JP2001513638A - 修飾されたカルボキシペプチダーゼ - Google Patents

修飾されたカルボキシペプチダーゼ

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JP2001513638A JP53746298A JP53746298A JP2001513638A JP 2001513638 A JP2001513638 A JP 2001513638A JP 53746298 A JP53746298 A JP 53746298A JP 53746298 A JP53746298 A JP 53746298A JP 2001513638 A JP2001513638 A JP 2001513638A
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カールスベア・ラボラトリー
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Abstract

(57)【要約】 正に荷電した側鎖を有するP1アミノ酸残基を持つペプチド基質をアミド転移するための方法が提供される。本発明によれば、S1サブサイト中に、負に荷電した側鎖を有する少なくとも1つのアミノ酸を置換するように、カルボキシペプチダーゼYを修飾する。さらに、この修飾されたカルボキシペプチダーゼYは、特定のペプチド基質に適合させるために、S1'、S2および/またはS3サブサイト中に置換されたアミノ酸残基を含むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】 修飾されたカルボキシペプチダーゼ 発明の背景 ペプチド、特に医薬用途のためのペプチドの好ましい製造方法は、遺伝子工学 による。しかし、組換え法によるペプチドの製造には特別の制限がある。例えば 、遺伝暗号には、非天然のL-アミノ酸、D-アミノ酸、放射活性アミノ酸および 他の検出可能なラベルが含まれないので、このような修飾を有する組換えペプチ ドの製造は困難である。 さらに、インビボで常法により行われるC-末端アミド基置換などの天然アミ ノ酸修飾を、インビトロで行うのは困難である。これらの翻訳後修飾は、最も強 力または最も長期に作用する形態のペプチドを与えることが多いので、これらが 医薬用途に最も必要とされ、かつ望ましい形態である。多くのペプチドに対して 、C-末端アミド化は生物学的活性にとって重要である。しかし、活性ペプチド の大量生産のための組換え発現系は、この必要なC-末端修飾を容易に行うこと ができない。 カルボキシペプチダーゼ酵素は、ペプチド転移反応を触媒し、C-末端アミド 化されたペプチドを与えることが知られている。しかし、野生型カルボキシペプ チダーゼ酵素は、多くのペプチドのC-末端アミド化に有用ではない。例えば、 野生型カルボキシペプチダーゼの固有の基質特異性は、この酵素を用いて修飾し うるペプチドの種類を制限する。 特に、カルボキシペプチダーゼYは、末端から2番目の非極性残基を有するペ プチドに対して強い優先性を示す。正に荷電した側鎖を有する末端から2番目の アミノ酸を持つ基質は、カルボキシペプチダーゼYによって効率的にアシル転移 (トランスアシル化)されない。例えば、基質FA-Arg-Ala-OHは、基質FA-Le u-Ala-OHよりも約500倍遅く加水分解される。残念なことに、多くの薬学的 に重要なペプチド[成長ホルモン放出因子(GRF)またはグルカゴン様ペ プチド(GLP1)を含む]のアミノ酸配列は、正に荷電した側鎖を有する末端か ら2番目または末端のアミノ酸を持ち、カルボキシペプチダーゼYによるアミド 転移を商業的に実施不可能にしている。 いくつかの突然変異体カルボキシペプチダーゼが増強された加水分解活性を種 々のペプチド基質に有することが知られているが、多くの突然変異体カルボキシ ペプチダーゼ酵素の研究は、増強された加水分解活性を有する突然変異体と増強 されたアミド転移活性を有する突然変異体の間に特別の関係が存在しないことを 示す。例えば、ペニシリウム・ジャンチネラム(Penicillium janthinellum)由来 のカルボキシペプチダーゼS1は、塩基性P1残基を有するペプチド基質を効率 的に加水分解することができるが、この酵素はこれら基質を効率的にペプチド転 移しない[Breddam,Carlsberg Res.Commun.,53(5):309-320(1988)]。 正に荷電した側鎖を有する末端から2番目のアミノ酸(P1)が配列に含まれて いるペプチド基質のアシル転移のための、改善された活性を有する修飾されたカ ルボキシペプチダーゼを提供することは、極めて有用であろう。 発明の要約 修飾されたカルボキシペプチダーゼおよびアミド転移法が本発明において提供 される。この修飾されたカルボキシペプチダーゼおよび方法は、正に荷電した側 鎖を有する末端から2番目のアミノ酸(P1)が配列に含まれているペプチド基質 のアシル転移のためのカルボキシペプチダーゼYの活性を効率的に改善する。 本発明の修飾されたカルボキシペプチダーゼは、そのS1サブサイトに少なく とも1つのアミノ酸置換を含み、これにより、天然カルボキシペプチダーゼと比 較してS1サブサイトにより陰性の電荷が得られる。通常、これは、中性または 正に荷電した側鎖を有するアミノ酸残基を、負に荷電した側鎖を有するアミノ酸 残基で置換することによって達成される。負の電荷を導入するためのS1サブサ イト中の好ましい位置の例には、位置L178、W312、N241およびL2 45が含まれる。負に荷電したアミノ酸側鎖を有するアミノ酸の例には、アスパ ラギン酸およびグルタミン酸が含まれる。また、修飾されたカルボキシペプチダ ーゼYは、他の突然変異、例えば、1またはそれ以上のカルボキシペプチダーゼ S1'、S2およびS3サブサイト中のアミノ酸残基における置換が含まれる。これ ら追加の修飾は、特定の基質のアミド転移をさらに増強することができ、アミド 転移反応のための求核試薬および基質の順応を助けることができる。 本発明の方法は、修飾されたカルボキシペプチダーゼYの存在下に、ペプチド 基質を求核試薬と反応させることを包含する。適当な求核試薬の例には、アルキ ルアミン、ベンジルアミンおよびアミノ酸のα-アミノ基が含まれる。アミノ酸 求核試薬は、酸、エステルまたはアミドの形態でα-カルボキシレート基を有す ることができる。ペプチド基質を、修飾されたカルボキシペプチダーゼYおよび 求核試薬とpH約6.3〜6.7でインキュベートするのが好ましい。 本発明の別の態様には、負に荷電された側鎖を有するアミノ酸で置換された少 なくとも1つのアミノ酸残基N241またはL245を持つ、修飾されたカルボ キシペプチダーゼYが含まれる。また、この修飾されたカルボキシペプチダーゼ Yは、好ましくはS1サブサイト中に追加の置換を含み、最も好ましくは位置L 178および/またはW312に追加の置換を含む。この修飾されたカルボキシ ペプチダーゼYは、1またはそれ以上のカルボキシペプチダーゼサブサイトS1' 、S2およびS3中のアミノ酸残基においてアミノ酸置換をさらに含むことができ る。 本発明の修飾されたカルボキシペプチダーゼは、組換えペプチド、特に正に荷 電した側鎖を有する末端から2番目のアミノ酸残基を持つペプチドの翻訳後修飾 に特に有用である。しかし、組換え法以外の手段によって製造されたペプチドを 本発明の方法に従ってアミド転移させうることは理解されるであろう。 発明の詳細な説明 本発明の修飾されたカルボキシペプチダーゼは、正に荷電した末端から2番目 のアミノ酸残基を有するペプチド基質のアミド転移を改善または増強するように 設計する。この修飾されたカルボキシペプチダーゼは、既知のセリンまたはシス テインカルボキシペプチダーゼ、例えばカルボキシペプチダーゼYから誘導する のが好ましい。本発明の理解を容易にするために、本発明に関連して用いる方法 の簡単な説明を最初に挙げる。方法 本明細書の開示は、カルボキシペプチダーゼ酵素の活性部位中およびペプチド 基質上の種々のアミノ酸残基の位置を説明するために、Schechterら[Biochem.Bi ophys.Res.Commun.27:157-162(1967)]の用語を用いる。 Schechterらの用語によれば、ペプチド基質のアミノ酸残基を文字「P」で表 す。切断されるペプチド結合(「切断部位」)のN-末端側にある基質のアミノ酸 は、Pn、...、P3、P2、P1と表す(Pnは切断部位から最も遠いアミノ酸残基 である)。切断部位のC-末端側にあるペプチド基質のアミノ酸残基は、P1'、P2 '、P3'、...、Pn'と表す(Pn'は切断部位から最も遠いアミノ酸残基である) 。従って、切断される結合(「切断部位」)はP1-P1'結合である。カルボキシペ プチダーゼは、C-末端残基と末端から2番目の残基の間のペプチド結合を切断 するのみであるので、カルボキシペプチダーゼ酵素のための基質は、C-末端側 のP1'位に残基を含むのみである(即ち、P2'、P3'などの残基は存在しない)。 カルボキシペプチダーゼの基質のアミノ酸に対する一般式は次の通りである: Pn-----P3---P2---P1---P1' カルボキシペプチダーゼ酵素の「活性部位」は、複数の基質結合サブサイトに 分けることができる。カルボキシペプチダーゼの基質結合部位の命名は、ペプチ ド基質のアミノ酸残基の命名に類似している。しかし、カルボキシペプチダーゼ の結合サブサイトは、文字「S」で表され、1を超えるアミノ酸残基を含むこと ができる。切断部位のN-末端側にあるアミノ酸の基質結合部位は、Sn、...、 S3、S2、S1と表す。切断部位のカルボキシ側にあるアミノ酸の基質結合サブ サイトは、S1'と表す。従って、カルボキシペプチダーゼにおいて、このS1'サ ブサイトは、入来する求核試薬およびペプチド基質の「脱離基」と相互作用する 。カルボキシペプチダーゼの基質結合部位を示すための一般式は次の通りである : Sn-----S3---S2---S1---S1' このS1結合部位は、ペプチド基質の末端から2番目のアミノ酸P1の側鎖に結 合する。S2結合部位は、隣接するアミノ酸残基P2の側鎖と相互作用する。同様 に、S3結合部位はP3残基の側鎖と相互作用する。 本発明において使用する「求核試薬」とは、電子対を電子受容体(この場合、 ペプチド基質の末端から2番目のアミノ酸残基の、α-カルボキシレート基のア シル炭素)に供与して共有結合を形成する分子である。適当な求核試薬には、ア ミノ酸;アミノ酸誘導体、例えばアミノ酸エステルおよびアミノ酸アミド;アミ ド、例えばアンモニア;またはベンジルアミンが含まれる。本発明の方法におい て使用するのに適する化合物の1つの特定の群には、切断可能(アミド転移反応 に続く工程において)な求核試薬であって、求核試薬に由来する残基を欠き、か つC-末端カルボキシアミドを有するペプチドを生成する求核試薬が含まれる。 その例には、光分解、加溶媒分解、還元、転位、加水分解または酸化によって切 断しうる求核試薬、例えば米国特許No.5,580,751(この文献は、本明細書の一部 を構成する))に記載されている求核試薬が含まれる。基質ペプチドの末端から 2番目の残基は、C-末端残基がアミド転移生成物から切断された後に、末端残 基になることに注意すべきである。 本発明は、改善されたアミド転移が可能なカルボキシペプチダーゼを与えるよ うにある種のアミノ酸残基が異なるアミノ酸で置換された、既知のセリンまたは システインカルボキシペプチダーゼに由来する「修飾されたカルボキシペプチダ ーゼ」を包含する。「改善されたアミド転移」は、得られるアミノリシスの割合 (fa)を測定することによってモニターすることができる。 低いアミノリシスの割合は、加水分解によるアミド転移生成物の分解によると も考えられるので、修飾されたカルボキシペプチダーゼは、対応する天然のカル ボキシペプチダーゼと比較したときに、少なくとも約0.1大きいアミノリシス の割合(fa)を有する。 酵素効率の別の有用な測定値は、KN(app)、即ち、famax/2に到達する濃度 である。KN(app)は求核試薬の見掛けの結合定数を示す。加水分解を完結する反 応が主に起こり、一方、脱離基は酵素になお結合しているので、低いKN(app)が 好ましい。アミド転移 本発明の修飾されたカルボキシペプチダーゼは、対応する天然のカルボキシペ プチダーゼと比較したときに、P1サブサイトに正に荷電したアミノ酸残基を有 するペプチド基質のアミド転移を改善することができる。本明細書において使用 する「アシル転移」とは、脱離基が求核試薬に代えて交換される反応である。ア シル転移反応には、アミド転移およびペプチド転移反応が含まれる。本明細書に おいて使用する「ペプチド転移」は、アミノ酸またはアミノ酸誘導体が脱離基と して作用し、求核試薬がアミノ酸またはアミノ酸誘導体(例えば、アミノ酸エス テルまたはアミノ酸アミド)であるときに起こる。「アミド転移」には、求核試 薬とペプチド基質の間にアミド結合が形成されているペプチド転移が含まれる。 しかし、アミド転移反応においては、求核試薬は必ずしもアミノ酸でなくてもよ い。 一般的なアシル転移反応を以下に示す: 本発明に従い、ペプチド基質を、修飾されたカルボキシペプチダーゼの存在下 に求核試薬と反応させて、求核試薬がアミド結合によってペプチド基質のP1残 基のα-カルボキシル基に結合した生成物を得る。セリンカルボキシペプチダー ゼによるペプチドのC-末端アミド化は2工程反応である。第1工程において、 酵素がC-末端ペプチド結合を攻撃し、P1'「脱離基」を移動させ、ペプチド基 質のP1残基と酵素の間にアシル結合を生成させる。この中間体は「アシル−酵 素中間体」と呼ばれる。適当な条件下で適当な求核試薬の存在下に、酵素は、切 断されたペプチド基質に求核試薬を付加させ、アミド化されたペプチド転移生成 物を与える。求核試薬は、アシル−酵素中間体のカルボキシル基を攻撃し、アシ ル−酵素中間体から酵素を移動させるものと考えられる。このようにして、求核 試薬はペプチド基質のカルボキシル基に結合することになる。また、このアシル −酵素中間体を水によって脱アシル化して加水分解生成物を得ることもできる。 本発明の修飾されたカルボキシペプチダーゼは、加水分解生成物よりもアミド化 ペプチド転移生成物を優先的に生成するように設計される。 以下に示す反応式Iは、カルボキシペプチダーゼ触媒されたアミド転移反応を 図式的に示すものである[反応式中、Eは遊離酵素であり;Sは基質であり;E Sは酵素基質複合体であり;EAPは脱離基が結合したアシル−酵素中間体(こ こで、Aはアシル成分であり、Pは脱離基である)であり;EAはアシル酵素で あり;Nは求核試薬であり;ANは所望のアミノリシス生成物である]。 反応式I 反応式Iに示すように、加水分解は、アミド転移中に2段階で起こることがで きる。アシル−酵素中間体を加水分解して、所望のアミノリシス生成物を生成さ せることなく、酵素からアシル成分および脱離基を放出させることができる。現 在のところ、アミド転移反応中のこの時点で加水分解が主に起こっているものと 考えられる。また、アシル−酵素は、脱離基がアシル−酵素中間体から引抜かれ た後に加水分解されることができる。 修飾されたカルボキシペプチダーゼ 本発明の修飾されたカルボキシペプチダーゼは、天然のセリンまたはシステイ ンカルボキシペプチダーゼと比較して、ペプチド基質のアミド転移を改善または 増強するように設計される。天然カルボキシペプチダーゼに対する修飾の基本は 、ペプチド基質と酵素の活性部位の間の「最良の適合」を提供することである。 修飾を行うときに考慮される因子には、立体障害の減少およびアシル−酵素中間 体への水の接近の減少が含まれる。 特に、修飾されたカルボキシペプチダーゼは、S1サブサイトのアミノ酸残基 を負に荷電した側鎖を有するアミノ酸で置換することによって、正に荷電した末 端から2番目のアミノ酸残基を有するペプチド基質のアミド転移を改善または増 強するように設計される。P1の正に荷電した残基に加えて、P3位に正に荷電し たアミノ酸を有するペプチド基質のアミド転移を増強するために、S3サブサイ トまたは他のサブサイト位置(ペプチド基質のP3残基と相互作用することができ る)中の残基を、負に荷電した側鎖を有するアミノ酸残基で置換する。P2位にア ラニン残基を有するペプチド基質のためには、カルボキシペプチダーゼのS2サ ブサイト中の残基を、疎水性側鎖を有するアミノ酸残基で置換することができる 。特に、修飾されたカルボキシペプチダーゼを用いて、成長ホルモン放出因子( GRF)前駆体またはグルカゴン様ペプチド(GLP)前駆体のアミド転移を改善 することができる。GRF(1−44)、GLP1(1−36)−XaaおよびGLP( 7−36)−Xaaの配列を以下に示す(配列中、Xaaは脱離基として働くC-末端ア ミノ酸残基である)。このXaa残基は荷電していないアミノ酸側鎖を有するのが普 通であり、アラニン残基であるのが好ましい。 GRF(1−43)−Xaa[配列番号1]: GLP1(1−36)−Xaa[配列番号2]: GLP1(7−36)−Xaa[配列番号3]: 本発明の修飾されたカルボキシペプチダーゼを製造するために、部位特異的な 突然変異誘発を行って、天然カルボキシペプチダーゼの活性部位内でアミノ酸残 基を置換することができる。具体的には、部位特異的な突然変異誘発を行って、 S1サブサイト中のアミノ酸残基を、負に荷電したアミノ酸残基で置換すること ができる。修飾されたカルボキシペプチダーゼのアミド転移活性をさらに増強す るために、S2、S3またはS1'サブサイト内のアミノ酸残基に追加の置換を行う 。さらに、アミド転移反応を、好ましくはpH約6.3〜6.7で行って、この反 応の効率をさらに増強する。 1サブサイト中の置換 カルボキシペプチダーゼ酵素のS1サブサイトは、ペプチド基質の末端から2 番目のC-末端側の残基と相互作用する。多くの場合、このS1サブサイトは、カ ルボキシペプチダーゼの基質特異性の決定に重要な役割を果たす。これは、特に カルボキシペプチダーゼYの場合に当てはまる。 本発明の第1の態様は、正に荷電した末端から2番目のアミノ酸残基を有する ペプチド基質をアミド転移させるための方法に関する。本発明によれば、負に荷 電した側鎖を有するアミノ酸を、カルボキシペプチダーゼのS1サブサイトに導 入して、正に荷電したP1残基を有するペプチド基質に対して増強されたアミド 転移活性を有するカルボキシペプチダーゼを得る。 本発明に関連して用いる「負に荷電した側鎖を有するアミノ酸」なる用語には 、L-アミノ酸およびアミノ酸誘導体、例えばアミノ酸エステルまたはアミノ酸 アミドが含まれる。負に荷電した側鎖を有する適当なアミノ酸の例には、アスパ ラギン酸およびグルタミン酸が含まれる。 1つの態様において、負に荷電した側鎖を有するアミノ酸は、カルボキシペプ チダーゼYのS1サブサイト内の少なくとも1つの位置、N241、L245、 L178またはW312に導入される。好ましい置換の例には、N241D、N 241E、L245D、L245E、L178D、L178E、W312Dおよ びW312Eが含まれる。 アミド転移を増強するためのS1サブサイト内の別の置換には、L178A、 L178SおよびW312Lが含まれる。178位のロイシンに代えてアラニン またはセリンを置換するか、または312位のトリプトファンに代えてロイシン を置換すると、本来のアミノ酸残基を、より小さい嵩の残基またはより極性の残 基で置換することになる。より小さい嵩の残基の導入は、立体障害の減少によっ てアミド転移を増強するものと考えられる。これによりS1結合部位の大きさが 大きくなり、比較的長い側鎖を有するP1アミノ酸残基(例えば、アルギニンまた はリシン)を持つペプチドのアミド転移を改善する。また、極性残基(例えば、セ リン)は、荷電したP1残基のためのより好ましい環境を与えることができる。 1'サブサイト中の置換 本発明の修飾されたカルボキシペプチダーゼによる特異的ペプチド基質のアミ ド転移を、天然カルボキシペプチダーゼのS1'サブサイト中のアミノ酸残基の置 換によってさらに増強することができる。アミド転移反応において、このS1'サ ブサイトは、入来する求核試薬およびペプチド基質の脱離基と相互作用する。脱 離基が酵素になお結合したまま加水分解反応の完結が主に起こると考えられるの で、脱離基がなお結合したままで、水の接近を減少させ、そして/またはアシル −酵素中間体からの脱離基の解離速度を増加させるS1'サブサイト中の置換は、 加水分解反応の完結の低下によって得られるアミノリシスの割合を増加させるで あろう。 有効な置換を行うことができるS1'サブサイト内の位置には、T60、F64 、L267、L272、S297およびM398が含まれる。これらの残基は、 カルボキシペプチダーゼYのS1'側鎖結合ポケットを規定する。置換のための他 の適当な残基には、Y49、N51、E65およびE145が含まれる。これら の残基は、S1'サブサイト内の水素結合ネットワークを構成する。以下に挙げる 突然変異カルボキシペプチダーゼは、野生型カルボキシペプチダーゼと比較した ときに、比較的大きい疎水性脱離基(例えば、ロイシン残基)に対して得られるア ミノリシスの割合の改善を示した:T60A、T60W、T60Y、T60D、 M398G、M398A、M398V、M3981、M398L、M398F、 M398Y、M398C、M398NおよびM398E。最も劇的な改善は、以 下に挙げる突然変異体で観察された:T60Y、M398V、M3981、M3 98L、M398F、M398Y、M398CおよびM398E。複数の置換、 例 えばT60、M398および/またはN51における置換は、突然変異酵素を用 いて得られるアミノリシスの割合をさらに増強した。 2サブサイト中の置換 修飾されたカルボキシペプチダーゼの活性を、S2サブサイト中に置換を有す るカルボキシペプチダーゼを用いて、P2アラニン残基を有するペプチド基質に 対してさらに増強することができる。カルボキシペプチダーゼのS2サブサイト はP2の基質残基と相互作用するので、S2サブサイト中への疎水性残基(例えば 、フェニルアラニンまたはアラニン)の導入は、ペプチド基質を補足し、カルボ キシペプチダーゼによる基質のアミド転移を増強することができる。特に、P2 アラニンを有する基質のアミド転移を、以下の置換を含む突然変異カルボキシペ プチダーゼによって高めることができる:E296F、S297A、N303A およびN303F。 3サブサイト中の置換1サブサイト中への負に荷電した残基の導入に加えて、第2の置換(例えば、 S3サブサイトまたはペプチド基質のP3残基と相互作用しうる他の位置における 負に荷電した残基)を導入することによって、P1およびP3の両方に正に荷電し た残基を有するペプチド基質のアミド転移をさらに増強することができる。第2 の負に荷電した残基の導入は、S1サブサイト中の負に荷電した残基に対するペ プチド基質上の2つの塩基性アミノ酸残基の間の競合を減少させることができる と考えられる。 好ましくは、負に荷電したアミノ酸残基を、S3サブサイト中またはペプチド 基質のP3残基と相互作用しうる位置中、例えばN241、N242、L245 およびA246位に導入する。適当な置換の例には、N241D、N241E、 N242D、N242E、L245D、L245E、A246DおよびA246 Eが含まれる。N241およびL245位は、基質ペプチド上のP3およびP1の 両残基と相互作用するようである。 アシル転移を増強するための他の修飾 カルボキシペプチダーゼYは、広いpH範囲(約pH4〜約pH10)にわたっ てペプチド基質をアミド転移させることができるが、アミド転移反応を行うpH は、カルボキシペプチダーゼ酵素の基質または生成物優先性に影響を与えること がある。アミド転移の収率を改善するためには、酵素が生成物よりもペプチド基 質に好都合であるようなpHであるべきである。アミド転移反応の最適pHは、 ペプチド基質、求核試薬および所望の生成物に依存して変化するであろう。通常 は、アミド転移反応をpH約5.5〜8.5で行うのが最適である。L178およ びM398の位置に置換を有する修飾されたカルボキシペプチダーゼ酵素(L1 78S+M398L)を用いるペプチド基質のアミド転移は、pH約6.3〜6. 7で行うのが好ましいことがわかった。 さらに、得られるアミノリシスの割合は、使用する求核試薬の濃度を高めるこ とによって増加させることができる。 部位指向性の突然変異誘発 本発明の方法に従って、既知のセリンまたはシステインカルボキシペプチダー ゼの突然変異を、部位特異的突然変異誘発によって行うことができる。部位特異 的突然変異誘発は、カルボキシペプチダーゼのDNA配列および基質結合部位の アミノ酸をコードしているコドンの位置についての知識を必要とする。カルボキ シペプチダーゼYをコードしているPRC1遺伝子のDNA配列および制限地図 ならびにこのDNA配列の供給源は、Vallsら[Cell,48:887-889(1987)]に記載 されている。 活性部位中のアミノ酸、例えばS1、S1'、S2およびS3サブサイト中のアミ ノ酸を、既知のカルボキシペプチダーゼのDNA配列中のアミノ酸をコードして いるコドンを変えることによって修飾することができる。本発明によれば、修飾 されたDNA配列には、カルボキシペプチダーゼの活性部位内のアミノ酸をコー ドしているコドンが含まれる。好ましくは、カルボキシペプチダーゼの修飾には 、既知のセリンまたはシステインカルボキシペプチダーゼの活性部位中のコドン によってコードされているアミノ酸とは異なるアミノ酸をコードしているコドン の置換が含まれる。好ましくは、この置換には、カルボキシペプチダーゼのS1 、S1'、S2またはS3結合サブサイト中のアミノ酸をコードしているコドンが含 ま れる。アミノ酸のコドンは当業者には既知である。 部位特異的な突然変異誘発は、選択したコドン位置に突然変異または修飾コド ンを含むオリゴヌクレオチドを導入することによって行うことができる。Maniat isら[A Guide to Molecular Cloning(1989)]の記載のように、部位特異的突然変 異誘発の他の方法を用いることができる。既知のカルボキシペプチダーゼをコー ドしているDNA配列中にオリゴヌクレオチドを導入するための好ましい方法に は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および通常のクローニング法が含まれる。 修飾されたコドンを含むオリゴヌクレオチドは、自動合成を含む通常の方法に よって得ることができる。自動DNA合成のための方法は、当業者には既知であ る。 生成させた後、合成オリゴヌクレオチドを、枠内で既知のカルボキシペプチダ ーゼのDNA配列中に導入する。合成オリゴヌクレオチドの挿入は、少なくとも 1つの制限エンドヌクレアーゼで切断して標的部位内のDNA配列を削除し、次 いで、本来のDNA配列が削除された部位に合成オリゴヌクレオチドを連結する ことによって行うことができる。適当な制限エンドヌクレアーゼは、標的部位の 周辺のヌクレオチド配列を調べることによって、およびこの部位に挿入する合成 オリゴヌクレオチドの大きさによって決定することができる。制限酵素の認識配 列は当業者には既知であり、適当な酵素の組合せは当業者なら容易に選択するこ とができる。 修飾されたカルボキシペプチダーゼの発現 好ましい態様においては、カルボキシペプチダーゼYのS1サブサイト中のア ミノ酸のコドンを、負に荷電した側鎖を有するアミノ酸(例えば、グルタミン酸 またはアスパラギン酸)をコードするように修飾する。カルボキシペプチダーゼ 中のアミノ酸の置換を行うため、部位指向性突然変異誘発の既知の方法を用いて 、カルボキシペプチダーゼをコードしている遺伝子を突然変異させ、所望の置換 されたアミノ酸を発現させる。 カルボキシペプチダーゼYをコードしているPRC1遺伝子は、受託番号No. 75580のもとでAmerican Type Culture Collection(ATCC:Rockville,MD) から入手可能なプラスミドpTSY3から得ることができる。所望の置換された 配列を含むオリゴヌクレオチド、即ち、天然コドンに対応する部位にアミノ酸置 換のためのコドンを含むオリゴヌクレオチドは、例えば自動DNA合成によって 合成する。PCR法を用いてカルボキシペプチダーゼY遺伝子中に置換を導入す ることができる。 次いで、修飾されたDNA配列をベクター中に導入して選択および発現に供す る。適当なベクターには、酵母-細菌シャトルベクターであるYEp24、pR A21ΔBAM、pYSP1、pTSY3、pRA21およびpYSP32が含 まれる。修飾されたDNA配列は、Maniatisら(上記)およびNielsenら[Appl.Mic robiol.Biotechnol.,33:307(1990)]に記載されているような既知の常法によっ てベクター中に導入する。 ベクターを、選択および発現のための適当な宿主細胞中に導入する。適当な宿 主細胞には、大腸菌などの細菌およびS.cerevisiaeなどの酵母が含まれる。好ま しい宿主細胞には、アイソジェニック(isogenic)vp1突然変異、delta-prc1突 然変異およびura3突然変異を有するS.cerevisiae株が含まれる。特に好ましい 宿主はvp1突然変異を有するS.cerevisiae株であり、これはNielsenら(上記)の 記載のように活性なカルボキシペプチダーゼYを分泌する。好ましいベクターは プラスミドpTSYであり、これは、上記のPRC1プロモーターの制御下にあ るPRC1遺伝子を含む3.2kbのDNA挿入体を有する酵母-細菌シャトルベク ターYEp24である。 適当な宿主細胞を常法により形質転換する。これら方法には、リン酸カルシウ ム、塩化カルシウムまたは酢酸リチウムにコンピテントな細胞を用いる形質転換 、マイクロインジェクション法および電気穿孔法が含まれる。形質転換された細 胞を、大腸菌の場合には抗生物質耐性の存在に基づいて、また、酵母の場合には URA3の存在に基づいて選択する。Nielsenら(上記)の記載のような常法を用 いて、形質転換された酵母細胞がペプチド基質を加水分解しうることを検出する ことによって、形質転換された酵母細胞を、突然変異カルボキシペプチダーゼ活 性 の産生についてスクリーニングする。 形質転換された細胞を選択および増幅した後に、修飾されたカルボキシペプチ ダーゼを、例えば高速液体クロマトグラフィーおよびアフィニティークロマトグ ラフィーなどの常法を用いて精製することができる。 修飾されたカルボキシペプチダーゼを用いる基質のアミド転移 また本発明は、修飾されたカルボキシペプチダーゼを用いてペプチド基質を求 核試薬でアミド転移させる方法を提供するものである。本発明の修飾されたカル ボキシペプチダーゼは、正に荷電した末端から2番目のアミノ酸残基を有するペ プチド基質のアミド転移を改善するように設計される。 通常、アミド転移は緩衝水溶液中で行う。好ましい緩衝溶液は、50mM H EPESおよび5mM EDTA(pH7.5)または50mM CHESおよび5 mM EDTA(pH9.5)を含む。選択した緩衝液がアミド転移反応中に求核試 薬として作用しえないことが重要である。 アミド転移生成物の産生を、通常はHPLCまたは他の適当な分析法によって モニターする。酸溶液を添加して反応混合物のpHを約1〜3に低下させること によって反応を停止させる。別の方法によれば、フェニルメタンスルホニルフル オリド(PMSF)またはジイソプロピルフルオロホスフェート(DFP)などの酵 素阻害剤を添加することによって反応を停止させることができる。アミド転移生 成物は、逆相クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、イオン 交換クロマトグラフィーまたはHPLCによって反応混合物から分離することが できる。 また、アミド転移反応を有機溶媒中で行う。アミド転移のための適当な有機溶 媒には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N'-ジメチルアセトアミド、ジ メチルホルムアミドおよび他の同様の溶媒が含まれる。有機溶媒中でのアミド転 移のための方法は、Bongersら[Int.J.Peptide Protein Res.,40:268(1992)]に 記載されている。 水溶液中でのアミド転移のための1つの例においては、ペプチド基質GRF( 1−44)−Alaを5%酢酸溶液中に溶解する。ロイシンアミドなどの求核試 薬を、50mM HEPES、5mM EDTA中に溶解して500mMの最終濃 度にする。GRF(1−44)−Alaの40mM溶液(25μl)を求核試薬溶液(9 50μl)に添加し、pH7.5、20℃にする。修飾されたカルボキシペプチダ ーゼ、例えば、L178S+M398L+N51Q修飾化カルボキシペプチダー ゼYを、混合物に25μlの水/ml溶液で添加する(約0.002〜0.07mg/ml の酵素濃度が得られる)。反応をHPLCを用いてモニターし、追加の生成物が 生成しなくなったときに1容量の2.5%トリフルオロ酢酸を添加することによ って停止させる。 別の実施例において、ペプチド基質GLP1(7−36)−Alaを5%酢酸溶液 中に溶解する。求核試薬O-ニトロフェニルグリシンアミド(「ONPGA」)を 、50mM HEPES、5mM EDTA中に溶解して250mMの最終濃度に する。GLP1(7−36)−Alaの40mM溶液(25μl)を求核試薬溶液(95 0μl)に添加し、pH7.5、20℃にする。修飾されたカルボキシペプチダー ゼ、例えば、L178S+M398L+N51Q修飾化カルボキシペプチダーゼ Yを、混合物に25μlの水/ml溶液で添加する(約0.002〜0.07mg/mlの 酵素濃度が得られる)。反応をHPLCで追跡し、追加の生成物が生成しなくな ったときに1容量の2.5%トリフルオロ酢酸を添加することによって停止させ る。 ペプチド転移反応の反応生成物GLP1(7−36)−ONPGAを、光分解に よって切断することができる。メタノール(12.5ml)中のGLP1(7−36) −ONPGAを80mM NaHSO3(12.5ml)に添加し、5N NaOHでpHを9.5 に調整する。次いで、この反応混合物にN2を15分間導入し、続いて、SP2 00ランプを用いて窒素雰囲気下で光分解する。この光分解に続いて0、30、 60および120分の時点で分析用試料を抽出する。各試料をHPLCを用いて 分析し、結果を対照試料と比較する。 本明細書中に開示したカルボキシペプチダーゼに対するいずれかの修飾が、上 記した2つのアミド転移反応のどちらかに使用するのに適している。修飾された カルボキシペプチダーゼは、負に荷電したアミノ酸残基がS1サブサイト中に、 好ましくは178位に導入された置換を含む。適当な置換には、L178Dまた はEが含まれる。好ましくは、修飾されたカルボキシペプチダーゼは、S1'サブ サイトに、好ましくはM398位にさらに置換を含む。適当な置換には、M39 8Lが含まれる。さらに、修飾されたカルボキシペプチダーゼは、ペプチド基質 のP3位の、例えば241または245位の正に荷電したアミノ酸残基と相互作 用しうる負に荷電した側鎖を有するアミノ酸残基を導入するための置換を含む。 GRF前駆体をアミド転移するために使用するカルボキシペプチダーゼは、好ま しくは、カルボキシペプチダーゼとP2アラニン残基との相互作用を増強するた めに、S2サブサイトに疎水性置換を有する。 実施例 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。これら実施例は、上記 で詳しく説明した本発明の範囲の限定を意味するものではない。本発明の概念の 範囲内の変更は当業者に明白である。 実施例1 方法: これら研究において用いた突然変異カルボキシペプチダーゼ酵素を、実質的に PCT特許出願公開No.WO95/20039に記載の方法に従い、部位指向性突然変異誘 発によって調製した。通常、アミノ酸置換をコードするように合成したオリゴヌ クレオチドを用いて突然変異酵素を調製した。 通常、PCT出願公開WO95/20039に記載のようにして、アミド転移反応を行っ た。通常、この方法は、求核試薬(他に示すことがなければH-Leu-NH2)を50 mM HEPES、5mM EDTA中に溶解すること、およびpH7.5に調整 することを含んでいた。ペプチド基質(他に示すことがなければメタノール中の 8mM Bz-G-A-R-A-R-A-OH)(5μl)を求核試薬溶液(190μl)に添加 し、次いで酵素(5μl)を添加し、0.2mMの基質濃度を得た。 反応中に反応混合物から試料(20μl)を採取し、これを1%トリフルオロ酢 酸(50μl)に添加して反応を停止させた。C-18 Waters Novapac 4μ逆相カ ラムを装備したWaters HPLCおよび種々の勾配の0.1%トリフルオロ酢酸中 のアセトニトリルを用いるHPLCによって、反応物質組成を測定した。分 離を254nmでモニターし、積分ピーク面積から生成物を直接定量した。反応混 合物の組成は、反応中に少なくとも2回測定した。1回目は、基質の20〜50 %(好ましくは35%)が反応で消費されたときであり、2回目は、ペプチド基質 の50〜90%(好ましくは80%)が消費されたときである。 反応生成物を集め、Pharmacia Alpha Plus分析機を用いて酸加水分解後のアミ ノ酸分析によって同定した。さらに別の同定を、真正の標準化合物の同時クロマ トグラフィーによって得た。 アミノリシス割合(fa)を、生成したアミノリシス生成物と生成した全生成物の 合計の間の比として表した。未消費の基質は、計算において無視した。 表1:P1にアルギニンを有する基質のペプチド転移におけるカルボキシペプ チダーゼYおよびS1突然変異体のアミノリシス割合(fa) 反応は、2mMの基質を用いてpH7.5で行った。 t=検定の時間 [E]=0.1mg/ml N=求核試薬(H-Leu-NH2) S=基質(Bz-G-A-R-A-R-A-OH) P=生成物(Bz-G-A-R-A-R-L-NH2) fa=アミノリシスの割合 得られる低いアミノリシス割合(fa=0.05)からわかるように、野生型カルボ キシペプチダーゼYは、ロイシンアミド求核試薬による、P1にアルギニンアミ ノ酸残基を有するペプチド基質のペプチド転移を効率的に触媒しなかった。対照 的に、178位のロイシンに代えてアラニン、セリンまたはアスパラギン酸を置 換するか、または312位のトリプトファンに代えてアスパラギンまたはアスパ ラギン酸を置換すると、得られるアミノリシス割合の大きな増加が得られた。2 41位のアルギニンに代えてグルタミン酸などの負に荷電したアミノ酸残基を置 換すると、375mMの求核試薬濃度で得られるアミノリシス割合が有意に増加 した。さらに、245位にグルタミン酸などの負に荷電したアミノ酸残基を置換 すると、アミノリシス割合の増加が得られた。また、L178とW312位また はL245とW312位の置換を含む組合せ突然変異体も、アミノリシス割合の 有意の増加を示した。 実施例2 方法: 実施例1の記載のように部位特異的突然変異誘発を行って、以下において使用 するS1突然変異体を得た。 実施例1の記載のようにアミド転移反応を行った。 表2:S1'突然変異カルボキシペプチダーゼYを用いるH-Gly-NHによるFA- Ala-Xaa-OHのペプチド転移のアミノリシス割合(fa)反応条件:0.2mMのFA-Ala-Xaa-OH基質、1.9MのH-Gly-NH2求核試 薬、50mMのMEPES、5mMのEDTA、pH7.5、室温 表2のデータからわかるように、ペプチド転移反応において、野生型カルボキ シペプチダーゼYは、P1'位に脱離基としてアラニンを有するペプチド基質に対 して非常に強力かつ狭い選択性を有する。カルボキシペプチダーゼYのS1'サブ サイト内のT60およびM398位のアミノ酸の置換は、カルボキシペプチダー ゼの特異性を広くし、脱離基としての他のアミノ酸残基(例えば、バリン、ロイ シン、メチオニンおよびフェニルアラニン)に対するアミノリシス割合を増加さ せた。表からわかるように、種々の置換は、脱離基に依存してアミノリシス割合 に異なる効果を有していた。脱離基としてのロイシンに対しては、T60位の置 換、例えばT60A、T60WまたはT60Yがアミノリシス割合の増加に最も 効果的であった。また、M398位の置換は、ロイシンが脱離基であるときに、 アミノリシス割合にさらに劇的な効果を有していた。脱離基としてロイシンを有 する基質およびカルボキシペプチダーゼYを用いるペプチド転移を増強したM3 98における置換の例には、M398A、M398V、M398、M3981、 M398L、M398F、M398Y、M398C、M398NおよびM398 Eが含まれる。T60およびM398の両位置における置換は、脱離基としてロ イシンを有する基質に対するアミノリシス割合をさらに改善した。これらは、T 60F+M398F、T60A+M398L、T60Y+M398L、T60D +M398L、T60A+M398Y、T60Y+M398YおよびT60D+ M398Yである。 実施例3 方法: 実施例1の記載のように部位特異的突然変異誘発を行って、以下に記載する特 異的置換突然変異体を得た。実施例1の記載のようにアミド転移反応を行った。 以下の表3において、KN(app)は、faが最大値の半分である求核試薬の濃度を 示す(求核試薬の解離定数の測定)。famaxは、求核試薬による酵素の飽和におい て得られる最も高い可能なfaである。 表3:二重置換の突然変異体を用いるH−Leu-NH2によるFA-Ala-OBzlのペプ チド転移 aでマークした値の標準偏差は±0〜3%であり、b は±3〜10%の偏差を示し、c は±10〜30%を示す。 基質=FA-Ala-OBz1(0.2mM)、 求核試薬=H-Leu-NH2、 pH=7.5。 KN(app)は、Famax/2に到達する濃度を示し、従って求核試薬の見掛け結合 定数を示す。脱離基がアシル−酵素中間体に結合したままで加水分解反応の完結 が起こると考えられるので、低いKN(app)が好ましい。 表3において、以下の突然変異体:T60F、T60CおよびM398Eがfamax の増加とKN(app)の低下を示した。他の突然変異体、例えば、T60V、T 60L、T60F、T60W、T60C、T60M、M398LおよびM398 Fは、famaxとKN(app)の両方の増加を示した。 実施例4 方法: 実施例1の記載のように部位特異的突然変異誘発を行って、以下に記載する特 異的突然変異体を得た。実施例1の記載のようにアミド転移反応を行った。 表4:50%基質消費におけるpH7.5でのBz-G-A-R-A-R-X-OHのペプ チド転移反応条件:2mMのBz-G-A-R-A-R-X-OH基質、375mMのH-Leu-NH2 求核試薬、[E]=0.1mg/ml、pH7.5、Pmax=ピークの生成物収率。 表4のデータは、基質のペプチド転移の速度が脱離基の性質によって影響を受 けたことを示す。S1'サブサイト内のN51およびM398位の置換は、特定の 脱離基のペプチド転移を増強した。例えば、脱離基としてのロイシンに対するア ミノリシス割合は、以下の突然変異体:T60Y+L178S+M398Lおよ びN51Q+L178S+M398Lによって改善された。さらに、ピークの生 成物収率は、L178、M398、N51またはT60Y位の置換によって、野 生型を用いたときの0から増強された。L178SはS1中に突然変異を含んで いる。S1'中の置換と組合せると、例えばM398LまたはT60YおよびM3 98LまたはN51QおよびM398Lと組合せると、脱離基としてロイシンを 用いて得られるアミノリシス割合が、0.01からそれぞれ0.39、0.71お よび0.76に大きく増強された。さらに、0.01からそれぞれ0.39、0.5 3および0.73へのピーク生成物収率における対応する増加が存在した。 実施例5 方法: 実施例1の記載のように部位特異的突然変異誘発を行って、以下に記載する特 異的突然変異体を得た。実施例1の記載のようにアミド転移反応を行った。 表5:50%基質消費におけるpH6.5でのBz-G-A-R-A-R-X-OHのペ プチド転移 反応条件:2mMのBz-G-A-R-A-R-X-OH基質、750mMのH-Leu- NH2求核試薬、[E]=0.1mg/ml、pH6.5、Pmax=ピークの生成物収率。 表5のデータは、S1およびS1'サブサイト内に置換を含むカルボキシペプチ ダーゼ突然変異体について、得られるアミノリシス割合がpH6.5で増強され ることを示す(表4におけるpH7.5と比較して)。例えば、脱離基としてロイ シンを用いると、突然変異体N51Q+L178Sのfaは0.20から0.28に 増加し、Pmaxは0.18から0.26に増加した。 実施例6 方法: 実施例1の記載のように部位特異的突然変異誘発を行って、以下に記載する特 異的突然変異体を得た。先の実施例の記載のようにアミド転移反応を行った。 表6:Bz-G-A-R-A-R-A-OHおよびFA-Arg-Ala-OHのアミド転移 *[S]=0.2mM 求核試薬=H-Leu-NH2 [N]=375mM pH=7.5 [E]=0.1mg/ml 正に荷電したP1アミノ酸残基(例えばアルギニン)を有するペプチド基質のペ プチド転移のためには、S1(L178S)およびS1'(M398L)サブサイトの 両方におけるアミノ酸残基の置換が、P1に正に荷電したアミノ酸残基を有する 基質に対して、得られるアミノリシス割合およびピーク生成物収率の両方の有意 の増加を与えた。さらに、S1サブサイト(例えば、N241、L245またはW 312)における、負に荷電したアミノ酸残基(例えば、アスパラギン酸またはグ ルタミン酸)の置換も、faおよびPmaxの増加を与えた。 本明細書中に挙げた全ての出版物および特許出願は、本発明が関連している技 術分野の当業者のレベルを示すものである。全ての出版物および特許出願は、同 じ内容で本明細書の一部を構成する。 本発明を種々の特定の好ましい態様および方法に関連して説明した。しかし、 本発明の思想および範囲内で多くの変形および修飾を行いうることを理解すべき である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 ステニッケ,ヘニング アメリカ合衆国92109カリフォルニア州サ ンディエゴ、ジュエル・ストリート3982番 (72)発明者 セレンセン,ステーン・ベ デンマーク、デーコー―2680ソールレズス トラン、ウグレヴァイ15番 (72)発明者 ブレッダム,クラウス デンマーク、デーコー―4000ロスキレ、オ ーステズ、アガートフテン31番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.正に荷電した側鎖を有するP1アミノ酸残基を持つペプチド基質をアミド 転移するための方法であって、 S1サブサイト中に、負に荷電した側鎖を有するアミノ酸による少なくとも1 つの置換を含む修飾されたカルボキシペプチダーゼYの存在下に、ペプチド基質 を求核試薬と反応させることからなる方法。 2.修飾されたカルボキシペプチダーゼが、アミノ酸残基L178、W312 、N241またはL245のところに少なくとも1つの置換を含む請求項1に記 載の方法。 3.L178、W312、N241またはL245の少なくとも1つがアスパ ラギン酸またはグルタミン酸によって置換されている請求項2に記載の方法。 4.求核試薬がアミノ酸エステルまたはアミノ酸アミドからなる請求項1に記 載の方法。 5.求核試薬がLeu-OH、Leu-ORまたはLeu-NRR'からなる請求項4に記 載の方法。 6.修飾されたカルボキシペプチダーゼが、S1'、S2またはS3サブサイト中 に少なくとも1つの置換されたアミノ酸残基をさらに含む請求項1に記載の方法 。 7.修飾されたカルボキシペプチダーゼが、S1'サブサイト中に、N51Q、 T60W、T60Y、T60A、M398L、M398G、M398A、M39 8V、M398I、M398F、M398Y、M398C、M398NおよびM 398Eからなる群から選択される少なくとも1つの置換をさらに含む請求項1 に記載の方法。 8.修飾されたカルボキシペプチダーゼが、S1'サブサイト中に2またはそれ 以上のアミノ酸置換をさらに含む請求項7に記載の方法。 9.S1'サブサイト中の2またはそれ以上の置換が、T60位における少なく とも1つの置換およびM398位における少なくとも1つの置換を含む請求項8 に記載の方法。 10.T60位における置換が、T60F、T60L、T60YまたはT60 Dである請求項9に記載の方法。 11.M398位における置換が、M398F、M398LまたはM398Y である請求項9に記載の方法。 12.修飾されたカルボキシペプチダーゼが、S2サブサイト中に少なくとも 1つのアミノ酸置換をさらに含む請求項1に記載の方法。 13.S2サブサイト中の置換が、E296、S297またはN303位の少 なくとも1つにおけるものである請求項12に記載の方法。 14.S2サブサイト中の置換が、E296F、S297A、N303Aまた はN303Fである請求項12に記載の方法。 15.ペプチド基質がP2にAla残基を含む請求項12に記載の方法。 16.修飾されたカルボキシペプチダーゼYが、正に荷電した側鎖を有するペ プチド基質のP3残基と相互作用しうるアミノ酸残基の少なくとも1つの二次置 換をさらに含む請求項1に記載の方法。 17.修飾されたカルボキシペプチダーゼが、ペプチド基質のP3残基と相互 作用しうるアミノ酸残基の少なくとも1つの二次置換であって、負に荷電した側 鎖を有するアミノ酸を導入する二次置換を含む請求項1に記載の方法。 18.二次置換が、N241、N242、L245またはA246位の少なく とも1つにおけるものである請求項16に記載の方法。 19.pH約6.3から6.7で反応を行う請求項1に記載の方法。 20.負に荷電した側鎖を有する置換されたアミノ酸を、N241またはL2 45位の少なくとも1つに含む修飾されたカルボキシペプチダーゼY。 21.S1'、S2またはS3サブサイト中に少なくとも1つの置換されたアミノ 酸残基をさらに含む請求項20に記載の修飾されたカルボキシペプチダーゼ。 22.L178またはW312位の少なくとも1つに置換されたアミノ酸残基 をさらに含む請求項20に記載の修飾されたカルボキシペプチダーゼ。 23.L178SおよびM398L置換をさらに含む請求項20に記載の修飾 されたカルボキシペプチダーゼ。
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