JP2001502175A - アスパラギン酸重縮合物の製造方法 - Google Patents

アスパラギン酸重縮合物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、炭水化物からアスパラギン酸縮合物を製造する方法であって:フマル酸生産微生物によって炭水化物含有培地を発酵して、それによってフマル酸塩を含有する発酵汁を形成する過程;前記のフマル酸塩を含有する発酵汁から、精製したフマル酸アンモニウム溶液を形成する過程;前記の精製したフマル酸アンモニウムを、精製したアスパラギン酸アンモニウムに、酵素的に変換する過程;前記の精製したアスパラギン酸アンモニウムから得られるアスパラギン酸塩水溶液を加熱し、それによって水が除去されて、アスパラギン酸縮合物が生成し、そして前記アスパラギン酸塩の陽イオンを含んでいる塩基性の副生成物が生成する過程;および、前記の塩基性副生成物を回収して、そして本方法の別の過程において試薬として用いる過程;を含んでいる前記方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 アスパラギン酸縮合物の製造方法 本発明は、アスパラギン酸縮合物の製造方法に関する。本発明は、特に、発酵 経路によって、炭水化物からアスパラギン酸縮合物を製造する方法に関する。 アスパラギン酸は、分子式HOOCCH2CH(NH3)COOの酸性アミノ酸である。これは 、アスパルテーム甘味料などの製品、および生物分解性の重合体ポリアスパラギ ン酸(PAA)の生産に用いられる。これは、洗浄剤において、共ビルダー(cobuilde r)または金属イオン封鎖剤(sequestrant)として、そして強力吸収剤(superabsor bent)として利用することができ、さらにその他にも適用することができる。PAA の生物分解活性は、非常に魅力的であり、そしてその潜在的な市場は大きい。し かし、これは、低コストのアスパラギン酸の利用性、および汚染の無いアスパラ ギン酸の調製方法に、強く依存している。 アスパラギン酸、あるいは、フマル酸および/またはマレイン酸(もしくは無 水マレイン酸)を含む組成物、およびアンモニアを、約200℃以上に加熱するこ とによって、その重縮合が起き、ポリスクシンイミドが生成する。これが加水分 解されて、ポリアスパラギン酸またはこの塩が生成する。これらの生成物は、低 リン酸の環境に優しい洗浄剤組成物において用いられるだろう。現在、これらの 洗浄剤には、ポリカルボン酸、例えばポリアクリル酸が含まれている。これらの ポリカルボン酸には、生物分解性が無いという重大な欠点がある。アスパラギン 酸から製造されるポリアスパラギン酸は、完全に生物分解性を有する(一方、フ マル酸、マレイン酸または 無水マレイン酸から形成されたものは、これを有さない)。しかし、十分に確立 したポリカルボン酸に代えて用いるためには、このポリアスパラギン酸が、価格 的に匹敵する必要がある。これは、現在の技術に基づく場合、コスト的にほとん ど不可能である。 WO93/23452には、ポリアスパラギン酸の塩の調製方法であって、マレイン酸お よびアンモニアを、200-300℃で反応させること(ここで、アンモニアは、過剰 のモル濃度で含まれる)、および水酸化物を加えることによって生成したポリマ ーを塩に変換すること、を含んでいる前記方法が記載および特許請求されている 。 従来技術に関する次の文献の記載に注意する。 米国特許4839461には、マレイン酸およびアンモニアからポリアスパラギン酸 を作る方法であって、4-6時間以上に亘って温度を120-150℃にまで上げて、そし てそれを0-2時間保つことによって、前記成分(モル比1:1-1.5)を反応させること による前記方法が開示されている。 米国特許5057597には、アスパラギン酸を重縮合して、ポリアスパラギン酸を 生産する方法であって、流動床反応器(fluidized bed reactor)において、窒素 ガス下に、221℃で3-6時間加熱し、次に通常のアルカリ性加水分解することによ る前記方法が開示されている。 Kovacs et al.(J.Org.Chem.,25,1084(1961))は、アスパラギン酸を、200℃で 減圧下で120時間加熱するか、または、沸騰するテトラリン中で100時間以上に亘 って加熱することによって、ポリアスパラギン酸を調製した。Kovacs et al.は 、アスパラギン酸の熱重合化において形成される中間体がポリスクシンイミドで あったことを示した。 WO95/00479には、L-アスパラギン酸の重縮合によって生産された 無水ポリアスパラギン酸を加水分解することによって、平均分子量が1000〜5000 であるポリアスパラギン酸が生産され、そして「時間対温度」の関係分布を利用 すると、80%を超えて変換が起き得ることが記載されている。 前記文献では、従来技術に関する次の記載に注意する。 ポリアスパラギン酸を生産するためのアスパラギン酸の熱縮合が、Etsuo Koku futa et al.,“Temperature Effect on the Molecular Weight and the Optica l Purity of Anhydropolyaspartic Acid Prepared by Thermal Polycondensatio n”.Bulletin of the Chemical Society of Japan 51(5):1555-1556(1978).に 教示されている。Kokufuta et al.は、この方法によって生産されるポリアスパ ラギン酸の分子量が、反応温度を上げるに連れて、増加することを教示している 。さらに、アスパラギン酸の、無水ポリアスパラギン酸への変換の最大の比率は 、325-425°Fの油浴温度を用いる場合、68%以下であることが示唆されている 。 Brenda J.Little et al.,“Corrosion Inhibition By Thermal Polyasparta te”Surface Reactive Peptides and Polymers pp263-279,American Chemistr y Society Symposium Series 444(1990)による、より最近の研究には、Kokufu ta et al.のものが引用されている。報告によると、粉末アスパラギン酸から無 水ポリアスパラギン酸を生産するために、24-96時間以上に亘って、374°Fの油 浴温度が用いられた。しかし、この報告結果は、Kokufuta et al.による報告よ り良くはなかった。 現在では、無水マレイン酸が、石油化学的方法によって生産され、そしてフマ ル酸に異性化される。この1モルを、2モルのアンモニアと反応させて、フマル 酸ジアンモニウム溶液を形成させ、そしてこれを、酵素的方法によって、アスパ ラギン酸モノアンモニウム に変換(生物変換)する。このアスパラギン酸モノアンモニウム溶液を、強無機 酸、典型的には硫酸と反応させる。強酸から、プロトンがアスパラギン酸塩に移 り、アスパラギン酸が生成する。水溶液中のアスパラギン酸の溶解度は低く、こ の酸は、結晶化によって分離される。この強無機酸のアンモニウム塩が、低価値 の、または負の価値の副産物として生成する。 総生産コストに大きく寄与する因子は、副産物生成による無機酸の消費および アンモニアの損失である。BASFに与えられたドイツ国特許4429108には、ポリス クシンイミドを形成させるために、アスパラギン酸アンモニウム、またはアスパ ラギン酸の他の誘導体を加熱することによって、無機酸のコストを節約すること が示唆されている。よって、前記特許には、アスパラギン酸のアンモニウム誘導 体を重縮合する方法であって、アスパラギン、イソアスパラギン、アスパラギン 酸アンモニウムまたはアスパラギン酸ジアミドを加熱することによって、少なく とも150℃の温度で重縮合を行うことを特徴とする前記方法が、教示および特許 請求されている。従って、前記適用方法においては、酸性化過程が省略される。 前記方法において、主にコストがかかる要素は、石油化学的に生産されるフマル 酸のコストである。昔は、フマル酸は、発酵によって生産されていた。発酵にお いて、カルシウム塩基、おそらく炭酸カルシウムを中和剤として用いたので、フ マル酸カルシウムが生成した。硫酸によって酸性化し、石膏およびフマル酸を形 成させることによって、前記塩からフマル酸が回収された。この方法は、多くの 問題点を伴う。これらのいくつかは、中和剤である炭酸カルシウム、発酵生成物 であるフマル酸カルシウム、最終生成物であるフマル酸、および副産物である石 膏が、いずれも低水溶解性であり、このために、試薬、生成物および副産物間の 分離、並びにそれらとバイオマス間の分 離が妨げられる事から来ている。もう1つの問題は、石灰および硫酸の消費、お よび廃棄する必要のある石膏の生成から来ている。これらの欠点およびその他の 重要な欠点、例えば、発酵における比較的に低い収量および低い生産性のために 、発酵によって生産されるフマル酸は、石油化学的に生産されるフマル酸に比べ て、さらにコストがかかった。1940年代には、この発酵経路は減少した。この比 較に基づくと、原材料として炭水化物を用いた発酵によって生産されたフマル酸 を基にしたポリアスパラギン酸は、石油化学的に生産されたフマル酸を基にした ポリアスパラギン酸に対して、競争力があるとは思われない。 さらに、この発酵経路は、主な不純物に関連する問題点を伴う。石油化学的な 経路では、フマル酸は、極めて純粋な形で得られるので、次に、比較的に純粋な アスパラギン酸アンモニウムが得られる。従来の技術では、発酵によって生成し たフマル酸は、その発酵において生成した酸の約80%のみを占める。典型的には 、この発酵において、グリセロール、リンゴ酸、コハク酸およびケトグルタル酸 も生成する。さらに、この発酵汁には、使われなかった炭水化物、添加した栄養 素に由来する無機の陰イオンおよび陽イオン、アミノ酸、タンパク質、バイオマ スなどが含まれる。前記通りに、この発酵における試薬および生成物の低溶解性 に関連する問題を考慮すれば、これらの不純物の多くは、生物変換されるフマル 酸塩に、そして変換されたアスパラギン酸アンモニウムに付きまとう。それらの 多く、特にカルボン酸およびアミノ酸は、アスパラギン酸の縮合反応からその鎖 の停止反応まで、およびその他の機構を妨害すると思われる。特に、アスパラギ ン酸アンモニウム溶液の酸性化およびアスパラギン酸の結晶化を省いて、アスパ ラギン酸アンモニウムを重縮合に供する場合に、この妨害が生じる。 驚くことに、炭水化物の発酵から得られるアスパラギン酸の塩を、酸性化およ びアスパラギン酸の結晶化による精製に頼ることなく、水を除去することによっ て、縮合させることができることが判った。従って、酸性化に用いる酸の消費、 および希望しない副産物の生成を避けられる。また、この方法では、本方法の別 の過程において試薬として用いることができる塩基性化合物が、副産物として生 成することも判った。従って、試薬のコストが減る。さらにまた驚くことに、炭 水化物の発酵によるポリアスパラギン酸の生成は、石油化学的に形成されたフマ ル酸から始める場合に比べて、より安くなり得ることが判った。 従って、本発明は、炭水化物からアスパラギン酸縮合物を製造する方法であっ て、 a)フマル酸生産微生物によって炭水化物含有培地を発酵して、それによって フマル酸塩を含有する発酵汁が形成される過程; b)前記のフマル酸塩を含有する発酵汁から、精製したフマル酸アンモニウム 溶液を形成させる過程; c)前記の精製したフマル酸アンモニウムを、精製したアスパラギン酸アンモ ニウムに、酵素的に変換する過程; d)前記の精製したアスパラギン酸アンモニウムから得られるアスパラギン酸 塩水溶液を加熱し、それによって水が除去されて、アスパラギン酸縮合物が生成 し、そして前記アスパラギン酸塩の陽イオンを含んでいる塩基性の副生成物が生 成する過程;および e)前記の塩基性副生成物を回収して、そして本方法の別の過程において試薬 として用いる過程; を含んでいる前記方法を提供する。 好ましくは、前記のアスパラギン酸塩は、アンモニウム、低分子量アミン、ア ルカリ金属およびアルカリ土類金属のアスパラギン酸 塩の中から選択される。最も好ましい前記アスパラギン酸塩は、アスパラギン酸 アンモニウムである。好ましくは、前記の副生成物は、アンモニア、低分子量ア ミン、並びに、アンモニウム、低分子量アミン、アルカリ金属およびアルカリ土 類金属の水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩の中から選択される。最も好ましい前 記副生成物は、アンモニアである。 本発明の好ましい実施形態では、前記縮合物のアスパラギン酸部分は、主に、 L-体である。 前記アスパラギン酸塩を生産するために、炭水化物を原材料として用いる。最 初の過程で、フマル酸生産微生物によって、炭水化物含有培地を発酵する。この 炭水化物の発酵には、典型的に、ケカビ目に属する微生物、特にリゾプス・アル ヒザス(Rhizopus arrhizus)、リゾプス・オリザック(R.oryzac)、リゾプス・ニ グリカンス(R.nigricans)、または他の近縁の属の微生物を用いる。あるいは、 カンジダ(Candida)などの他の微生物を用いてもよい。発酵培地には、この炭水 化物に加えて、栄養素、例えば窒素源および無機質が含まれ得る。適当な窒素源 には、有機質および無機質のもので、例えば、尿素、塩化アンモニウム、硫酸ア ンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、二リン酸アンモニウム、ア スパラギンおよびタンパク質加水分解産物がある。前記の中では、尿素および硫 酸アンモニウムが好ましい。この培地に加える無機塩には、リン酸塩、イオウ、 鉄、マグネシウムおよび亜鉛の原料が含まれる必要がある。適当なリン酸塩の原 料には、一塩基または二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基または二塩基性リン酸 カリウム、二リン酸アンモニウム、あるいはこれらの混合物がある。この発酵に 用いられる適当な無機塩には、硫酸亜鉛、酒石酸第二鉄または塩化第二鉄などの 鉄塩、および硫酸マグネシウムがある。ビタミンを供給するために 、穀物の浸せき液またはビオチンを加えてもよい。約25〜約35℃、好ましくは約 33〜約35℃の温度で、発酵を行う。真菌は、酸性条件で十分に増殖する。しかし 、発酵培地中に生成したフマル酸は、発酵に対して負の影響を与える。これは、 典型的には、少し酸性のpH、約4-7において起こる。典型的には、中和剤として 塩基が直接加えられて、そしてフマル酸塩が生成する。普通は、フマル酸の中性 塩が、その酸性塩に比べて、生成する。前記の中和剤は、アンモニア、並びに、 アンモニウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または 重炭酸塩の中から選択される。最も好ましくは、中和剤として、炭酸カルシウム が用いられ、そしてフマル酸カルシウムが生成する。 本発明の好ましい実施形態では、本炭水化物は、デキストロース、好ましくは 穀類の澱粉、例えば低級の小麦澱粉分画から生産されたデキストロース、および 糖蜜の中から選択される。 あるいは、フマル酸を、例えば、水の不混和液、または固体で塩基性の抽出剤 もしくは吸着剤に結合させることによって、発酵培地から連続的に回収する。こ の目的で、塩基性の抽出剤、例えば、長鎖のアミンを含んでいるタイプのもの、 あるいは塩基性の樹脂、例えば、非4級のアミン基を有する陰イオン交換体また はピリジンを基にした樹脂を用いることができる。前記の抽出物または吸着物を 塩基性溶液に接触させ、そこから、塩基を使ってフマル酸塩を形成させることに よって、このフマル酸を回収することができる。さらに、この塩基の使用は間接 的な中和であり、前記の発酵において、塩基を直接的または間接的に用いること ができることが判る。この目的の塩基は、好ましくは、アンモニア、並びに、ア ンモニウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または重 炭酸塩の中から選択される。最も好ましいこの塩基は、アンモニア である。 フマル酸アンモニウムは、アスパラギン酸アンモニウムに酵素的に変換される 。普通、この変換は、少し塩基性の培地中で行われるので、フマル酸ジアンモニ ウムが、この基質となる。発酵で生成したフマル酸アンモニウムが、前記の酵素 的変換に供給され得る(本明細書では、特に限定されていない場合、用語「フマ ル酸アンモニウム」は、フマル酸モノアンモニウム、フマル酸ジアンモニウムま たはこれらの組み合わせを指す)。例えば、本発酵によって別のフマル酸塩がで きる場合、例えば、中和剤が炭酸カルシウムであり、そして生成物がフマル酸カ ルシウムである好ましい実施形態の場合には、この塩はフマル酸アンモニウムに 変換される。好ましくは、これは、アンモニア、炭酸アンモニウムまたは重炭酸 アンモニウムとの直接的または間接的反応によって行われる。 最も好ましい実施形態は、イスラエルの明細書116849に記載されていて、この 内容を引用して本明細書に組み込む。本発酵において生成するフマル酸カルシウ ム沈殿を、発酵汁から分離し、洗浄し、水または前過程からの水溶液に縣濁し、 そして温度を上げて溶解する。必要なら、膜濾過、イオン交換、活性炭処理、溶 媒抽出などの方法によって、このフマル酸カルシウム溶液を精製することができ る。次に、好ましくは、これを再結晶化する。再結晶化後に、これを、アンモニ アおよび二酸化炭素、または炭酸アンモニウムもしくは重炭酸アンモニウムと反 応させる。好ましくは、この反応溶媒のpHを、最初に、約10-11に合わせる。高 温、および高圧の二酸化炭素は必要ではない。この反応において、フマル酸カル シウムは、フマル酸アンモニウムに変換される。この反応において、水の量を調 整して、生成するフマル酸アンモニウムが、確実に、好ましくは10%超、さらに 好ましくは13%超に、濃縮されるようにする。副産物 として、炭酸カルシウムが生成し、そのフマル酸アンモニウム溶液から分離され 、そして炭水化物からフマル酸への発酵において、中和剤として再使用される。 好ましくは、発酵で再使用する前に、この炭酸カルシウムを焼いて(calcine)、 残っているバイオマスを取り除く。最も好ましい実施形態では、焼いたカルシウ ム塩基を水中で急冷し、そして再使用するまで、その水中に縣濁して置く。水中 に縣濁することによって、バイオマスの燃焼による灰、および前の発酵過程から の他の灰を除くことが促進される。 好ましい実施形態では、アスパラギン酸アンモニウムに酵素的に変換する前に 、発酵において直接的に生成した、または発酵で生成した別のフマル酸塩の変換 を介して間接的に生成したフマル酸アンモニウムを精製する。既知の方法、例え ば、再結晶化、膜濾過、イオン交換、活性炭処理、溶媒抽出などによって、精製 を行うことができる。好ましい実施形態では、発酵によって生成したフマル酸ジ アンモニウムを含む水溶液を、少なくとも部分的に酸性型である陽イオン交換体 に接触させる。これによって、アンモニウムイオンが前記の陽イオン交換体に吸 着され、および前記のフマル酸ジアンモニウムの一部が、フマル酸モノアンモニ ウムに変換される。次に、前記のアンモニウムイオンを保持した陽イオン交換体 から、この水溶液を分離して、そしてこの水溶液から、フマル酸モノアンモニウ ムを分離する。好ましい実施形態では、この溶液を、少なくとも部分的に酸性型 である陽イオン交換体に再度接触させる。精製のための前記の分離は、種々の既 知の方法によって行うことができる。好ましい分離方法は、結晶化による方法で ある。前記の精製されたフマル酸モノアンモニウムは、任意にさらに精製した後 に、元のフマル酸ジアンモニウムに変換され、そしてこれが、アスパラギン酸ア ンモニウムへの酵素的変換における前駆体として用いられる。好ま しい実施形態では、前記のフマル酸モノアンモニウムを、前記のアンモニウムイ オンを保持した陽イオン交換体に接触させ、これによって、この陽イオン交換体 を、本方法において再使用するために、少なくとも部分的に酸性型のものに変換 する。前記のフマル酸モノアンモニウムは、フマル酸ジアンモニウムに変換され 、そしてこれが、アスパラギン酸アンモニウムへの酵素的変換における前駆体と して用いられる。 従って、特に好ましい実施形態では、本発明の方法には、 (i)前記発酵から得られるフマル酸ジアンモニウムを含む水溶液を、少なく とも部分的に酸性型である陽イオン交換体に接触させて、それによってアンモニ ウムイオンが前記の陽イオン交換体に吸着され、そして前記のフマル酸ジアンモ ニウムの一部が、フマル酸モノアンモニウムに変換される過程; (ii)前記のアンモニウムイオンを保持した陽イオン交換体から、その水溶液 を分離する過程;および、 (iii)前記溶液からフマル酸モノアンモニウムを分離して、これをフマル酸ジ アンモニウムに変換し、そしてアスパラギン酸アンモニウムへの酵素的変換にお いて、このフマル酸ジアンモニウムを用いる過程; が、追加されて含まれる。 既に記載したように、フマル酸アンモニウムが、酵素触媒反応において、アス パラギン酸アンモニウムに変換される。典型的には、大部分のアスパラギン酸ア ンモニウムは、アスパラギン酸モノアンモニウムであるが、小さな割合で、アス パラギン酸ジアンモニウムが含まれるだろう。本明細書において、用語「アスパ ラギン酸アンモニウム」は、特に明記しない場合、アスパラギン酸モノアンモニ ウム、およびこれとアスパラギン酸ジアンモニウムとの混合液の両 方を指す。 この酵素反応は、酵素アスパルターゼによって触媒される。この酵素を、多く の微生物、例えば、適当な培地で培養されたE.コリ、ブレビバクテリウム菌類の 種(Brevibacterium sp.)、シュードモナス菌類の種から生産することができる。 フマル酸アンモニウム溶液を、直接に、細菌培養液に、または透過性亢進細胞、 細胞粗抽出液、もしくは精製したアスパルターゼに接触させることによって、ア スパラギン酸アンモニウムの生成を達成することができる。細菌培養液を直接に 用いる場合には、フランス国特許No.2197979(1972)に記載された方法を用いるこ とができる。細胞培養液、細胞、細胞抽出液または酵素自身を、直接に、または 固定化調製品として用いることができる。固定化調製品は、例えば、細胞、細胞 抽出液または酵素を、支持体、担体または基材、例えばポリアクリルアミドゲル 、イオウ含有多糖(例えばカラゲーナン(carrageenan)、フルセララン(furcella ran)など)、ゲル、コラーゲンゲル、アルギン酸ゲル、ポリビニルアルコールゲ ル、アガーゲルおよび樹脂などに固定化することによって得られる。 この変換に供給するフマル酸アンモニウムの濃度は、典型的に、約0.5Mから約 2Mまでである。普通は、酵素の安定性を向上させるために、二価の金属イオン、 例えばカルシウムイオン、マグネシウムイオン、マンガンイオンまたはストロン チウムイオンなどを反応系に加えることが好ましい。この二価イオンの量は、約 0.1-10mMにすることができる。約20-60℃の温度で反応を行い、そしてそのpHは7 -9が好ましい。変換収量は、典型的に90-100%である。 生成したアスパラギン酸塩を、アスパラギン酸アンモニウムとして、または、 別のアスパラギン酸塩、例えば低分子量アミン、アルカリ金属およびアルカリ土 類金属の塩に変換してから、この縮合過 程に供給することができる。この変換は、対応する塩基(水酸化物、炭酸塩また は重炭酸塩)との反応によって行われる。好ましくは、この変換において生成し たアンモニウムを有する塩基の副産物(アンモニア、炭酸アンモニウムまたは重 炭酸アンモニウムの中から選択される)が分離され、そして再使用される。アン モニアの場合、好ましい分離方法は、反応と同時に、または反応後に蒸留するこ とである。重炭酸アンモニウムは、結晶化によって分離されるだろう。このアン モニウムの塩基を、本発酵における中和剤として、または本発酵で生成した別の フマル酸塩をフマル酸アンモニウムに変換するために、直接的または間接的に用 いることができる。 この縮合過程において、アスパラギン酸アンモニウムから得られたアスパラギ ン酸塩の水溶液を加熱して、水を除去する。除去する水は、アスパラギン酸塩の 溶媒として反応液に含まれる水、並びに、この縮合において生成した水、アスパ ラギン酸塩1分子あたり1または2分子の水、である。この水の一部分を、吸着 、例えば、適当な分子シーブへの吸着、あるいは、親水性化合物、例えば塩化カ ルシウムまたは硫酸への結合による吸着、によって取り除くことができるが、少 なくとも、その最後の部分は、温度を上げて蒸発させて、取り除くことが必要と なるだろう。この溶液を減圧するか、またはそこに担体ガス(carrier gas)を通 すことによって、前記の水の除去が促進される。好ましい実施形態では、前記担 体ガスは、二酸化炭素である。別の好ましい実施形態では、このアスパラギン酸 塩水溶液を、最初に、70%超の乾燥固体分にまで濃縮して、次に圧力容器中で加 熱する。 このアスパラギン酸塩が、アンモニウムまたは低分子量アミンのアスパラギン 酸塩の場合、塩基性の副生成物であるアンモニアまたは低分子量アミンは、水と 共に蒸気相に移り、そこからこれを回収 することができる。発酵培地を直接的または間接的に中和するために、回収した アンモニアを再使用することができ、そして発酵で生成した別のフマル酸塩をフ マル酸アンモニウムに変換するために、アンモニアおよび低分子量アミンを使用 することができる。アスパラギン酸塩が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属 の塩である場合、これらの陽イオンの塩基が、塩基性の副生成物として生成し、 そして反応混合液から、例えば結晶化によって、分離されるだろう。担体ガスと して二酸化炭素を用いる場合、それらの塩基は、炭酸塩または重炭酸塩になるだ ろう。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩基を、フマル酸発酵における中 和剤として再使用することができる。さらに、アスパラギン酸アンモニウムを、 希望するアスパラギン酸塩に変換するために、前記の塩基および低分子量アミン を用いることができる。 従って、本発明の好ましい1番目の実施形態では、前記の塩基性副生成物は、 本方法の発酵過程aにおいて中和剤として用いられる。本発明の好ましい2番目 の実施形態では、前記の塩基性副生成物は、アンモニアおよび低分子量アミンか ら選択され、そして、過程aで生成した、フマル酸アンモニウム以外のフマル酸 塩、例えばフマル酸カルシウムを、フマル酸アンモニウムに変換するために用い られる。本発明の好ましい3番目の実施形態では、前記の塩基性副生成物は、低 分子量アミン、並びに、アンモニウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の 水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩の中から選択され、そして、過程cで生成した アスパラギン酸アンモニウムを、過程dで用いるアスパラギン酸塩に変換するた めに用いられる。 水およびアンモニアの除去速度、塩基性塩の沈殿速度、並びに縮合速度を、温 度、担体ガスの移送速度および性質を含めた加熱過程 の条件に応じて測定する。 最初、この反応混合液の温度を、溶液内の水蒸気の分圧に応じて測定する。大 気圧下では、この温度は、約100℃からゆっくりと増加するだろう。温度を調節 して、アンモニアの除去を促進するために、時々、いくらかの水を反応混合液に 加えてもよいだろう。熱の供給のために、および担体ガスとして、蒸気を用いる ことができる。この反応溶媒の最高温度は、少なくとも130℃、そして好ましく は、少なくとも180℃である必要がある。 この加熱過程のために、抽出機、混合機および種々の乾燥機、例えばプレート 型、ベルト型およびスクリュー型乾燥機を含んで、種々の反応機を用いることが できるだろう。好ましい実施形態では、各管に、好ましくはその全長に、静的混 合機(static mixer)を備えた熱交換機において、例えば、各熱交換管に流線型の (streamlined)Kenics Static Mixer構成部品を備えたKenics Heat Exchangerな どの熱交換機において、加熱を行う。 本反応において、触媒を用いることができる。酸および酸性塩が適当である。 酸または酸性塩を、加熱工程に供給されるアスパラギン酸塩の水溶液に加えない ことが重要である。なぜなら、これは、本反応において酸性化剤を加えることに 匹敵し、そして副産物の塩が生成すると思われるからである。従って、大部分の 、例えば、少なくとも75%、好ましくは85%の塩基性の副生成物が除かれた後に 、過程dにおいて、酸または酸性触媒の添加を行う。 適当な触媒は、無機酸、特にリン酸、酸性塩、フマル酸およびフマル酸モノア ンモニウムの中から選択される。好ましくは、この触媒を反応液から分離して、 再使用する。例えば、これを、水に不溶性の生成物、例えばポリスクシンイミド からは、洗浄によって分離するか、または、水溶性の重合体生成物、例えばポリ アスパラギン 酸およびその塩からは、膜分離によって分離することができるだろう。 例えば前記の陽イオン交換処理によって生成したフマル酸モノアンモニウムを 、フマル酸およびフマル酸ジアンモニウムに不均化することによって、触媒とし て用いるフマル酸が生成するだろう。比較的弱い塩基の抽出剤または吸着剤と接 触させることによって、この不均化を行えるだろう。それらの抽出剤または吸着 剤のpKaは、好ましくは5未満、より好ましくは4未満である。抽出剤または吸 着剤に結合したフマル酸の回収は、好ましくは、温度を上げて、水で洗浄するこ とによる。 反応機の壁の温度は、200℃以上に達するだろう。それらと、生成した縮合生 成物との直接接触を、好ましくは避ける。これは、溶媒の存在によって達成でき るだろう。適当な特性を有する溶媒を選択することによって、この溶媒は、いく らかの付加的な機能を有するだろう。水と共に共沸混合物を形成する溶媒、例え ばブタノールは、蒸気相への水の除去を促進する。このために、この共沸混合物 の沸点は、最大の反応混合液の沸点より低いことが好ましい。この溶媒は、いく つかの不純物を溶解し、よってこれを取り除くことができる。他の溶媒は、生成 した縮合物を溶解し、よって縮合、および不純物からのそれの分離を促進するこ とができる。好ましい実施形態では、この溶媒は、アスパラギン酸塩との中間生 成物、例えばエステル、を形成することができるアルカノールである。それらに よって、塩基性副生成物の除去が促進され、アスパラギン酸縮合の次の過程に、 縮合生成物(これから既に水が除去されている)を容易に供給することができる 。 好ましい実施形態では、加熱過程で生成したアスパラギン酸の縮合物は、アス パラギン酸エステル、ポリスクシンイミド、ポリアス パラギン酸およびこの塩の中から選択される。 加水分解によって、ポリスクシンイミドをポリアスパラギン酸またはこの塩に 変換することができる。より詳しくは、ポリスクシンイミドを、水酸化カリウム 水溶液と、好ましくは温かな溶液中で反応させる場合、ポリアスパラギン酸のカ リウム塩が生成する。ポリスクシンイミドは、水に溶解しないが、ポリアスパラ ギン酸塩の溶解性は高い。このことから、この生成物を精製するための追加方法 が提供される。ポリスクシンイミドが溶媒溶液中で得られる場合、この加水分解 によって、それが水溶液中に移動するので、より高い純度が得られる。 本縮合物、特にポリスクシンイミドは、加熱過程の最中に、いくらか着色する だろう。このポリスクシンイミドの着色の一部は、加水分解によって生成するポ リアスパラギン酸およびこの塩にまで及ぶだろう。酸化剤によって漂白すること が提案された。希望しない試薬を用いて、この様な漂白をすることによって、廃 棄管理上の問題点が生じるだろう。そしてそれによって本生成物に損傷が与えら れるかもしれない。従って、これは、最小限にするべきであり、そしてできるな らば、これを避けるべきである。過剰な加熱を注意深く制御することによって、 特に、好ましい反応機を用い、そして溶媒の存在下に制御することによって、着 色が非常に有意に減少することが判った。吸着樹脂および活性物質によって、着 色を除けるだろう。特に、ポリアスパラギン酸およびこの塩などの縮合物の水溶 液に対して、他の精製方法、例えば膜濾過、イオン交換および溶媒抽出を用いる ことができる。 次の実施例において、特定の好ましい実施形態に関連させて、本発明を記載し 、そして本発明の各側面をより完全に理解する様にする。しかし、本発明を、こ れらの特定な実施形態に限定するつもり はない。逆に、請求の範囲で定義した本発明に含まれるであろう全ての改修、修 飾および相同なものを網羅するつもりである。従って、好ましい実施形態が記載 された次の実施例は、本発明の実際を解説するためにある。この記載は、実際の 例に従い、そして本発明の好ましい実施形態を解説する目的で、そして最も有用 であると思われることを提供し、本発明の調製方法および原理概念を容易に理解 するために、ある。 実施例 1270gデキストロース,17.5g(NH4)2SO4,4g MgSO4 7H2O,3g KH2PO4,0.5g Zn SO4 7H2O,0.1g FeCl3 6H2O,5gの穀物浸せき液および960g CaCO3を含んでいる1 0 literの無菌溶液に、リゾプス・アルヒザス菌株NRRL1526を縣濁して、34℃で 発酵する。 54時間発酵した後に、800gのフマル酸が、カルシウム塩として生成する。発酵 汁を濾過して、菌糸体およびフマル酸カルシウムのケーキを得る。これを2 lite rの冷水で洗浄する。この洗浄したケーキには、720gのフマル酸が、カルシウム 塩として含まれる。このケーキを、12 literの沸騰水中に縣濁して1時間撹拌す る。次にこれを、95℃で濾過して、フマル酸カルシウム溶液を得る。この濾液を 10℃で2時間冷却して、フマル酸カルシウムを結晶化させる。このフマル酸カル シウムを濾過し、1 literの冷水で洗浄し、そして乾燥させて、90%より高い純 度で、850gのフマル酸カルシウムを得る。このフマル酸カルシウム790gを、アン モニア(180g)水溶液(4.5 liter)中に縣濁し、そしてpHが9.5になるまで、二酸化 炭素を通気する。炭酸カルシウム沈殿を濾過して、冷水で洗浄する。540gのフマ ル酸を含んでいる4.5 literのフマル酸ジアンモニウム溶液が得られる。この溶 液を、75℃に加熱して、5 lietrの陽イオン交換カ ラムに通す。このカラムを、3 literの水で洗浄する。このカラムを、カラムAと する。500gのフマル酸を主にフマル酸モノアンモニウムとして含んでいる5 lite rの流出液を、減圧下に70℃で濃縮し、そして2 literの濃縮液を得る。10℃で2 時間冷却した後に、純度99%のフマル酸モノアンモニウム結晶を得る。この結晶 を濾過によって分離し、そして75℃で水に溶解する。前記のフマル酸ジアンモニ ウム溶液を通した後のカラムAから取り出した樹脂を詰めた2 literのカラムBに 、この溶液を通す。次に、このカラムBを水で洗浄する。180gのフマル酸をジア ンモニウム塩として含んでいる1.5 literの溶液が得られる。この溶液を、細菌 シュードモナス・フルオレッセンス(P.fluorescens)ATCC21973によって58℃で処 理し、35時間後に、分子収量95%超で、フマル酸ジアンモニウムをアスパラギン 酸アンモニウムに変換する。 150gの純粋なNデカノールを、最初に、4首の500ml風船型フラスコ内に入れ、 そしてこれを温度調節機付きの油浴で加熱する。各首は、1つは撹拌用であり、 1つは温度測定用であり、1つは反応体添加用であり、1つはガス回収用であり 、これには水凝縮器が接続されていて、水で外部冷却される2 literの受容器が 付いている。デカノールを150℃に加熱し、そして温度調節機によって、この温 度を保ちながら、800mlのアスパラギン酸アンモニウム溶液(150gアスパラギン 酸)を、3時間かけて反応器に点滴する。また、反応容量を一定に保つために、 デカノールを加える。この最中に、水およびアンモニアを、反応溶媒から連続的 に取り除き、そして添加の最後には、温度調節機を210℃に設定する。水の共沸 混合性の蒸留は180℃で始まり、それに連れて、反応溶媒中に縣濁された固体が ピンク色に変わる。30分後に、温度調節機を230℃に設定する。水の共沸混合性 の蒸留が続き、それに連れて、その色が、ピンクか らオレンジピンクに変わる。30分後に油浴をはずし、そしてこの反応溶媒を、一 定に撹拌しながら1時間内に90℃まで冷却する。次に、この反応溶媒を濾過し、 そしてそのケーキを、100mlの無水アルコールで5回洗浄する。この洗浄によっ て、濾液中の着色がいくらか除かれる。このケーキを、減圧下に40℃で乾燥させ 、95gのオレンジピンクの細粉末を得る。前記の受容器内のアンモニアの窒素分 析から、前記のアスパラギン酸塩溶液に最初に存在したアンモニアの96%超が取 り除かれること、そしてこの重縮合反応中に、約2モルの水が生成することが示 される。 この固体50gを、40℃で50gの水に縣濁し、そしてpHが10未満である様に、化 学当量の50%水酸化カリウム溶液を点滴して加える。そのポリスクシンイミドが 溶解し、アルファ−ベータ−ポリアスパラギン酸のカリウム塩が生成する。全窒 素およびアミノ窒素を測定すると、アミノ窒素に対する全窒素の割合は、165で あることが判った。これは、ポリアスパラギン酸の分子量が20000ダルトンであ ることを意味する。 本発明が、前記の実施例に限定されないこと、および、本発明の本質的特性か ら逸脱することなく、別の形で本発明を実施できることは、当業者にとって明ら かであろう。従って、本明細書の実施形態および実施例は、全ての点で、請求の 範囲を説明するための参考であり、これを限定するためのものではない。従って 、請求の範囲内に含まれる全ての改修が、本明細書に含まれる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年11月16日(1998.11.16) 【補正内容】 アスパラギン酸重縮合物の製造方法 本発明は、アスパラギン酸重縮合物(本明細書では、これはアスパラギン酸縮 合物とも記載されている)の製造方法に関する。本発明は、特に、発酵経路によ って、炭水化物からアスパラギン酸重縮合物を製造する方法に関する。 アスパラギン酸は、分子式HOOCCH2CH(NH3)COOの酸性アミノ酸である。これは 、アスパルテーム甘味料などの製品、および生物分解性の重合体ポリアスパラギ ン酸(PAA)の生産に用いられる。これは、洗浄剤において、共ビルダー(cobuilde r)または金属イオン封鎖剤(sequestrant)として、そして強力吸収剤(superabsor bent)として利用することができ、さらにその他にも適用することができる。PAA の生物分解活性は、非常に魅力的であり、そしてその潜在的な市場は大きい。し かし、これは、低コストのアスパラギン酸の利用性、および汚染の無いアスパラ ギン酸の調製方法に、強く依存している。 アスパラギン酸、あるいは、フマル酸および/またはマレイン酸(もしくは無 水マレイン酸)を含む組成物、およびアンモニアを、約200℃以上に加熱するこ とによって、その重縮合が起き、ポリスクシンイミドが生成する。これが加水分 解されて、ポリアスパラギン酸またはこの塩が生成する。これらの生成物は、低 リン酸の環境に優しい洗浄剤組成物において用いられるだろう。現在、これらの 洗浄剤には、ポリカルボン酸、例えばポリアクリル酸が含まれている。これらの ポリカルボン酸には、生物分解性が無いという重大な欠点がある。アスパラギン 酸から製造されるポリアスパラギン酸は、完全に生物分解性を有する(一方、フ マル酸、マレイン酸または無水マレイン酸から形成されたものは、これを有さな い)。しかし 、十分に確立したポリカルボン酸に代えて用いるためには、このポリアスパラギ ン酸が、価格的に匹敵する必要がある。これは、現在の技術に基づく場合、コス ト的にほとんど不可能である。 WO93/23452には、ポリアスパラギン酸の塩の調製方法であって、マレイン酸お よびアンモニアを、200-300℃で反応させること(ここで、アンモニアは、過剰 のモル濃度で含まれる)、および水酸化物を加えることによって生成したポリマ ーを塩に変換すること、を含んでいる前記方法が記載および特許請求されている 。 従来技術に関する次の文献の記載に注意する。 米国特許4839461には、マレイン酸およびアンモニアからポリアスパラギン酸 を作る方法であって、4-6時間以上に亘って温度を120-150℃にまで上げて、そし てそれを0-2時間保つことによって、前記成分(モル比1:1-1.5)を反応させること による前記方法が開示されている。 米国特許5057597には、アスパラギン酸を重縮合して、ポリアスパラギン酸を 生産する方法であって、流動床反応器(fluidized bed reactor)において、窒素 ガス下に、221℃で3-6時間加熱し、次に通常のアルカリ性加水分解することによ る前記方法が開示されている。 Kovacs et al.(J.Org.Chem.,25,1084(1961))は、アスパラギン酸を、200℃で 減圧下で120時間加熱するか、または、沸騰するテトラリン中で100時間以上に亘 って加熱することによって、ポリアスパラギン酸を調製した。Kovacs et al.は 、アスパラギン酸の熱重合化において形成される中間体がポリスクシンイミドで あったことを示した。 WO95/00479には、L-アスパラギン酸の重縮合によって生産された無水ポリアス パラギン酸を加水分解することによって、平均分子量 が1000〜5000であるポリアスパラギン酸が生産され、そして「時間対温度」の関 係分布を利用すると、80%を超えて変換が起き得ることが記載されている。 前記文献では、従来技術に関する次の記載に注意する。 ポリアスパラギン酸を生産するためのアスパラギン酸の熱縮合が、Etsuo Koku futa et al.,“Temperature Effect on the Molecular Weight and the Optica l Purity of Anhydropolyaspartic Acid Prepared by Thermal Polycondensatio n”.Bulletin of the Chemical Society of Japan 51(5):1555-1556(1978).に 教示されている。Kokufuta et al.は、この方法によって生産されるポリアスパ ラギン酸の分子量が、反応温度を上げるに連れて、増加することを教示している 。さらに、アスパラギン酸の、無水ポリアスパラギン酸への変換の最大の比率は 、163-218℃(325-425°F)の油浴温度を用いる場合、68%以下であることが示唆 されている。 Brenda J.Little et al.,“Corrosion Inhibition By Thermal Polyasparta te”Surface Reactive Peptides and Polymers pp 263-279,American Chemist ry Society Symposium Series 444(1990)による、より最近の研究には、Kokuf uta et al.のものが引用されている。報告によると、粉末アスパラギン酸から 無水ポリアスパラギン酸を生産するために、24-96時間以上に亘って、190℃(374 °F)の油浴温度が用いられた。しかし、この報告結果は、Kokufuta et al.によ る報告より良くはなかった。 現在では、無水マレイン酸が、石油化学的方法によって生産され、そしてフマ ル酸に異性化される。この1モルを、2モルのアンモニアと反応させて、フマル 酸ジアンモニウム溶液を形成させ、そしてこれを、酵素的方法によって、アスパ ラギン酸モノアンモニウムに変換(生物変換)する。 驚くことに、炭水化物の発酵から得られるアスパラギン酸の塩を、酸性化およ びアスパラギン酸の結晶化による精製に頼ることなく、水を除去することによっ て、縮合させることができることが判った。従って、酸性化に用いる酸の消費、 および希望しない副産物の生成を避けられる。また、この方法では、本方法の別 の過程において試薬として用いることができる塩基性化合物が、副産物として生 成することも判った。従って、試薬のコストが減る。さらにまた驚くことに、炭 水化物の発酵によるポリアスパラギン酸の生成は、石油化学的に形成されたフマ ル酸から始める場合に比べて、より安くなり得ることが判った。 炭水化物からアスパラギン酸重縮合物を製造する方法であって、 a)フマル酸生産微生物によって炭水化物含有培地を発酵して、それによって フマル酸塩を含有する発酵汁が形成され、フマル酸塩を形成させるために、前記 発酵汁中に生成するフマル酸の中和剤として塩基を用いる過程; b)前記のフマル酸塩から、精製したフマル酸アンモニウム溶液を形成させる 過程; c)前記の精製したフマル酸アンモニウムを、精製したアスパラギン酸アンモ ニウムに、90-100%の分子収量で、アスパルターゼ処理によって酵素的に変換す る過程; d)前記の精製したアスパラギン酸アンモニウムから得られるアスパラギン酸 塩水溶液を加熱し、それによって水が除去されて、アスパラギン酸重縮合物が生 成し、そして前記アスパラギン酸塩の陽イオンを含んでいる塩基性の副生成物が 生成する過程;および e)前記の塩基性副生成物を回収して、そして本方法の別の過程において試薬 として用いる過程; を含んでいる前記方法。 好ましくは、前記のアスパラギン酸塩は、アンモニウム、低分子量アミン、ア ルカリ金属およびアルカリ土類金属のアスパラギン酸塩の中から選択される。最 も好ましい前記アスパラギン酸塩は、アスパラギン酸アンモニウムである。 フマル酸アンモニウムは、アスパラギン酸アンモニウムに酵素的に変換される 。普通、この変換は、少し塩基性の培地中で行われるので、フマル酸ジアンモニ ウムが、この基質となる。発酵で生成したフマル酸アンモニウムが、前記の酵素 的変換に供給され得る(本明細書では、特に限定されていない場合、用語「フマ ル酸アンモニウム」は、フマル酸モノアンモニウム、フマル酸ジアンモニウムま たはこれらの組み合わせを指す)。例えば、本発酵によって別のフマル酸塩がで きる場合、例えば、中和剤が炭酸カルシウムであり、そして生成物がフマル酸カ ルシウムである好ましい実施形態の場合には、この塩はフマル酸アンモニウムに 変換される。好ましくは、これは、アンモニア、炭酸アンモニウムまたは重炭酸 アンモニウムとの直接的または間接的反応によって行われる。 最も好ましい実施形態は、イスラエルの明細書116849に記載されている。本発 酵において生成するフマル酸カルシウム沈殿を、発酵汁から分離し、洗浄し、水 または前過程からの水溶液に縣濁し、そして温度を上げて溶解する。必要なら、 膜濾過、イオン交換、活性炭処理、溶媒抽出などの方法によって、このフマル酸 カルシウム溶液を精製することができる。次に、好ましくは、これを再結晶化す る。再結晶化後に、これを、アンモニアおよび二酸化炭素、または炭酸アンモニ ウムもしくは重炭酸アンモニウムと反応させる。好ましくは、この反応溶媒のpH を、最初に、約10-11に合わせる。高温、および高圧の二酸化炭素は必要ではな い。この反応において、フマル酸カルシウムは、フマル酸アンモニウムに変換さ れる。この反応において、水の量を調整して、生成するフマル酸アンモニウムが 、確実に、好ましくは10%超、さらに好ましくは13%超に、濃縮されるようにす る。副産物として、炭酸カルシウムが生成し、そのフマル酸アンモニウム溶液か ら分離され、そして炭水化物からフマル 酸への発酵において、中和剤として再使用される。 請求の範囲 1.炭水化物からアスパラギン酸重縮合物を製造する方法であって、 a)フマル酸生産微生物によって炭水化物含有培地を発酵して、それによって フマル酸塩を含有する発酵汁が形成され、フマル酸塩を形成させるために、前記 発酵汁中に生成するフマル酸の中和剤として塩基を用いる過程; b)前記のフマル酸塩から、精製したフマル酸アンモニウム溶液を形成させる 過程; c)前記の精製したフマル酸アンモニウムを、精製したアスパラギン酸アンモ ニウムに、90-100%の分子収量で、アスパルターゼ処理によって酵素的に変換す る過程; d)前記の精製したアスパラギン酸アンモニウムから得られるアスパラギン酸 塩水溶液を加熱し、それによって水が除去されて、アスパラギン酸重縮合物が生 成し、そして前記アスパラギン酸塩の陽イオンを含んでいる塩基性の副生成物が 生成する過程;および e)前記の塩基性副生成物を回収して、そして本方法の別の過程において試薬 として用いる過程; を含んでいる前記方法。 2.前記縮合物のアスパラギン酸部分が、主にL-体である、請求項1の方法。 3.過程(a)で用いる前記塩基が、アンモニア、並びに、アンモニウム、ア ルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩の中から 選択される、請求項1の方法。 4.前記塩基が、アンモニアである、請求項1の方法。 5.前記発酵において、アルカリ土類金属の塩基を中和剤として 用い、そして、そのアルカリ土類金属のフマル酸塩が形成され、そして、アルカ リ土類金属の塩基を再生する方法において、これがフマル酸アンモニウムに変換 される、請求項1の方法。 6.前記のアルカリ土類金属のフマル酸塩を、前記のフマル酸アンモニウムへ の変換の前に、精製する、請求項5の方法。 7.前記のアスパラギン酸塩が、アスパラギン酸アンモニウム、並びに、低分 子量アミン、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアスパラギン酸塩の中から 選択される、請求項1の方法。 8.前記の加熱過程において生成する前記アスパラギン酸重縮合物が、アスパ ラギン酸エステル、ポリスクシンイミド、ポリアスパラギン酸およびこの塩の中 から選択される、請求項1の方法。 9.前記アスパラギン酸塩の陽イオンを含んでいる前記の塩基性副生成物が、 アンモニア、低分子量アミン、並びに、アンモニウム、アルカリ金属およびアル カリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩の中から選択される、請求項1 の方法。 10.前記の塩基性副生成物を、前記方法の発酵過程(a)において、中和剤と して用いる、請求項9の方法。 11.前記の塩基性副生成物が、アンモニアおよび低分子量アミンから選択され 、そして過程(a)において生成したフマル酸アンモニウム以外のフマル酸塩を フマル酸アンモニウムに変換するために用いられる、請求項9の方法。 12.前記の塩基性副生成物が、低分子量アミン、並びに、アンモニウム、アル カリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩の中から選 択され、そして過程(c)において生成したアスパラギン酸アンモニウムを、過 程(d)において用いるアスパラギン酸塩に変換するために用いられる、請求項 9の方法。 13.(i)前記発酵から得られるフマル酸ジアンモニウムを含む 水溶液を、少なくとも部分的に酸性型である陽イオン交換体に接触させて、それ によってアンモニウムイオンが前記の陽イオン交換体に吸着され、そして前記の フマル酸ジアンモニウムの一部が、フマル酸モノアンモニウムに変換される過程 ; (ii)前記のアンモニウムイオンを保持した陽イオン交換体から、その水溶液 を分離する過程;および、 (iii)前記溶液からフマル酸モノアンモニウムを分離して、これをフマル酸ジ アンモニウムに変換し、そしてアスパラギン酸アンモニウムへの酵素的変換にお いて、このフマル酸ジアンモニウムを用いる過程; が、追加されて含まれる、請求項1の方法。 14.前記フマル酸モノアンモニウムが精製される、請求項13の方法。 15.前記フマル酸モノアンモニウムを、前記のアンモニウムイオンを保持した 陽イオン交換体に接触させて、それによって、その陽イオン交換体が、少なくと も部分的に酸性型に変換され、そしてフマル酸モノアンモニウムが、フマル酸ジ アンモニウムに変換される、請求項13の方法。 16.前記の変換された陽イオン交換体が、請求項13の過程(i)において再使 用され、そして前記のフマル酸ジアンモニウムが、アスパラギン酸アンモニウム への酵素的変換において用いられる、請求項15の方法。 17.前記のアスパラギン酸重縮合物が、ポリアスパラギン酸およびこの塩の中 から選択される、請求項1の方法。 18.前記のアスパラギン酸塩が、アスパラギン酸アンモニウムであり、アンモ ニアが、加熱中に放出され、そして前記の過程の1つにおいて再使用される、請 求項1の方法。 19.前記塩基性副産物の大部分が除かれた後に、過程(d)において、酸性触 媒を加える、請求項1の方法。 20.前記の加熱される溶液にガスが通気される、請求項1の方法。 21.前記のガスが、二酸化炭素である、請求項20の方法。 22.前記の炭水化物が、デキストロースおよび糖蜜の中から選択される、請求 項1の方法。 23.過程(d)の加熱が、各管に静的混合機を備えた多重管の熱交換機におい て、行われる、請求項1の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ビットナー,アッシャー イスラエル国,96750 イェルサレム,ス ターン ストリート 31/13 (72)発明者 カミ,ピエール フランス国,エフ―80190 ラーングボワ サン,ルート ドゥ モイアンクール (72)発明者 メリー,エマニュエル フランス国,エフ―91940 レ ユリ,リ ュ デ ベルジュレ,31 (72)発明者 シャットワイ,トーマス ベルギー国,ベ―1410 ワーテルロー,ド レーブ ドゥ ムーラン 45アー (72)発明者 ジャーリー,ブルーノ フランス国,エフ―75018 パリ,リュ サン バンサン,11 (72)発明者 モル,ジョエル フランス国,エフ―91940 ドゥルダン, アブニュ デタンペ,49

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.炭水化物からアスパラギン酸縮合物を製造する方法であって、 a)フマル酸生産微生物によって炭水化物含有培地を発酵して、それによって フマル酸塩を含有する発酵汁が形成される過程; b)前記のフマル酸塩を含有する発酵汁から、精製したフマル酸アンモニウム 溶液を形成させる過程; c)前記の精製したフマル酸アンモニウムを、精製したアスパラギン酸アンモ ニウムに、酵素的に変換する過程; d)前記の精製したアスパラギン酸アンモニウムから得られるアスパラギン酸 塩水溶液を加熱し、それによって水が除去されて、アスパラギン酸縮合物が生成 し、そして前記アスパラギン酸塩の陽イオンを含んでいる塩基性の副生成物が生 成する過程;および e)前記の塩基性副生成物を回収して、そして本方法の別の過程において試薬 として用いる過程; を含んでいる前記方法。 2.前記縮合物のアスパラギン酸部分が、主にL-体である、請求項1の方法。 3.前記発酵において、塩基を中和剤として用いる、請求項1の方法。 4.前記塩基が、アンモニア、並びに、アンモニウム、アルカリ金属およびア ルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩の中から選択される、請求項 3の方法。 5.前記塩基が、アンモニアである、請求項3の方法。 6.前記発酵において、アルカリ土類金属の塩基を中和剤として用い、そして 、そのアルカリ土類金属のフマル酸塩が形成され、そ して、アルカリ土類金属の塩基を再生する方法において、これがフマル酸アンモ ニウムに変換される、請求項3の方法。 7.前記のアルカリ土類金属のフマル酸塩を、前記のフマル酸アンモニウムへ の変換の前に、精製する、請求項6の方法。 8.前記のアスパラギン酸塩が、アスパラギン酸アンモニウム、並びに、低分 子量アミン、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアスパラギン酸塩の中から 選択される、請求項1の方法。 9.前記の加熱過程において生成する前記アスパラギン酸縮合物が、アスパラ ギン酸エステル、ポリスクシンイミド、ポリアスパラギン酸およびこの塩の中か ら選択される、請求項1の方法。 10.前記アスパラギン酸塩の陽イオンを含んでいる前記の塩基性副生成物が、 アンモニア、低分子量アミン、並びに、アンモニウム、アルカリ金属およびアル カリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩の中から選択される、請求項1 の方法。 11.前記の塩基性副生成物を、前記方法の発酵過程aにおいて、中和剤として 用いる、請求項10の方法。 12.前記の塩基性副生成物が、アンモニアおよび低分子量アミンから選択され 、そして過程aにおいて生成したフマル酸アンモニウム以外のフマル酸塩をフマ ル酸アンモニウムに変換するために用いられる、請求項10の方法。 13.前記の塩基性副生成物が、低分子量アミン、並びに、アンモニウム、アル カリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩の中から選 択され、そして過程cにおいて生成したアスパラギン酸アンモニウムを、過程d において用いるアスパラギン酸塩に変換するために用いられる、請求項10の方法 。 14.(i)前記発酵から得られるフマル酸ジアンモニウムを含む水溶液を、少 なくとも部分的に酸性型である陽イオン交換体に接触 させて、それによってアンモニウムイオンが前記の陽イオン交換体に吸着され、 そして前記のフマル酸ジアンモニウムの一部が、フマル酸モノアンモニウムに変 換される過程; (ii)前記のアンモニウムイオンを保持した陽イオン交換体から、その水溶液 を分離する過程;および、 (iii)前記溶液からフマル酸モノアンモニウムを分離して、これをフマル酸ジ アンモニウムに変換し、そしてアスパラギン酸アンモニウムへの酵素的変換にお いて、このフマル酸ジアンモニウムを用いる過程; が、追加されて含まれる、請求項1の方法。 15.前記フマル酸モノアンモニウムが精製される、請求項14の方法。 16.前記フマル酸モノアンモニウムを、前記のアンモニウムイオンを保持した 陽イオン交換体に接触させて、それによって、その陽イオン交換体が、少なくと も部分的に酸性型に変換され、そしてフマル酸モノアンモニウムが、フマル酸ジ アンモニウムに変換される、請求項14の方法。 17.前記の変換された陽イオン交換体が、請求項14の過程(i)において再使 用され、そして前記のフマル酸ジアンモニウムが、アスパラギン酸アンモニウム への酵素的変換において用いられる、請求項16の方法。 18.前記のアスパラギン酸縮合物が、ポリアスパラギン酸およびこの塩の中か ら選択される、請求項1の方法。 19.前記のアスパラギン酸塩が、アスパラギン酸アンモニウムであり、アンモ ニアが、加熱中に放出され、そして前記の過程の1つにおいて再使用される、請 求項1の方法。 20.前記塩基性副産物の大部分が除かれた後に、過程dにおいて 、酸性触媒を加える、請求項1の方法。 21.前記の加熱される溶液にガスが通気される、請求項1の方法。 22.前記のガスが、二酸化炭素である、請求項21の方法。 23.前記の炭水化物が、デキストロースおよび糖蜜の中から選択される、請求 項1の方法。 24.過程dの加熱が、各管に静的混合機を備えた多重管の熱交換機において、 行われる、請求項1の方法。
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