JP2001513633A - プロコラーゲンの組立て - Google Patents

プロコラーゲンの組立て

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Abstract

(57)【要約】 少なくとも1つの別のプロコラーゲンまたはその誘導体を共発現して組み立てるシステムにおいて所望のプロコラーゲンまたはその誘導体を生産する方法。所望のプロコラーゲンを組立てるためのプロ−α鎖またはその誘導体を発現する遺伝子が、天然のプロ−α鎖から外因的に選択されるか、またはC−末端プロペプチドドメインの活性を有するが、該少なくとも1つの別のプロコラーゲンまたはその誘導体を組立てて形成する、プロ−α鎖またはその誘導体のC−末端プロペプチドと共組立てされないドメインをもつ該プロ−α鎖またはその誘導体を発現するように人工的に工作される遺伝子であることを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】 プロコラーゲンの組立て 本発明は、プロコラーゲンおよびその誘導体の組立てを調節する方法に関する 。 単細胞有機体あるいはヒト組織の細胞のいずれであれ、ほとんどの細胞は、細 胞外マトリックスとして知られ、種々のタンパク質および多糖類を含む、巨大分 子の複雑な網状組織で囲まれている。このマトリックスの主なタンパク質成分は 、哺乳類における総タンパク質のおよそ25%を占めると考えられている、コラ ーゲンと呼ばれる関連タンパク質のファミリーである。コラーゲン分子には少な くとも20の遺伝的に異なるタイプがあり、それらのうちの幾つかは、長さがマ イロメーターであって電子顕微鏡によって見ることができる、コラーゲン原線維 として知られる大きな線維を典型的に形成するので、原線維コラーゲン(コラー ゲンI、II、III、VおよびXI型コラーゲン)として知られている。 コラーゲン原線維は、コラーゲン分子のポリマーを含み、プロコラーゲンから コラーゲン分子への変換に続いて該ポリマーを形成する組立てが起こるというプ ロセスによって産生される。プロコラーゲンは、分子の中央に三重らせんドメイ ンを有し、アミノ末端(N−末端プロペプチドとして知られる)およびカルボキ シ末端(C−末端プロペプチドとして知られる)に非らせん領域をもつ。三本鎖 らせんドメインは、α鎖として知られる3本のポリペプチドからなる。プロコラ ーゲンは、細胞内では、膜結合リボソーム上のプロ−α鎖(N−およびC−末端 プロペプチドドメインをもつα鎖)から合成され、プロ−α鎖は細胞質内細網内 へ挿入される。 細胞質内細網内で、プロ−α鎖はプロコラーゲン分子へ組立てられる。この組 立ては2つの段階に分けられる:鎖を選択的に決定するプロ−α鎖間の最初の認 識イベント、次いで三重らせんの正確なアラインメントを導く整合イベント。プ ロコラーゲンの組立ては、各プロ−α鎖のC−末端プロペプチドドメインの会合 によって開始され、C−末端プロペプチドが形成される。次いで、三重らせんド メインの組立てが、C−からN−への方向で進行し、N−末端プロペプチドの形 成によって完成する。成熟プロコラーゲン分子は、最終的に、細胞外環境内へ分 泌され、そこでプロコラーゲンN−プロテイナーゼ(N−末端プロペプチドを切 断する)およびプロコラーゲンC−プロテイナーゼ(C−末端プロペプチドを切 断する)によってコラーゲンに変換される。プロペプチドが除去されるやいなや 、かくして形成されたコラーゲン分子は、同時に集合してコラーゲン原線維を形 成することができる。 コラーゲンは、工業上の用途を多数もっている。たとえば、コラーゲンゲルは 、コラーゲン原線維からインビトロにて形成され、細胞の接着を補助するのに用 いることができる。このようなゲルは、軟骨から外植片化された軟骨細胞などの 特定の細胞の表現型を維持するための細胞培養において使用される。コラーゲン は、外科処置において“詰め物”またはパッキング剤としても使用され、たとえ ば唇の見た目を大きくするといったような美容外科処置における使用が特に知ら れている。インビボにおいては、コラーゲンは、細胞外マトリックスの主な成分 であり、いくつもの役割をはたしている。コラーゲン合成および調節の異常がか かわる多くの疾患が知られている。プロコラーゲンおよびその誘導体は、このよ うな疾患の治療に用いることができる(あるいは可能性としての使用)。 増加する工業的需要に応じるために、大量のプロコラーゲンまたはその誘導体 を合成する必要がある。プロコラーゲンまたはその誘導体の簡便な手段は、外因 性のプロ−α鎖を宿主内で発現させ、そのプロ−α鎖をプロコラーゲンまたはそ の誘導体に組立てることである。これを行うには、どの宿主細胞を用いても、そ れが、プロ−α鎖からプロコラーゲンを組立てるのに要求される、必須の翻訳後 の能力をもつことを確実にすることが必要である。これは、正常にプロコラーゲ ンを合成する細胞内で発現させることによって達成できる。しかし、このような システムにおける1つの問題は、外因的に発現されたプロ−α鎖は、外因的に導 入されたプロ−α鎖と共組立てしうるために、望ましくないハイブリッド分子が 形成されることである。 他の状況においては、宿主細胞内で外因性の異なるプロ−α鎖から2種または それ以上のプロコラーゲンを生産することが望ましく、この場合、プロ−α鎖が 共組立てされて望ましくないハイブリッド分子が形成されないようにすることが 必要である。 プロコラーゲンがインビトロにて無細胞システムにおいて組立てられることが 必要であることもまた想像できるが、この場合もまたプロ−α鎖が共組立てされ て望まないハイブリッド分子が形成されるのを回避することが必要である。 本発明の目的は、プロ−α鎖が他のプロ−α鎖と望ましくない共組立てをする ことなく、プロ−α鎖またはその誘導体から所望のプロコラーゲンまたはその誘 導体を組み立てる方法を提供することである。 本発明は、少なくとも1つの別のプロコラーゲンまたはその誘導体を共発現し て組み立てるシステムにおいて、所望のプロコラーゲンまたはその誘導体を生産 する方法であって、所望のプロコラーゲンを組立てるためのプロ−α鎖またはそ の誘導体を発現する遺伝子が、天然のプロ−α鎖から外因的に選択されるか、ま たはC−末端プロペプチドドメインの活性を有するが、該少なくとも1つの別の プロコラーゲンまたはその誘導体を組立てて形成する、プロ−α鎖またはその誘 導体のC−末端プロペプチドと共組立てされないドメインをもつ該プロ−α鎖ま たはその誘導体を発現するように外因的に工作されることを特徴とする方法を提 供する。 “プロコラーゲンまたはその誘導体”および“プロ−α鎖またはその誘導体” とは、それぞれ、タンパク質またはその誘導体である、天然に見出されるものと 同じかまたは人工の誘導体である、プロコラーゲンまたはプロ−α鎖の分子を意 味する。もし人工の誘導体が、C−末端プロペプチドドメインの活性を有するが 、少なくとも1つの別のプロコラーゲンまたはその誘導体を組立てて形成する、 プロ−α鎖またはその誘導体のC−末端プロペプチドドメインと共組立てされな いドメインを含むものであるならば、該誘導体は、非タンパク質ドメインを有し ていてもよく、あるいは完全に非タンパク質であってもよい。 好ましいプロ−α鎖誘導体は、C−末端プロペプチドドメインの活性をもつド メインおよび少なくとも部分的に三重らせんを形成する能力をもつドメインを含 む。 したがって、外因的に選択されるか、または外因的に工作された遺伝子は、ト リマーに組立てられてプロコラーゲン分子またはその誘導体を形成するプロ−α 鎖またはその誘導体を発現し、次いで該プロ−α鎖またはその誘導体を、プロコ ラーゲンC−プロテイナーゼおよびプロコラーゲンN−プロテイナーゼ(それぞ れ、プロコラーゲン分子からC−およびN−末端プロペプチドを切断して、モノ マーを形成するが、これは同時に集合してコラーゲンポリマーを形成する)に曝 すとコラーゲンポリマーが形成される。コラーゲンポリマーは、原線維コラーゲ ンが好ましい。 本発明は、プロコラーゲンの組立てにおける重大な時期は、プロ−α鎖がタイ プ特異的な作法で組み立てられることを確実にする、プロ−α鎖間の最初の認識 段階であるという発明者らの認識に基づいている。この認識段階は、プロ−α鎖 のC−末端プロペプチドドメインにある認識配列が関与している。たとえば、ひ とつの細胞は、数個のタイプのコラーゲン、すなわち数種の異なるプロ−α鎖を 合成することができ、さらに、これらのプロ−α鎖は、C−末端プロペプチドド メインを識別して、タイプ特異的組立てを確実にすることができる。この識別の 1つの例を、I型およびIII型のプロコラーゲンの両方を発現している細胞に おいて見出すことができる。ここでは、proα1(I)、proα2(I)およびproα1(III )と称される、少なくとも3種のプロ−α鎖が合成される。しかし、形成される プロコラーゲンは、[proα1(I)]2proα2(I)ヘテロトリマーおよび[proα1(III)]3 ホモトリマーのみである。プロ−α鎖の他の組み合わせはプロコラーゲンへ組 立てられない。 PCT/GB96/02122(WO−A−97/08311)(本明細書の 参考文献である)に、我々は、C−末端プロペプチド内の特定の領域が、プロコ ラーゲン形成中プロ−α鎖のC−末端プロペプチドドメイン間の会合特異性に関 与する認識配列であることを開示している。これらの認識配列は、それぞれのプ ロ−α鎖にたいして次のアミノ酸配列をもつことが同定された: これらの認識配列がプロ−α鎖会合の選択性および特異性を付与する。 本発明にしたがって、我々は、望ましくない共組立て産物であるハイブリッド 分子を作成することなく、少なくとも1つの別のプロコラーゲンまたはその誘導 体のプロ−α鎖またはその誘導体を共発現し、組み立てるシステムにおいて、所 望のプロ−α鎖またはその誘導体を発現させ、プロコラーゲンまたはその誘導体 へ組立てることができる方法を発明した。これは、外因的に工作されるかまたは 選択された遺伝子から発現される、所望のプロ−α鎖またはその誘導体のC−末 端プロペプチド活性を有するドメインが、少なくとも1つの別のプロコラーゲン またはその誘導体のプロ−α鎖またはその誘導体のC−末端プロペプチド活性を 有するドメインと会合しないように、これらのプロ−α鎖またはその誘導体をコ ードする遺伝子を外因的に工作するかまたは選択することによって達成される。 別の言い方をすれば、該工作するかまたは選択することによって発現されるプロ −α鎖またはその誘導体のC−末端プロペプチド活性を有するドメインは、この ような遺伝子から発現されるプロ−α鎖間の会合と別のプロコラーゲンまたはそ の誘導体から形成される少なくとも1つのプロ−α鎖との会合が相互に排他的で あるようなドメインである。 このように、本発明にしたがって、所望のプロコラーゲンを組み立てるための プロ−α鎖またはその誘導体を発現する遺伝子は、(i)少なくとも第1のタイプ のプロ−α鎖のC末端プロペプチドドメインの認識配列を含む第1部分、および (ii)所望のプロコラーゲンを組み立てる第1部分に結合する第2部分、を含むプ ロ−α鎖またはその誘導体を発現するように、外因的に選択されるかまたは構築 される。該第2部分は、少なくとも部分的にトリマーを形成して三重らせんを形 成することが可能であるものが好ましい。第2部分は、他のプロ−α鎖またはそ の誘導体とトリマーを形成することができる、少なくとも数個のアミノ酸を含む のが、より好ましい。発現した分子は、望ましくないハイブリッド分子が形成さ れることなく、少なくとも1つの別のタイプのプロ−α鎖を共発現し、組み立て るシステムにおいて、発現し、組み立てるように“工作された”分子である。 外因的に選択されるかまたは修飾された遺伝子によって発現されるC−末端プ ロペプチド活性を有するドメインは、上記列挙した認識配列を含む。該ドメイン は、このような認識配列に、C−末端プロペプチド活性を保持したまま、修飾( 置換または欠失によるなど)を行うことができる。 本発明で使用する外因的に修飾された遺伝子を作製するために、所望の認識配 列をコードするDNAを、天然または人工的に構築されたプロ−α鎖遺伝子に見 られる認識配列をコードするDNAで置換して、本発明方法で使用する外因的に 修飾された遺伝子を形成してもよい。 天然のプロ−α鎖をコードするDNA、特にcDNAは、当業界では公知であ り、入手可能である。たとえば、WO−A−9307889、WO−A−941 6570およびこれらの両方の参考文献に、その詳細が記載されている。このよ うなDNAを、本発明で用いるための外因的に修飾された遺伝子をコードするD NA分子を作製するための簡便な出発材料として用いてもよい。 DNA配列、cDNA、全ゲノム配列およびミニ遺伝子(全長遺伝子に存在す るイントロンの幾つか(全部ではない)を含むゲノム配列)を、組換え法によっ て天然のプロ−α鎖をコードするDNA配列(前記出発材料DNAなど)に挿入 し、本発明の第1の態様において使用するための外因的に工作された遺伝子をコ ードするDNA分子を形成してもよい。一般に非常に多数のイントロンがコラー ゲン遺伝子に存在するので、実際に実験に用いるのは、通常、cDNAを用いる のが好ましく、場合によってはミニ遺伝子が都合がよい。挿入されたDNA配列 、cDNA、全長ゲノム配列またはミニ遺伝子は、少なくとも1つの別のプロコ ラーゲンまたはその誘導体を組み立てるプロ−α鎖またはその誘導体のC−末端 プロペプチドドメインと共組立てされないC−末端プロペプチドドメインをもつ プロ−α鎖またはその誘導体にリスクを付与するアミノ酸をコードする。 好ましい遺伝子の外因的工作は、工作された遺伝子から発現するいずれかのプ ロ−α鎖またはその誘導体が、外因的に工作された遺伝子が導入される宿主細胞 から発現するプロ−α鎖と、望ましくない共組立てを行わないという、プロ−α 鎖の選択的会合を導くC−末端プロペプチドドメイン内の認識配列の変換である 。 我々の先の出願、PCT/GB96/02122(WO−A−97/0831 1)において、我々は、天然のC−末端プロペプチドまたは異種のα鎖(あるい は非コラーゲン成分)をもつ新規なC−末端プロペプチドドメインの組み合わせ を特徴とする新規な分子を開示した。PCT/GB96/02122は、このよ うな分子をコードするDNAも開示している。これらのDNA分子を本発明に用 いてもよい。PCT/GB96/02122に開示した、このような分子は、本 発明に包含される。 別法として、これらの認識配列のいずれか1つをコードするDNA内に、欠失 、付加または置換といったような突然変異を作成して、プロ−α鎖会合の選択性 および特異性を変化させることもできる。 他の好ましい遺伝子の外因的にの工作は、少なくとも2つの異なるプロ−α鎖 の遺伝暗号から形成される、キメラプロ−α鎖またはその誘導体をコードする遺 伝子構築物の構築である。該キメラプロ−α鎖またはその誘導体が、1つのタイ プのプロ−α鎖のC−末端プロペプチドドメイン由来の認識配列および別のタイ プのプロ−α鎖由来のα鎖ドメインを含むのが特に好ましい。好ましいキメラプ ロ−α鎖またはその誘導体には、proα1(I)、proα2(I)、proα1(II)、proα1(I II)、proα1(V)、proα2(V)、proα1(XI)またはproα2(XI)プロ−α鎖の認識配 列およびこれらのプロ−α鎖の異なる1つから選ばれるα鎖ドメインが含まれる 。キメラプロ−α鎖またはその誘導体を作成するのに最も好ましいプロ−α鎖は 、コラーゲンIおよびIIIからのものであり、proα2(I)およびproα1(III)が 特に好ましい。特に好ましいキメラプロ−α鎖またはその誘導体は、実施例に開 示する。 本発明の方法における遺伝子の好ましい外因的にの工作では、proα2(I)鎖遺 伝子の認識配列をコードするDNAを、proα1(III)鎖遺伝子の認識配列をコー ドする対応するDNAと交換することができ、この工作をされた遺伝子は、発現 して、proα2(I)ホモトリマーであるプロコラーゲンを(これらの認識配列を含 むプロ−α鎖から通常形成されるproα1(III)ホモトリマーの代りに)組み立て ることができる。このように、本発明にしたがって、発現が起こる、天然の認識 配列を有する細胞に内在するproα2(I)鎖とは共組立てされない、外因性源由来 のproα2(I)ホモトリマー形成することができる。 もうひとつの本発明の方法における遺伝子の好ましい外因的工作では、工作さ れた遺伝子は、少なくとも、プロコラーゲンC−プロペプチド(すなわち、プロ −α鎖のC−末端プロペプチドドメイン)の活性を有する第1の部分および異種 コラーゲンα鎖および非コラーゲン成分のいずれか1つから選ばれる第2の部分 (第1の部分は第2の部分に結合する)を含む分子をコードする。非コラーゲン 成分の第2の部分をコードする遺伝子(PCT/GB96/02122で開示し たような)は、本発明で使用するプロ−α鎖誘導体の例である。 別法として、選択された遺伝子から発現するいずれかのプロ−α鎖が、該遺伝 子が導入される宿主細胞から発現するプロ−α鎖と、望ましくない共組立てを行 わないような、プロ−α鎖の選択的会合を導くC−末端プロペプチドドメイン内 の認識配列の遺伝子を、天然の遺伝子から選択することができる。 外因的に選択または修飾された遺伝子を、適当なベクターに組み込んで組換え ベクターを作成する。ベクターは、プラスミド、コスミドまたはファージなどで ある。このようなベクターには、ベクターにトランスフェクトされた細胞の選択 を可能にするための、好ましくは、外因的に修飾された組換えベクターを内包す る細胞の選択を可能にするための1つまたはそれ以上の選択可能なマーカーを含 むことが多い。 プロ−α鎖またはその誘導体を発現するには、ベクターは発現ベクターであり 、外因的に修飾された遺伝子の発現を作動させための調節配列を含むべきである 。このような調節配列を含まないベクターは、外因的に修飾された遺伝子の調製 に用いることができ、外因的に修飾された遺伝子の複製に用いるクローニングベ クターとして有用である。このようなベクターを用いる場合、外因的に修飾され た遺伝子は、プロ−α鎖またはその誘導体の産生に用いる適当な発現ベクターへ トランスファーされることが最終的に必要となる。 本発明の外因的に選択されたプロ−α鎖または外因的に工作された遺伝子がプ ロコラーゲンまたはその誘導体を発現し、組み立てるシステムは、無細胞インビ トロシステムであってもよい。しかし、本発明の第2の態様においては、システ ムがDNA分子でトランスフェクトされる宿主細胞であるのが好ましい。このよ うな宿主細胞は、原核細胞または真核細胞である。真核宿主とは、酵母、昆虫お よび哺乳類細胞などである。DNA分子によってコードされるタンパク質の発現 に用いる宿主は、不安定に形質転換された(遷移)宿主の使用が除外されること はないが、理想的には安定に形質転換された宿主である。 別法として、宿主細胞システムは、トランスジェニック植物または好ましくは トランスジェニック動物において発現されるトランスジーン構築物へ組み込まれ るDNA分子を含むことができる。このようなトランスジーン構築物の発現にと って安定なように作製されるトランスジェニック動物には、家禽などのトリ、両 生類および魚類などが含まれる。トランスジェニック動植物から形成されたプロ コラーゲンまたはその誘導体および/またはコラーゲンポリマーは、体液または 他の体からの産物(卵など)から収穫することができる。好ましいトランスジェ ニック動物は、(ヒト以外の)哺乳動物、特に胎盤性動物である。本発明のDN A分子の発現産物は、このような動物の乳腺において発現し、該発現産物は、乳 から回収することができる。有蹄類、ウシ、ヒツジ、ヤギ、水牛、ラクダおよび ブタなどの特に経済的に重要な有蹄類が、本発明のトランスジェニック動物とし て用いるのに最も適当な胎盤性動物である。体内におけるプロ−α鎖またはその 誘導体の発現が遺伝子療法を有効にする適当な手段でありうるようなヒトの場合 に、トランスジェニック動物は同様にヒトであってもよい。 宿主細胞、特にトランスジェニック植物または動物は、他の外因性DNAを含 むことができ、その発現は、プロコラーゲンおよびその誘導体の生合成における 発現、組立て、分泌または他の態様を促進し、該プロコラーゲンおよびその誘導 体から形成されたコラーゲンポリマーの合成さえも促進する。たとえば、WO− A−9307889に開示しているように、宿主細胞およびトランスジェニック 植物または動物を工作して、プロコラーゲンの天然の生合成において重要な翻訳 後酵素であるプロリル4−ヒドロキシラーゼを共発現するようにしてもよい。 本発明方法は、プロ−α鎖の望ましくない共組立てまたはハイブリッド形成が 行われる従来のシステムにおいて所望のプロコラーゲンまたはその誘導体の発現 および組立てを可能にする。本発明方法は、外因的に発現されたプロ−α鎖と共 組立てされることに関連する問題を起こすことなく、広範囲の細胞系またはトラ ンスジェニック生物由来のプロコラーゲンまたはその誘導体を発現させるのに特 に適している。好ましい本発明方法の使用は、細胞系における組換えプロコラー ゲンの産生である。使用しうる細胞系は、線維芽細胞またはそれから誘導された 細胞系である。ベビーハムスター腎臓細胞(BHK細胞)、マウス3T3細胞、 チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)およびCOS細胞が使用できる 。 本発明方法は、の所望のプロコラーゲンまたはその誘導体の生産、特にバイオ テクノロジーの手段による大規模な工業的生産の改良された方法として特に有用 である。 本発明方法は、骨形成不全症、幾つかの種類のエーレルス−ダンロー症候群、 またはある種の軟骨形成異常などの疾患に罹っている患者の遺伝子療法による治 療にも有用である。ほとんどの場合、これらの疾患の激烈な影響は、三重らせん ドメイン内のグリシンが、プロ−α鎖においてより大きな側鎖をもつアミノ酸と 置換されることによるものである。この置換によって、プロコラーゲンの形成中 に、プロコラーゲンの分泌が劇的に低下するという、分泌が妨げられている、あ るいは遅らせられているという三重らせん折りたたみ状態になる。悪い状態で折 りたたまれたタンパク質が細胞内、おそらく細胞室内細網に保持され、そこで分 解される。さらに、C−末端プロペプチドドメインの折りたたみは、これらの三 重らせんドメイン内の突然変異によって影響されないので、細胞内に正常な鎖お よび変異したプロ−α鎖が保持された結果、正常な鎖および変異した鎖のC−末 端プロペプチドドメインが会合することになる。変異した鎖との相互作用による 正常な鎖の保持および分解は、突然変異の影響を増幅し、“プロコラーゲン自殺 ”と称されている。おそらく、この現象によるタンパク質の大きな損失が、なぜ このような突然変異が致死効果を生み出すかを実証するものと思われる。発明者 らによる、プロ−α鎖間の会合を最初に指示する認識配列の同定から、コラーゲ ン蓄積を調節あるいは阻止するといった治療的干渉のための標的が提供される。 したがって、本発明方法は、変異プロ−α鎖と共組立てを起こさないC−末端プ ロペプチドドメインをもつプロ−α鎖をコードするように野生型遺伝子が外因的 に工作されている、野生型遺伝子のコピーを、三重らせんドメインに変異を有す る個体へトランスファーする遺伝子療法として利用することができる。治療の結 果、患者は変異鎖を発現する細胞内で真正なコラーゲン鎖を分泌する能力をもつ ようになる。 本発明を実施例および図面によってさらに実証する。 図1は、正常なプロコラーゲン組立て(A)の段階および本発明のひとつの具 体例におけるプロコラーゲン組立ての段階(B)の模式的表現である。 図2は、I型およびIII型コラーゲンのプロ−α鎖のC−末端プロペプチド ドメインのアラインメントプロットを示す。アラインメントは、同一のアミノ酸 (#)または保存されているアミノ酸(〜)を示す。保存されたシステイン残基 は、1から8個であり、文字A、B、C、D、F、Gは、実施例のproα1(III) 鎖とproα2(I)鎖間のジャンクションの最初のアミノ酸を示す。 図3は、実施例に記載されたキメラproα1鎖の模式的表現である。 図4は、C−末端プロペプチドドメインが交換されたキメラ遺伝子構築物にお けるジスルフィド結合形成を表す、実施例で行った下記の親およびキメラ分子の SDS−PAGEゲルの写真である。各レーンは次のとおり:proα1(III)Δ1[ α1(III)]、proα2(I)Δ1[α2(I)](親分子)およびproα2(I):(III)CP[α2:CP ]proα1(III):(I)CP[α1:CP](ハイブリッド鎖)。これらの分子は、半透過性 (SP)細胞HT1080細胞の存在下、ウサギ赤血球ライセートに発現した。 その後、SP細胞を遠心分離により単離し、可溶化し、7.5%ゲルを用いて還 元(レーン1〜4)または非還元条件下(レーン5〜8)で、SDS−PAGE にて翻訳産物を分離した。 図5は、SDS−PAGEゲルの写真である。レーンは、特定の温度における proα2(I):(III)CP三重らせんの熱変性による影響を表す。サンプルは、次の作 法で調製した。:proα2(I):(III)CPRNAをSP細胞の存在下で翻訳し、その 後、SP細胞を遠心分離により単離し、可溶化し、ペプシン(100μg/ml )で処理した。反応混合物を中和し、キモトリプシン/トリプシン消化緩衝液で 希釈し、アリコートに分けた。各アリコートはトリプシン(100μg/ml) およびキモトリプシン(250μg/ml)の混合物で消化する前に1セットの 温度に加熱しておいた。12.5%ゲルを用いて還元条件下(レーン1〜10) で、SDS−PAGEによってサンプルを分析した。 図6は、キメラプロコラーゲン鎖におけるトリマー化および三重らせん形成を 表す、SDS−PAGEゲルの写真である。サンプルは、親鎖であるproα 1(III)Δ1、proα2(I)Δ1から調製し、ハイブリッドproα2(I):(III)CP,A, F,FS-C、proα1(III):(I)C[α2CP,A,F,FS-C,BS-C,CS-C,α1C]を作製 した。ハイブリッドを、SP細胞の存在下、ウサギ赤血球ライセート中で翻訳し た。その後、SP細胞を遠心分離により単離し、可溶化し、7.5%ゲルを用い て非還元条件下(レーン1〜9)で、SDS−PAGEにて翻訳産物の一部を分 離した。 図7は、キメラプロコラーゲン鎖におけるトリマー化および三重らせん形成を 表す、SDS−PAGEゲルの写真である。レーンは、図6のゲルで泳動したサ ンプルの残りのサンプルを示す。サンプルは、ペプシン(100μg/ml)で 処理した。その後、中和し、トリプシン(100μg/ml)およびキモトリプ シン(250μg/ml)の混合物で消化し、タンパク質分解消化産物を、12 .5%ゲルを用いて還元条件下(レーン1〜9)で、SDS−PAGEによって 分析した。 図8は、23アミノ酸B−Gモチーフをもつ鎖におけるトリマー化および三重 らせん形成を表す、SDS−PAGEゲルの写真である。レーンは、組換えプロ コラーゲン鎖であるproα2(III):(I)CP,proα2(I):(III)CPおよびproα2(I): (III)BGRS-Cを示す。これらを、SP細胞とともに、ウサギ赤血球ライセート 中で発現させた。その後、SP細胞を遠心分離により単離し、可溶化し、7.5 %ゲルを用いて還元(レーン1〜3)または非還元条件下(レーン4〜5)で、 SDS−PAGEにて翻訳産物の一部を分離した。 図9は、23アミノ酸B−Gモチーフをもつ鎖におけるトリマー化および三重 らせん形成を表す、SDS−PAGEゲルの写真である。レーンは、図8のゲル で泳動したサンプルの残りのサンプルを示す。サンプルは、ペプシン(100μ g/ml)で処理した。その後、中和し、トリプシン(100μg/ml)およ びキモトリプシン(250μg/ml)の混合物で消化し、タンパク質分解消化 産物を、12.5%ゲルを用いて還元条件下(レーン1〜3)で、SDS−PA GEによって分析した。 図10は、proα2(I):(III)BGR鎖の組立てにおけるCys−Ser転換およびLe u−Met突然変異の影響を表す、SDS−PAGEゲルの写真である。レーンは、 組換えプロコラーゲン鎖であるproα2(I):(III)BGRS-C,proα2(I):(III)B GRC-S,proα2(I):(III)BGR1-mを示す。これらを、SP細胞とともに、ウ サギ赤血球ライセート中で翻訳した。その後、SP細胞を遠心分離により単離し 、可溶化し、7.5%ゲルを用いて還元(レーン1〜3)または非還元条件下( レーン4〜6)で、SDS−PAGEにて翻訳産物の一部を分離した。 図11は、proα2(I):(III)BGR鎖の組立てにおけるCys−Ser転換およびLe u−Met突然変異の影響を表す、SDS−PAGEゲルの写真である。レーンは、 図10のゲルで泳動したサンプルの残りのサンプルを示す。サンプルは、ペプシ ン(100μg/ml)で処理した。その後、中和し、トリプシン(100μg /ml)およびキモトリプシン(250μg/ml)の混合物で消化し、タンパ ク質分解消化産物を、12.5%ゲルを用いて還元条件下(レーン1〜3)で、 SDS−PAGEによって分析した。 図12は、proα2(I):(III)BGRのC−末端プロペプチド間の鎖間ジスルフ ィド結合を表す、SDS−PAGEゲルの写真である。レーンは、組換えプロα 鎖であるproα2(I):(III)1およびproα2(I):(III)BGRを示す。これらを、 SP細胞とともに、ウサギ赤血球ライセート中で翻訳した。その後、SP細胞を 遠心分離により単離し、可溶化し、1.5ユニットの細菌コラゲナーゼで消化し た。消化産物を10%ゲルを用いて還元(レーン2および3)または非還元条件 下(レーン4および)で、SDS−PAGEにて分析した。 図13は、他の原線維プロコラーゲンにおける鎖選択性認識ドメインの配列ア ラインメントの模式的表現である。23残基B−Gモチーフ内の配列相同性が描 かれており、枠囲みされた領域は、プロ−α鎖の識別を指示する独特の45残基 サブドメインの位置を示している。 図1は、細胞の細胞質内細網においてプロコラーゲンがどのように組み立てら れるかを示すものである。通常、組立ては、相補的プロ−α鎖(1)のC−末端 プロペプチドドメインのタイプ特異的会合によって開始されてプロコラーゲン( 2)が形成される。合成された細胞内からプロコラーゲンが分泌され、次いで、 N−末端プロペプチドおよびC−末端プロペプチドをそれぞれ切断する、プロコ ラーゲンNプロテイナーゼおよびプロコラーゲンCプロテイナーゼによって影響 を及ぼされて、コラーゲン分子(3)が得られる。次いで、コラーゲン分子は同 時に集合してコラーゲン原線維を形成する。非相補的C−末端プロペプチドドメ インをもつプロ−α鎖(4)は会合せず、プロコラーゲンを形成しない。外因的 プロ−α鎖(5)が細胞内に導入される場合、それらは、C−末端プロペプチド ドメインと相補的である内因的プロ−α鎖(6)と共組立てを行って望ましくな いハイブリッド(7)を形成する。本発明にしたがって、内因的プロ−α鎖(6 )のC−末端プロペプチドドメインとはもはや相補的ではないC−末端プロペプ チドドメインを持つ外因的に工作されたプロ−α鎖(8)を作成し、内因的プロ −α鎖(6)との共組立てを起こすことなく、プロコラーゲン(9)、次いでコ ラーゲン分子(10)を形成する。実施例 本発明者らは、本発明方法に使用しうるDNA分子を作成した。これらのDN A分子を用いて、プロ−α鎖組立てに対する改変された選択性をもつプロ−α鎖 を発現させた。実験方策は、ホモトリマーproα1(III)鎖からproα2(I)分子への C−末端プロペプチドドメイン(またはC−プロペプチドの配列)のトランスフ ァーによって、自己会合が指示され、proα2(I)のホモトリマーが組み立てられ るという仮定に基づいて作成した。本発明者らは、正確に整列された三重らせん の組立てを確実にするのに必要な翻訳時および翻訳後修飾を行うことが知られて いる半透過可能化された細胞の存在下、無細胞翻訳システムにおいて特定のRN Aを発現することによって、プロコラーゲンの組立ての開始段階を再構築した。 proα1(III)のC−末端プロペプチドドメインの特定の領域が、proα2(I)鎖間の 対応する領域と交換されている一連のキメラプロ−α鎖から形成されるプロコラ ーゲンの折りたたみおよび組立てパターンを分析することによって、逆に、発明 者は、プロコラーゲンの自己会合を指示する、proα1(III)C−末端プロペプチ ド内の15アミノ酸からなる短い不連続配列を同定した。したがって、この配列 が、開始認識イベントの原因であり、選択的鎖会合に必要なものである。 1.材料および方法 1.1組換えプラスミドの構築 pα1(III)Δ1およびpα2(I)Δ1は、端を切りつめたα鎖ドメインをもつ組換 え プロ−α鎖であることが、に記載されている(LeeおよびBulleid(1994)J. Biol.Chem.269、p24354−2360)。Horton(1993)Methodsin Molecular Bioloby、Vol15、25章、Humana Press Inc.、Totowa、NJによ って略述されている原理を用いるPCRオーバーラップ伸長によってキメラ分子 を作成した。PCR(100μl)は、10mMのKCl、20mMのトリス− HCl、pH8.8、10mMの(NH42SO4、2mMのMgSO40.1% (v/v)トリトンX−100、300μMの各dNTP中、テンプレートDN A(500ng)、オリゴヌクレオチドプライマー(それぞれ100pmol) であった。1ユニットのVentDNAポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイ オラブズ、MA)の存在下、増幅を10ラウンド行った。pα2(I)Δ1のSfi lサイトから70bp上流の配列に相補的な5’オリゴヌクレオチドプライマー ( 5'AGATGGTCGCACTGGACATC 3' )およびpα1(III)Δ1の停止コドンから 100bp下流の領域に相補的な3’オリゴヌクレオチドプライマー( 5'TC GCAGGGATCCGTCGGTCACTTGCACTGGTT 3' )を用いて組換え体pα2(I)Δ1:(III )CP,A,F,SS-C,CS-Cを作成した。このプライマーにBamHIサイトを導入して 続いて起こるサブクローニングステップを促進した。図および3に描かれている ような正確なジャンクションをもつ分子を生成するように、ひとつのオリゴヌク レオチドに20のヌクレオチドオーバーラップを包含する内部オリゴヌクレオチ ド対を設計した。オーバーラップ伸長によって、〜990bpの産物が得られ、 これを精製し、XhoI−BamHIで切断し、pα2(I)Δ1にライゲートし、 これから1080bpのXhoI−BamHIフラグメントを削った。同様の方 法で、pα1(III)Δ1のXhoIサイトから100bp上流の配列に相補的な5’ オリゴヌクレオチドプライマー( 5’AATGGAGCTCCTGGACCCATG 3’ )およ びpα2(I)Δ1の停止コドンから100bp下流の領域に相補的であり、KpnI サイトを含む3’オリゴヌクレオチドプライマー( 5'CTGCTAGGTACCAAATGGAA GGATTCAGCTTT 3' )を用いて組換え体pα1(III)Δ1:(I)CP,Cを合成した。オ ーバーラップ伸長により、得られた100bpのフラグメントをXhoIおよび KpnIで切断し、pα1(III)Δ1に ライゲートし、これから1860bpのXhoI−BamHIフラグメントを削 除した。proα2(I)Δ1:(III)シリーズのキメラを合成するのに用いた同様の増 幅プライマーおよびKpnIの代りにBamHIサイトを含む以外は(両者とも pα2(I)Δ1に相補的である)pα1(III)Δ1:(I)CP,C構築物を作成するのに用い たものと同じ3’オリゴヌクレオチドを用いて、組換え体proα2(I):(III)BGR を構築した。第1の増幅産物は、ジャンクションを決定する内部オリゴヌクレオ チドとともにpα2(I)Δ1:(III)BS-Cおよびpα2(I)Δ1から生成した。オーバー ラップ伸長によって、SfiIおよびBamHIで切断され、pα2(I)Δ1にライ ゲートされるフラグメントを作成した。1ユニットのT4DNAポリメラーゼお よび1μgのT4遺伝子32タンパク質(ベーリンガー、Lewes、UK)の存在 下で伸長反応を行う以外は、本質的にKunnkelらの記載(Kunnkelら(1987) 、Methods in Enzymol.、154、p367−3882)にしたがって部位指定 突然変異誘発を行った。 1.2インビトロにおける転写 Gurevichら(1987)(Gurevichら(1991)、Anal.Biochem.、195 、p207−213を参照せよ)の記載にしたがって転写反応を行った。組換え プラスミドpα1(III)Δ1,pα1(III)Δ1:(I)CP,Cおよび、pα2(I)Δ1,pα2(I)Δ 1:(III)CP,A,F,SS-C,BS-C,CS-C(10μg)を直線化し、T3RNAポリメラ ーゼまたはT7RNAポリメラーゼ(プロメガ、サザンプトン、UK)をそれぞ れ用いて、転写した。反応物(100μl)を37℃で4時間インキュベートし た。RNeasyカラム(キアゲン、ドーキング、UK)にて精製を行った後、1m MのDTTおよび40ユニットのRNasin(プロメガ、サザンプトン、UK)を 含む100μlのRNアーゼフリー水にRNAを再懸濁した。 1.3インビトロにおける翻訳 ウサギ赤血球ライヤート(フレキシライセート、プロメガ、サザンプトン)を 用いて30℃にて2時間、外因性DTTの不在下でRNAを翻訳した。翻訳反応 物(25μl)に、17μlの赤血球ライセート、1μlの1mMアミノ酸(マ ウスメチオニン)、0.45μlの100mMKCl、0.25μlのアスコル ビン酸(5mg/ml)、15μCiの[L−35S]メチオニン(アマーシャ ム・インターナショナル、バックス、UK)、1μlの転写されたRNAおよび Wilsonら(1995)、Biochem.J.、307、p679−687の記載にしたが って調製した1μlの(〜2×105)半透過性細胞(SP細胞)を加えた。翻 訳後、最終濃度が20mMとなるようにN−エチルマレイミドを加えた。100 0g、5分間の遠心分離によってSP細胞を単離し、次に続く酵素消化またはゲ ル電気泳動のためにペレットを適当な緩衝液に再懸濁した。 1.4細菌コラゲナーゼ消化 5mMのCaCl2、1mMのフッ化フェニルメタンスルホニル(PMSF) 、5mMのN−エチルマレイミドおよび1%(v/v)トリトンX−100を含 む50mMのトリス−HCl(pH7.4)にSP細胞を再懸濁し、3ユニット のIII型コラゲナーゼ(アドバンス・バイオファクチャー、リンブルック、NJ )とともに37℃で1時間インキュベートする。SDS−PAGEサンプル緩衝 液を加えて反応を停止する。 1.5タンパク質分解的消化 0.5%(v/v)酢酸、1%(v/v)トリトンX−100に単離したSP 細胞を再懸濁し、ペプシン(100μg/ml)とともに20℃で2時間または 4℃で16時間インキュベートした。トリス−塩基(100mM)で中和して反 応を停止した。次いで、0.15MのNaCl、10mMのEDTAを含む50 mMのトリス−HCl(pH7.4)の存在下、キモトリプシン(250μg/ ml)およびトリプシン(100μg/ml)(シグマ、Poole、ドーセット、 UK)の組み合わせでサンプルを室温にて2時間消化した。最終濃度を500μ g/mlにした大豆トリプシンインヒビター(シグマ、Poole、ドーセット、U K)および沸騰したSDS−PAGEローディング緩衝液を加えて反応を停止し た。次いで、サンプルを5分間した。 1.6熱変性 ペプシン処理したサンプルを0.15MのNaCl、10mMのEDTAを含 む50mMのトリス−HCl(pH7.4)に再懸濁し、アリコートを熱循環器 に置く。温度を31℃から40℃まで1℃ずつ2分間ごとに上昇させた。各時限 ごとにサンプルを上記キモトリプシンの組み合わせ液で処理した。 1.7SDS−PAGE 50mMのDTTの存在または不在下に、SDS−PAGEローディング緩衝 液(0.0625Mのトリス−HCl(pH6.8)、SDS(2%w/v)、 グリセロール(10%v/v)およびブロモフェノールブルー)にサンプルを再 懸濁し、5分間煮沸する。レムリ(1970)、Nature、227、p680−6 85の方法を用いてSDS−PAGEを行った。電気泳動後、ゲルをオートラジ オグラフィーで処理し、コダックX−OマットARフィルムで撮影するかまたは 燐光イメージ分析によってイメージを定量する。 2.結果 2.1 proα1(III)C−末端プロペプチドのproα2(I)へのトランスファーは 、自己組立てを指令するための十分条件である。 実験方策は、ホモトリマーproα1(III)鎖からproα2(I)分子へのC−末端プロ ペプチドドメインのトランスファーによって、自己会合が指示され、ホモトリマ ーが組み立てられるという仮定に基づいて作成した。したがって、proα1(III) C−末端プロペプチドドメイン内の異なる領域とproα2(I)鎖の対応する配列と を交換することによって、三次構造の折りたたみを指示し、分泌(すなわち、プ ロ−α鎖の認識)プロセスに関与する配列を区別することを意図とした。翻訳産 物の分析を簡便にするために、2つの親プロコラーゲン‘ミニ鎖’、proα1(III )Δ1およびproα2(I)Δ1からキメラプロコラーゲン分子を構築した。先行文献( LeesおよびBulleid、1994)に記載されているこれらの分子は、N−および C−末端プロペプチドドメインの両方ならびに先を切った三重らせんドメインを 含んでいる。最初の仮定は、proα2(I)鎖のC−末端プロペプチドドメイン が、proα1(III)Δ1鎖の対応ドメインと置換されているキメラプロコラーゲン鎖 (すなわち、proα2(I):(III)CP)、逆にproα1(III)鎖のC−末端プロペプチド がproα2(I)Δ1鎖のものと交換されている場合proα1(I):(III)CP)の折りたた みと組立てを分析することによって試験した(図2および図3を参照せよ)。pr oα2(I)鎖間のAlaおよびAspの間(1119−1120残基)で起こるこ とがわかっている(Kessler(1996)、Science、271、p360−362 )プロコラーゲンC−プロテイナーゼ(PCP)による切断部位によっ て、C−末端プロペプチド(CP)のジャンクションポイントを決定した。pro α1(III)鎖間の切断前の位置に関するデータがないために、本発明者らは、Al aおよびPro(1217−1218残基)の間にジャンクションを置くことを 選択した。しかし続いて、Kesslerおよび共同研究者(1996)は、PCPに よる切断がGlyとAspの間(1222−1223残基)で起こり、さらに組 換え体proα2(I):(III)CPにおいて、proα1(III)のC−末端テロペプチドから誘 導された付加的4残基が含まれるのに対し、proα1(III):(I)CP構築物において はC−末端テロペプチドから同じ4つのアミノ酸が失われていることを明らかに している。RNA転写物はインビトロで転写され、プロコラーゲンの折りたたみ 、翻訳後修飾および組立てにおいて開始段階を行うことがすでに明らかにされて いる(Bulleidら(1996)、Biochem.J.、317、p195−202)、ジ スルフィド結合の形成に最適化されたウサギ赤血球ライセートとともに半透過性 HT1080細胞(SP細胞)を含む無細胞系で発現された。proα1(III)およ びproα2(I)鎖のC−末端プロペプチドドメインは両方とも、鎖間ジスルフィド 結合の形成に関与するシステイン残基を含んでいる。したがって、ジスルフィド 結合したトリマーを検出するために、還元および非還元条件下で翻訳産物をSD S−PAGEで分離した。親分子であるproα1(III)Δ1およびproα2(I)Δ1の翻 訳により、それぞれ〜77kDaおよび66kDaの主産物(図4のレーン1お よび2)が得られた。これらのサイズの差は、各分子のN−プロペプチドと先を 切り取った三重らせんドメインの相対的分子量の違いによるものである(Leesお よびBulleid、1994)。翻訳産物のヘテロゲネイティは、三重らせんドメイ ンのプロリン残基のヒドロキシル化によるものであり、このことは、電気泳動の 移動性を変化させることになる(Cheahら(1979)、Biochem.Biophys.Res.C omm.91、p1025−1031)。レーン3および7に存在する他の分子量の 小さいタンパク質は、おそらく、内部開始コドンでの翻訳開始後に得られた翻訳 産物を表すものと思われる。我々は、これまでに、これらのマイナーな翻訳産物 は、細胞質内細網へ移動しないことを明らかにしている(LeesおよびBulleid、 1994)。非還元条件下では存在するが、還元条件下では存在しない高分子量 のものは、鎖間ジスルフィド結合形成を示している。非 還元条件下での分離によって、proα1(III)Δ1鎖は自己会合してジスルフィド結 合したトリマーを形成することができるが、proα2(I)Δ1はそれができないこと が明らかになった(図4、レーン5および6)。キメラ鎖proα2(I):(III)CPお よびproα1(III):(I)CPについて同様の実験を行ったところ、proα2(I):(III)CP 鎖のみがジスルフィド結合したホモトリマーを形成しうること(図4、レーン3 、4、7および8)が明らかになった。このことから、プロコラーゲン鎖間の最 初の会合を作動させるには、III型プロコラーゲンのC−末端プロペプチドが必 要かつ十分であることが示される。 三重らせんプロコラーゲンを特に検出するために用いた標準的アッセイにおい て、SP細胞の存在下で合成されたproα1(III)Δ1鎖は、ペプシン、キモトリプ シンおよびトリプシンに対して耐性があることがすでにわかっている(Bulleid ら、1996)本発明者らは、翻訳産物にプロテアーゼ処理を行う前に種々の温 度に加熱するという熱変性試験を行うことによって、proα2(I):(III)CP鎖が正 確に配列された三重らせんを形成する能力をもつことを確認した(図5)。その 結果から、35℃以下の温度ではプロテアーゼ耐性三重らせんフラグメントが存 在するが、35℃以上の温度では三重らせんが解けてプロテアーゼ感受性になる ことが示される(図5、レーン1〜10)。燐光イメージ分析によって定量した 後、融点(Tm)は〜35.5℃であることが算出された。proα2(I):(III)CP に対して得られたTm値は、proα1(III)Δ1に対して得られた39.5℃よりも 有意に低く(Bulleidら、1996)、このことは、おそらく、三重らせんドメ インにおける全アミノ酸数に対するヒドロキシプロリン残基のパーセンテージを 反映しているものと考えられる(それぞれ11%および15%)。これらの結果 から、proα1(III)C−末端プロペプチドのトランスファーによって、正確に配 列された三重らせんへ折りたたまれる、proα2(I)鎖を含む完全に新規なプロコ ラーゲンを作成することができることが示される。 2.2キメラC−末端プロペプチドをもつ組換えプロコラーゲン鎖 proα2(I):(III)CPハイブリッドプロ−α鎖は自己会合するために必要なすべ ての情報を含んでいると仮定すると、proα1(III)のC−末端プロペプチド配列 を連続的に除去し、対応するproα2(I)配列と交換することが、結局、鎖選択メ カニズムを分断することになると我々は推論した。逆に、proα1(III)のC−末 端プロペプチドドメインの配列をproα1(III):(I)CPキメラ鎖へトランスファー するかまたは連続的に動かすと、自己会合する能力を有する分子が得られること が予測される。キメラC−末端プロペプチドドメインをもつ一連のプロコラーゲ ン鎖を構築し、個々の鎖の、安定な三重らせんドメインをもつホモトリマーを形 成する能力を試験した。これらの組換え体の模式的表現を図2に示した。文字A 、B、C、FおよびGは各ジャンクションの位置を意味する。proα1(III)およ びproα2(I)のC−末端プロペプチドに関し、proα2(I)においてはCys残基が欠 けており、システイン残基の補体において異なることに留意すべきである。我々 のこれまでのデータは、III型コラーゲンのC−末端プロペプチド内の鎖間ジス ルフィド結合が、Cys2と3の間でのみ形成することを示唆している(Leesおよ びBulleid、1994)。しかし、どちらかのC−末端プロペプチドドメインか らC−末端テロペプチドへの鎖間ジスルフィド結合は、鎖会合および三重らせん 形成には不必要であり(Bulleidら、1996)、したがって、C−末端プロペ プチドドメインのCys2残基またはC−末端テロペプチドのシステイン(proα1( III)の三重らせんドメインにおいてのみ発見されている)のどちらかを欠如して いるキメラプロ−α鎖間にホモトリマーを形成することが可能である。しかし、 これらの分子は、鎖間ジスルフィド結合を含まず、その結果として非還元条件下 での分析後にオリゴマーとして現れないであろう。この問題を避けるために、適 当なところで、発明者らは、存在するセリン残基がシステインで置換されている ことから、鎖間ジスルフィド結合によって安定化されたトリマーを形成する能力 を回復している、組換えpα2(I)Δ1S-Cハイブリッド鎖を作成した(LeesおよびB ulleid、1994)。proα1(III):(I)CPにはCys2が欠けているとはいえ、三重 らせんドメインのジャンクションに位置する2つのシステイン残基のおかげで、 依然としてジスルフィド結合したトリマーを形成する能力を保持しており、C− 末端テロペプチド、親鎖であるpα2(I)Δ1およびハイブリッドproα2(I):(III)C P,A,F,SS-C,BS-C,CS-C,proα1(III):(I)Cは、SP細胞の存在下で翻訳され、翻 訳産物は、非還元条件下でSDS−PAGEによって分離された(図6)ことに も留意すべきである。 。この結果は、組換え体pα1(III)Δ1,proα2(I):(III)CP,A,F,SS-C,BS-C(図 6のレーン1、3、4、6および7)が、鎖間ジスルフィド結合したトリマーお よびダイマーを形成することができるのに対し、pα1(III)Δ1,proα2(I):(III )F,CS-Cおよびpα1(III):(I)C(図6のレーン2、5、8および9)がモノマー 性のままであることを実証している。我々は、鎖間ジスルフィド結合が、三重ら せんの形成にとって欠くことができないものではなく(Bulleidら、1996) 、したがってジスルフィド結合したトリマーを形成しえないことが、分子が三重 らせんを形成するように組み立てられる可能性を妨げることはないということも すでに示している。キメラ鎖が、正確に配列された三重らせんに折りたたまれる 能力を有しているかどうかを確認するために、我々は、翻訳産物をペプシン、キ モトリプシンおよびトリプシンで処理し、消化された材料を還元条件下にてSD S−PAGEによって分析した。図7に示されるように、組換え体pα1(III)Δ1 ,proα2(I):(III)CP,A,FS-C,F,BS-C(図7のレーン1、3、4、5、6および 7)のすべてにおいて、プロテアーゼ耐性フラグメントが得られた。サイズの相 異は、親の分子それぞれにおける三重らせんドメインの相対的長さを反映してい る[pα2(I)Δ1185およびpα1(III)Δ1192]。proα2(I):(III)Fの安定な三重らせ んを形成する能力は、鎖間ジスルフィド結合が、三重らせん折り畳みに必要では ないことを確認している。したがって、プロペプチド切断部位とB−ジャンクシ ョンの間のproα2のC−末端プロペプチドドメインからの配列を含むハイブ リッド分子は、安定な三重らせんドメインをもつホモトリマーを形成する能力を もち、それゆえに、鎖の自己組立てを支持するのに必要な情報のすべてを含んで いる。これらの結果から、鎖選択性をコントロールするシグナルが、B−ジャン クションとC−プロペプチドのC−末端の間に位置するに違いないということが 示される。proα2(I):(III)CS-Cもproα1(III):(I)Cも三重らせんに折りたたむ ことはできない。これらの逆構築物が自己会合不能であることは、鎖選択性が、 C−ジャンクションにのびる共同リニア配列または、C−ジャンクションのいず れかの端に位置する不連続配列ドメインのいずれかによるものであることを示唆 している。 2.3鎖自己会合に関係するproα1(III)C−プロペプチドからの配列モチー フの同定 プロコラーゲン鎖選択性は、おそらく、C−末端プロペプチドドメイン内に位 置するひとつまたはそれ以上の可変ドメインによって媒介される。B−およびC −ジャンクションの間の配列は、プロコラーゲンC−プロペプチドの間に最も少 なく保存されたもののひとつであり(図2)、発明者らは、このドメインの内容 (C−ジャンクションの末端のproα1(III)配列の欠如)が、鎖組立てを指示す るのに十分ではないことを明らかにしている。鎖認識のための認識配列が、確か にさらなる組換えを妨害していたのかどうかを確認するために、Cys2におけるS er→cys変異およびC−ジャンクションのポイントBからGにわたるIII型C−プ ロペプチド由来の一連の23アミノ酸[B−Gモチーフ:b GNPELPEDVLDV cQLAFLRL LSSR g (下線は最も不一致の残基を示す、図2を参照せよ)]を含むことを別 として、proα(I)Δ1配列をすべて含む、proα2(I):(III)BGRS-C(B−G置換) を作成した。置換モチーフにおけるG−境界の位置は、C−ジャンクションの後 の最初の非保存残基(SR)を含めることを考慮した。SP細胞の存在下に発現 した場合、キメラproα2(I):(III)BGRS-C鎖は、鎖間ジスルフィド結合した分子 を形成することができた(図8のレーン6)が、このことは、C−末端プロペプ チドドメインが、自己会合する能力をもっていることを実証している。さらに、 プロテアーゼ耐性フラグメントの形成によって判定されたように(図9のレーン 3)、このハイブリッドは、折りたたまれて安定な三重らせんを形成することが できた。proα2(I):(III)BGRS-Cは、発明者らがジスルフィド結合したトリマー をアッセイするのを可能にしたSer→Cys置換を含んでいる。これまでのデータか ら、野生型のpα2(I)Δ1がホモトリマーの形成を請求することは、この置換単独 では可能にはならないことが実証された(LeesおよびBulleid、1994)。と はいえ、この突然変異が組立てパターンに影響を及ぼす可能性を排除するために 、Cys残基の野生型補体を含む復帰proα2(I):(III)BGRS-Cを作成した。予測され たように、proα2(I):(III)BGRS-Cは、ジスルフィド結合したトリマーを形成す ることができなかったが(図10のレーン5)、プロテアーゼ耐性三重らせんを 正確に組立てた(図11のレーン3)。したがって、23残基からなるB−Gモ チーフには、プロコラーゲン自己組立て を指示するために必要な情報がすべて含まれている。 proα2(I):(III)BGRS-C鎖の鎖間ジスルフィド結合形成能力は、この分子がC −プロペプチドを介して会合しうることを示唆している。しかし、これが事実で あることを確認するために、発明者らは、翻訳産物のコラゲナーゼ消化を行った (図12)。細菌コラゲナーゼは、N−およびC−プロペプチドを完全なままで 残した状態で、三重ドメインを特異的に消化する。両方の鎖のN−プロペプチド は、メチオニン残基を含まず、その結果として、消化後に残っている唯一の放射 標識された産物はC−プロペプチドである。還元および非還元条件下で分離され たサンプルを比較すると、鎖間ジスルフィド結合したトリマーが、pα1(III)Δ1 およびproα2(I):(III)BGRS-C鎖のC−末端プロペプチドドメイン内に形成され ることが実証された(図12のレーン2と4、および3と5)。このことから、 これらの鎖が、C−末端プロペプチドドメインを介して確かに会合することが実 証される。 2.4 proα2(I):BGRにおけるLeu→Met置換の影響 proα1(III)およびproα2(I)鎖からの23アミノ酸からなるB−Gモチーフ( 図13)の分析から、17位がproα1(III)においてはLeu(L)であり、proα2 (I)においてはMet(M)である以外は、13−20残基(QLAFRLL)が 同一であることが示される。部位特異的突然変異誘発を用いて、発明者らは、存 在するLeu残基をMetに置換して、proα2(I):(III)BGR1-mを作成し、鎖組立てに おける突然変異の影響を調べた。組換え体proα2(I):(III)BGRS-Cおよび、proα 2(I):(III)BGR1-mを用いて、Leu→Met突然変異誘発を行ったところ、それらは非 還元条件下で分析した場合に鎖間ジスルフィド結合した分子を形成することがで きた(図10のレーン4および6)。構築物は両方ともプロテアーゼ耐性三重ら せんドメインを形成した(図11のレーン1および3)。したがって、Leu→Met 置換によって、鎖の分泌のプロセスが破壊されることも、正確に配列された三重 らせんの形成が妨害されることもなかった。これらの観察結果から、15アミノ 酸からなる不連続配列(GNPELPEDVLDV....SSR)に、プロコラー ゲン鎖が互いを識別してタイプ特異的作法で組立てられるために必要な情報のす べてが含まれているという結論が導かれる。 3.検討 緊密に関連のあるプロコラーゲン鎖を互いに識別することができるようにする 分子レベルのメカニズムは、組立て経路の中心をなす特徴である。C−末端プロ ペプチドドメイン間の開始となる相互作用によって、三重らせんのニュークリイ エイション(nucleation)およびC−からN−方向への伝播前に構成要素である 鎖が正確に配列されること、および構成要素である鎖がコラーゲンタイプ特異的 作法において会合することの両方が確実になる。その結果として、鎖選択性を決 定する認識シグナルが、このドメインの最初の配列内、おそらく遺伝子の多様な 領域内に存在すると想定される。親の‘ミニ鎖’proα1(III)Δ1およびproα2(I )Δ1からキメラプロコラーゲン分子を作成することによって、本発明者らは、pr oα1(III)のC−末端プロペプチドドメインを天然のヘテロトリマーproα2(I)分 子へトランスファーすることが、ホモトリマー形成を指示するのに十分な条件で あることを実証している。さらに、proα1(III)およびproα2(I)のC−末端プロ ペプチドドメインの特異的配列が交換されている一連の分子を分析することによ って、proα1(III)のC−末端プロペプチド内にある15アミノ酸からなる不連 続配列(GNPELPEDVLDV....SSR)を本発明者らは同定することが できたが、これが、もし、proα1(III)のproα2(I)鎖に対する認識モチーフ内に ある対応する領域へトランスファーされるならば、鎖の整列に対して逆効果をも つようにはならず、三重らせんドメインをプロテアーゼ耐性コンホーメーション 折りたたませるように作用する。したがって、この配列モチーフは、プロコラー ゲン鎖が互いを識別し、タイプ特異的な作法で組立てを行うのを確実にするため の必要十分条件である。 鎖認識ドメインに対する構造−機能相関関係を確立するために、本発明者らは 、23残基からなるB−G配列:GNPELPEDVLDVQLAFLRLLS SRのハイドロパシー(hydropathy)プロフィールおよび2次構造ポテンシャル を調べた。データは、保存された領域:QLAFLRLLLが疎水性であるのと は逆に、15アミノ酸からなる認識モチーフ(GNPELPEDVLDV....S SR)が親水性であることを示している。これらの特徴は、プロコラーゲンモノ マー間の最初の会合を媒介することにおいての、このモチーフに対する潜在的役 割 と完全に一致する。他の原線維プロコラーゲンの15残基からなる認識モチーフ を調べることにより、それらがすべて、最初の配列における相異性に関係なく、 相対的に親水性であり、おそらく同様の構造コンホーメーションをもつであろう ことが予測される(図13)。それは、おそらく、区別的な鎖会合を確実にする ために必要な別の構造的特徴を提供する、アミノ酸の変化の性質であろう。B− G配列のアラインメント(図13)を調べると、1、2、12および21番目の 残基が3−11、22および23番目の残基よりもしっかりと保存されているこ とが明らかであり、このことは、後者が、分泌プロセスにおいて決定的な重要性 をもつ中心の認識配列を形成することを示唆している。我々は、他の4つの残基 が、鎖識別に直接関与するかどうかは、わからないが、これは、部位特異的突然 変異誘発によって実験的にテストすることができる。 本発明者らは、鎖選択性を決定する機能的ドメインを同定しており、トリマー 形成がこれらの同定された認識配列間の相互作用を介して開始されることを明ら かにする。しかし、鎖組成を決定する相互作用が、トリマーを生産的に会合させ 、安定化させる作用と同じであるかどうかは明らかではない。潜在的安定化相互 作用の性質は不明確であるが、過去のデータ(Bulleidら、1996)から、少 なくともIII型プロコラーゲンについては、鎖間ジスルフィド結合の形成がプロ コラーゲンの組立てにおいて直接的な役割を演じないことが示される。原線維コ ラーゲン、コラーゲンX,VIIIおよびコラーゲン様補体因子Clqに保存されている 4つの芳香族残基のクラスターがトリマー形成において方策的な重要事項である ことも仮定されている。 もともとは、C−テロペプチドは、プロコラーゲン組立てと鎖識別の両方にお いて役割をもつことが要求されており、後者では、種々のプロコラーゲン鎖間の 配列相異性の程度を左右するものとされていた。しかし、本発明者らは、最近、 III型プロコラーゲンのC−テロペプチドが三重らせんのニュークリエーション の前には相互作用しないことを実証しており、C−プロペプチドの最初の会合に おけるこのペプチド配列の役割を除外した(Bulleidら、1996)。ハイブリ ッド鎖の組立てから得られたデータは、鎖間を識別する能力は、C−テロペプチ ドの種類を区別しないことを示しており、この主張にサポートを与えている。 このアプローチを用いて、本発明者らは、3つのproα2(I)Δ1鎖である[proα 2(I)Δ1]3を特徴とするまったく新規なプロコラーゲン種の合成に成功している 。この実験全体において、先を切り取った三重らせんドメインをもつプロコラー ゲン‘ミニ鎖’を使用した;しかし、本発明者らは、15残基からなるproα1(I II)認識配列を含む全長proα2(I)鎖もまた三重らせんコンホーメーションにな るように自己会合することも実証している(データ記載なし)。したがって、鎖 認識配列を異なるプロ−α鎖に導入する能力は、はっきりとした鎖組成をもつ新 規なコラーゲン分子を設計する手段を提供する。このことから続いて、細胞結合 性または接着特性を強化あるいは相異させたものなどの、はつきりとした生物学 的特徴をもつコラーゲンマトリックスの生産の可能性が導入される。さらに、プ ロコラーゲン鎖間の会合の開始を指示する短いペプチド配列を同定することによ って、コラーゲン蓄積を調節または阻止する治療的介入のための標的が提供され る。 上述したキメラ構築物を本発明方法に用いて、どのような細胞系においても、 内因的に発現するプロコラーゲンとの共組立てに関連する問題をもたらすことな く、外因的プロコラーゲンを発現させることができる。本発明方法の用途は、培 養細胞あるいは身体組織内のいずれかにおいて細胞内にプロコラーゲンを発現さ せることである。これは、原線維コラーゲンを正常に効率的に合成する線維芽細 胞などの細胞系における組換えプロコラーゲンの産生ならびに遺伝子療法による コラーゲン疾患の治療において特に関連性がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも1つの別のプロコラーゲンまたはその誘導体を共発現して組み 立てるシステムにおいて所望のプロコラーゲンまたはその誘導体を生産する方法 であって、所望のプロコラーゲンを組立てるためのプロ−α鎖またはその誘導体 を発現する遺伝子が、天然のプロ−α鎖から外因的に選択されるか、またはC− 末端プロペプチドドメインの活性を有するが、該少なくとも1つの別のプロコラ ーゲンまたはその誘導体を組立てて形成する、プロ−α鎖またはその誘導体のC −末端プロペプチドと共組立てされないドメインをもつ該プロ−α鎖またはその 誘導体を発現するように人工的に工作される遺伝子であることを特徴とする方法 。 2.遺伝子の少なくとも一部が、プロ−α鎖からプロコラーゲンへの組立てに おける選択性を付与する認識配列をコードする、請求項1に記載の方法。 3.認識配列が、アミノ酸配列 GGQGSDPADV AIQLTFLRLM STE をコードする、請求項2に記載の方法。 4.認識配列が、アミノ酸配列 NVEGVTSKEM ATQLAFMRLL ANY をコードする、請求項2に記載の方法。 5.認識配列が、アミノ酸配列 GDDNLAPNTA NVQMTFLRLL STE をコードする、請求項2に記載の方法。 6.認識配列が、アミノ酸配列 GNPELPEDVL DVQLAFLRLL SSR をコードする、請求項2に記載の方法。 7.認識配列が、アミノ酸配列 VDAEGNPVGV.VQMTFLRLL SAS をコードする、請求項2に記載の方法。 8.認識配列が、アミノ酸配列 GDHQSPNTAI.TQMTFLRLL SKE をコードする、請求項2に記載の方法。 9.認識配列が、アミノ酸配列 LDVEGNSINM.VQMTFLKLL TAS をコードする、請求項2に記載の方法。 10.認識配列が、アミノ酸配列 VDSEGSPVGV.VQLTFLRLL SVS をコードする、請求項2に記載の方法。 11.遺伝子が、1つのプロ−α鎖遺伝子から誘導された認識配列および異な る源から誘導されたα鎖ドメインを含むプロ−α鎖またはその誘導体をコードす る、請求項2〜10に記載の方法。 12.遺伝子が、少なくとも2つの異なるプロ−α鎖のフラグメントから形成 されたプロ−α鎖またはその誘導体をコードする、請求項2〜10に記載の方法 。 13.遺伝子が、1つのタイプのプロ−α鎖およびC−末端プロペプチドドメ インを含むプロ−α鎖またはその誘導体をコードする、請求項11または12に 記載の方法。 14.DNA分子が、proα1(I)、proα1(II)、proα1(III)、proα1(V)、pr oα2(V)、proα1(XI)またはproα2(XI)からなるプロ−α鎖のフラグメントの組 み合わせから形成されたプロ−α鎖またはその誘導体をコードする、請求項11 〜13のいずれか1つに記載の方法。 15.遺伝子が、proα2(I)鎖の認識配列がproα1(III)鎖の認識配列で置換さ れている修飾proα2(I)をコードする、請求項14に記載の方法。 16.遺伝子が、プロコラーゲンC−末端プロペプチドの活性を有する第1部 分および外因的コラーゲンα鎖および非コラーゲン成分のいずれか1つから選択 された第2部分を少なくとも含む(第1部分と第2部分は連結している)、プロ −α鎖またはその誘導体をコードする塩基配列を含む、請求項1に記載の方法。 17.遺伝子がベクターに組み込まれている、前記請求項のいずれかに記載の 方法。 18.ベクターがプラスミド、コスミドまたはファージである、請求項17に 記載の方法。 19.システムが遺伝子でトランスフェクトされた宿主細胞である、前記請求 項のいずれかに記載の方法。 20.宿主細胞が真核細胞である、請求項19に記載の方法。 21.宿主細胞が酵母、昆虫または哺乳動物細胞である、請求項20に記載の 方法。 22.宿主細胞が、哺乳動物細胞であり、線維芽細胞または、ベビーハムスタ ー腎臓細胞,マウス3T3細胞,チャイニーズハムスター卵巣細胞およびCOS 細胞から誘導された細胞系から選ばれる、請求抗21に記載の方法。 23.システムがトランスジェニック植物または動物である、請求項1〜19 に記載の方法。 24.システムがトランスジェニック動物であり、非ヒト胎盤性哺乳動物であ る請求項23に記載の方法。 25.胎盤性哺乳動物が、ウシ、ヒツジ、ヤギ、水牛、ラクダまたはブタのい ずれか1つである、請求項24に記載の方法。 26.システムがトランスジェニック動物であり、遺伝子療法を必要としてい るヒトである、請求項19に記載の方法。 27.遺伝子療法が、骨形成不全症、エーレルス−ダンロー症候群または軟骨 形成異常を治療するためのものである、請求項26に記載の方法。
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