JP2001504679A - 出力電圧の調整部を備えたスイッチング電源回路網 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 Ｅ字形のコア（２）を備えた変圧器（１）を有するスイッチング電源回路網において、サイド脚部（２２，２１）の回りにそれぞれ巻線（２４，２５）が設けられている。２次巻線（２４）を流れる電流は、調整すべき出力電圧（Ｕ１）によって制御される。１次側の巻線（２５）にて、電源部のスイッチング周波数を制御するための調整信号が出力結合される。これにより、そうでなければ必要なオプトカップラーが省略される。

Description

【発明の詳細な説明】 出力電圧の調整部を備えたスイッチング電源回路網 本発明は、請求項１の上位概念に記載のスイッチング電源回路網に関する。 スイッチング電源回路網は公知のように、整流された電源交流電圧から、１つ または複数の異なった出力直流電圧を負荷に依存して発生するために使用される 。このために、１次側の整流された交流電圧がスイッチング素子を介してタイミ ングをとられて変圧器の１次巻線に加えられる。２次巻線において、整流および 平滑後に、出力電圧が取り出し可能である。 出力電圧は、スイッチング素子のクロック制御によって調整される。ドイツ連 邦共和国特許出願公開第４４０７７０９号公報にはこのために、別の１次巻線に おいて調整信号が取り出され、調整信号に依存してクロック周波数、ひいては２ 次側の出力電圧が調整される。しかし１次側の調整巻線と２次側の負荷巻線との 間の結合が不満足でしかないということは問題である。このために、負荷変化の 際に、出力電圧は必要な程度に一定に保持することができないということになる 。 上述の公報に示されている回路では、正弦波状の電流取り出しのために所謂電 流ポンプが設けられている 。電流ポンプによっで、電源周波数の影響が増強される。それ故に、出力電圧は 、調整電圧の１次側の取り出しのために完全には補償調整されないハム成分と重 畳されている。 これに対する対策のために、例えばドイツ連邦共和国実用新案登録第９４１０ ９５５号明細書に記載されているように、調整電圧を２次側において取り出すこ とができる。１次側に配置されている制御装置に調整信号を伝送するために、オ プトカップラーが必要である。しかしオプトカップラー素子は比較的高価である 。従ってこの解決法は不経済である。 本発明の課題は、比較的僅かな製造コストにおいてできるだけ申し分なく調整 された出力電圧を発生する、冒頭に述べた形式のスイッチング電源回路網を提供 することである。 本発明によれば、この課題は、請求項１の特徴部分に記載の構成を有するスイ ッチング電源回路網によって解決される。 本発明のスイッチング電源回路網では、オプトカップラーは省略される。２次 側から１次側への調整情報の伝送は、変圧器の磁界を変圧器コアの外側脚部間で 非対称に移動させることによって行われる。調整信号の導出は調整すべき出力電 圧において直接評価されるので、負荷変化もハムも申し分なく補償調整すること ができる。外側の脚部に取り付けるべき巻線は一般に 単純でかつ自動化されて製造することができ、従ってコストの面で有利である。 次に本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。図には、スイッチング 電源回路網が示されている。これは、入力側の電源交流電圧Ｕ１から出力側にお いて調整された出力電圧Ｕ１を発生する。スイッチング電源回路網は、変圧器１ を含んでいる。変圧器は、Ｅ字形の変圧器コア２を有していて、この真ん中の脚 部２０の回りに１次および２次巻線２３が配置されている。真ん中の脚部は有利 には、脚部の長手方向を横断する方向に配向されているギャップを含んでいる。 １次巻線にはブリッジ整流器３を介して整流された電源交流電圧がスイッチング トランジスタ４を用いてタイミングをとられて供給される。スイッチングトラン ジスタ４はそのスイッチインおよびスイッチオフの制御のために制御装置（５に よって制御される。２次巻線には、整流器ダイオード６並びに平滑コンデンサ７ が接続されていて、ここに出力直流電圧Ｕ１が生じる。出力電圧Ｕ１が負荷に依 存してできるだけ一定に補償調整されるように、制御装置５には接続端子８に調 整信号が供給される。これに依存して、スイッチングトランジスタ４のタイミン グ制御が行われる。自由振動する原理に従ったスイッチング電源回路網では、調 整信号によってスイッチングトランジスタ４のスイッチイン持続時間が決められ 、スイッチオフ持続時間は変 圧器の消磁状態によって決められる。固定周波数の作動では、調整信号によって 、スイッチインクロックのキーイング比が固定される。 制御装置５の接続端子８に加わる調整信号は、２次側において取り出されかつ 変圧器１を介して１次側に伝送される。このために、巻線２４が設けられている 。この巻線は、Ｅ字形の変圧器コアの外側の脚部（サイド脚部）２２に巻回され ている。Ｅ字形の変圧器コアの別の外側の脚部２１には巻線２５が配置されてい る。巻線２５は調整信号を出力結合するために接続されている。調整情報は、巻 線２４を流れる電流を２次側において変調することによって１次側から２次側に 伝送され、これにより磁界は相応の方法で、変圧器の外側の脚部２１，２２の間 で非対称に移動され、従って相応の変調された電圧信号が巻線２５において１次 側で取り出される。変圧器の真ん中の脚部におけるギャップによって、その磁気 抵抗が高められかつ磁界の移動が促進される。 ２次側の巻線２４の接続端子は、ダイオード１０，電流制限抵抗１１並びにバ イポーラトランジスタ１２のコレクタ・エミッタ間を介して電流回路に相互接続 されている。バイポーラトランジスタの代わりに、ＭＯＳトランジスタを使用す ることもできる。トランジスタ１２のエミッタ（ないし相応のＭＯＳトランジス タのソース接続端子）はツェナーダイオード１３を介 して２次側のアース接続端子１４に接続されておりかつ抵抗１５を介して別の、 ２次側で発生される電圧Ｕ２に対する接続端子に接続されている。トランジスタ １２のベース接続端子は分圧器１６，１７を介して調整すべき出力電圧Ｕ１によ って制御される。出力電圧Ｕ１から分圧器１６，１７を介して取り出された信号 が、ツェナーダイオード１３およびトランジスタ１２によって形成されるしきい 電圧を上回るとき、巻線２４は素子１０，１１，１２を介して短絡される。ツェ ナーダイオード１３の動作点調整設定のために、ツェナーダイオードには抵抗１ ５を介して電圧Ｕ２から電流が供給される。スイッチング電源回路網をテレビジ ョン装置に使用する場合、電圧Ｕ２は、低い、ともかく信号処理回路の給電のた めに適している電圧であり、それはほぼ１０Ｖである。電圧Ｕ１は、通例ブラウ ン管に対する走査線出力段の制御のために設定されている、１２０〜１５０Ｖの オーダにある電圧である。 変圧器コアのサイド脚部の回りの巻線２４，２５を考慮しなければ、真ん中の 脚部の回りの１次巻線によって発生される磁界はコア内で両方のサイド脚部２１ ，２２に対して対称的に分布している。素子１０，１１，１２を介する巻線２４ の短絡により、真ん中の脚部２０の回りの１次巻線によって発生される磁界がサ イド脚部２２，２１に対して非対称に分配されるようになる。実施例において、 巻線２４は、対応する脚部 ２２における磁界が低減されるように配向されている。巻線端部に図示されてい る点は、スイッチングトランジスタの阻止フェーズの期間にそこに、巻線２４に 誘起される電圧の正の極が存在することを示すものである。巻線２４に誘起され る電流によって、脚部２２に配向される磁界は低減されかつこれに代わって脚部 ２１に移動される。 巻線２５に誘起される電圧はこれにより高められる。この電圧は巻線２５にお いて整流器ダイオード２７および平滑コンデンサ２８を介して出力結合されかつ 分圧器２９，３０を介して、調整信号に対する制御装置５に供給される。巻線２ ５の別の接続端子は１次側のアース３１に接続されている。巻線２５は、スイッ チングトランジスタ４の阻止フェーズにおいてその整流器側の接続端子に、誘起 された電圧の正の極が生じるように配向されている。このことは、点によって示 されている。 巻線２４において阻止フェーズの期間に、２次側のアース接続端子の方の側の 巻線端子に正の電圧極が生じている間、巻線２５では１次側のアース接続端子と は反対の側の巻線端子に正の電圧極が生じている。巻線２４，２５は反対方向の 巻線配向を有している。 巻線２４の巻き数は、そこに接続されている回路素子の作動のために必要であ る電流要求並びにサイド脚部における磁界の移動のために所望される程度に依存 している。巻き数が増加するに従って巻線２４を流れる電流は減少しかつ巻線は 高抵抗になり、その際磁界移動の作用は増大することがわかっている。巻線２５ の巻き数は引き続く処理のために必要である、調整信号の高さに依存している。 スイッチング電源回路網の始動フェーズの期間、電圧Ｕ１はトランジスタ１２ のベース・エミッタ区間と協働してツェナーダイオード１３によって調整設定さ れるしきい電圧より低い。トランジスタ１２は阻止されており、巻線２４には電 流は流れない。変圧器における磁界は２つのサイド脚部に対して対称的に分布し ている。巻線２５に低い電圧が発生され、その結果制御装置５は、出力電圧Ｕ１ が上昇するようにスイッチングトランジスタ４をタイミング制御するように促さ れる。出力電圧Ｕ１が、トランジスタ１２およびツェナーダイオード１３によっ て形成されるしきい値を上回ると、巻線２４は素子１０，１１，１２を介して短 絡され、その結果変圧器コアの脚部２１に、脚部２２における磁界より高い磁界 が生じかつ相応に巻線２５により高い電圧が誘起される。このことは制御装置５ の接続端子８における調整信号に対して、電圧Ｕ１が再び低下して、ひいては電 圧Ｕ１がトランジスタ１２およびツェナーダイオード１３によって形成されるス イッチングしきい値を下回るようにトランジスタ４がタイミング制御されること を意味している。このビル ドアップ過程は、電圧Ｕ１から分圧器１６，１７を介して導出される信号が、ト ランジスタ１２およびツェナーダイオード１３によって形成されるスイッチング しきい値になるまで続けられる。それからトランジスタ１２は、程々に導通制御 される。即ち、完全に導通制御されている状態よりは僅かだが、阻止されている 状態よりは多めに導通しているようにである。その時巻線２５には、この状態を 維持するための十分である程度の調整電圧が誘起される。出力電圧Ｕ１は一定に 出力調整されている。従って電圧調整は安定した状態にある。 調整信号は、スイッチングトランジスタ４の阻止フェーズの期間にだけ２次側 から１次側に伝送される。付加的に、スイッチングトランジスタ４が導通切り換 えされている導通フェーズの期間に信号伝送が行われるようになっている。その 時、情報の、１次側から２次側への伝送は有利には、同じ巻線２４，２５を使用 して行われる。情報は巻線２４に対して設けられているのに相応する回路を用い て１次側で巻線２５において入力結合されかつ２次側で巻線２４において出力結 合される。情報の伝送のために例えば、１次側の赤外線検出および受光器によっ て受信されかつ２次側において電圧が供給される命令デコーダによって評価され る遠隔制御信号が適している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．スイッチングエレメント（４）を備え、該スイッチングエレメントによって 、整流された交流電圧（Ｕ１）がタイミング制御されて変圧器（１）の１次巻線 に加えられ、該変圧器の２次巻線にて、整流された、調整すべき出力電圧（Ｕ１ ）が取り出し可能であり、かつ 制御装置（５）を備え、該制御装置によって、前記スイッチングエレメント（ ４）は、調整信号に依存してタイミング制御可能であり、 前記変圧器（１）は、Ｅ字形のコア（２）を有しており、該コアの真ん中の脚 部（２０）には１次巻線および２次巻線（２３）が巻回されている スイッチング電源回路網において、 前記Ｅ字形のコア（２）の外側の脚部（２２）を取り囲む第１の巻線（２４） が設けられており、該巻線は、前記出力電圧（Ｕ１）に依存して制御可能な電流 が流れるようになっており、かつ 前記Ｅ字形のコア（２）の別の外側の脚部（２１）を取り囲む少なくとも１つ の別の第２の巻線（２５）が設けられており、該巻線から前記調整信号が導出可 能である ことを特徴とするスイッチング電源回路網。 ２．前記第１の巻線（２４）並びにトランジスタ（１ ２）を含んでいる２次側の電流路を備え、該トランジスタは前記調整すべき出力 電圧（Ｕ１）によって制御可能である 請求項１記載のスイッチング電源回路網。 ３．前記第１の巻線（２４）の接続端子はダイオード（１０）、抵抗（１１）お よび前記トランジスタ（１２）の主電流路を介して相互に接続されており、前記 トランジスタ（１２）のエミッタまたはソース接続端子はツェナーダイオード（ １３）を介して２次側のアース（１４）に接続されておりかつ抵抗（１５）を介 して２次側で発生可能な直流電圧（Ｕ２）に結合されており、かつ 前記トランジスタ（１２）は分圧器（１６，１７）を介して調整すべき電圧（ Ｕ１）によって制御される 請求項２記載のスイッチング電源回路網。 ４．前記２次巻線（２５）の１つの端部は１次側のアース（３１）に結合されて おりかつ他方の端部は整流および平滑のための手段に結合されており、該手段に て前記調整信号が取り出し可能である 請求項１から３までのいずれか１項記載のスイッチング電源回路網。 ５．前記第１および第２の巻線（２４，２５）の巻き方向は反対に配向されてい る 請求項１から４までのいずれか１項記載のスイッチ ング電源回路網。 ６．前記変圧器（１）の真ん中の脚部（２０）はギャツプを含んでいる 請求項１から５までのいずれか１項記載のスイッチング電源回路網。