を増大させ、免疫原性を
軽減させ、血清半減期を増大させ、生物活性を増大または変更させるなどの都合
のよい特性が付与され得る。
【0038】 mplリガンド類似体N2〜N15(N1はヒトmplリガンド1〜174であり、図2を参照 されたい)を発現するCOS細胞からのならし培地を、in vitro生物活性について 分析した。その結果を表4に示す。
【0039】 mplリガンド類似体/先端切断物N15-N40を発現するCOS細胞からのならし培地 を、in vitro生物活性について分析した。その結果を表7に示す。
【0040】 種々の形態についてのin vivo生物活性の結果を図11に示す(実施例13参照) 。本発明の別の実施形態は、mplリガンドまたは1分子当たりシアル酸を一定数よ
りも多く、例えば、真核細胞において自然にまたは組換えにより産生されるmpl リガンド1〜332、1〜199、1〜191、1〜183、1〜174、1〜163、1〜153、1〜152、
または1〜151に見出される数よりも多く含むmplリガンドの類似体を選択的に合 成する哺乳動物(例えばチャイニーズハムスター卵巣、CHO)宿主細胞に関する。
類似体N4およびN15のin vitro活性、ならびにCHO細胞に発現される全長および種
々の先端切断種を表5に示す。
【0041】 mplリガンド分子のシアル酸含量はそのin vivo生物活性に影響を与え得る。例
えば、テトラアンテナ型(tetraantennary)(4分枝型)のN結合型オリゴ糖は、
最も一般的にはシアル酸結合の可能性のある部位を4個付与するものであり、一
方ビアンテナ型およびトリアンテナ型オリゴ糖は、アスパラギン様部位のテトラ
アンテナ形態を置換し得るが、一般的にせいぜい2個か3個しかシアル酸を結合
させない。O結合型オリゴ糖は一般的にシアル酸結合のための部位を2個もたら
す。したがって、O結合型糖質がN結合型糖質で置換されたmplリガンド分子は 、N結合型オリゴ糖はテトラアンテナ型であるので、鎖当たり2個の付加的なシ
アル酸を収容することができる。哺乳動物細胞培養物を、組換えmplリガンドに 選択的にテトラアンテナ型鎖を付加し、それによってシアル酸結合のための部位
の数を最大化する細胞についてスクリーニングする。
【0042】 ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)欠乏チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞 は、組換えmplリガンドを含む組換え糖タンパク質の産生に対して一般的に用い られる宿主細胞である。
【0043】 本発明は、治療有効量のmplリガンド類似体、ならびにmplリガンド治療に有効
な適当な希釈剤、アジュバントおよび/または担体を含む組成物をさらに含む。
「治療有効量」とは、本明細書で用いられる場合、所与の症状および投与レジメ
に治療的効果をもたらす量を意味する。
【0044】 本発明の組成物は腹腔内全身投与することができる。一方、組成物を静脈内ま
たは皮下投与してもよい。全身投与する場合には、本発明で使用するための治療
組成物はパイロジェンフリーの腹腔内的に許容される水溶液の剤形であり得る。
そのような製薬上許容されるタンパク質溶液の調製は、pH、等張性、安定性など
に関して当業者の技量に含まれる。特定の経路の選択は治療される症状に依存す
るであろう。1種または複数種のmplリガンド類似体の投与は、ヒト血清アルブ ミンのような適当な担体、緩衝化食塩水のような適当な希釈剤、および/または
適当なアジュバントを含む製剤の一部として行われる。必要な投薬量は、患者の
血小板レベルを上昇させるのに十分な量であり、治療される症状の重篤度、用い
られる投与方法などによって変動する。
【0045】 本発明の方法および組成物によって治療される症状は、一般的に、巨核球/血
小板欠乏が生じているか、または将来巨核球/血小板欠乏が予想される(例えば
手術計画中のためなど)症状である。これらの組成物および方法は、提供に利用
可能な血小板の数を増大させるために、個体において循環血小板の数を増大させ
ることにも有用であり得る。そのような症状は、通常、活性mplリガンドのin vi
voでの欠乏(一時的または永久的)の結果である。血小板欠乏の総称的な用語は
血小板減少症であり、よって本発明の方法および組成物は、一般に血小板減少症
の治療に利用可能である。
【0046】 血小板減少症(血小板欠乏)には、化学療法、骨髄移植、および種々の薬物に
よるその他の治療、放射線治療、手術、偶発的血液損失、ならびにその他の特定
の疾病症状のような種々の原因があり得る。血小板減少症を伴い、本発明により
治療され得る代表的な特定の疾病症状は、再生不良性貧血、特発性血小板減少性
紫斑病、血小板減少症を引き起こす転移性腫瘍、全身性エリテマトーデス、巨脾
腫症、ファンコーニ症候群、ビタミンB12欠乏症、葉酸欠乏症、メイ-ヘグリン異
常、ヴィスコット-オールドリッチ症候群、ならびに発作性夜間血色素尿症であ る。また、一定のAIDS治療も血小板減少症の原因となる(例えばAZT)。一定の 創傷治癒障害も、血小板数の増大の恩恵を受け得る。
【0047】 例えば将来の手術または血小板減少症を誘発する治療により予想される血小板
欠乏に関して、血小板が必要になる前に本発明のmplリガンド類似体を数日間〜 数時間投与することができる。急性状態、例えば偶発的および大量血液損失に関
して、mplリガンド類似体を血液または精製血小板とともに投与することができ る。
【0048】 上記の症状を治療するための方法に関与する投薬レジメは、薬物の作用に変更
を加える種々の要因、例えば患者の年齢、症状、体重、性別および食事、任意の
感染の重篤度、投与時間、ならびにその他の臨床的要因を考慮して、担当医によ
って決定される。一般的に、日常レジメは体重1キログラム当たりmplリガンド 類似体0.01〜1000ミリグラムの範囲であり、好ましくは体重1キログラム当たり
0.1〜10ミリグラムである。
【0049】 本発明の治療方法、組成物およびポリペプチドは、その他の症状ならびに血小
板欠乏に特性付けられる疾病状態の治療において、単独で用いてもよく、または
その他のサイトカイン、可溶性mpl(すなわちmplリガンド)受容体、造血因子、
インターロイキン、増殖因子または抗体と組み合せて用いてもよい。mplリガン ド類似体分子は、IL-3またはGM-CSFのような造血の一般的刺激物質と組み合せて
血小板減少症のいくつかの形態を治療するのに有用であることが判明すると予想
される。その他の巨核球刺激因子、すなわちmeg-CSF、幹細胞因子(SCF)、白血病
抑制因子(LIF)、オンコスタチンM(OSM)、または巨核球刺激活性を有するその他 の分子もmplリガンドとともに用いられ得る。かかる同時投与のためのさらなる 代表的なサイトカインまたは造血因子としては、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、
IL-4、IL-5、IL-6、IL-11、コロニー刺激因子-1(CSF-1)、GM-CSF、顆粒球コロニ
ー刺激因子(G-CSF)、EPO、インターフェロン-α(IFN-α)、IFN-β、またはIFN- γが挙げられる。有効量の可溶性哺乳動物Mpl受容体を同時にまたは連続して投 与することもさらに有用であり得る。この受容体は、巨核球が一度成熟体に達し
たら、巨核球に血小板への断片化を引き起こす作用を有すると考えられている。
したがって、mplリガンド類似体を投与(成熟巨核球の数の増大のための投与) した後に可溶性mpl受容体を投与(類似体を不活性化し、成熟巨核球に血小板を 産生させるための投与)することは、血小板産生を刺激する特に効率的な手段で
あると予想される。上に列挙した投薬量を調節して治療組成物中のそのような追
加の成分を補う。治療された患者の経過は通常の方法によって監視することがで
きる。
【0050】 本発明の類似体をさらに修飾することにより、例えば活性、安定性、半減期な
どを増大させることもできる。例えば、ペギレーション(pegylation)(ポリ-ま たはモノ-)をタンパク質上のアミノ基または糖質基を介してmplリガンド類似体
に付加することができる。また、脂肪酸またはその他のポリマーをタンパク質ま
たは糖質基に結合することもできる。
【0051】 下記の実施例は、本発明をより十分に説明するために提供するものであるが、
本発明の範囲を限定するものと解されるべきではない。実施例で用いたバイオア
ッセイに使用したmplリガンド標準は、E.coliで発現させ、活性コンホメーショ ンにリフォールティングさせ、精製した組換えmplリガンド標準である。したが って、相対的比活性のみが測定される。
【0052】 (実施例1) Mplリガンド1-174の構築 図2の(S-P-A-P-P-A...で開始する)アミノ酸1-174をコードするヒトmplリガ
ンド遺伝子を、ヒト胎児肝cDNAライブラリー(Bartleyら, Cell 77: 1117-1124
(1994))からポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により作製した。該5'PCRプライマー
はヒトmplリガンドのアミノ末端、XbaI部位、および最適化Kozak配列をコードし
ていた。該3'プライマーは、終結コドンおよびSalI制限酵素切断部位を含有して
いた。増幅したDNA断片をXbaIおよびSalIで消化し、その後、XbaIおよびSalIで 切断したpDSRα2にライゲートした。得られたプラスミド、pDSRα2 mplリガンド
1-174を哺乳類細胞発現のために使った。得られた遺伝子(シグナルペプチドを 含む)の配列を図2に示す。
【0053】 mplリガンド1-174を含有するプラスミドDNAをXbaIおよびSalI制限酵素で消化 し、得られたDNA断片をアガロースゲル電気泳動にかけ、そしてGeneCleanTMキッ
トおよび製造者(BIO 101, Inc.)から供給された方法を用いて、605ヌクレオチ
ドmplリガンド1-174DNA断片をゲルから単離した。WO 90/14363 (1990)に記載さ れたプラスミドpDSRα2もXbaIおよびSalI制限酵素で消化し、ベクター断片を回 収した。2つの断片をライゲートすることにより、pDSRα2(mplリガンド1-174 )を得た。
【0054】 (実施例2) CHO細胞におけるMplリガンド1-174の発現および精製 ジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損(DHFR-)チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細
胞を、pDSRα2-mplリガンド1-174でトランスフェクトした。100mm組織培養皿で 、トランスフェクション前日にCHO D-培地(DMEM, 10%ウシ胎児血清, 1%ペニシ リン/ストレプトマイシン/グルタミン, 1%非必須アミノ酸(Gibco)および1%HT 補給物(Gibco))中で増殖した1 x 106 CHO DHFR-細胞を平板培養した。4回の
トランスフェクションを実施した。それぞれのトランスフェクションに際して、
プラスミドDNA(50μg)をPvu Iおよび緩衝液H(Boehringer Mannheim)で消化 して線状化した。その後、DNA沈降物を形成させ、哺乳類細胞トランスフェクシ ョンキット(Speciality Media)により滴状でプレートに加えた。組織培養イン
キュベーター中に24時間置いた後、培地を新鮮CHO D-培地と置き換えた。24時間
後、該細胞を、1ウェル当りCHO選択培地(D-MEM、5%透析ウシ胎児血清、1%ペニ
シリン/ストレプトマイシン/グルタミン、1%非必須アミノ酸(Gibco))100ulと
ともに96ウェル組織培養プレートに分割し、形質転換体を選択した。コロニーが
現れるまで培地を毎週変えた。2週間後、mplリガンド発現を、以下に記載した3
2D細胞増殖アッセイ(実施例9を参照すること)を用いてスクリーニングした。
1 x 105単位/mlより過剰に発現するクローンを増やして低温貯蔵で凍結した。1
つのクローンを回転ボトル培養生産で増やしてほぼ8リットルのならし培地(con
ditioned medium)を生産した。
【0055】 mplリガンド1-174 cDNAを含有するプラスミドpDSRα2を、上に説明したように
、DHFR欠損CHO細胞にトランスフェクトした。mplリガンド1-174を発現するCHO細
胞を接種した回転ボトルからの無血清CHO細胞ならし培地(50%D-MEM,50% HAMS-F
12, 1%ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン, 1%非必須アミノ酸(Gibco ))2リットルを、2L Amiconモデル2000で攪拌した細胞および10,000ダルトン分
子量カットオフ膜(YM10, Amicon)を用いて、15倍に濃縮した。その後、45mlの
濃縮ならし培地を、Pharmacia FPLCを使い、0.4ml/分の流速で直接4ml hu-MPL-X
アフィニティーカラムに供給した。アフィニティカラムは、製造業者が推奨した
ように、Pharmacia CNBr活性化Sepharose樹脂1ml当りMpl-X(mpl受容体の可溶性
細胞外ドメイン)1.5-2.5mgをカップリングして構築した。供給後、カラムをリ ン酸緩衝化生理食塩水(PBS; 10mM Na・PO4, pH 6.8 / 150 mM NaCl)16mlで、 その後、10mM Tris, pH8.0 / 1M NaCl 24mlで洗浄した。Mplリガンド(1-174)を 、20mM CAPS(3-[シクロヘキシルアミノ]-1-プロパンスルホン酸)pH 10.5 / 1M
NaCl / 5mM CHAPS(3-[(3-コラミドプロピル)-ジメチルアンモニオ]-1-プロパ ンスルホナート)40mlによって溶出し、6mlごとの画分とした。第2画分は14%SD
Sゲル上に単一バンドを生じた。この物質を濃縮し、0.9%NaClの塩類溶液に対し
て緩衝液を交換すると、in vitroおよびin vivo生物活性があった。CHO細胞が発
現したmplリガンドの他の型(form)を同様な方法で精製した。
【0056】 (実施例3) 組換えヒトMplリガンドのin vivo生物活性 様々な型のmplリガンドで処理したマウスの血小板数を測定した。CHO誘導mpl リガンド1-332、1-174、1-163、および1-153を生産し、Mpl受容体アフィニティ クロマトグラフィーにより精製した。大腸菌(E. coli)誘導Met-Lys-mplリガン ド1-332、Met-Lys-mplリガンド1-174、Met-Lys-mplリガンド1-163、およびMet-L
ys-mplリガンド1-153を生産して、通常のクロマトグラフィーにより精製した。
【0057】 図4は、様々な型のCHO細胞誘導(実線)または大腸菌(E. coli)誘導(破線 )組換えヒトmplリガンドで処理したマウスからの血小板数を示す。正常、雌性B
alb/cマウスに、示した濃度のmplリガンドを5日間連続して皮下注射した。最後
の注射の24時間後に尾静脈の小さな水平方向の切り口(small lateral cut)か ら試験採血した。血球分析を、Sysmex電子血球分析計(Baxter Diagnostics, In
c. Irvine, CA)により実施した。データを4動物の測定値の平均、+/-平均の標 準誤差として表した。全白血球数または赤血球数のような他の血球パラメーター
はこの処理の影響を受けなかった(データは示してない)。
【0058】 この結果は、CHO細胞が発現したmplリガンドの型は、大腸菌(E. coli)で生産
されたmplリガンドの同じ型と比較して、in vivo活性が増大していることを示す
。実施例6で記載するように、CHO細胞が発現したmplリガンドの型は全てNおよ び/またはO結合型糖質を含有し、そして大腸菌(E. coli)発現mplリガンド型は
含有しない。これは、糖質がmplリガンドのin vivo活性を増大させることを示す
。糖質により付与されるin vivo活性の増加は、循環半減期の増加、安定性の増 加、またはその両方の組合わせの結果であろう。
【0059】 (実施例4) Mplリガンド類似体N2-N15の構築 mplリガンドの付加的グリコシル化部位を作製する方法を以下に記載する。
【0060】 次のオリゴヌクレオチドプライマーを合成してin vitro突然変異誘発に使い、
類似体N2-N14を調製した(これら類似体の構造については表1を参照すること) :
【0061】
【0062】 m13mp18 mplリガンド1-174を構築するために、図2の遺伝子を、XbaIおよびSa
lI制限酵素で消化したm13mp18 DNA中に導入した。1本鎖DNAを、クンケルら(Kun
kelら, Methods in Enzymol. 154:367 (1987))およびメシング(Messing, Meth
ods in Enzymol. 101:20 (1983))により記載されたように、m13mp18(mplリガ ンド1-174)に感染した大腸菌(E. coli)株RZ1032の上清から、回収した。in vi
tro突然変異誘発のために、1本鎖DNAのほぼ0.5μgおよび上記合成プライマーの 1つの0.125pmolを、緩衝液(250mM Tris pH 7.8, 50mM MgCl2, 50mM ジチオト レイトールおよび1% ウシ血清アルブミン(BSA-Parmacia))6μlと混合した。 プライマーは、添加前に予めATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼによりキナ ーゼ処理しておいた。プライマーの鋳型へのアニーリングのために、反応容積を
水で10μlに調節し、該混合物を65℃に5分間加熱し、その後、室温に冷却した。
伸長反応のために、dTTP、dATP、dGTPおよびdCTPそれぞれの2.5μlならびに1ml
ATP(全て10μM)を加え、その後、大腸菌(E. coli)DNAポリメラーゼ(クレノ
ウ断片)の1μl(1単位)およびT4 DNAリガーゼの1μl(1単位)を加えた。その
後、該混合物を、一夜、14℃でインキュベートし、これを用いて大腸菌(E.coli
)JM109(Yanisch-Perronら, Gene 33, 103 (1985))を記載されたように(Messi
ng,前掲)形質転換した。
【0063】 変異体クローンをディファレンシャルハイブリダイゼーションにより同定する
ために、栄養寒天上のプラークを遺伝子スクリーンフィルター(New England Nu
clear)に移した。DNAを、自動架橋モード(auto cross-link mode)を使いUV S
tratalinker Model 1800(Stratagene)中で照射することにより、フィルターに
架橋させた。その後、6 x 1%SDSを含有するSSC(0.9M NaCl/0.09M クエン酸Na) 中で、1時間、60℃でインキュベートした。ハイブリダイゼーションのために、
上記オリゴヌクレオチドプライマー(8 pmol)をT4ポリヌクレオチドキナーゼお
よびγ32P標識ATPで末端標識し、フィルターとともに一夜、6 x SSC、0.5% SDS および125 ug/mlニシン精子DNA中でインキュベートした。ハイブリダイゼーショ
ン温度は、オリゴヌクレオチド融点の予測値によって選んだ。一般的に、ハイブ
リダイゼーション温度は融点より約10℃低い。翌日、フィルターを6 x SSC/1% S
DSによりハイブリダイゼーション温度で2回洗浄し、その後、6 x SSCによりハ イブリダイゼーション温度で2回洗浄し、そしてオートラジオグラフィにかけた
。もし必要があれば、その後、野生型mplリガンドcDNA配列を有するプラークに 対するハイブリダイゼーションがほとんどまたは全く検出されなくなるまでフィ
ルターを6 x SSCで温度を上げながら洗浄した。これらの条件下でポジティブハ イブリダイゼーションシグナルを与えるクローンを同定し、JM109に再トランス フェクトして純粋クローンを単離した。ジデオキシ鎖終結配列分析により、突然
変異が存在することが示された。
【0064】 所望の改変を有する二本鎖m13 mplリガンド1-174DNAを、JM109トランスフェク
ト細胞から、QIAGENキット(Chatsworth CA.)で、製造業者から供給された方法
を用いて回収した。該DNAを、XbaIおよびSalIで消化し、605 bp mplリガンドDNA
断片を単離した。pDSRα2を、XbaIおよびSalIで消化した。該ベクター断片を単 離し、上記のmplリガンド断片にライゲートした。組換えプラスミドを制限分析 (restriction analysis)により同定した。得られたプラスミド(mpl リガンド
1-174-NXと呼び、ここでNXは類似体番号である)は、変更されたアミノ酸残基を
示した位置に有するmplリガンド類似体をコードするDNAを含有する。その後、得
られたプラスミドを、再び配列決定して所望の突然変異の存在を確認した。
【0065】 2個のN結合型グリコシル化部位が30位および120位に付加された類似体N15を 構築した。Asn30およびThr32突然変異を含有するpDSRα2 mplリガンド174-N4をX
baIおよびPstI制限酵素で消化し、約385個のヌクレオチドのDNA断片を単離した 。Asn120およびThr122突然変異を含有するpDSRα2 mplリガンド174-N10を、PstI
およびSalI制限酵素で消化し、約220個のヌクレオチドの DNA断片を単離した。p
DSRα2をXbaIおよびSalIで消化した。ベクター断片を単離し、上記のmplリガン ド断片にライゲートした。こうして、Asn30、Thr32、Asn120およびThr122置換を
含有するpDSRα2 mplリガンド174-N15を得た。
【0066】 これらの一般的方法を用いて表1に示したmplリガンド類似体を構築した。各 類似体のDNA配列の改変を示した;他の点では、突然変異誘発に使われたオリゴ ヌクレオチドプライマーは、ヒトmplリガンドの配列に相補的な配列を有した。
【0067】
【表1】
【0068】 注記:本明細書では、類似体N2-N15は類似体2-15と同義である。さらに、本明細
書では、例えば、[Asn22]mplリガンドは、対象とされる特定mplリガンド種の22 位のアミノ酸が、アスパラギンに置換されていることを意味し、該mplリガンド は好ましくは少なくとも図1のアミノ酸7-151を有するヒト配列である(本明細 書で上に説明した好ましいヒトmplリガンド配列を含む)。したがって、mplリガ
ンド1-174(ヒト配列)の位置22にあるロイシン残基をアスパラギン残基に置換 することにより、[Asn22]mplリガンド1-174で表すことができるmplリガンド類似
体が得られる。
【0069】 pDSRα2 1-174-NXで表すプラスミド(ここにNXは類似体番号である)を、mpl リガンドDNAをpDSRα2に挿入することにより構築した。該発現ベクターpDSRα2 は一般的にWO 90/14363(1990)に記載されている。pDSRα2 mplリガンド1-174-NX
プラスミドを、XbaIおよびSalIによりpDSRα2を消化して作った。該ベクター断 片を単離し、所望の配列を含有する約605bp断片にライゲートした。
【0070】 (実施例5) COS細胞中のMplリガンドおよびMplリガンドN1-N15の発現 ヒトmplリガンドおよび表1記載のmplリガンド類似体のcDNAクローンを、COS-
1細胞(ATCC番号 CRL-1650)中にエレクトロポレーションによりトランスフェク
トした。COS-1細胞をセミコンフルエントのディッシュから収穫し、培地(10%ウ
シ胎児血清および1% L-グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシン(Irvine Sci
entific)を含有するダルベッコ修正基本培地(Dulbecco's modified essential
medium))で洗浄し、そして6 x 106細胞/mlで再懸濁した。細胞 0.5mlを0.2cm エレクトロポレーションキュベット(Bio-Rad)に移し、BTX エレクトロポレー ションシステムElectrocell Manipulator 600により、650 uFおよび低ボルト設 定の130 voltで、mplリガンド類似体をコードするプラスミドDNA 50μgとともに
エレクトロポレートした。エレクトロポレーションした細胞を、培地10mlの入っ
た100mm組織培養皿上で平板培養した。平板培養の12-24時間後に培地を新しい培
地10mlと置き換えた。該ならし培地を、エレクトロポレーションの3-5日後に回 収した。
【0071】 (実施例6) MplリガンドおよびMplリガンドN1-N15の特性決定 A. 糖質付加の測定 実施例5に記載したmplリガンド類似体cDNAでトランスフェクトしたCOS細胞由
来の約30-60 ngの mplリガンドまたはmplリガンド類似体を含有するある一定容 積の上清を、一夜、室温でウサギ抗mplリガンドポリクローナル抗体により免疫 沈降させた。発現が低いいくつかの事例では、約8-9mlの最大容積を免疫沈降に 使用した。該抗体は、大腸菌(E.coli)から発現し精製したmplリガンド1-163に 対して産生させた。0.1%アジ化ナトリウムを含有するリン酸緩衝化生理食塩水(
PBS)中に1:1プロテインA-セファロース(Sepharose)を加えた溶液30μlを、免
疫沈降物に加えて1時間室温でインキュベートした。該試料を遠心分離し、PBS で洗浄し、そしてSDS試料緩衝液(0.125 M Tris-HCl pH 6.8/ 4% SDS/ 20% グリ
セロール/ 10% β-メルカプトエタノール/ 0.001%ブロモフェノールブルー)中 に再懸濁させた。該試料を12% SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析
し、ニトロセルロースに移し、そして合成mplリガンドペプチド(例えば、図1 のアミノ酸残基47-62に対応する)に対して産生したマウス抗mplリガンドモノク
ローナル抗体を用いて、バーネットら(Burnetteら, Anal. Biochem. 112:195-2
03 (1981))およびエリオットら(Elliotら, Gene 79:167-180 (1989))が記載 したようにウェスタン分析にかけた。該mplリガンドを含有するバンドをECLキッ
トを用いて視覚化した(Amersham)。
【0072】 図5から、類似体N4、N7およびN10 DNAでトランスフェクトした細胞からのCOS
細胞上清は、ヒト配列mplリガンド174(N1)と比較してサイズが増大しているこ とがわかる。図6から、N13,N14およびN4 DNAでトランスフェクトした細胞から のCOS細胞上清も、ヒト配列mplリガンドと比較してサイズが増大していることが
わかる。このサイズの増大は、N-結合型糖鎖の指標となる。N15は2個のN-結合 型グリコシル化部位が付加されている。図6から、この類似体は、N-結合型グリ
コシル化が1個だけ付加された類似体より大きなサイズの物質であることがわか
る。タンパク質のサイズを、既知分子量のタンパク質標準を基準としてSDS-PAGE
上の移動度から概算した。図6から計算した大きなバンドの概算のサイズを表2
に示す。この結果は、N15が2個の付加的N-結合型鎖を含有することがわかる。 他の選定した類似体のウェスタンブロット分析も図6に示す。
【0073】
【表2】
【0074】 mplリガンド類似体のサイズの増大がN-結合型糖質によるものであることを示 すために実験を行った。mplリガンドを含有するCOS細胞ならし培地を免疫沈降し
、上記のようにPBSで洗浄した。その後、各チューブに10μl 0.5% SDSを加え、 各試料を3分間煮沸した。その後、次の成分を加えた:10.8μl の0.5M NaPO4 pH
8.6、5mlの7.5% nonidet P40、および3ul の250単位/ml N-グリカナーゼ(Genz
yme)。N-グリカナーゼ処理により、N-結合型糖質が除去される。試料を6時間37
℃でインキュベートした。SDS-PAGE試料緩衝液を加えて反応を停止し、その後、
上記のように、抗mplリガンドモノクローナル抗体および抗マウスECLウェスタン
検出キット(Amersham)を用いて、SDS-PAGEウェスタン分析(12%アクリルアミ ド)にかけた。ヒトmplリガンドおよびmplリガンド類似体に対するこの方法を使
ったN-結合型鎖の分析を図7に示す。N-グリカナーゼによる処理後、N4、N7およ
びN10に対するウェスタンブロット上の移動度は、N1の移動度まで低下した。予 測どおり、N-グリカナーゼによるN1の処理は、N1がN-結合型グリコシル化部位を
もたないので移動度に影響を与えなかった。これらの結果からは、観察されたサ
イズの増大はN-結合型糖質の付加によるものであることがわかる。
【0075】 B. mplリガンド上のO-結合型糖質の分析 O-結合型糖質のヒトmplリガンドへの寄与を分析するために、該タンパク質の 様々な型を上に記載したCHO細胞ならし培地から精製した。各型に、O-グリカナ ーゼ(糖ペプチドα-N-アセチルガラクトス-アミニダーゼ、Oxford GlycoSystem
s)による+/-処理を行った。O-グリカナーゼは、糖タンパク質からO-結合型糖質
を除去する。各型の大腸菌(E.coli)発現バージョンを非グリコシル化対照とし て使った。O-結合型糖質が寄与する分子量における相違を解明するために、最初
に、N-結合型糖質をどれも除去する必要があった。全長バージョンのmplリガン ド1-332はN-結合型糖質を含有するので、CHO細胞発現全長試料はN-グリカナーゼ
(ペプチド-N4-(N-アセチル-β-グルコサミニル)アスパラギンアミダーゼ)処理
を受け、この処理は、N-グリカナーゼ処理が一夜インキュベーションであったこ
とを除くとCOS細胞発現mplリガンド類似体に対して先に記載したとおりである。
【0076】 全長(1-332)mplリガンドに対するO-グリカナーゼ処理を進める前に、1/15容量
の100mM酢酸、pH2.2を用いて試料のpH範囲をpH 6.0-pH 7.0に調整した。1μgの
タンパク質をSDS中で3分間煮沸して変性し、そして、1 mM酢酸カルシウム、pH 6
.8および20 mMリン酸カルシウム、pH 6.8中で1 U/mlノイラミニダーゼ(Arthrob
acter urefaciens由来のシアリダーゼ、Boehringer Mannheim)とともに37℃で6
0分間、インキュベートした。
【0077】 続いて、O-グリカナーゼによる処理を、100 ulの最終容量で酵素5 mUを加える
ことにより行い、続いて一夜、37℃でインキュベートした。タンパク質(0.2 ug
/レーン)をSDS-PAGE(15%アクリルアミド)により分離した。その後、0.2 umニ
トロセルロースに移し、一夜、抗mplリガンドポリクローナル抗体とともにイン キュベーションした後、mplリガンドタンパク質を抗ウサギECLウェスタン検出キ
ット(Amersham)を用いて視覚化した。
【0078】 図3は、ヒトmplリガンドの4つの異なる型のウェスタンブロットを示す。全 長mplリガンド1-332はレーン1-3に、mplリガンド1-174はレーン4-6に、mplリガ ンド1-163はレーン7-9に、mplリガンド1-153はレーン10-12に示した。レーン2、
5、8、および11に示されたノイラミニダーゼおよびO-グリカナーゼによる処理に
より、分子量は、非グリコシル化物のレーン3、6、9、および12まで低下した。 いずれの場合も、移動度は大腸菌(E.coli)発現非グリコシル化バージョンの移 動度まで増加した。これらの結果から、レーン1、4、7、および10のより大きな サイズのバンドは、O-結合型糖質によるものであることがわかる。各バンドの分
子量を、それらの移動度と既知分子量のタンパク質を比較することによって概算
した。
【0079】 様々なタンパク質の概算的な分子量を示す表3に見られるように、移動度の明
らかなシフトにより、mplリガンド1-332に対しては14個のO-結合型糖鎖(950ダ ルトン/鎖と仮定して)、mplリガンド1-174に対しては9個の鎖、mplリガンド1-1
63に対して4個の鎖、およびmplリガンド1-153に対しては2個の鎖があることが説
明され得る。レーン2の試料は全長mplリガンド1-332である。このタンパク質は
、恐らく37℃の糖酵素中での延長インキュベーションによって分解されたと考え
られる。そこで、レーン3の大腸菌(E.coli)発現非グリコシル化バージョンを 用いて、CHO細胞発現mplリガンド1-332に付加されたO-結合型糖質の近似分子量 を計算した。
【0080】 これらの結果は、試験したmplリガンドの全てのCHO発現型に糖質が存在するこ
とと一致する。CHO細胞発現mplリガンド1-332、1-174、および1-163についてのO
-結合型糖質の存在は、単糖組成の直接分析により確認した。シアル酸、GalNAc およびGalを酸加水分解によって糖タンパク質から放出させた。この単糖類を高 圧陰イオン交換クロマトグラフィーおよびパルスアンペロメトリーにより検出し
た。3種の糖類の全てがmplリガンドの各型において検出された。この結果は、O
-結合型糖質を含有するシアル酸の存在の指標となる。このデータは図4に示し たin vivoデータと相関があり、mplリガンドのCHO細胞発現型は全て、大腸菌(E
.coli)で発現された等価の型よりin vivo活性が高かった。したがって、糖質の 存在は、mplリガンドのin vivo活性を増加させる。
【0081】
【表3】
【0082】 (実施例7) MplリガンドELISAアッセイ ポリクローナル抗体生産--ニュージーランド白ウサギ(New Zealand White ra
bbit)を、3ヶ月間にわたって、大腸菌(E.coli)で生産した組換えヒトmplリガ ンド1-163により高度免疫感作した。高い抗体力価を示す6匹のウサギからの抗血
清をプールし、特異的抗mplリガンド抗体をアフィニティ精製した。
【0083】 アフィニティ精製--組換えヒトmplリガンド1-163を、Actigel-ALD(Sterogene
Bioseparations, Inc.)に、製造業者の取扱説明書にしたがって共有結合させ た。ウサギ抗血清プールのアリコートをmplリガンドアフィニティゲルに加え、 そして該スラリーを、ロッカープラットホーム(rocker platform)上で一夜、4
-8℃で静かに攪拌した。非結合血清タンパク質をゲル床からPBSで洗浄し、その 後、特異的に結合した抗mplリガンド抗体をImmunoPure Gentle Ag/Ab 溶出緩衝 液(Pierce Chemical Co.)で溶出した。回収した抗体をPBSに対してPBSを何回 か取替えて透析し、その後、該抗体溶液をAmicon攪拌細胞限外濾過ユニットで濃
縮し、得られた抗体濃縮物を特異的抗mplリガンド抗体の供給源としてその後の ウェルコーティングおよび酵素結合体調製に使用した。
【0084】 ELISA試薬--Immulon 4 Removawell Strips(Dynatech Laboratories, Inc.) を、アフィニティ精製したウサギ抗mplリガンド抗体でコーティングした。アフ ィニティ精製抗体を(新しくpH約8.2に調製した)0.1 M重炭酸ナトリウムに希釈
して2.5 ug/mlの濃度にした。各ウェルに100 ulの抗体を入れ、プレートを24時 間、室温で密閉し加湿した室内でインキュベートした。その後、TEN(50 mM Tri
s 7.4/10mM EDTA/150 mM NaCl)中の1%ウシ胎児血清、5%スクロースからなるブ ロッキング溶液200 ulを各ウェルに加え、プレートをさらに24時間、室温の密閉
し加湿した室内でインキュベートした。混合されたコーティングおよびブロッキ
ング溶液をウェルから除去した。さらに、次のオーバーコーティング/ブロッキ
ング工程を行った:PBS中のSuperBlockブロッキング緩衝液(Pierce Chemical C
o.)300ulを各ウェルに加えた。室温で約5分間静置後、この溶液を除去し、ウェ
ルを室温で24時間、空気乾燥した。コートしたウェルは、mplリガンドELISAに使
用するまで、密閉プラスチックバッグに4-8℃で貯蔵した。
【0085】 ウサギ抗血清プールから得たアフィニティ精製した抗mplリガンド抗体を、西 洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO:horseraddish peroxidase)と共有結合させて
シグナル発生抗体として使用した。アフィニティ精製した抗体をイミノチオラン
HCl(Fluka Chemical Corp.)で誘導体化した。別に、HRPOをN-スクシンイミジ ル-6-マレイミドカプロアート(Fluka Chemical Corp.)で誘導体化した。この 2つの活性化タンパク質を混合して共有結合カップリングさせた。その後、反応
混合物をFPLC Superose 6(Pharmacia)カラムのクロマトグラフィーにかけ、所
望の分子量(すなわち約200 kD)の抗体:HRPO結合体を単離した。所望の結合体
を含有する画分を一緒にしてCentricon 30(Amicon Division, W.R. Grace & Co
.)で濃縮し、50%グリセロール溶液として-20℃で貯蔵した。この抗mplリガンド
Ab:HRPO濃縮物をPBS中の2%ウシ胎児血清中に希釈してELISAに使用した。ELISA で使用した結合体の最終濃度は250-500 ng/mlであった。
【0086】 大腸菌(E.coli)細胞中で生産した組換えヒトmplリガンド1-163を標準の調製 に使用した。このmplリガンドを、0.05%チメロサールを保存剤として含有するTE
N緩衝液中の2%ウシ胎児血清(Sigma Chemical Co.)中に希釈した。調製した標 準は、1.0、0.5、0.25、0.125および0.062 ng/ml mplリガンドを含有していた。
【0087】 アッセイ--mplリガンド標準または試料100ulをウェルに加え、その後、18-24 時間、室温の密閉し加湿した室内でインキュベートした。その後、ウェル内容物
および残留溶液を除去し、ウェルを洗浄溶液(TEN緩衝液中の0.05% Tween 20) で1回洗浄した。抗mplリガンドAb:HRPO結合体溶液(100 ul)を各ウェルに加え
、その後、2時間、室温の密閉し加湿した室内でインキュベートした。その後、 ウェル内容物を除去し、TEN緩衝液中の0.05% Tween 20で、4回洗浄した。
【0088】 発色のためにTMB/過酸化物基質溶液(Kirkegaard & Perry Solutions A & B混
合1:1)100ulを加えて、20分間室温でインキュベートした。反応を停止溶液(0.
5 N硫酸)100 ulを加えて停止し、450nmの吸光度をマイクロタイタープレートリ
ーダーで読みとった。試料のmplリガンド濃度を、曲線適合(curve fit)プログラ
ムを用いて作製した標準曲線から計算した。
【0089】 (実施例8) 短期液体培養巨核球アッセイにおけるMplリガンド1-174類似体の生物活性 mplリガンド1-174類似体を上に記載のとおり調製し、液体培養中の巨核球増殖
を刺激する能力についてアッセイした。ヒト白血球搬出ユニット(human leukap
heresis unit)(Niholら, Stem Cells 12: 494-505 (1994))から単離したCD34選
択細胞を、培地(IMDM / 1% Pen-Strepグルタミン / 1%非必須アミノ酸 / 1% ME
M ピルビン酸ナトリウム / 1% MEM ビタミン / 10% 脱イオンBSA / 10%正常ヒト
AB血漿 / 10 uM α-チアシルグリセロール / 20 ug/ml L-アスパラギン)中に2
x 105/mlで平板培養した。さらに、mplリガンド(1-174)またはmplリガンド1-174
類似体を含有するCOS-1ならし培地1.5 ulを、各ウェルに加えた。最終容積は、T
erasaki型マイクロタイター組織培養プレート(Vangard International)中で15
ulとした。細胞を5% CO2中の加湿したボックス内で37℃で8日間インキュベート
し、1%グルタールアルデヒドで培養ウェルに直接固定し、その後、抗GPIb、抗G
PIIb、(Biodesign)および抗GPIb(Dako, Carpinteria, CA)からなるモノク ローナル抗体カクテルとともにインキュベートした。該免疫反応をストレプトア
ビジン-β-ガラクトキシダーゼ検出システム(histoMark, Kirkegaard and Perr
y)で発色させた。暗色(実写真では青色)で確認される巨核球が図8に見られ る。
【0090】 図8のパネルAおよびDはそれぞれ陽性および陰性対照である。パネルAの写真 のウェルは、野生型mplリガンド1-174 COS-1ならし培地37.5 pgを加えたもので あり、実質的な巨核球球増殖を示している。パネルDは、COS-1偽ならし培地(mo
ck conditioned medium)1.5 ulを加えたものであり、増殖は示していない。図 8のパネルBおよびCは、それぞれmplリガンド1-174類似体N7およびN10である。 パネルBはmplリガンドCOS-1ならし培地9.0 pgを加え、そして、パネルCは27 pg を加えたものであり、両方とも優れた巨核球増殖を示している。
【0091】 この実験から、試験したmplリガンド類似体がin vitroでヒト巨核球の増殖を 刺激する能力を有することがわかる。
【0092】 (実施例9) in vitro細胞増殖アッセイにおけるMplリガンド1-174類似体の生物活性 mplリガンド1-174類似体を上に記載のとおり調製し、32D-mpl細胞の増殖を刺 激する能力についてアッセイした。32D-mpl細胞を構築するために、全長ヒトmpl
受容体配列(Vigon, I.ら, PNAS 89:5640-5644 (1992))を、モロニーマウス肉 腫ウイルス(Moloney Murine Sarcoma virus)の転写プロモーターを含有する発現
ベクター中にサブクローニングした。この構築物6 ugおよび両種指向性(amphot
rophic)レトロウイルスパッケージング構築物(Landau, N.R., Littman, D.R.,
Journal of Virology 66:5110-5113 (1992))6 ugを、3 x 106 293細胞中に、C
aPO4哺乳類トランスフェクションキット(Stratagene)を用いてトランスフェク
トした。同じ細胞を2日後に再トランスフェクトし、そして4日後に再び再トラン
スフェクトした。最後のトランスフェクションの翌日に、293細胞をIL-3依存マ ウス細胞系(32D, clone 23; Greenbargerら, PNAS 80:2931-2936 (1983))とと
もに共培養した。24時間後に、32D細胞を救出し、BSA勾配でバンドを作製した(
Path-o-cyte; Miles Inc.)。細胞を1 ng/mlマウスIL-3中で増やし、その後20%
APK9血清中の増殖に対して選択した(Bartleyら, Cell 77:1117-1124 (1994)) 。細胞を、FACSによりポリクローナルウサギ抗ペプチド(MPL)血清を用いて受 容体の細胞表面発現について選別した。これらのサイトカイン依存マウス32D-mp
l細胞はmplリガンドに対して応答性がある。32D-MPL細胞を、10%胎児クローンII
血清(Hyclone Laboratories)および1.0 ng/ml muIL3を含有するMEM培地で増殖
して、細胞密度を1 x 106細胞/mlとした。細胞を遠心分離(約500XG)により回 収し、muIL3を欠く増殖培地で2回洗浄し、1 x 105細胞/mlで再懸濁した。
【0093】 12点を繋いだmplリガンド標準曲線を、mplリガンド1-163を用いて5000から1 p
g/mlまでの範囲で調製した。100ul容量の標準mplリガンドまたはアッセイ試料の
各希釈物を、再懸濁細胞100 ul(10,000細胞/ウェル)を含有する96ウェルマイ クロタイター組織培養プレートの適当なウェルに加え、加湿したインキュベータ
ー中で37℃、10% CO2でインキュベートした。48時間後、MTS試薬(水性非放射性
細胞増殖キット、Promega)40 ulを各ウェルに加え、14-18時間後、該プレート をプレートリーダーにて490 nMで読取った。試料のin vitro活性を、各試料の用
量反応曲線から計算した。1単位は、各試料において最大刺激の50%を与えるに 必要なmplリガンドの量と定義した。比活性は、生物活性(単位/ml)をmplリガ ンドELISAで測定したmplリガンド濃度(ng/ml)で除して計算した。
【0094】 COS細胞にトランスフェクトされ発現されたmplリガンド類似体の比生物活性を
表4に示した。糖質付加におけるアミノ酸置換の影響も総括した。精製ヒト配列
mplリガンドはin vitro活性を有し、該活性は上記アッセイにより測定したとこ ろ200-300単位/ngであった。表4から、N-結合型糖質が付加されたmplリガンド 類似体は、天然配列mplリガンドと同様に、(実施例6、A節で測定したように)
炭水化物鎖が付加されている場合、例えば、N4およびN10でさえ、発現されるこ とは明らかである。これらの類似体は両方とも、in vitro生物活性も完全に保持
していた。したがって、N-結合型糖質を含有するmplリガンド類似体は、通常、 哺乳類細胞において発現し得るものであり、また、それらは正常なまたは高いin
vitro生物活性を有し得るものである。
【0095】
【表4】
【0096】 注記 (a) 付加されたN-結合型鎖の数は、実施例6に記載のSDSゲル中の類似体ポリペ
プチドの移動度に基いて概算した。 (b) CHO細胞上清のmplリガンド類似体の量は、実施例に記載のELISAアッセイに
より測定した。 (c)in vitro活性は、mplリガンドに増殖を依存する32D細胞におけるチミジン摂 取の刺激を測定することによって決定した。 (d)増殖アッセイにより測定したmplリガンド類似体のin vitro活性の、mplリガ ンドELISAにより測定したmplリガンド類似体の量に対する比。 N.A. 利用可能なデータなし。
【0097】 (実施例10) Mplリガンド1-174、N4およびN15のCHO細胞における発現および精製 mplリガンド1-174、N4およびN15cDNAを含有するpDSRα2を、実施例2に記載の
プロトコルを下記の修正を施して用いて、DHFR欠失CHO細胞中にトランスフェク トした。
【0098】 各類似体にトランスフェクションを1回、実施した。トランスフェクションの
3週間後に、mplリガンド発現を、mplリガンドELISAによりスクリーニングした 。各型に対する3つの発現クローンを低温貯蔵庫で凍結した。各類似体の最高発
現クローンを回転ボトル生産により拡大した。N4に対しては、ならし培地(50%D
-MEM,50% HAMS-F12, 1%ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン, 1%非必須 アミノ酸(Gibco))7.4リットルを生産し、N15に対しては、ならし培地4.6リッ
トルを生産した。
【0099】 mplリガンド1-174(2.9L)、N4(7.4L)、N15(4.4L)を発現するCHO細胞を接種した
回転ボトルで生産した無血清CHO細胞ならし培地を、S1Y10(10,000ダルトン分子
量カットオフ)Amiconスパイラル限外濾過カートリッジを用いて、それぞれ、12
、19、12倍に濃縮した。その後、濃縮ならし培地150mlを、直接、3.3 ml hu-MPL
-X(受容体)アフィニティカラムに0.3 ml/分の流速で供給した。該アフィニテ ィカラムは、製造業者の推奨に従い、Pharmacia CNBr活性化Sepharose樹脂1ml当
りMpl-X(Mpl受容体の可溶性細胞外ドメイン(soluble extra-cellular domain ))1.0-1.5 mgをカップリングさせて構築した。培地を供給した後、カラムをリ
ン酸緩衝化生理食塩水(PBS; 10mM NaPO4、pH 6.8/150 mM NaCl)30mlで洗浄し 、その後、10mM Tris、pH8.0 / 1M NaCl / 1mM CHAPSの60mlで洗浄した。mplリ ガンド1-174を、20 mM CAPS(3-[シクロヘキシルアミノ]-1-プロパンスルホン酸
)pH 10.5 / 1M NaCl / 1mM CHAPS(3-[(3-コラミドプロピル)-ジメチルアンモニ
オ]-1-プロパンスルホナート)の30mlにより溶出した。
【0100】 各溶出画分に0.6mlの1M Tris pH 7.0を加えて、画分を中和した。SDS-PAGE分 析によって、10mM Tris, pH 8.0 / 1M NaCl 1mM CHAPSによる洗浄中に、1-174mp
lリガンドの明らかな「流出(bleeding)」が示された。溶出画分をSDS-PAGEに より分析した。mplリガンド1-174を含有する画分をプールした。その後、このア
フィニティ精製に次の変更を加えて、繰返した:0.5 mL/分供給と溶出、および1
0 mM Tris、pH 8.0 / 1M NaCl / 1mM CHAPS洗浄の除去。
【0101】 単一mplリガンドバンドを含有する全ての画分を、50 mL攪拌セルに入ったYM10
(10,000ダルトン分子量カットオフ)膜を用いて濃縮し、セントリコン装置(ce
ntricon device)に切換えた。この0.5 mL濃縮液を、直接、PBS平衡Pharmacia S
uperdex 200 HR 10/30ゲル濾過カラムへ0.25 mL/分で供給し、0.25mL画分を回収
した。(SDS-PAGE分析に基いて)単一mplリガンドバンドを含有する全ての溶出 画分をプールした。
【0102】 CHO細胞が発現したmplリガンドの他の型(N4およびN15)を同様な方法(2つ のアフィニティ精製物をプールし、1つのSuperdex 200ゲル濾過カラムに通す)
で精製した。
【0103】 (実施例11)CHO細胞発現N4およびN15に対する糖質付加の判定 N-結合型糖質がCHO細胞に発現されたmplリガンド型で含有されているかを確認
するために、ならし培地を実施例6に記載したSDS-PAGEウェスタンブロットに次
の改変を施して分析した。
【0104】 回転ボトルからのCHO D-ならし培地を使用した。試料をCentricon-10遠心濃縮
器(Amicon, Beverly, MA.)中に供給し、6000 RPMで1時間、Beckman J2-HS遠心
分離機中で固定アングルローター(JA 20.1)を使って回転した。mplリガンド類
似体の約100 ngを含有する濃縮試料の一定容積を、SDS試料緩衝液(実施例6に 記載)と共に、SDS-PAGEゲル上にロードした。糖質を含有しない大腸菌発現mpl リガンドMK 1-174もロードした。図9は、糖質の予測量と相関のある移動度の差
を示す。最速移動度の種は、Met-Lys(1-174)大腸菌(E.coli)リガンドであり、 これに続いてmplリガンド1-174(CHO)、N4(CHO)、およびN15(CHO)の順となった。
図9を参照のこと。非グリコシル化mplリガンドと比較したサイズ増加の最も納 得できる説明は、mplリガンド1-174(CHO)へはO-結合型糖質が付加され、N4(CHO)
へはO-結合型糖質と1つのN-結合型オリゴ糖が付加され、およびN15(CHO)へはO-
結合型糖質と2つのN-結合型オリゴ糖が付加されているというものである。
【0105】 分子量増加が本当にN-結合型糖鎖の付加によったことを立証する目的で、試料
をN-グリカナーゼで処理し、実施例6に記載のN-結合型糖質をすべて除去した。
各試料には、ならし培地から精製したmplリガンド類似体を約100 ng含有させた 。
【0106】 N-グリカナーゼによる処理後、N4(CHO)、およびN15(CHO)の移動度は、mplリガ
ンド1-174(CHO)の移動度まで低下した。mplリガンドMK 1-174(大腸菌)またはmpl
リガンド1-174(CHO)のN-グリカナーゼによる処理は、いずれの型もN-結合型糖質
を含有しないと予測されるため、移動度に影響を与えなかった。N-グリカナーゼ
処理と未処理とを比較したところ、N4に対するサイズ差はN-結合型糖鎖1つのサ
イズに相当し、N15に対するサイズ差は糖鎖2つのサイズに相当することが分か った。したがって、これら2つのmplリガンド型はN-結合型グリコシル化部位が 付加されているので、これらの種がCHO細胞に発現されれば、N-結合型糖質が付 加される。図10を参照のこと。
【0107】 (実施例12)CHO細胞で作製したmplリガンド類似体のin vitro生物活性 CHO細胞または大腸菌細胞から発現・精製した精製mplリガンドおよび類似体を
、in vitro生物活性について、因子依存細胞系32D-MPLおよび実施例9に記載の アッセイを使って分析した。但し、CHO細胞で生産したmplリガンド1-332を標準 とする曲線から活性を計算した。様々な型のin vitro比生物活性を表5に示す。
この表から、CHO細胞内で発現された付加的糖質を含有するmplリガンド類似体は
、in vitro生物活性を有することが明らかである。
【0108】
【表5】
【0109】 (実施例13)mplリガンド類似体のin vivo生物活性 mplリガンドの様々な型により処理したマウスから血小板数を測定し、その結 果を図11に示す。CHO-誘導mplリガンド1-332、1-174、N4、およびN15を生産し
、mpl-受容体アフィニティクロマトグラフィーにより精製した。大腸菌誘導Met-
Lys-mplリガンド1-174を生産し、通常のクロマトグラフィーにより精製した。各
型の表示濃度を正常メスBalb/cマウスに毎日1回、5日間皮下注射した。最後の注
射から24時間後に、尾静脈の小側切断部から試験採血した。血球分析を、Sysmex
電子血球分析計(Baxter Diagnostics, Inc. Irvine, CA)により実施した。デ ータを4匹の動物の測定値の平均、平均の+/-標準誤差として示す。全白血球数ま
たは赤血球数のような他の血球数パラメーターはこの処理による影響はなかった
(データは示さず)。
【0110】 全ての型によって血小板数が増加した。しかし、それぞれの型の活性は変化し
た。相対in vivo活性は、mplリガンドMK1-174(大腸菌)<mplリガンド1-174(CHO)
<N4(CHO)<mplリガンド1-332(CHO)<N15(CHO)であった。この結果より、天然に
存在しないN-結合型糖質の付加は、in vivo活性の増加をもたらすことが分かる 。さらに、糖質量の増加は、in vivo活性の比例的増加をもたらすことが分かる 。
【0111】 (実施例14)オーバーラップPCRによる、mplリガンド類似体および末端切断体N16-N40の構築 類似体N16〜N40(これら類似体の構造は表6を参照のこと)を、Chengら, PNA
S 91, 5695 (1994)のプロトコルを使って、オーバーラップPCR(ポリメラーゼ連
鎖反応)により構築した。典型的には、1〜2個の変異を各構築物に導入した。
【0112】 次のオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、類似体N16-N40を調製するのに 使用した。
【0113】
【0114】 新しいグリコシル化部位を導入する構築を2つの逐次的ステップで実施した。
ステップ1では、4つの異なるオリゴヌクレオチドを使って2つの反応を実施し
た。これらのオリゴは、5'順方向プライマー、逆方向突然変異誘発プライマー、
順方向突然変異誘発プライマー(通常、逆方向突然変異誘発プライマーに相補的
である)および逆方向3'プライマーとした。逆方向3'プライマーは、終結コドン
を導入する配列とその後にSalI制限酵素切断部位を含有した。終結コドンは175 位、184位、192位、および200位に導入した。したがって、長さ1-174、1-183(N1
6)、1-191(N17)、および1-199(N31)の型を作製することができた。PCR1には、鋳
型DNA(mplリガンド1-174配列または全長mplリガンド1-332配列を含有するpDSR α2)、5'順方向プライマーおよび逆方向突然変異誘発プライマーを使用した。P
CR2には、鋳型DNA、3'逆方向プライマーおよび順方向突然変異誘発プライマーを
使用した。その後、2つのPCR反応を実施し、増幅したDNA断片をアガロースゲル
電気泳動により分離した。正しいサイズのDNA断片を含有するアガロースの小片 をゲルから切り出した。
【0115】 PCR1およびPCR2からのDNA断片を一緒にして、第3のPCR反応を5'順方向および
3'逆方向プライマーのみを使って実施した。こうして、mplリガンドに挿入され た所望の変異を含有する全長DNAセグメントを増幅した。
【0116】 増幅した断片を再びアガロースゲル電気泳動により分離し、正しいサイズのDN
A断片をGenecleanTMキットおよび製造業者(Bio 101, Inc.)が提供する方法を 使用して精製した。精製したDNAをXbaIおよびSalIで消化し、その後、再びGenec
leanTMキットを使用して精製した。その後、該断片をXbaIおよびSalIで切断した
pDSRα2にライゲートさせた。ライゲートしたDNAを、担体tRNAの存在下で2倍容 積のエタノール(0.3M NaOAc中、pH 5.2)により沈降させ、大腸菌中に形質転換
させた。クローンを制限酵素切断分析およびアガロースゲル電気泳動により試験
して、正しいサイズのDNAインサートを含有するクローンを同定した。その後、 精製プラスミドDNAを調製し、mplリガンドインサートの配列を決定して、所望の
変異の存在を確認し、かつアミノ酸変化がさらに導入されていないことを保証し
た。
【0117】 いくつかの事例では、2つ以上の変異を同時に組合わせた(すなわち、N29、N
33、N34、N35、N39およびN40を参照のこと)。これは、既に変化を含有するDNA 中に新しい置換を導入することによって行うことができた。例えば、N33は、N23
変化をN15中に導入することにより作製した。この事例では、以上の手順はN23突
然変異誘発プライマーおよびN15鋳型DNAを用いて実施した。他の方法では、2つ
の変化を鋳型DNA中に同時に導入することが可能であった。鋳型DNAは天然の配列
を含有することができ、または既に変化を含有するmplリガンド型をコードする 配列を含有することができた。これらの事例では、ステップ1には、3つのPCR 反応および6つのオリゴが必要であった。該オリゴは、1つの5'順方向プライマ
ー、2対の順方向および逆方向突然変異誘発プライマー、および1つの逆方向3'
プライマーとした。プライマーの各対はお互いに相補的であり、1つの新しいグ
リコシル化部位を導入するように設計された配列を含有させた。
【0118】 PCR1には、鋳型DNA、5'順方向プライマーおよび対1の逆方向突然変異誘発プ ライマーを使用した。PCR2には、鋳型DNA、対1の順方向突然変異誘発プライマ ー、および対2の逆方向突然変異誘発プライマー(ここに対2プライマーは対1
プライマーの3'にある)を使用した。PCR3には、鋳型DNA、対2の順方向突然変 異誘発プライマーおよび逆方向3'プライマーを使用した。
【0119】 各PCR反応からのDNA断片を、アガロースゲル電気泳動により分離し、前記のよ
うに切り出した。その後、3つのDNA断片を一緒にして、PCRにより再び5'順方向
および3'逆方向プライマーのみを用いて増幅した。
【0120】 その後、2つの新しいグリコシル化部位を含有する配列をもつ対象の全遺伝子
をコードするDNAセグメントを精製し、XbaIおよびSalIで切断し、XbaIおよびSal
Iで切断したpDSRα2に前記のようにライゲートさせた。既に変異を含有する鋳型
でPCR反応を実施することによって多重変異を組合わせることも可能であった。 例えば、N36およびN38変化をN15鋳型DNAに導入することによって、N39を作製し た。これはN36を作製するのに使用したプライマー(N36(1))とは異なるセットの プライマー(N36(2))を用いて行った。先に説明したプライマーを参照のこと。
両方のプライマーセットは同じ変異を導入した。
【0121】 さらに長いmplリガンド型を作製することもできた。かくして、PCR3における3
'逆方向プライマー(ステップ1)およびステップ2のPCRプライマーがN31を作 製するためのプライマーであることを除けば、N39と同様な方法でN40を作製する
ことができた。このプライマーは、200位に終結コドン、その後にSalI制限酵素 切断部位を導入する。さらに、PCR3に使用する鋳型DNAは、全長mplリガンド(1-3
32)をコードする配列を含有した。
【0122】 典型的なPCR反応混合物には次のものが含まれる:順方向および逆方向プライ マー(5 pm/μl)をそれぞれ4 μl、鋳型(50 ng) 1 μl、5X LP緩衝液(100 mM ト リシン pH 8.7 / 25%グリセロール / 425 mM KOAc) 10μl、dNTPストック(dATP, dTTP, dCTP, dGTPそれぞれ 1 mM) 10 μl、rtTh ポリメラーゼ(Perkin Elmer;
2.5 U/μl) 0.8 μl、およびVentポリメラーゼ(NEB; 1X LP緩衝液中に1:100新鮮
希釈後の0.01 U/μl) 2μl。H2Oを加えて、最終容積を50μlとした。全成分を示
した順序で一緒に加え、第1サイクルの温度が60℃を越えた時点で、50mM MgOAc
を1μl加えてPCRを開始した。反応条件は次の通りとした:(94℃、10 秒 / 45℃
、1分 / 68℃、5分)を2サイクル、続いて(94℃、10秒 / 55℃、1分 / 68℃、5分
)を25サイクル。
【0123】 これらの一般的操作を使って、表6に示したmplリガンド類似体および末端切 断体N16〜N40を構築した。各型に対するDNA配列変化を示す。
【0124】
【表6】
【0125】 上表の記号「(i)」は、言及したアミノ酸が挿入されたことを意味する。例え ば、Glu57->Asn55'(i),Thr57(表6の類似体N23)は、57位のGluがThrと置き換 えられ、そしてさらに、AsnがMet直後の55位に挿入され、Asnには後続のアミノ 酸が先に割振られた番号を保持するように55'の番号がつけられていることを意 味する。
【0126】 先行例からの全ての変化を含む例は、「+」でつないだ特定の類似体番号によ り示した。N35、N39、およびN40を参照のこと。これら類似体のアミノ酸鎖長を カッコ内に示した。したがって、類似体N35は、類似体N4、N23、N30およびN31で
作製された全ての変化の組合わせを含有する。N31に対して示された変化は、類 似体N35が199アミノ酸長であることを意味する。表6の全ての類似体は、長さが
異なる場合(または、アミノ酸が挿入され、全長が挿入されたアミノ酸数だけ増
加する事例)を除いて、174アミノ酸長である。
【0127】 (実施例15)mplリガンド類似体および末端切断体N16〜N40の特性決定 A. mplリガンド類似体の発現レベルおよびin vitro生物活性の判定 エレクトロポレーション法(実施例5)またはCaPO4法(哺乳動物細胞トラン スフェクションキット;Specialty Media)を使って、種N16〜N40をCOS細胞中に
トランスフェクションした。無細胞のならし培地を3〜4日後に採集し、アリコー
トをとり、-70℃で貯蔵した。発現レベルを、実施例7に記載のELISAアッセイに
より決定した。上清も、実施例9に1つの改変を加えた方法によってアッセイし
た。活性は、CHO細胞によって発現された精製mplリガンド1-332を標準とする標 準曲線から計算した。
【0128】 結果を表7に示した。表7に示されるように、ほとんどのmplリガンド類似体 が発現され分泌された。いくつかの類似体は分泌の増加がみられた。これらの試
料のバイオアッセイからは、ほとんどの比活性が無改変型に匹敵することも判明
した。複数の類似体は、多重N-結合型糖鎖を含有した(以下参照)。これは、糖
質の付加によって、類似体の分泌および通常のin vitro活性が増加し得ることを
示している。
【0129】
【表7】
【0130】 注記 (a) 付加されたN-結合型鎖数は、SDSゲル中の類似体ポリペプチドの移動度によ
って計算した。 (b) COS細胞上清中のmplリガンド類似体の量は、EIAによって定量した。 (c) in vitro活性は、mplリガンドに増殖を依存する32D-MPL細胞の増殖を測定 することによって決定した。 (d) 増殖アッセイにより測定したmplリガンド類似体のin vitro活性の、mplリ ガンドELISAにより測定したmplリガンド類似体量に対する比。 i 挿入 NA データ取得不可
【0131】 B. 糖質付加の判定 表6に示した類似体を試験して、実施例6に記載した方法を使ってN-結合型糖
質が付加されているかを確認した。
【0132】 複数の類似体(N21、N22、N30、N33、およびN36)はまた、改変した手順によ って試験した。この改変が必要な理由は、ウェスタンブロットを行うために使用
するモノクローナル抗体が、アミノ酸残基47〜62を含むペプチドに対して産生さ
れたものであり、表6に記載した類似体のいくつか、例えばN21は、この抗体に よる免疫活性に影響を与える置換を含有するからである。したがって、これらの
類似体を分析するためには、大腸菌細胞が発現したmplリガンド1-163に対してマ
ウス中で産生したモノクローナル抗体を使って上清を免疫沈降させた。
【0133】 典型的には、抗体15μgを使って、mplリガンド類似体50 ngを免疫沈降させた 。免疫沈降物によるウェスタンブロットは、ウサギ抗mplリガンドポリクローナ ル抗体(典型的には1μg/ml;大腸菌細胞発現mplリガンド1-163に対して産生) および抗ウサギECLキット(Amersham)により該ブロットをインキュベートして 免疫沈降バンドを可視化したことを除いて、実施例6に記載のとおり実施した。
各種の実験結果を表7に示す。複数の類似体でサイズが増加しており、N-結合型
糖質の存在を示した(N21、N22、N23、N29、N30、N31、N33、N34、N35、N36、N3
8、N39、およびN40)。これらの類似体のサブセットは、1つ以上のN-結合型鎖 を有するものであった(例えば、N29、N33、N34、N35、N39およびN40)。これら
の類似体は、正常レベルまたはより高いレベルで分泌され、mplリガンド1-174に
匹敵するin vitro生物活性を有した。このことより、機能的な多重N-結合型グリ
コシル化部位を、発現または生物活性に悪影響を与えることなく、mplリガンド に導入できることが分かる。
【0134】 多重オリゴ糖鎖をmplリガンドに付加し得ることを実証するために、COS細胞中
に発現された各種類似体を、実施例6に記載したウェスタンブロットにより分析
した。図12は、付加されたN-結合型グリコシル化部位の数が増加すると、類似体
の移動度が低下することを示している。4つの新しい部位をもつ類似体、N39お よびN40を示す。最多N-結合型部位をもつ類似体は、移動度が最も遅かった。こ の結果は、mplリガンドの1-174および1-199型の両方で観察された。これは、少 なくとも4つの類似体を一緒に合わせると、多重N-結合型糖鎖をもつ新しい類似
体を得ることができることを示している。
【0135】 (実施例16)Asn-X-Serを含有するグリコシル化部位とAsn-X-Thrを含有するグリコシル化部位 の比較 N-結合型グリコシル化部位は、Asn-X-SerまたはAsn-X-Thr(ここで、XはProを
除く20種の天然アミノ酸のどれか1つであってよい)のいずれかを含む。本発明
者らは、3番目の位置にはSerまたはThrのどちらがより好ましいかを決定したい と考えた。そこで、SerまたはThrのいずれかを該小配列(sequon)の3番目の位 置に含有するmplリガンドグリコシル化類似体をそれぞれ含有するセットである 2つの類似体セットを試験して、N-結合型グリコシル化部位の占有百分率に影響
が及ぶかを調べた。N15は2つのAsn-X-Thr部位を含有し、一方、N29は正確に同 じ位置に2つのAsn-X-Ser部位を含有した。同様に、N30はAsn-X-Serを含有し、 一方、N38は同じ位置にAsn-X-Thrを有した。
【0136】 これら2つの類似体セットを比較するために、これらをCOS細胞で発現させ、 分泌されたmplリガンドを実施例6に記載のウェスタン分析にかけた。図13に その結果を示す。N15はN29と比較して、グリコシル化mplリガンドの割合が著し く増加した。これに対し、N30とN38を比較すると、グリコシル化および非グリコ
シル化mplリガンドの割合の差は非常にわずかしかなかった。これらの結果より 、Asn-X-SerおよびAsn-X-Thrは両方ともmplリガンド中に導入することができ、 両方ともN-結合型糖質の付加部位として作用し得ることが分かる。さらに、ある
事例では、Asn-X-Thr小配列がより好ましいことがある(すなわち、より効率的 にグリコシル化することができる)。
【0137】 (実施例17)オーバーラップPCRによるmplリガンド類似体および末端切断体N41-N43の構築 類似体N41、N42およびN43(これら類似体の構造は表8を参照のこと)をオー バーラップPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により、Chengら, PNAS 91, 5695 (199
4)を改良したプロトコルを用いて構築した。
【0138】 次のオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、類似体N41-N43を調製するのに 使用した。
【0139】
【0140】 mplリガンドN41およびN42を、上記の対応PCRプライマー対ならびに配列番号18
および配列番号19の外側プライマーを用い、実施例14に記載の2ステップPCRプ ロトコルを用いて構築した。構築それぞれのステップ2では、5'プライマー(配
列番号18)および1-174型で得られた3'プライマー(配列番号19)を使用した。
【0141】 N43は、実施例14に記載の2ステップ・プロトコルを使い、PCR2によりN-結合 型部位を既に他のN-結合型部位を含有する鋳型中に同時導入することによって構
築した。ステップ1では、3つの別々のPCR反応に、3つの異なるDNA鋳型(N15,N1
0および1-332)を使用した。PCR反応1には、鋳型N15ならびに配列番号18および
配列番号54のプライマーを使用した。この反応では、N37置換が、既にN4置換を 含有するDNAセグメントに導入された。PCR反応2には、N10鋳型ならびに配列番 号53および配列番号59のプライマーを使用した。この反応では、N37およびN41変
異が、既にN10置換を含有するDNA断片に導入された。PCR反応3には、1-332鋳型
ならびに配列番号58および配列番号57のプライマーを使用した。この反応では、
N41置換が、1-199 C末端を含有するDNA断片中に導入された。DNA断片のそれぞれ
をアガロースゲル電気泳動によって精製した。その後、3つのDNA断片を1つのチ ューブ内で一緒にし、配列番号18および配列番号57のプライマーを使ってPCRを 実施した。これにより、mplリガンド1-199型中にN4、N37、N10、およびN41置換 を含有するDNA断片を得た。その後、該DNA断片を実施例14に記載したpDSRα2中 にクローニングした。
【0142】 N41、N42、およびN43のステップ1における最初の3つの反応に対するオーバー
ラップPCR反応条件は、次の通りとした:(94℃、4分)を1サイクル;(94℃、10
秒 / 68℃、2分)を25サイクル;(68℃、5分)を1サイクル。
【0143】 N43に対する最終PCR反応条件は次の通りとした:(94℃、4分)を1サイクル;
(94℃、10秒 / 44℃、30秒)を5サイクル;(94℃、10秒 / 68℃、2分)を25サイク
ル;(68℃、5分)を1サイクル。
【0144】 mplリガンド類似体クローンN41-N43を最初にコロニーPCRによりスクリーニン グして、サイズとタイプの正しいDNAインサートを含有するクローンを同定した 。形質転換した細菌(大腸菌)のコロニーを滅菌白金耳で拾い上げ、1 x Taq緩 衝液(Boehringer Mannheim)中に再懸濁した。Taqポリメラーゼを、1.25 U/50 μl反応液にて、dNTP 混合液を最終濃度0.2mMで含み、かつ2つのベクタープライ
マーを最終濃度0.2μMで含む反応液中に加えた。コロニーPCRの反応条件は次の 通りとした:95℃を1サイクル;(94℃、30秒 / 52℃、30秒 / 72℃、30秒)を35 サイクル;(72℃、5分)を1サイクル。PCR産物をゲル電気泳動および配列決定 により分析した。
【0145】
【表8】
【0146】 (実施例18)mplリガンド類似体および末端切断体N41〜N43の特性決定 A. mplリガンド類似体の発現レベルおよびin vitro生物活性の判定 種N41〜N43を、実施例5に記載のエレクトロポレーション法に次の改変を加え
て使用し、COS細胞にトランスフェクトした。mplリガンド類似体をコードするプ
ラスミドDNAの25μgを使用した。エレクトロポレーションした細胞を、培地7ml を含む100mm組織培養ディッシュ上で平板培養した。ならし培地をエレクトロポ レーション3日後に回収し、アリコートをとり、-70℃で貯蔵した。
【0147】 発現レベルを、実施例7に記載のELISAアッセイにより決定した。上清も、実 施例9に1つの改変を加えた方法によって生物活性をアッセイした。該活性は、
CHO細胞によって発現された精製mplリガンド1-332を標準とする標準曲線から計 算した。 結果を表9に示す。
【0148】
【表9】
【0149】 注記 (a) 付加されたN-結合型鎖数は、SDSゲル中の類似体ポリペプチドの移動度によ
って計算した。 (b) COS細胞上清中のmplリガンド類似体の量を、EIAによって定量した。 (c) mplリガンドに増殖を依存する32D-MPL細胞の増殖を測定することによって 、in vitro活性を決定した。 (d) 増殖アッセイにより測定したmplリガンド類似体のin vitro活性の、mplリ ガンドELISAにより測定したmplリガンド類似体量に対する比。
【0150】 B. 糖質付加の判定 表8に示した類似体を試験して、N-結合型糖質が付加されているかどうかを確
かめた。類似体cDNAでトランスフェクトしたCHO細胞由来のmplリガンドもしくは
mplリガンド類似体の約0.5 ngを、β-メルカプトエタノールを含有するSDS試料 緩衝液と混合し、煮沸した。該試料を12% SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により分析し、ニトロセルロースに転写してウェスタン分析にかけた。ウサギ抗
mplリガンドポリクローナル抗体(典型的には1μg/ml; 大腸菌細胞発現mplリガ ンド1-163に対して産生)および抗ウサギECLキット(Amersham)と共に該ブロッ
トをインキュベートして免疫沈降バンドを可視化した。
【0151】 図15は、mplリガンドの3つの異なる変異体が、位置とグリコシル化部位周辺 の配列が異なっても、グリコシル化できることを示している。N38はT163、N164 、およびT166変異を含有する。N41はN164変異のみを含有する。この類似体は、1
66位に存在するSerがAsn-X-Ser配列をもたらすため、N-結合型部位を有する。類
似体N38およびN41は同様にグリコシル化される。これは、mplリガンドのいくつ かの位置は、配列の実質的変化を許容し、効率的にグリコシル化できることを示
す。表9に示すように、両方の類似体は同様なin vitro生物活性を保持する。対
照的にN42はAsn163置換を有する。この類似体は、165位に存在するThrがAsn-X-T
hrグリコシル化部位をもたらすため、N-結合型グリコシル化部位を含有する。こ
れもグリコシル化されるが、N38またはN41より効率が低い。
【0152】 図14は、mplリガンドN40とN43の比較を示す。両方のmplリガンドは6つのグリ コシル化部位を含有する。これらは、N-結合型部位を導入するために使用するア
ミノ酸変化の数(N43の場合には6アミノ酸変化、N40の場合には9アミノ酸変化)
ならびに該部位の位置が異なる。N43のゲル上での移動度はN40のそれと同じであ
る。このことより、両方のmplリガンドが同様の程度でグリコシル化されている ことが分かる。両方の類似体はまた、表9に示すように同様のin vitro生物活性
を有する。これは、異なる類似体を組み合わせて、N-結合型鎖の数といった類似
の物性ならびに類似のin vitro生物活性を有する新しいmplリガンドを作製でき ることを示す。
【0153】 本発明は、好ましい実施様態であると考えられるものを記載しているが、開示
された実施様態に限定されるものでなく、反対に、特許請求の範囲の概念と範囲
内に含まれる様々な改変と均等物をカバーすることを意図し、その範囲はこのよ
うな改変と均等物の全てを包含する最も広い解釈によるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、シグナルペプチド(アミノ酸-21〜-1)および成熟アミノ酸配列(1〜3
32)を含む天然ヒトmplリガンドのDNAおよびアミノ酸配列を示す図である。
【図2】 図2は、21アミノ酸長シグナルペプチドに結合したヒト成熟mplリガンド配列 のアミノ酸1〜174に対応するmplリガンドのDNAおよびアミノ酸配列を示す図であ
る。コード領域に隣接する配列は、それぞれ5'末端と3'末端に導入されたXbaIク
ローニング部位とSalIクローニング部位である。
【図3】 図3は、E.coliおよびCHO発現mplリガンドを用いたウェスタンブロットを示す
図である。MKはMet-Lysを意味し、E.coliで発現させるためにmplリガンドのN末
端に付加されたものであり、カテプシンCなどのジペプチダーゼにより切断され 得る。MKが除去された分子は、desMKと称される。グリコシダーゼノイラミニダ ーゼとO-グリカナーゼによる処理を示す。
【図4】 図4は、正常なマウスでの、血小板数におけるE.coliおよびCHO発現mplリガン
ドのin vivo活性を示す図である。このデータから、グリコシル化mplリガンド(C
HO材料)が非グリコシル化(E.coli材料)よりも優れた活性を有することがわか る。これは、グリコシル化材料についての半減期の増大の結果であり得る。例え
ば、CHO332はCHO細胞において発現されたヒトmplリガンドアミノ酸1〜332(図1 )を意味する。
【図5】 図5は、組換えヒトmplリガンドならびに類似体4、6、7、9、10および11 のCOS細胞上清のウェスタンブロット分析を示す図である。類似体の構築は、実 施例4に記載されている。類似体4、7、10は、ゲル移動度の減速によって示さ
れているように、少なくとも1個の糖鎖が付加されている。類似体の番号は、表 1に示された類似体の番号に対応している(例えば、11は類似体N11に対応する )。対照は表1においてはN1である。
【図6】 図6は、組換えヒトmplリガンドならびに類似体4、5、13、14、および15のC
OS上清のウェスタンブロット分析を示す図である。類似体の構築は実施例4に記
載されている。類似体4、13、14および15は、ゲル移動度の減速によって示され
ているように、少なくとも1個の糖鎖が付加されている。
【図7】 図7は、N-グリカナーゼによる処理後のヒトmplリガンドならびに表示したmpl
リガンド類似体のCOS細胞上清のウェスタンブロット分析を示す図である。結果 から、類似体が特異的なグリコシル化様式を有することがわかる。
【図8】 図8は、mplリガンド類似体を用いたヒト巨核球増殖バイオアッセイの結果を 示す図である。パネルAとDは、それぞれ陽性対照と陰性対照である。パネルA
に示したウェルは、37.5pgの野生型(すなわち天然配列)mplリガンド1〜174 CO
S-1ならし培地を加えたものであり、十分な巨核球増殖を示している。パネルD は1.5μlのCOS-1 mockならし培地を加えたものであり、増殖を示していない。パ
ネルBとCは、それぞれmplリガンド1〜174類似体7と10である。パネルBは9.0
pgのmplリガンドCOS-1ならし培地を加え、一方パネルCは27pgを加えたものであ
り、両方とも優れた巨核球増殖を示している。
【0001】
【図9】 図9は、CHO mplリガンド1〜174ならびに類似体N4およびN15(表1参照)のウ
ェスタンブロット分析を示す図である。ゲル移動度の減速は、類似体N4(4B)は1 個のオリゴ糖が付加されており、類似体N15(15-8)は2個のオリゴ糖鎖が付加され
ていることを示すものである。
【図10】 図10は、示したようなN-グリカナーゼによる処理を行った場合と行わなかっ
た場合のCHO細胞産生mplリガンド類似体のウェスタンブロットを示す図である。
N-グリカナーゼによる処理後のゲル移動度の減速は、N結合型オリゴ糖の存在を
示すものである。
【図11】 図11は、種々の形態のmplリガンドを用いて種々の投与量にて処理したマウ ス由来の血小板の数を示す図である。このデータから、Nおよび/またはO結合
型糖質の量の上昇によりin vivo活性が増大したということがわかる。
【図12】 図12は、COS産生mplリガンド1〜174ならびに類似体N10、N15、N33、N39、N3
1、N35、およびN40のウェスタンブロット分析を示す図である。付加されたN結 合型グリコシル部位の数も示す。図から、N結合型部位の数が増大するとN結合
型糖質の量の増大によりmplリガンドの移動度が低下することがわかる。
【図13】 図13は、COS産生mplリガンド1〜174ならびに類似体N15、N29、N30、およびN
38のウェスタンブロット分析を示す図である。N結合型グリコシル鎖の数も示す
【図14】 図14は、CHO mplリガンド1〜174および1〜199(N31) ならびに類似体N40およ
びN43(表8参照)のウェスタンブロット分析を示す図である。ゲル移動度から 、類似体N40およびN43には同数のオリゴ糖が付加されていることがわかる。
【図15】 図15は、CHO mplリガンド1〜174ならびに類似体N38、N41およびN42のウェス
タンブロット分析を示す図である。ゲル移動度から、各類似体には1個のオリゴ 糖が付加されていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 5/10 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA21 CA04 DA02 EA04 GA11 4B065 AA90X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA07 BA01 BA22 DA01 ZA512 ZA532 4H045 AA10 BA10 CA40 DA01 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 mplリガンドの類似体であって、 (a) 該mplリガンドが、配列番号1を含めてアミノ酸配列7〜151から1〜332か
    らなる群から選択されるアミノ酸の配列を含み、 (b) 前記mplリガンドの類似体が、前記アミノ酸配列内に少なくとも1個N結合
    型グリコシル化部位が付加されており、 (c) 前記mplリガンドの類似体が、巨核球または血小板を特異的に刺激または 増大させる生物活性を有し、そして (d) 前記少なくとも1個の付加されたN結合型グリコシル化部位が [Asn164]; [Asn163];および [Asn30, Thr32, Asn56, Asn120, Thr122, Asn164] からなる群から選択されるものである、上記類似体。
  2. 【請求項2】 mplリガンドが、 mplリガンド1〜332 配列番号1のアミノ酸1〜332 mplリガンド1〜199 配列番号1のアミノ酸1〜199 mplリガンド1〜191 配列番号1のアミノ酸1〜191 mplリガンド1〜183 配列番号1のアミノ酸1〜183 mplリガンド1〜174 配列番号1のアミノ酸1〜174 mplリガンド7〜332 配列番号1のアミノ酸7〜332 mplリガンド7〜191 配列番号1のアミノ酸7〜191 mplリガンド7〜199 配列番号1のアミノ酸7〜199 mplリガンド7〜183 配列番号1のアミノ酸7〜183 および mplリガンド7〜174 配列番号1のアミノ酸7〜174 からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の類似体。
  3. 【請求項3】 mplリガンドが配列番号1のアミノ酸1〜174からなるアミノ 酸配列を有する、請求項2に記載の類似体。
  4. 【請求項4】 mplリガンドが配列番号1のアミノ酸1〜199からなるアミノ 酸配列を有する、請求項2に記載の類似体。
  5. 【請求項5】 [Asn30, Thr32, Asn56, Asn120, Thr122, Asn164] 1〜199 である、請求項2に記載のmplリガンドの類似体。
  6. 【請求項6】 真核細胞における外来DNA配列の発現の産物である、請求項 1〜5のいずれか1項に記載の類似体。
  7. 【請求項7】 前記真核細胞が哺乳動物細胞である、請求項6に記載の類似
    体。
  8. 【請求項8】 前記哺乳動物細胞がCHOである、請求項7に記載の類似体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の治療有効量のmplリガ ンド類似体ならびに製薬上許容される希釈剤、アジュバントまたは担体を含む組
    成物。
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