JP2001355911A - 自動風呂装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴槽の設置場所に応じた適正な基準水位を設
定することをを目的としている。 【解決手段】 浴槽１と、浴槽１下部に設けた給湯口２
と、浴槽１内の浴槽水を循環するための往き管３、戻り
管４及び循環ポンプ５とで構成した循環水路と、前記循
環水路内の通水状態を検知する通水検知部６と、浴槽１
内の水位を検出するための水位検知部７と、前記通水検
知部６及び水位検知部７の情報に基づいて湯張り動作を
制御する制御部１２とを備え、前記制御部１２は、初期
の湯張り動作後に行う循環水路内の循環動作により、通
水検知部６が通水状態を検知したとき、予め定めた所定
時間だけ注湯動作を行い、その後、水位検知部７の水位
データにより浴槽１が１階設置か、階上設置かを判断す
るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は設定された水位まで
自動的に浴槽に湯を張る自動風呂装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動風呂装置を図２を用いて説明
する。

【０００３】図２において、１は浴槽、２は浴槽１の下
部に位置せしめた給湯口、３は浴槽１内の浴槽水を循環
するための給湯口２に接続された往き管、４は戻り管、
５は循環ポンプ、６は往き管３と戻り管４と循環ポンプ
５で構成される循環水路内の通水状態を検知する通水検
知部、７は浴槽１内の水位を水圧で検出する水位検知
部、８は浴槽１への注湯を制御する注湯弁、９は浴槽内
の湯水を逆流させないための逆止弁、１０は通水検知部
６及び水位検知部７の情報を基に循環ポンプ５及び注湯
弁８を制御する湯張り制御部、１１は基準水位を設定す
る基準水位設定部、１２は前記湯張り制御部１０、基準
水位設定部１１を内蔵した制御部、１３は浴槽１にお湯
を供給するための熱源となる電気温水器、１４は給水圧
を所定の水圧に調整する減圧弁である。

【０００４】上記構成において浴槽１に湯張りを行う場
合、浴槽１の形状等の影響を考慮して湯張り動作初期に
基準水位Ｈを求め、この基準水位Ｈと設定水位より湯張
り動作を行うようにしたものが一般的であり、基準水位
Ｈを設定するために、以下の動作を行う。

【０００５】まず、湯張り動作の指示が行われると、湯
張り制御部１０は注湯弁８の開弁動作を行い、浴槽１へ
一定時間注湯する。その後、循環ポンプ５を駆動し、通
水検知部６で循環水路の通水の有無を確認する。通水が
なければ浴槽１の給湯口２まで浴槽水が入っていない状
態であり、再度、注湯弁８の開弁動作を行い一定時間注
湯後、循環ポンプ５を駆動して通水の有無を確認する。
上記動作は給湯口２まで水位が上昇してきたことを、通
水検知部６で通水ありを検出するまで繰り返す。そして
通水ありを検出後、浴槽水位を検出するために給湯口２
が完全に水没するまで、再度所定の時間で追加注湯を行
い、このときの水位検知部７により検出した水位データ
を基準水位設定部１１は基準水位Ｈとして設定する。そ
して、この基準水位Ｈと使用者が設定した設定水位に基
づいて湯張り制御部１０は所定の湯張り動作を行うよう
にしている。

【０００６】また、以降の自動湯張りを行うときは、こ
の基準水位Ｈを用いて行っていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の構
成では、浴槽が階上に設けられている場合等、注湯経路
の圧損が大きくなって注湯流量が減少しているときで
も、通水検知部で通水ありを検出後の水位を検出するた
めに、所定の時間で追加注湯を行っても、給湯口が完全
に水没しない場合があり、このときの誤った水位を基準
水位として設定してしまうという課題を有し、特に、減
圧弁などで給水圧が制限された電気温水器などを用いて
注湯が行われる場合に上記課題が顕著に現れ、浴槽が１
階に設置されている場合に比べ、基準水位が極端に低く
なり、この基準水位を基に湯張り動作が行われるため、
湯張り動作完了時に所望した浴槽水位を確保できないと
いう課題があった。

【０００８】そこで、本発明は浴槽が階上に設けられた
場合でも、１階設置と同様に、所望した浴槽水位が確実
に確保できるようにすることを目的としたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るため、浴槽と、前記浴槽下部に位置せしめた給湯口
と、前記浴槽内の浴槽水を循環するための往き管、戻り
管及び循環ポンプとで構成した循環水路と、前記循環水
路内の通水状態を検知する通水検知部と、前記浴槽内の
水位を検出するための水位検知部と、前記通水検知部及
び水位検知部の情報に基づいて湯張り動作を制御する制
御部とを備え、前記制御部は、初期の湯張り動作後に行
う循環水路内の循環動作により、通水検知部が通水状態
を検知したとき、予め定めた所定時間だけ注湯動作を行
い、その後、水位検知部の水位データにより浴槽が１階
設置か、階上設置かを判断するようにしている。

【００１０】上記発明によれば、基準水位を設定するた
めに行う初期の湯張り動作後に検出した水位データによ
り浴槽が１階設置か階上設置かを判断するようにしてい
るため、浴槽が階上にある場合で、注湯流量が減少して
いる場合でも、所定の時間の追加注湯後、このときの水
位データより浴槽が階上設置されていると判定されれ
ば、更に追加で所定時間注湯を行うことになり、相当分
の追加注湯を行った水位を基準水位として正しく設定す
ることができ、この設定した基準水位を基に湯張り動作
を行うため、確実に所望する浴槽水位を確保することが
できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】請求項１に記載した発明は、浴槽
と、前記浴槽下部に位置せしめた給湯口と、前記浴槽内
の浴槽水を循環するための往き管、戻り管及び循環ポン
プとで構成した循環水路と、前記循環水路内の通水状態
を検知する通水検知部と、前記浴槽内の水位を検出する
ための水位検知部と、前記通水検知部及び水位検知部の
情報に基づいて湯張り動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、初期の湯張り動作後に行う循環水路内の
循環動作により、通水検知部が通水状態を検知したと
き、予め定めた所定時間だけ注湯動作を行い、その後、
水位検知部の水位データにより浴槽が１階設置か、階上
設置かを判断するようにしている。

【００１２】そして、基準水位を設定するために行う初
期の湯張り動作後に検出した水位データにより浴槽が１
階設置か階上設置かを判断するようにしているため、浴
槽が階上にある場合で、注湯流量が減少している場合で
も、所定の時間の追加注湯後、このときの水位データよ
り浴槽が階上設置されていると判定されれば、更に追加
で所定時間注湯を行うことになり、相当分の追加注湯を
行った水位を基準水位として正しく設定することがで
き、この設定した基準水位を基に湯張り動作を行うた
め、確実に所望する浴槽水位を確保することができる。

【００１３】また、請求項２に記載した発明は、制御部
は水位検知部のデータより浴槽が１階設置されていると
判断したときは、その水位データを基準水位と設定し、
浴槽が階上設置されていると判断したときは、さらに所
定時間追加注湯を行った後の水位検知部の水位データを
基準水位として設定するようにしている。

【００１４】そして、初期の湯張り動作後の水位データ
から容易に浴槽の設置場所を判断することができるとと
もに、浴槽の設置場所に応じた適正な基準水位を設定す
ることができ、正確な湯張り動作を提供することができ
る。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。

【００１６】図１は本発明の一実施例における自動風呂
装置の構造図を示すものである。図１において、従来例
と同一部分は同一番号を付与する。２０は浴槽１が１階
設置か階上設置かを判定するための値を設定する判定値
設定部、２１は判定値設定部２０で設定された判定値と
水位検知部７の水位データを比較する比較部、２２は比
較部２１の結果に基づいて浴槽１が１階設置か階上設置
かを判定する設置判定部である。

【００１７】以上のように構成された自動風呂装置につ
いて、以下にその動作を説明する。自動湯張りを行うと
きの設定水位は基準水位Ｈからの高さで表されるので、
まず、機器が設置された後は試運転を行い、基準水位Ｈ
を求めなければならず、基準水位Ｈを確定するために以
下の動作を行う。

【００１８】試運転は、操作部（図示せず）で特定の操
作を行い設定するか、もしくは１回目の自動湯張りの時
に自動的に設定されることで行われる。試運転時、まず
制御部１２内の湯張り制御部１０が注湯弁８の開閉を行
い、浴槽１へ所定時間注湯する。そして、その後循環ポ
ンプ５を駆動し、通水検知部６で循環水路の通水の有無
を確認する。通水がなければ再度注湯弁８の開閉を行い
所定時間注湯後、循環ポンプ５を駆動して通水の有無を
確認する。上記動作は給湯口２まで水位が上昇してきた
ことを、通水検知部２５で通水ありを検出するまで繰り
返す。通常では通水ありの検出は、給湯口２が完全に水
没する前に行われ、このときの循環ポンプ５の駆動では
エアーが循環水路内から完全に排出されることはない。

【００１９】通水状態を検出後、基準水位Ｈの検出を行
うために給湯口２が完全に水没するまで、所定の時間で
追加注湯を行う。例えば注湯流量が毎分１０Ｌとし、追
加注湯量を３０Ｌとすると、３分間の注湯を行うことに
なり、湯張り制御部１０により追加注湯時間が３分にセ
ットされる。そして、給湯口２が完全に水没後、循環ポ
ンプ５を駆動し循環水路内のエアパージを行う。１回の
エアパージでも長時間行えば、循環水路内のエアーは完
全に排出されるが、一度循環ポンプ５を停止させ、所定
時間待機後にエアパージを再度行うことで、短時間によ
り効率良くエアーの排出を行うことができる。

【００２０】そして、エアパージ終了後に水位検知部７
により検出した水位データと判定値設定部２０で設定し
てある判定値とを比較部２１で比較し、その比較結果を
設置判定部２２に送り浴槽が同一階層にあるのか、階上
にあるのかを判定するようにし、その判定結果に基づい
て基準水位設定部１１は浴槽１の設置場所に応じた基準
水位を設定するようにしている。つまり、水位検知部７
は通常１階に設置される電気温水器１３等の機器内に設
けられているため、浴槽１が１階設置か階上設置かで明
らかに水位検知部７の水位データに差が生じ、設置判定
部２２は判定値設定部２０で設定した判定値より水位検
知部７の水位データが低い場合は浴槽１は１階に設置さ
れていると判定し、その判定結果を基準水位設定部１１
に送って、その時の水位データを基準水位として設定す
るようにし、判定値より水位データが高い場合は階上に
設置されていると判定し、所定の追加注湯を行った後の
水位データを基準水位設定部１１で基準水位として設定
するようにしている。

【００２１】ここで、浴槽が階上に設置されていると判
定されると、さらに追加で注湯を行う。つまり、階上へ
の注湯の場合は注湯水圧が減圧弁１４で減圧され一定で
あるため、注湯流量が低下することは周知の通りであ
り、例えば注湯流量が８Ｌに低下したとすると、１回目
の追加注湯では追加注湯量３０Ｌに対し、６Ｌ不足して
いることになる。よって不足分を補うために、４５秒の
追加注湯を行うことになる。このとき１回目の追加注湯
では注湯量が不足しているので、給湯口２が完全に水没
していることの確証がなく、循環水路内のエアーが未排
出の可能性がある。よって、追加注湯後には必ずエアパ
ージを行うこととすることで、確実にエアーを排出さ
せ、水位データを正しく検出することとしている。ま
た、効率よくエアパージを行うために、このときも一度
循環ポンプを停止させ、所定時間待機後に再度エアパー
ジを行うようにする。そして、そのときの水位検知部７
の水位データを基準水位Ｈとして、基準水位設定部１１
で設定する。以上のように追加注湯及び、エアパージを
行うことで、正しく基準水位Ｈを検出し、以降２回目か
らの自動湯張りはこの基準水位Ｈを基に行う。

【００２２】次に、基準水位Ｈ検出後の２回目からの自
動湯張りについての説明をする。２回目からの自動湯張
りについても、水位データを検出するまでは基準水位Ｈ
を検出するときと同じく、給湯口２まで水位が上昇して
きたことを、通水検知部６で通水ありを検出するまで、
浴槽１への所定時間の注湯と、その後の循環ポンプ５の
駆動を繰り返す。そして、通水を検出後、初期水位の検
出を行うために給湯口２が完全に水没するまで、所定の
時間で追加注湯を行う。このとき、初期水位のデータよ
り浴槽が同一階層であると判定されたときは、注湯流量
は毎分１０Ｌなので、追加注湯量を３０Ｌとすると、３
分間の注湯を行うことになり、注湯時間設定部３０によ
り３分がセットされる。また、初期水位のデータより浴
槽が階上であると判定されたときは、注湯流量は毎分８
Ｌなので、湯張り制御部１０により３分４５秒がセット
される。追加注湯により給湯口２が完全に水没後は、循
環ポンプ５を駆動し配管経路内のエアパージを行い、よ
り効率的に行うため、一度循環ポンプ５を停止させ、所
定時間待機後に再度エアパージを行う。そして、水位検
知部７により水位データが正しく検出できるようになる
ので、基準水位をもとに設定される設定水位までの湯張
りを行うことができるようになる。

【００２３】以上の自動湯張り動作により、浴槽１が階
上にあっても１回の追加注湯で給湯口２を完全に水没さ
せることができ、不用意に更なる追加注湯を行ったり、
エアパージを行う必要がなくなり、２回目からの自動湯
張りの時間は短縮することができる。

【００２４】

【発明の効果】以上のように、請求項１に記載した発明
によれば、基準水位を設定するために行う初期の湯張り
動作後に検出した水位データにより浴槽が１階設置か階
上設置かを判断するようにしているため、浴槽が階上に
ある場合で、注湯流量が減少している場合でも、所定の
時間の追加注湯後、このときの水位データより浴槽が階
上設置されていると判定されれば、更に追加で所定時間
注湯を行うことになり、相当分の追加注湯を行った水位
を基準水位として正しく設定することができ、この設定
した基準水位を基に湯張り動作を行うため、確実に所望
する浴槽水位を確保することができる。

【００２５】また、請求項２に記載した発明によれば、
初期の湯張り動作後の水位データから容易に浴槽の設置
場所を判断することができるとともに、浴槽の設置場所
に応じた適正な基準水位を設定することができ、正確な
湯張り動作を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の自動風呂装置の構造図

【図２】従来の自動風呂装置の構造図

【符号の説明】

１ 浴槽 ２ 給湯口 ３ 往き管 ４ 戻り管 ５ 循環ポンプ ６ 通水検知部 ７ 水位検知部 １２ 制御部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽と、前記浴槽下部に位置せしめた給
   湯口と、前記浴槽内の浴槽水を循環するための往き管、
   戻り管及び循環ポンプとで構成した循環水路と、前記循
   環水路内の通水状態を検知する通水検知部と、前記浴槽
   内の水位を検出するための水位検知部と、前記通水検知
   部及び水位検知部の情報に基づいて湯張り動作を制御す
   る制御部とを備え、前記制御部は、初期の湯張り動作後
   に行う循環水路内の循環動作により、通水検知部が通水
   状態を検知したとき、予め定めた所定時間だけ注湯動作
   を行い、その後、水位検知部の水位データにより浴槽が
   １階設置か、階上設置かを判断するようにした自動風呂
   装置。
2. 【請求項２】 制御部は、水位検知部のデータより浴槽
   が１階設置されていると判断したときは、その水位デー
   タを基準水位と設定し、浴槽が階上設置されていると判
   断したときは、さらに所定時間追加注湯を行った後の水
   位検知部の水位データを基準水位として設定するように
   した請求項１記載の自動風呂装置。