JP2001354991A - 高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製方法 - Google Patents

高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製方法

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JP2001354991A
JP2001354991A JP2000174882A JP2000174882A JP2001354991A JP 2001354991 A JP2001354991 A JP 2001354991A JP 2000174882 A JP2000174882 A JP 2000174882A JP 2000174882 A JP2000174882 A JP 2000174882A JP 2001354991 A JP2001354991 A JP 2001354991A
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Seiji Norinobu
誠司 則信
Keiichi Oda
圭一 小田
Mitsumasa Manso
三正 万倉
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Ikeda Shokken KK
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Ikeda Shokken KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度不飽和脂肪酸含有油脂の遊離脂肪酸、ア
ルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分
を効率よく低減できる高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 遊離酸遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカ
ルボニル化合物、色素成分、臭気成分が低減された高度
不飽和脂肪酸含有油脂を得るに際し、抽出槽または抽出
塔内の原料油脂に対して超臨界状態の二酸化炭素を接触
させ、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合
物、色素成分、臭気成分を留分あるいは残分として高度
不飽和脂肪酸含有油脂から分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高度不飽和脂肪酸、
特にアラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペン
タエン酸、ドコサヘキサエン酸等を含む高度不飽和脂肪
酸含有油脂の精製方法に関し、特に遊離脂肪酸、アルデ
ヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分(魚
臭成分)が低減された製品を得る方法に関する。
【0002】尚、本発明において、酸価とは高度不飽和
脂肪酸含有油脂中の遊離脂肪酸の含量を示すものであ
り、アニシジン価とは高度不飽和脂肪酸含有油脂中のア
ルデヒドの含量を示すものであり、カルボニル価とは高
度不飽和脂肪酸含有油脂中のアルデヒドを含むカルボニ
ル化合物の含量を示すものであり、色調とは高度不飽和
脂肪酸含有油脂中の色素成分による着色の程度を示すも
のであり、においとは高度不飽和脂肪酸含有油脂中の臭
気成分によるにおいの程度を示すものである。
【0003】
【従来の技術】イワシ、サバ、サンマ、アジ等の魚類の
脂質(魚油)、あるいは紅藻、褐藻などの藻類の脂質、
甲殻類並びに貝類や海産動物類の脂質などの構成脂肪酸
中には、高度不飽和脂肪酸が多量に含まれている。この
うち、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸など
はω-3系列の不飽和脂肪酸であり、プロスタグランジン
やトロンボキサンとの関連性において、血圧降下作用、
コレステロール調整作用などの生理活性が注目されてお
り、食品、医薬品、飼料、化粧品等の素材として開発が
進められている。
【0004】しかしながら、一般に高度不飽和脂肪酸類
は、その構造上の特性から容易に酸化、加熱などによる
劣化を生じ、その結果として、酸価、アニシジン価、カ
ルボニル価の上昇や、外観上は色調が濃くなる、におい
が強くなるなどの品質の低下が見られる。このような品
質の低下した高度不飽和脂肪酸含有油脂は、それらを摂
取する際に視覚的、官能的に大きな障害となることはも
ちろんのこと、生体内では、各種疾病への関与も示唆さ
れていることから、酸価、アニシジン価、カルボニル
価、色調、臭いなどの具体的成分である遊離脂肪酸、ア
ルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分
を低減する方法が切望されている。
【0005】従来の油脂の精製方法としては、工業的に
は、酸処理、アルカリ処理、吸着剤処理、さらには分子
蒸留、水蒸気蒸留などが知られており、高度不飽和脂肪
酸含有油脂についてもこれらの精製方法が単独であるい
は組み合わせて用いられている。
【0006】しかしながら、特に、高度不飽和脂肪酸含
有油脂においては、これらの精製方法では十分な効果を
得ることが困難である。また、実験的には、カラムクロ
マトグラフィーを用いた方法が知られているが、工業規
模で実施することは非常に困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、高
度不飽和脂肪酸含有油脂中から、遊離脂肪酸、アルデヒ
ドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分を効率
よく低減できる高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、高度不
飽和脂肪酸含有油脂を超臨界流体によって処理すること
により、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合
物、色素成分、臭気成分が低減された高度不飽和脂肪酸
含有油脂を得ることである。ここで、超臨界流体として
は超臨界二酸化炭素が使用できる。
【0009】すなわち、遊離脂肪酸、アルデヒドを含む
カルボニル化合物、色素成分、臭気成分が低減された高
度不飽和脂肪酸含有油脂を得るに際し、超臨界抽出槽内
の原料油脂に対して超臨界状態の二酸化炭素を接触さ
せ、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、
色素成分、臭気成分を留分あるいは残分として、高度不
飽和脂肪酸含有油脂から分離することによって上記成分
の濃度が低い高品質の高度不飽和脂肪酸含有油脂を得る
ものである。
【0010】尚、留分とは超臨界抽出槽の上部から分離
される物質をいい、残分とは超臨界抽出槽内に残った原
料物質から留分を除いた物質をいう。
【0011】また、超臨界抽出槽は、バッチ式あるいは
連続式のどちらでもよく、例えば、タワー式の抽出塔で
も良い。さらに、抽出塔を用いる場合は、例えばラシヒ
リング、ディクソン、ヘリパック等の充填物を内部に充
填し、下部から上部に温度を段階的に上昇させることで
温度勾配を設けて、精留効果を高めることもできる。
【0012】本発明においては上記のごとき遊離脂肪
酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭
気成分に加えて、それらに由来する分解物、重合物、ま
たはそれらの関連物質についても留分あるいは残分とし
て高度不飽和脂肪酸から分離することが可能である。
【0013】ここで、本発明に係わる請求項1の発明
は、高度不飽和脂肪酸含有油脂中から、遊離脂肪酸、ア
ルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分
のうち、1つ又は2つ以上の成分を低減するための高度
不飽和脂肪酸含有油脂の精製方法において、上記高度不
飽和脂肪酸含有油脂を超臨界抽出槽内に投入するステッ
プと、上記投入された高度不飽和脂肪酸含有油脂中か
ら、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、
色素成分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分を
超臨界流体中に選択的に取り込むステップと、上記遊離
脂肪酸等の物質を取り込んだ超臨界流体を留分として、
上記超臨界抽出槽の上部より抽出するステップと、上記
留分として抽出された上記遊離脂肪酸等の物質を取り込
んだ超臨界流体を減圧下において分離するステップと、
を有し、残分として、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカ
ルボニル化合物、色素成分、臭気成分のうち、1つ又は
2つ以上の成分が低減された高度不飽和脂肪酸含有油脂
を得ることを特徴とする。
【0014】また、請求項2の発明は、高度不飽和脂肪
酸含有油脂中から、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカル
ボニル化合物、色素成分、臭気成分のうち、1つ又は2
つ以上の成分を低減するための高度不飽和脂肪酸含有油
脂の精製方法において、上記高度不飽和脂肪酸を超臨界
抽出槽内に投入するステップと、上記投入された高度不
飽和脂肪酸含有油脂中から上記高度不飽和脂肪酸含有油
脂を主体とする成分を超臨界流体中に選択的に取り込む
ステップと、上記高度不飽和脂肪酸含有油脂を主体とす
る成分を取り込んだ超臨界流体を留分として、上記超臨
界抽出槽の上部より抽出するステップと、上記留分とし
て抽出された上記高度不飽和脂肪酸含有油脂を主体とす
る成分を取り込んだ超臨界流体を減圧下において分離す
るステップと、を有し、上記留分として、遊離脂肪酸、
アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成
分のうち、1つ又は2つ以上の成分が低減された高度不
飽和脂肪酸含有油脂を得ることを特徴とする。
【0015】また、請求項3の発明は、高度不飽和脂肪
酸含有油脂中から、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカル
ボニル化合物、色素成分、臭気成分のうち、1つ又は2
つ以上の成分を低減するための高度不飽和脂肪酸含有油
脂の精製方法において、第1の工程と第2の工程を有
し、上記第1の工程は、上記高度不飽和脂肪酸含有油脂
を超臨界抽出槽内に投入するステップと、上記投入され
た高度不飽和脂肪酸含有油脂中から、遊離脂肪酸、アル
デヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分の
うち、1つ又は2つ以上の成分を超臨界流体中に選択的
に取り込むステップと、上記遊離脂肪酸等の成分を取り
込んだ超臨界流体を第1の留分として、上記超臨界抽出
槽の上部より抽出するステップと、上記第1の留分とし
て抽出された上記遊離脂肪酸等の成分を取り込んだ超臨
界流体を減圧下において分離するステップと、を有し
て、上記超臨界抽出槽内に残分として、遊離脂肪酸、ア
ルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分
のうち1つ又は2つ以上の値が低減された高度不飽和脂
肪酸含有油脂を得るものであり、上記第2の工程は、上
記第1の工程で上記超臨界抽出槽内に残分として得られ
た高度不飽和脂肪酸含有油脂から高度不飽和脂肪酸を主
体とする成分を超臨界流体中に選択的に取り込むステッ
プと、上記高度不飽和脂肪酸含有油脂を主体とする成分
を取り込んだ超臨界流体を第2の留分として上記超臨界
抽出槽上部より抽出するステップと、上記第2の留分と
して抽出された上記高度不飽和脂肪酸含有油脂を主体と
する成分を取り込んだ超臨界流体を減圧下において気化
するステップと、を有し、上記第2の留分として、遊離
脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成
分、臭気成分のうち1つ又は2つ以上の成分がさらに低
減された高度不飽和脂肪酸含有油脂を得るものであるこ
とを特徴とする。
【0016】また、請求項4の発明は、請求項1乃至3
に記載の発明において、上記遊離脂肪酸、アルデヒドを
含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分のうち、1
つ又は2つ以上の成分または高度不飽和脂肪酸含有油脂
の超臨界流体中への選択的な取り込みは、上記超臨界抽
出槽内の温度と圧力を可変制御することによって行うこ
とを特徴とする。
【0017】また、請求項5の発明は、請求項1乃至3
に記載の発明において、上記超臨界抽出槽の原料油脂供
給口より上方部分において、上方に向かうほど槽内温度
が高くなるような温度勾配が設けられていることを特徴
とする。
【0018】また、請求項6の発明は、請求項1乃至3
に記載の発明において、上記超臨界流体は超臨界二酸化
炭素であることを特徴とする。
【0019】また、請求項7の発明は、請求項1乃至3
に記載の発明において、上記超臨界抽出槽の温度は32〜
150℃、圧力は7.2〜49MPaであることを特徴とする。
【0020】また、請求項8の発明は、請求項1乃至3
に記載の発明において、上記高度不飽和脂肪酸含有油脂
は炭素数18個以上で不飽和結合数が3個以上の高度不飽
和脂肪酸、又はその低級アルコールエステル、又はその
グリセリドであることを特徴とする。
【0021】また、請求項9の発明は、請求項1乃至3
に記載の発明において、原料となる高度不飽和脂肪酸含
有油脂の酸価が1〜160、アニシジン価が1〜300、カルボ
ニル価が1〜300、色調が2以上(ガードナー法)で、な
おかつ特有の魚臭を有し、精製された高度不飽和脂肪酸
含有油脂の酸価、アニシジン価、カルボニル価、色調が
原料に対して50%以下に低減され、なおかつ魚臭が効率
よく低減されることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる高度不飽和
脂肪酸含有油脂の精製法の実施の形態を図面に基づいて
記述する。
【0023】図1は高度不飽和脂肪酸含有油脂中から遊
離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成
分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分を低減す
る超臨界抽出装置の第1の実施形態の概略工程を示す全
体構成図である。
【0024】図1において、超臨界抽出装置20は炭酸ガ
ス貯槽1、加圧装置2、加熱装置3、抽出槽4、減圧弁
5、分離槽6、バルブ7、気体処理装置8、減圧弁9、
減圧弁10により構成されている。
【0025】ここで炭酸ガス貯槽1は超臨界二酸化炭素
となる二酸化炭素が貯留されるガスボンベである。
【0026】また、加圧装置2は上記炭酸ガス貯槽1か
ら送出された炭酸ガスを超臨界二酸化炭素となるよう加
圧制御するものである。
【0027】また、加熱装置3は加圧装置2から抽出槽
4内に送出された炭酸ガスを超臨界二酸化炭素となるよ
う抽出槽4を加熱制御するものである。
【0028】また、抽出槽4は図示しない原料油脂供給
口から、原料となる高度不飽和脂肪酸含有油脂が投入さ
れると、投入された高度不飽和脂肪酸含有油脂中の遊離
脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成
分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分を選択的
に流体中の超臨界二酸化炭素に取り込むものである。
【0029】つまり、加圧装置2の設定圧力と加熱装置
4の設定温度により抽出槽4内の超臨界状態が制御さ
れ、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、
色素成分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分が
選択的に流体状態の超臨界二酸化炭素に取り込まれるよ
うにしている。
【0030】減圧弁5は、抽出槽4の上部から留分とし
て分離抽出された遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボ
ニル化合物、色素成分、臭気成分を含んだ超臨界二酸化
炭素を減圧して二酸化炭素を気化させるものである。
尚、抽出槽4内の流体状態の超臨界二酸化炭素は圧力の
制御により、原料である高度不飽和脂肪酸含有油脂より
も比重が小さくなるように設定してある。従って、超臨
界二酸化炭素を含んだ留分だけ抽出槽4の上方から減圧
弁5に導かれる。
【0031】分離槽6は減圧弁5で分離された二酸化炭
素と遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、
色素成分、臭気成分等を分離するもので、分離された二
酸化炭素はさらにバルブ7に導かれて減圧され、不純物
としての遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合
物、色素成分、臭気成分等は減圧弁9に導かれ、これら
の成分は基本的に廃棄される。
【0032】また、バルブ7に導かれた二酸化炭素は気
体処理装置8によって再生処理され、再利用することが
できる。
【0033】また、抽出槽4内の不純物成分が留分とし
て取り除かれた残分(高度不飽和脂肪酸含有油脂)は下
方の減圧弁10に導かれ、品質が改善された高度不飽和脂
肪酸含有油脂として取り出される。
【0034】以上が第1の実施形態の構成であるが、次
にその作用を説明する。
【0035】先ず炭酸ガス貯槽1内の二酸化炭素は加圧
装置2に供給され、加圧装置2で加圧され、抽出槽4へ
供給される。抽出槽4の周囲には加熱装置3が設けられ
ているので、加圧装置2の圧力制御と加熱装置3の加熱
制御により抽出槽4内を所望の超臨界状態に設定でき
る。
【0036】そこで、まず原料となる高度不飽和脂肪酸
含有油脂を抽出槽4へ投入し、次に抽出槽4内に超臨界
二酸化炭素を供給する。これによって、不純物としての
遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素
成分、臭気成分は超臨界二酸化炭素内に取り込まれ、留
分として抽出槽4の上部から抽出されて減圧弁5に導か
れ、さらに分離槽6へ導かれる。ここで留分中の超臨界
二酸化炭素は減圧弁5で減圧されて分離されているが、
更にバルブ7に導かれ、気体処理装置8に導かれる。ま
た、不純物として分離された遊離脂肪酸、アルデヒドを
含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分は減圧弁9
でさらに減圧されて廃棄される。
【0037】また、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカル
ボニル化合物、色素成分、臭気成分のうち、1つ又は2
つ以上の成分が低減された抽出槽4内の残分たる高度不
飽和脂肪酸含有油脂に含有される超臨界状態の二酸化炭
素は減圧弁10で減圧することによって急速に分離するの
で、二酸化炭素は完全に除去され、遊離脂肪酸、アルデ
ヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分が低
減された高度不飽和脂肪酸含有油脂を得ることができ
る。
【0038】尚、超臨界抽出装置20の抽出槽4内の温度
および圧力は、二酸化炭素の臨界点である31.3℃、7.2M
Pa気圧以上とする必要があるが、本実施形態では、温度
が32〜150℃、圧力が7.2〜49MPaとするとよい。
【0039】また、本実施形態で使用される高度不飽和
脂肪酸含有油脂は高度不飽和脂肪酸またはその低級アル
コールエステル、グリセリドから選択される少なくとも
一種を含有する脂質であり、天然物、合成物のいずれも
使用できる。また、予め化学法あるいは酵素法を用いて
高度不飽和脂肪酸の純度を高めたものでもよい。
【0040】具体的には、炭素数18個以上で、且つ、不
飽和結合数3個以上の脂肪酸が望ましく、例えば、α-リ
ノレン酸、γーリノレン酸、オクタデカテトラエン酸、
アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(以下、EPAと略
す)、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸(以
下、DHAと略す)などが挙げられる。
【0041】また、本実施形態に使用する超臨界流体は
二酸化炭素であり、精製後の分離、取り扱い性、無害
性、コストなどの点から単独で使用することが望まし
い。また、水、エタノール等のエントレーナーを混合し
て用いても良い。
【0042】尚、超臨界抽出装置を使用する場合には、
超臨界二酸化炭素の比重が、対象となる原料の比重より
も小さいことが必須条件であることから、抽出圧力はそ
の条件を満たすように設定しなければならない。
【0043】ところで、上記第1の実施形態では、抽出
槽4に原料となる高度不飽和脂肪酸が投入されると、投
入された高度不飽和脂肪酸のうち遊離脂肪酸、アルデヒ
ドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分のう
ち、1つ又は2つ以上の成分を選択的に流体状態の超臨
界二酸化炭素に取り込み、それらを留分として抽出槽の
上部から抽出して減圧弁5に導き、分離槽6では減圧弁
5で分離された二酸化炭素と遊離脂肪酸、アルデヒドを
含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分等を分離
し、抽出槽4内に不純物質の取り除かれた高度不飽和脂
肪酸を残分として残し、品質が改善された高度不飽和脂
肪酸含有油脂として得るようにした。
【0044】これは、抽出槽4内を制御する加圧装置2
及び加熱装置3の設定により、不純物を含んだ流体状態
の超臨界二酸化炭素の比重を、原料物質である高度不飽
和脂肪酸含有油脂より小さくなるように設定して、超臨
界二酸化炭素に取り込まれた留分は抽出槽4の上部から
抽出して減圧弁5に導くようにしたからである。
【0045】これに対して、第2の実施形態として、抽
出槽4内を制御する加圧装置2及び加熱装置3の設定に
より、原料物質である高度不飽和脂肪酸含有油脂を含ん
だ流体状態の超臨界二酸化炭素の比重を不純物質より小
さくなるように設定して、高度不飽和脂肪酸含有油脂を
含んだ留分を抽出槽4の上部から減圧弁5に導くように
することもできる。
【0046】この場合は、減圧弁5によって減圧した留
分(高度不飽和脂肪酸含有油脂)を分離槽6に導き、減
圧されて分離した二酸化炭素はさらにバルブ7へ導き、
品質が改善された高度不飽和脂肪酸含有油脂は減圧弁9
でさらに減圧して取り出す。
【0047】この場合は、不純物は抽出槽4内に残さ
れ、減圧弁10で減圧された後に廃棄される。
【0048】次に第3の実施形態として上記第1の実施
形態と第2の実施形態を組み合わせて、遊離脂肪酸、ア
ルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分
を留分および残分として除去し、中間画分として高度不
飽和脂肪酸含有油脂を得るようにした構成を説明する。
【0049】すなわち、まず、抽出槽4内を制御する加
圧装置2および加熱装置3の設定により不純物を含んだ
流体状態の超臨界二酸化炭素の比重を原料物質である高
度不飽和脂肪酸含有油脂よりも小さくなるように設定し
て、超臨界二酸化炭素を含んだ留分は抽出槽4の上部か
ら抽出して減圧弁5に導くようにする。
【0050】これによって、抽出槽4内には残分として
遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素
成分、臭気成分が低減された高度不飽和脂肪酸含有油脂
を得ることができる。ここまでは、第1の実施形態の構
成である。
【0051】尚、分離槽6内の留分のうち、分離した二
酸化炭素はバルブ7へ導き再利用するが、遊離脂肪酸、
アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成
分は廃棄する。
【0052】次に抽出槽4内を制御する加圧装置2及び
加熱装置3の設定により残分である高度不飽和脂肪酸含
有油脂を含んだ流体状態の超臨界二酸化炭素の比重を不
純物よりも小さくなるように設定して、高度不飽和脂肪
酸含有油脂を含んだ留分は抽出槽4の上部から抽出して
減圧弁5に導くようにする。
【0053】そして、減圧弁5によって減圧した留分を
分離槽6に導き、減圧されて分離した二酸化炭素はさら
にバルブ7へ導き再利用するが、品質が改善された高度
不飽和脂肪酸含有油脂は減圧弁9から取り出す。ここま
では、第2の実施形態の構成である。
【0054】これによって、第3の実施形態ではより品
質が改善された高度不飽和脂肪酸含有油脂を得る事がで
きる。
【0055】ところで、図1に示した超臨界抽出装置20
では、加熱装置3は設定された一定温度で抽出槽4を過
熱することで抽出槽4内を超臨界状態としたが、次に、
温度勾配の設定が可能な加熱装置を備えた抽出塔を使用
して、抽出塔4内を超臨界状態とし、遊離脂肪酸、アル
デヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分の
うち、1つ又は2つ以上の成分を低減する実施形態を第
4の実施形態として図2を参照しながら説明する。
【0056】図2は、この場合の概略工程を示す全体構
成図である。尚、図1で説明したものと同一の機能を果
たす同一部材には同一符号を付して重複した説明は省略
する。
【0057】図2において超臨界抽出装置30は、炭酸ガ
ス貯槽1、加圧装置2、抽出塔4、減圧弁5、分離槽
6、バルブ7、気体処理装置8、減圧弁9、減圧弁10、
温度勾配用加熱装置11、原料供給装置12、バルブ13、加
圧装置14により構成されている。
【0058】ここで、第4の実施形態では、図1に示し
た第1の実施形態の構成に加えて、温度勾配用加熱装置
11、原料供給装置12、バルブ13、加圧装置14が採用され
ているが、温度勾配用加熱装置11は例えば7個のヒータ
ーを所定間隔で設け、抽出塔4内の温度を原料供給口よ
り上方部分において、上部より順に、例えば56℃、54
℃、52℃、50℃、48℃、46℃、44℃とし、抽出塔4内の
上下方向に等しい幅の温度領域を形成して、抽出塔4内
に温度勾配を与えるものである。
【0059】尚、原料供給装置12は原料となる高度不飽
和脂肪酸含有油脂を自動供給するものである。
【0060】また、バルブ13は原料を加圧装置14に供給
するものである。
【0061】加圧装置14は、原料を抽出塔4内の圧力ま
で加圧して原料を抽出塔4内に供給するものである。
【0062】この第4の実施形態では、温度勾配用加熱
装置11を設けて、抽出塔4内に等しい幅の温度領域を形
成して抽出塔4内に温度勾配を与えるようにしている。
これは、同一物質であっても抽出温度の違いにより、流
体状態の超臨界二酸化炭素への溶解度が大きく変動する
ことを利用するものである。つまり、抽出塔4内の上下
方向で、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合
物、色素成分、臭気成分等の不純物質および高度不飽和
脂肪酸含有油脂の、個々の成分における溶解度に差が生
じるために精留効果を高められるという効果を奏する。
【0063】尚、第4の実施形態では、抽出塔4内に温
度勾配を与えるようにしているが、その他の作用および
効果は図1に示した第1の実施形態と全く同様である。
【0064】次に、本発明を具体的な実施例に基づいて
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0065】
【実施例1】高度不飽和脂肪酸含有油脂として、イワシ
油を原料として、図1に記載の超臨界抽出装置20によっ
て精製した(第1の実施形態によるものである)。原料
油脂100gを抽出槽4内に投入し、抽出槽4内の抽出温度
42℃、抽出圧力10.3MPaに設定し、30分後に減圧弁で2.9
MPaまで減圧し、分離層6で留分を分離した。その後、
抽出槽4から残分として高度不飽和脂肪酸含有油脂を得
た。高度不飽和脂肪酸含有油脂を多量に含む残分の収量
は89gであり、遊離脂肪酸、アルデヒド、カルボニル化
合物、色素成分、臭気成分を主に含む、留分は8gであっ
た。各画分の分析結果を表1に示す。表1より、高度不
飽和脂肪酸含有油脂を主に含む画分で遊離脂肪酸、アル
デヒド、カルボニル化合物、色素成分、臭気成分が低減
され、酸価、アニシジン価、カルボニル価、色調、にお
いが顕著に改善されていることを確認した。
【0066】
【表1】
【0067】
【実施例2】高度不飽和脂肪酸含有油脂として、カツオ
油を原料として、図1に記載の超臨界抽出装置20によっ
て精製した(第3の実施形態によるものである)。原料
油脂100gを抽出槽4内に投入し、抽出槽4内の抽出温度
38℃、抽出圧力9.3MPaに設定し、30分後に減圧弁で2.9M
Paまで減圧し、分離層で留分を分離した。また、分離
槽6で分離した二酸化炭素は減圧弁7に導き、気体処理
装置によって再生処理して再使用した。
【0068】次に、抽出槽4内を抽出温度45℃、抽出圧
力11.8MPaに設定して高度不飽和脂肪酸含有油脂の抽出
を行い、1時間後に再び減圧弁5で2.9MPaまで減圧し
て、高度不飽和脂肪酸含有油脂を多量に含む留分を分
離した。その後、抽出槽から残分を得た。
【0069】ここで、遊離脂肪酸、カルボニル化合物、
臭気成分を主に含む留分は6gであった。また、高度不
飽和脂肪酸含有油脂を多量に含む留分の収量は78gで
あり、また、色素成分、アルデヒド、カルボニル化合物
を主に含む抽出後の残分は7gであった。各画分の分析結
果を表2に示す。表2より、高度不飽和脂肪酸含有油脂
を主に含む画分で遊離脂肪酸、アルデヒド、カルボニル
化合物、色素成分、臭気成分が効率よく低減され、酸
価、アニシジン価、カルボニル価、色調、においが顕著
に改善されていることを確認した。
【0070】
【表2】
【0071】
【比較例】実施例2に用いた油を原料として、カラムク
ロマトグラフィー処理によって精製した。試料100gを10
0mlのヘキサンに溶解した。このヘキサン溶液を500gの
シリカゲル(メルク社、シリカゲル60)に吸着させた後
に、ヘキサン-ジエチルエーテル混合液(90:10の容量
比)1リットルを用いて溶出し、溶出した画分を濃縮お
よび溶媒除去を行い、精製物72.1gを得た。分析結果を
表3に示す。
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では遊離脂
肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、
臭気成分のうち、1つ又は2つ以上が低減された高度不
飽和脂肪酸含有油脂を得るに際し、抽出槽内の原料油脂
に対して、超臨界状態の二酸化炭素を接触させ、遊離脂
肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、
臭気成分を留分あるいは残分として高度不飽和脂肪酸含
有油脂から分離するようにしたので、不純物濃度の低い
高品質の高度不飽和脂肪酸含有油脂を得ることが出来る
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】高度不飽和脂肪酸含有油脂中から、遊離脂肪
酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭
気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分を低減する超臨
界抽出装置の実施形態の概略工程を示す全体構成図であ
る。
【図2】同じく、高度不飽和脂肪酸含有油脂中から、遊
離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成
分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分を低減す
る超臨界抽出装置の実施形態の概略工程を示す全体構成
図である。
【符号の説明】
1 炭酸ガス貯槽 2 加圧装置 3 加熱装置 4 抽出槽(抽出塔) 5 減圧弁 6 分離槽 7 バルブ 8 気体処理装置 9 減圧弁 10 減圧弁 11 温度勾配用加熱装置 12 原料供給装置 13 バルブ 14 加圧装置 20 超臨界抽出装置 30 超臨界抽出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 万倉 三正 広島県福山市箕沖町95番地7 池田食研株 式会社内 Fターム(参考) 4H059 AA06 BA33 BB05 BB06 CA14 CA72 CA73 CA97 DA04 DA08 DA09 DA30 EA21 EA23 EA24 EA25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高度不飽和脂肪酸含有油脂中から、遊離
    脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成
    分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分を低減す
    るための高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製方法におい
    て、 上記高度不飽和脂肪酸含有油脂を超臨界抽出槽内に投入
    するステップと、 上記投入された高度不飽和脂肪酸含有油脂中から、遊離
    脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成
    分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分を超臨界
    流体中に選択的に取り込むステップと、 上記遊離脂肪酸等の成分を取り込んだ超臨界流体を留分
    として、上記超臨界抽出槽の上部より抽出するステップ
    と、 上記留分として抽出された上記遊離脂肪酸等の成分を取
    り込んだ超臨界流体を減圧下において分離するステップ
    と、を有し、 残分として、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル
    化合物、色素成分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上
    の成分が低減された高度不飽和脂肪酸含有油脂を得るこ
    とを特徴とする高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製方法。
  2. 【請求項2】 高度不飽和脂肪酸含有油脂中から、遊離
    脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成
    分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分を低減す
    るための高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製方法におい
    て、 上記高度不飽和脂肪酸含有油脂を超臨界抽出槽内に投入
    するステップと、 上記投入された高度不飽和脂肪酸含有油脂中から上記高
    度不飽和脂肪酸含有油脂を主体とする成分を超臨界流体
    中に選択的に取り込むステップと、 上記高度不飽和脂肪酸含有油脂を主体とする成分を取り
    込んだ超臨界流体を留分として、上記超臨界抽出槽の上
    部より抽出するステップと、 上記留分として抽出された上記高度不飽和脂肪酸含有油
    脂を主体とする成分を取り込んだ超臨界流体を減圧下に
    おいて分離するステップと、を有し、 上記留分として、遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカルボ
    ニル化合物、色素成分、臭気成分のうち、1つ又は2つ
    以上の成分が低減された高度不飽和脂肪酸含有油脂を得
    ることを特徴とする高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製方
    法。
  3. 【請求項3】 高度不飽和脂肪酸含有油脂中から、遊離
    脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成
    分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分を低減す
    るための高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製方法におい
    て、 第1の工程と第2の工程を有し、 上記第1の工程は、 上記高度不飽和脂肪酸含有油脂を超臨界抽出槽内に投入
    するステップと、 上記投入された高度不飽和脂肪酸含有油脂中から、遊離
    脂肪酸、アルデヒドを含むカルボニル化合物、色素成
    分、臭気成分のうち、1つ又は2つ以上の成分を超臨界
    流体中に選択的に取り込むステップと、 上記遊離脂肪酸等の成分を取り込んだ超臨界流体を第1
    の留分として、上記超臨界抽出槽の上部より抽出するス
    テップと、 上記第1の留分として抽出された上記遊離脂肪酸等の成
    分を取り込んだ超臨界流体を減圧下において分離するス
    テップと、 を有して、 上記超臨界抽出槽内に残分として、遊離脂肪酸、アルデ
    ヒドを含むカルボニル化合物、色素成分、臭気成分のう
    ち、1つ又は2つ以上の成分が低減された高度不飽和脂
    肪酸含有油脂を得るものであり、 上記第2の工程は、 上記第1の工程で上記超臨界抽出槽内に残分として得ら
    れた高度不飽和脂肪酸含有油脂から高度不飽和脂肪酸含
    有油脂を主体とする成分を超臨界流体中に選択的に取り
    込むステップと、 上記高度不飽和脂肪酸含有油脂を主体とする成分を取り
    込んだ超臨界流体を第2の留分として上記超臨界抽出槽
    の上部より抽出するステップと、 上記第2の留分として抽出された上記高度不飽和脂肪酸
    含有油脂を主体とする成分を取り込んだ超臨界流体を減
    圧下において分離するステップと、 を有し、 上記第2の留分として、遊離脂肪酸、アルデヒドを含む
    カルボニル化合物、色素成分、臭気成分のうち、1つ又
    は2つ以上の成分がさらに低減された高度不飽和脂肪酸
    含有油脂を得るものであることを特徴とする高度不飽和
    脂肪酸含有油脂の精製方法。
  4. 【請求項4】 上記遊離脂肪酸、アルデヒドを含むカル
    ボニル化合物、色素成分、臭気成分のうち、1つ又は2
    つ以上の成分または高度不飽和脂肪酸含有油脂の超臨界
    流体中への選択的な取り込みは、上記超臨界抽出槽内の
    温度と圧力を可変制御することによって行うことを特徴
    とする請求項1乃至3に記載の高度不飽和脂肪酸含有油
    脂の精製方法。
  5. 【請求項5】 上記超臨界抽出槽の原料油脂供給口より
    上方部分において、上方に向かうほど槽内温度が高くな
    るような温度勾配が設けられていることを特徴とする請
    求項1乃至3に記載の高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製
    方法。
  6. 【請求項6】 上記超臨界流体は超臨界二酸化炭素であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3に記載の高度不飽和
    脂肪酸含有油脂の精製方法。
  7. 【請求項7】 上記超臨界抽出槽の温度は32〜150℃、
    圧力は7.2〜49MPaであることを特徴とする請求項1乃至
    3に記載の高度不飽和脂肪酸含有油脂の精製方法。
  8. 【請求項8】 上記高度不飽和脂肪酸含有油脂は炭素数
    18個以上で不飽和結合数が3個以上の高度不飽和脂肪
    酸、又はその低級アルコールエステル、又はそのグリセ
    リドであることを特徴とする請求項1乃至3に記載の高
    度不飽和脂肪酸含有油脂の精製方法。
  9. 【請求項9】 原料となる高度不飽和脂肪酸含有油脂の
    酸価が1〜160、アニシジン価が1〜300、カルボニル価が
    1〜300、色調が2以上(ガードナー法)で、なおかつ特
    有の魚臭を有し、 精製された高度不飽和脂肪酸含有油脂の酸価、アニシジ
    ン価、カルボニル価、色調が原料に対して50%以下に低
    減され、なおかつ魚臭が効率よく低減されることを特徴
    とする請求項1乃至3に記載の高度不飽和脂肪酸含有油
    脂の精製方法。
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