JP2013535688A - 肝移植における寛容性の診断及び/又は予後のための方法およびキット - Google Patents

肝移植における寛容性の診断及び/又は予後のための方法およびキット Download PDF

Info

Publication number
JP2013535688A
JP2013535688A JP2013523539A JP2013523539A JP2013535688A JP 2013535688 A JP2013535688 A JP 2013535688A JP 2013523539 A JP2013523539 A JP 2013523539A JP 2013523539 A JP2013523539 A JP 2013523539A JP 2013535688 A JP2013535688 A JP 2013535688A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liver
mif
tfrc
cdhr2
pebp1
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013523539A
Other languages
English (en)
Inventor
フエヨ,アルベルト サンチェス
サルバテヤ,フアン ホセ ロサーノ
ヨルデヤ,マルク マルティネス
カステヤ,アントニ リモラ
ボーネ,フェリクス
Original Assignee
ホスピタル クリニック デ バルセロナ
セントロ デ インベスティガシオン ビオメディカ エン レッド デ エンフェルメダーデス ヘパティカス イ ディジェスティバス (セ・イ・ベ・エ・エレ・エ・アシェ・デ)
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ホスピタル クリニック デ バルセロナ, セントロ デ インベスティガシオン ビオメディカ エン レッド デ エンフェルメダーデス ヘパティカス イ ディジェスティバス (セ・イ・ベ・エ・エレ・エ・アシェ・デ) filed Critical ホスピタル クリニック デ バルセロナ
Publication of JP2013535688A publication Critical patent/JP2013535688A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/84Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving inorganic compounds or pH
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6881Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for tissue or cell typing, e.g. human leukocyte antigen [HLA] probes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • C12N15/1072Differential gene expression library synthesis, e.g. subtracted libraries, differential screening
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6872Intracellular protein regulatory factors and their receptors, e.g. including ion channels
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/74Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving hormones or other non-cytokine intercellular protein regulatory factors such as growth factors, including receptors to hormones and growth factors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/158Expression markers

Abstract

本発明は、肝移植を受ける患者の寛容状態のインビトロの診断及び/又は予後のための方法およびキットに言及し、該方法は、検査中の患者から得られた生体サンプルにおける全身性の及び/又は肝臓内の鉄貯蔵のレベルを評価する工程と、それを参照サンプルの鉄貯蔵のレベル、または予め決められた閾値のいずれかと比較する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、人間医学の分野に言及する。より具体的には、本発明は、肝移植を受ける患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後のための方法およびキットに焦点を当て、該方法は、検査中の患者から得られた生物学的サンプルにおける全身性及び/又は肝臓内の鉄貯蔵のレベルを評価し、それを参照サンプルの鉄貯蔵のレベル、または予め決められた閾値のいずれかと比較する工程を含む。
<先行技術>
移植された移植片の長期生存は、移植片拒絶を予防するために免疫抑制薬の生涯にわたる投与に極めて依存する。これらの薬物は、移植片拒絶の予防に非常に効果的であるが、腎毒性などの重度の副作用、日和見感染症と腫瘍の増大したリスク、および糖尿病、高脂血症および動脈高血圧などの代謝性の合併症に関係する。免疫抑制薬の副作用により、移植片が慢性的な免疫抑制がない中で正常機能を維持する状態として定義される、寛容の誘導は、移植免疫における研究の主要な目的の1つである。寛容誘導は、齧歯類における移植の大多数の実験モデルにおいて可能である。しかしながら、診療におけるこれらの実験的な処置の応用は、大部分は失敗であった。寛容誘導の実験的な処置のヒトにおける臨床応用が成功していない理由の1つは、ヒト移植レシピエント内で寛容を非侵襲的に診断する正確なツールの欠如に関係がある。最近の公報は、このツールの緊急の必要性を指摘する(N. Najafian et al 2006 and Newell et al. 2006)。他方では、すべての免疫抑制薬の完全な中止にもかかわらず正常な同種移植片機能の維持は、特に肝移植後の、臨床的な臓器移植において報告されることもある。自発的に移植片を許容する患者は、「手術上(operationally)」寛容であると慣習的に考慮され、免疫寛容が実際にヒトにおいて達成することができるという概念実証を提供する。肝移植は、寛容がかなりの割合の患者において自発的に生じる唯一の臨床設定である。実際は、完全な免疫抑制の離脱(immunosuppression withdrawal)は、約21%の患者において達成することができる(Lerut, J. et al 2006)。不運にも、免疫抑制の離脱が試みられる前に、これらの患者を識別する手段は現在ない。この理由のために、免疫抑制薬の完全な中止は、肝移植ではめったに試みられておらず。したがって、多くの患者は、これが含む健康および経済的な問題を抱えたまま、不必要に免疫抑制され続ける。
主として腎臓および肝臓のレシピエントにおける、移植における寛容を識別する事前の試みは、抗原特異性の機能アッセイ、または抗原非特異性の試験のいずれかを利用してきた。機能アッセイにおいて、レシピエントのTリンパ球は、インビトロ(in vitro)またはインビボ(in vivo)のいずれかにおいて、ドナー抗原により攻撃される(challenged)(J. Cai et al 2004)、(J. Cai et al 2004)および(E. Jankowska−Gan E et al 2002)、(P. Sagoo et al. 2010)。これらのアッセイは、どの経路が寛容状態の特異性の原因であるかを明らかにすることができる唯一の試験であるため、機械論的観点から見て非常に貴重である。不運にも、これらのアッセイはまた、実行するのが難しく、研究室によって非常に異なり(標準化することが困難)、慎重に凍結保存されたドナー細胞が利用可能であることが必要とされる。これらの理由のために、機能アッセイは、広範囲の臨床応用には最適でなく、選抜された、非常に特殊化した研究室においてのみ、また基本的に研究目的のために現在利用されている。
抗原−非特異的な免疫のモニタリング試験は、ドナー抗原での攻撃を使用することなく、レシピエント免疫系の表現型の特徴付けに向けた様々な方法論を構成する。これらの試験の中で、T細胞受容体CDR3長の分散パターン(TcLandscape)の研究、フローサイトメトリーを使用することによる末梢血赤血球の免疫表現型検査、および遺伝子発現解析は、ヒトにおける寛容性のバイオマーカー特性を識別するために利用されてきた。TcLandscape技術は、慢性拒否反応を受けるレシピエントと寛容性のある腎臓レシピエントとを区別するために、末梢血において利用されてきた(S. Brouard et al. 2005)。しかしながら、この技術は、高価であり、現在1つの研究室(Inserm 643 and TcLand Expression in Nantes, France)でのみ利用可能であり、肝移植に有効ではない。末梢血の免疫表現型検査の使用は、肝臓および腎臓の両方の寛容性のある移植レシピエントから末梢血サンプルによって使用されてきた。この方法論に取り組む少なくとも4つの研究は、発明者に公知である。アメリカ合衆国のピッツバーグ大学の第1の研究(G.V. Mazariegos et al 2003)において、pDCとmDCの樹状細胞のサブセットの間の比率は小児の肝移植において寛容性と非寛容性のレシピエントを区別し得ると言われている。京都の第2の研究(Y. Li et al 2004)において、末梢血中のデルタ−1とデルタ−2のガンマデルタT細胞の間の増加した比率は、非寛容性の肝臓レシピエントにおけるよりも寛容性の肝臓レシピエントにおいてより顕著であると言われている。発明者(Martinez-Llordella et al 2007)によって調整された第3の研究において、CD4+CD25+T細胞の数の増加およびデルタ−1のデルタ−2のガンマデルタT細胞に対する比率の増加は、非寛容性のレシピエントと比較して、寛容性の肝臓レシピエントの末梢血において顕著であった。しかしながら、デルタ−1とデルタ−2のガンマデルタの間の比率の値は、同じ群からの続く研究において疑問視された(Puig-Pey et al. Transplant Int 2010)。さらに、これらの試験はどれも、広範囲の臨床応用に必要な正確性を提供しない。寛容性のバイオマーカーを識別する遺伝子発現解析技術の使用は、腎臓移植および肝移植の両方において使用されてきた(S.Brouard et al. PNAS 2007; M. Martinez-Llordella et al. J Clin Invest 2008; K.Newell et al . J Clin Invest 2010; P.Sagoo et al. , J Clin Invest 2010)。これらの技術は、以前に記載された試験より標準化するのがより容易である。さらに、参照された研究は、識別された転写バイオマーカーの使用が、免疫抑制薬のない寛容性のレシピエントと免疫抑制の維持(maintenance immunosuppression)を必要とする非寛容性のレシピエントとを区別する、非常に正確な手段であることを示した。これまでの文献で公開された研究の主な制約は、先見的に結果を実証しようと試みなかったことである。言いかえれば、これらのバイオマーカーが、免疫抑制が中止される前に寛容性のレシピエントを識別することができるかどうかを実証できなかったということである。この実証が欠如している中では、遺伝子発現で観察された差が、非寛容性のレシピエントの群における薬理学的な免疫抑制の効果によって実際には引き起こされないと確信することは不可能である。さらに、以前に報告された研究はどれも、遺伝子発現の違いが移植片自体のレベルでも存在するかどうかを調査しようと試みなかった。免疫抑制薬の長期にわたる使用は、現在、移植された同種移植片の長期生存を保証する唯一の手段であるが、これらの薬物は、高価であり、かなりの罹病率および死亡率につながる、重度の副作用(腎毒性、腫瘍および感染の進行、糖尿病、心血管合併症など)に関係する。したがって、移植中の免疫抑制薬の使用を著しく減少させることができる任意の方策は、移植レシピエントの健康および生活の質に大きな影響を与え得る。
結論として、肝移植患者における寛容性を予測することができる且つそれ故前記患者への免疫抑制薬の投与が免除され得ることを示唆することができる有効な方法の提供が、課題のままである。
それ故、本発明は、検査中の患者から得られた生体サンプルにおいて全身性及び/又は肝臓内のレベルを評価することによって、およびそれを参照サンプルの鉄貯蔵のレベル、または予め決められた閾値のいずれかと比較することによって、寛容性の肝移植レシピエントを識別する、インビトロ(in vitro)の方法を提供することによって、上記に述べられた課題を解決することを目標とする。これは、全身性及び/又は肝臓内の鉄貯蔵のレベル(遊離鉄として、あるいは伝達タンパク質またはフェリチンなどのタンパク質と結合した、身体に存在する鉄の総量)が、非寛容性の肝移植レシピエントと比較して寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いという事実に基づく。
本発明の好ましい実施形態において、全身性及び/又は肝臓内の鉄貯蔵のレベルの評価は、肝移植患者における寛容性の予測が可能な信頼できるバイオマーカーである、鉄代謝に直接関係する遺伝子の特異的な群の発現特性の、検査中の患者の肝生検における評価の手段によって実行される。したがって、免疫抑制療法を中止し得る肝臓レシピエント(寛容)と、免疫抑制薬の維持を必要とする肝臓レシピエント(非寛容)との間の発現レベル特性の統計的有意差を示す、これらの遺伝子を識別する目的のため、肝生検の組織サンプルは、免疫抑制薬の離脱の予期される臨床試験に登録された、免疫抑制療法の維持下での、安定した肝移植レシピエントの群から集められた。
発現特性は、当業者に既知の任意の技術によって決定され得る。特に、各遺伝子の発現レベルは、ゲノム及び/又は核及び/又はタンパク質のレベルで測定され得る。好ましい実施形態において、発現特性は、各遺伝子の核酸転写物の量を測定することによって決定される。別の実施形態において、発現特性は、遺伝子の各々によって生成されたタンパク質の量の測定することによって決定される。
核酸転写物の量は、当業者に既知の任意の技術によって測定され得る。特に、測定は、抽出されたメッセンジャーRNA(mRNA)サンプル上で、または当該技術分野に周知の技術によって抽出されたmRNAから調製された、レトロ転写した(retrotranscribed)相補的DNA(cDNA)上で直接実行され得る。mRNAまたはcDNAのサンプルから、核酸転写物の量は、核のマイクロアレイ、定量的PCR、および標識プローブを用いたハイブリダイゼーションを含む、当業者に既知の任意の技術を使用して測定され得る。
本発明の範囲を限定するものとして見なされるべきではない、特定の実施形態において、これらの生検の発現特性の決定は、p値<0.01および偽発見率(FDR)<25%を有する遺伝子を識別する、Illumina Beadchipの全ゲノム発現マイクロアレイを使用することによって行われた(表1)。
マイクロアレイ結果および免疫寛容の実験動物モデルにおいて行われた多くの研究に基づいて、その後、(表2にリストされた)1セットの104の遺伝子を、定量的リアルタイムPCRを利用する実証(validation)のために選択された。
リアルタイムPCRによって行った実験の結果は、表3にリストされる遺伝子が、免疫抑制薬を安全に放棄することができる(寛容)肝移植患者から取られた生検と、免疫抑制薬が中止されるときに拒絶反応を受ける(非寛容)患者との間の発現の統計的有意差を示すことを明らかにした。表3に示すように、非寛容性の肝移植レシピエントと比較して寛容性の肝移植レシピエントでは、遺伝子TFRCおよびMIFはダウンレギュレートされ、遺伝子CDHR2、HMOX1、HAMP、IFNG、PEBP1、SLC5A12、ADORA3およびDAB2はアップレギュレートされる。肝移植患者から取られた生検が、参照RNAサンプルと比較されると、同一の結果を得ることができる(これは、健康な非移植肝臓組織から得られたRNAのプール、Ambionからの市販のHuman Liver Total RNAなどの参照RNA、または事前に定量化した数のRNA分子を含むサンプルに存在する絶対参照であり得る)。
表3に含まれる遺伝子が、鉄代謝の調節に関係するため、機能的経路を共有することを留意することは重要である。事実、図1Aに示されるように、うまく免疫抑制の投薬を中止することができる寛容性の患者の生検は、より多くの鉄の蓄積を示した。さらに、肝臓内の鉄含量のこれらの違いは、免疫抑制療法の移植またはタイプがベースラインで利用されてからの時間などの、任意の臨床的パラメーターとは無関係であった(図1B)。遺伝子TFRC、HAMP、IFNGおよびHMOX1が、細胞の鉄代謝の制御に直接関係することが知られている。特に、全身性の鉄欠乏の状況において、TFRC発現は典型的に増加されるが、一方で、HAMP発現は減少される。我々の実験において、鉄代謝の調節における寛容性と非寛容性の患者の間で差次的に発現することが分かっている遺伝子の関与は、TFRC、HAMP、CDHR2、MIF、SLC5A12、ADORA3、HMOX1、IFNGおよびDAB2が、肝臓内の鉄の沈着と有意に相互に関連付けられるという観察によってさらに示された(Scheuerの変更された方法または合計の鉄スコア方法(total iron score method)によって測定された;図2を参照)。そのため、表3に含まれる遺伝子の発現特性が、非寛容性の患者(図2)と比較した寛容性の患者における、著しく高いレベルの全身性及び/又は肝臓内の鉄貯蔵の存在の明確な指標であり、それ故、結果的に寛容性の肝移植レシピエントの識別のための信頼できるバイオマーカーであることが明言できる。
より具体的には、これらの結果は、鉄代謝の前記調節に関係する遺伝子の発現レベルが、本発明による方法の考案に特に関連するはずであることを示す。故に、肝臓内レベルでの鉄代謝の調節に属する遺伝子の任意の発現特性は、記載される且つ請求される本発明において、同等の発現特性、またはパターンと見なされるべきである。したがって、肝臓における鉄代謝の前記調節に属する任意の遺伝子の発現は、本発明に記載される遺伝子の機能的な同等物と見なされるべきである。
それ故、本発明の好ましい実施形態は、肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後のための方法に言及し、該方法は:
a.検査中の患者の肝臓同種移植片から生体サンプルを得る工程;
b.以下の遺伝子:TFRC、CDHR2、HMOX1、MIF、HAMP、IFNG、PEBP1、SLC5A12、ADORA3およびDAB2、あるいはそれらの組み合わせ又は同等物の少なくとも1つの発現レベルを測定する工程;
c.工程b)の遺伝子の少なくとも1つの移植片内の発現レベルを、肝生検を得たサンプルにおいて、参照RNAサンプルから得た同じ遺伝子の発現レベルと比較することによって、移植した肝臓同種移植片に対する、検査中の患者の寛容性または非寛容性を評価する工程を含む。
参照サンプルは、健康な移植されていない被験体の肝臓組織の生体サンプルから得られた予め決められた発現特性である。それは、RNAのプール、Ambionからの市販のHuman Liver Total RNAなどの参照RNA、または事前に定量化した数のRNA分子を含むサンプルに存在する絶対参照であり得る。
表4で以下に示されるように、表3に含まれる遺伝子の各々の発現レベルの測定は、拒絶反応を受けることなく(寛容性)安全に免疫抑制の投薬をすべて中止することができる患者の識別に有用である。それ故、この表4は、免疫抑制の投薬が中止されるときに拒絶反応を示すレシピエントから、免疫抑制療法の欠如下で移植肝臓に寛容性のある患者を統計的に識別する、そこにリストされた個々の遺伝子の能力を示す。
しかしながら、表3または4に引用された遺伝子は、個々に予測能力を有するが、できるだけ正確に予測的方法を識別する目的で、前記遺伝子のいくつかの組み合わせから逸脱して、異なるクラスターが作られた。さらに、表3または4にリストされた遺伝子はまた、(独立して得られるような)それ自体では予測値を示さなかった他の遺伝子、例えば:LC5A12、VNN3、SOCS1、TTC3、RBM23、SH2D1B、NCR1、TFRC、TUBA4A、TAF15、TIPARP、MOX1、MCOLN1、EBP1、DHR2、およびAB2とともにグループ化された。それ故、好ましい実施形態において、本発明は、以下の遺伝子の少なくとも1つの発現レベルを測定することをさらに含む:表3または4にリストされた遺伝子の少なくとも1つと組み合わせた、LC5A12、VNN3、SOCS1、TTC3、RBM23、SH2D1B、NCR1、TFRC、TUBA4A、TAF15、TIPARP、MOX1、MCOLN1、EBP1、DHR2、およびAB2。
肝移植における免疫抑制薬の離脱の結果の診断において最良の性能を有する遺伝子発現バイオマーカーの組み合わせ(複数可)を識別するために、線形判別分析および誤分類罰則付き事後分類(misclassification penalized posterior)(MiPP)ソフトウェアにおいて実施されたロジスティク回帰アルゴリズムを利用する予測モデルの徹底的な調査を行った。最初に、Hospital Clinic Barcelonaに登録された患者から収集した肝臓サンプルの群(18が寛容および31が非寛容)上で10倍交差検定の工程を実行した。次に、診断用モデルのランダムに分割する交差検定を、外部モデル確認のために訓練事例(2/3)および独立したテスト事例(1/3)へと繰り返し分割することによって、(Barcelonaからの56のサンプルおよびRomeおよびLeuvenからの21の追加サンプルを含む)全体的なデータセット上で行った。さらに、訓練事例で識別された各モデルに関して、寛容性の最適確率のカットオフ(cut−off)を、ROC(受信者動作曲線)分析を利用して計算した。モデルの性能が中央依存(center−dependent)ではなかったことを実証するために、その後、SN、SP、NPV、PPVおよびBarcelonaから収集されたサンプルおよびRomeおよびLeuvenから得られたサンプルに関する全体的なエラー率を計算した。重要なことに、すべての遺伝子発現の測定を、免疫抑制投薬が中止される前に得られたサンプル上で実行した。それ故、識別された遺伝マーカーが、免疫抑制薬の離脱の成功を予測することができることを結果は示している。
上に引用されるように、このタイプの分析は、差次的に発現された遺伝子(表3)であると分かったこれらの遺伝子だけでなく、独立して得られるように、統計的に差次的発現されていないが、表3の遺伝子と組み合わせて診断を最適化することの一因となる遺伝子をも考慮に入れる。表5は、リアルタイムPCRによって測定された遺伝子の肝生検での発現に基づいた予測モデルの設計および評価のために利用されるサンプルの群を示す。重要なことに、Barcelonaのレシピエントから収集されたサンプルは、マイクロアレイとqPCR実験の両方のために利用されたが、一方でRomeおよびLeuvenから得られたサンプルはどれも、マイクロアレイ実験で利用されなかった。
したがって、表6は、遺伝子の発現が、qPCR発現の測定の結果による非寛容性または寛容性のカテゴリーへと患者を最適に分類する、遺伝子の組み合わせを示す。学習群において15%未満および実証群において15%未満の分類エラーを、最も正確で、臨床的に有用なモデルを選択するために、恣意的に選択した。
本発明の1つの実施形態は、以下の遺伝子の少なくとも1つ又はそれらの組み合わせの使用に言及する:肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後のための方法における、TFRC、CDHR2、HMOX1、MIF、HAMP、IFNG、PEBP1、SLC5A12、ADORA3およびDAB2。好ましい実施形態において、本発明の方法は、以下の遺伝子の少なくとも1つと、上記の引用された遺伝子の少なくとも1つとの組み合わせを使用して実行される:LC5A12、VNN3、SOCS1、TTC3、RBM23、SH2D1B、NCR1、TFRC、TUBA4A、TAF15、TIPARP、MOX1、MCOLN1、EBP1、DHR2およびAB2。特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、以下の遺伝子の組合せの1つを使用して実行される:LC5A12、VNN3、TFRC、SOCS1、MIF、TTC3、RBM23、PEBP1、SH2D1B、NCR1、DAB2およびADORA3;TFRC、PEBP1、MIF、CDHR2、HAMP、TUBA4A、TTC3、HMOX1、VNN3、NCR1、ADORA3、TAF15、IFNG、SOCS1およびTIPARP;MOX1、CDHR2、MIF、PEBP1、TFRC、SLC5A12、SOCS1、HAMP、VNN3およびIFNG;TFRC、PEBP1、MIF、CDHR2、SLC5A12、HAMP、SOCS1、IFNGおよびHMOX1;TFRC、IFNG、CDHR2、ADORA3、HAMP、MIF、PEBP1、VNN3、SOCS1、HMOX1およびDAB2;TFRC、DAB2、MIF、PEBP1、IFNG、HAMP、SLC5A12、SOCS1、VNN3、ADORA3、CDHR2、MCOLN1およびHMOX1;TFRC、IFNG、HMOX1、MCOLN1、MIF、HAMP、ADORA3、CDHR2、PEBP1およびSOCS1;EBP1、TFRC、HMOX1、IFNG、MCOLN1、SOCS1、MIF、CDHR2、HAMPおよびADORA3;TFRC、PEBP1、IFNG、CDHR2、ADORA3、VNN3、HMOX1、DAB2、SOCS1、MIFおよびHAMP;DHR2、ADORA3、IFNG、TFRC、VNN3、HMOX1、PEBP1、MIF、SLC5A12、HAMP、SOCS1およびMCOLN1;LC5A12、TFRC、IFNG、MIF、DAB2、HMOX1、CDHR2、SOCS1、HAMP、PEBP1、VNN3、ADORA3およびMCOLN1;TFRC、SOCS1、HMOX1、PEBP1、VNN3、CDHR2、HAMP、IFNG、DAB2、MCOLN1、ADORA3およびMIF;TFRC、PEBP1、VNN3、SOCS1、MIF、HMOX1、DAB2、HAMP、IFNG、CDHR2、ADORA3およびMCOLN1;LC5A12、MIF、CDHR2、TFRC、IFNG、ADORA3、HAMP、VNN3、SOCS1、MCOLN1、PEBP1およびHMOX1;TFRC、IFNG、CDHR2、ADORA3、PEBP1、VNN3、MIF、HMOX1、MCOLN1、SOCS1、SLC5A12、DAB2およびHAMP;TFRC、VNN3、HAMP、CDHR2、SLC5A12、HMOX1、SOCS1、PEBP1およびMIF;AB2、TFRC、MIF、CDHR2、PEBP1、VNN3、TTC3、HMOX1およびSOCS1;TFRC、PEBP1、MIF、CDHR2、VNN3、IFNG、MCOLN1およびSOCS1;TFRC、PEBP1、MIF、SOCS1およびCDHR2;ADORA3、CDHR2、MIF、PEBP1、TAF15およびTFRC;CDHR2、MIF、PEBP1、SLC5A12、SOCS1、TAF15およびTFRC;ADORA3、CDHR2、HAMP、MIF、PEBP1、SOCS1、TAF15およびTFRC;CDHR2、HAMP、IFNG、MCOLN1、MIF、PEBP1、SOCS1、TFRCおよびVNN3。
いくつかの臨床的な変化は、ヒトにおける肝移植後の操作上の寛容性の発達に影響を与え得る。特に、より長期間での移植であるほど又はより高齢であるほどレシピエントは、より高い可能性で免疫抑制の投薬をうまく中止することができる。遺伝子発現の測定に関するこれらの2つの臨床的な変化の生じうる交絡的影響を排除するために、追加のロジスティク回帰分析を行った。表3または4に表された遺伝子のうち、以下の遺伝子は、レシピエントの年齢および移植後の時間の影響を排除した後に統計的に有意であることが分かった(表7)。
臨床的な変化から独立した遺伝的な予測因子を発達させるために、表7に示される遺伝子上で、ロジスティク回帰およびMiPPソフトウェアを利用した。以下のモデルは、患者の学習群と実証群の両方における最良の予測因子であることが分かった(表8)。
したがって、本発明のさらなる実施形態は、以下の組み合わせの遺伝子の遺伝子発現を測定することによる、肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後のための方法に言及する:TFRC、IFNGおよびCDHR2。
本発明による方法の特定の実施形態において、前記方法はさらに、診断及び/又は予後に有用な少なくとも1つの追加のパラメーターを決定する工程を含み得る。このような「診断に有用なパラメーター」は、診断のために単独では使用できないが、寛容性の被験体と、明らかに免疫抑制療法を必要とする被験体との間の著しく異なる値を示すように記載されてきたパラメーターであり、そのため、本発明による上に記載される方法に従って診断を洗練及び/又は確認するためにも使用され得る。それ故、本発明のさらなる実施形態は、上に記載されるような方法であり、該方法は、患者の年齢及び/又は移植後時間の決定をさらに含む。
本発明の別の実施形態は、肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後の方法を実行するためのキットに言及し、該キットは、(i)対応する遺伝子の遺伝子発現レベルを測定するための手段、および(ii)参照RNAサンプルから得られた同じ遺伝子の発現レベルより上または下の前記遺伝子発現レベルを相互に関連付けるための説明書を含む。
前記参照サンプルは、健康な非移植肝臓組織から得られたRNAのプール、Ambionからの市販のHuman Liver Total RNAなどの参照RNA、または事前に定量化した数のRNA分子を含むサンプルに存在する絶対参照であり得る。好ましい実施形態において、手段は、核酸プローブを含むマイクロアレイまたは遺伝子チップを含み、前記核酸プローブは、マイクロアレイ分析を実行するための試薬とともに、対応する組の遺伝子の転写物に特異的にハイブリッド形成する配列を含む。本発明の別の好ましい実施形態において、キットは、定量的な逆転写ポリメラーゼ連鎖反応を実行するための、オリゴヌクレオチドプライマー(すなわち遺伝子TFRCのためのHS02559818s1または遺伝子VNN3のためのHs01125168m1)を含み、前記プライマーは、対応する組の遺伝子の転写物に由来する相補的DNAに特にハイブリッド形成する配列を含む。その上、本発明のキットは、固体支持体(solid support)を含み得、ここで、対応する組の遺伝子の転写物に特にハイブリッド形成する配列を含む核酸プローブが、その上で示される。
別の実施形態において、手段は、モノクローナル抗体またはそのフラグメントなどの、特異的結合部分を含むマイクロアレイまたはタンパク質チップを含む。
1つの実施形態において、本発明のキットは、以下の遺伝子の少なくとも1つ又はそれらの組み合わせの発現を測定する:肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後のための、TFRC、CDHR2、HMOX1、MIF、HAMP、IFNG、PEBP1、SLC5A12、ADORA3およびDAB2。好ましい実施形態において、本発明のキットは、上記の引用された遺伝子の少なくとも1つと、以下の遺伝子の少なくとも1つとの組み合わせの遺伝子発現を測定する:LC5A12、VNN3、SOCS1、TTC3、RBM23、SH2D1B、NCR1、TFRC、TUBA4A、TAF15、TIPARP、MOX1、MCOLN1、EBP1、DHR2およびAB2。特に好ましい実施形態において、本発明のキットは、以下の遺伝子の組合せの遺伝子発現を測定する:LC5A12、VNN3、TFRC、SOCS1、MIF、TTC3、RBM23、PEBP1、SH2D1B、NCR1、DAB2およびADORA3;TFRC、PEBP1、MIF、CDHR2、HAMP、TUBA4A、TTC3、HMOX1、VNN3、NCR1、ADORA3、TAF15、IFNG、SOCS1およびTIPARP;MOX1、CDHR2、MIF、PEBP1、TFRC、SLC5A12、SOCS1、HAMP、VNN3およびIFNG;TFRC、PEBP1、MIF、CDHR2、SLC5A12、HAMP、SOCS1、IFNGおよびHMOX1;TFRC、IFNG、CDHR2、ADORA3、HAMP、MIF、PEBP1、VNN3、SOCS1、HMOX1およびDAB2;TFRC、DAB2、MIF、PEBP1、IFNG、HAMP、SLC5A12、SOCS1、VNN3、ADORA3、CDHR2、MCOLN1およびHMOX1;TFRC、IFNG、HMOX1、MCOLN1、MIF、HAMP、ADORA3、CDHR2、PEBP1およびSOCS1;EBP1、TFRC、HMOX1、IFNG、MCOLN1、SOCS1、MIF、CDHR2、HAMPおよびADORA3;TFRC、PEBP1、IFNG、CDHR2、ADORA3、VNN3、HMOX1、DAB2、SOCS1、MIFおよびHAMP;DHR2、ADORA3、IFNG、TFRC、VNN3、HMOX1、PEBP1、MIF、SLC5A12、HAMP、SOCS1およびMCOLN1;LC5A12、TFRC、IFNG、MIF、DAB2、HMOX1、CDHR2、SOCS1、HAMP、PEBP1、VNN3、ADORA3およびMCOLN1;TFRC、SOCS1、HMOX1、PEBP1、VNN3、CDHR2、HAMP、IFNG、DAB2、MCOLN1、ADORA3およびMIF;TFRC、PEBP1、VNN3、SOCS1、MIF、HMOX1、DAB2、HAMP、IFNG、CDHR2、ADORA3およびMCOLN1;LC5A12、MIF、CDHR2、TFRC、IFNG、ADORA3、HAMP、VNN3、SOCS1、MCOLN1、PEBP1およびHMOX1;TFRC、IFNG、CDHR2、ADORA3、PEBP1、VNN3、MIF、HMOX1、MCOLN1、SOCS1、SLC5A12、DAB2およびHAMP;TFRC、VNN3、HAMP、CDHR2、SLC5A12、HMOX1、SOCS1、PEBP1およびMIF;AB2、TFRC、MIF、CDHR2、PEBP1、VNN3、TTC3、HMOX1およびSOCS1;TFRC、PEBP1、MIF、CDHR2、VNN3、IFNG、MCOLN1およびSOCS1;TFRC、PEBP1、MIF、SOCS1およびCDHR2;ADORA3、CDHR2、MIF、PEBP1、TAF15およびTFRC;CDHR2、MIF、PEBP1、SLC5A12、SOCS1、TAF15およびTFRC;ADORA3、CDHR2、HAMP、MIF、PEBP1、SOCS1、TAF15およびTFRC;CDHR2、HAMP、IFNG、MCOLN1、MIF、PEBP1、SOCS1、TFRCおよびVNN3。
本発明の好ましい実施形態の1つは、遺伝子の以下の組み合わせの遺伝子発現を測定する、肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後のためのキットに言及する:TFRC、IFNGおよびCDHR2。
本発明によるキットは、マイクロアレイ分析を行うための試薬、及び/又は固体支持体をさらに含み得、ここで、対応する組の遺伝子の転写物に特にハイブリッド形成する配列を含む核酸プローブが、その上で示される。
本発明の別の実施形態は、上記の開示された方法またはキットの使用により肝臓レシピエントの寛容状態を評価することによって、免疫療法処置プロトコルを選択する又は変更するためのキットに言及する。
本発明の最後の実施形態は、肝臓移植を受けた患者の免疫抑制療法を適応させる方法に言及し、前記方法は、上記の開示された方法およびキットの使用を含む。
先行技術は、寛容性の肝臓レシピエントを識別する方法として、本発明で提示されるものとは異なる遺伝子の群(KLRF1、PTGDR、NCALD、CD160、IL2RB、PTCH1、ERBB2、KLRB1、NKG7、KLRD1、FEZ1、GNPTAB、SLAMF7、CLIC3、CX3CR1、WDR67、MAN1A1、CD9、FLJ14213、FEM1C、CD244、PSMD14、CTBP2、ZNF295、ZNF267、RGS3、PDE4B、ALG8、GEMIN7)の発現の末梢血サンプルにおける測定を含む(Benitez C et al., Abstract #517, American Transplant Congress, San Diego, CA, May 3 - May 5, 2010)。本発明の一部を形成する遺伝子が、末梢血における以前に開示された遺伝子と比較して、より高い弁別力を有するかどうかを測定するために、比較アッセイを行った(実施例10を参照)。肝臓の組織サンプル中の本発明に含まれる遺伝子の発現の測定は、移植に対して寛容性があるため免疫抑制の投薬をうまく断つことができる肝臓レシピエントを識別するために、末梢血中の先行技術に含まれる遺伝子の測定よりも少なくとも正確である(as least as accurate than)ように結論付けられる。
その上、本発明は、肝臓同種移植片に対する操作上の寛容性の獲得における鉄代謝の役割を支持する更なる証拠を提案する:
・ Scheuerの変更された方法または合計の鉄スコア方法のいずれかを利用するPerlの染色後の半定量的な方法で測定された、肝臓鉄含量(肝臓内の鉄貯蔵)は、非寛容性の肝臓レシピエントにおけるよりも寛容性の肝臓レシピエントにおいて著しく多い(図1を参照)。
・ 実際、HAMPによってコード化される、全身性の鉄ホメオスタシスの調節に最も重要なホルモンである、ヘプシジンの血清レベルは、非寛容性の肝臓レシピエントにおけるよりも寛容性の肝臓レシピエントにおいて著しく高い(図3および実施例9を参照)。これは、鉄欠乏の状況での生理反応がヘプシジンの生成を減少させると仮定すれば、鉄貯蔵が非寛容性の肝臓レシピエントにおけるよりも寛容性の肝臓レシピエントにおいてより多いという観察と一致している。
・ 全身の鉄蓄積の最も正確なマーカーの1つである、フェリチンの血清レベルは、非寛容性の肝臓レシピエントにおけるよりも寛容性の肝臓レシピエントにおいて著しく高い(図4AおよびBと実施例11を参照);
・ 肝臓組織ホスホ−Stat3のタンパク質レベルは、非寛容性のレシピエントにおけるよりも寛容性のレシピエントにおける方が著しく高い(図5および実施例12を参照)。これは、ヘプシジンがStat3をリン酸化し、それ故、(例えば鉄欠乏の結果として)ヘプシジンの欠如下では、ホスホ−Stat3のレベルが減少するという観察と一致している。
まとめると、これらの結果は、全身性および肝臓内のレベルでの鉄代謝の調節が、転写因子Stat3の活性化の移植片内の調節による肝移植中の同種免疫反応の制御において役割を果たすことを示す。同様に、肝臓内の鉄レベル、血清ヘプシジンおよび血清フェリチンの定量化もまた、本発明に記載される遺伝子の機能的な同等物と見なされるべきである。
それ故、本発明の別の実施形態は、肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後のための方法に言及し、該方法は:検査中の患者の肝臓同種移植片から生体サンプルを得る工程、前記サンプル中で肝臓内の鉄貯蔵のレベルを測定する工程、および上に引用されるように、肝臓内の鉄貯蔵のレベルが、非寛容性の肝移植レシピエントと比較して寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことが分かっているため、肝臓内の鉄貯蔵のレベルを、参照サンプルから得られた肝臓内の鉄貯蔵のレベルと比較することによって、肝移植に対する、検査中の患者の寛容性または非寛容性を評価する工程を含む。肝臓内の鉄貯蔵のレベルの評価は、先行技術に公知の任意の手段によって、例えば(非徹底的なリスト):鉄特異的な染色(例えばPerlのプルシアンブルー)を用いて肝生検スライド(liver biopsy slides)の直接的な染色によって、原子吸光分析を利用する肝臓組織の生検からの鉄の定量化によって、または肝臓全体の磁気共鳴画像法によって、行うことができる。この場合、参照値は、図1に示されるような寛容性の肝移植患者と非寛容性の肝移植患者との間で観察される差に基づいて予め定義された、閾値である。
本発明の別の実施形態は、肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後のための方法に言及し、該方法は:検査中の患者の血清から生体サンプルを得る工程、前記サンプルにおいてタンパク質フェリチンのレベルを測定する工程、および上に引用されるように、フェリチンの血清レベルが、非寛容性の肝移植レシピエントにおけるよりも寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことが分かっているため、フェリチンのレベルを、参照サンプルから得られた同じタンパク質のレベルと比較することによって、肝移植に対する、検査中の患者の寛容性または非寛容性を評価する工程を含む。タンパク質フェリチンのレベルの評価は、先行技術に公知の任意の手段によって、例えば(非徹底的なリスト):ELISAおよび放射免疫定量法によって行うことができる。この場合、参照値は、図4に示されるような寛容性の肝移植患者と非寛容性の肝移植患者との間で観察される差に基づいて予め定義された、閾値である。
本発明の別の実施形態は、肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後のための方法に言及し、該方法は:検査中の患者の肝臓同種移植片から生体組織サンプルを得る工程、前記サンプルにおいてホスホ−Stat3のタンパク質レベルを測定する工程、および上に引用されるように、ホスホ−Stat3の肝臓組織レベルが、非寛容性の肝移植レシピエントにおけるよりも寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことが分かっているため、ホスホ−Stat3のレベルを、参照サンプルから得られた同じタンパク質のタンパク質レベルと比較することによって、肝移植に対する、検査中の患者の寛容性または非寛容性を評価する工程を含む。肝臓組織ホスホ−Stat3のレベルの評価は、先行技術に公知の任意の手段によって、例えば(非徹底的なリスト):免疫組織化学、免疫蛍光法およびウェスタンブロットによって行うことができる。この場合、参照値は、上に引用されるように、肝臓内のホスホ−Stat3のレベルが、図5に示されるように非寛容性の肝移植レシピエントと比較して寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことが分かっているため、予め定義された閾値または参照サンプルである。
本発明の別の実施形態は、肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロ(in vitro)の診断及び/又は予後のための方法に言及し、該方法は:検査中の患者から生体サンプルを得る工程、前記サンプルにおいてヘプシジンのタンパク質レベルを測定する工程、および上に引用されるように、ヘプシジンの血清レベルが、非寛容性の肝移植レシピエントにおけるよりも寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことが分かっているため、ヘプシジンのタンパク質レベルを、参照サンプルから得られた同じタンパク質のタンパク質レベルと比較することによって、肝移植に対する、検査中の患者の寛容性または非寛容性を評価する工程を含む。ヘプシジンのレベルの評価は、先行技術に公知の任意の手段によって、例えば(非徹底的なリスト):質量分析法とELISAによって行うことができる。この場合、参照サンプルは、ヘプシジンの血清レベルが、図3に示されるように非寛容性の肝移植レシピエントにおけるよりも寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことが分かっているため、既知濃度を有するヘプシジンアナログに存在する。
(A)(Scheuerの変更された方法または合計の鉄スコア方法のいずれかを利用するPerlの染色後の半定量的な方法で測定された)肝臓の鉄含量は、免疫抑制療法をうまく断ち得る寛容性(TOL)の患者の肝臓における方が、それが不可能な非寛容性(非TOL)の患者の肝臓におけるよりも著しく高い。(B)Scheuerの方法によって評価されるような肝臓内の鉄染色の存在または欠如は、移植後経過した時間(左のパネル)、およびベースラインで利用される免疫抑制薬のタイプ(右のパネル)と無関係であり、寛容性(黒色のバー)の患者と、非寛容性(白色のバー)の患者とを区別するために利用され得る。 図2は、(Scheuerの変更された方法によって測定された)肝臓内の鉄のレベルに対する個々の遺伝子発現の測定の影響度を示す。最も高いバーは、最も影響力のある遺伝子(HAMP、TFRC、CDHR2)に相当する。参照線は、Goeman Globaltestによって測定されるような統計的有意差の閾値である。 図3は、ヘプシジン(遺伝子HAMPによってコード化されたペプチド)の血清レベルが、非寛容性の肝臓レシピエントと比較して、寛容性のレシピエントにおける方が著しく増加していることを示す。 (A) 図4のAは、フェリチン(全身性の身体鉄貯蔵のマーカー)の血清レベルが、非寛容性の肝臓レシピエントにおけるよりも寛容性の肝臓レシピエントにおける方が著しく高いことを示す。(B) 図4のBは、寛容性(TOL)および非寛容性(非TOL)のレシピエント間のフェリチン血清レベルの分布を示す:フェリチン<12ng/mL(消耗した鉄貯蔵)、フェリチン12−30ng/mL(減少した鉄貯蔵)、フェリチン>30ng/mL(十分な鉄貯蔵)。示されるように、寛容性の患者は誰も、消耗した鉄貯蔵を示さず、少数のみが、減少した鉄貯蔵を示す。対照的に、非寛容性の患者のおよそ30%は、異常に低い全身性の鉄貯蔵を示す。 図5は、リン酸化したSTAT3に対してポジティブに染色する、肝臓組織切片の領域が、非寛容性(非TOL)の肝臓レシピエントにおけるよりも寛容性(TOL)の肝臓レシピエントにおける方が著しく大きいことを示す。
<実施例>
実施例1.患者集団および研究設計。
血液および肝生検の標本を、肝移植における免疫抑制薬の離脱の予期されるEuropean Commissionに支持されたマルチセンター臨床試験に登録された肝移植レシピエントの群から収集した(名称:Search for the immunological Signature of Operational Tolerance in Liver Transplantation; clinicaltrials.gov identification NCT00647283)。包含基準は以下の通りであった:1)移植後3年より長い;2)包含前12か月間で、肝機能が安定しており、拒絶反応の発症がない。3)自己免疫性肝疾患の病歴がない。4)有意な異常のない肝生検を事前に包含している(Banff基準による急性または慢性の拒否反応の徴候がない;門脈路の>50%において門脈の炎症がない;中心静脈の>50%において中心細静脈(central perivenulitits)がない;架橋の線維症または硬変症がない)。登録されたレシピエントにおいて、免疫抑制薬を、6−9か月の期間にわたって完全に中止するまで徐々に遠ざけ、その後、さらなる12か月のフォローアップを行った。拒絶反応の発症が研究の全期間の間に生じず、有意な組織学的変化が、12か月のフォローアップ期間の最後に得られた肝生検において示されなかった場合、患者を寛容性であると見なした。研究の間に急性拒絶反応を受ける患者を、非寛容性として見なした。試験に登録した102のレシピエントのうち、79のレシピエント(33は寛容性であり、46は非寛容性である)を、今回の研究に含んだ。非寛容性のレシピエント(n=14)からの拒絶反応の時に、および寛容性のレシピエント(n=4)における研究の終わりに、免疫抑制薬が寛容性(TOL、n=33)および非寛容性(非TOL、n=46)の両方のレシピエントから中止される前に、研究に利用可能な血液と肝生検の標本を得た。さらに、肝臓組織サンプルも以下の患者群から得た:a)再発性C型肝炎ウイルス感染による慢性肝炎を有する肝移植レシピエント(HEPC、n=12);b)移植後早期に起こる典型的な急性細胞性拒絶を有する肝移植レシピエント(REJ、n=9);c)移植後1年の正常な肝機能および正常な肝臓組織学的検査を有する免疫抑制の維持下の肝移植レシピエント(CONT−Tx、n=8);およびd)結腸直腸の肝転移の手術を受けている、移植されていない患者(CONT、n=10)。参加するレシピエントは、Hospital Clinic Barcelona (Spain)、University Tor Vergata Rome (Italy)およびUniversity Hospitals Leuven (Belgium)から登録された。研究は、3つの参加する機関の施設内治験審査委員会によって認可され、書面のインフォームドコンセントは、すべての研究患者から得られた。研究に含まれる患者の臨床的および人口統計的特性は、表1に要約され、研究設計の概要は図1に表される。患者集団の詳細な記載および免疫抑制離脱の臨床試験の臨床結果は、別途報告される。
実施例2.肝生検標本および組織学的評価。
肝生検を、局所麻酔下で皮膚を通して実行した。針生検肝臓シリンダーの2−3mmの部分を、RNAlater試薬(Ambion, Austin, USA)にすぐに保存し、4℃で24時間維持し、その後、RNAlater試薬の除去後に液体窒素中に凍結保存した。残りのシリンダーを、ホルマリン固定し、パラフィン包理した。CONT患者において、非腫瘍肝臓の外科的な肝生検を得て、以前に記載されたように処理した。組織学的評価のために、3μmの厚さのスライドを、結合組織分析のために、三色のヘマトキシリン−エオシンおよびマソン3色を使用して染色した。組織学的検査を、すべての臨床的および生物学的なデータを知らされていなかった同じ病理学者によって実行した。以下の組織病理学的事項を、半定量的に評価し採点した:1)完全な門脈路の数;2)中心静脈の数;3)全体的な柔組織的アーキテクチャー;4)小葉性炎症;5)中心細静脈;6)門脈路炎症;7)胆管病変;8)胆管損失;9)門脈分岐の存在;9)門脈線維症;10)類洞周囲線維症。
実施例3.RNAの抽出および処理。
総RNA抽出のために、凍結保存された肝臓組織サンプルを、乳棒およびヌクレアーゼのない1.5mlの反応チューブ(Ambion)を使用して、TRIzol試薬(Invitrogen, San Diego, CA, USA)中で均質化した。その後、総RNAを、製造業者ガイドラインに従って抽出し、その性質を、Agilent 2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies, Santa Clara, USA)によって評価した。
実施例4.Illuminaのマイクロアレイ実験。
105の肝臓RNAサンプル(20のTOL、32の非TOL、14の非TOL−Rej、12のHEPC、9のREJ、8のCONT−Txおよび10のCONT;それらのすべてはHospital Clinic Barcelonaから)を、cRNAへと処理し、25,000の注釈された遺伝子に相当する48,771のプローブを含む、Illumina HumanHT−12 Expression BeadChips上でハイブリッド形成した(Illumina, Inc. San Diego, CA, USA)。発現データを、BeadStudioのデータ分析ソフトウェア(Illumina,Inc.)を使用して計算し、続いて、Lumiのバイオコンダクターパッケージ[6]を使用する四分位の正常化を利用して処理した。次に、5%の変動率を有するこれらのプローブを除いて、保存的なプローブフィルタリング工程を実行し、結果として、48,771の元のセットから合計33,062のプローブを選択した。
実施例5.アフィメトリックスのマイクロアレイ実験。
10のTOLおよび10の非TOLのレシピエントの選択された群において、マイクロアレイ実験を、市販の核酸プローブを含む、54,675のプローブによって、47,000の注釈された遺伝子を包含するAffymetrix Human Genome U133 Plus 2.0のアレイ上で複製した(Affymetrix, Inc, Santa Clara, CA, USA)。さらなるアフィメトリックスの実験を、4のTOL−Postの肝臓サンプル(また、完全な薬物の離脱の12か月後に得られた肝生検組織が利用可能であった10のTOLレシピエントのうち4)から抽出したRNAを利用する際に行った。遺伝子発現データを、プローブ配列情報を組み込むプローブ強度から発現値を計算する、グアニジン−シトシン含量を調整したロバストなマルチアレイのアルゴリズムを使用して標準化した。その後、少なくとも1つのサンプル中で5のlog発現値に達してないプローブを除いた保存的なプローブフィルタリング工程を利用し、結果として、54,675の元のセットから合計18,768のプローブを選択した。
実施例6.マイクロアレイの遺伝子発現データ分析。
異なるマイクロアレイ研究群の間で差次的に発現された遺伝子を識別するために、Significant Analysis of Microarray (SAM)を利用した。SAMは、データセットおよび補正係数を有する各遺伝子に対して改変したt検定統計量を使用することで、t値を計算し、それによって、各遺伝子に対する非現実的に低い標準偏差を制御する。さらに、SAMは、実際の試験結果と、試験した群の重複置換から得た結果との間の差に対する閾値を選択することによって、偽発見率(FDR)の制御を可能にする。今回の研究に関して、FDR<10%および1000の置換を使用してSAM選択を行った。異なる研究群の間のグローバルな遺伝子発現差をグラフ式に表わすために、フィルター処理した(filtered)プローブリスト全体を使用して、made4パッケージに含まれるグループ間分析(BGA)の機能において実施されるような対応分析を行った(Culhane AC, et al. Bioinformatics 2005)。この方法は、楕円によって区切られた領域が、第1および第2の軸においてサンプルスコアの推測された従法線分布の95%を表わす、2Dグラフ中の多重遺伝子の発現測定などの、高次元データを視覚化することができる。対象の遺伝子の群が、臨床的結果(拒絶反応に対する寛容性)、臨床的な変化(ドナーおよびレシピエントの年齢、性別、免疫抑制療法のタイプ、移植後の時間)および組織学的特徴(鉄含量)に有意に関係したかどうかを測定するために、Globaltestソフトウェアを利用した(Goeman, et al. Bioinformatics 2004)。このソフトウェア内のシンタックスも、寛容性のレシピエントと非寛容性のレシピエントとの間で統計的に異なると分かった、妨害の臨床的な共変量(nuisance clinical covariates)の生じうる交絡影響に関する遺伝子発現と臨床結果との間で見られる関連性を修正するために利用した。
実施例7.定量的リアルタイムPCR(qPCR)実験。
マイクロアレイ発現の結果を実証するために、104の標的遺伝子および3のハウスキーピング遺伝子(補足の表1)の群の発現パターンを、48のレシピエントのサブグループ(18のTOLおよび31の非TOL;それらのすべてはHospital Clinic Barcelonaから)上で、市販のオリゴヌクレオチドプライマーを含む、ABI 7900 Sequence Detection System およびTaqMan LDAマイクロ流体プレート(Applied Biosystems, Carlsbad, USA)を利用して測定した。さらに、qPCR実験を、University Tor Vergata RomeおよびUniversity Hospitals Leuvenによって提供された、10のTOLおよび11の非TOLのレシピエントの独立した群において行った。該実験からのマイクロアレイデータは入手できなかった。標的遺伝子を、次のものに基づいて選択した:1)Illuminaおよびアフィメトリックスのマイクロアレイ実験結果;2)肝臓の操作上の寛容性(M.Martinez−Llordella et al. J Clin Invest 2008)に関係しているとして我々のグループによって以前に記載された血液の転写バイオマーカー;および、3)文献に記載された顕著な免疫制御遺伝子。DNAを、Turbo DNA-free DNAse処置(Ambion)を使用して、総RNA調製物から取り除き、RNAを、Reverse Transcription Kit (Applied Biosystems)を使用して、cDNAへと逆転写した。転写レベルを定量化するために、標的遺伝子のCt値を、ハウスキーピング遺伝子に標準化し、ΔCt値を生成した。その後、結果を、標的サンプルのcDNAと、ΔΔCt方法による較正されたサンプルとの間の相対的な発現として計算した。以下の3つのサンプルを較正物質(calibrators)として利用した:1)8CONT−TxサンプルからのプールRNA;2)10CONTサンプルからのプールRNA;および3)市販の肝臓RNA(Human Liver Total RNA, Ambion)。
実施例8.遺伝子分類子の識別および確認。
我々が行なった免疫抑制の離脱の成功を予測する生検ベースのqPCR遺伝子発現の分類子を発達させるために、線形判別分析および誤分類罰則付き事後分類(MiPP)ソフトウェアにおいて実施されたロジスティク回帰アルゴリズムを利用する予測モデルの徹底的な調査を行った。MiPPは、最も簡潔な診断用モデルの発見のための段階的な漸進的分類のモデリング(incremental classification modelling)に基づき、二重交差検定の方策を利用する。最初に、大きなスクリーニング調査の落とし穴を回避しながら最適なモデルを得るために、Hospital Clinic Barcelonaからの18のTOLおよび31の非TOLの肝臓レシピエントの訓練事例上で10倍交差検定の工程を行った。次に、診断用モデルのランダムに分割する交差検定を、外部モデル確認のために訓練事例(2/3)および独立したテスト事例(1/3)へと繰り返し分割することによって、(Barcelonaからの56のサンプルおよびRomeおよびLeuvenからの21のサンプルを含む)全体的なデータセット上で行った。訓練事例で識別された各モデルに関して、寛容性の最適確率のカットオフを、ROC分析を介して計算した。テストおよび訓練の事象の多数のランダム分割の使用によって、診断の正確性に対する信頼限界を得ることが可能となった。これらの信頼限界に基づいて、診断性能および平均の誤分類のエラー率を、候補分類子の各々に関して得た。モデルの性能が中央依存ではなかったことを実証するために、その後、SN、SP、NPV、PPVおよびBarcelonaから収集されたサンプルおよびRomeおよびLeuvenから得られたサンプルに関する全体的なエラー率を計算した。
実施例9.血清ヘプシジンの測定。
血清サンプルを、BDバキュテーナーSSTII(BD Bioscience, Franklin Lakes, USA)を使用して、ベースラインで64の登録された肝臓レシピエントから得て、−80℃で貯蔵した。定量的血清ヘプシジンの測定を、弱い陽イオン交換クロマトグラフィーおよび飛行時間型質量分析(TOF MS)の組み合わせによって行った。定量化に関して、ヘプシジンアナログ(合成ヘプシジン−24;Peptide International Inc.)を、内部標準として利用した。ペプチドスペクトルを、Microflex LTのマトリックス強化したレーザー脱離/イオン化TOF MSのプラットフォーム(Bruker Daltonics)上で生成した。血清ヘプシジン−25濃度を、nmol/Lとして表した。この方法の検出の下限は、0.5nMであり;平均変動率は、2.7%(intra−run)および6.5%(inter−run)であった。血清ヘプシジン−25の中間の参照レベルは、4.2nM(0.5−13.9nMの範囲)である。
図3に示されるように、ヘプシジン(遺伝子HAMPによってコード化されたペプチド)の血清レベルは、非寛容性の肝臓レシピエントと比較して寛容性のレシピエントにおいて著しく増加され、それ故、ヘプシジンのレベルは、肝移植を受ける患者の寛容状態の診断及び/又は予後のための貴重なマーカーである。
実施例10.先行技術に含まれる肝移植における寛容性の診断のための方法と本発明の方法との間の比較アッセイ。
先行技術の方法は、本発明で提示されるものとは異なる遺伝子の群(KLRF1、PTGDR、NCALD、CD160、IL2RB、PTCH1、ERBB2、KLRB1、NKG7、KLRD1、FEZ1、GNPTAB、SLAMF7、CLIC3、CX3CR1、WDR67、MAN1A1、CD9、FLJ14213、FEM1C、CD244、PSMD14、CTBP2、ZNF295、ZNF267、RGS3、PDE4B、ALG8、GEMIN7)の発現の末梢血サンプルにおける測定を含む。その上、本実施例は、本発明の方法がより高い弁別力を有していることを示す。
先行技術の方法は以下の結果を生む:
A)FEM1CとIL8の組み合わせ:
Sn=63%;Sp=80.77%;ER=7.08%;PPV=77.68%;NPV=72.41%
B)KLRF1とSLAMF7の組み合わせ
Sn=27.7%、SP=92.31%、ER=37.5%、PPV=73.68%、NPV=72.41%
C)KLRF1とIL2RBの組み合わせ
Sn=50%、SP=84.62%、ER=31.25%、PPV=73.33%、NPV=66.67%
Sn:感受性
SP:特異性
ER:エラー率
PPV:陽性的中率
NPV:陰性的中率
しかしながら、同じ48の患者(3つの最良モデルをこの比較アッセイのために選択した)の肝臓組織中の表3、4および6に含まれる遺伝子の測定に基づいた本発明の方法は、以下の結果につながった:
A)TFRC、CDHR2、HMOX1、MIF、HAMP、IFNG、PEBP1、SLC5A12、ADORA3の組み合わせ:
Sn=77.27%、SP=96.15%、ER=12.5%、PPV=94.44%、NPV=83.33%
B)TFRC、PEBP1、MIF、ADORA3の組み合わせ
SN=90.91%、SP=84.62%、ER=12.5%、PPV=83.33%、NPV=91.67%
C)TFRC、IFNG、HAMP、CDHR2の組み合わせ
Sn=77.27%、SP=88.46%、ER=16.67%、PPV=85%、NPV=82.14%
Sn:感受性
SP:特異性
ER:エラー率
PPV:陽性的中率
NPV:陰性的中率
それ故、肝臓の組織サンプル中の本発明に含まれる遺伝子の発現の測定は、移植に対して寛容性があるため免疫抑制の投薬をうまく断つことができる肝臓レシピエントを識別するために、末梢血中の先行技術に含まれる遺伝子の測定より少なくとも正確であるように結論付けられる。
実施例11.血清フェリチンの測定。
血清サンプルを、BDバキュテーナーSSTII(BD Bioscience, Franklin Lakes, USA)を使用して、ベースラインで64の登録された肝臓レシピエントから得て、−80℃で貯蔵した。血清フェリチンの測定を、自動化したエリザ法によって行った。フェリチン血清レベルは、血清ヘプシジンと相互に関連付けられた。したがって、フェリチン血清レベルは、非寛容性(非TOL)のレシピエントにおけるよりも寛容性(TOL)のレシピエントにおける方が著しく高かった(図4A)。鉄貯蔵の欠如(血清フェリチン<12ng/mL、鉄欠乏の高度に特異的な指標)を、非TOLのレシピエントの間で専ら観察した(図4B)。ヘプシジンまたはフェリチンのいずれかと寛容性との間の関連性は、ロジスティク回帰の多変量解析におけるそれらの独立した予測値によって実証されるように、レシピエントの年齢、移植からの時間またはベースラインの免疫抑制療法によって混同されることはなかった。
図4に示されるように、フェリチンの血清レベルが、非寛容性の肝臓レシピエントと比較して寛容性のレシピエントにおける方が著しく増加されるため、フェリチンのレベルは、肝移植を受ける患者の寛容状態の診断及び/又は予後のための貴重なマーカーである。
実施例12.ホスホ−Stat3の免疫染色。
転写3(Stat3)の転写因子シグナルのトランスデューサーおよび活性化因子を活性化する、ヤヌスキナーゼ2(Jak2)のリン酸化を介したヘプシジンの能力を考慮して(De Domenico et al. J Clin Invest 2010)、12の寛容性(TOL)の患者および13の非寛容性(非TOL)の患者からの肝生検のサブセットにおいてリン酸化されたStat3を定量化した。パラフィン包理した肝生検切片を、脱パラフィンし、抗原回復を、1mMのEDTA(pH8.0)中で15分間沸騰させることによって行った。続いて、切片を、供給者の説明書に従って、バックグラウンドの還元剤(background reducing reagents)によって処理し(DAKO, Glostrup, Denmark)、ホスホ−STAT3(Tyr 705)ラビット単クローン抗体(Cell Signalling Technology, Danvers, MA, USA)によって染色した。免疫染色を、DAB基質(DAKO)を使用して発展させ、ヘマトキシリンを使用して逆染色した。Immagesを、Nikon Eclipse E600顕微鏡およびanalySISソフトウェアを使用して評価し、ブルーチャンネルの閾値操作された減少によってImage J Software (NIH, Bethesda, USA)を使用して分析し、その後、残りの染色されたピクセルの2値化および測定が続いた。強力なホスホ−Stat3染色は、生検切片に沿って無作為に分散された焦点に密集した(clustered in)肝細胞核においてほぼ例外なく顕著であった。対照的に、染色は、浸潤性の単核性白血球、マクロファージおよび内皮細胞の核においてわずかであり、それほど頻繁にはなかった。
非寛容性の患者(非TOL)のサンプルと比較して、寛容性の患者(TOL)の肝生検は、著しく増加した肝細胞ホスホ−Stat3染色を示した(図5)。そのため、ホスホ−Stat3のレベルは、肝移植を受ける患者の寛容状態の診断及び/又は予後のための貴重なマーカーである。
実施例13.肝臓の鉄含量の評価。
肝臓内の鉄貯蔵の規模を推定するために、Perlの染色によって3μmの厚さの肝臓スライドを染色した。鉄含量を、記載されるようなScheuerの変更された且つTotal Iron Score (TIS)のスコアリングシステムの両方を利用して、半定量的に評価した(Deugnier et al. Hepatology 1993; Scheuer et al. J Pathol Bacteriol 1962)。さらに、肝細胞および間充織(内皮細胞およびクッパー細胞)の鉄染色を別々に採点した。軽度の門脈周囲性肝細胞の鉄沈着は、寛容性(TOL)の患者から収集した大多数の肝臓サンプルにおいて顕著であった。対照的に、肝生検において非寛容性(非TOL)のレシピエントから染色可能な鉄は観察されなかった(図1A)。これらの差は、専ら、間充織の鉄蓄積ではなく、むしろ肝細胞が原因であった。TOLと非TOLとの間の鉄貯蔵の違いは、移植後経過した時間または投与された免疫抑制薬のタイプにかかわらず、患者の2つの群を区別するために使用され得る(図1B)。
図1に示されるように、肝臓の鉄含量が、免疫抑制療法をうまく断ち得る寛容性の患者(TOL)の肝臓における方が、それが不可能な非寛容性の患者(非TOL)の肝臓におけるよりも著しく高いため、鉄のレベルは、肝移植を受ける患者の寛容状態の診断及び/又は予後のための貴重なマーカーとして使用され得る。
<参考文献>
1.Lerut, J., and Sanchez−Fueyo, A. 2006. An appraisal of tolerance in liver transplantation. Am J Transplant 6:1774-1780.
2.N. Najafian et al., ”How can we measure immunologic tolerance in humans?” J. Am. Soc. Nephrol. 2006, vol. 17, pp. 2652-63.
3.Newell et al., ”Tolerante assays: measuring the unknown”, Transplantation 2006, vol. 81, pp. 1503-9.
4.J. Cai et al., ”Minor H antigen HA-1-specific regulator and effector CD8+ T cells, and HA−1 microchimerism, in allograft tolerance”, J. Exp. Med. 2004, vol. 199, pp. 1017-23.
5.E. Jankowska−Gan E et al., ”Human liver allograft acceptance and the ”tolerance assay”, Hum. Immunol. 2002, vol. 63, pp. 862−70.
6.P. Sagoo et al., "Development of a cross−platform biomarker signature to detect renal transplant tolerance in humans", J.Clin. Invest. 2010, vol. 120, pp. 1848−61.
7.S. Brouard et al., "Operationally tolerant and minimally immunosuppressed kidney recipients display strongly altered blood T−cell clonal regulation", Am. J. Transplant. 2005, vol. 5, pp. 330−40.
8.G.V. Mazariegos et al., "Dendritic cell subset ratio in peripheral blood correlates with successful withdrawal of immunosuppression in liver transplant patients", Am.J. Transplant. 2003, vol. 3, pp. 689−96.
9.Y. Li et al., "Analyses of peripheral blood mononuclear cells in operational tolerance after pediatric living donor liver transplantation", Am. J. Transplant. 2004, vol. 4, pp. 2118−25.
10.M. Martinez−Llordella et al. Multiparameter of immune profiling of operational tolerance in liver transplantation. Am. J. Transplant. 2007, vol. 7, pp.309−19.
11.I.Puig−Pey et al. Characterization of gammadelta T cell subsets in organ transplantation. Transplant. Int. 2010. Epub.
12.S. Brouard et al. Identification of a peripheral blood transcriptional biomarker panel associated with operational renal allograft tolerance. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 2007, vol. 104, pp. 15448−53.
13.K.A. Newell et al. Identification of a B cell signature associated with renal transplant tolerance in humans. J. Clin. Invest. 2010, vol. 120, pp. 1836−47.
14.Y.M. Deugnier et al. Differentiation between heterozygotes and homozygotes in genetic hemochromatosis by means of a histological hepatic iron index: a study of 192 cases. Hepatology 1993, vol. 17, pp. 30−4.
15.P.J. Scheuer et al. Hepatic pathology in relatives of patients with haemochromatosis. J. Pathol. Bacteriol. 1962, vol. 84, pp. 53−64.
16.A.C. Culhane et al. MADE4: an R package for multivariate analysis of gene expression data. Bioinformatics. 2005, vol. 21, pp. 2789−90.
17.J.J.Goeman et al. A global test for groups of genes: testing association with a clinical outcome. Bioinformatics. 2004, vol. 20, pp. 93−9.
18.De Domenico, I., et al. Hepcidin mediates transcriptional changes that modulate acute cytokine−induced inflammatory responses in mice. The Journal of clinical investigation 120, 2395−2405 (2010).

Claims (18)

  1. 肝移植を受けた患者の寛容状態のインビトロの診断及び/又は予後のための方法であって、前記方法は:
    a.検査中の患者から生体サンプルを得る工程;
    b.工程a)において得られた生体サンプルにおいて全身性及び/又は肝臓内の鉄貯蔵のレベルを評価する工程;
    c.工程b)の全身性及び/又は肝臓内の鉄貯蔵のレベルを、参照サンプルから得られた全身性または肝臓内の鉄貯蔵のレベルまたは予め決められた閾値のいずれかと比較することによって、検査中の肝移植患者の寛容または非寛容の状態を評価する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記全身性及び/又は肝臓内の鉄貯蔵のレベルが、非寛容性の肝移植レシピエントと比較して寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 肝移植を受けた患者の前記寛容状態の前記インビトロの診断及び/又は予後が:
    a.検査中の患者の肝臓同種移植片から生体サンプルを得る工程;
    b.工程a)で得られた生体サンプルにおいて、以下の遺伝子:TFRC、CDHR2、HMOX1、MIF、HAMP、IFNG、PEBP1、SLC5A12、ADORA3およびDAB2の少なくとも1つの発現レベルまたはそれらの組み合わせを測定する工程;
    c.工程b)の遺伝子の少なくとも1つ又はそれらの組み合わせの発現レベルを、参照サンプルから得られた、同じ遺伝子又はそれらの組み合わせの発現レベルと比較することによって、肝移植に対する、検査中の患者の寛容性または非寛容性を評価する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記参照サンプルが、健康な非移植肝臓組織から得られたRNAのプール;市販の参照RNA;または事前に定量化した数のRNA分子を含むサンプルに存在する絶対参照RNAの中から選択されるRNAサンプルであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 参照RNAサンプルから得られた同じ遺伝子の発現レベルと比較して、寛容性の肝移植レシピエントにおいて、遺伝子TFRCおよびMIFがダウンレギュレートされ、遺伝子CDHR2、HMOX1、HAMP、IFNG、PEBP1、SLC5A12、ADORA3およびDAB2もアップレギュレートされることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  6. 以下の遺伝子:LC5A12、VNN3、SOCS1、TTC3、RBM23、SH2D1B、NCR1、TFRC、TUBA4A、TAF15、TIPARP、MOX1、MCOLN1、EBP1、DHR2およびAB2の少なくとも1つの発現レベルを測定する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  7. 以下の遺伝子の組合せ:LC5A12、VNN3、TFRC、SOCS1、MIF、TTC3、RBM23、PEBP1、SH2D1B、NCR1、DAB2およびADORA3;TFRC、PEBP1、MIF、CDHR2、HAMP、TUBA4A、TTC3、HMOX1、VNN3、NCR1、ADORA3、TAF15、IFNG、SOCS1およびTIPARP;MOX1、CDHR2、MIF、PEBP1、TFRC、SLC5A12、SOCS1、HAMP、VNN3およびIFNG;TFRC、PEBP1、MIF、CDHR2、SLC5A12、HAMP、SOCS1、IFNGおよびHMOX1;TFRC、IFNG、CDHR2、ADORA3、HAMP、MIF、PEBP1、VNN3、SOCS1、HMOX1およびDAB2;TFRC、DAB2、MIF、PEBP1、IFNG、HAMP、SLC5A12、SOCS1、VNN3、ADORA3、CDHR2、MCOLN1およびHMOX1;TFRC、IFNG、HMOX1、MCOLN1、MIF、HAMP、ADORA3、CDHR2、PEBP1およびSOCS1;EBP1、TFRC、HMOX1、IFNG、MCOLN1、SOCS1、MIF、CDHR2、HAMPおよびADORA3;TFRC、PEBP1、IFNG、CDHR2、ADORA3、VNN3、HMOX1、DAB2、SOCS1、MIFおよびHAMP;DHR2、ADORA3、IFNG、TFRC、VNN3、HMOX1、PEBP1、MIF、SLC5A12、HAMP、SOCS1およびMCOLN1;LC5A12、TFRC、IFNG、MIF、DAB2、HMOX1、CDHR2、SOCS1、HAMP、PEBP1、VNN3、ADORA3およびMCOLN1;TFRC、SOCS1、HMOX1、PEBP1、VNN3、CDHR2、HAMP、IFNG、DAB2、MCOLN1、ADORA3およびMIF;TFRC、PEBP1、VNN3、SOCS1、MIF、HMOX1、DAB2、HAMP、IFNG、CDHR2、ADORA3およびMCOLN1;LC5A12、MIF、CDHR2、TFRC、IFNG、ADORA3、HAMP、VNN3、SOCS1、MCOLN1、PEBP1およびHMOX1;TFRC、IFNG、CDHR2、ADORA3、PEBP1、VNN3、MIF、HMOX1、MCOLN1、SOCS1、SLC5A12、DAB2およびHAMP;TFRC、VNN3、HAMP、CDHR2、SLC5A12、HMOX1、SOCS1、PEBP1およびMIF;AB2、TFRC、MIF、CDHR2、PEBP1、VNN3、TTC3、HMOX1およびSOCS1;TFRC、PEBP1、MIF、CDHR2、VNN3、IFNG、MCOLN1およびSOCS1;TFRC、PEBP1、MIF、SOCS1およびCDHR2;ADORA3、CDHR2、MIF、PEBP1、TAF15およびTFRC;CDHR2、MIF、PEBP1、SLC5A12、SOCS1、TAF15およびTFRC;ADORA3、CDHR2、HAMP、MIF、PEBP1、SOCS1、TAF15およびTFRC;CDHR2、HAMP、IFNG、MCOLN1、MIF、PEBP1、SOCS1、TFRCおよびVNN3の少なくとも1つの発現レベルを測定する工程を含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. TFRC、IFNGおよびCDHR2から成る遺伝子組合せの発現レベルが測定されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  9. 肝移植を受けた患者の寛容状態の診断及び/又は予後が、
    a.検査中の患者の肝臓同種移植片から生体サンプルを得る工程;
    b.工程a)で得られた生体サンプルにおいて、肝臓内の鉄貯蔵のレベルを測定する工程;
    c.工程b)の肝臓内の鉄貯蔵のレベルを、参照サンプルから得られた肝臓内の鉄貯蔵のレベルと比較することによって、肝移植に対する、検査中の患者の寛容性または非寛容性を評価する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  10. 前記肝臓内の鉄貯蔵のレベルが、非寛容性の肝移植レシピエントと比較して寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 肝移植を受けた患者の寛容状態の診断及び/又は予後が、
    a.検査中の該者の血清から生体サンプルを得る工程;
    b.工程a)において得られた生体サンプルにおいて、タンパク質フェリチンのレベルを測定する工程;
    c.工程b)のフェリチンのレベルを、参照サンプルから得られた同じタンパク質のレベルと比較することによって、肝移植に対する、検査中の患者の寛容性または非寛容性を評価する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  12. 前記フェリチンの血清レベルが、非寛容性の肝移植レシピエントにおけるよりも寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 肝移植を受けた患者の寛容状態の診断及び/又は予後が、
    a.検査中の患者の肝臓同種移植片から生体サンプルを得る工程;
    b.工程a)において得られた生体サンプルにおいて、ホスホ−Stat3のタンパク質レベルを測定する工程;
    c.工程b)のホスホ−Stat3のタンパク質レベルを、参照サンプルから得られた同じタンパク質のタンパク質レベルと比較することによって、肝移植に対する、検査中の患者の寛容性または非寛容性を評価する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  14. 前記ホスホ−Stat3の血清レベルが、非寛容性の肝移植レシピエントにおけるよりも寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 肝移植を受けた患者の寛容状態の診断及び/又は予後が、
    a.検査中の患者の血清から生体サンプルを得る工程;
    b.工程a)において得られた生体サンプルにおいて、ヘプシジンのタンパク質レベルを測定する工程;
    c.工程b)のヘプシジンのタンパク質レベルを、参照サンプルから得られた同じタンパク質のタンパク質レベルと比較することによって、肝移植に対する、検査中の患者の寛容性または非寛容性を評価する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  16. ヘプシジンの血清レベルが、非寛容性の肝移植レシピエントにおけるよりも寛容性の肝移植レシピエントにおける方が著しく高いことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 肝移植を受けた患者の寛容状態の診断及び/又は予後に有用な少なくとも1つの追加のパラメーターを決定する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記追加のパラメーターが、年齢及び/又は移植後時間であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
JP2013523539A 2010-08-09 2011-03-02 肝移植における寛容性の診断及び/又は予後のための方法およびキット Pending JP2013535688A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP10382224A EP2418288B1 (en) 2010-08-09 2010-08-09 Method for the diagnosis and prognosis of tolerance in liver transplantation employing liver tissue
EP10382224.3 2010-08-09
PCT/EP2011/053127 WO2012019786A1 (en) 2010-08-09 2011-03-02 Method and kit for the diagnosis and/or prognosis of tolerance in liver transplantation

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013535688A true JP2013535688A (ja) 2013-09-12

Family

ID=43020407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013523539A Pending JP2013535688A (ja) 2010-08-09 2011-03-02 肝移植における寛容性の診断及び/又は予後のための方法およびキット

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20130210665A1 (ja)
EP (2) EP2418288B1 (ja)
JP (1) JP2013535688A (ja)
CN (1) CN103154267B (ja)
CA (1) CA2807923A1 (ja)
ES (2) ES2400490T3 (ja)
WO (1) WO2012019786A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11572587B2 (en) * 2014-06-26 2023-02-07 Icahn School Of Medicine At Mount Sinai Method for diagnosing subclinical and clinical acute rejection by analysis of predictive gene sets
CN109790579A (zh) * 2016-07-22 2019-05-21 国立健康与医学研究所 用于区分耐受性受试者的方法
CN109890983A (zh) * 2016-09-23 2019-06-14 生命技术公司 用于评估免疫应答的组合物和方法
WO2019107673A1 (ko) * 2017-11-29 2019-06-06 서울대학교병원 Abo 혈액형 부적합 이식시의 항체-매개성 거부반응의 모니터링을 위한 바이오마커

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001512574A (ja) * 1997-02-19 2001-08-21 デイド・ベーリング・マルブルク・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング ハプトグロビンの表現型を決定する方法およびキットならびにその使用
JP2004300098A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Oxygenix:Kk 移植用臓器の処理方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2324751B1 (es) * 2007-01-04 2010-05-31 Institut D'investigacions Biomediques August Pi I Sunyer (Idibaps) Metodos y kits para diagnosticar y/o pronosticar el estado de tolerancia en el trasplante de higado.
WO2010000320A1 (en) * 2008-07-03 2010-01-07 Institut D'investigations Biomediques August Pi I Sunyer (Idibaps) In vitro diagnosis/prognosis method and kit for assessment of tolerance in liver transplantation

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001512574A (ja) * 1997-02-19 2001-08-21 デイド・ベーリング・マルブルク・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング ハプトグロビンの表現型を決定する方法およびキットならびにその使用
JP2004300098A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Oxygenix:Kk 移植用臓器の処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN103154267B (zh) 2014-11-05
ES2643491T3 (es) 2017-11-23
EP2418288A1 (en) 2012-02-15
CA2807923A1 (en) 2012-02-16
US20130210665A1 (en) 2013-08-15
ES2400490T3 (es) 2013-04-10
EP2418288B1 (en) 2012-11-28
CN103154267A (zh) 2013-06-12
EP2603604B1 (en) 2017-07-19
EP2603604A1 (en) 2013-06-19
WO2012019786A1 (en) 2012-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10538813B2 (en) Biomarker panel for diagnosis and prediction of graft rejection
Bohne et al. Intra-graft expression of genes involved in iron homeostasis predicts the development of operational tolerance in human liver transplantation
AU2015229083B2 (en) Methods of monitoring immunosuppressive therapies in a transplant recipient
Matz et al. Identification of T cell–mediated vascular rejection after kidney transplantation by the combined measurement of 5 specific microRNAs in blood
US10745761B2 (en) Method and systems for lung cancer diagnosis
JP5714327B2 (ja) 心筋炎のトランスクリプトームのバイオマーカー
EP3825417A2 (en) Tissue molecular signatures of kidney transplant rejections
EP3807648A2 (en) Methods for assessing endometrial transformation
Evans et al. In the secretory endometria of women, luminal epithelia exhibit gene and protein expressions that differ from those of glandular epithelia
JP2012527895A (ja) 被移植者における免疫寛容に伴うb細胞の特性
Bardhi et al. Nucleic acid biomarkers to assess graft injury after liver transplantation
JP2013535688A (ja) 肝移植における寛容性の診断及び/又は予後のための方法およびキット
CN112626207A (zh) 一种用于区分非侵袭性和侵袭性无功能垂体腺瘤的基因组合
EP3931570A1 (en) High-grade serous ovarian carcinoma (hgsoc)
KR20120111788A (ko) 체액 내 세포밖 소포체의 단백질 또는 유전자 분석을 통한 염증성 질환 진단 방법
TWI598444B (zh) 用以評估乳癌罹患風險之方法及基因標記
WO2015179771A2 (en) Molecular signatures for distinguishing liver transplant rejections or injuries
US20220290238A1 (en) Blood gene biomarkers to diagnose and predict acute rejection in liver transplant recipients
EP3690444A1 (en) Method for confirming prdm14 expression
US20220145397A1 (en) Cancer diagnosis and prognosis
CN117778558A (zh) Igfbp3基因在制备筛查宫腔粘连的相关产品的应用
Bestard et al. Biomarkers and Alloimmune Monitoring after Organ Transplantation
Zendjabil et al. EVALUATION OF MIR-21-3P, MIR-96-5P AND MIR-155-5P IN PLASMA FOR EARLY DETECTION OF BREAST CANCER

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130606

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150520