JP2001503912A - 炭素コーン及び炭素ホイスカーの電界エミッター - Google Patents

炭素コーン及び炭素ホイスカーの電界エミッター

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JP2001503912A JP52271598A JP52271598A JP2001503912A JP 2001503912 A JP2001503912 A JP 2001503912A JP 52271598 A JP52271598 A JP 52271598A JP 52271598 A JP52271598 A JP 52271598A JP 2001503912 A JP2001503912 A JP 2001503912A
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ブランシエト―フインシヤー,グラシエラ・ベアトリズ
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イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 炭素コーン及び炭素ホイスカーの電界エミッターが公表されている。これらの電界エミッターは電界エミッター陰極及び、前記の陰極を使用するディスプレーパネルに特に有用である。炭素コーン及び炭素電界エミッターは炭素物質(例えば塊状炭素、炭素の膜又は炭素繊維)のイオンビーム衝撃(例えばイオンビームエッチング)により形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 炭素コーン及び炭素ホイスカーの電界エミッター 発明の分野 本発明は概括的には炭素コーン及び炭素ホイスカーの電界エミッターの使用に 、そして特には電界エミッター陰極及び、このような陰極を使用するディスプレ ーパネルにおけるそれらの使用に関する。 発明の背景 しばしば電界放出物質又は電界エミッターと呼ばれる電界放出電子発生源は、 種々の電子機器、例えば、真空電子装置、フラットパネルコンピューター及びテ レビションディスプレイ、放出ゲート増幅器、及びクライストロン並びに照明に 使用することができる。 ディスプレイパネルは家庭用及び商業用テレビション、ラップトップ及びデス クトップコンピューター並びに室内及び屋外広告並びに情報提供物のような広範 な用途に使用される。フラットパネルディスプレイは、大部分のテレビション及 びデスクトップコンピューターに認められる深い陰極線管モニターに比較して、 数インチのみの厚さを有する。フラットパネルディスプレイはラップトップコン ピューターのための必需品であるが、またその他の多数の用途に対しても重量及 びサイズにおいての利点を提供する。最近は、ラップトップコンピューターのフ ラットパネルディスプレイは、僅かな電気信号の適用により透明な状態から不透 明なものに切り替えることができる液晶を使用している。ラップトップコンピュ ーターに適するものより大きいサイズのこれらのディスプレイを 確実に製造することは困難である。 液晶ディスプレイの代替物としてプラズマディスプレイが提案された。 プラズマディスプレイは映像を製造するために電気的に帯電された気体の、小さ いピクセルセルを使用し、そして操作するのに比較的大きな電力を要する。 電界放出電子発生源、すなわち電界放出物質又は電子エミッターを使用する陰 極、並びに電界エミッターにより放出される電子による衝撃時に発光することが できる、リンを有するフラットパネルディスプレイが提唱された。このようなデ ィスプレイは通常の陰極線管の視覚的ディスプレイの利点及びその他のフラット パネルディスプレイの深度、重量及び電力消費の利点を提供する可能性を有する 。米国特許第4,857,799号及び同第5,015,912号明細書はタン グステン、モリブデン又はケイ素から構成されたマイクロチップの陰極を使用し ているマトリックスアドレス(matrix-addressed)フラットパネルデイスプレイ につき公表している。国際公開第94−15352号、同第94−15350号 及び同第94−28571号パンフレットは、陰極が比較的フラットな放出表面 を有するフラットパネルディスプレイにつき公表している。 電界放出は2種類のナノチューブの炭素構造物において認められた。L.A.Cher nozatonskii et al.,Chem.Phys.Letters 233,63(1995)及びMat.Res.Soc.Symp. Proc.Vol.359,99(1995)は、10-5〜10-6トールにおける黒鉛の電子蒸発によ り、種々の基材上にナノチューブの炭素構造物の膜を生成したことを報告してい る。これらの膜は相互に隣合って立っている整列した管状炭素分子からなる。2 種類の管状分子、すなわち、 その構造物が直径10〜30nmのフィラメントの束を形成している単一層の黒 鉛様の管を含むA−細管、並びに擬円錐形又はドーム様キャップを有する、直径 10〜30nmの、大部分複数層の黒鉛様の管を含むB−細管、が形成される。 彼らは、これらの構造物の表面からの著しい電界電子放出につき報告し、ナノ次 元のチップにおける電界の高い濃度にそれを帰している。B.H.Fishbine et al., Mat.Res.Soc.Symp.Proc.Vo1.359,93(1995)はバッキーチューブ(buckytube)( すなわち、炭素ナノチューブ)の冷電界エミッターアレー陰極の開発を目的とし た実験及び理論につき考察している。 R.S.Robinson et al.,J.Vac.Sci.Technolo.21(3),1398(1983)は、イオン衝撃下 における基材表面上のコーンの形成につき公表している。その効果は種々の基材 物質に対して報告され、低エネルギーで付着された不純物原子でそれに播種しな がら、高エネルギーでの表面の同時スパッターにより生成された。彼らはまた黒 鉛基材がステンレス鋼ターゲットからの不純物でイオン衝撃された時の、50μ mの長さまでの炭素ホイスカーの形成につき公表した。 J.A.Floro,S.M.Rossnagel,and R.S.Robinson,J.Vac.Sci.Technolo.A1(3),1398(1 983)は、イオン衝撃期間中の、加熱黒鉛基材の比較的高電流密度のホイスカーの 形成につき公表している。ホイスカーは2〜50μmの長さそして0.05〜0 .5μmの直径であり、イオンビームに平行に成長することが公表された。同時 の不純物播種がホイスカー成長を抑制することが報告された。J.A.van Vechten, W.Solberg,P.E.Batson,J.J.Cuomo,and S.M.Rossnagel,J.Crystal Growth 82,289 (1987)は、イオンスパッター状態下での黒鉛表面からのホイスカーの成長につき 考察し ている。彼らは最も小さい直径、特徴的には約15nmのホイスカーは、ダイア モンド又は、炭化水素の触媒熱分解により成長する炭素繊維中に認められた渦巻 き黒鉛構造物のどちらとも確実に異なって見えることを記載している。30ない し100nmの範囲の直径をもつ、より大きいホイスカーもまたスパッターシス テム中で成長することが認められた。より小さい直径のホイスカーは長さに沿っ て直径が一定であるが、より大きい直径をもつホイスカーは僅かに次第に細くな る可能性がある。 M.S.Dresselhaus,G.Dresselhaus,K.Sugihara,I.L.Spain,and H.A.Goldberg,G raphite Fibers and Filaments(Springer-Verlag,Berlin,1988),pp.32〜34は、 フィラメントは幾つかの種類の六角形の炭素表面上で成長する可能性があるが、 ダイヤモンド又はガラス状炭素上では成長しないことを公表している。 この先行当該技術を考慮すると、ディスプレーパネル及びその他の電子装置の ための電界エミッター陰極に使用のための、改善された電界放出物質がまだ必要 とされる。本発明のその他の目的及び利点は、付記の図面及び、以下に続く本発 明の詳細な説明において当業者に明白になるであろう。 発明の要約 本発明は炭素ホイスカー、炭素コーン又は、炭素ホイスカー及び炭素コーンの 両者からなる電界放出電子エミッターを提供する。本発明はまた基材、好ましく は電気伝導体に取り付けられた炭素ホイスカー、炭素コーン又は、炭素ホイスカ ー及び炭素コーンの両者、からなる電界エミッター陰極を提供する。これらの炭 素ホイスカー及び炭素コーンは炭素物質のイオンビーム衝撃、すなわちイオンビ ームエッチングにより形成す ることができる。 炭素ホイスカー及び炭素コーンの電界エミッター並びに、それらから製造され た電界エミッター陰極は真空電子装置、フラットパネルコンピューター及び、テ レビジョンディスプレー、放出ゲート増幅器、クライストロン及び照明装置に有 用である。パネルディスプレーは平面でも湾曲してもよい。 図面の簡単な説明 図1(a)及び1(b)はアルミナ基材上の炭素膜の走査電子顕微鏡写真であ る。図1(a)及び1(b)は異なる倍率におけるものである。 図2(a)及び2(b)はアルミナ基材上にイオンビーム衝撃を受けた炭素膜 上に形成された、炭素コーン及び炭素ホイスカーの走査電子顕微鏡写真像である 。図2(a)及び2(b)は異なる倍率におけるものである。 図3はアルミナ基材上に炭素膜のイオン衝撃により形成された炭素コーンの透 過電子顕微鏡写真である。 図4はアルミナ基材上に炭素膜のイオン衝撃により形成された炭素ホイスカー の透過電子顕微鏡写真である。 図5は図2(a)及び2(b)(実施例1)に対する図1(a)及び1(b) (比較実験A)に示される、炭素膜に対する適用電圧の関数としての放出電流の グラフである。 図6(a)及び6(b)は炭素繊維のイオン衝撃により形成された炭素ホイス カーの走査電子顕微鏡写真である。図6(a)及び6(b)は異なる倍率におけ るものである。 図7はイオンビーム衝撃の前(比較実験C)及びイオンビーム衝撃後 (実施例13)の7μmの直径のPAN炭素繊維に対する適用電圧の関数として の放出電流のグラフである。 図8(a)及び8(b)はケイ素基材上のダイヤモンド様の炭素の薄膜のイオ ンビーム衝撃により形成された炭素ホイスカーの走査電子顕微鏡写真である。図 8(a)及び8(b)は異なる倍率におけるものである。 図9(a)及び9(b)はケイ素基材上のイオンビーム衝撃を受けたダィヤモ ンド様炭素の薄膜に対する適用電圧の関数としての放出電流のグラフである。図 9(a)は線グラフであり、図9(b)は対数グラフである。両グラフとも増加 する電圧及び降下する電圧の間に僅かなヒステリシスを示している。 図10(a)及び10(b)は金属ワイヤ上のダイヤモンド様炭素の薄膜のイ オンビーム衝撃により形成された炭素ホイスカーの走査電子顕微鏡写真である。 図10(a)及び10(b)は異なる倍率におけるものである。 図11はタングステンワイヤ上のダイヤモンド様炭素の薄膜のイオンビーム衝 撃により形成された炭素ホイスカー及び炭素コーンの位置を表すスキーム図であ る。 図12は125μmの直径を有するタングステンワイヤ上のイオンビーム衝撃 を受けたダイヤモンド様炭素の薄膜に対する適用電圧の関数としての放出電流の グラフである(実施例16)。 図13はイオンビーム衝撃前(比較実験E)及びイオンビーム衝撃後(実施例 17)のタングステンワイヤ上並びにイオンビーム衝撃後の種々のその他の金属 ワイヤ上の、ダイヤモンド様炭素の薄膜に対する1/ Vの関数としてのI/V2のグラフである。他のイオンビームに処理されたワイ ヤの被検体はニッケル(実施例18)、ニッケル/トリウム(実施例19)、及 びアルミナム(実施例20)を含む。 図14はイオンビーム衝撃前(比較実験F)及びイオンビーム衝撃後(実施例 21)のタングステンワイヤ上のPb含有のダイヤモンド様炭素の薄膜に対する 1/Vの関数としてのI/V2のグラフである。 図15はイオンビーム衝撃前(比較実験G)及びイオンビーム衝撃後(実施例 22)のタングステンワイヤ上のMo含有のダイヤモンド様炭素の薄膜に対する 1/Vの関数としてのI/V2のグラフである。 図16はイオンビーム衝撃前のタングステンワイヤ上のダイヤモンド様炭素の 薄膜(比較実験H)並びに、イオンビーム衝撃後の2種類の被検体(実施例23 及び実施例24)に対する1/Vの関数としてのI/V2のグラフである。 図17はケイ素基材上のイオンビーム衝撃を受けたホウ素含有ダイヤモンド様 炭素の薄膜に対する1/Vの関数としてのI/V2のグラフである(実施例25 )。グラフは増加していく電圧と降下していく電圧の間にヒステリシスを示して いる。 好ましい態様の詳細な説明 本発明の電子エミッターとして有用な炭素ホイスカー及び炭素コーンは炭素物 質のイオンビーム衝撃により形成することができる。炭素ホイスカー及び炭素コ ーンを形成するためにイオン衝撃を受ける炭素は種々の構造を有し、種々の方法 で製造することができる。塊状炭素、炭素膜又は炭素繊維を使用することができ る。炭素は平坦な基材又はワイヤ上に塗られた微晶質炭素の形態にすることがで きる。塊状多晶質黒鉛を使 用することもできる。レーザーアブレーションを使用して基材又はワイヤ上に付 着されたダイヤモンド様炭素(DLC)及びポリアクリロニトリル溶液を使用し て基材又はワイヤ上に形成された炭素が、使用できるその他の炭素の例である。 炭素ホイスカー及び炭素コーンは優れた電子放出をもたらし、基材又はワイヤ 上のこれらの炭素ホイスカー及び炭素コーンからなる電界エミッター陰極は著し く均一な放出を示す。好ましくは基材は金属のような電気伝導体である。 炭素の放出の特性は以下の条件下の炭素のイオンビーム衝撃により有意に改善 される可能性がある。アルゴン、ネオン、クリプトン又はキセノンイオンのビー ムを使用することができる。アルゴンイオンが好ましい。この衝撃期間の圧力は 、約0.5×10-4トール(0.7×10-2Pa)ないし約5×10-4トール( 6.7×10-2Pa)である。イオンビーム衝撃は、約0.5keVないし約2 .5keV、好ましくは約1.0keVないし約1.4keVのビームエネルギ ーを伴って、約0.1mA/cm2ないし約1.5mA/cm2、好ましくは約0 .5mA/cm2ないし約1.2mA/cm2のイオン電流密度で実施される。約 15分ないし90分以上の衝撃時間を使用することができる。暴露時間の範囲及 び最適な暴露時間は、衝撃を受ける炭素の種類並びにその他の衝撃条件に依存す る。これらの条件下で、炭素ホイスカー及び炭素コーンを炭素表面上に形成する ことができる。あらゆるイオン源を使用することができる。最近では、カウフマ ンイオン源(Kaufmann Ion Sources)が市場で最も容易に入手できるものである 。 あらゆる金属又は耐熱物質を陰極の基材として使用することができる。 銅及びタングステンがこの用途に好ましい金属である。ケイ素、アルミナ、Mg O及びZrO2は適切な耐熱物質の例である。基材は好都合などんな形態をも有 することができる、例えば、それは平面状でも湾曲していても又はワイヤの形態 にもすることができる。 炭素へのある種の添加剤はイオン衝撃の前後の両方で炭素からの放出を増加さ せる。これらの添加剤は種々の方法で導入することができる。これらの添加剤は アブレーションされるターゲット中に添加剤を存在させることにより、DLCの アブレーション付着中に容易に導入することができる。典型的な添加剤はPb、 Mo、Se及びBである。使用されるアブレーションターゲットは約3重量%な いし20重量%の添加剤、約70重量%ないし約87重量%の炭素及び約5重量 %ないし30重量%のポリマーからなる。使用される典型的なポリマーはポリエ チレンである。放出の特性の改善はまた、アブレーションターゲットが炭素及び ポリエチレンからなる時に、すなわち、使用されるアブレーションターゲットが 約70重量%ないし約95重量%の炭素及び約5重量%ないし約30重量%のポ リマーからなる時にも認められた。 炭素の表面の構造はイオン衝撃期間中に著しく変化する。エッチングの結果と してそれはもはや平滑ではなく、その代わりに表面模様が付きそして、炭素コー ンからなる。これらのコーンの密度又は間隔及びそれらのサイズは衝撃を受ける 炭素の性質に依存する。コーンの高さは具体的には、塊状炭素に対しては約0. 3μmないし約0.8μmであるが、炭素膜に対しては、高さは炭素膜の元の厚 さを越えることはない。コーンの直径は約0.1μmないし約0.5μmの範囲 にある。炭素コーンは入射イオンビームの方向に発達するので、イオンビームの エッチング が90°以外の角度で実施される時(例えば、表面に直角に)には、コーンは表 面に直角にはならない。塊状多晶質黒鉛のイオンビームエッチングの結果は微晶 質黒鉛の薄膜のものと同様である。両者の場合に黒鉛は1平方インチの面積上に 均一にエッチングする、すなわち、コーンの密度(単位面積当たりのコーンの数 )及びコーンの外観は均一である。炭素繊維及び、非炭素繊維(例えば金属ワイ ヤ)上の炭素膜は、平坦な基材上の炭素膜又は塊状炭素被検体がエッチングされ る方法と幾分異なる方法でエッチングされる。イオンビームが繊維の軸に直角で ある時はコーンは主として繊維の側部に沿って形成される。コーンは通常、繊維 の中央部、すなわちイオンビーム源に最も近い繊維の部分、に沿って存在せず、 そしてまたイオンビームに直接暴露されない、繊維の裏側に沿っても存在しない 。コーンはイオンビーム衝撃の期間中、繊維を回転することにより、繊維上に、 より均一に形成することができる。非炭素繊維上に付着された炭素膜に対しては イオンビーム衝撃後の炭素コーンの密度は、同様なイオンビーム衝撃後の、炭素 繊維及び、平坦な表面上の炭素膜の両者上の炭素コーンの密度よりも低い。 炭素膜上に形成されたコーンの透過電子顕微鏡写真は、それらが晶質性炭素の 小粒子からなることを示している。コーンはイオンビームエッチング後に残され る元の微晶質炭素膜の部分であると考えられる。 炭素コーンに加えて、炭素ホイスカーもまた炭素表面のイオン衝撃期間中に形 成される。イオンビーム衝撃はコーン、コーン及びホイスカーあるいは、DLC が衝撃を受ける時にはホイスカーのみ、の形成をもたらすことができる。Pbの ような添加剤がDLC中に存在する時には、コーンに類似の構造物もまた形成さ れる。コーンが存在する時は、炭素 ホイスカーは典型的にコーンの先端に位置する。炭素ホイスカーの長さは2μm ないし20μm以上の距離に伸長することができる。炭素膜の場合には、炭素ホ イスカーの長さは炭素膜の元の厚さよりもずっと大きくなる可能性がある。ホイ スカーの直径は0.5ないし50nmの範囲にある。 炭素ホイスカーは入射イオンビームの方向に形成される。炭素ホイスカーは柔 軟で、走査電子顕微鏡写真測定中に移動することが認められた。炭素繊維及び、 非炭素繊維上の炭素膜において、炭素ホイスカーは炭素コーンが成長するのと同 一の領域で成長する、すなわち、イオンビームが繊維の軸に直角である時はホイ スカーは主として繊維の側部に沿って形成される。ホイスカーは通常は繊維の中 心部、すなわちイオンビーム源に最も近い繊維の部分には存在せず、それらはま たイオンビームに直接暴露されない、繊維の裏側にも存在しない。 以下の、制約しない実施例として、3cmの直径のイオンガン(Kauffmannイ オン発生源、モデルII)を使用して被検体の表面に約2インチ(5cm)の直径 のアルゴンのイオンビームを発射した。これは1×10-8トール(1.3×10-6 Pa)の基礎圧力を有するターボポンプシステムを伴った。基礎圧力に達した 後に、作業ガスのアルゴンを、1×10-4トール(1.3×10-2Pa)の安定 した作業圧力に達するまでニードル弁を通してシステムに供給した。イオンガン と表面との間の距離は4〜5インチ(10〜12.5cm)であった。 炭素ホイスカーの透過電子顕微鏡写真は、それらが固体で、非晶質炭素からな ることを示している。この物質はイオンビームエッチングにより元の膜から取り 外されて次に、最初は具体的にはコーンの先端にそし て次には成長しているホイスカーの先端に再付着された炭素であると考えられる 。代替的にはホイスカーはコーン又はホイスカーの先端に拡散する、イオンビー ムにより活性化された炭素により形成することができる。炭素ホイスカーは炭素 のナノチューブとは構造が異なる。炭素のナノチューブは中空で、炭素の黒鉛様 シートの殻を含む。炭素ホイスカーは固体であらゆる方向に長い範囲の結晶性の 秩序(order)を示さない。 1個は陽極又は収集体として働き、他方は陰極として働く、2種の電極からな る平板放出測定単位装置を使用して、平坦な基材上の炭素被検体又は塊状炭素被 検体について電界放出試験を実施した。これは実験中で測定単位装置Iと称され るであろう。該単位装置は、電気アーク放電を最小にするためにすべての角及び 縁を丸くした、1.5インチ×1.5インチ(3.8cm×3.8cm)の2枚 の正方形の銅板からなっていた。各銅板は、PTFEブロックの正面側上に1. 5インチ×1.5インチ(3.8cm×3.8cm)の銅板表面をを暴露して、 別のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のブロック、2.5インチ×2. 5インチ(4.3cm×4.3cm)中に埋め込まれた。銅板への電気接触はP TFEブロックの後部を通り銅板に伸長している金属ねじにより実施され、それ により銅板に電圧を供給する手段及び銅板をその場所に固定する手段を提供した 。2個のPTFEブロックは2枚の暴露された銅板の表面を相互に向かい合わせ 、PTFEブロックの間におかれたガラスのスペーサーにより、銅板の間の距離 を固定され、しかし表面の漏電又はアーク放電を回避するために銅板からは間隔 を空けて配置された。電極間の分離距離は調整することができるが、一旦選択さ れた後には、ある被検体に対してのある与えられた一連の測定に対しては固定さ れた。具体的には0.1cmないし約0.2cmの分離が使用された。 基材又は塊状炭素被検体を、陰極として働く銅板上に配置した。伝導性基材の 場合には被検体をその場所に固定して、被検体の背部に炭素のペンキの小滴を適 用してそれを乾燥させることにより電気接点を製造した。伝導性の膜により遮蔽 された基材の場合には、基材はこれも電気接点をもたらす働きをする伝導性の銅 のテープで両側を固定された。 テスト機器を真空システム中に挿入し、システムを1×10-6トール(1.3 ×10-4Pa)より下の基礎圧力に減圧した。陰電圧を陰極にかけ、放出電流を 適用電圧の関数として測定した。板の間の分離距離d及び電圧Vを測定したので 、電界Eは計算することができ(E=V/d)、電流は電界の関数としてグラフに することができる。具体的には25Vのインクレメントで測定値を記録した。各 電圧において放出電流の10回の個々の測定を実施し、結果を平均した。具体的 には被検体を最低の放出電流から最高の放出電流に10回循環させた。幾つかの 場合には10回の循環の後に、エミッターの寿命を調べるために延長した期間、 一定の電圧で追加的な一連の測定値を記録した。 炭素繊維及び、炭素膜がその中でワイヤ又は繊維上に形成された被検体に対し て、もう1種の放出測定単位装置を使用した。これは実験において測定単位装置 IIと呼ばれるであろう。ワイヤ又は繊維からの電子放出を円筒形のテスト固定装 置で測定した。この固定装置においてはテストされる伝導性ワイヤが陰極として 働き、陽極として働く円筒の中央に設置された。この陽極の円筒は具体的にはリ ンで被覆された微細メッシュの円筒形の金属スクリーンからなっていた。陰極及 び陽極は両者ともその中に切り込まれた半円筒形の孔を有するアルミナムブロッ クによりそ の場所に固定された。 伝導性ワイヤ又は繊維は両端に1本ずつ、2本の1/16インチの直径のステン レスの鋼の管によりその場所に固定された。これらの管を両端で切開して、1/ 2インチの長さ及び1/16インチの直径を有する半円筒形の、開いた雨といを形 成し、そしてワイヤ又は繊維を、形成される開いた雨といの中に置き、銀ペース トでその場所に固定した。連結する管を、陽極及び陰極を電気的に分離する働き をするポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のスペーサーを堅く固定するこ とによりアルミナムのブロック内に固定した。固定用の管の配置を調節すること により、より短い又はより長い長さを研究することができたが、暴露されたワイ ヤ又は繊維の全長は概括的に1.0cmに設定された。円筒形のスクリーンメッ シュの陰極はアルミナムのブロック中の半円筒形の雨とい中に配置されて銅のテ ープで固定された。陰極はアルミナムブロックと電気接触されていた。 電気リードは陽極及び陰極の両者に接続された。陽極は大地電位(0V)に維 持され、陰極の電圧は0〜10kVの電力供給で調節された。陰極により放出さ れた電流を陽極で収集し、電流計で測定した。電流計は直列の1MΩの抵抗器及 び、高電流のスパイクに電流計を大地に迂回させる並列のダイオードにより、電 流スパイクを損傷しないように保護されていた。 約2cmの測定用被検体をより長い長さのワイヤ又は繊維被検体から切り取っ た。リンを含む柔軟なステンレス鋼のスクリーンを取り除いて、それらを2本の 固定アームの円筒形雨とい中に挿入した。銀ペーストを適用してそれらをペース トの中に保持した。銀ペーストを乾燥させ、リ ンのスクリーンを再度取り付け、両端を銅テープで固定した。真空のシステム中 にテスト機器を挿入し、システムを1×10-6トール(1.3×10-4Pa)未 満の基底圧に減圧した。 放出電流を、適用された電圧の関数として測定した。陰極から放出された電子 はそれらが陽極上のリンに当たる時に発光した。被覆ワイヤ上の電子放出部位の 分布及び強度はリン/ワイヤのメッシュのスクリーン上に発生された光線のパタ ーンにより観察された。ワイヤ表面における平均電界Eは、Vが陽極及び陰極間 電位差であり、aがワイヤの半径であり、そしてbが円筒形のワイヤのメッシュ のスクリーンの半径である場合の関係、E=V/[a ln(b/a)]により 計算された。具体的には25Vのインクレメントにおいて測定値を記録した。各 電圧において放出電流の10回の個々の測定を実施し、結果を平均した。具体的 には最低の放出電流から最高の放出電流(通常1nAないし100〜500μA )まで10回、被検体を循環させた。このような10回の循環後に時々、エミッ ターの寿命を検査するために、延長した期間にわたり、一定の電圧で追加的な一 連の測定値を記録した。 実施例 以下の、制約しない実施例は、本発明を更に可能にさせ説明することを意図さ れている。 実施例1及び比較実験A 微晶質炭素膜を、イソプロパノール中に分散された微晶質炭素(コロイド状黒鉛 、Neolube No.2,Huron Industries,Fort Huron,Michigan)の懸濁物を各基材に 塗ることにより、0.65mmの厚さの2枚の1平方インチ(2.5cm×2. 5cm)の多晶質アルミナ基材上に付着さ せた。懸濁液を空気乾燥させて、各基材上に1μmを越える厚さの微晶質炭素膜 を形成した。 2枚の本質的に同一な炭素膜の1枚はイオンビームで衝撃させず、比較実験Aで 使用するために除けておいた。 第2の炭素膜は実施例1に使用され、以下の条件下、イオンビームは膜被検体 と45°の入射角を形成し、18mAのビーム電流、1.2kVのビーム電圧、 5インチ(12.5cm)のイオンビームガンと被検体の距離、2インチ(5c m)の被検体におけるビーム直径、1×10-4トール(1.3×10-2Pa)の アルゴン部分圧及び20分間の暴露時間、でアルゴンイオンビーム衝撃に暴露さ れた。 イオンビーム衝撃を受けなかった比較実験Aの炭素膜及びイオンビーム衝撃を 受けた実施例1の炭素膜の走査電子顕微鏡写真はそれぞれ、図1(a)/1(b )及び図2(a)/2(b)に示されている。比較実験Aの炭素膜の表面は約1 μmの長さの程度の、ごく少量のみの粗さを含んでいる。そこには鋭い特徴物は なく、炭素ホイスカーもない。実施例1の炭素膜の表面は、炭素コーンの大部分 の先端に位置する炭素ホイスカーを伴った、鋭い炭素コーンからなっている。炭 素コーン及び炭素ホイスカーは基材法線に対して45°の方向、すなわち入射イ オンビームの方向を指していた。図3は炭素コーンのうちの1個の透過電子顕微 鏡写真を示している。それは晶質炭素の小粒子からなる。図4は炭素ホイスカー の1本の透過電子顕微鏡写真を示している。それは固体で非晶質の炭素からなる 。 比較実験Aの炭素膜を有するアルミナ基材を測定単位装置Iの銅ブロックの陰 極上に置き、基材をその場所に保持しそして伝導性炭素膜に電気 接点を提供する両者のために、2片の伝導性炭素テープを基材の両側に適用した 。炭素の、全体の残りの暴露面積は約5cm2であった。炭素膜の表面と銅ブロ ック陽極との間の分離距離は1.3mmであった。4000Vまでの電圧におい て有意な放出は認められず、すなわち1nA未満の放出電流が認められたのみで ある。 実施例1の炭素膜を有するアルミナ基材を測定単位装置Iの銅ブロック陰極上 に配置して、基材をその場所に保持し、伝導性炭素膜に電気接点を提供する両方 のために、2片の伝導性炭素テープを基材の両側に適用した。炭素の全体の残り の暴露面積は約5cm2であった。炭素膜の表面と銅ブロック陽極との間の分離 距離は1.3mmであった。放出電流を電圧の関数として測定した。電圧は放出 電流が100μAを越えるまで25Vのインクレメントで増加させた。これは約 2200Vの電圧で起こった。電圧は10pAの最小放出電流及び100μAの 最大放出電流を発生する設定の間で循環された。第2のサイクルの電圧において 放出電流は1450Vにおいて10μAで(1.35×104V/cmの適用電 界において2.0μA/cm2の電流密度)及び2150Vにおいて100μA (1.65×104V/cmの適用電界において20μA/cm2の電流密度)で あった。同様な放出電流の値が電圧の第3回目から10回目のサイクルに対して も得られた。実施例1及び比較実験Aに対する放出の結果は図5のグラフに示さ れている。 この実験は、炭素コーン及び炭素ホイスカーが膜表面に対して急角度で配向し 、優れた電子放出を提供することができることを示している。 実施例2 1μmを越える厚さを有する微晶質炭素膜を、本質的に実施例1に記 載のようにアルミナ基材上に製造した。炭素膜を以下の条件下、イオンビームは 膜の被検体と90°の入射角を作る、すなわち膜の被検体に直角である、15m Aのビーム電流、1.2kVのビーム電圧、4インチ(10cm)のイオンビー ムガン−被検体距離、2インチ(5cm)の被検体におけるビーム直径、1×1 0-4トール(1.3×10-2Pa)のアルゴン部分圧及び45分間の暴露時間、 でアルゴンイオンビームの衝撃に暴露させた。イオンビーム衝撃後の走査電子顕 微鏡写真は、膜表面がこれも表面に直角な、すなわち入射イオンビームの方向の 炭素コーンの先端に炭素ホイスカーを有する、表面に直角な炭素コーンからなる ことを示した。放出の測定は本質的に実施例1に記載のように実施された。この 被検体からの放出(1500Vにおいて10μA)は、炭素コーン及び炭素ホイ スカーが、基材の法線に45゜の方向を指していた実施例1からの放出に匹敵す るものであった。 この実験は、炭素コーン及び炭素ホイスカーが膜表面に直角を指すことができ ること、及び優れた電子放出を提供することができることを示している。優れた 電子放出は膜表面に対するコーン及びホイスカーの配向には依存しない。実施例3 1μmを越える厚さの炭素微晶質膜を、基材が1平方インチ(2.5cm×2 .5cm)の銅シートであることを除いて本質的に実施例1に記載されたように 製造された。炭素膜を以下の条件下、イオンビームは膜の被検体に45°の入射 角を作る、20mAのビーム電流、1.2kVのビーム電圧、5インチ(12. 5cm)のイオンビームガン−被検体距離、2インチ(5cm)の被検体におけ るビーム直径、1×10-4 トール(1.3×10-2Pa)のアルゴン部分圧及び60分間の暴露時間、でア ルゴンイオンビームの衝撃に暴露させた。イオンビーム衝撃後の走査電子顕微鏡 写真は、膜表面が炭素コーンの先端に炭素ホイスカーを伴う炭素コーンからなる ことを示した。炭素コーン及び炭素ホイスカーは基材法線に45°の方向、すな わち入射イオンビームの方向を指していた。放出測定は本質的に実施例1に記載 のように実施された。この被検体からの放出電流は2375Vにおいて10μA であった。 この実験は、優れた放出が金属基材上のイオンビーム衝撃を受けた炭素膜から 起こることを示している。 実施例4及び5及び比較実験B 1μmを越える厚さの微晶質炭素膜を本質的に実施例1に記載のように3種の アルミナ基材それぞれの上に製造した。暴露時間を除いては、3種の膜は以下の 条件下、イオンビームは膜の被検体と45°の入射角度を有する、17mAのビ ーム電流、1.2kVのビーム電圧、4インチ(10cm)のインチビームガン −被検体距離、2インチ(5cm)の被検体におけるビーム直径及び1×10-4 トール(1.3×10-2Pa)のアルゴン部分圧、で本質的に同様なアルゴンイ オンビーム衝撃に暴露された。 比較実験B及び実施例4及び5の炭素膜に対する暴露時間はそれぞれ15分、 45分及び90分であった。放出の測定は本質的に実施例1に記載のように実施 された。比較実験Bの炭素膜からの放出電流は3375Vにおいて5μAであっ た。具体的には10μAの電流をもたらすのに要する電圧をその他の被検体との 比較のために使用した。しかし、比較実験Bの炭素膜に対して、適用された最高 の電圧が5μAのみをもた らした。より高い電圧は機器のアーク放電をもたらすであろう。実施例4の炭素 膜からの放出は1600Vにおいて10μAであり、実施例5の炭素膜に対する 値は625Vにおいて10μAであった。実施例4の放出の特徴は比較実験Bの ものより著しく良好であり、実施例5の放出の特徴物は実施例4のものよりも著 しく優れていた。 これらの実施例及び比較実験Bは、イオンビーム衝撃に対するより長い暴露時 間がより高い放出を伴う炭素膜をもたらすことを示している。しかし暴露時間は 任意に長くすることはできない、すなわち暴露が継続されるとイオンは炭素膜を エッチングし続け、最後に炭素膜全体をエッチングしてしまうからである。 実施例6〜9 1μmを越える厚さの微晶質炭素膜を本質的に実施例1に記載されたように4種 のアルミナ基材それぞれの上に製造した。ビーム電圧を除いては、4種の膜は以 下の条件下、イオンビームは膜被検体と45°の入射角度を有する、17mAの ビーム電流、4インチ(10cm)のインチビームガン−被検体距離、2インチ (5cm)の被検体におけるビームの直径、1×10-4トール(1.3×10-2 Pa)のアルゴン部分圧力及び60分間の暴露時間、で本質的に同様なアルゴン イオンビーム衝撃に暴露された。 実施例6〜9の炭素膜に使用されたビーム電圧はそれぞれ500V、700V 、1.2keV及び1.5keVであった。放出の測定は本質的に実施例1に記 載のように実施された。実施例6〜9の炭素膜からの放出電流は、実施例6に対 して2350Vにおいて10μA、実施例7に対しては1775Vにおいて10 μA、実施例8に対しては450V において10μAそして実施例9に対しては950Vにおいて10μAであった 。 これらの実験は、暴露時間が60分間である時、これらの膜に対して約120 0Vの最適ビーム電圧があることを示している。最適値より低いビーム電圧、す なわちより低いエネルギーのイオンは、炭素膜のより少ないトポグラフィー上の 変動及びより少ない放出電流をもたらす。最適値よりも高いビーム電圧、すなわ ちより高いエネルギーのイオンは放出の特性の劣化をもたらす。これは炭素膜の 過剰なエッチング及びコーン及びホイスカー数の減少による可能性がある。 実施例10 1平方インチ(2.5cm)で0.51mmの厚さの99.95%純度の多晶 質黒鉛の固体ブロック(Goodfellow Corp.,Berwyn,Pennsylvania)を以下の条件 下、イオンビームは膜被検体と45°の入射角度を有する、20mAのビーム電 流、1.2kVのビーム電圧、5インチ(12.5cm)のイオンビームガン− 被検体距離、2インチ(5cm)の被検体におけるビームの直径、1×10-4ト ール(1.3×10-2Pa)のアルゴン部分圧力及び45分間の暴露時間、でア ルゴンイオンビーム衝撃に暴露させた。放出測定は、隙間の距離が1.4mmで あることを除いて本質的に実施例1に記載のように実施された。この被検体から の放出は2325Vにおいて10μAと測定された。 この実験は、イオンビーム衝撃を受けた塊状炭素から優れた放出がもたらされ ることを示している。 実施例11 実施例10に使用されたものと本質的に同様な多晶質黒鉛の固体ブロッ クを以下の条件下、イオンビームは膜被検体と45°の入射角度を有する、18 mAのビーム電流、1.2kVのビーム電圧、5インチ(12.5cm)のイン チビームガン−被検体距離、2インチ(5cm)の被検体におけるビームの直径 、1×10-4トール(1.3×10-2Pa)のアルゴン部分圧力及び90分間の 暴露時間、で400℃の温度のヒーター上で、アルゴンイオンビーム衝撃に暴露 させた。放出測定は隙間の距離が1.4mmであることを除いて本質的に実施例 1に記載のように実施された。この被検体からの放出は1475Vにおいて10 μAと測定された。 この実験は、イオンビーム衝撃期間中に、加熱されているイオンビーム衝撃を 受けた塊状炭素から優れた放出がもたらされることを示している。 実施例12 直径125μmのタングステンワイヤをイソプロパノール(Neolube No.2;Hur on Industries,Fort Huron,Michigan)中のコロイド状炭素の溶液中に浸漬し、 乾燥させ、それによりワイヤ上に炭素の層を形成した。この方法をタングステン ワイヤ上の炭素膜の厚さを増加させるために数回繰り返した。次いでワイヤを以 下の条件下、イオンビームはワイヤの軸に本質的に直角であり、20mAのビー ム電流、1.2kVのビーム電圧、4インチ(10cm)のインチビームガン− 被検体距離、2インチ(5cm)の被検体におけるビーム直径、1×10-4トー ル(1.3×10-2Pa)のアルゴン部分圧力及び120分間の暴露時間、でア ルゴンイオンビーム衝撃に暴露させた。 炭素膜を有するタングステンワイヤを測定単位装置IIに設置し、暴露 炭素膜の長さは1cmであった。放出電流を電圧の関数として測定し、2240 Vにおいて10μAであった。放出はリン被覆陽極スクリーン上に光線パターン を形成した。パターンはワイヤの長さにわたり伸長した。パターンはワイヤの周 囲360°には伸長しないで、90°〜120°の角度に一部伸長し、残りの2 40°〜270°の部分は照射されなかった。 この実験は、黒鉛状の炭素が金属ワイヤ上に被覆され得ること、及びこれらの 被覆ワイヤがイオンビームエッチングにより、有用な特性を伴って放出させ得る ことを示している。電子放出の方向はワイヤを一方の側からのみイオンビームエ ッチングすることにより調節することができる。このような「方向性をもつ」ワ イヤを基礎にした電子エミッターは、ある種の用途における陰極として高い性能 を提供する可能性がある。 実施例13及び比較実験C それぞれ7μmの直径をもつ炭素繊維(AS4,Hercules Inc.,Wilminton,Delawa re)を、2〜3層の繊維の列にホールダー中に広げ、以下の条件下、イオンビー ムは本質的に繊維の軸に直角、20mAのビーム電流、1.2kVのビーム電圧 、4インチ(10cm)のイオンビームガン−被検体の距離、2インチ(5cm )の、被検体におけるビームの直径、1×10-4トール(1.3×10-2Pa) のアルゴン部分圧及び30分間の暴露時間、でアルゴンイオンビーム衝撃に暴露 させた。 繊維は固定されて繊維の片面のみがイオンビームに暴露された。イオンビーム 衝撃後の走査電子顕微鏡写真は、膜表面が多晶質炭素膜及び固体炭素ブロックと 類似の特徴物を含み、図6(a)及び6(b)に示された走査電子顕微鏡写真に 認めることができるような炭素コーンの先端 に炭素ホイスカーを有する炭素コーンからなることを示した。炭素コーン及び炭 素ホイスカーは入射イオンビームの方向を指していた。 次いで約2cmの長さの、1本の炭素繊維を測定単位装置IIに設置し、暴露炭 素繊維の長さは1cmであった。電子放出を測定し、結果を図7に示している。 比較実験Cに対しては、実施例13のイオンビーム衝撃を受けたものと本質的 に同様な、7μmの直径の炭素繊維をイオンビーム衝撃に暴露せずに測定単位装 置IIに設置した。暴露炭素繊維の長さは1cmであった。電子放出を測定した。 具体的には放出はこれらの繊維に対して最初は非常に弱い。電圧を上昇させると 、多数のこれらの繊維は破滅的に損傷する。その他はこの「高電圧処理段階」を 生き残り、電子を放出し始める。比較実験Cに使用された炭素繊維はこのような 繊維であった。放出の開始は表面の変化を伴い、それは「クレーター」、「孔」 、又はその他のぎざぎざの特徴物をもたらす。恐らく放出はこれらの不規則な特 徴物からもたらされる。このような繊維からの放出は空間的に非均一であり、す べての放出が表面上の1〜4箇所から放出されることは異常なことではない。こ れは、放出部位の数がしばしば数えることができないほど多く、部位がしばしば 均一な放出をもたらす広い領域に合流する、イオンビーム衝撃を受けた炭素繊維 と対照的である。高電圧処理段階後の比較実験Cの炭素繊維からの放出電流もま た図7に示されている。 実施例14 それぞれ7μmの直径をもつ炭素繊維(AS4,Hercules Inc.,Wilminton,Delawa re)を2〜3層の繊維の列でホールダー中に広げ、以下の条件下、イオンビーム は本質的に繊維の軸に直角、20mAのビーム電流、 1.2kVのビーム電圧、4インチ(10cm)のイオンビームガン−被検体の 距離、2インチ(5cm)の、被検体におけるビームの直径、1×10-4トール (1.3×10-2Pa)のアルゴン部分圧、でアルゴンイオンビーム衝撃に暴露 させた。 繊維の片側を30分間イオンビーム衝撃に暴露させた。次いで繊維のホールダ ーを180°回転させ、繊維の反対側を同条件下で30分間イオンビーム衝撃に 暴露させた。この2面のイオンビーム衝撃後の走査電子顕微鏡写真は、炭素表面 が炭素コーンの先端に炭素ホイスカーを有する炭素コーンからなることを示した 。電子放出を測定単位装置IIで測定し、暴露された炭素繊維の長さは1cmであ った。放出電流は500Vで10μAであった。 実施例15及び比較実験D 実施例15及び比較実験Dにおける使用のための約1μmの厚さのダイヤモン ド様炭素(DLC)の薄膜を正方形(25mm×25mm)の0.46mmの厚 さのケイ素の基材上にパルスレーザーアブレーションにより付着させた。DLC 膜を、2Hzの繰り返し速さにおいて10ナノ秒のパルスを有するSpectra Phys ics GCR 170パルスNg-YAGレーザーの266nmにおける第4の高調波線を使用 して黒鉛ターゲットをアブレーションすることにより付着させた。黒鉛ターゲッ トは長さ12インチ(30.5cm)及び直径1.5インチ(3.8cm)の9 9.99%の純度の熱分解炭素(Ultra Carbon,a division of Carbone of Ame rica,Bay City,Michigan)の市販されているロッドをスライスすることにより 製造した。黒鉛ターゲットをケイ素基材から約4cmの、真空室の中央部に配置 した。付着期間中のレーザーのフルエンス(fluence) は4J/cm2であり、圧力は1×10-6トール(1.3×10-4Pa)に維持 された。1cm2のガウスレーザービームを、一対の平面鏡により室内に向け、 真空室の入り口に配置された300mm石英レンズにより固体黒鉛ターゲットの 表面上の2mm×2mmの面積上に収束させた。Siウエファー及び黒鉛ターゲ ットの両者を付着期間中回転させた。ターゲットは法線から10°外れた角度に 保持されて、非常に均一に覆われた、より広い面積を提供した。第2の平面鏡上 に置かれたモーター付きの1組のマイクロメーターを使用してターゲット上の1 cm×1cmの正方形上にレーザービームをラスターさせることにょり、更なる 均一性が達成された。 比較実験Dに対するDLC膜はイオンビーム衝撃を受けず、一方実施例15に 対する膜は以下の条件下、イオンビームは膜被検体と45°の入射角度を有する 、20mAのビーム電流、1.2kVのビーム電圧、5インチ(12.5cm) の、イオンビームガン−被検体との距離、2インチ(5cm)の被検体における ビームの直径、1×10-4トール(1.3×10-2Pa)のアルゴン部分圧及び 15分間の暴露時間、でイオンビーム衝撃に暴露された。 DLC薄膜のイオンビームエッチングの結果は、より厚い多晶質炭素薄膜のエ ッチングにより得られるものと異なる。コーンの形成は後者において、より優勢 であり、ホイスカーはコーンの形成後にのみ、すなわち比較的長いエッチング時 間の後に形成される。DLC膜に対してはホイスカーは15分間のエッチング時 間後に形成され、図8(a)及び8(b)に示されるように表面全体に模様を付 ける。 放出の測定は本質的に実施例1に記載のように実施された。実施例1 5及び比較実験DのDLC薄膜からの電子放出の結果は図9(a)及び9(b) に示されている。被検体の面積は6.45cm2であった。放出電流は2400 Vにおいて40μAであった。 この実験の結果は、炭素ホイスカーが非黒鉛性炭素、例えばDLCのイオンビ ーム衝撃により形成させることができることを示している。 実施例16 DLC薄膜を本質的に実施例15に記載のものと同様な方法を使用して、パル スレーザー付着により125μm直径のタングステンワイヤ上に付着させた。タ ングステンワイヤは30%硝酸溶液中で20分間洗浄された。次いでワイヤを大 量の脱イオン水で濯ぎ、次いでアセトン及びメタノール浴中で濯いだ。6インチ (2.5cm)の長さのタングステンワイヤを回転性の被検体ホールダー上に設 置した。ラックピニオン機構がワイヤに、ワイヤの長さに沿って均一な被膜を得 るように、DLCの付着期間中に併進させた。 実施例15におけるように、DLC薄膜は、2Hzの繰り返し速さにおいて1 0ナノ秒のパルスを有するSpectra Physics GCR 170パルスNg-YAGレーザーの2 66nmにおける第4の高調波線を使用して、黒鉛ターゲットをアブレーション することにより付着させた。黒鉛ターゲットは長さ12インチ(30.5cm) 及び直径1.5インチ(3.8cm)の99.99%の純度の熱分解炭素(Ultr a Carbon,a division of Carbone of America,Bay City,Michigan)の市販さ れているロッドをスライスすることにより製造した。黒鉛ターゲットをタングス テンワイヤから約4cmの、真空室の中央部に配置した。付着期間中のレーザー のフルエンス(fluence)は4J/cm2であり、圧力は1×10-6トール (1.3×10-4Pa)に維持された。1cm2のガウスレーザービームを一対 の平面鏡により室内に誘導し、真空室の入り口に配置された300mm石英レン ズにより固体黒鉛ターゲットの表面上の2mm×2mmの面積上に収束させた。 黒鉛ターゲットは付着期間中回転された。ターゲットは法線から10°外れた角 度に保持されて、非常に均一に覆われた、より広い面積をもたらした。第2の平 面鏡上に置かれたモーター付きの1組のマイクロメーターを使用してターゲット 上の1cm×1cmの正方形の面積上にレーザービームをラスターすることによ り、更なる均一性が達成された。更に、付着期間中にワイヤを1mm/分の速度 で併進させた。約1μmの厚さをもつDLC膜が付着された。 タングステンワイヤ上のDLC膜は以下の条件下、イオンビームはワイヤの軸 に本質的に直角である、18mAのビーム電流、1.2kVのビーム電圧、4イ ンチ(10cm)の、イオンビームガン−被検体との距離、2インチ(5cm) の被検体におけるビームの直径、1×10-4トール(1.3×10-2Pa)のア ルゴン部分圧、でアルゴンイオンビーム衝撃に暴露された。被覆ワイヤの片面を 40分間イオンビーム衝撃に暴露させた。このイオンビーム衝撃の後の表面は図 10(a)及び10(b)に示されるようなコーン及びホイスカーを含んでいた 。これらのコーン及びホイスカーの位置は図11のスキーム図11に示されたタ ングステンワイヤの部分に限定されていた。 電子放出は測定単位装置IIで測定され、暴露されたDLC被覆ワイヤの長さは 1cmであった。電圧の関数としての放出電流は図12に示されている。 この実験の結果は、金属のワイヤを非黒鉛性炭素で被覆することがで きること及びこの炭素の放出がイオンビーム衝撃により著しく改善され得ること を示している。 実施例17〜20及び比較実験E これらの実験は黒鉛ターゲットを伴う紫外線レーザーアブレーションにより伝 導性コア、すなわちワイヤ上に1μmのDLC膜を生成する方法を示している。 DLCがその上に付着される予定のワイヤを、付着期間中にそれらの併進を可能 にして、それにより繊維上の均一な被覆を確保するラックピニオン機構に接続し ている長方形のプレート上に設置した。付着の前に、アルミナムの枠組上に設置 されたワイヤを30%硝酸溶液中で20分間洗浄した。この浴の後に大量の脱イ オン水で濯ぎ、次いでアセトン及びメタノール浴中で濯いだ。伝導性の繊維を真 空室内に設置して、そこでDLC膜の被覆を黒鉛ターゲットのアブレーションに より適用した。 黒鉛ターゲットは市販されているロッド(99.99%の純度で、長さ12” ×直径1.5”のロッドのUltra Carbon,Bay City,Michiganの熱分解黒鉛)を スライスすることにより製造した。ターゲットをワイヤから約4cm離れた真空 室の中央に配置した。DLC薄膜を2Hzの繰り返し速さにおいて10ナノ秒の パルスを有するSpectora Physics GCR 170パルスNg-YAGレーザーの266nmに おける第4の高調波線を使用して黒鉛ターゲットをアブレーションすることによ り付着させた。付着期間中のレーザーのフルエンス(fluence)は4J/cm2で あり、圧力は1×10-6トール(1.3×10-4Pa)に維持された。1cm2 のガウスレーザービームを一対の平面鏡により室内に誘導し、真空室の入り口に 配置された300mmの石英レンズにより固体黒鉛のペレット ターゲットの表面上の2.0mm×2.0mmのスポット上に収束させた。ター ゲットはアブレーションプルーム(ablation plume)の法線から10°外れた角 度に保持されたので、その回転は非常に均一に覆われた2”平方の面積をもたら した。最後の平面鏡上に置かれたモーター付きの1組のマイクロメーターにより ターゲット上の1×1cmの正方形上にレーザービームをラスターすることによ り更なる均一性が達成された。 実施例17及び比較実験EのDLC膜を、ターゲットを20分間アブレーショ ンし、次いでワイヤホールダーを1mm/秒の速度で45秒間併進させ、そして アブレーション及び併進段階を繰り返す連続において、4mil(0.1mm) の直径のタングステンワイヤ上に付着させた。ワイヤの全長にわたり均一に約1 μmの厚さにDLC膜を付着させる総アブレーション時間は140分であった。 実施例18においてはDLC膜を2mil(0.05mm)直径のNiワイヤに 付着させた。実施例19においてはDLC膜を4mil(0.1mm)の直径の ワイヤ、99.4%タングステン及び0.6%トリウム上に付着させた。実施例 20においてはDLC膜を2mil(0.05mm)直径のアルミナムワイヤ上 に付着させた。 実施例17〜20のDLC被覆ワイヤを以下の条件下、イオンビームは膜被検 体と45°の入射角度を作る、20mAのビーム電流、1.2kVのビーム電圧 、5インチ(12.5cm)のインチビームガン−被検体との距離、2インチ( 5cm)の被検体におけるビームの直径及び1×10-4トール(1.3×10-2 Pa)のアルゴン部分圧、でアルゴンイオンビーム衝撃に暴露された。実施例1 7〜20に対するイオンビ ーム衝撃に対する暴露時間はそれぞれ、30、15、20及び30分であった。 電子放出を測定単位装置IIで測定し、暴露されたDLC被覆ワイヤの長さは1 cmであった。実施例17〜20及び比較実験Eの放出の結果は図13に示され ている。イオンビーム衝撃の結果としての放出の特性の改善は実施例17及び比 較実験Eの結果を比較することにより明白である。 実施例21〜22及び比較実験F〜G これらの実験は、黒鉛粉末に加えてポリマー及び金属を含んでなるアブレーシ ョンターゲットによる紫外線レーザーアブレーションにより、伝導性コア、例え ば金属ワイヤ上にDLC薄膜を生成する方法並びにこれらのDLC薄膜のイオン ビーム衝撃からもたらされる放出の特性の改善を示している。 その上にDLCを付着させる予定の4mil(0.1mm)直径のタングステ ンワイヤを、付着期間中にそれらの併進を可能にさせ、それにより繊維全体に均 一な被覆を確保する、ラックピニオン機構に接続された長方形プレート上に設置 した。付着前に、アルミナムの枠組上に設置されたワイヤを30%硝酸溶液中で 20分間洗浄した。この浴を大量の脱イオン親水性で濯ぎ、次いでアセトン及び メタノール浴中で濯いだ。伝導性繊維を真空室内に配置した。実施例21及び比 較実験Fで使用されたアブレーションターゲットは10%Pb(200メッシュ 、99.999%純度、Aesar,Ward Hill,MA.)、10%ポリエチレン(Scienti fic Polymer Products,Ontario,NY.)及び80%の黒鉛(ブリケット等級、1 00メッシュ、99.995%純度、Aesar、Ward Hill,MA.) を含んでなる。粉末、ポリエチレンを0.3g、Pbを0.3g及び黒鉛を2. 4gを乳鉢中で混合し、外界温度で10,000PSIまで1.25”(3.2 cm)直径のステンレス鋼の押し出しダイ中に圧縮した。次いで前記のターゲッ トを真空室内の中央に配置して6インチの長さの2milのタングステンワイヤ 上にアブレーションさせた。レーザーのフルエンスは3J/cm2であり、総付 着時間は180分であった。実施例22及び比較実験Gに使用されたアブレーシ ョン方法は、実施例22及び標的実験Gで使用されたアブレーションターゲット がPbの代わりに10%Mo2C(Goodfellow Cambridge Ltd,England)粉末を 使用したことを除いて、実施例21及び比較実験Fで使用されたものと同様であ った。各々の場合にDLC膜の厚さは約1μmであった。 実施例21及び22のDLC被覆ワイヤは以下の条件下、イオンビームは膜被 検体と45°の入射角度を作る、20mAのビーム電流、1.2kVのビーム電 圧、5インチ(12.5cm)のインチビームガン−被検体との距離、2インチ (5cm)の被検体におけるビームの直径及び1×10-4トール(1.3×10-2 Pa)のアルゴン部分圧及び30分間の暴露時間、でアルゴンイオンビーム衝 撃に暴露された。 電子放出を測定単位装置IIで測定し、暴露されたDLC被覆ワイヤの長さは1 cmであった。実施例21及び比較実験Fに対する放出の結果は図14に示され ている。比較実験Fに対する放出データは、イオンビーム衝撃前の「付着された 状態の」Pb含有のDLC被覆タングステンワイヤからの放出を示している。実 施例21に対する放出データはイオンビーム衝撃後のPb含有DLC被覆タング ステンワイヤからの放出データを示している。実施例22及び比較実験Gに対す る放出の結果は図 15に示されている。比較実験Gに対する放出データはイオンビーム衝撃前の「 付着された状態の」Mo含有のDLC被覆タングステンワイヤからの放出を示し ている。実施例22に対する放出データはイオンビーム衝撃後のMo含有DLC 被覆タングステンワイヤからの放出データを示している。イオンビーム衝撃後の 放出の特性の改善は実施例21及び22の両者において明白である。 実施例23〜24及び比較実験H これらの実験は、ポリアクリロニトリル溶液により金属ワイヤを被覆すること による、伝導性コア上に炭素の被膜を生成する方法並びに、これらの炭素被膜の イオンビーム衝撃からもたらされる放出の特性の改善を示している。 炭素被膜の適用の前に、4mil(0.1mm)の直径のタングステンワイヤ を30%硝酸溶液で30分間洗浄し、次いで大量の脱イオン水、アセトン及びメ タノールで濯いだ。炭素の層を溶液からワイヤ上に被覆させた。80℃で、ポリ アクリロニトリル(PAN)8g(Aldrich,Milwakee,WI)をメチルスルホキシ ド100g中に混合することにより溶液を調製した。加熱された溶液をポリマー が完全に溶解するまで撹拌し、次いで外界温度まで冷却した。次いで粘性のPA N溶液を小型ブラッシで清浄なタングステンワイヤに適用した。PAN層で被覆 されたワイヤを250℃のオーブン内で30分間加熱することにより安定化させ た。この被覆及び安定化を3回実施し、次いで被覆ワイヤを1000℃で30分 間アルゴン中で最終加熱させた。実施例23において、PAN被膜の適用の前に 、清浄なタングステンワイヤ上にAg100nmをスパッターさせた。 前記のPAN繊維の燃焼法後、実施例23及び24の被検体を以下の条件下、 イオンビームは膜被検体と45°の入射角度を作る、18mAのビーム電流、1 .6kVのビーム電圧、5インチ(12.5cm)のインチビームガン−被検体 との距離、2インチ(5cm)の被検体におけるビームの直径及び1×10-4ト ール(1.3×10-2Pa)のアルゴン部分圧及び30分間の暴露時間、でアル ゴンイオンビーム衝撃に暴露した。比較実験Hにおいて燃焼後、被検体をイオン ビーム衝撃に暴露させなかった。 測定単位装置IIにおいて電子放出を測定し、暴露されたPAN被覆ワイヤの長 さは1cmであった。実施例23及び24及び比較実験Hに対する放出の結果は 図16に示されており、再度イオンビーム衝撃からもたらされる改善された放出 の特性を示している。 実施例25 約1μmの厚さの、ホウ素でドープされたダイヤモンド様の炭素(DLC)薄 膜を、2インチ(5.1cm)の直径のケイ素(100)ウエファー基材上にパ ルスレーザーアブレーションにより付着させ、次いでイオンビーム衝撃を受けて 非常に優れた放出の特性を有する電子エミッターを生成した。 ホウ素でドープされたDLC膜の付着の前に、ケイ素ウエファーを15%HF 溶液中で洗浄し、次いで脱イオン水で濯いだ。次いでケイ素基材を、ケイ素を露 出させるために、マスクされた中央部から2cm×2cmの正方形を切り取られ た、2インチ(5.1cm)直径の4mil(0.1mm)厚さのKapton(R)ポ リイミド膜(DuPont,Wilmimgton,DE)の切片でマスクした。マスク体は、90° 離して、基材の縁から2mm に置かれた4枚の二重粘着テープの2mm×2mmの切片によりケイ素上に固定 された。 ホウ素でドープされたDLC膜を6Hzの繰り返し速さで、10ナノ秒のパル スを有するSpectra Physics GCR 170パルスNg−YAGレーザーの26nmに おける第4高調波線を使用して、ターゲットをアブレーションすることにより付 着させた。アブレーションターゲットは9%の炭化ホウ素粉末(Goodfellow Cam bridge,Ltd.,Cambridge,England)及び92%黒鉛粉末(ブリケット等級、10 0メッシュ、99.995%純度、Aesar,Ward Hill,MA.)を含んでなる。粉末 、炭化ホウ素0.4g及び黒鉛4.0gを乳鉢中で約10分間混合し、外界温度 で1”(2.5cm)直径のステンレス鋼の押し出しダイ中で10,000ps i(6.9×107Pa)まで圧縮した。該圧力を5分間維持した。次いでター ゲットをケイ素基材から約4cm離れた被検体ホールダー上の真空室の中央に置 いた。付着期間中のレーザーフルエンスは5J/cm2であり、圧力は1×10- 6 トール(1.3×10-4Pa)に維持された。一対の平面鏡により1cm2のガ ウスレーザービームを室内に導入し、真空室の入り口に配置された300mmの 石英のレンズにより固体黒鉛ターゲットの表面上の2.5mm×2mmの面積上 に収束させた。ケイ素の表面はターゲットホールダーの表面に平行であった。ケ イ素基材及び黒鉛ターゲットは両者とも付着期間中回転された。ターゲットは法 線から15°ずれた角度で維持されて、より広い面積を非常に均一に覆った。第 2の平面鏡上に配置された1組のモーター付きマイクロメーターを使用して、タ ーゲット上に1cm×1cmの正方形の面積上にレーザービームをラスターさせ ることにより、更なる均一性を達成した。 ホウ素にドープされたDLC膜を以下の条件下、イオンビームは膜被検体と4 5°の入射角度を作る、18mAのビーム電流、1.2kVのビーム電圧、5イ ンチ(12.5cm)のインチビームガン−被検体との距離、2インチ(5cm )の被検体におけるビームの直径及び1×10-4トール(1.3×10-2Pa) のアルゴン部分圧及び30分間の暴露時間、でイオンビーム衝撃に暴露させた。 放出の測定は本質的に実施例1に記載のように実施された。ホウ素にドープさ れたDLC薄膜からの電子放出の結果は図17に示されている。 本発明の具体的な態様は前記の説明に記載されたが、本発明は発明の精神又は 本質的な役割から逸脱せずに、多数の変更、置き換え及び再配列が可能であるこ とが当業者には理解されるであろう。本発明の範囲を示すものとして前記の詳細 よりはむしろ付記の請求の範囲を参照するべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シヤー,シエド・イスマト・ウラー アメリカ合衆国デラウエア州19808ウイル ミントン・ベクスリーコート2808

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 炭素コーン、炭素ホイスカー又はそれらの組み合わせ物を含んでなる電界 放出電子エミッターであって、前記のコーンが約0.1μmないし約0.5μm の直径及び約0.3μmないし約0.8μmの高さを有し、そして前記のホイス カーが約0.5nmないし約50nmの直径を有する、エミッター。 2. 基材に付着された請求の範囲第1項記載の電界放出の電子エミッターから なる電界放出陰極。 3. 基材が電気伝導体である請求の範囲第2項記載の電界放出陰極。 4. 基材がワイヤである請求の範囲第3項記載の電界放出陰極。 5. 基材がケイ素ウエファーである請求の範囲第3項記載の電界放出陰極。 6. 炭素の電子放出の特性を改善するための方法であって、 約0.1mA/cm2ないし約1.5mA/cm2のイオン電流密度及び約0. 5keVないし約2.5keVのビームエネルギーを有するイオンビームで、炭 素物質の表面に衝撃を与えることを含んでなる方法。 7. 前記のイオンビームがアルゴン、ネオン、クリプトン又はキセノンイオン からなる、請求の範囲第6項記載の方法。 8. 前記の衝撃期間中の圧力が約0.7×10-2Paないし約6.7×10-2 Paである請求の範囲第7項記載の方法。
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