JP2001505712A - 点火プラグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、端子ボルトを介して点火ケーブルに接続された電極を備えており、かつこの電極と前記の点火ケーブルとの間に配置された抵抗を備えている点火プラグに関する。この点火プラグの特徴は、前記の抵抗（５）が高い温度耐性を有することである。

Description

【発明の詳細な説明】 点火プラグ 従来の技術 本発明は、端子ボルトを介して点火ケーブルと接続された電極を備えており、 さらにこの電極と前記点火ケーブルとの間に配置された抵抗を備えている、請求 の範囲第１項の上位概念による点火プラグに関する。 高電圧を用いて、スパーク放電を点火プラグのアース電極と中心電極との間で 内燃機関の燃焼室に発生させ、これによって内燃機関の燃焼室で、圧縮された空 気燃料混合気を点火する点火プラグは公知である。またこのような点火プラグに おいて、点火ケーブルと中心電極との間に抵抗を設けることも公知である。 点火ケーブルと中心電極との間で点火プラグ内に配置された抵抗は、点火ケー ブルと点火プラグからなる構成体の総電気抵抗を高める。このようにして抵抗を 高めることによって、点火ケーブルと点火プラグ内の電流は少なくなり、これに よって点火電圧の高さが安定する。すなわち点火電圧を形成する電圧供給源は、 点火ケーブルないし点火プラグの抵抗を増すことによって、負荷は小さくなる。 これによって点火電圧レベルを、ほとんど一定の値に維持することができる。電 源電圧から調整される高電圧の大きさは点火プラグの 場合には重要である。これは点火スパークを形成できるようにするためである。 点火プラグが電極間にスパークを形成するために必要な点火電圧の高さは、高 電圧形成部から供給される電圧よりも低い。供給される高電圧と実際に必要な点 火電圧との間のこのような差分をリザーブ電圧と称する。このリザーブ電圧は必 要である。これは点火プラグの使用期間中に電極間隔が増すことによって、所要 の点火電圧が増大することを補うためである。したがって供給される高電圧と点 火電圧との間の差分すなわちリザーブ電圧が殊に大きい場合には、燃焼室の内部 における空気燃料混合気の点火がつぎのような場合でも確実に行われることにな る。すなわち点火プラグの２つの電極の間隔が、電極の浸食によって増大した場 合に、または燃焼過程の別のパラメタ例えば空気燃料混合気の過少によってない しは燃焼過程によって電極に煤またはカーボンかすなどの残滓が堆積した場合に 、より高い点火電圧が必要とされるが、このような場合でも点火が確実に行われ ることになる。 抵抗を大きくすることによって電流が減少し、これによって浸食による電極の 摩耗も少なくなる。すなわちスパークが２つの電極間で発生している間の電流の 流れが少なくなれば、電極の金属摩耗も少なくなる。金属摩耗が少なくなると、 点火プラグの寿命も長くなる。 点火ケーブルと中心電極との間に配置された抵抗の別の役割は、いわゆる「ス パークノイズ除去」である。このスパークノイズ除去は、つぎのようにして行わ れる。すなわち点火プラグのスパークギャップへの線路にある抵抗によって、ノ イズパルスが点火ケーブルへ伝達されることを制限し、ノイズ放射を低減するこ とによって行われる。 従来技術で使用される抵抗は、ガラス粒子、鉄の粒子、煤の粒子およびポリマ ー粒子の混合物から成っている。しかしながらこのような抵抗は温度耐性が低い 。したがって従来技術では抵抗を、点火プラグの比較的冷たい領域すなわちエン ジンから離れた領域に配置している。 発明の利点 本発明は、端子ボルトを介して点火ケーブルに接続された電極（有利には中心 電極）を備え、さらに電極と点火ケーブルとの間に設けられた、高い温度耐性の 抵抗を備えた点火プラグに関する。この点火プラグは、抵抗を点火プラグの前方 すなわち中心電極の近くの領域に配置できるという利点を有する。これによって 電極浸食と絶縁体浸食が格段に低減され、さらにより良好な「スパークノイズ除 去」が行われる。 電極浸食と絶縁体浸食を低減することは、点火プラグの寿命を格段に改善する 。また同時に電極摩耗が低 減されることによって、点火プラグの２つの電極すなわち中心電極とアース電極 との間の間隔が、長期間ほぼ一定に維持される。２つの電極の相互の距離がほぼ 一定に保たれることによって、冒頭に述べたように点火プラグの所要の点火電圧 はほぼ一定になり、ひいては供給される高電圧と点火電圧との差分も高いレベル で維持される。すなわちリザーブ電圧が改善される。 温度耐性の高い抵抗を製造するためには有利には、電気を通すことなく金属被 覆されたガラス材料またはガラスセラミック材料、しかも有利には粉末が使用さ れる。これらの材料には、カーボンブラックも温度変化に不安定なポリマーも含 まれていないため、高い温度耐性が保証される。ここでこの抵抗の構造は、網状 に形成された金属相と、この金属相を包囲するガラスマトリクスまたはガラスセ ラミックマトリクスとから成っている。このマトリクスの層の厚さは有利には数 ｎｍである。有利な実施形態では、前記金属相は高い温度耐性を有する金属また は合金例えばニッケル／タングステン、白金または白金／パラジウムから形成さ れる。高い抵抗値を有する金属または合金を使用すると有利であり、これによっ て有利にも数ｎｍ例えば０．５〜６ｎｍの厚さの抵抗層が形成できるようにする 。 公知の点火プラグの製造方法は有利なことに極めて簡単に、温度耐性抵抗を備 えた本発明の点火プラグに 使用することができる。 別の有利な実施形態は従属請求項に記載されている。 図面 本発明を以下、図面を参照して実施例により詳しく説明する。この唯一の図は 、部分断面図を有する本発明の点火プラグを示している。 実施例 図は点火プラグ１を示している。この点火プラグ１は、絶縁体２、端子ボルト ３、ケーシング４、抵抗５、中心電極６およびアース電極７を有している。ここ で絶縁体２の中心電極６側の区分は、ケーシング４に係止され、中心電極６と抵 抗５と端子ボルト３とを包囲している。中心電極６と端子ボルト３との間に配置 された抵抗５の両端部には、ガスを封止するガラスシール９が配置されている。 端子ボルト３の下端部８は、抵抗５と接続されている。端子ボルト３の上端部１ ０は、絶縁体２から突き出ている。ここでこの上端部１０にはネジ部１１が形成 されており、このネジ部１１に端子ナット１２がネジ止めされている。さらに絶 縁体２はいわゆる漏れ電流バリア１３を有している。ここでこの漏れ電流バリア １３は、絶縁体２の直径の比較的小さい領域１４と直径の比較的大きい領域１５ とを有する。 点火プラグ１のケーシング４はすでに説明したようにその下方の領域で絶縁体 ２を収容している。ここでケーシング４は、多角縁部１６、ネジ部１７およびこ のケーシング４から出ている角張ったアース電極７を有している。アース電極７ は、ケーシング４につぎのように設けられている。すなわちこのアース電極７は ケーシング４の下に出ている絶縁体２を跨いでおり、中心電極６に対して所定の ギャップ１８で取り付けられている。ここで中心電極６は、図で絶縁体先端部１ ９で示した、絶縁体２の下方の領域から突き出ている。ここで示した電極構成は 、側方電極構成と称される。本発明は当然別の電極構成にも使用可能である。 点火プラグ１は、そのネジ部１７によってここで図示しない、内燃機関のエン ジンケーシングにつぎのようにしてネジ止めされる。すなわちケーシング４に取 り付けられた端面２０が、ネジ込み深さに対するストッパーとして、また同時に 外部のパッキンリングとして機能するようにネジ止めされている。ここでシーリ ングを実現するために、ここに図示しない失われることのない外部のパッキンリ ングを取り付けることができる。端面２０とネジ部の下側の終端部と間の長さは 次のように設計されている。すなわち、中心電極６とアース電極７とを含む点火 プラグの電極装置が、ここに図示しない内燃機関の燃焼室にちょうど突出する ように設計されている。点火プラグ１のエンジンケーシングへのネジ止めは、多 角縁部１６にさしはめ可能な適合する工具を用いて行われる。点火プラグ１をエ ンジンケーシングの作動箇所に固定すると、ここに図示しない電気的点火装置に 、端子ナット１２によって、ここに同様に図示しない電気的な接続が行われる。 図から判るように、抵抗５はエンジンの近くに寄った位置すなわち比較的高温の 領域にある。このことは本発明によって抵抗の温度耐性が高くなることによって 可能となる。しかしながら本発明では、本発明にしたがって使用される抵抗５を 、エンジン側と逆側の、点火プラグの後ろ側の領域に取り付けることも可能であ る。 点火プラグの本来の機能すなわち供給される高電圧を用いて、空気燃料混合気 を燃焼室内で点火するスパークを形成することは、公知のこととして前提とした 。したがってここでは記載していない。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年１１月５日（１９９８．１１．５） 【補正内容】 請求の範囲 １． 端子ボルトを介して点火ケーブルに接続された電極を備えており、かつ 該電極と前記点火ケーブルとの間に配置された抵抗を備えており、該抵抗（５） は高い温度耐性を有している点火プラグにおいて、 前記抵抗（５）はガラスマトリクスまたはガラスセラミックマトリクスに埋め 込まれた金属相を含み、該金属相は網状構造に形成されている ことを特徴とする点火プラグ。 ２． 前記金属相はニッケル／タングステン、白金または白金／パラジウムか ら形成されている 請求項１に記載の点火プラグ。 ３． 前記抵抗（５）は、前記電極（６）と端子ボルト（３）との間に配置さ れている 請求項１または２に記載の点火プラグ。 ４． 前記抵抗（５）の層の厚さは、０．５〜６ｎｍである 請求項１から３までのいずれ１項に記載の点火プラグ。 【手続補正書】 【提出日】平成１１年７月９日（１９９９．７．９） 【補正内容】 請求の範囲 １．端子ボルトを介して点火ケーブルに接続された電極を備えており、かつ該電 極と前記点火ケーブルとの間に配置された抵抗を備えており、該抵抗（５）は 高い温度耐性を有している点火プラグにおいて、 前記抵抗（５）は、ガラスマトリクスまたはガラスセラミックマトリクスに 埋め込まれた金属相を含み、該金属相は、網状構造に形成されており、 前記金属相の層の厚さは０．５〜６ｎｍである ことを特徴とする点火プラグ。 ２．前記金属相はニッケル／タングステン、白金または白金／パラジウムから形 成されている 請求項１に記載の点火プラグ。３． 前記抵抗（５）は、前記電極（６）と端子ボルト（３）との間に配置されて いる 請求項１または２に記載の点火プラグ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス ブリンツ ドイツ連邦共和国 Ｄ―71069 ジンデル フィンゲン パッペルヴェーク 67 (72)発明者 ウルリッヒ アイゼレ ドイツ連邦共和国 Ｄ―70199 シユツツ トガルト ベックラーシュトラーセ ６ベ ー

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 端子ボルトを介して点火ケーブルに接続された電極を備えており、かつ該 電極と前記点火ケーブルとの間に配置された抵抗を備えており、該抵抗（５）は 高い温度耐性を有している点火プラグにおいて、 前記抵抗（５）は、ガラスマトリクスまたはガラスセラミックマトリクスに埋 め込まれた金属相を含み、 該金属相は、温度耐性の高い金属または温度耐性の高い合金例えばニッケル／ タングステン、白金または白金／パラジウムを含む ことを特徴とする点火プラグ。 ２． 前記マトリクスは、網状構造に形成されている請求項１に記載の点火プラ グ。 ３． 前記抵抗（５）は、前記電極（６）と端子ボルト（３）との間に配置され ている 請求項１または２に記載の点火プラグ。 ４． 前記抵抗（５）の層の厚さは、０．５〜６ｎｍである 請求項１から３までのいずれ１項に記載の点火プラグ。