JP2001356455A - カプラーおよびハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents
カプラーおよびハロゲン化銀カラー写真感光材料Info
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Abstract
する色素の保存安定性に優れたカプラーを提供すること
である。従来よりも薄層化し、従来以上に迅速処理適性
と高精細化が実現され、色像の保存安定性、特に光堅牢
性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式(I)で表わされるカプラー
とそれを含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、または複素環基を表す。Lは−CO
−、−SO2−を表し、Xは水素原子または現像主薬の
酸化体とのカップリングにより離脱可能な置換基を表
す。)
Description
有するカプラー、特に写真用カプラー及び該カプラーを
含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するもの
であり、さらに詳しくは、溶解性に優れると同時に生成
する色素の光堅牢性が改良され、安価に製造が可能なカ
プラー、及び該カプラーを含有するハロゲン化銀カラー
写真感光材料に関するものである。
高精細化には、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の薄層
化が有効であることは良く知られている。また近年、写
真処理の簡易迅速化への要求が大きくなりつつあるが、
この迅速化にも感光材料の薄層化は効果的である。写真
用カプラーの研究は盛んに行なわれており、例えば、マ
ゼンタカプラーとしては、米国特許第4,540,65
4号等に記載の1H−ピラゾロ[1,5−b]−1,
2,4−トリアゾールカプラー及び、米国特許第3,7
25,067号等に記載の1H−ピラゾロ[1,5−
c]−1,2,4−トリアゾールカプラーが良好なマゼ
ンタ色素を与えるとして開示されている。また、特開平
1−302249号や特開平6−43611号等に記載
された6位に三級アルキル基を有し、2位にフェニレン
基が置換した1H−ピラゾロ[1,5−b]−1,2,
4−トリアゾールカプラーは色像堅牢性が従来のものよ
り向上している。しかしながら、これらのピラゾロトリ
アゾール系マゼンタカプラーは、薄層化による更なる高
精細化、及び迅速処理適性付を行う場合、必ずしも満足
できるものでない。例えばカプラー自体の高沸点有機溶
媒に対する溶解性が低い場合、高沸点有機溶媒を多量に
用いることになり、更なる薄層化と逆行する。また、乳
剤層へ添加できた場合でも、現像処理されるまでの保存
経時で析出することがあり、カプラーの溶解性は重要な
課題である。
は、記録保存として用いられるカラー写真にとって重要
な課題であり、例えば、米国特許第3,725,067
号等に記載の1H−ピラゾロ[1,5−c]−1,2,
4−トリアゾールマゼンタカプラー等が提案されてい
る。しかしながら、光堅牢性の改良の要求は強く、更な
る光堅牢性の向上が望まれている。また、上述したよう
な溶解性と光堅牢性を併せ持つカプラーを安価に製造す
ることが可能かどうかも、カプラーの開発の大きな課題
として挙げられる。
に高沸点溶媒に対する溶解性に優れ、かつ生成する色素
の保存安定性に優れたカプラーを提供することである。
さらに、本発明の第二の目的は、従来よりも薄層化し、
従来以上に迅速処理適性と高精細化が実現されたハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料を提供することである。本発
明の第三の目的は色像の保存安定性、特に光堅牢性に優
れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することで
ある。第四の目的は安価な原料で製造可能であって、か
つ溶解性の向上と光堅牢性向上が両立したカプラーを提
供することである。
見地から、カプラーのバラスト基に溶解性向上と光堅牢
性向上の役割を持たせることを案出し、種々のバラスト
基の設計を行ない、種々のカプラーについて鋭意検討
し、本発明を完成するに至った。即ち、特定のバラスト
基を特定構造のピラゾロトリアゾール系カプラーに導入
することで、溶解性が向上し、かつ、該カプラーと現像
主薬酸化体とのカップリング反応で生成するアゾメチン
色素の光堅牢性が著しく向上することを見出した。ま
た、本発明のカプラーは安価な原料から短工程で製造す
ることが可能であることも見出した。本発明に係る一般
式(I)の化合物は、化合物aと化合物bとのアミド結
合形成反応でアミド基を導入して合成することができ
る。本発明のカプラーでは、このアミド基をいわゆるバ
ラスト基として作用させることができる。
るカプラー及び、該カプラーを含むハロゲン化銀カラー
写真感光材料によって達成された。
ラー。
アルキニル基、アリール基、または複素環基を表す。L
は−CO−、−SO2−を表し、Xは水素原子または現
像主薬の酸化体とのカップリングにより離脱可能な置換
基を表す。) (2)上記一般式(I)で表されるカプラーを含有する
ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
する。最初に、本発明の一般式(I)で表されるカプラ
ーについて説明する。一般式(I)において、Rはアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ま
たは複素環基を表す。アルキル基、アルケニル基、アル
キニル基は直鎖、分岐鎖または環状であってもよい。環
状である場合、これらは一般に、シクロアルキル基、シ
クロアルケニル基、シクロアルキニル基とも称され、本
発明では、これらの基をも含むものとして使用する。無
置換アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-
ブチル、t-ブチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、2-エ
チルブチル、2-メチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチ
ル、2-エチルヘキシル、n-デシル、n-テトラデシル、ア
ダマンチルが挙げられる。無置換アルケニル基として
は、例えば、ビニル、アリル、1-ブテニル、シス-2-ブ
テニル、トランス-2-ブテニル、オレイル、シクロヘキ
セニルが挙げられる。無置換アルキニル基としては、例
えば、プロパルギル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペン
チニルが挙げられる。これらのアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基は置換基によって置換されていても良
く、該置換基としては、例えば、以下のものが挙げられ
る。
アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロ
ポキシ、ドデシルオキシ、2-メトキシエトキシ)、アリ
ール基(例えば、フェニル、ナフチル、アントラニ
ル)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2-メト
キシフェノキシ、4-t-オクチルフェノキシ、ナフトキ
シ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチ
オ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ヘキサデシルチオ、
2-エトキシカルボニルプロピルチオ)、アリールチオ基
(例えば、フェニルチオ、2-ピバロイルアミドフェニル
チオ、2-ブトキシ-5-t-オクチルフェニルチオ、ナフチ
ルチオ、2-ブトキシカルボニルフェニルチオ)、アルキ
ルカルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチルカ
ルボニル、プロピルカルボニル、t-ブチルカルボニ
ル)、アリールカルボニル基(例えば、フェニルカルボ
ニル、ナフチルカルボニル、p-トルエンカルボニル)、
アルキルカルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキ
シ、プロピオニルオキシ、ヘプタノイルオキシ、2-エチ
ルヘキサノイルオキシ、シクロヘキサノイルオキシ、ピ
バロイルオキシ)、アリールカルボニルオキシ基(例え
ば、ベンゾイルオキシ、2-ブトキシベンゾイルオキシ、
2,5-ジクロロベンゾイルオキシ、3-オクチルオキシカル
ボニルベンゾイルオキシ)、
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロピルオキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル、オクチルオキシカルボ
ニル、ドデシルオキシカルボニル、2-エチルヘキシルオ
キシカルボニル)、カルボンアミド基(例えば、アセト
アミド、プロパンアミド、ヘキサデカンアミド、ピバロ
イルアミド、ベンツアミド、2-エトキシベンツアミド、
3-ドデシルオキシカルボニルプロパンアミド、4-テトラ
デシルオキシカルボニルブタンアミド)、スルホンアミ
ド基(例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホン
アミド、オクタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホ
ンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p-トルエンスルホ
ンアミド、2-オクチルオキシ-5-t-オクチルベンゼンス
ルホンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルア
ミノ、N,N-ジエチルアミノ、 t-ブチルアミノ、N,N-ジ-
n-ブチルアミノ、メチルエチルアミノ、N,N-ジ-n-オク
チルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、アミノフェ
ニル、アミノナフチル)、カルバモイル基(例えば、N-
メチルカルバモイル、N-ブチルカルバモイル、N-シクロ
ヘキシルカルバモイル、N-ドデシルカルバモイル、N-フ
ェニルカルバモイル、N,N-エチルカルバモイル、N,N-ジ
ブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N-
エチルスルファモイル、N-ブチルスルファモイル、N-ヘ
キサデシルスルファモイル、N-シクロヘキシルスルファ
モイル、N,N-ジブチルスルファモイル、N-フェニルスル
ファモイル、N-メチル-N-オクタデシルスルファモイ
ル)、
ル酸イミド、ヘキサデシルコハク酸イミド、オクタデシ
ルコハク酸イミド)、ウレタン基(例えば、メチルウレ
タン、エチルウレタン、t-ブチルウレタン、ドデシルウ
レタン、フェニルウレタン)、ウレイド基(例えば、N-
メチルウレイド、N-エチルウレイド、N-ドデシルウレイ
ド、N,N-ジブチルウレイド、N-フェニルウレイド、N-シ
クロヘキシルウレイド)、スルホニル基(例えば、メチ
ルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニ
ル、ブチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、オクチル
スルホニル、ドデシルスルホニル、ヘキサデシルスルホ
ニル、フェニルスルホニル)、複素環基(好ましくは、
環構成原子として窒素原子、酸素原子、イオウ原子を少
なくとも1個有する5〜7員の複素環基であり、例え
ば、ピリジル、キノリル、チエニル、モルホリル、ピペ
リジル、チアゾリル、ベンツイミダゾリル)、カルボキ
シル基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、無置換
アミノ基等が挙げられる。
ロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキ
ルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、
アルキルオキシカルボニル基、カルボンアミド基、シア
ノ基、ニトロ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、
アルコキシ基、カルボンアミド基、シアノ基である。こ
れらの置換基はさらに上記に例示した置換基で置換され
ていてもよい。
ニル、ナフチル、アントラニルが挙げられる。置換アリ
ール基の置換基としてはアルキル基(例えば、メチル、
エチル、プロピル、t-ブチル、シクロヘキシル、2-エチ
ルヘキシル、オクタデシル、アダマンチル)、及び、上
述のアルキル基の置換基として挙げた置換基が挙げられ
る。アリール基の置換基として好ましいものはハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキ
シ基、アルキルオキシカルボニル基、スルホンアミド
基、カルボンアミド基、シアノ基、ニトロ基であり、更
に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、シアノ基で
ある。これらの置換基はさらに上記に挙げた置換基で置
換されていてもよい。
環構成原子として窒素原子、酸素原子、イオウ原子を少
なくとも1個有する5〜7員の複素環基であり、さらに
好ましくは炭素数0〜20の複素環基であり、例えば、
ピリジル、フリル、チエニル、イミダゾリル、トリアゾ
リル、ピリミジル、オキサゾリル、チアゾリル、ピペラ
ジル、モルホリル、テトラヒドロピラニル、キノリル、
ベンツイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、カルバゾリ
ルが挙げられる。置換複素環基の置換基としては上記の
置換アリール基において記載した置換基と同じである。
複素環基として好ましいものは、ピリジル、フリル、オ
キサゾリル、チアゾリル、モルホリル、ベンツイミダゾ
リルである。
置換アルキル基、炭素数2〜50の無置換アルケニル
基、炭素数2〜50の無置換アルキニル基、炭素数1〜
50の置換アルキル基、炭素数2〜50の置換アルケニ
ル基、炭素数2〜50の置換アルキニル基、炭素数6〜
36のアリール基、炭素数6〜36の置換アリール基で
あり、より好ましくは炭素数2〜30の分岐アルキル
基、分岐アルケニル基、分岐アルキニル基、炭素数2〜
30の置換アルキル基、炭素数2〜30の置換アルケニ
ル基、炭素数2〜30の置換アルキニル基、炭素数6〜
20のアリール基、炭素数6〜25の置換アリール基で
ある。このうち、炭素数2〜30のアルキル基、炭素数
6〜20のアリール基が好ましい。最も好ましいのは炭
素数10〜20の分岐アルキル基である。
て、好ましくは−CO−である。一般式(I)におい
て、−NHCOCH2O−L−Rはベンゼン環上のどの
位置に結合していてもよい。好ましくはメタ位またはパ
ラ位であり、パラ位である場合が特に好ましい。
は、水素原子またはハロゲン原子、アリールオキシ基を
表す。本発明のカプラーにおいては、このハロゲン原子
またはアリールオキシ基であるXが現像主薬の酸化体と
のカップリング反応において離脱する。ハロゲン原子と
してはフッ素、塩素、臭素が挙げられる。アリールオキ
シ基は置換を有してもよいアリールオキシ基であり、置
換アリールオキシ基の置換基としては、前述のRにおけ
る置換アリール基で例示した置換基と同義である。また
該アリールオキシ基は好ましくは炭素数6〜20であ
る。アリールオキシ基としてはフェノキシ、4-メチルフ
ェノキシ、4-tert-ブチルフェノキシ、4-メトキシカル
ボニルフェノキシ、4-エトキシカルボニルフェノキシ、
2,4-ジメチルフェノキシが挙げられる。これらのうち、
Xはハロゲン原子、アリールオキシ基が好ましく、より
好ましくはハロゲン原子、最も好ましくは塩素原子であ
る。
(A)または(B)で合成可能であるが、どちらの合成
経路を経由するにしても、出発原料は安価で、入手が容
易な化合物である。このため、溶解性の向上と光堅牢性
の向上を両立する本発明のカプラーは安価な原料から合
成可能であることが判る。なお、反応式中のR、Lおよ
びXは一般式(I)の対応するものと同じである。
化合物の具体例を列記するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
発明はこれらによって限定されるものではない。
号等に記載されている)25.64g(100.42m
mol)をジメチルアセトアミド200mlに溶解し、
内温が10℃以下になるまで氷浴で冷却した。クロロ酢
酸クロリド9.6ml(120.53mmol)を内温
が15℃を越えないように、15分かけて滴下した。こ
の後、氷浴を取り去り、室温で2時間撹拌した。薄層シ
リカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢
酸エチル=1/1)にて反応終了を確認した後、500
mlの蒸留水中に投入した。生成する白色沈殿をろ集
し、蒸留水にて洗浄することにより、目的の化合物1を
32.55g(98.10mmol、収率98%)得
た。この化合物はこれ以上精製せず、次の反応に用い
た。
上記化合物1をジメチルアセトアミド300mlに溶解
し、60℃まで加熱した。これにイソパルミチン酸ナト
リウム51.87gを30分かけて滴下し、65℃で3
時間攪拌した。得られた反応液を蒸留水に投入し、室温
で20分間晶析した。生成する沈殿をろ集し、蒸留水で
洗浄した後、アセトニトリル300mlに懸濁させ、蒸
気浴にて30分還流した。室温まで放冷後、沈殿をろ別
して淡黄色の化合物2を得た。この化合物2を酢酸エチ
ル300ml、ジメチルアセトアミド300mlの混合
溶媒に溶解し、氷浴にて内温5℃まで冷却した。この溶
液にN−クロロコハク酸イミド24.89g(186.
40mmol)を反応溶液が10℃を越えない様に分割
添加した。添加終了後、氷浴を外し、室温にて一時間攪
拌した。シリカゲル薄層カラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル=1/1)にて反応の終了を確認
し、酢酸エチル/水混合溶媒に投入した。有機相で抽出
し、希塩酸で洗浄後、蒸留水で3回、飽和食塩水で1回
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、硫酸マグネ
シウムをろ別し、減圧にて溶媒を溜去した。得られた茶
褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル= 3/1)で精製し、アセトニトリ
ルで再結晶することにより、目的とする化合物M−4を
36.76g(62.73mmol、収率34%)得
た。m.p.168〜170℃。
代わりにミリスチン酸ナトリウム7.78g(31.0
8mmol)を用いて同様の反応を行なったところ、目
的とする化合物M−18を3.55g(5.99mmo
l、収率19.3%)得た。m.p.190〜193
℃。
プラーの使用量は感光材料1m2当たり0.001〜
3.0gが好ましく、更に好ましくは0.01〜1.0
gが好ましい。また、特に反射型感光材料の場合は0.
01〜0.8gが好ましく、更に好ましくは0.02〜
0.6gである。本発明において一般式(I)で表され
るカプラーはハロゲン化銀乳剤層やその隣接層に使用す
るのが好ましく、特に好ましくはハロゲン化銀乳剤層で
ある。ハロゲン化銀乳剤層に使用する場合には、ハロゲ
ン化銀1モル当たり0.001〜10モルで使用するの
が好ましく、更に好ましくは0.05〜2モルで使用す
るのが好ましい。
写真有用化合物をハロゲン化銀感光材料に導入するに
は、後述する高沸点有機溶媒を用いる水中油滴分散方法
やラテックス分散方法など公知の分散方法を用いること
ができる。水中油滴分散方法においてはカプラーやその
他写真有用化合物を高沸点有機溶媒中に溶解させ、親水
性コロイド中、好ましくはゼラチン水溶液中に、界面活
性剤等の分散剤と共に、超音波、コロイドミル、ホモジ
ナイザー、マントンゴーリン、高速ディゾルバー等の公
知の装置により、微粒子状に乳化分散することができ
る。水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の例は、特
開平5−313327号、同5−323539号、同5
−323541号、同6−258803号、同8−26
2662号、米国特許第2,322,027号などに記
載されている。
ックス分散法の工程、効果、含浸用のラテックスの具体
例は、米国特許第4,199,363号、西独特許出願
第(OLS)2,541,274号、同2,541,2
30号、特公昭53−41091号及び欧州特許公開第
029104号等に記載されており、また有機溶媒可溶
性ポリマーによる分散についてPCT国際公開第WO8
8/00723号及び特開平5−150420号等に記
載されている。メタクリレート系あるいはアクリルアミ
ド系ポリマーが好ましく、特に画像堅牢性の点でアクリ
ルアミド系ポリマーが好ましい。本発明のカプラーは高
沸点有機溶媒(必要に応じて低沸点有機溶媒を併用)に
溶解し、ゼラチン水溶液に乳化分散してハロゲン化銀乳
剤に添加する水中油滴分散法が好ましい。
沸点をいう。本発明において使用される高沸点溶媒とし
ては、フタル酸エステル類〔例えば、ジブチルフタレー
ト、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ
−tert−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−
ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス
(1,1−ジエチルプロピル)フタレート〕、リン酸又
はホスホン酸のエステル類(例えば、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキ
シルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホス
フェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、ト
リドデシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェ
ート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ−2−エチ
ルヘキシルフェニルホスホネート)、安息香酸エステル
類(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、ドデシ
ルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシ
ベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチル
ドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド、N
−テトラデシルピロリドン)、スルホンアミド類(例え
ば、N−ブチルベンゼンスルホンアミド)、アルコール
類又はフェノール類(イソステアリルアルコール、2,
4−ジ−tert−アミルフェノール)、
ス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼ
レート、グリセロールトリブチレート、イソステアリル
ラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導
体(N, N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オ
クチルアニリン等)、炭化水素類(例えば、パラフィ
ン、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン)、
塩素化パラフィン類等が挙げられる。また、特開平6−
258803号、同8−262662号に記載の水素供
与性化合物が色相を調節する目的で、好ましく用いるこ
とができる。さらに、環境に対する負荷を軽減するた
め、フタル酸エステル類に代えて、欧州特許EP−96
9320A1号、同EP−969321A1号を使用す
ることは好ましく、これら以外にも、クエン酸トリブチ
ル、ペンタグリセリントリエステルなどが挙げられる。
きる高沸点有機溶媒の例は米国特許第2,322,02
7号や特開平10−221825号等に記載されてい
る。発色性、色再現性、画像堅牢性の観点から好ましい
高沸点有機溶媒の具体例を以下に示す。
際に、更に補助溶媒を用いることができる。ここで言う
補助溶媒とは、乳化分散時に有効な有機溶媒で、塗布時
の乾燥工程後には実質上感光材料から除去されているも
のを言い、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルのごとき低
級アルコールのアセテート、プロピオン酸エチル、se
c−ブチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、β−エトキシエチルアセテート、メチ
ルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテー
ト、メチルカルビトールプロピオネートやシクロヘキサ
ン等が挙げられる。
機溶媒、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、アセトン、テトラヒドロフランやジメチルホルムア
ミド等を一部併用することができる。またこれらの有機
溶媒は2種以上を組合わせて用いることもできる。ま
た、乳化分散物状態での保存時の経時安定性改良、乳剤
と混合した塗布用最終組成物での写真性能の変化の抑制
・経時安定性改良等の観点から、必要に応じて乳化分散
物から、減圧蒸留、ヌードル水洗あるいは限外ろ過など
の方法により、補助溶媒の全て、または一部を除去する
ことができる。
物の平均粒子サイズは0.04〜0.50μmが好まし
く、更に好ましくは0.05〜0.30μmであり、最
も好ましくは0.08〜0.20μmである。平均粒子
サイズは、コールターサブミクロン粒子アナライザー
model N4(コールターエレクトロニクス社)等
を用いて測定できる。親油性微粒子分散物の平均粒子サ
イズが大きいとカプラーの発色効率が低下したり、感光
材料の表面の光沢性が悪化するなどの問題を起こしやす
く、サイズが小さすぎると分散物の粘度が上昇し、製造
時に取扱いにくくなる。
機溶媒およびその他写真有用化合物の使用量は少ない方
が好ましく、カプラーに対する両者の合計は質量比で、
好ましくは0.05〜8.0であり、更に好ましくは
0.1〜3.0、最も好ましくは0.1〜2.5であ
る。また、高活性のカプラーを用いることで、高沸点有
機溶媒を全く使用しないで用いることも可能である。
含有する層を支持体上に少なくとも1層有すればよく、
本発明のカプラーを含有する層としては、支持体上の親
水性コロイド層であればよい。一般的な感光材料は、支
持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化
銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも
一層ずつこの順で塗設して構成することができるが、こ
れと異なる順序であっても良い。また、赤外感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層を前記の感光性乳剤層の少なくとも一つ
の代わりに用いることもできる。これらの感光性乳剤層
には、それぞれの波長域に感度を有するハロゲン化銀乳
剤と、感光する光と補色の関係にある色素を形成するカ
ラーカプラーを含有させることで減色法の色再現を行う
ことができる。ただし、感光性乳剤層とカラーカプラー
の発色色相とは、上記のような対応を持たない構成とし
ても良い。本発明においては特に緑感性ハロゲン化銀乳
剤層にマゼンタカプラーとして使用することが好まし
い。
なるが、好ましくは2.0〜7.0、更に好ましくは
3.0〜6.0である。本発明のカプラーからなる親油
性微粒子分散物の分散媒体に対する使用量は、好ましく
は質量比で分散媒体1に対して2〜0.1、更に好まし
くは、1.0〜0.2の範囲である。ここで分散媒体と
しては、例えばゼラチンが代表的であり、ポリビニルア
ルコール等の親水性ポリマーが挙げられる。親油性微粒
子分散物は、本発明のカプラーとともに、目的に応じて
種々の化合物を含有することができる。
共に欧州特許EP0277589A2号明細書に記載の
ような色像保存性改良化合物を使用することが好まし
い。特に、本発明の一般式(I)で表されるピラゾロア
ゾールカプラーとの併用が好ましい。即ち、発色現像処
理後に残存する芳香族アミン系現像主薬と化学結合し
て、化学的に不活性でかつ実質的に無色の化合物を生成
する前記特許明細書中の化合物および/または発色現像
処理後に残存する芳香族アミン系発色現像主薬の酸化体
と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無色の
化合物を生成する前記特許明細書中の化合物を同時また
は単独に用いることが、例えば処理後の保存における膜
中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反応
による発色色素生成によるステイン発生その他の副作用
を防止する上で好ましい。
その他従来公知の写真用素材や添加剤を使用できる。例
えば写真用支持体としては、透過型支持体や反射型支持
体を用いることができる。透過型支持体としては、セル
ロースナイトレートフィルムやポリエチレンテレフタレ
ートなどの透明フィルム、更には2,6−ナフタレンジ
カルボン酸(NDCA)とエチレングリコール(EG)
とのポリエステルやNDCAとテレフタル酸とEGとの
ポリエステル等に磁性層などの情報記録層を設けたもの
が好ましく用いられる。反射型支持体としては特に複数
のポリエチレン層やポリエステル層でラミネートされ、
このような耐水性樹脂層(ラミネート層)の少なくとも
一層に酸化チタン等の白色顔料を含有する反射支持体が
好ましい。
としては、ハロゲン化銀乳剤層を設ける側の紙基体上に
微小空孔を有するポリオレフィン層を有していることが
挙げられる。ポリオレフィン層は多層から成っていても
よく、その場合、好ましくはハロゲン化銀乳剤層側のゼ
ラチン層に隣接するポリオレフィン層は微小空孔を有さ
ず(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)、紙基体上
に近い側に微小空孔を有するポリオレフィン(例えばポ
リプロピレン、ポリエチレン)から成るものがより好ま
しい。紙基体および写真構成層の間に位置するこれら多
層もしくは一層のポリオレフィン層の密度は0.40〜
1.0g/mlであることが好ましく、0.50〜0.
70g/mlがより好ましい。また、紙基体および写真
構成層の間に位置するこれら多層もしくは一層のポリオ
レフィン層の厚さは10〜100μmが好ましく、15
〜70μmがさらに好ましい。また、ポリオレフィン層
と紙基体の厚さの比は0.05〜0.2が好ましく、
0.1〜0.5がさらに好ましい。
(裏面)にポリオレフィン層を設けることも、反射支持
体の剛性を高める点から好ましく、この場合、裏面のポ
リオレフィン層は表面が艶消しされたポリエチレンまた
はポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好
ましい。裏面のポリオレフィン層は5〜50μmが好ま
しく、10〜30μmがより好ましく、さらに密度が
0.7〜1.1g/mlであることが好ましい。本発明
の反射支持体において、紙基体上に設けるポリオレフィ
ン層に関する好ましい態様については、特開平10−3
33277号、同10−333278号、同11−52
513号、同11−65024号、EP0880065
号、およびEP0880066号に記載されている例が
挙げられる。
を含有するのが好ましい。また、蛍光増白剤は感光材料
の親水性コロイド層中に分散してもよい。蛍光増白剤と
して、好ましくは、ベンゾオキサゾール系、クマリン
系、ピラゾリン系が用いることができ、更に好ましく
は、ベンゾオキサゾリルナフタレン系及びベンゾオキサ
ゾリルスチルベン系の蛍光増白剤である。使用量は、特
に限定されないが、好ましくは1〜100mg/m2で
ある。耐水性樹脂に混合する場合の混合比は、好ましく
は樹脂に対して0.0005〜3質量%であり、更に好
ましくは0.001〜0.5質量%である。反射型支持
体としては、透過型支持体、または上記のような反射型
支持体上に、白色顔料を含有する親水性コロイド層を塗
設したものでもよい。また、反射型支持体は、鏡面反射
性または第2種拡散反射性の金属表面をもつ支持体であ
ってもよい。
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体又は白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層を
有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側又は裏面に塗設
するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディスプ
レイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.35
〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
ープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧
州特許EP0,337,490A2号の第27〜76頁
に記載の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソ
ノール系染料)を感光材料の680nmに於ける光学反射
濃度が0.70以上になるように添加したり、支持体の
耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリ
メチロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを1
2質量%以上(より好ましくは14質量%以上)含有さ
せるのが好ましい。
ションやハレーションを防止したり、セーフライト安全
性等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許
EP0337490A2号明細書の第27〜76頁に記
載の、処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール
染料、シアニン染料)を添加することが好ましい。さら
に、欧州特許EP0819977号明細書に記載の染料
も本発明に好ましく添加される。これらの水溶性染料の
中には使用量を増やすと色分離やセーフライト安全性を
悪化するものもある。色分離を悪化させないで使用でき
る染料としては、特開平5−127324号、同5−1
27325号、同5−216185号に記載された水溶
性染料が好ましい。
るいは水溶性染料と併用して処理で脱色可能な着色層が
用いられる。用いられる処理で脱色可能な着色層は、乳
剤層に直かに接してもよく、ゼラチンやハイドロキノン
などの処理混色防止剤を含む中間層を介して接するよう
に配置されていても良い。この着色層は、着色された色
と同種の原色に発色する乳剤層の下層(支持体側)に設
置されることが好ましい。各原色毎に対応する着色層を
全て個々に設置することも、このうちに一部のみを任意
に選んで設置することも可能である。また複数の原色域
に対応する着色を行った着色層を設置することも可能で
ある。着色層の光学反射濃度は、露光に使用する波長域
(通常のプリンター露光においては400nm〜700
nmの可視光領域、走査露光の場合には使用する走査露
光光源の波長)において最も光学濃度の高い波長におけ
る光学濃度値が0.2以上3.0以下であることが好ま
しい。さらに好ましくは0.5以上2.5以下、特に
0.8以上2.0以下が好ましい。
法が適用できる。例えば、特開平2−282244号3
頁右上欄から8頁に記載された染料や、特開平3−79
31号3頁右上欄から11頁左下欄に記載された染料の
ように固体微粒子分散体の状態で親水性コロイド層に含
有させる方法、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒
染する方法、色素をハロゲン化銀等の微粒子に吸着させ
て層中に固定する方法、特開平1−239544号に記
載されているようなコロイド銀を使用する方法などであ
る。色素の微粉末を固体状で分散する方法としては、例
えば、少なくともpH6以下では実質的に水不溶性であ
るが、少なくともpH8以上では実質的に水溶性である
微粉末染料を含有させる方法が特開平2−308244
号の第4〜13頁に記載されている。また、例えば、ア
ニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法として
は、特開平2−84637号の第18〜26頁に記載さ
れている。光吸収剤としてのコロイド銀の調製法につい
ては米国特許第2,688,601号、同3,459,
563号に示されている。これらの方法のなかで微粉末
染料を含有させる方法、コロイド銀を使用する方法など
が好ましい。
ハロゲン化銀粒子は、好ましくは実質的に{100}面
を持つ立方体または14面体の結晶粒子(これらは粒子
頂点が丸みを帯び、さらに高次の面を有していてもよ
い)または8面体の結晶粒子、または全投影面積の50
%以上が{100}面または{111}面からなるアス
ペクト比2以上の平板状粒子が好ましい。アスペクト比
とは、投影面積に相当する円の直径を粒子の厚さで割っ
た値である。本発明では、立方体または{100}面を
主平面とする平板状粒子または{111}面を主平面と
する平板状粒子が好ましく適用される。
は、塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩(沃)臭化銀乳剤等
が用いられるが、迅速処理性の観点からは、塩化銀含有
率が95モル%以上の塩化銀または塩臭化銀乳剤が好ま
しく、更には塩化銀含有率が98モル%以上のハロゲン
化銀乳剤が好ましい。このようなハロゲン化銀乳剤の中
でも、塩化銀粒子の表面に臭化銀局在相を有するもの
が、高感度が得られ、しかも写真性能の安定化が図れる
ことから特に好ましい。また、ハロゲン化銀粒子のシェ
ル部分に、全銀モルあたり0.01〜0.50モル%、
より好ましくは0.10〜0.40モル%の沃塩化銀相
を有するものも高感度が得られ、高照度露光適性に優れ
るため、好ましい。
銀含有率において、少なくとも10モル%以上の局在相
をエピタキシャル成長させてつくることが好ましい。臭
化銀局在相の臭化銀含有率は、10〜60モル%の範囲
が好ましく、20〜50モル%の範囲が最も好ましい。
臭化銀局在相は、本発明におけるハロゲン化銀粒子を構
成する全銀量の0.1〜5モル%の銀から構成されてい
ることが好ましく、0.3〜4モル%の銀から構成され
ていることが更に好ましい。臭化銀局在相中には、塩化
第1イリジウム(III)、臭化第1イリジウム(III)、
塩化第2イリジウム(IV)、ヘキサクロロイリジウム
(III)酸ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム(IV)
酸カリウム、ヘキサアンミンイリジウム(IV)塩、トリ
オキザラトイリジウム(III)塩、トリオキザラトイリ
ジウム(IV)塩等の第VIII族金属錯イオンを含有させる
ことが好ましい。これらの化合物の添加量は目的に応じ
て広範囲にわたるが、ハロゲン化銀1モルに対して10
-9〜10-2モルが好ましい。
乳剤粒子形成もしくは物理熟成の過程において、イリジ
ウム以外にも種々の多価金属イオン不純物を導入するこ
とができる。使用する化合物の例としては、鉄、ルテニ
ウム、オスミウム、レニウム、ロジウム、カドミウム、
亜鉛、鉛、銅、タリウム等の周期律表第VIII族金属の
塩、もしくは錯塩を併用して用いることができる。本発
明においては、少なくとも4つのシアノ配位子を有する
鉄、ルテニウム、オスミウム、レニウム等の金属化合物
が高照度感度を更に高め、潜像増感も抑制する点で、特
に好ましい。なお、イリジウム化合物は高照度露光適性
付与に対し、絶大な効果をもたらす。これらの化合物の
添加量は目的に応じて広範囲にわたるが、ハロゲン化銀
1モルに対して10-9〜10-2モルが好ましい。
るハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積
と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均を
とったもの)は、0.1μm〜2μmが好ましい。ま
た、それらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分
布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以
下、望ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下
の所謂単分散なものが好ましい。このとき、広いラチチ
ュードを得る目的で上記の単分散乳剤を同一層にブレン
ドして使用することや、重層塗布することも好ましく行
われる。
光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶり
を防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種
々の化合物あるいはそれらの前駆体を添加することがで
きる。これらの化合物の具体例は前出の特開昭62−2
15272号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載の
ものが好ましく用いられる。更にEP0447647号
に記載された5−アリールアミノ−1,2,3,4−チ
アトリアゾール化合物(該アリール残基には少なくとも
一つの電子吸引性基を持つ)も好ましく用いられる。
の保存性を高めるため、特開平11−109576号に
記載のヒドロキサム酸誘導体、特開平11−32709
4号に記載のカルボニル基に隣接して、両端がアミノ基
もしくはヒドロキシル基が置換した二重結合を有す環状
ケトン類(特に一般式(S1)で表されるもので、段落
番号0036〜0071は本願の明細書に取り込むこと
ができる。)、特開平11−143011号に記載のス
ルホ置換のカテコールやハイドロキノン類(例えば、
4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン
酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホ
ン酸、3,4−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,
3−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジヒド
ロキシベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリヒドロキ
シベンゼンスルホン酸およびこれらの塩など)、特開平
11−102045号の一般式(I)〜(III)で表さ
れる水溶性還元剤は本発明においても好ましく使用され
る。
層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する
目的で行われる。本発明の感光材料において、青、緑、
赤領域の分光増感に用いられる分光増感色素としては例
えば、F.M.Harmer著 Heterocyclic compounds-Cyanine
dyes andrelated compounds (John Wiley & Sons [New
York,London] 社刊1964年)に記載されているもの
を挙げることができる。具体的な化合物の例ならびに分
光増感法は、前出の特開昭62−215272号公報の
第22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ましく用い
られる。また、特に塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳
剤粒子の赤感光性分光増感色素としては特開平3−12
3340号に記載された分光増感色素が安定性、吸着の
強さ、露光の温度依存性等の観点から非常に好ましい。
じて広範囲にわたり、ハロゲン化銀1モルあたり0.5
×10-6モル〜1.0×10-2モルの範囲が好ましい。
更に好ましくは、1.0×10-6モル〜5.0×10-3
モルの範囲である。
化学増感を施される。化学増感法については、不安定硫
黄化合物の添加に代表される硫黄増感、金増感に代表さ
れる貴金属増感、あるいは還元増感等を単独もしくは併
用して用いることができる。化学増感に用いられる化合
物については、特開昭62−215272号の第18頁
右下欄から第22頁右上欄に記載のものが好ましく用い
られる。このうち、特に、金増感を施したものであるこ
とが好ましい。金増感を施すことにより、レーザー光等
によって走査露光したときの写真性能の変動を更に小さ
くすることができるからである。金増感を施すには、塩
化金酸もしくはその塩、チオシアン酸金類、チオ硫酸金
類または硫化金コロイド等の化合物を用いることができ
る。これらの化合物の添加量は場合に応じて広範囲に変
わり得るがハロゲン化銀1モルあたり5×10-7〜5×
10-3モル、好ましくは1×10-6〜1×10-4モルで
ある。本発明においては、金増感を他の増感法、例えば
硫黄増感、セレン増感、テルル増感、還元増感あるいは
金化合物以外を用いた貴金属増感等と組み合わせてもよ
い。
ラーネガフィルム、カラーポジフィルム、カラー反転フ
ィルム、カラー反転印画紙、カラー印画紙等に用いられ
るが、中でもカラー印画紙として用いるのが好ましい。
カラー印画紙は、イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、
マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層およびシアン発色性
ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも1層ずつ有し
てなることが好ましく、一般には、これらのハロゲン化
銀乳剤層は支持体から近い順にイエロー発色性ハロゲン
化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層、シア
ン発色性ハロゲン化銀乳剤層である。
取っても構わない。イエローカプラーを含有するハロゲ
ン化銀乳剤層は支持体上のいずれの位置に配置されても
かまわないが、該イエローカプラー含有層にハロゲン化
銀平板粒子を含有する場合は、マゼンタカプラー含有ハ
ロゲン化銀乳剤層またはシアンカプラー含有ハロゲン化
銀乳剤層の少なくとも一層よりも支持体から離れた位置
に塗設されていることが好ましい。また、発色現像促
進、脱銀促進、増感色素による残色の低減の観点から
は、イエローカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他のハ
ロゲン化銀乳剤層より、支持体から最も離れた位置に塗
設されていることが好ましい。更に、Blix退色の低
減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層
は他のハロゲン化銀乳剤層の中央の層が好ましく、光退
色の低減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀
乳剤層は最下層が好ましい。また、イエロー、マゼンタ
およびシアンのそれぞれの発色性層は2層または3層か
らなってもよい。例えば、特開平4−75055号、同
9−114035号、同10−246940号、米国特
許第5,576,159号等に記載のように、ハロゲン
化銀乳剤を含有しないカプラー層をハロゲン化銀乳剤層
に隣接して設け、発色層とすることも好ましい。
剤やその他の素材(添加剤など)および写真構成層(層
配置など)、並びにこの感光材料を処理するために適用
される処理法や処理用添加剤としては、特開昭62−2
15272号、特開平2−33144号、欧州特許EP
0,355,660A2号に記載されているもの、特に
欧州特許EP0,355,660A2号に記載されてい
るものが好ましく用いられる。更には、特開平5−34
889号、同4−359249号、同4−313753
号、同4−270344号、同5−66527号、同4
−34548号、同4−145433号、同2−854
号、同1−158431号、同2−90145号、同3
−194539号、同2−93641号、欧州特許公開
第0520457A2号等に記載のハロゲン化銀カラー
写真感光材料やその処理方法も好ましい。
持体やハロゲン化銀乳剤、更にはハロゲン化銀粒子中に
ドープされる異種金属イオン種、ハロゲン化銀乳剤の保
存安定剤またはカブリ防止剤、化学増感法(増感剤)、
分光増感法(分光増感剤)、シアン、マゼンタ、イエロ
ーカプラーおよびその乳化分散法、色像保存性改良剤
(ステイン防止剤や褪色防止剤)、染料(着色層)、ゼ
ラチン種、感光材料の層構成や感光材料の被膜pHなど
について、表1〜2の特許に記載のものが特に好ましく
適用できる。
タおよびイエローカプラーとしては、その他、特開昭6
2−215272号の第91頁右上欄4行目〜121頁
左上欄6行目、特開平2−33144号の第3頁右上欄
14行目〜18頁左上欄末行目と第30頁右上欄6行目
〜35頁右下欄11行目やEP0355,660A2号
の第4頁15行目〜27行目、5頁30行目〜28頁末
行目、45頁29行目〜31行目、47頁23行目〜6
3頁50行目に記載のカプラーも有用である。
般式(I)で表されるピラゾロアゾールカプラーと併用
して、前記の表の公知文献に記載されたような5−ピラ
ゾロン系マゼンタカプラーやピラゾロアゾール系マゼン
タカプラーを使用してもよい。これらのカプラーの中で
も、色相や画像安定性、発色性等の点で特開昭61−6
5245号に記載されたような2級又は3級アルキル基
がピラゾロトリアゾール環の2、3又は6位に直結した
ピラゾロトリアゾールカプラー、特開昭61−6524
6号に記載されたような分子内にスルホンアミド基を含
んだピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−1472
54号に記載されたようなアルコキシフェニルスルホン
アミドバラスト基を持つピラゾロアゾールカプラーや欧
州特許第226,849A号や同第294,785A号
に記載されたような6位にアルコキシ基やアリーロキシ
基をもつピラゾロアゾールカプラーの使用が好ましい。
特に、マゼンタカプラーとしては特開平8−12298
4号に記載の一般式(M−I)で表されるピラゾロアゾ
ールカプラーや欧州特許第854384号、同第884
640号に記載の3位と6位の両方に立体障害基を有す
るピラゾロアゾールカプラーも好ましく用いられる。
EP0488248号明細書及びEP0491197A
1号明細書に記載のピロロアゾール型シアンカプラー、
特に、特開平11−282138号に記載の一般式
(I)で表されるピロロアゾール型シアンカプラーが好
ましく使用され、該特許の段落番号0012の[発明の
実施の形態]以降、段落番号0059を含む部分まで、
および該特許の一般式(I)で表されるカプラーの定義
部分は、本願の明細書の一部として、本願明細書に好ま
しく取り込まれる。上記以外のシアンカプラーとして
は、米国特許第5,888,716号に記載の2,5−
ジアシルアミノフェノールカプラー、米国特許第4,8
73,183号、同第4,916,051号に記載の6
位に電子吸引性基、水素結合基を有するピラゾロアゾー
ル型シアンカプラー、特に、特開平8−171185
号、同8−311360号、同8−339060号に記
載の6位にカルバモイル基を有するピラゾロアゾール型
シアンカプラーが好ましい。
のジフェニルイミダゾール系シアンカプラーの他に、欧
州特許EP0333185A2号明細書に記載の3−ヒ
ドロキシピリジン系シアンカプラー(なかでも具体例と
して列挙されたカプラー(42)の4当量カプラーに塩
素離脱基をもたせて2当量化したものや、カプラー
(6)や(9)が特に好ましい)や特開昭64−322
60号公報に記載された環状活性メチレン系シアンカプ
ラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー例3、
8、34が特に好ましい)、欧州特許EP045622
6A1号明細書に記載のピロロピラゾール型シアンカプ
ラー、欧州特許EP0484909号に記載のピロロイ
ミダゾール型シアンカプラーも好ましく使用することが
できる。
中に記載の化合物の他に、欧州特許EP0447969
A1号明細書に記載のアシル基に3〜5員の環状構造を
有するアシルアセトアミド型イエローカプラー、欧州特
許EP0482552A1号明細書に記載の環状構造を
有するマロンジアニリド型イエローカプラー、米国特許
第5,118,599号明細書に記載されたジオキサン
構造を有するアシルアセトアミド型イエローカプラーが
好ましく用いられる。その中でも、アシル基が1−アル
キルシクロプロパン−1−カルボニル基であるアシルア
セトアミド型イエローカプラー、アニリドの一方がイン
ドリン環を構成するマロンジアニリド型イエローカプラ
ーの使用が特に好ましい。これらのカプラーは、単独あ
るいは併用することができる。
アゾールカプラーや、本発明に使用することのできるシ
アンカプラー並びにイエローカプラーは、前出表中記載
の高沸点有機溶媒の存在下で(または不存在下で)ロー
ダブルラテックスポリマー(例えば米国特許第4,20
3,716号)に含浸させて、または水不溶性かつ有機
溶媒可溶性のポリマーとともに溶かして親水性コロイド
水溶液に乳化分散させることが好ましい。好ましく用い
ることのできる水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマー
は、米国特許第4,857,449号明細書の第7欄〜
15欄及び国際公開WO88/00723号明細書の第
12頁〜30頁に記載の単独重合体または共重合体が挙
げられる。より好ましくはメタクリレート系あるいはア
クリルアミド系ポリマー、特にアクリルアミド系ポリマ
ーの使用が色像安定性等の上で好ましい。
ることができるが、その中でも以下に挙げる特許に記載
のものが好ましい。例えば、特開平5−333501号
に記載の高分子量のレドックス化合物、WO98/33
760号、米国特許第4,923,787号等に記載の
フェニドンやヒドラジン系化合物、特開平5−2496
37号、特開平10−282615号および独国特許第
19629142A1号等に記載のホワイトカプラーを
用いることができる。また、特に現像液のpHを上げ、
現像の迅速化を行う場合には独国特許第1961878
6A1号、欧州特許第839623A1号、欧州特許第
842975A1号、独国特許19806846A1号
および仏国特許第2760460A1号等に記載のレド
ックス化合物を用いることも好ましい。
吸光係数の高いトリアジン骨核を有する化合物を用いる
ことが好ましく、例えば、以下の特許に記載の化合物を
用いることができる。特開昭46−3335号、同55
−152776号、特開平5−197074号、同5−
232630号、同5−307232号、同6−211
813号、同8−53427号、同8−234364
号、同8−239368号、同9−31067号、同1
0−115898号、同10−147577号、同10
−182621号、独国特許第19739797A号、
欧州特許第711804A号および特表平8−5012
91号等に記載されている化合物である。これらの化合
物は、本発明の一般式(I)で表されるピラゾロアゾー
ルカプラーを含有する層および/または他の層で使用す
ることが好ましい。他の層としては、支持体から本発明
の一般式(I)で表されるピラゾロアゾールカプラーを
含有する層よりも支持体から遠い層が好ましく、支持体
から最も遠い乳剤層に、支持体から遠い側に隣接した非
感光性層が最も好ましい。
きる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用い
ることが有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単
独であるいはゼラチンとともに用いることができる。好
ましいゼラチンとしては、鉄、銅、亜鉛、マンガン等の
不純物として含有される重金属は、好ましくは5ppm
以下、更に好ましくは3ppm以下である。また、感光
材料中に含まれるカルシウム量は、好ましくは20mg
/m2以下、更に好ましくは10mg/m2以下、最も好
ましくは5mg/m2以下である。本発明においては、
親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の
黴や細菌を防ぐために、特開昭63−271247号公
報に記載のような防菌・防黴剤を添加するのが好まし
い。さらに、感光材料の被膜pHは4.0〜7.0が好
ましく、より好ましくは4.0〜6.5である。
ーを用いたプリントシステムに使用される以外に、陰極
線(CRT)を用いた走査露光方式にも適している。陰
極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡
便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光
軸や色の調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管
には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発
光体が用いられる。例えば赤色発光体、緑色発光体、青
色発光体のいずれか1種、あるいは2種以上が混合され
て用いられる。スペクトル領域は、上記の赤、緑、青に
限定されず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光す
る蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を混合し
て白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。
数の感光性層を持ち、陰極性管も複数のスペクトル領域
の発光を示す蛍光体を有する場合には、複数の色を一度
に露光、即ち陰極線管に複数の色の画像信号を入力して
管面から発光させてもよい。各色ごとの画像信号を順次
入力して各色の発光を順次行わせ、その色以外の色をカ
ットするフィルムを通して露光する方法(面順次露光)
を採っても良く、一般には、面順次露光の方が、高解像
度の陰極線管を用いることができるため、高画質化のた
めには好ましい。
ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは
半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線
形光学結晶を組合わせた第二高調波発光光源(SHG)
等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光方式が好ま
しく使用される。システムをコンパクトで、安価なもの
にするために半導体レーザー、半導体レーザーあるいは
固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波
発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特にコ
ンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置を
設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、露
光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用するこ
とが好ましい。
本発明の感光材料の分光感度極大波長は、使用する走査
露光用光源の波長により任意に設定することができる。
半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるい
は半導体レーザーと非線形光学結晶を組合わせて得られ
るSHG光源では、レーザーの発振波長を半分にできる
ので、青色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の
分光感度極大は通常の青、緑、赤の3つの波長領域に持
たせることが可能である。このような走査露光における
露光時間は、画素密度を400dpiとした場合の画素
サイズを露光する時間として定義すると、好ましい露光
時間としては10 -4秒以下、更に好ましくは10-6秒以
下である。
については、前記の表に掲示した特許に詳しく記載され
ている。また本発明の感光材料を処理するには、特開平
2−207250号の第26頁右下欄1行目〜34頁右
上欄9行目、及び特開平4−97355号の第5頁左上
欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材や
処理方法が好ましく適用できる。また、この現像液に使
用する保恒剤としては、前記の表に掲示した特許に記載
の化合物が好ましく用いられる。
好ましく適用される。発色現像時間とは、感光材料が発
色現像液中に入ってから次の処理工程の漂白定着液に入
るまでの時間をいう。例えば、自動現像機などで処理さ
れる場合には、感光材料が発色現像液中に浸漬されてい
る時間(いわゆる液中時間)と、感光材料が発色現像液
を離れ次の処理工程の漂白定着浴に向けて空気中を搬送
されている時間(いわゆる空中時間)との両者の合計を
発色現像時間という。同様に、漂白定着時間とは、感光
材料が漂白定着液中に入ってから次の水洗又は安定浴に
入るまでの時間をいう。また、水洗又は安定化時間と
は、感光材料が水洗又は安定化液中に入ってから乾燥工
程に向けて液中にある時間(いわゆる液中時間)をい
う。
くは60秒以下、更に好ましくは50秒以下6秒以上、
より好ましくは30秒以下6秒以上である。同様に、漂
白定着時間は好ましくは60秒以下、更に好ましくは5
0秒以下6秒以上、より好ましくは30秒以下6秒以上
である。また、水洗又は安定化時間は、好ましくは15
0秒以下、更に好ましくは130秒以下6秒以上であ
る。
としては、従来のアルカリ剤と現像主薬を含む現像液で
現像する方法、現像主薬を感光材料に内蔵し、現像主薬
を含まないアルカリ液などのアクチベーター液で現像す
る方法などの湿式方式のほか、処理液を用いない熱現像
方式などを用いることができる。特に、アクチベーター
方法は、現像主薬を処理液に含まないため、処理液の管
理や取扱いが容易であり、また廃液処理時の負荷が少な
く環境保全上の点からも好ましい方法である。アクチベ
ーター方法において、感光材料中に内蔵される現像主薬
またはその前駆体としては、例えば、特開平8−234
388号、同9−152686号、同9−152693
号、同9−211814号、同9−160193号に記
載されたヒドラジン型化合物が好ましい。
化水素を用いた画像増幅処理(補力処理)する現像方法
も好ましく用いられる。特に、この方法をアクチベータ
ー方法に用いることは好ましい。具体的には、特開平8
−297354号、同9−152695号に記載された
過酸化水素を含むアクチベーター液を用いた画像形成方
法が好ましく用いられる。アクチベーター方法におい
て、アクチベーター液で処理後、通常脱銀処理される
が、低銀量の感光材料を用いた画像増幅処理方法では、
脱銀処理を省略し、水洗または安定化処理といった簡易
な方法を行うことができる。また、感光材料から画像情
報をスキャナー等で読み取る方式では、撮影用感光材料
などの様に高銀量の感光材料を用いた場合でも、脱銀処
理を不要とする処理形態を採用することができる。
銀液(漂白/定着液)、水洗および安定化液の処理素材
や処理方法は公知のものを用いることができる。好まし
くは、リサーチ・ディスクロージャーItem 36544
(1994年9月)第536頁〜第541頁、特開平8
−234388号に記載されたものを用いることができ
る。
際、米国特許第4,880,726号に記載のバンドス
トップフィルターを用いることが好ましい。これによっ
て光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。本
発明においては、欧州特許EP0789270A1や同
EP0789480A1号に記載のように、画像情報を
付与する前に、予め、黄色のマイクロドットパターンを
前露光し、複写規制を施しても構わない。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 [カプラーの溶解性の評価]カプラー1.0gとカプラ
ー溶剤を70℃で溶解した後に20℃で7日間放置し、
カプラーの析出が見られなくなるのに要するカプラー溶
剤量(g)をカプラーの溶解性として評価した。このカ
プラー溶剤量が少ない程カプラーの溶解性が高いことを
示す。カプラー及び溶媒種を変えたときの結果を表3に
示す。
に優れることが判る。
してなる支持体の表面に、コロナ放電処理を施した後、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン
下塗層を設け、さらに下記ハロゲン化銀乳剤層と保護層
を塗設してハロゲン化銀カラー写真感光材料試料201
を作製した。数字は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲ
ン化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。
ロロ−S−トリアジンナトリウム塩を用いた。
を通して露光後富士写真フイルム(株)社製処理液CP
−45Xを用いて処理を行なった。処理済みの試料を用
い、10万ルックスのXe光を7日間照射し、照射前と
後での光堅牢性を調べた。光照射前濃度2.0を与える
点の光照射後の色素残存率(%)と未露光部のイエロー
濃度上昇(ΔDmin(Y))を評価した。カプラー及
び溶媒種を変えたときの結果を表4に示す。カプラー変
更はExM−Aに対して等モルになる様変更した。
試料は発色色素の光堅牢性及び白地の光による黄変に対
して優れることが判る。以下に実施例1及び2で用いた
化合物の化学式を示す。
面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さら
に下記第一層〜第七層の写真構成層を順次塗設して、以
下に示す層構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料の試
料(301)を作製した。各写真構成層用の塗布液は、
以下のようにして調製した。
(Cpd−1)250g、色像安定剤(Cpd−9)1
0g、色像安定剤(Cpd−10)10g、色像安定剤
(Cpd−12)20gおよび紫外線吸収剤(UV−
A)290gを、溶媒(Solv−6)230gおよび
酢酸エチル350mlに溶解し、この液を界面活性剤
(Cpd−20)を25g含む10%ゼラチン水溶液6
500gに乳化分散させて乳化分散物Cを調製した。一
方、塩臭化銀乳剤C(立方体、平均粒子サイズ0.40
μmの大サイズ乳剤Cと0.30μmの小サイズ乳剤C
との5:5混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動
係数はそれぞれ0.09と0.11。各サイズ乳剤とも
臭化銀0.5モル%を、塩化銀を基体とする粒子表面の
一部に局在含有させた)を調製した。この乳剤には下記
に示す赤感性増感色素GおよびHが、銀1モル当り、大
サイズ乳剤Cに対してはそれぞれ9.0×10-5モル、
また小サイズ乳剤Cに対してはそれぞれ12.0×10
-5モル添加されている。また、この乳剤の化学熟成は硫
黄増感剤と金増感剤を添加して最適に行われた。前記乳
化分散物Cとこの塩臭化銀乳剤Cとを混合溶解し、後記
組成となるように第五層塗布液を調製した。乳剤塗布量
は銀量換算塗布量を示す。
塗布液も第五層塗布液と同様の方法で調製した。各層の
ゼラチン硬化剤としては、H−1、H−2およびH−3
を用いた。また、各層にAb−1、Ab−2、Ab−3
およびAb−4をそれぞれ全量が15.0mg/m2、
60.0mg/m2、5.0mg/m2および10.0m
g/m2となるように添加した。
分光増感色素及び晶相制御剤1をそれぞれ用いた。 青感性乳剤層
ル当り、大サイズ乳剤に対してはそれぞれ0.42×1
0-4モル、小サイズ乳剤に対しては0.50×10-4モ
ル添加した。増感色素Bをハロゲン化銀1モル当たり、
大サイズ乳剤に対してはそれぞれ3.4×10-4モル、
小サイズ乳剤に対しては4.1×10-4モル添加し
た。) 緑感性乳剤層
大サイズ乳剤に対しては3.0×10 -4モル、小サイズ
乳剤に対しては3.6×10-4モル、また、増感色素E
をハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては
4.0×10-5モル、小サイズ乳剤に対しては7.0×
10-5モル、また、増感色素Fをハロゲン化銀1モル当
り、大サイズ乳剤に対しては2.0×10-4モル、小サ
イズ乳剤に対しては2.8×10-4モル添加した。) 赤感性乳剤層
モル当り、大サイズ乳剤に対しては8.0×10-5モ
ル、小サイズ乳剤に対しては10.7×10-5モル添加
した。)さらに、以下の化合物Iを赤感性乳剤層にハロ
ゲン化銀1モル当たり3.0×10-3モル添加した。)
赤感性乳剤層に対し、1−(3−メチルウレイドフェニ
ル)−5−メルカプトテトラゾールを、それぞれハロゲ
ン化銀1モル当り3.3×10-4モル、1.0×10-3
モルおよび5.9×10-4モル添加した。さらに、第二
層、第四層、第六層および第七層にも、それぞれ0.2
mg/m 2、0.2mg/m2、0.6mg/m2、0.
1mg/m2となるように添加した。また、青感性乳剤
層および緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデンを、それぞ
れハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モル、2×1
0-4モル添加した。また、赤感性乳剤層にメタクリル酸
とアクリル酸ブチルの共重合体ラテックス(質量比1:
1、平均分子量200000〜400000)を0.0
5g/m2を添加した。また第二層、第四層および第六
層にカテコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウムを
それぞれ6mg/m2、6mg/m2、18mg/m2と
なるように添加した。また、イラジエーション防止のた
めに、以下の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加し
た。
字は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、
銀換算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレン樹脂ラミネート紙 [第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO2;
含有率16質量%、ZnO;含有率4質量%)と蛍光増
白剤(4,4′−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリ
ル)スチルベン。含有率0.03質量%)、青味染料
(群青)を含む] 第一層(青感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤A(立方体、平均粒子サイズ0.72μmの大サイズ乳剤Aと0 .60μmの小サイズ乳剤Aとの5:5混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の 変動係数はそれぞれ0.08と0.10。各サイズ乳剤とも臭化銀0.3モル% を、塩化銀を基体とする粒子表面の一部に局在含有させた) 0.24 ゼラチン 1.25 イエローカプラー(ExY) 0.57 色像安定剤(Cpd−1) 0.07 色像安定剤(Cpd−2) 0.04 色像安定剤(Cpd−3) 0.07 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 溶媒(Solv−1) 0.21
光材料試料301に対して、第五層の組成を以下のよう
に変更した試料302を作製した。 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤C(立方体、平均粒子サイズ0.40μmの大サイズ乳剤Cと0 .30μmの小サイズ乳剤Cとの5:5混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の 変動係数はそれぞれ0.09と0.11。各サイズ乳剤とも臭化銀0.8モル% を塩化銀を基体とする粒子表面の一部に局在含有させた) 0.12 ゼラチン 1.11 シアンカプラー(ExC−2) 0.13 シアンカプラー(ExC−3) 0.03 色像安定剤(Cpd−1) 0.05 色像安定剤(Cpd−6) 0.06 色像安定剤(Cpd−7) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.04 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−14) 0.01 色像安定剤(Cpd−15) 0.12 色像安定剤(Cpd−16) 0.03 色像安定剤(Cpd−17) 0.09 色像安定剤(Cpd−18) 0.07 溶媒(Solv−5) 0.15 溶媒(Solv−8) 0.05
乳剤層のハロゲン化銀乳剤を立方体換算0.40μm相
当のアスペクト比8の平板乳剤(ヨード0.3モル%を
含む)に変更した試料303を作製した。また試料30
1〜303において青感光性層と赤感光性層の塗設順を
逆にした試料304〜306を作製した。この様にして
得られた試料は以下の処理A及び処理Bにて発色現像処
理を行った。
し、富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタープロ
セッサー PP1258ARを用いて像様露光後下記処
理工程にてカラー現像タンク容量の2倍補充するまで、
連続処理(ランニングテスト)を行った。このランニン
グ液を用いた処理を処理Aとした。 処理工程 温 度 時 間 補充量* カラー現像 38.5℃ 45秒 45ミリリットル 漂白定着 38.0℃ 45秒 35ミリリットル リンス(1) 38.0℃ 20秒 − リンス(2) 38.0℃ 20秒 − リンス(3) **38.0℃ 20秒 − リンス(4) **38.0℃ 30秒 121ミリリットル *感光材料1m2当たりの補充量 **富士写真フイルム(株)製 リンスクリーニングシステムRC50Dをリ ンス(3)に装置し、リンス(3)からリンス液を取り出し、ポンプによ り逆浸透膜モジュール(RC50D)へ送る。同槽で得られた透過水は リンス(4)に供給し、濃縮水はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュー ルへの透過水量は50〜300ミリリットル/分を維持するようにポン プ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。 (リンスは(1)から(4)へのタンク向流方式とした。)
し、像様露光後下記処理工程にてカラー現像タンク容量
の2倍補充するまで、連続処理(ランニングテスト)を
行った。このランニング液を用いた処理を処理Bとし
た。処理は処理工程時間短縮のため搬送速度を上げる様
改造した富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンター
プロセッサー PP1258ARを用いた。 処理工程 温度 時間 補充量* カラー現像 45.0℃ 12秒 45ミリリットル 漂白定着 40.0℃ 12秒 35ミリリットル リンス(1) 40.0℃ 4秒 − リンス(2) 40.0℃ 4秒 − リンス(3)**40.0℃ 4秒 − リンス(4)**40.0℃ 4秒 121ミリリットル *感光材料1m2当たりの補充量 **富士写真フイルム(株)製 リンスクリーニングシステムRC50Dを リンス(3)に装置し、リンス(3)からリンス液を取り出し、ポンプによ り逆浸透膜モジュール(RC50D)へ送る。同槽で得られた透過水はリン ス(4)に供給し、濃縮水はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュールへの 透過水量は50〜300ミリリットル/分を維持するようにポンプ圧を 調整し、1日10時間温調循環させた。 (リンスは(1)から(4)へのタンク向流方式とした。)
2と同様にマゼンタカプラーExM−1を本発明のマゼ
ンタカプラー(M−4)、(M−21)に変更したとこ
ろ、実施例2と同様に本発明のカプラーを用いた試料は
光堅牢性が優れることがわかった。また、その結果は処
理A、処理Bによらずどちらでも同様の効果が得られ
た。
の裏面に染料含有バック層、乳剤面側に白色顔料含有層
を塗設し、特開平4−110937号に記載の半透明支
持体を作製した。この半透明支持体上に、ハロゲン化銀
乳剤層は、その塗設量を実施例3の対応する各乳剤層に
対し230%とし、非感光性層は、その塗設量を実施例
3の各非感光性層に対し100%として、それぞれ塗設
した以外は実施例3と同様にして各感光材料を作製し
た。これらの感光材料を処理A工程において各処理時間
を3倍に延長して処理した以外は実施例3と同様にして
処理した結果、同様に本発明のカプラーを用いた試料は
光堅牢性が優れることがわかった。
第5層のマゼンタカプラーM−21を本発明の実施例1
の試料101〜103に使用したマゼンタカプラーに変
更した試料を作製し、映画用カラーポジのECP−2プ
ロセスで処理を行った。本発明のカプラーを用いること
で乳化物の冷蔵保存後の安定性が改良され、光堅牢性も
優れることがわかった。
いて、ExM−4のマゼンタカプラーの代わりに等モル
の本発明の(M−4)、(M−21)を用いた試料を作
製した。本発明のカプラーを用いた乳化物は乳化物の冷
蔵保存後の安定性が改良されていることがわかった。
いて、第9層のマゼンタカプラーC−7の30%を実施
例1の試料101〜103で使用したマゼンタカプラー
に変更した以外は、試料107と同様にしてカラー反転
感光材料である試料を作成した。特開平11−8460
1号の実施例1に記載された方法と同様の方法で露光及
び現像し、実施例2と同様の評価を行ったところ、実施
例2と同様に本発明のカプラーは光堅牢性に優れること
がわかった。
に示す走査露光を行った以外は実施例3〜4と同様にし
て各試料を現像し、評価を行った。この結果、実施例3
〜4の各実施例と同様に、本発明の一般式(I)で表さ
れるマゼンタカプラーはいずれも優れた光堅牢性を示す
ことを確認した。
1の走査露光装置を用いた。光源としては半導体レーザ
ーを用い688nmの光源(R光)、半導体レーザーにS
HGを組み合わせることで532nmの光源(G光)、4
73nmの光源(B光)を得た。R光の光量を外部変調器
を用いて変調し、回転多面体に反射させて、走査方向に
対して直行して移動する試料に走査露光した。この走査
露光は、400dpiで行い、1画素当たりの平均露光
時間は8×10-8秒であった。半導体レーザーは温度に
よる光量変化を抑えるために、ペルチェ素子を用いて温
度を一定にした。
溶解性に優れ、かつ生成する色素の保存安定性に優れ
る。さらに、このカプラーは、低コストで製造可能であ
って、かつ溶解性の向上と光堅牢性向上を両立しうると
いう優れた効果を奏する。また、本発明のカプラー乳化
物は、冷蔵保存安定性にも優れる。また本発明のハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料は、薄層化が達成され、迅速
処理適性を有し、画像の高精細化が実現され、色像の保
存安定性、特に光堅牢性に優れている。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされるカプラ
ー。 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、または複素環基を表す。Lは−CO
−、−SO2−を表し、Xは水素原子または現像主薬の
酸化体とのカップリングにより離脱可能な置換基を表
す。) - 【請求項2】 上記一般式(I)で表されるカプラーを
含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
材料。
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