JP2001512574A - ハプトグロビンの表現型を決定する方法およびキットならびにその使用 - Google Patents
ハプトグロビンの表現型を決定する方法およびキットならびにその使用Info
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Abstract
(57)【要約】
生物学液体中のハプトグロビンの表現型を決定する方法において、a)生物学的液体を、少なくとも2ヵ所の位置でハプトグロビンに結合できるハプトグロビン結合パートナー、特にStreptococcus pyogenesと、ハプトグロビンを凝集させることができるようにおよび/またはハプトグロビンの表現型によって程度の異なる凝集を起こさせるように接触させ、b)凝集の程度を測定し、ついでc)その凝集の程度に基づき、生物学的液体におけるハプトグロビンの表現型を決定する各工程からなる方法である。キットはハプトグロビン結合パートナーと、所望により対照ハプトグロビンのサンプルからなる。このキットおよび方法はウイルス感染後の患者の予後の評価、肝臓移植後の移植片の生存率の決定、および様々な臨床検査室パラメーターの解釈の改良に使用することができる。現存するアッセイに比較して、本方法はハプトグロブリンの表現型を速やかに決定することができる。
Description
【発明の詳細な説明】
ハプトグロビンの表現型を決定する方法およびキット
ならびにその使用
本発明は、生物学的液体中のハプトグロビン、殊にヒトハプトグロビンの表現
型を決定するための方法およびキットに関する。
ヒトハプトグロビン(Hp)はよく研究されている。それらは40年以上前に発
見され、多くの生物学的に鍵となる役割、たとえばヘモグロビンの血漿輸送およ
び免疫系との相互作用を行うことが知られている。すべてのハプトグロビンは、
2種類のポリペプチド鎖、β鎖およびα鎖を含有する。β鎖はすべてのハプトグ
ロビンで同一であるが、α鎖は2つの形態を示し3種のHp表現型、Hp1-1
、Hp2-1、Hp2-2を生じる。
Hp表現型の間には多くの機能的な差が存在し、それは重要な臨床的結果をも
っように思われる(Langlois & Delanghe,ClinChem1996;42:1589-1600)。Hp2
-2型は、低いヘモグロブリン結合能、したがって酸化的ストレスに対する効率
性の低い保護、一酸化窒素(NO)の高度の阻害、ならびにプロスタグランジン合
成の著しくない阻害を特徴としている(Langlois & Delanghe,Clin Chem 1996:4
2:1589)。さらに、ハプトグロビンは血管形成作用を有し(Hp2-2の血管形成作用
は大きい)(Cid MCら,J Clin Invest 1993;91:977)、T4抗原に結合すること
により連鎖球菌を凝集し(Nature 1978;271,373)、白血球のホーミングおよび輸
送に関与する(Hpは、白血球接着分子CD11b/CD18およびCD22に結合する)(J Bi
ol Chem 1995;270:7543,J Immunol 1996;156:2542)。ハプトグロビンがT4抗
原に結合するという事実は既に、ヒトハプトグロビンの定量化のELISA試験の開
発に使用されている(Katnic Iら,Arch Immunol Ther Exp Warsz 1993;42:105-9
)。この試験はしかしながら、ハプトグロビンに対するT4抗原結合部位は
異なるハプトブロビンで同一であるので、異なるハプトグロビン表現型の間の識
別はできない。
上述の機能的性質は重要な臨床的結果を有する。Hp2-2型は難治性本態性
高血圧症の独立の危険因子であり、本態性高血圧症の標的臓器障害の予測マーカ
ーである(J Hypertens 1993;11:861,J Cardiovasc Risk 1995;2:131)。また、
急性心筋梗塞において(N Engl J Med 1982;307:457)、および冠状動脈硬化症に
おいて(Atherosclerosis 1997;132:215)、Hp2-2表現型は重要な独立の危険
因子であることが発見されている。より典型的な心脈管系の危険因子(たとえば
、喫煙、コレステロール、高血圧症・・・)の修正後に、心臓学者はどの患者が動
脈硬化損傷をより急速に蓄積するかを予測することを未解決のまま残している。
したがって、遺伝子的素質の知識(たとえばHp型)は、よりよい予防および心
脈管系疾患患者のより注意深い追跡が可能になる。
Hp2-2型はHIV感染におけるより高い死亡率と関係がある(Trop Med Int
Health 1997;11:1102)。Kaplan-Meier生存率分析は、Hp2-2患者の約7年に
対し、他のHp型をもつ患者では11年の平均生存時間を示した。これは、鉄-駆
動性の酸化的ストレスに対する有効性の低い防御によって説明され、高いウイル
ス複製率を生じる。これは、強力なプロテアーゼ阻害剤に対する治療的抵抗性を
示す患者にみられるように、ウイルス複製が治療抵抗性HIV株の発生の危険を
増大させることが強調されている。したがって患者のHp型の知識は、HIV感
染の予後を推測させ、よりよく計画された治療戦略を導くことになる。
他の臨床的応用は肝移植後の患者の管理において見出すことができる。ハプト
グロビンはもっぱら肝組織で合成されるので、肝移植は患者のHp型が変化する
生物学的にユニークな条件である(もしも移植前のHp型とは異な
るなら)。患者の血清Hp型はもっぱら肝移植片が生成するハプトグロビンの表
現型に依存する。
肝移植を受けた患者177例のシリーズにおいて、移植理由が一次原因の肝炎ウ
イルスであった症例(n=88)中、Hp2-1またはHp1-1を産生する移植片
を受けた肝移植患者に比較し、Hp2-2表現型を発現する移植片を受けた患者
の生存率は予後の貧弱なことが(p<0.03)特徴であることが明らかになった。
移植の前に移植片の質の制御のための時間枠はきわめて短いので、したがって迅
速なHp表現型の決定方法は肝移植のよりよい結果に寄与するものと思われる。
迅速なHp型分類方法は、法医学における父性の試験に有用である。さらに、
Hp多型は、広範囲の臨床検査室のパラメーターの、血清Hp濃度(Hp2-2型で
は低い)のみならず、血漿脂質(総コレステロールおよびLDLコレステロール)、
血漿タンパク質(フェリチン、免疫グロブリンA、セルロプラスミン)、および他
の生化学的パラメーター(血清鉄、トランスフェリン飽和、ビタミンC、ビタミ
ンE)の参照値に遺伝的に影響する(Langlois & Delanghe,Clin Chem 1996;42:
1589,Langloisら,Clin Chem 1996;42:1722)。たとえばHp2-2患者における
軽度の溶血が先天性のHp欠乏としばしば混同されうる。
血液学の分野においても、末梢血B−リンパ球およびCD4+T−リンパ球の
参照値はHp型に依存する(Langloisら,Eur J Clin Chem Clin Biochem 1997;3
5:199)。これは、AIDSの診断に固定CDC分類を使用する場合、CD4+細
胞数の過大評価または過少評価に導きうる。したがって、迅速で簡単な試験を用
いるHp型の付加的決定は臨床検査室医学における一部の問題を回避するために
有用である。
要約すると、Hp型の決定は、臨床家の診断のためのまた患者の予防的お
よび治療的管理において付加的試験として興味がある。
現時点まで、血清または血漿のハプトグロビン表現型の決定は、通常デンプン
ゲル電気泳動によって行われている(O.Smithies,Biochemical Journal 1955;61
:629-41)。この既知技術の欠点は、遅いこと、骨の折れること、および電気泳動
装置の使用を必要とすることである。
本発明の目的は、生物学的液体中のハプトグロビンの表現型の新規な決定方法
であって、実施がより迅速かつ簡単な方法を提供することにある。
この目的のために、本発明の方法は、
a)生物学的液体を、少なくとも2ヵ所の位置でハプトグロビンに結合できるハ
プトグロビン結合パートナーと、ハプトグロビンの表現型の如何によってハプト
グロビンを凝集させることができるように、および/またはそれにより程度の異
なる凝集を起こさせるように接触させ、
b)その凝集の程度を測定し、ついで
c)その凝集の程度に基づき、生物学的液体におけるハプトグロビンの表現型を
決定する
各工程からなる。
凝集の程度は、可視的にまたは慣用の技術たとえば濁度法および/または比濁
法を用いて決定することができる。比濁法の高い正確度を考慮すると、この技術
の使用が特に好ましいが、他の技術も適当である。
生物学的液体としては、すべての種類の異なる生物学的液体を採用することが
できる。このような生物学的液体の例としては、全血、血漿、血清、髄液、尿、
細胞抽出液または組織抽出液がある。
本発明の方法に使用されるハプトグロビン結合パートナーは、様々な種類があ
り、様々なディメンションのものでありうる。結合パートナーには、ハプトグロ
ビンの表現型の如何によってハプトグロビンを凝集させることがで
きるか、および/または程度の異なる凝集を起こさせるように、それによってハ
プトブロビンに結合することが可能な、少なくとも2個の位置を有することが必
須である。
上記結合パートナーがハプトグロビンに結合できる位置は、ペプチド、抗体、
抗体のFabまたはFab'もしくはF(ab')2フラグメント、レクチン、細胞受容体
、ハプトグロビンの分子インプリント、細菌性抗原、および/または各ハプトグ
ロビン結合部位を包含するそのフラグメントにより形成されることができる。細
菌性抗原としては特に、Streptococcus pyogenesのT4抗原がきわめて適当であ
るように思われる。
程度の異なる凝集はハプトグロビン結合部位それ自身の特異性に基づくことが
できる。特異的結合位置はたとえば、Fa、Fab'もしくはF(ab')2フラグメント
、または表現型Hp2-1もしくはHp2-2のハプトグロビンのα2鎖に特異的
に結合するがα1鎖には結合しない抗体の抗原結合部位を含むより小さい部分か
らなってもよい。α2鎖は、等しくないクロスオーバーに基づく突然変異の結果
である。それは142個のアミノ酸からなるが、α1鎖は83個のアミノ酸からなるの
みである。免疫学的には、両鎖ともに主として同じエピトープから構成されるが
、クロスオーバー領域においてのみ、α2鎖はユニークなアミノ酸配列を有する
。このユニークな配列は、以下のアミノ酸配列:ala val gly asp lys leu pro
glu cys glu ala asp asp gly gln pro pro pro lys cys ileから構成される。
選択的な抗体を作成するための適当なエピトープは、したがって、この配列内か
ら選択できる。選択的であるためには、エピトープは前述の配列からの少なくと
も“glu ala asp”の部分から構成されねばならない。
特異的抗体を作成するためには、まず第一に、選択されたエピトープに相当す
る合成ペプチドを作成することができる。このようなハプトグロビン特
異的抗体を発生させることが可能な合成ペプチドは、免疫原性タンパク質(担体
タンパク質)たとえばキーホールインペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン
等にカップリングさせなければならない。合成ペプチドに対して免疫処置された
体細胞の系列は、適当な動物、たとえばマウス(たとえば、BALB/c)、ウサギ、
ヒツジ、ヤギ等の免疫処置によって得られる。モノクローナル抗体の製造にはた
とえばFazekas,de St.Groth S.& Scheideggar,D.“Production of monoclo
nal antibodies:strategy and tactics”J Immunol Meth 35:1,1980の方法を用
いて実施することができる。
一般に、宿主(マウス、ウサギ、ヒツジ、ヤギ等)は、適当な注射方法、腹腔
内、静脈内、皮下等いずれかの方法を用いてペプチド−タンパク質接合体を投与
することにより免疫処置される。適当なアジュバント(たとえば、フロインド)
を免疫処置プロトコールに包含させることができる。
抗原による初期の免疫処置には、続いて通常数週の間隔で周期的に与えられる
数回のブースター注射が行われる。モノクローナル抗体の場合には、免疫処置し
た体細胞好ましくは脾臓細胞はついで骨髄腫細胞系(たとえば、SP 2/0)と融合
されて、特異的な抗体を分泌できるハイブリドーマが作られる。
特異的抗体(ハイブリドーマまたは免疫血清)の検出は、適当なアッセイたと
えば酵素イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイおよび/または比濁法もしくは
濁度法アッセイにより実施できる。適当なスクリーニング操作は、合成ペプチド
、ペプチド−タンパク質接合体、担体タンパク質および異なるハプトグロビン表
現型に対する特異的抗体の結合能力についての選択からなるものである。合成ペ
プチド、ペプチド−タンパク質接合体のペプチド部分ならびにハプトグロビンH
p2-2および/または2-1に特異的に結合する抗体であることが好ましい。
ハイブリドーマの維持は、好ましくはウシ胎児血清を含有する適当な標準組織
培養メジウムの使用によって達成される。
高収率のモノクロナール抗体の産生は、腹水または血清フリーの大量細胞培養
(ローラーボトル、ファーメンター等)によって実施できた。
所望の抗体の単離(培養上清、腹水または血清から)方法はルーチン技術の問
題である。周知の技術には塩沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマ
トグラフィー、親和性クロマトグラフィー(たとえば、プロテインA)等がある
。
α2鎖に特異的な抗体は、表現型Hp2-2および2-1のハプトグロビンの凝
集のためのハプトグロビン結合パートナーと同様に使用することができる。Hp
2-2表現型はα2鎖のみからなり、一方、Hp2-1表現型はα1鎖およびα2鎖
からなるという事実により、凝集度における差を観察することができる。
上述の実施態様においては、結合パートナーは、ハプトグロビン分子と格子ま
たはネットワークを形成することが可能であり、したがってそれらを凝集させる
ことができる分子、すなわち抗体によって形成される。天然の分子の代わりに、
ハプトグロビンを凝集させることができる人工分子を発生させることもできる。
これは、たとえば、ハプトグロビン結合分子たとえば抗体、抗体フラグメント、
真核および/または原核細胞性受容体もしくはその部分の、他の分子、場合によ
って、異なるハプトグロビン表現型に特異的または非特異的な、たとえばT4抗
原またはその結合部分である、他のハプトグロビン結合分子と組み合わされたも
のとの直接的(化学的に)または間接的(たとえばビオチンおよびアビジンまた
はストレプトアビジンを用いて)カップリングにより実施できる。
実施態様の変法においては、抗体特にポリクローナルもしくはモノクロー
ナル抗体またはハプトグロビン結合部位を含むそのフラグメントたとえば、Fab
、Fab'またはF(ab')2分画、またはさらに小さい分画でも、担体粒子特に合成
もしくは鉱質粒子または天然の細胞もしくは細胞フラグメントに接着させること
ができる。この方法によってアッセイの感度を改良することができる。粒子は、
それによってネットワークが形成されるようなディメンションを有し、換言すれ
ば、凝集の程度は、容易に濁度法または比濁法によって決定することができる。
担体粒子のディメンションは好ましくは0.02μ〜2μであり、アッセイの感度を
改良する観点から特に好ましくは0.1μ〜0.8μである。
使用できる担体中では、たとえばポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリア
クリレート、ポリビニルアセトアクリレート、ポリビニルピロリドン、塩化ビニ
ルアクリレート、ポリブタジエンスチレンまたはポリブタジエンアクリロニトリ
ルスチレン共重合体をベースとしたラテックス粒子が好ましい。同様にフェノー
ル樹脂または微粉化セルロースもしくはアミノセルロース粒子も使用できる。使
用される担体にはさらに、赤血球、物質ベントナイト、コレステロール結晶、石
英または無機酸化物たとえば酸化ケイ素、酸化アルミナもしくは他の微粉化した
鉱質からの微小粒子がある。分散した金属たとえば金、銀または他の金属も同様
に使用できる。さらに、分散された細菌たとえばブドウ状球菌もしくは連鎖球菌
、バチルスプロジジウス、リケッチアまたは細胞膜フラグメントも有用である。
担体への抗原または抗体の結合は吸着または共有結合法によって達成できる。
共有結合の例としては、
a)米国特許第4,448,908号に与えられたアルデヒド法、
b)Grossら,Immunochemistry 5:55,1968によるカルボジイミド法、
c)Erlangerら,Journal of Biological Chemistry 228:713,1957に
よる酸クロリドおよび酸無水物法、
d)Goodfriendら,Canadian Journal of Biochemistry and Physiology 36:1
171,1958のイソシアナート法
がある。
本発明によれば、異なるハプトグロビン表現型の間に凝集の程度の測定可能な
差を得るためには、ハプトグロビンがそれによって結合される結合パートナー上
の位置は、異なるハプトグロビン表現型に特異性である必要がないことが見出さ
れた。程度の異なる凝集は、ハプトグロビン表現型の異なる分子量、換言すれば
それらの異なるサイズ、ならびにα1、α2およびβ鎖の異なる含量に原因がある
ものと推定される。平均分子量は、より特異的にHp2-2表現型から、Hp2-
1表現型ないしはHp1-1表現型にわたって低下する。
試験は、細菌株特にT4抗原をもっているStreptococcus pyogenesで実施した
。この抗原はハプトグロビンのβ鎖に結合する。その結合自体は特異的ではない
が、凝集の程度は、異なるハプトグロビン表現型の間の、特にHp2-1とHp
2-2表現型の間の識別を可能にするのに十分異なっている。この点に関し、T
4抗原をもつStreptococcus pyogenesはHp2-2およびHp2-1によって凝集
させることができるが、Hp1-1よっては凝集させることはできないという事
実は、既にNature 1978;271:373に開示されていることに注目すべきである。し
かしながら、この刊行物からは、この性質に基づいて、異なるハプトグロビン表
現型の間の識別、特にHp2-2およびHp2-1表現型の間の識別をするための
凝集アッセイを開発できることは明瞭ではない。
全細菌の使用に代えてハプトグロビン結合位置を形成する細菌性抗原を有する
そのフラグメントの使用も考慮できる。たとえば細菌の溶解物が使用で
きる。
原核細菌細胞の他に、ハプトグロビン受容体を示す一部の真核細胞またはその
分画も所望の凝集反応を得るために適している。適当な受容体は特にCD受容体
、さらに特定すればCD22受容体である。これらの受容体は、動物またはヒト細
胞に配置され、特に白血球上に存在する。
本発明によれば、ハプトグロビン結合位置は、担体粒子上に自然のままに位置
したものである必要はなく、特異的抗体に関して上述したように、他の担体特に
合成もしくは鉱質担体粒子または天然の細胞もしくはそのフラグメントへの吸着
および/または共有結合によってハプトグロビン結合フラグメントに付着するこ
とも可能である。結合フラグメントが異なるハプトグロビン表現型に特異的でな
い場合は、担体粒子は好ましくは直径0.5μ〜4μ、さらに好ましくは1μ〜3
μを有する。これらの直径は実際、凝集程度の濁度法または比濁法による測定に
重要なばかりでなく、担体粒子のディメンションがハプトグロビン表現型の異な
る凝集性にある役割も果たすことが見出されたのである。担体粒子のディメンシ
ョンがHp1-1表現型の比較的小さなハプトグロビン分子は担体粒子を全くま
たはほとんど凝集できず、一方、Hp2-1の表現型の大きな分子、およびHp
2-2表現型の平均してなお大きい分子がそれらを凝集できるようにより特定的
に、そしてこれで、Hp2-1およびHp2-2表現型の異なる程度にさえより特
定的になるように選択される。特定の実施態様においては、担体粒子がさらに互
いに接着しStreptococcuspyogennesによって形成される鎖に類似の、特に5〜20
粒子の鎖を形成してもよい。
ハプトグロビンがハプトグロビン結合パートナーの担体粒子に結合できる位置
を提供するためには、上述の特異的な抗体もしくは抗体フラグメントおよびT4
抗原が使用されるのみでなく、さらにハプトグロビンに結合する他
の物質も用いられる。既に本明細書に上述したように、これらの物質には、一般
に、抗体、抗体のFab、Fab'もしくはF(ab')2フラグメント、レクチン、細胞
受容体、ハプトグロビンの分子インプリント、細菌性抗原、および/または各ハ
プトグロビン結合部位を包含するそれらのフラグメントを含むことができる。特
にハプトグロビン表現型の一つに特異的に結合しないハプトグロビンに対するポ
リまたはモノクローナル抗体の作成に使用できる。しかも、ハプトグロビン結合
部位として白血球接着分子(レクチン)CD11b/CD18および/またはCD22
の使用を考慮することができる。少なくとも2つの結合位置がそれぞれの担体粒
子上に、生物学的液体中にネットワークまたは格子が形成され、意図された凝集
が起こるように提供される。
本発明はさらに、凝集度に要求される差を得るための更なる解決を提供する。
特定のサイズの担体粒子を使用する代わりに、ハプトグロビン結合位置は実際に
また、分子すなわち、特に異なるサイズのハプトグロビンを立体的障害により異
なる程度に凝集させることができる、特定の巨大分子上に提供することができる
。ついで最終の凝集が得られる十分な時間ののちにまたは測定された凝集の程度
に結合速度がある役割を果たす以前に凝集の程度を測定することができる。
凝集の程度は、ハプトグロビン表現型のみでなく、生物学的液体中のハプトグ
ロビンの濃度にも依存する。好ましい実施態様においては、したがってハプトグ
ロビンの濃度も測定し、凝集の程度に基づいてその表現型を決定する場合に考慮
される。好ましくは、生物学的液体において対照ハプトグロビンの濃度と凝集の
程度との間の関係を少なくとも対照ハプトグロビン表現型について、特に十分な
程度の凝集を生じるハプトグロビン表現型についてまず測定しておくことである
。普通には、このことは表現型Hp2-2またはHp2-1についてでありうるが
、好ましくはその両者またはHp2-2に
ついてなされる。生物学的液体中のハプトグロビンの表現型をついで、最初に対
照ハプトグロビンについて確立されたのと同じ関係で、測定されたハプトグロビ
ンの濃度および測定された凝集の程度の関係を比較することにより決定される。
実際、同一のハプトグロビン濃度について、ハプトグロビンの表現型Hp1-1
、Hp2-1およびHp2-2の間に有意の差のあることが見出されたのである。
本発明による方法の特に好ましい実施態様においては生物学的液体中のハプト
グロビンの表現型の決定のために、測定された凝集の程度は対照ハプトグロビン
についてその濃度と凝集の程度の間、特に対照ハプトグロビンの濃度すなわち同
じ凝集の程度を提供する対照ハプトグロビンの濃度との間に確立された関係によ
り相関される。ついで、この濃度と実際に測定された濃度の間の比が計算される
。このようにして計算された比は生物学的液体中のハプトグロビンの表現型を指
示する。実際、Hp2-2を対照ハプトグロビンとして採用した場合、計算値の
ほぼ1はもちろん、ハプトグロビンがHp2-2表現型であることを意味する。
実験的にこの比は、ハプトグロビンがHp2-1表現型である場合にはさらに0.5
に近く位置し、ハプトグロビンがHp1-1表現型である場合ははさらに小さく
、0.125に近いことが見出された。
生物学的液体中のハプトグロビンの表現型を決定するための本発明によるキッ
トの特定の実施態様においては、少なくとも1種の対照ハプトグロビンの表現型
についての凝集の程度とハプトグロビンの濃度の間の関係の確立が提供される。
実際、それは上述のハプトグロビン結合パートナーに加えて、予め決定された表
現型のハプトグロビンを含有する少なくとも1種のサンプルからなる。このサン
プルは、たとえば凍結乾燥もしくは貯蔵寿命を延長するために他の方法で処理さ
れるか、または人工的溶液であってもよい同じ生
物学的液体のサンプルである。さらに、ハプトグロビンのサンプルは固体のハプ
トグロビンのサンプルまたは実質的に純粋なその標品であってもよい。このキッ
トにはハプトグロビンのサンプルを希釈または溶解するための溶液を付加的に加
えてもよい。
このサンプルを用いて、凝集の程度を、予め決定されたハプトグロビンの1種
または2種以上の濃度(希釈)について決定することができる。ハプトグロビン
結合パートナーとしてStreptococcus pyogenesの懸濁液を用いて行った実際の試
験から、試験または一連の試験を実施する場合、各回毎に予め決定されたハプト
グロビンの1種または2種以上の濃度での凝集の程度を測定できること、換言す
れば凝集の程度の測定を検量することが重要であるように思われた。
ハプトグロビンの検量またはキットに包含される制御サンプルは、好ましくは
Hp2-2またはHp2-1表現型のハプトグロビン、特に好ましくはHp2-2
のハプトグロビンである。これはこような表現型が一般に最高の凝集の程度を生
じるからである。
本明細書に上述したように、異なる種類のハプトグロビン結合パートナーは、
所望の凝集反応を得るために適当である。まず第一に、細菌特にStreptococcus
pyogenesが使用される。その貯蔵寿命を延長させるため、これらの細菌またはそ
のフラグメントはキット中に凍結乾燥型で包含させることもできる。貯蔵寿命の
点から、また標準化された凝集反応をより容易に得る点から、非生物ハプトグロ
ビン結合パートナーを用いることが好ましい。結合パートナーはたとえばハプト
グロビンを人工的にそれに結合させることができる位置を有する担体粒子から構
成させる。ハプトグロビン結合パートナーは、表現型Hp2-1またはHp2-2
のハプトグロビンのα2鎖は特異的に結合するが、α1鎖または上記特異的抗体の
結合部位には少なくとも結
合しない抗体から、特に構成することができる。本明細書に上述したように、こ
の抗体は、好ましくは担体粒子に結合している。凝集反応すなわちハプトグロビ
ン結合パートナーが十分に標準化されている場合には、表現型の決定は対照ハプ
トグロビンを含有するサンプルの使用を必要としないで行うことが可能であり、
換言すればハプトグロビンの表現型の決定のためのキットは本質的にハプトグロ
ビン結合パートナーそれ自体のみから構成されていてよい。
本発明のキットの特定の実施態様においては、それはさらに、すべての異なる
表現型と同程度に免疫反応性の抗体のプレパレーションから構成される。このよ
うなプレパレーションは、生物学的液体中のハプトグロビン濃度、および必要な
らばハプトグロビン検量サンプル中のハプトグロビン濃度を比濁法によって測定
することが可能である。
本発明によれば、ハプトグロビンの表現型を測定するための上述の方法および
キットは別の目的でも使用できる。
まず第一に、本発明による方法およびキットは動脈硬化の危険の評価のための
使用が提案される。Hp2-2表現型が見出される場合にはこれは高いリスクと
相関する。
本発明による方法およびキットの使用は、さらに、ウイルス感染後特にHIV
感染後の患者の予後を評価するためにさらに提案される。この特定の使用では、
Hp2-2のハプトグロビン表現型の測定は増悪する予後と相関する。
本発明による方法およびキットの使用は、さらに、移植後の移植片の生存特に
肝臓移植の場合の生存を測定するために提案される。移植肝臓におけるHp2-
2ハプトグロビン表現型の測定は、この場合、低い生存率と相関する。
本発明による方法およびキットは、最後に、臨床検査室のパラメーター、血清
ハプトグロビン濃度、血漿脂質特に総脂質およびLDLコレステロール、血漿タ
ンパク質特にフェリチン、免疫グロブリンAおよびセルロプラスミン、および他
の生化学的パラメーターたとえば血清鉄、トランスフェリン飽和、ビタミンCお
よびビタミンEの解釈の改良への使用が提案される。これらのパラメーターにつ
いて確立された参照値は実際、ハプトグロビン表現型とも相関する。
本発明のその他の特定事項および利点は、本発明の方法の以下の実施例から、
明らかになるものと確信する。しかしながら、この実施例は本発明の範囲を限定
するものではない。得られた結果は図に示す。
図1は実施例1により実施された凝集アッセイの代表的な検量曲線を示す。
図2は、相対的な凝集とハプトグロビン濃度の間の関係、およびこれを異なる
ハプトグロビン表現型について示す。実施例
この実施例においては、異なる血清サンプルに存在するハプトグロビン表現型
を測定した。細菌細胞の凝集反応の結合パートナーとしては、さらに特定すれば
T4抗原をもっている新たに増殖させたStreptococcus pyogenesを用いた。
細菌懸濁液の調製
Streptococcus pyogenes株は、診断的使用の前に、市販の血液アガールメジウ
ムプレート(Becton Dickinson,Erembodegem,Belgium)上、37℃で一晩増殖さ
せた。プレート上に形成されたコロニーを0.9%NaClに移した。この溶液を撹拌
して均一な細菌懸濁液を得た。細菌懸濁液の粘度は、安定な懸濁液が得られるよ
うに最終濃度10%のグリセロールの添加によって増加した。
標準の1cm−キューベットを用いて吸収(波長600nm)が約0.250にほぼ等しくな
るまで、懸濁液の希釈または追加の細菌の添加を行った。少なくとも測定までに
長期間を経過した場合には、懸濁液を含有するボトルを使用前によく振盪した。
ハプトグロビン濃度の測定
ハプトグロビン濃度はBehring Diagnostics GmbH,D-35001,Marburg,German
yの比濁計II(BNII)を用いて免疫比濁法によって測定した。比濁計は国際CRM
470タンパク質標準(対照;Whicherら,Clin Chem 1994;40:934-8)に対して検
量した。凝集反応はBehring Diagnosticsの定量的ハプトグロビン決定キットに
提供されたウサギ抗−ヒトハプトグロビン抗体によって得られた。さらに、この
キットによって与えられた操作に従った。この操作についてのこれ以上の情報は
Fink PCら,J Clin Chem Clin Biochem 1989,27:261-76に見られる。
凝集の程度の測定
異なる血清サンプル中の凝集の程度はまた、BNII比濁計によって測定した。
要求される凝集を得るためには、上記細菌懸濁液50μlを各回20μlの血清サンプ
ルに添加した。
アッセイの検量線は、本例で対照ハプトグロビンとして選択されたHp2-2
をもつ健康なドナーに由来する血清プールを使用して得られた。この血清プール
のハプトグロビン濃度は上述のように測定し、0.9%NaCl溶液により1g/LH
p2-2の濃度に調整した。この標準は任意に100凝集単位/gHp2-2にセッ
トした。生理的(0.9%食塩)食塩溶液中への血清プールの希釈系列(初期濃度
の100%、40%、20%)を作成し、検量曲線を構築した。この曲線の構築には、
BN比濁計を以下のプログラムに従いセットした。
試験番号 53 略号 HTYP
試験名称 HAPTOCOC
サンプル容量(μL) 20 サンプルdil.1:1.0
最低希釈1.0
試薬1容量(μl) 50 T4
試薬2容量(μl) 0
反応緩衝液容量(1) 50 N反応緩衝液
反応緩衝液容量(2) 50
測定時間(分) 12 固定時間
標準 プール
標準点の数 4
最初の希釈 1:1.0
許容偏差(%) 99.9
有効期間(日) 7
濃度単位 単位
測定範囲(単位)
最低レベル 0.00
最高レベル 1300.0
1.0;0.4;0.2および0.1g Hp2-2/Lに相当する4種の濃度それぞれにつ
いて、細菌懸濁液の添加前後に測定された値の差を計算し、凝集の程度の指示に
使用した。これらのデルタ測定値はそれぞれ、1799、584、195および74であり、
図1に示す。図1中、凝集単位および相当するHp2-2濃度はX軸上に示す。
同じ比濁計および同じ細菌懸濁液により、測定値の差を同様に多くの未知血清
サンプルについて測定した。デルタ測定値は、図1のグラフによれば、凝集単位
のある量に、またはHp2-2の特定の濃度、すなわち同じ凝集程
度を与えるHp2-2ハプトグロビンの濃度に相当した。
ハプトグロビン表現型の決定
表現型が未知のハプトグロビンの表現型を決定する前に、異なるハプトグロビ
ン表現型を含む多数の血清サンプルについてまず第一に凝集の程度を測定した。
これらのサンプルのそれぞれについて、上述のように凝集の程度およびハプトグ
ロビン濃度を測定した。さらに、図1に示した検量グラフ、または異なる測定を
行う場合に確立された類似の検量グラフに基づき、測定された凝集の程度を相当
するHp2-2の濃度または、換言すれば凝集単位の量(%での相対凝集)に相
関させた。線型回帰分析を測定された濃度について得られたデータおよび相対凝
集%に適用し、異なるハプトグロビン表現型について計算された回帰線を、図2
に示した。XおよびY軸上の両者に、測定されたハプトグロビン濃度と相対凝集
をg/Lで表すと回帰係数はそれぞれ、Hp2-2表現型について1、Hp2-1
表現型について0.5、Hp1-1表現型について0.125であった。
未知血清サンプルについてハプトグロビンの表現型を決定するためには、これ
らのサンプルのハプトグロビン濃度を測定し、加えて凝集の程度と対照ハプトグ
ロビンHp2-2の相当する濃度を測定した。これらのハプトグロビン濃度の測
定はまた、上述の操作に従いBNII比濁計を用いて行った。ついで、測定された
凝集の程度に基づいて決定された相当するHp2-2濃度と、実際に測定された
ハプトグロビン濃度との比を計算した。ほぼ1に近い比は血清サンプル中のハプ
トグロビンがHp2-2表現型であったことを指示し、小さい比、さらに詳しく
は0.5に近い比は血清サンプル中のハプトグロビンがHp2-1表現型であったこ
とを指示し、きわめて小さい比、すなわち0.12に近い比は血清サンプル中のハプ
トグロビンがHp1-1表現型であったことを指示する。
上記例から、異なるハプトグロビン表現型に対して、同じ濃度における凝集の
程度の間の有意差から見て、本発明による方法はハプトグロビンの表現型決定に
きわめて信頼できる迅速な方法であると結論できる。
最後に、上述の方法および相当するキットには、本発明の範囲から逸脱するこ
となく多くの改変が可能なことは明瞭であろう。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 デボイゼーレ,マルク
ベルギー国ベー―8000ブリュージュ.シン
ト―ピーテルスグルーネストラート129
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.生物学的液体中のハプトグロビンの表現型を決定する方法において、 a)生物学的液体を、少なくとも2ヵ所の位置でハプトグロビンに結合できる ハプトグロビン結合パートナーと、ハプトグロビンを凝集させることができるよ うに、および/またはそれによりハプトグロビンの表現型によって程度の異なる 凝集を起こさせるように接触させ、 b)その凝集の程度を測定し、ついで c)その凝集の程度に基づき、生物学的液体におけるハプトグロビンの表現型 を決定する 各工程からなることを特徴とする方法。 2.上記結合パートナーがそれによってハプトグロビンに結合できる位置はペプ チド、モノクローナルまたはポリクローナル抗体、抗体のFab、Fab'またはF( ab')2フラグメント、レクチン、細胞受容体、ハプトグロビンの分子インプリン ト、細菌性抗原、および/または各ハプトグロビン結合部位を含有するそのフラ グメントにより形成されることを特徴とする請求項1記載の方法。3.その位置 はT4抗原またはそのハプトグロビン結合フラグメントにより形成されることを 特徴とする請求項2記載の方法。 4.その位置または全ハプトグロビン結合パートナーは表現型Hp2-1または Hp2-2ハプトグロビンのα2鎖に特異的に結合するが、α1鎖には結合しない 抗体によって形成されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。 5.上記抗体は、α2鎖の以下のアミノ酸配列:ala val gly asp lys leu pro g lu cys glu ala asp asp gly gln pro pro pro lys cys ile内から選択され、少 なくとも以下の配列:glu ala aspから構成されるエピトープによって特異的に 結合することを特徴とする請求項4記載の方法。 6.上記結合パートナーは、主として2またはそれ以上の分子の化学的結合 によって作成され得る分子であって、その分子は異なる表現型のハプトグロビン を異なる程度に凝集させることができる少なくとも2個のハプトグロビン結合位 置を提供するように構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載 の方法。 7.上記結合位置は異なる凝集の程度を得るために異なる表現型のハプトグロビ ンに特異的であることを特徴とする請求項6記載の方法。 8.上記分子は異なる凝集の程度が得られるようなサイズを有することを特徴と する請求項6または7記載の方法。 9.上記結合パートナーは、担体粒子からなることを特徴とする請求項1〜5の いずれかに記載の方法。 10.上記担体粒子は真核細胞および/または原核細胞、もしくはハプトグロビン が結合できる位置を形成する受容体をもつその分画からなることを特徴とする請 求項9記載の方法。 11.上記細胞は、ハプトグロビン受容体として、特にT4抗原をもっているStre ptococcus pyogenesの細胞であることを特徴とする請求項10記載の方法。 12.上記細胞は、動物またはヒト細胞であり、CD受容体特にCD22受容体をも つ特に白血球であることを特徴とする請求項10記載の方法。 13.上記結合パートナーは、それに好ましくは吸着および/または共有結合によ り結合した上記位置を有する担体粒子からなり、上記粒子は特に合成もしくは鉱 質の粒子または天然の細胞もしくはそのフラグメントからなることを特徴とする 請求項9記載の方法。 14.結合位置が特異的である場合、上記担体粒子が直径0.02〜2μであり、好ま しくは結合位置が異なるハプトグロビン表現型に特異的である場合、上記担体粒 子が直径0.1〜0.8μであり、結合位置が異なるハプトグロビン表現型に非特異的 である場合、上記担体粒子が直径0.5μ〜4μであり、さらに好ましくは1μ〜 3μであることを特徴とする請求項13記載の方 法。 15.担体粒子は、細菌抗原特にT4抗原、異なるハプトグロビン表現型に特異的 またはそうでないハプトグロビン抗体、および/または結合パートナーがハプト グロビンに結合できることにより上記位置を形成するためそれらに付着した上記 抗原もしくは抗体のハプトグロビン結合フラグメントを有することを特徴とする 請求項13または14記載の方法。 16.凝集の程度に加えて生物学的液体中のハプトグロビンの濃度も測定し、生物 学的液体中のハプトグロビンの濃度および凝集の程度に基づいて生物学的液体中 のハプトグロビンの表現型を決定することを特徴とする請求項1〜15のいずれ かに記載の方法。 17.生物学的液体中の対照ハプトグロビン濃度と凝集の程度の間の関係を最初に 少なくとも1つの対照ハプトグロビン表現型特にハプトグロビン表現型Hp2- 1および/またはHp2-2、好ましくはハプトグロビン表現型Hp2-2につい て確立し、ついで生物学的液体中のハプトグロビンの表現型をハプトグロビンの 測定された濃度と測定された凝集程度の間の関係を対照ハプトグロビンの濃度と 上記対照ハプトグロビンによって得られた凝集の程度の間の上記の確立された関 係と比較することにより決定することを特徴とする請求項16記載の方法。 18.生物学的液体中のハプトグロビンの表現型を決定するにあたり測定された凝 集の程度を対照ハプトグロビンの特定の濃度に対してその対照ハプトグロビンに ついて確立された上記関係によって相関させ、この特定の濃度と測定された対照 ハプトグロビンの濃度の比を計算し、この比に基づいてハプトグロビンの表現型 を、対照ハプトグロビンとしてハプトグロビンHp2-2を採用した場合には、 生物学的液体中のハプトグロビンの表現型がHp2-2、Hp2-1およびHp1 -1である場合の計算された比がそれぞれ平均して約1、0.5および0.125である ことを考慮して決定することを特徴とする請求項17記載の方法。 19.凝集の程度はそれぞれ比濁法および/または濁度法により測定されることを 特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の方法。 20.生物学的液体中のハプトグロビン表現型を決定するためのキットにおいて、 a)ハプトグロビンを凝集させることができるように、および/またはそれに よりハプトグロビンの表現型によって程度の異なる凝集を起こさせるように、そ れによりハプトグロビンに結合できる少なくとも2つの位置を有するハプトグロ ビン結合パートナー、および b)予め決定された表現型のハプトグロビンを含有する少なくとも1種のサン プル からなることを特徴とするキット。 21.上記サンプル中のハプトグロビンはHp2-2またはHp2-1表現型、好ま しくはHp2-2表現型であることを特徴とする請求項20記載のキット。 22.さらにハプトグロビン濃度を測定するための少なくとも1種の試薬、特に異 なるハプトグロビンの表現型に結合する抗体の標品からなることを特徴とする請 求項20または21記載のキット。 23.動脈硬化症危険の評価において、Hp2-2ハプトグロビン表現型の決定を Hp1-1または2-1ハプトグロビン表現型の決定よりも動脈硬化症の高い危険 に相関させる請求項1〜19のいずれかに記載の方法または請求項20〜22の いずれかに記載のキットの使用。 24.ウイルス感染特にHIV感染の患者の予後の評価において、Hp2-2ハプ トグロビン表現型の決定を、Hp1-1または2-1ハプトグロビン表現型の決定 よりも悪い予後に相関させる請求項1〜19のいずれかに記載の方法または請求 項20〜22のいずれかに記載のキットの使用。 25.移植、特に肝臓移植後の移植片の生存率の評価において、Hp2-2ハプト グロビン表現型の決定を、Hp1-1または2-1ハプトグロビン表現 型の決定よりも低い生存率に相関させる請求項1〜19のいずれかに記載の方法 もしくは請求項20〜22のいずれかに記載のキットの使用。 26.血清ハプトグロビン濃度、血漿脂質、特に総脂質およびLDLコレステロー ル、血漿タンパク質、特にフェリチン、免疫グロブリンAおよびセルロプラスミ ン、ならびに他の生化学的パラメーターたとえば血清鉄、トランスフェリン飽和 、ビタミンCおよびビタミンEからなる群より選択される臨床検査室パラメータ ーの解釈において、Hp2-2ハプトグロビン表現型の決定の場合は、Hp1-1 または2-1ハプトグロビン表現型の決定の場合よりも他の参照値と相関させて その解釈を改良する請求項1〜19のいずれかに記載の方法もしくは請求項20 〜22のいずれかに記載のキットの使用。 27.生物学的液体サンプル特に全血、血漿、血清、髄液、尿、細胞抽出物または 組織抽出物中のハプトグロビン表現型の決定のためにハプトグロビンを凝集させ ることができるようにおよび/またはそれによりハプトグロビンの表現型によっ て程度の異なる凝集を起こさせるように、ハプトグロビンに結合できる少なくと も2つの位置を有するハプトグロビン結合パートナーの使用。 28.ハプトグロビン結合パートナー上の上記位置は、ペプチド、モノクローナル またはポリクローナル抗体、抗体のFab、Fab'またはF(ab')2フラグメント、 レクチン、細胞受容体、ハプトグロビンの分子インプリント、細菌性抗原、およ び/または各ハプトグロビン結合部位を包含するそれらのフラグメントにより形 成させることを特徴とする請求項27記載の使用。 29.ハプトグロビン結合パートナーは細菌細胞特にT4抗原をもつStrepto-cocc us pyogenesの細胞、またはハプトグロビン結合部位を含有するその分画である ことを特徴とする請求項27または28記載の使用。 30.Streptococcus pyogenesの全細胞とは異なり、ハプトグロビンを凝集 させることができるように、および/またはそれによりハプトグロビンの表現型 によって程度の異なる凝集を起こさせるように、ハプトグロビンに結合できる少 なくとも2つの位置を有する請求項1〜19のいずれかに記載の方法もしくは請 求項20〜22のいずれかに記載のキットに使用するハプトグロビン結合パート ナー。 31.上記位置上に、好ましくは吸着および/または共有結合によって担体粒子に 付着してなることを特徴とする請求項30記載のハプトグロビン結合パートナー 。 32.ハプトグロビンのHp2-1またはHp2-2表現型のα2鎖に特異的に結合 するが、α1鎖には結合しない抗体または抗体フラグメントからなることを特徴 とする請求項30または31記載のハプトグロビン結合パートナー。 33.生物学的液体中のハプトグロビンの表現型を決定するためのキットにおいて 請求項30〜32のいずれかに記載のハプトグロビン結合パートナーからなるこ とを特徴とするキット。
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