【発明の詳細な説明】
衣服の通道とその形成方法
発明の分野
本発明は、衣服に使用されるような引張ひもの通道、及びそのような通道の形
成・装着方法に関する。
発明の背景
衣服、衣類、アクセサリー類のような数多くの製品は、製品を着用者に適合さ
せる(例えば、ぴったりさせる)ことができる引張ひもをその中に入れた通道を
備える。引張ひもは、特に、ジャケット、アクセサリーバッグ、及びその他の特
殊な物品の例えばゲートルに使用される。説明を容易にするため、本願における
用語「衣服」は、本発明を取り入れることができるこのような製品を全体的に説
明するために使用される。ここで、本発明は、限定されるものではないが、ジャ
ケット、パンツ、アクセサリー(例えば、帽子、手袋、ゲートルなど)、ダッフ
ルバッグ、本入れ、財布、バックパック、スーツケース、種々の製品カバー(例
えば、スポーツ用具、自動車、ローンアクセサリーなど)のような、着用される
又は着用されない各種の製品に取り入れられることができると理解すべきである
。
引張ひもを有する多くの衣服その他の物品において、引張ひもの通道は、衣服
のエッジに配置される。図1Aと1Bは、現状で引張ひもに使用される一般的な
装着技術を例示する。図1Aに関し、布帛、生地、織物、又は不織布からなる衣
服その他の製品10は、製品材料10の外側エッジ12を折り重ね、そのエッジ12を製
品材料10に縫
い付け又は縫合し、それによって通道14を形成することによって周囲エッジにそ
って形成された引張ひもの通道14を有する。次いで先に述べたように、衣服を適
合させることを可能にするため、引張ひも16が通道14の中に入れられる。
人のウエストの下に広がるジャケットのような一部の衣服においては、引張ひ
も16はジャケットの周囲エッジにそって配置されずに、ジャケットの真中又は中
央の近くで着用者のウエストの周りに配置される。図1Bに示された引張ひも16
は、ジャケットの中央の方に向って配置される。この構造において、引張ひもは
、通常ジャケットの内面に装着される。このタイプのジャケットには、別な材料
の片18(製品材料に適合する場合が多い)がそれ自身の上に巻回され、次いで通
常製品材料10の内側表面で製品材料10と縫合され又は縫い付けられる。別な材料
の片18は通道14を形成し、その中に引張ひも16が収められる。
あるいは、別な材料の片の相対する側面エッジ(図示せず)を製品材料10の内
側表面に縫い付けることによって通道14が形成されることもでき、その通道14は
、別な材料の片と製品材料10の内側表面との間に形成される。この通道14は、衣
服の外側表面上に通道14が見えない仕方で、製品材料10の内側表面上に形成され
る。
これらの通道14の形成方法は割合に簡単であり、安価であるが、通道14を形成
するために実施される縫合又は縫い付けが、衣服に多数の針孔20を形成すること
によって、製品材料10の完全性を損なうことがある。これらの針孔は目障りであ
るだけでなく、耐候性衣服(即ち、風、水、低温から保護する衣服)においては
、針孔が水や風を衣服の中に入り込ませることがある。この後者の問題を防ぐた
め、衣服の内側表面の縫い目を、長尺の防水テープ22でシールすることが知られ
ている。このような縫い目シール用テープは、デラウ
ェア州のニューアークにあるW.L.Gore & Associates社より商標
が縫い孔の上に取り付けられ、高温空気装置を用いて縫合シールの内側にテープ
が融合される。高温空気装置は非常に高温の空気をテープの上に吐出し、接着剤
を活性化させ、溶融した接着剤を布帛10の中に押し込む。このプロセスは、縫合
孔、縫い目、及びその他の継目の漏れの原因をシールする。
衣服の内側表面に形成された通道は、1つ又は2つの領域を縫合し、その材料
を防水性にするため、それぞれの1つ又は2つの領域をシールすることを必要と
する。このことは、通道の近くの領域の材料を剛直にさせる場合が多く、このた
め衣服が若干着心地が悪くなり、また美的に不満足になることがある。
次に図2Aと2Bに関し、衣服の引張ひも16のための通道14を形成するさらに
もう1つの既存の方法が示されている。この方法において、タフタのような材料
の片24が、1つの面に接着剤28を施された材料の第1と第2の片26aと26bに縫
い付けられる。第1と第2の材料の片26aと26bは、材料24の相対するエッジに
そって材料24に縫い付けられる。次いで、2つの接着剤を施された材料の片26a
と26bが製品材料10に結合され、材料の片24が製品材料10に取り付けられない仕
方で、縫合された部材が布帛10に適用される。このようにして製品材料10と材料
24の間に通道14が形成される。次いで公知の仕方で引張ひも16が通道14の中に収
められる。この引張ひも通道の形成方法は、針孔によって製品材料10の完全性を
損わないが、2つの接着剤材料の片26aと26bが別個の材料片24に縫い付けられ
なければならないため、実施する上でコストが高い。
本発明は、衣服や生地の完全性を損なわず、かつ実施が容易で安価な、衣服や
生地に通道を形成する方法に関する。また、本発明は
、衣服や生地に通道を形成するためのテープに関する。本発明は、通道を形成す
るのに必要な労力を軽減し、さらに、衣服に通道を形成してシールするのに必要
な材料の量を少なくする。
発明の要旨
本発明は、衣服又は同様な構造体に引張ひも通道を形成するための改良された
装置と方法を提供する。本発明の通道は、少なくとも2つの平行な接着剤ストリ
ップと中央の非接着部分を有する割合に広いテープを有する。各々の接着剤スト
リップは基材(例えば衣服)に接着するが中央部分は接着しないままの仕方で、
このテープは基材に施される。この仕方で取り付けられたテープは、従来の通道
構造に見られる制約なしに、取り付けられた後に引張ひも通道を形成する。この
テープは、接着剤のみによって取り付けられるため、衣服を貫通して形成された
漏れの問題を生じさせることがある針孔が存在しない。この結果、このような孔
による漏れの危険性が解消される。また、針孔をシールするために接着剤が使用
される必要がないため、従来使用されてきたよりもはるかに多様な接着剤がテー
プに使用されることができる。したがって、最終的な通道は、従来のテープでシ
ールされた衣服の通道よりもはるかに可撓性が高く(即ち、剛性が低い)、着心
地がよく、美観に優れるようにされることができる。しかも、本発明の簡単性は
、従来の方法よりもはるかに迅速かつ容易に引張ひも通道が形成されることを可
能にする。
図面の簡単な説明
上記の要旨及び下記の本発明の好ましい態様の詳細な説明は、添付の図面と併
せて読み進める時、より的確に理解されるであろう。本発明の説明のため、図面
に現状で好ましい態様が示されている。
ここで、本発明は示されたそのままの配置や装備に限定されるものではないこと
を理解すべきである。
図1Aは、衣服の周囲エッジにそって引張ひも通道を作成するための既存の方
法の第1の態様の透視図である。
図1Bは、衣服の引張ひも通道を作成するための既存の方法の第2の態様の透
視図である。
図2Aは、衣服の引張ひも通道の既存の作成方法の第3の態様の上平面図であ
る。
図2Bは、図2Aに示された引張ひも通道の分解横断面図である。
図3は、本発明の第1の態様にしたがった、生地に通道を作成するためのテー
プの分解横断面図である。
図4は、本発明の第2の態様にしたがった、生地に通道を作成するためのテー
プの分解横断面図である。
図5Aは、本発明にしたがったテープを用いて生地材に作成された通道の透視
図である。
図5Bは、図5Aに示された通道の横断面図である。
図6は、本発明の第3の態様にしたがった、生地に通道を作成するためのテー
プの分解横断面図である。
図7は、本発明の第4の態様にしたがった、生地に通道を作成するためのテー
プの分解横断面図である。
図8は、本発明の方法にしたがってその上に作成された引張ひも通道を有する
生地の透視図である。
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、衣服や同様な構造体上の引張ひも通道のような、基材上に改良され
た通道構造を提供するための装置と方法である。本発
明の通道は、生産品を貫く漏れを防ぐために針孔が避けられる又はシールされな
ければならない保護用及び「耐候性」衣服などの生産品に使用するのに特に適す
る。
以下の説明の中で特定の用語が使用されているが、これらは便宜のために過ぎ
なく限定されるものではない。用語「内側」と「外側」は、生地、材料又は布帛
の相対する側と、それらの指示部分を言う。
用語「耐候性」とは、水と風に抵抗する材料を指称するために使
てW.L.Gore & Associates社から販売の製品、耐水性、防風性且
、高級な雨風避け又は耐候性材料に限定されるものではなく、コットンダクト、
引布の例えばウレタン処理布帛、シートプラスチック、極細繊維製品などのよう
な水その他の液体の浸透に抵抗する又は防ぐ種々の製品の全てを包含するものと
解釈すべきである。この用語は、特に言及された語、その派生語、及び同様な外
来語を含むものとする。
本発明は、通道を形成するために生地と併用されるテープに関する。通道は、
引張ひもを保持するために使用されることができる。また、本発明は、テープ又
は布帛の片を用いて生地に通道を形成する方法に関する。簡明のため、本発明は
、本願において大部分は、防水布帛からなるジャケットのようなジャケットにつ
いて説明する。ここで、前述のように、本発明はジャケットに使用することに限
定されるものではなく、オーバーオール、パンツ、ゲートル、ミット、バッグな
どの非常に様々な衣服その他の物品にも使用されることができる。また、本発明
は耐候性の衣服や生地物品に効果的に使用されるが、本発明は、その他のタイプ
の布帛や材料からなる衣服
や生地物品にも使用されることができる。
図面において、同様な数字は同様なエレメントを全体にわたって示す。次に図
3と4に関し、本発明の第1と第2の態様にしたがって衣服又は生地物品に通道
を形成するためのテープ30の分解された横断面図が示されている。テープ30は第
1外側層32を有する。美的理由により、外側層32は、テープ30が衣服に施された
ときに外側層32が衣服とデザイン的にマッチするように、衣服又は生地物品と同
じ(又は相補的)材料又は布帛からなることが好ましい。好ましい態様において
、外側層32は、取り付けられる時の引裂き、及びそれが取付られる製品の寿命の
間の劣化を防ぐのに十分に高強度で弾力性がある。外側層32は、フィルム又は不
織材料のような、衣服や生地物品が作成される材料と異なる材料からなることが
できると理解すべきである。現状で好ましい態様において、外側層32は、トリコ
ット編物のような耐磨耗性材料からなる。
第1基材層34は、好ましくは第1接着剤層36を用いて、外側層32の1つの側又
は表面に結合される。第1基材層34は、好ましくは延伸膨張ポリテトラフルオロ
エチレン(ePTFE)フィルムからなり、接着剤が外側層32まで浸透することを防ぐ
物理的バリヤとして作用する。延伸膨張PTFEは防水性であり、水が衣服に染み込
む又は浸透することを防止し、また、水蒸気透過性であり、水蒸気が衣服から逃
散することができる。
第1基材層34は、テープ30を衣服や生地物品に接着させるためのホットメルト
接着剤のような第2接着剤層38でコーティングされる。この接着剤層38は、好ま
しくは、厚さが0.005cm〜0.025cmの熱可塑性接着剤の層であり、約0.006インチ(
0.015cm)の厚さが好ましい厚さである。広範囲なテープの幅が採用されることが
でき、2〜10cmの幅が一般的である。種々の領域の幅は全体の幅の関数であ
るが、接着剤層は、耐久性のために十分な強度を必要とする領域には下限を有す
る。3.75cmの側面テープは、例えば0.3cm〜1.25cmの接着剤層を有する。基材層3
4を生地10に接着させるためには非常に多くの接着剤が適切であることができ、
例えばポリウレタン、ポリオレフィン、ナイロン、エチレンビニルアセテート(E
VA)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)
、ポリエステルなどが挙げられる。あるいは、テープ30を衣服に接着させるため
に非熱可塑性接着剤が使用されることもでき、例えば反応性物質のエポキシ、ア
クリロレート、シリコーン、フェノール樹脂、紫外線硬化性物質、熱硬化性樹脂
、又は感圧材料が挙げられる。
非結合性材料層40が、接着剤層38に結合又は取り付けられる。非結合性材料層
40は、テープ30の内側に非結合性領域(42と表示)を形成する。非結合性領域42
は、やはりテープ30の内側の二つの結合性領域(44a,44bと表示)の間に位置
する。結合性領域44a,44bと非結合性領域42は互いに平行であり、テープ30の
長手を覆って延在する。非結合性材料層40は、好ましくは、テープ30が衣服や生
地物品に結合されるシール化プロセスの際に非結合性領域42が衣服に結合するこ
とを防ぐ材料からなる。現状で好ましい態様において、非結合性材料層42は、eP
TFEフィルム又はラミネート層を含んでなる。ここで、非結合性材料層40は、剥
離ペーパー、シリコーン基剤のコーティング、又はその他の適切な材料からなる
こともできる。非結合性材料層40の幅は、テープ30の幅の約1/3でよい。非結
合領域を最大限にし、なおかつテープの基材への接着を維持するのに十分な強度
を保つことが好ましい。即ち、非結合性材料層40をテープ30の中心付近に配置し
、結合領域44a,44bと非結合領域42をそれぞれ同じ幅の、テープ30の幅の約1
/3とする。ここで、結合
領域42の幅は非結合領域44a,44bの幅を上回っても下回ってもよく、使用され
る材料と接着剤、テープ30によって形成される通道の所望の幅によって決まるこ
とが当業者には明らかであろう。
図3に示されたように、非結合性材料層40は、熱可塑性接着剤層38のような接
着剤46によって接着剤層に接着され又は取り付けられる。第1の好ましい態様に
おいて、非結合性材料層40は、厚さ約0.006インチ(0.015cm)(ホットメルト接
着プロセスが行なわれる前)の熱可塑性接着剤によって第1基材層に接着される
。接着剤層は0.005cm〜0.025cmの厚さでよい。あるいは、図4に示されたように
、非結合性材料層40は、接着剤層38を用いて第1基材層34に接着されることもで
きる。
下記により詳しく説明するように、テープ30に接着剤の2つ以上の平行なスト
リップを施し、接着剤ストリップの間に非結合性領域を残存させることによって
も同様な結果が達成され得ることが認識されるはずである。この仕方において、
接着剤ストリップを用いてテープ30が基材に施されると、接着剤ストリップの間
の非結合性領域は、引張ひもの操作のための道筋の通ったチャンネルを提供する
。
次に図5Aと5Bに関し、テープ30は衣服その他の生産品10の材料に結合され
、それによって通道14を形成することが示されている。通道は、引張ひも16を衣
服又は生地物品に固定するために使用されることができる。テープ30は、好まし
くは、熱と圧力を与えて熱可塑性接着剤を溶融させ、それを基材に接着させるた
めのホットプレス装置又は高温空気装置を用いて生産品10に取り付けられる。こ
のような装置はメリーランド州のエルクトンにあるW.L.Gore & Associates社
などの多数の供給先より市販されている。
テープ30は、生地10の表面に接触して配置され接着剤層38によっ
て生地10(例えば、ジャケットであり、テープ30は、好ましくは、ジャケットの
内側に接着される。)に結合され、その表面に結合される。各々の結合領域44a
,44bは生地10にしっかりと取り付けられる。ここで、非結合領域42は、非結合
性材料層40の上には接着剤が存在しないことで、生地10に結合することを防止さ
れる。このようにして、テープの非結合部分にそって生地10とテープ30の間に通
道14が形成される。次いで当業者に公知のようにして、例えばスネークを用いる
常套方法によって、通道14の中に引張ひも16が装着されることができる。
本発明の通道14を形成する方法(即ち、テープ30を生地に結合させる)は、生
地10を損なうことがない。しかも縫い付けや縫合を必要としないため、針孔が生
地10に存在しない。基材層34の付加的な利点は、テープ30が衣服に結合されるシ
ール又は結合プロセスの際に、基材層34が、接着剤が外側層32まで染み出すこと
を防ぐことである。
次に図6に関し、本発明の通道を形成するためのテープ50の第3の態様の分解
横断面図が示されている。テープ30に類似したテープ50は、接着剤36によって基
材層34に結合された第1の外側布帛層32を備える。ここで、基材層34の上の連続
的な接着剤層38の代わりに、不連続の接着剤層38a,38bが基材層34の上にコー
ティングされている。不連続接着剤層38a,38bの接着剤は、好ましくは、連続
的な接着剤層38の熱可塑性接着剤と同様な熱可塑性接着剤である。好ましくは、
接着剤層38aは、0.5〜1.25cmのような強度にとって十分な領域の幅を有し、非
結合領域は2〜4cmのような引張ひもの挿入と操作のために十分な可撓性を許容
する最小限の幅である。本発明の1つの態様において、接着剤層38a,38bは、
それぞれの結合領域44a,44bとそれらの間の非結合領域42を形成する。結合領
域44a,44bと非結合領域42は互いに平行であり、テープ50の長手を覆って延在
する。示された態様において、接着剤層38a,38bは、それぞれテープ50の幅の
約1/3の幅を有し、非結合領域42もまたテープ50の幅の約1/3である。ここ
でも、テープを基材にしっかりと結合させるのに十分な接着が提供されるならば
、これらの層の間の実際の相対比は異なってよい。
テープ50は、テープ30と同様にして取り付けられ、即ち、好ましくは高温空気
装置又はホットプレス装置を用いて衣服や生地物品に恒久的に結合される。
図7は、本発明にしたがって通道14を形成するためのテープ60のさらにもう1
つの態様を示す。テープ60は、一方の側を接着剤36によって耐磨耗性ライナー32
に結合され、他方の側をホットメルト接着剤38の層に結合された基材層34を有す
る。通道14を形成するため、テープ60は、接着剤層38が生地10の所望の側に面す
るように配置される。次いでテープの特定箇所でのみ接着剤38を選択的に活性化
させることにより、テープ60が生地10に接着される。即ち、図7に示されたよう
に、テープ60は、テープ60の相対する側面でのみ生地10に結合される。接着剤38
を活性化するために使用される装置は、テープ60の中央領域での接着剤38の活性
化を制限又は防止する。高温空気装置又はホットプレス装置が使用される場合、
高温空気、熱及び/又は圧力がテープ60の中央付近には適用されず、このためテ
ープ60の中央が生地10に結合されず、それによって通道14の形成を可能にする。
あるいは、当業者には明らかなように、紫外線硬化や超音波接着技術などのこの
他の接着方法が採用されてもよい。接着剤38を活性化させるために紫外線硬化技
術が使用される場合、接着剤38を生地10に接触させて配置する前に、シール用装
置によって接着剤38を活性化させることもできる。これに対し、ホットプレス装
置、高周波溶接又は誘導加熱プロセスが使用される場合、テープ60は、接着剤38
が活性化される前に生地に接触して配置される。
次に図8に関し、その上に形成された通道14を有する生地10の透視図が示され
ている。引張ひも16が通道14の中に配置されている。この態様において、テープ
60は、スポット溶接技術を用いて生地10に結合される。即ち、複数のスポット溶
接60が、テープ60の相対するエッジにそって形成され、それによってスポット溶
接の位置でテープ60を生地10に固定する。非結合領域42は、したがってテープ60
の中心軸にそって位置する。当業者には明らかであろうが、この通道14の形成方
法は、テープ60の内側の接着剤を活性化させるために多くの方法が使用される場
合に適切である。
前記の説明から、本発明の好ましい態様は、布帛の外側層、中央の基材層、及
び内側の接着剤層を有するテープを含んでなることが理解できる。テープはさら
に、少なくとも1つの内側結合領域と少なくとも1つの内側非結合領域を有する
。テープが衣服や生地物品に結合されると、テープの非結合領域と衣服又は生地
材料の表面との間に通道が形成される。引張ひもは、通道形成プロセスの際に通
道内に予め装着されることができ、あるいは、通道形成の後に常套手段によって
装着されることもできる。
本発明は、また、衣服や生地物品にテープの特定領域のみを選択的に結合させ
ることによって、衣服や生地物品に通道を形成する方法を提供する。通道は、テ
ープの非結合領域と衣服や生地材料の表面との間に形成される。
テープの簡単さ及び衣服や生地物品にテープを結合するプロセスの簡単さのた
め、この通道は、従来の方法によるよりもはるかに作成が容易である。しかも、
本発明によって形成される通道は、衣服や生地物品の完全性や美感を損なわない
。生産品の完全性の保持は
、耐候性製品を製造する場合にきわめて重要な因子であり、それによって、継ぎ
目の孔などの発生が好適に回避される。したがって、テープの構成は、テープが
生地に縫合されないため、針孔をシールして防水性にする必要がない。
また、本発明の通道は、衣服その他の生産品の内側又は外側のいずれにも容易
に取り付けられることが認識されるはずである。
以下の例は本発明が実施され得る仕方を例証するものであるが、本発明の範囲
を限定するものではない。
例1
一方の側に結合されたトリコット編物外側層22、及び他方の側に結合された厚
さ0.006インチ(0.015cm)の熱可塑性接着剤層38を備えたePTFE基材層を有するテ
ープを、650℃の温度に設定した高温空気継ぎ目シール用装置を用い、60psiのニ
ップ圧力と6.1メートル(20フィート)/分のテープ速度にして生地10に結合さ
せた。通道が首尾よく形成され、引張ひもがその中に装着されて、スライド可能
な状態で固定された。
例2
一方の側に結合されたトリコット編物外側層32、及び他方の側に結合された熱
可塑性接着剤層38の厚さ0.006インチ(0.015cm)の層を備えたePTFE基材層34を有
するテープを、350°F(177℃)に設定されたホットプレス装置を用いて生地10に
結合させた。テープは約15秒間にわたってその中で加圧され、通道が首尾よく形
成され、引張ひもがその中に装着され、スライド可能な状態で固定された。
当業者には、本願発明の広い技術的思想から逸脱することなく、上記の態様に
変化や変更を加え得ることが明らかであろう。
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