JP3782464B2 - 金属−酸素−炭素電界エミッタ - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、一般に金属−酸素−炭素電界エミッタ及び特にデイスプレーパネルに対する電界エミッタ陰極におけるその使用法に関する。金属−酸素−炭素ウイスカの電界エミッタの製造法も提供される。
背景の技術
電界放出材料または電界エミッタとしてしばしば言及される電界放出電子源は、種々の電子応用、例えば真空電子デバイス、フラットパネルコンピュータ及びテレビジョンデイスプレー、エミッションゲート増幅器、及びクライストロンに、また照明に使用することができる。
デイスプレイパネルは広範な応用、例えば家庭及び商業用テレビジョン、ラップトップ及びデスクトップコンピュータ、並びに屋内及び戸外の広告及び情報表示に使用される。フラットパネルデイスプレイは、殆どのテレビジョン及びデスクトップコンピュータで見出だされる深い陰極線管モニターに比べて厚さが数インチにすぎない。フラットパネルデイスプレイは、ラップトップコンピュータに必需品であるばかりでなく、多くの他の応用に対して重量及び大きさの点で利点を提供する。現在ラップトップコンピュータのフラットパネルデイスプレイは、小さな電気信号の適用で透明な状態から不透明な状態へ切り換えることのできる液晶を使用している。これらのデイスプレイを、ラップトップコンピュータに適当なものより大きい寸法で信頼性よく製造することは困難である。
プラズマデイスプレイは、液晶デイスプレイの代替物として提案されてきた。プラズマデイスプレイは像を造るために電気的に荷電された小さいセルを使用し、作動させるのに比較的大きな電力を必要とする。
電界放出電子源、即ち電界放出材料または電界エミッタを用いる陰極、並びに電界エミッタによって放出された電子により衝撃を与えた時に光を発しうるリンを有するフラットパネルデイスプレイが提案された。そのようなデイスプレイは、他のフラットパネルデイスプレイの通常の陰極線管、並びに深さ、重量及び電力消費の利点という可視デイスプレイの利点を提供する可能性がある。米国特許第4857799号及び第5015912号は、タングステン、モリブデンまたはケイ素からなるマイクロチップ陰極を用いるマトリックス(matrix)でアドレスされるフラットパネルデイスプレイを開示している。WO第94−15352号、WO第94−15350号、及びWO第94−28571号は、陰極が比較的平らな放出表面を有するフラットパネルデイスプレイを開示している
R.S.ロビンソン(Robinson)ら、J.バク・サイ・テクノロ(Vac.Sci.Technolo.)、21(3)、790(1982)は、イオン衝撃によるコーン(cone)の基材表面での形成を開示している。その効果は種々の基材に対して報告され、コーンは不純物原子を低エネルギーで付着し且つ種にしつつ、同時に表面を高エネルギーでスパッタリングすることにより生成せしめた。彼らは、グラファイト基材にステンレス鋼ターゲットからの不純物をイオン照射した時の50μmまでのカーボンウイスカの形成も開示した。
J.A.フロロ(Floro)、S.M.ロスナゲル(Rossnagel)及びR.S.ロビンソン(Robinson)、J.ファン・ベヒテン(van Vechten)、バク・サイ・テクノロ、A1(30)、1398(1983)は、加熱下、グラファイト基材の比較的高電流密度のイオン衝撃におけるウイスカの形成を開示している。このウイスカは、長さ2−50μm、直径0.05−0.5μmであり、イオンビームに平行して生長することが開示された。同時の不純物の種の付着はウイスカの生長を禁止することも報告した。
J.A.フェヒテン(Vechten)、W.ソルバーグ(Solberg)、P.E.バトソン(Batson)、J.J.クオモ(Cuomo)、及びS.M.ロスナゲル(Rossnagel)、J.クリスタル・グロウス(Crystal Growth)、82、289(1987)は、イオンスパッタリング条件下におけるグラファイト表面からのウイスカの生長を議論している。彼らは、最小直径の、典型的には約15μmのウイスカが明確にダイヤモンドと、或いは炭化水素の接触分解で生長させた炭素繊維に見出だされる渦巻型グラファイト構造と異なっているように見えると記述している。30−100nmの範囲の直径を有する大きなウイスカが、スパッタリング系で生長することも観察された。小さい直径のウイスカは長さ方向の直径が一定であり、一方大きい直径のウイスカは僅かに傾斜している。
M.S.ドレセルハウス(Dresselhaus)、G.ドレセルハウス、K.スギハラ(Sugihara)、I.L.スペイn(Spain)、及びH.A.ゴールドバーグ(Goldberg)、「グラファイト繊維とフィラメント」、スプリンガー出版(Springer−Verlag、Berlin、1988)、32−34ページは、フィラメントがいくつかの種類の六方晶形のカーボンの表面で生長するが、ダイヤモンドまたはグラッシーカーボン上では生長しないことを開示している。
上を鑑みるに、改良された電界放出材料は、デイスプレイパネル及び他の電子デバイスに対する電界エミッタ陰極で使用するのに必要である。本発明の目的及び利点は、添付する図面及び以下の本発明の詳細な記述を参照した時、同業者には明らかになるであろう。
発明の概略
本発明は、金属:酸素:炭素の原子比がa:b:cであり、但しaが約0.1−約0.4であり、bが約0.1−約0.8であり、そしてcが約0.05−約0.8である、なおa+b+c=1の、金属、酸素及び炭素を含んでなる電界放出電子エミッタ組成物を提供する。
本発明は、上述したような金属、酸素及び炭素の電界放出電子エミッタ組成物を金属基材に付けて含んでなる電界放出陰極も提供する。好ましくは電界放出電子エミッタ組成物はウイスカの形である。好ましくはaは約0.2−約0.4であり、bは約0.4−約0.8であり、そしてcは約0.05−約0.3である。好ましくは金属はタングステン、鉄またはモリブデンである。
本発明は、金属−酸素−炭素ウイスカの製造法も提供する。本方法は、有機重合体、例えばポリアクリロニトリル(PAN)をコーテイングした金属基材、好ましくは金属線を不活性な雰囲気中で約1100−約1550℃の温度まで加熱し、この温度を約15分−約2時間維持することを含んでなる。好ましくは、温度は約1150−約1300℃であり、雰囲気はアルゴンを含んでなる。この加熱を触媒の存在下に行う場合には、3時間までの加熱時間で、550℃程度の低温が使用できる。適当な触媒はニッケル、銅−ニッケル合金及びコバルト−ニッケル合金を含む。
本電界放出電子エミッタ組成物及び電界放出陰極は、真空電子デバイス、フラットパネルコンピュータ及びテレビジョンデイスプレー並びに他の大きなスクリーンへの応用、エミッションゲート増幅器、クライストロン、また照明デバイスに有用である。本明細書に用いるような「デイスプレイパネル」とは、平坦な(例えばフラットパネルデイスプレイ)及び湾曲した表面並びに他の可能な形を包含する。
【図面の簡単な説明】
図1は、ポリアクリロニトリルをコーテイングしたタングステン線の、種々の温度まで加熱した後の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図2は、図1に示した線に対する放出特性のプロットである。
図3は、ポリアクリロニトリルをコーテイングしたタングステン線の、1300℃の温度まで加熱してタングステン−酸素−炭素ウイスカを形成した後の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図4は、図3に示すタングステン−酸素−炭素ウイスカでコーテイングされたタングステン線に対する放出特性のプロットである。
図5は、ポリアクリロニトリルをコーテイングした鉄線の、加熱して鉄−酸素−炭素ウイスカを形成させた後の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図6は、図5に示す鉄−酸素−炭素ウイスカでコーテイングされた鉄線に対する放出特性のプロットである。
図7は、ポリアクリロニトリルをコーテイングしたタングステン線の加熱後の放出特性のプロットである。
図8は、重合体をコーテイングしたまたはコーテイングしていない鉄線の、加熱後の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図9は、図8に示すコーテイングした線に対する放出特性のプロットである。
好適な具体例の詳細な説明
本発明における電子エミッタとして有用な金属−酸素−炭素ウイスカは、金属基材(例えば金属線)を有機重合体でコーテイングさせ、このコーテイングした線を加熱することにより、例えば線をポリアクリロニトリル(PAN)溶液でコーテイングし、このPANをコーテイングした線を加熱してウイスカを形成させることによって製造できる。そのようなウイスカを含む線は、繊維質陰極の各繊維または線が本質的に陰極の平面内にあり、従って電子放出が繊維または線の長さ方向で起こり、繊維または線の先端または端で起こらない繊維質の電界放出陰極に特に有用である。PANのコーテイングした線の加熱によるウイスカの形成は、線を陰極構造体に位置させる前または後に行うことができる。
PAN溶液のコーテイングの適用前には、金属線を30重量%硝酸溶液中で30分間きれいにし、ついで脱イオン水、アセトン、及びメタノールでゆすぐ。好ましくはこの金属はタングステン、鉄またはモリブデンである。PANは好ましくはポリアクリロニトリルのジメチルスルホキシド溶液から線にコーテイングされる。加熱した溶液を重合体が完全に溶解するまで撹拌し、ついで室温まで冷却する。この粘稠な溶液をきれいな金属線に小さいブラシで適用する。PAN層でコーテイングされた線を、典型的には250℃の炉中で加熱し、この温度に約30分間維持することにより安定化させる。ついでこのPANをコーテイングした線にPAN溶液の第2層を適用し、これを再び炉中で250℃に加熱し、この温度に約30分間維持することにより安定化を達成する。
ついでPANをコーテイングした線を、約1100−約1550℃の温度まで加熱し、この温度に約15分−約2時間維持して、金属−酸素−炭素ウイスカを形成させる。この加熱は不活性ガス、例えばアルゴンの雰囲気中、エチレン、一酸化炭素または二酸化炭素の雰囲気中、またはこれらのガスの混合物を含んでなる雰囲気中で行われる。
金属−酸素−炭素ウイスカの形成は、触媒、例えば銅−ニッケル合金、コバルト−ニッケル合金またはニッケルの存在下に低温で行うことができる。これらの触媒を用いれば、温度は550℃の低温が約3時間までの加熱時間と共に使用できる。
線の表面構造は、加熱中かなり変化する。加熱の結果として、表面はもはや滑かではないが、その代わり金属線に付着した金属−酸素−炭素ウイスカからなる。これらのウイスカの密度または間隔は加熱条件に依存する。金属−酸素−炭素ウイスカの長さは2μm以下から20μm以上まで広い。ウイスカの密度は典型的には約1nmから約1μmの範囲である。
金属−酸素−炭素ウイスカを含む線からの電子放出は円柱状の試験固定具(fixture)で測定した。この固定具では、試験すべき電導線が陰極として役立ち、陽極として役立つ円柱の中心に配置される。この陽極円柱状物は典型的にはリンでコーテイングされた細かい目の円筒状の金属網からなる。陰極と陽極の両方は、そこに切られた準円柱状の孔を有するアルミニウムブロックでその場に保持される。
使用する場合には、電導線を2つの直径1/16インチのステンレス鋼管により、各端で1つにしてその場に保持する。これらの管は、各端で開放されて切られ、長さ1/2インチ及び直径1/16インチの半円柱状形の開放溝を形成し、線がこの開放溝中に置かれ、銀ペーストでその場に保持される。連結管は陽極と陰極を電気的に隔離するのに役立つポリテトラフルオロエチレン(PTFE)スペーサーをしっかりとはめ込むことによってアルミニウムブロック内に保持される。露呈される線の全長さは一般に1.0cmに設定されるが、保持管の位置を調節することによりそれより長いまたは短い長さも検討できた。円筒状の網目の陽極は、アルミニウムブロック中の準円柱状の溝内に配置され、銅テープでその場に保持される。陰極はアルミニウムブロックと電気的に接触している。
電気的リード線を陽極と陰極の両方に連結する。陽極を接地電位(0V)に維持し、陰極の電位を0−10kVの電源で制御する。陰極で放出される電流を陽極で集め、電位計で測定する。この電位計は、高電流スパイク(spike)が電位計をう回して接地に流れる直列の1M1/2レジスター及び並列のダイオードにより損傷的電流スパイクから保護される。
長さが約2cmの測定のための試料を、長い長さの線から切断する。円筒状の網目を除去して、試料を2つの保持アームの円柱状の溝に挿入する。これを銀ペーストでその場に保持する。銀ペーストを乾燥させ、円筒状の網目の陽極を再び取り付け、両端を銅テープでその場に保持する。この試験装置を真空系に挿入し、系を1x10-6トール以下のベース圧力まで脱気する。
放出電流を適用した電位の関数として測定する。陰極から放出される電子は、それが陽極上のリンに衝突する時光を生じる。線上の電子放出点の分布及び強度は、リン/線網目上に生じる光のパターンで観察できる。線表面における平均の電界(E)は、関係式E=V/[a・ln(b/a)]で計算できる。ここにVは陽極及び陰極間の電位差であり、aは線の半径であり、bは円筒状の網目陽極の半径である。典型的には測定値は25V増加量で測定される。各電位において、放出電流をそれぞれ10回測定し、結果を平均する。典型的には、試料を、最低放出電流から最高放出電流まで(普通1nAから100−500μAまで)2回サイクルさせる。
製造した金属−酸素−炭素ウイスカは、良好な放出を提供し、線以外の金属基材表面上で形成させることができる。即ち本発明は、平面の及び繊維状/線の基材に並びに他の可能な幾何体に適用できる。
金属表面は、線またはシートの形の単一金属または金属合金であってよい。別に金属表面は、厚いフィルムの電導体材料、例えば拡散パターン化技術で得られるもの(例えばデイフユージョン・パターニング・システム(Dffusion PatterningTM system)QM14AgまたはQM17Ag/Ptイメージングペースト(E.I.デユポン社(E.I.du Pont de Nemours and Company、Wilmington、DE)製)または光印刷できる組成物、例えばポデル(PODELR)5956金電導体組成物(E.I.デユポン社(Wilmington、DE)製)であってよい。
実施例
次の限定を意味しない本発明の実施例及び対照実験は本発明を更に例示し且つ説明するために示される。すべてのパーセントは断らない限り重量によるものとする。
実施例1−4及び対照実験A
これらの実施例及び対照実験Aは、タングステン−酸素−炭素ウイスカの形成の、加熱温度への依存性及びウイスカ形成と関連した改良された放出性を示す。
直径1mmのタングステン線を、30重量%硝酸溶液中できれいにし、豊富な脱イオン水、アセトン及びメタノールでゆすいだ。この線に、ポリアクリロニトリル層を溶液からコーテイングした。この溶液は、ポリアクリロニトリル(PAN)(アルドリッチ(Aldrich,Milwaukee,WI)から入手)8gを、80℃でジメチルスルホキシド100g中に混入することにより調製した。この加熱した溶液を、重合体が完全に溶解するまで撹拌し、ついで冷却した。ついで得られた粘稠なPAN溶液を、小さいブラシできれいなタングステン線に適用した。各線上のPANコーテイングを、炉内で空気中、250℃下に30分間加熱することによって安定化させた。各線の安定化させた最初の層の上に、第2のPAN層をはけ塗りした。ついで炉内で空気中、250℃下に30分間加熱することによって第2のPAN層を安定化させた。
安定化したPANを有する線試料を、長さ15cmのセラミック製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下に30分間管炉中で加熱した。試料を加熱する温度だけは異ならせた。対照実験Aの試料は1000℃まで加熱し、実施例1−4のそれはそれぞれ1100℃(実施例1)、1250℃(実施例2)、1400℃(実施例3)及び1550℃(実施例4)の温度まで加熱した。これらの試料のいずれにも触媒は存在させなかった。
図1の走査型電子顕微鏡写真(1a−対照実験A、1b−実施例1、1c−実施例3、1d−実施例4)は、タングステン−酸素−炭素ウイスカの形成並びにその直径、長さ及び向きは加熱温度に依存するということを示す。1000℃まで加熱した対照実験Aの線にはウイスカが形成されなかった。1000℃以上に加熱した実施例1−4の試料には、加熱中にウイスカが生成した。これらのウイスカはタングステン線にしっかりと付着していた。1100℃まで加熱した実施例1に対してはウイスカが生成した。加熱温度が上昇するにつれて、ウイスカの厚さまたは直径は減少し、それは主に線の表面に垂直に、即ち線の半径の延長に沿って配列して存在した。加熱の温度が更に上昇すると、ウイスカの厚さまたは直径は増加し、ウイスカは線の表面に沿ってまたは傾斜して種々の方向に向いて存在する傾向を示した。
ついで前述した円柱状の試験固定具で電子放出を測定した。露呈されたウイスカでコーテイングされた線の長さは1cmであった。実施例1−4及び対照実験Aの試料に対する放出特性を図2に示す。それらはタングステン酸素−炭素ウイスカに由来する改良された放出性を示した。
実施例5−6
これらの実施例は、線の直径の、タングステン−酸素−炭素のウイスカの電子放出特性に及ぼす影響を示す。
直径0.05mm及び0.1mmのタングステン線を、それぞれ実施例5及び6の試料に対して使用した。タングステン線をきれいにし、PAN層でコーテイングし、実施例1−4及び対照実験Aに記述したようにPAN層を安定化させた。
安定化されたPANコーテイングを有する線試料を、長さ15cmのセラミック製るつぼに入れ、管炉中、アルゴン雰囲気下に1300℃まで加熱し、この温度に30分間維持してタングステン−酸素−炭素ウイスカを形成させた。実施例5(図3a)及び実施例6(図3b)の試料に対する走査型電子顕微鏡写真は、0.05mm及び0.1mmのタングステン線上の種々の直径、長さ及び向きのウイスカを明白に示す。
電子放出を、前述した円柱状試験固定具で測定した。これらの実施例の試料に対する放出特性を図4に示す。より小さい直径の線(実施例5)に対する放出の開始は、より大きい直径の線(実施例6)よりも低電圧で起こった。
実施例7−10
これらの実施例は、加熱段階中の触媒の存在が金属−酸素−炭素ウイスカを製造するためにより低い加熱温度の使用を可能にするということを示す。
直径0.05mm(2ミル)の鉄線を、2層のポリアクリロニトリルでコーテイングした。実施例7及び8で使用した線はアセトン中できれいにし、メタノールでゆすいだ。実施例9及び10で使用した線は、アセトン中できれいにし、メタノールでゆすぎ、H2容量%/Ar98容量%の雰囲気中、250℃で2時間還元した。
ついで実施例1−4及び対照実験Aで使用したものと本質的に同一の粘稠なPAN溶液を、小さいはけで鉄線に適用した。実施例7及び8の試料に対しては、各線におけるPAN層のコーテイングを炉中アルゴン雰囲気下に30分間250℃に加熱することにより安定化させた。実施例9及び10の試料に対しては、各線におけるPAN層のコーテイングを炉中H2容量%/Ar98容量%の還元雰囲気下に30分間250℃に加熱することにより安定化させた。第2のPAN層を、各線の安定化した第1の層上にはけ塗りした。実施例7及び8の試料に対して、第2のPAN層の安定化は炉中アルゴン雰囲気下に30分間250℃に加熱することにより行った。実施例9及び10の試料に対して、第2のPAN層の安定化は炉中H2容量%/Ar98容量%の還元雰囲気下に30分間250℃に加熱することにより行った。
安定化されたPANコーテイングを有する線試料を、長さ15cmのセラミック製るつぼに入れ、管炉中で加熱して鉄−酸素−炭素ウイスカを形成させた。Cu50重量%/Ni50重量%の合金(グッドフェロウ社(Goodfellow Corp.,Cambrodge,UK)から入手)100mgもそのるつぼ中に入れた。加熱中合金の約5重量%が消費された。実施例7に対しては、コーテイングした線をCO2雰囲気中700℃の温度まで加熱し、この温度に60分間維持した。実施例8に対しては、コーテイングした線をH2容量%/Ar98容量%の雰囲気中750℃の温度まで加熱し、この温度に120分間維持した。実施例9に対しては、コーテイングした線をCO雰囲気中700℃の温度まで加熱し、この温度に60分間維持した。実施例10に対しては、コーテイングした線をH2容量%/Ar98重量%の雰囲気中550℃の温度まで加熱し、この温度に90分間維持した。
これらの試料に対する電子線回折は、鉄−酸素−炭素−ウイスカが鉄金属線上に且つそれに付着して直接生長した結晶配向組成物であることを示した。これらの実施例の試料に対する走査型電子顕微鏡写真を、図5(5a−実施例7、5b−実施例8、5c−実施例9、5d−実施例10)に示す。
前述した円柱状試験固定具で電子放出を測定した。これらの実施例の試料に対する放出特性を図6に示す。この放出の結果は、加熱を触媒の存在下に行った場合エミッタが低温加工で製造できることを示す。実施例9に対する結果は、CO雰囲気中で加熱した線がかなり高い放出性を有することもある。
実施例11−13及び対照実験B
これらの実施例及び対照実験Bは、タングステン−酸素−炭素ウイスカの形成の、加熱温度への依存性及びウイスカ形成と関連した放出性が、エネルギー拡散X線で決定して、表面組成の違いに相当するということを示す。
実施例11及び12の試料を、それぞれ本質的に実施例5及び6に対して記述したように製造した。結果、即ちそれぞれ直径0.05mm及び0.1mmのタングステン線上のタングステン−酸素−炭素ウイスカの形成は、本質的に同一であった。実施例13に対して、直径0.1mmのタングステン線を使用した。この線をきれいにし、PAN層でコーテイングし、このPAN層を本質的に実施例11及び12の試料のように安定化させた。但し、第2のPAN層を炉中空気下に30分間550℃に加熱することにより安定化させた後、炉中空気下に30分間550℃に加熱することにより更なる安定化工程を行った。対照実験Bに対する試料は、最終加熱を、アルゴン雰囲気中で30分間、1300℃よりもむしろ1000℃で行う以外、本質的に実施例5及び11と同様にして製造した。
実施例11−13はウイスカの形成を明白に示したが、対照実験Bは示さなかった。対照実験Bにおける形態学の欠如は、放出特性及び電子回折で決定した表面組成の両方に反映された。電子放出を、前述した円柱状試験固定具で測定した。加熱温度、タングステン、酸素及び炭素の原子%として表した表面組成、開始放出電圧及び2000Vでの放出電流を表1に示す。実施例11−13及び対照実験Bの試料に対する放出特性を図7に示す。
実施例14−15及び対照実験C
これらの実施例は重合体コーテイングの、表面形態学及び電子放出特性に及ぼす影響を例示する。
実施例14と15及び対照実験Cにおいて、直径0.05mmの鉄線をアセトンできれいにし、メタノールでゆすぎ、H2容量%/Ar98容量%の雰囲気中250℃で2時間還元した。
対照実験Cに対して、コーテイングしてない鉄線を、CO雰囲気中Cu55重量%/Ni45重量%の合金触媒の存在下に550℃まで加熱し、この温度に90分間維持した。
実施例14において、還元した線を、樹脂改変剤エルバロイ(ElvaloyR)4043(E.I.デユポン社から入手)の6重量%塩化メチレン溶液でコーテイングした。エルバロイは、メタクリル酸メチル/エチレン及びCOの共重合体であった。実施例15のコーテイングしてない還元された線を、CO雰囲気中Cu55重量%/Ni45重量%の触媒の存在下に90分間、550℃まで加熱した。ついでこの線を、ポリ(メタクリル酸メチル)の5重量%塩化メチレン溶液で厚さ3ミクロンまでコーテイングした。
ついで実施例14及び15のコーテイングした線を、CO雰囲気中Cu55重量%、Ni45重量%の合金触媒の存在下に550℃まで加熱し、この温度に90分間維持した。
これらの実施例の試料に対する表面形態を図8(8a−対照実験C、8b−実施例14、8c−実施例15)に示す。ついで電子放出を前述した円柱状試験固定具で測定した。対照実験Cの線は、検討した電圧の範囲では放出を示さなかった。実施例14及び15の試料に対する放出特性を図9に示す。
以上本発明の特別な具体例を記述してきたけれど、同業者は、本発明が本発明の精神または本質的な特質から離れずして多くの改変、置き換え、そして再整理を行いうることを理解するであろう。本発明の範囲を示すものとしては、上述の明細書よりもむしろ請求の範囲を参照すべきである。
本発明は、一般に金属−酸素−炭素電界エミッタ及び特にデイスプレーパネルに対する電界エミッタ陰極におけるその使用法に関する。金属−酸素−炭素ウイスカの電界エミッタの製造法も提供される。
背景の技術
電界放出材料または電界エミッタとしてしばしば言及される電界放出電子源は、種々の電子応用、例えば真空電子デバイス、フラットパネルコンピュータ及びテレビジョンデイスプレー、エミッションゲート増幅器、及びクライストロンに、また照明に使用することができる。
デイスプレイパネルは広範な応用、例えば家庭及び商業用テレビジョン、ラップトップ及びデスクトップコンピュータ、並びに屋内及び戸外の広告及び情報表示に使用される。フラットパネルデイスプレイは、殆どのテレビジョン及びデスクトップコンピュータで見出だされる深い陰極線管モニターに比べて厚さが数インチにすぎない。フラットパネルデイスプレイは、ラップトップコンピュータに必需品であるばかりでなく、多くの他の応用に対して重量及び大きさの点で利点を提供する。現在ラップトップコンピュータのフラットパネルデイスプレイは、小さな電気信号の適用で透明な状態から不透明な状態へ切り換えることのできる液晶を使用している。これらのデイスプレイを、ラップトップコンピュータに適当なものより大きい寸法で信頼性よく製造することは困難である。
プラズマデイスプレイは、液晶デイスプレイの代替物として提案されてきた。プラズマデイスプレイは像を造るために電気的に荷電された小さいセルを使用し、作動させるのに比較的大きな電力を必要とする。
電界放出電子源、即ち電界放出材料または電界エミッタを用いる陰極、並びに電界エミッタによって放出された電子により衝撃を与えた時に光を発しうるリンを有するフラットパネルデイスプレイが提案された。そのようなデイスプレイは、他のフラットパネルデイスプレイの通常の陰極線管、並びに深さ、重量及び電力消費の利点という可視デイスプレイの利点を提供する可能性がある。米国特許第4857799号及び第5015912号は、タングステン、モリブデンまたはケイ素からなるマイクロチップ陰極を用いるマトリックス(matrix)でアドレスされるフラットパネルデイスプレイを開示している。WO第94−15352号、WO第94−15350号、及びWO第94−28571号は、陰極が比較的平らな放出表面を有するフラットパネルデイスプレイを開示している
R.S.ロビンソン(Robinson)ら、J.バク・サイ・テクノロ(Vac.Sci.Technolo.)、21(3)、790(1982)は、イオン衝撃によるコーン(cone)の基材表面での形成を開示している。その効果は種々の基材に対して報告され、コーンは不純物原子を低エネルギーで付着し且つ種にしつつ、同時に表面を高エネルギーでスパッタリングすることにより生成せしめた。彼らは、グラファイト基材にステンレス鋼ターゲットからの不純物をイオン照射した時の50μmまでのカーボンウイスカの形成も開示した。
J.A.フロロ(Floro)、S.M.ロスナゲル(Rossnagel)及びR.S.ロビンソン(Robinson)、J.ファン・ベヒテン(van Vechten)、バク・サイ・テクノロ、A1(30)、1398(1983)は、加熱下、グラファイト基材の比較的高電流密度のイオン衝撃におけるウイスカの形成を開示している。このウイスカは、長さ2−50μm、直径0.05−0.5μmであり、イオンビームに平行して生長することが開示された。同時の不純物の種の付着はウイスカの生長を禁止することも報告した。
J.A.フェヒテン(Vechten)、W.ソルバーグ(Solberg)、P.E.バトソン(Batson)、J.J.クオモ(Cuomo)、及びS.M.ロスナゲル(Rossnagel)、J.クリスタル・グロウス(Crystal Growth)、82、289(1987)は、イオンスパッタリング条件下におけるグラファイト表面からのウイスカの生長を議論している。彼らは、最小直径の、典型的には約15μmのウイスカが明確にダイヤモンドと、或いは炭化水素の接触分解で生長させた炭素繊維に見出だされる渦巻型グラファイト構造と異なっているように見えると記述している。30−100nmの範囲の直径を有する大きなウイスカが、スパッタリング系で生長することも観察された。小さい直径のウイスカは長さ方向の直径が一定であり、一方大きい直径のウイスカは僅かに傾斜している。
M.S.ドレセルハウス(Dresselhaus)、G.ドレセルハウス、K.スギハラ(Sugihara)、I.L.スペイn(Spain)、及びH.A.ゴールドバーグ(Goldberg)、「グラファイト繊維とフィラメント」、スプリンガー出版(Springer−Verlag、Berlin、1988)、32−34ページは、フィラメントがいくつかの種類の六方晶形のカーボンの表面で生長するが、ダイヤモンドまたはグラッシーカーボン上では生長しないことを開示している。
上を鑑みるに、改良された電界放出材料は、デイスプレイパネル及び他の電子デバイスに対する電界エミッタ陰極で使用するのに必要である。本発明の目的及び利点は、添付する図面及び以下の本発明の詳細な記述を参照した時、同業者には明らかになるであろう。
発明の概略
本発明は、金属:酸素:炭素の原子比がa:b:cであり、但しaが約0.1−約0.4であり、bが約0.1−約0.8であり、そしてcが約0.05−約0.8である、なおa+b+c=1の、金属、酸素及び炭素を含んでなる電界放出電子エミッタ組成物を提供する。
本発明は、上述したような金属、酸素及び炭素の電界放出電子エミッタ組成物を金属基材に付けて含んでなる電界放出陰極も提供する。好ましくは電界放出電子エミッタ組成物はウイスカの形である。好ましくはaは約0.2−約0.4であり、bは約0.4−約0.8であり、そしてcは約0.05−約0.3である。好ましくは金属はタングステン、鉄またはモリブデンである。
本発明は、金属−酸素−炭素ウイスカの製造法も提供する。本方法は、有機重合体、例えばポリアクリロニトリル(PAN)をコーテイングした金属基材、好ましくは金属線を不活性な雰囲気中で約1100−約1550℃の温度まで加熱し、この温度を約15分−約2時間維持することを含んでなる。好ましくは、温度は約1150−約1300℃であり、雰囲気はアルゴンを含んでなる。この加熱を触媒の存在下に行う場合には、3時間までの加熱時間で、550℃程度の低温が使用できる。適当な触媒はニッケル、銅−ニッケル合金及びコバルト−ニッケル合金を含む。
本電界放出電子エミッタ組成物及び電界放出陰極は、真空電子デバイス、フラットパネルコンピュータ及びテレビジョンデイスプレー並びに他の大きなスクリーンへの応用、エミッションゲート増幅器、クライストロン、また照明デバイスに有用である。本明細書に用いるような「デイスプレイパネル」とは、平坦な(例えばフラットパネルデイスプレイ)及び湾曲した表面並びに他の可能な形を包含する。
【図面の簡単な説明】
図1は、ポリアクリロニトリルをコーテイングしたタングステン線の、種々の温度まで加熱した後の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図2は、図1に示した線に対する放出特性のプロットである。
図3は、ポリアクリロニトリルをコーテイングしたタングステン線の、1300℃の温度まで加熱してタングステン−酸素−炭素ウイスカを形成した後の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図4は、図3に示すタングステン−酸素−炭素ウイスカでコーテイングされたタングステン線に対する放出特性のプロットである。
図5は、ポリアクリロニトリルをコーテイングした鉄線の、加熱して鉄−酸素−炭素ウイスカを形成させた後の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図6は、図5に示す鉄−酸素−炭素ウイスカでコーテイングされた鉄線に対する放出特性のプロットである。
図7は、ポリアクリロニトリルをコーテイングしたタングステン線の加熱後の放出特性のプロットである。
図8は、重合体をコーテイングしたまたはコーテイングしていない鉄線の、加熱後の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図9は、図8に示すコーテイングした線に対する放出特性のプロットである。
好適な具体例の詳細な説明
本発明における電子エミッタとして有用な金属−酸素−炭素ウイスカは、金属基材(例えば金属線)を有機重合体でコーテイングさせ、このコーテイングした線を加熱することにより、例えば線をポリアクリロニトリル(PAN)溶液でコーテイングし、このPANをコーテイングした線を加熱してウイスカを形成させることによって製造できる。そのようなウイスカを含む線は、繊維質陰極の各繊維または線が本質的に陰極の平面内にあり、従って電子放出が繊維または線の長さ方向で起こり、繊維または線の先端または端で起こらない繊維質の電界放出陰極に特に有用である。PANのコーテイングした線の加熱によるウイスカの形成は、線を陰極構造体に位置させる前または後に行うことができる。
PAN溶液のコーテイングの適用前には、金属線を30重量%硝酸溶液中で30分間きれいにし、ついで脱イオン水、アセトン、及びメタノールでゆすぐ。好ましくはこの金属はタングステン、鉄またはモリブデンである。PANは好ましくはポリアクリロニトリルのジメチルスルホキシド溶液から線にコーテイングされる。加熱した溶液を重合体が完全に溶解するまで撹拌し、ついで室温まで冷却する。この粘稠な溶液をきれいな金属線に小さいブラシで適用する。PAN層でコーテイングされた線を、典型的には250℃の炉中で加熱し、この温度に約30分間維持することにより安定化させる。ついでこのPANをコーテイングした線にPAN溶液の第2層を適用し、これを再び炉中で250℃に加熱し、この温度に約30分間維持することにより安定化を達成する。
ついでPANをコーテイングした線を、約1100−約1550℃の温度まで加熱し、この温度に約15分−約2時間維持して、金属−酸素−炭素ウイスカを形成させる。この加熱は不活性ガス、例えばアルゴンの雰囲気中、エチレン、一酸化炭素または二酸化炭素の雰囲気中、またはこれらのガスの混合物を含んでなる雰囲気中で行われる。
金属−酸素−炭素ウイスカの形成は、触媒、例えば銅−ニッケル合金、コバルト−ニッケル合金またはニッケルの存在下に低温で行うことができる。これらの触媒を用いれば、温度は550℃の低温が約3時間までの加熱時間と共に使用できる。
線の表面構造は、加熱中かなり変化する。加熱の結果として、表面はもはや滑かではないが、その代わり金属線に付着した金属−酸素−炭素ウイスカからなる。これらのウイスカの密度または間隔は加熱条件に依存する。金属−酸素−炭素ウイスカの長さは2μm以下から20μm以上まで広い。ウイスカの密度は典型的には約1nmから約1μmの範囲である。
金属−酸素−炭素ウイスカを含む線からの電子放出は円柱状の試験固定具(fixture)で測定した。この固定具では、試験すべき電導線が陰極として役立ち、陽極として役立つ円柱の中心に配置される。この陽極円柱状物は典型的にはリンでコーテイングされた細かい目の円筒状の金属網からなる。陰極と陽極の両方は、そこに切られた準円柱状の孔を有するアルミニウムブロックでその場に保持される。
使用する場合には、電導線を2つの直径1/16インチのステンレス鋼管により、各端で1つにしてその場に保持する。これらの管は、各端で開放されて切られ、長さ1/2インチ及び直径1/16インチの半円柱状形の開放溝を形成し、線がこの開放溝中に置かれ、銀ペーストでその場に保持される。連結管は陽極と陰極を電気的に隔離するのに役立つポリテトラフルオロエチレン(PTFE)スペーサーをしっかりとはめ込むことによってアルミニウムブロック内に保持される。露呈される線の全長さは一般に1.0cmに設定されるが、保持管の位置を調節することによりそれより長いまたは短い長さも検討できた。円筒状の網目の陽極は、アルミニウムブロック中の準円柱状の溝内に配置され、銅テープでその場に保持される。陰極はアルミニウムブロックと電気的に接触している。
電気的リード線を陽極と陰極の両方に連結する。陽極を接地電位(0V)に維持し、陰極の電位を0−10kVの電源で制御する。陰極で放出される電流を陽極で集め、電位計で測定する。この電位計は、高電流スパイク(spike)が電位計をう回して接地に流れる直列の1M1/2レジスター及び並列のダイオードにより損傷的電流スパイクから保護される。
長さが約2cmの測定のための試料を、長い長さの線から切断する。円筒状の網目を除去して、試料を2つの保持アームの円柱状の溝に挿入する。これを銀ペーストでその場に保持する。銀ペーストを乾燥させ、円筒状の網目の陽極を再び取り付け、両端を銅テープでその場に保持する。この試験装置を真空系に挿入し、系を1x10-6トール以下のベース圧力まで脱気する。
放出電流を適用した電位の関数として測定する。陰極から放出される電子は、それが陽極上のリンに衝突する時光を生じる。線上の電子放出点の分布及び強度は、リン/線網目上に生じる光のパターンで観察できる。線表面における平均の電界(E)は、関係式E=V/[a・ln(b/a)]で計算できる。ここにVは陽極及び陰極間の電位差であり、aは線の半径であり、bは円筒状の網目陽極の半径である。典型的には測定値は25V増加量で測定される。各電位において、放出電流をそれぞれ10回測定し、結果を平均する。典型的には、試料を、最低放出電流から最高放出電流まで(普通1nAから100−500μAまで)2回サイクルさせる。
製造した金属−酸素−炭素ウイスカは、良好な放出を提供し、線以外の金属基材表面上で形成させることができる。即ち本発明は、平面の及び繊維状/線の基材に並びに他の可能な幾何体に適用できる。
金属表面は、線またはシートの形の単一金属または金属合金であってよい。別に金属表面は、厚いフィルムの電導体材料、例えば拡散パターン化技術で得られるもの(例えばデイフユージョン・パターニング・システム(Dffusion PatterningTM system)QM14AgまたはQM17Ag/Ptイメージングペースト(E.I.デユポン社(E.I.du Pont de Nemours and Company、Wilmington、DE)製)または光印刷できる組成物、例えばポデル(PODELR)5956金電導体組成物(E.I.デユポン社(Wilmington、DE)製)であってよい。
実施例
次の限定を意味しない本発明の実施例及び対照実験は本発明を更に例示し且つ説明するために示される。すべてのパーセントは断らない限り重量によるものとする。
実施例1−4及び対照実験A
これらの実施例及び対照実験Aは、タングステン−酸素−炭素ウイスカの形成の、加熱温度への依存性及びウイスカ形成と関連した改良された放出性を示す。
直径1mmのタングステン線を、30重量%硝酸溶液中できれいにし、豊富な脱イオン水、アセトン及びメタノールでゆすいだ。この線に、ポリアクリロニトリル層を溶液からコーテイングした。この溶液は、ポリアクリロニトリル(PAN)(アルドリッチ(Aldrich,Milwaukee,WI)から入手)8gを、80℃でジメチルスルホキシド100g中に混入することにより調製した。この加熱した溶液を、重合体が完全に溶解するまで撹拌し、ついで冷却した。ついで得られた粘稠なPAN溶液を、小さいブラシできれいなタングステン線に適用した。各線上のPANコーテイングを、炉内で空気中、250℃下に30分間加熱することによって安定化させた。各線の安定化させた最初の層の上に、第2のPAN層をはけ塗りした。ついで炉内で空気中、250℃下に30分間加熱することによって第2のPAN層を安定化させた。
安定化したPANを有する線試料を、長さ15cmのセラミック製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下に30分間管炉中で加熱した。試料を加熱する温度だけは異ならせた。対照実験Aの試料は1000℃まで加熱し、実施例1−4のそれはそれぞれ1100℃(実施例1)、1250℃(実施例2)、1400℃(実施例3)及び1550℃(実施例4)の温度まで加熱した。これらの試料のいずれにも触媒は存在させなかった。
図1の走査型電子顕微鏡写真(1a−対照実験A、1b−実施例1、1c−実施例3、1d−実施例4)は、タングステン−酸素−炭素ウイスカの形成並びにその直径、長さ及び向きは加熱温度に依存するということを示す。1000℃まで加熱した対照実験Aの線にはウイスカが形成されなかった。1000℃以上に加熱した実施例1−4の試料には、加熱中にウイスカが生成した。これらのウイスカはタングステン線にしっかりと付着していた。1100℃まで加熱した実施例1に対してはウイスカが生成した。加熱温度が上昇するにつれて、ウイスカの厚さまたは直径は減少し、それは主に線の表面に垂直に、即ち線の半径の延長に沿って配列して存在した。加熱の温度が更に上昇すると、ウイスカの厚さまたは直径は増加し、ウイスカは線の表面に沿ってまたは傾斜して種々の方向に向いて存在する傾向を示した。
ついで前述した円柱状の試験固定具で電子放出を測定した。露呈されたウイスカでコーテイングされた線の長さは1cmであった。実施例1−4及び対照実験Aの試料に対する放出特性を図2に示す。それらはタングステン酸素−炭素ウイスカに由来する改良された放出性を示した。
実施例5−6
これらの実施例は、線の直径の、タングステン−酸素−炭素のウイスカの電子放出特性に及ぼす影響を示す。
直径0.05mm及び0.1mmのタングステン線を、それぞれ実施例5及び6の試料に対して使用した。タングステン線をきれいにし、PAN層でコーテイングし、実施例1−4及び対照実験Aに記述したようにPAN層を安定化させた。
安定化されたPANコーテイングを有する線試料を、長さ15cmのセラミック製るつぼに入れ、管炉中、アルゴン雰囲気下に1300℃まで加熱し、この温度に30分間維持してタングステン−酸素−炭素ウイスカを形成させた。実施例5(図3a)及び実施例6(図3b)の試料に対する走査型電子顕微鏡写真は、0.05mm及び0.1mmのタングステン線上の種々の直径、長さ及び向きのウイスカを明白に示す。
電子放出を、前述した円柱状試験固定具で測定した。これらの実施例の試料に対する放出特性を図4に示す。より小さい直径の線(実施例5)に対する放出の開始は、より大きい直径の線(実施例6)よりも低電圧で起こった。
実施例7−10
これらの実施例は、加熱段階中の触媒の存在が金属−酸素−炭素ウイスカを製造するためにより低い加熱温度の使用を可能にするということを示す。
直径0.05mm(2ミル)の鉄線を、2層のポリアクリロニトリルでコーテイングした。実施例7及び8で使用した線はアセトン中できれいにし、メタノールでゆすいだ。実施例9及び10で使用した線は、アセトン中できれいにし、メタノールでゆすぎ、H2容量%/Ar98容量%の雰囲気中、250℃で2時間還元した。
ついで実施例1−4及び対照実験Aで使用したものと本質的に同一の粘稠なPAN溶液を、小さいはけで鉄線に適用した。実施例7及び8の試料に対しては、各線におけるPAN層のコーテイングを炉中アルゴン雰囲気下に30分間250℃に加熱することにより安定化させた。実施例9及び10の試料に対しては、各線におけるPAN層のコーテイングを炉中H2容量%/Ar98容量%の還元雰囲気下に30分間250℃に加熱することにより安定化させた。第2のPAN層を、各線の安定化した第1の層上にはけ塗りした。実施例7及び8の試料に対して、第2のPAN層の安定化は炉中アルゴン雰囲気下に30分間250℃に加熱することにより行った。実施例9及び10の試料に対して、第2のPAN層の安定化は炉中H2容量%/Ar98容量%の還元雰囲気下に30分間250℃に加熱することにより行った。
安定化されたPANコーテイングを有する線試料を、長さ15cmのセラミック製るつぼに入れ、管炉中で加熱して鉄−酸素−炭素ウイスカを形成させた。Cu50重量%/Ni50重量%の合金(グッドフェロウ社(Goodfellow Corp.,Cambrodge,UK)から入手)100mgもそのるつぼ中に入れた。加熱中合金の約5重量%が消費された。実施例7に対しては、コーテイングした線をCO2雰囲気中700℃の温度まで加熱し、この温度に60分間維持した。実施例8に対しては、コーテイングした線をH2容量%/Ar98容量%の雰囲気中750℃の温度まで加熱し、この温度に120分間維持した。実施例9に対しては、コーテイングした線をCO雰囲気中700℃の温度まで加熱し、この温度に60分間維持した。実施例10に対しては、コーテイングした線をH2容量%/Ar98重量%の雰囲気中550℃の温度まで加熱し、この温度に90分間維持した。
これらの試料に対する電子線回折は、鉄−酸素−炭素−ウイスカが鉄金属線上に且つそれに付着して直接生長した結晶配向組成物であることを示した。これらの実施例の試料に対する走査型電子顕微鏡写真を、図5(5a−実施例7、5b−実施例8、5c−実施例9、5d−実施例10)に示す。
前述した円柱状試験固定具で電子放出を測定した。これらの実施例の試料に対する放出特性を図6に示す。この放出の結果は、加熱を触媒の存在下に行った場合エミッタが低温加工で製造できることを示す。実施例9に対する結果は、CO雰囲気中で加熱した線がかなり高い放出性を有することもある。
実施例11−13及び対照実験B
これらの実施例及び対照実験Bは、タングステン−酸素−炭素ウイスカの形成の、加熱温度への依存性及びウイスカ形成と関連した放出性が、エネルギー拡散X線で決定して、表面組成の違いに相当するということを示す。
実施例11及び12の試料を、それぞれ本質的に実施例5及び6に対して記述したように製造した。結果、即ちそれぞれ直径0.05mm及び0.1mmのタングステン線上のタングステン−酸素−炭素ウイスカの形成は、本質的に同一であった。実施例13に対して、直径0.1mmのタングステン線を使用した。この線をきれいにし、PAN層でコーテイングし、このPAN層を本質的に実施例11及び12の試料のように安定化させた。但し、第2のPAN層を炉中空気下に30分間550℃に加熱することにより安定化させた後、炉中空気下に30分間550℃に加熱することにより更なる安定化工程を行った。対照実験Bに対する試料は、最終加熱を、アルゴン雰囲気中で30分間、1300℃よりもむしろ1000℃で行う以外、本質的に実施例5及び11と同様にして製造した。
実施例11−13はウイスカの形成を明白に示したが、対照実験Bは示さなかった。対照実験Bにおける形態学の欠如は、放出特性及び電子回折で決定した表面組成の両方に反映された。電子放出を、前述した円柱状試験固定具で測定した。加熱温度、タングステン、酸素及び炭素の原子%として表した表面組成、開始放出電圧及び2000Vでの放出電流を表1に示す。実施例11−13及び対照実験Bの試料に対する放出特性を図7に示す。
実施例14−15及び対照実験C
これらの実施例は重合体コーテイングの、表面形態学及び電子放出特性に及ぼす影響を例示する。
実施例14と15及び対照実験Cにおいて、直径0.05mmの鉄線をアセトンできれいにし、メタノールでゆすぎ、H2容量%/Ar98容量%の雰囲気中250℃で2時間還元した。
対照実験Cに対して、コーテイングしてない鉄線を、CO雰囲気中Cu55重量%/Ni45重量%の合金触媒の存在下に550℃まで加熱し、この温度に90分間維持した。
実施例14において、還元した線を、樹脂改変剤エルバロイ(ElvaloyR)4043(E.I.デユポン社から入手)の6重量%塩化メチレン溶液でコーテイングした。エルバロイは、メタクリル酸メチル/エチレン及びCOの共重合体であった。実施例15のコーテイングしてない還元された線を、CO雰囲気中Cu55重量%/Ni45重量%の触媒の存在下に90分間、550℃まで加熱した。ついでこの線を、ポリ(メタクリル酸メチル)の5重量%塩化メチレン溶液で厚さ3ミクロンまでコーテイングした。
ついで実施例14及び15のコーテイングした線を、CO雰囲気中Cu55重量%、Ni45重量%の合金触媒の存在下に550℃まで加熱し、この温度に90分間維持した。
これらの実施例の試料に対する表面形態を図8(8a−対照実験C、8b−実施例14、8c−実施例15)に示す。ついで電子放出を前述した円柱状試験固定具で測定した。対照実験Cの線は、検討した電圧の範囲では放出を示さなかった。実施例14及び15の試料に対する放出特性を図9に示す。
以上本発明の特別な具体例を記述してきたけれど、同業者は、本発明が本発明の精神または本質的な特質から離れずして多くの改変、置き換え、そして再整理を行いうることを理解するであろう。本発明の範囲を示すものとしては、上述の明細書よりもむしろ請求の範囲を参照すべきである。
Claims (18)
- 金属:酸素:炭素の原子比がa:b:cであり、但しaが約0.1−約0.4であり、bが約0.1−約0.8であり、そしてcが約0.05−約0.8である、なおa+b+c=1の、金属、酸素及び炭素を含んでなる電界放出電子エミッタ組成物。
- aが約0.2−約0.4であり、bが約0.4−約0.8であり、そしてcが約0.05−約0.3である、なおa+b+c=1の、請求の範囲1の電界放出電子エミッタ組成物。
- 該組成物がウイスカの形である、請求の範囲1または2の電界放出電子エミッタ組成物。
- 該金属がタングステン、鉄またはモリブデンである、請求の範囲3の電界放出電子エミッタ組成物。
- 該組成物中の金属:酸素:炭素の原子比がa:b:cであり、但しaが約0.1−約0.4であり、bが約0.1−約0.8であり、そしてcが約0.05−約0.8であり、なおa+b+c=1である、金属、酸素及び炭素を同一金属の基材に付着して含んでなる電界放出電子エミッタ組成物を含んでなる電界放出陰極。
- aが約0.2−約0.4であり、bが約0.4−約0.8であり、そしてcが約0.05−約0.3であり、なおa+b+c=1である、請求の範囲5の電界放出陰極。
- 該基材が線の形である、請求の範囲5または6の電界放出陰極。
- 該組成物がウイスカの形である、請求の範囲7の電界放出陰極。
- 該金属がタングステン、鉄またはモリブデンである、請求の範囲8の電界放出陰極。
- ポリアクリロニトリルをコーテイングした金属基材を約1100−約1550℃の温度まで加熱し、この温度に約15分−約2時間維持することを含んでなる、電界放出陰極の製造法。
- 該金属がタングステン、鉄またはモリブデンである、請求の範囲10の方法。
- 該温度が約1150−約1300℃である、請求の範囲11の方法。
- 基材が線である、請求の範囲10の方法。
- ポリアクリロニトリルをコーテイングした金属基材を、触媒の存在下に金属−酸素−炭素ウイスカの形成に十分な温度に加熱することを含んでなる、電界放出陰極の製造法。
- 該金属がタングステン、鉄またはモリブデンである、請求の範囲14の方法。
- 該触媒がニッケル、銅−ニッケル合金及びコバルト−ニッケル合金からなる群から選択される、請求の範囲14の方法。
- 加熱を約550−約1100℃の温度で始め、この温度に約3時間まで維持する、請求の範囲14の方法。
- 基材が線である、請求の範囲14の方法。
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