JPH09157684A - 高度不飽和脂肪酸エステルの精製方法 - Google Patents
高度不飽和脂肪酸エステルの精製方法Info
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- JPH09157684A JPH09157684A JP7320594A JP32059495A JPH09157684A JP H09157684 A JPH09157684 A JP H09157684A JP 7320594 A JP7320594 A JP 7320594A JP 32059495 A JP32059495 A JP 32059495A JP H09157684 A JPH09157684 A JP H09157684A
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- Extraction Or Liquid Replacement (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高度不飽和脂肪酸エステルの濃縮、精製を行
う。 【解決手段】 超臨界流体によって、塔の高さ方向に温
度勾配を設けた抽出塔において抽出分離し、塔の底部か
ら得られた抽出残渣をさらに同様に超臨界流体によって
抽出分離し、得られた中間生成物を液体クロマトグラフ
ィーによって精製をおこなう方法。 【効果】 濃縮とともに脱色および過酸化物価が抑制さ
れた高度不飽和脂肪酸エステルを得ることができる。
う。 【解決手段】 超臨界流体によって、塔の高さ方向に温
度勾配を設けた抽出塔において抽出分離し、塔の底部か
ら得られた抽出残渣をさらに同様に超臨界流体によって
抽出分離し、得られた中間生成物を液体クロマトグラフ
ィーによって精製をおこなう方法。 【効果】 濃縮とともに脱色および過酸化物価が抑制さ
れた高度不飽和脂肪酸エステルを得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度不飽和脂肪
酸、特にアラキドン酸、エイコサペンタエン酸およびド
コサヘキサエン酸から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸
の低級アルコールエステルの純度を高めるとともに脱
色、および過酸化脂質の低減された製品を効率的に得る
方法に関する。
酸、特にアラキドン酸、エイコサペンタエン酸およびド
コサヘキサエン酸から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸
の低級アルコールエステルの純度を高めるとともに脱
色、および過酸化脂質の低減された製品を効率的に得る
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】魚油などの油脂に含まれるアラキドン
酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸は、
n−6系及びn−3系の脂肪酸としてそれぞれ生体内で
重要な役割を果たしている。そのため、特定保健用食品
の素材としてのみならず、健康食品、飼料用素材、さら
に高純度品は医薬品としての利用が期待されている。一
般に、高度不飽和脂肪酸は、天然物中の含有量が低いた
めその生理作用を高めるためには、濃縮をするとともに
不純物を減少させることが必要である。そのため、例え
ば糖脂質、燐脂質、トリグリセリドなどのグリセリドの
形で存在している高度不飽和脂肪酸の混合物を低級アル
コールエステル誘導体とした後、分離精製する手法が採
用されている。
酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸は、
n−6系及びn−3系の脂肪酸としてそれぞれ生体内で
重要な役割を果たしている。そのため、特定保健用食品
の素材としてのみならず、健康食品、飼料用素材、さら
に高純度品は医薬品としての利用が期待されている。一
般に、高度不飽和脂肪酸は、天然物中の含有量が低いた
めその生理作用を高めるためには、濃縮をするとともに
不純物を減少させることが必要である。そのため、例え
ば糖脂質、燐脂質、トリグリセリドなどのグリセリドの
形で存在している高度不飽和脂肪酸の混合物を低級アル
コールエステル誘導体とした後、分離精製する手法が採
用されている。
【0003】例えば、特開昭64−70439号等には
蒸留による方法が提案されているが、高沸点であるため
に、減圧下での蒸留によっても、高温に加熱することが
避けられず、このために異性化や重合が起こり易く、過
酸化物価が高くなり、また着色も生じるという欠点があ
る。また、特開平3−167294号公報等には、クロ
マトグラフィーによる方法が提案されているが、分離に
長時間を要するとともに原料に対して大量の溶剤を必要
とするという問題がある。また、特開平1−24974
2号公報等には、超臨界状態の流体を利用して、特定脂
肪酸成分を分離することが提案されているが、この方法
では、油脂中のトリグリセライドの超臨界状態の二酸化
炭素への溶解度を高めるために、脂肪酸アルキルエステ
ルとした後に、二酸化炭素によって抽出分離を行ってお
り、さらに抽出された脂肪酸アルキルエステルを含む二
酸化炭素相を精留するすることによって濃縮分離効率を
高めている。この方法は、処理温度が低く蒸留方法に比
して特定の成分の分離特性が優れたものであるが、分離
効率が充分ではない。
蒸留による方法が提案されているが、高沸点であるため
に、減圧下での蒸留によっても、高温に加熱することが
避けられず、このために異性化や重合が起こり易く、過
酸化物価が高くなり、また着色も生じるという欠点があ
る。また、特開平3−167294号公報等には、クロ
マトグラフィーによる方法が提案されているが、分離に
長時間を要するとともに原料に対して大量の溶剤を必要
とするという問題がある。また、特開平1−24974
2号公報等には、超臨界状態の流体を利用して、特定脂
肪酸成分を分離することが提案されているが、この方法
では、油脂中のトリグリセライドの超臨界状態の二酸化
炭素への溶解度を高めるために、脂肪酸アルキルエステ
ルとした後に、二酸化炭素によって抽出分離を行ってお
り、さらに抽出された脂肪酸アルキルエステルを含む二
酸化炭素相を精留するすることによって濃縮分離効率を
高めている。この方法は、処理温度が低く蒸留方法に比
して特定の成分の分離特性が優れたものであるが、分離
効率が充分ではない。
【0004】また、それぞれの方法の欠点を補うため
に、真空蒸留とクロマトグラフィーとを組み合わせたエ
イコサペンタエン酸エチルエステルの分離方法が特開平
5−22932号公報やドコサヘキサエン酸エチルエス
テルの分離方法が特開平6−33088号公報に記載さ
れている。これらの方法では、高度不飽和脂肪酸類の純
度を効率よく高めることができるものの、高度不飽和脂
肪酸類は酸化しやすく、また、高温下では着色し易いた
め、濃縮された精製物は、過酸化物価が高く、あるいは
着色した状態で得られる。このため、濃縮した高度不飽
和脂肪酸類の低級アルコールエステルを、更に水蒸気蒸
留や吸着剤等によって、過酸化脂質の除去や脱色を行う
ことで最終精製物を得ており、その結果、工程が複雑と
なっている。
に、真空蒸留とクロマトグラフィーとを組み合わせたエ
イコサペンタエン酸エチルエステルの分離方法が特開平
5−22932号公報やドコサヘキサエン酸エチルエス
テルの分離方法が特開平6−33088号公報に記載さ
れている。これらの方法では、高度不飽和脂肪酸類の純
度を効率よく高めることができるものの、高度不飽和脂
肪酸類は酸化しやすく、また、高温下では着色し易いた
め、濃縮された精製物は、過酸化物価が高く、あるいは
着色した状態で得られる。このため、濃縮した高度不飽
和脂肪酸類の低級アルコールエステルを、更に水蒸気蒸
留や吸着剤等によって、過酸化脂質の除去や脱色を行う
ことで最終精製物を得ており、その結果、工程が複雑と
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高度不飽和
脂肪酸の濃縮を効率よく行うとともに、濃縮過程におい
て、着色および過酸化物を同時に除去することが可能な
高級不飽和脂肪酸エステルの精製方法を提供することを
課題とするものである。
脂肪酸の濃縮を効率よく行うとともに、濃縮過程におい
て、着色および過酸化物を同時に除去することが可能な
高級不飽和脂肪酸エステルの精製方法を提供することを
課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、脂肪酸の低級
アルコールエステル混合物より、アラキドン酸、エイコ
サペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸から選ばれる少
なくとも1種類の脂肪酸の低級アルコールエステルの精
製において、上下方向に温度勾配を設けた抽出塔におい
て、超臨界流体による抽出分離をおこない、抽出塔の下
部から得られる抽出残渣を、さらに同様に少なくとも一
回抽出分離を行い、得られた抽出物を液体クロマトグラ
フィーにより、精製することにより、脂肪酸の低級アル
コールの精製効率を高めるとともに、脱色および過酸化
脂質を減少させる方法である。
アルコールエステル混合物より、アラキドン酸、エイコ
サペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸から選ばれる少
なくとも1種類の脂肪酸の低級アルコールエステルの精
製において、上下方向に温度勾配を設けた抽出塔におい
て、超臨界流体による抽出分離をおこない、抽出塔の下
部から得られる抽出残渣を、さらに同様に少なくとも一
回抽出分離を行い、得られた抽出物を液体クロマトグラ
フィーにより、精製することにより、脂肪酸の低級アル
コールの精製効率を高めるとともに、脱色および過酸化
脂質を減少させる方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の高度不飽和脂肪酸エステ
ルの精製方法は、魚油等の高度不飽和脂肪酸から得られ
た低級アルコールエステルを二酸化炭素などの超臨界流
体によって塔の上下方向に温度勾配を設けた抽出塔にお
いて抽出分離し、抽出塔の底部から得られる抽出残渣
を、さらに少なくとも1回同様に超臨界流体によって抽
出分離をし、得られた中間精製物をさらに液体クロマト
グラフィーにより処理することによって、高度不飽和脂
肪酸エステルの純度をさらに高めるとともに、脱色をお
こない、さらに過酸化脂質の濃度が低減された高度不飽
和脂肪酸エステルを得る方法である。本発明の高度不飽
和脂肪酸エステルの精製方法に用いることが可能なエス
テル類は、魚油、藻類脂質等の水産油脂類、植物油脂、
微生物油脂等を原料として得られたメチルエステル、エ
チルエステル等の低級アルコールエステルを用いること
ができる。低級アルコールエステルの製造は、稲葉恵一
等編、「新版脂肪酸化学」、幸書房(1981)等に記
載の方法によって行うことができる。
ルの精製方法は、魚油等の高度不飽和脂肪酸から得られ
た低級アルコールエステルを二酸化炭素などの超臨界流
体によって塔の上下方向に温度勾配を設けた抽出塔にお
いて抽出分離し、抽出塔の底部から得られる抽出残渣
を、さらに少なくとも1回同様に超臨界流体によって抽
出分離をし、得られた中間精製物をさらに液体クロマト
グラフィーにより処理することによって、高度不飽和脂
肪酸エステルの純度をさらに高めるとともに、脱色をお
こない、さらに過酸化脂質の濃度が低減された高度不飽
和脂肪酸エステルを得る方法である。本発明の高度不飽
和脂肪酸エステルの精製方法に用いることが可能なエス
テル類は、魚油、藻類脂質等の水産油脂類、植物油脂、
微生物油脂等を原料として得られたメチルエステル、エ
チルエステル等の低級アルコールエステルを用いること
ができる。低級アルコールエステルの製造は、稲葉恵一
等編、「新版脂肪酸化学」、幸書房(1981)等に記
載の方法によって行うことができる。
【0008】本発明の方法に使用する原料は、高度不飽
和脂肪酸エステルの含有量が5重量%以上のものが好ま
しく、20重量%以上であることがより好ましい。低濃
度の原料の場合には、超臨界流体による処理に先立ち、
予備的に精製あるいは濃縮を行っても良い。
和脂肪酸エステルの含有量が5重量%以上のものが好ま
しく、20重量%以上であることがより好ましい。低濃
度の原料の場合には、超臨界流体による処理に先立ち、
予備的に精製あるいは濃縮を行っても良い。
【0009】本発明における超臨界流体による処理は、
ラシヒリング、ディクソン、ヘリパック等の充填物を内
部に充填し、下部から上部に温度を段階的に上昇させる
ことで温度勾配を設けた精留機能を有する抽出塔に、連
続的に超臨界状態の流体を供給するとともに、抽出塔の
上部から取り出した超臨界流体を減圧して成分を分離
し、下部からは抽出残渣を採取することによって、特定
の脂肪酸エステルを濃縮分離するものである。
ラシヒリング、ディクソン、ヘリパック等の充填物を内
部に充填し、下部から上部に温度を段階的に上昇させる
ことで温度勾配を設けた精留機能を有する抽出塔に、連
続的に超臨界状態の流体を供給するとともに、抽出塔の
上部から取り出した超臨界流体を減圧して成分を分離
し、下部からは抽出残渣を採取することによって、特定
の脂肪酸エステルを濃縮分離するものである。
【0010】抽出塔の温度は臨界温度以上の温度に設定
することが必要であり、超臨界流体として二酸化炭素を
使用する場合には31.1℃以上であり、また、高度不
飽和脂肪酸エステルの変質を防止するために150℃以
下とすることが好ましい。圧力は臨界圧以上であり、超
臨界流体として二酸化炭素を使用する場合には78kg
/cm2 とすることが必要である。操業上安定な超臨界
状態とするために、温度は40℃以上、圧力は80kg
/cm2 以上とすることが好ましいが、とくに好ましく
は、温度は40〜110℃、圧力は100〜170kg
/cm2 である。
することが必要であり、超臨界流体として二酸化炭素を
使用する場合には31.1℃以上であり、また、高度不
飽和脂肪酸エステルの変質を防止するために150℃以
下とすることが好ましい。圧力は臨界圧以上であり、超
臨界流体として二酸化炭素を使用する場合には78kg
/cm2 とすることが必要である。操業上安定な超臨界
状態とするために、温度は40℃以上、圧力は80kg
/cm2 以上とすることが好ましいが、とくに好ましく
は、温度は40〜110℃、圧力は100〜170kg
/cm2 である。
【0011】また、抽出塔の塔頂部より取り出した後、
減圧することによって分離された留出液の一部を抽出塔
に還流して、さらに濃縮しても良い。抽出塔から流出し
た超臨界状態の二酸化炭素は減圧することにより急激に
気化するので、容易に、かつ完全に分離除去され、濃縮
された高度不飽和脂肪酸アルコールエステルを得ること
ができる。また、分離された二酸化炭素は、精製、圧縮
して循環利用することができる。
減圧することによって分離された留出液の一部を抽出塔
に還流して、さらに濃縮しても良い。抽出塔から流出し
た超臨界状態の二酸化炭素は減圧することにより急激に
気化するので、容易に、かつ完全に分離除去され、濃縮
された高度不飽和脂肪酸アルコールエステルを得ること
ができる。また、分離された二酸化炭素は、精製、圧縮
して循環利用することができる。
【0012】超臨界流体による処理で得られた中間精製
物は、高い純度となるものの、同じ炭素鎖同士の脂肪酸
の低級アルコールエステルの分離は困難であるが、液体
クロマトグラフィーによる処理と組み合わせることによ
ってさらに濃縮することができ、同時に過酸化脂質の除
去および脱色も行うことが可能となる。液体クロマトグ
ラフィーにおけるカラム充填剤としてODS系またはシ
リカゲル系を用い、かつ各アルコールエステル混合物を
分離するに足る移動相を用いることにより最終精製を達
成し、高度不飽和脂肪酸エステルの純度を高めると同時
に、脱色および過酸化脂質の除去を行うことができる。
物は、高い純度となるものの、同じ炭素鎖同士の脂肪酸
の低級アルコールエステルの分離は困難であるが、液体
クロマトグラフィーによる処理と組み合わせることによ
ってさらに濃縮することができ、同時に過酸化脂質の除
去および脱色も行うことが可能となる。液体クロマトグ
ラフィーにおけるカラム充填剤としてODS系またはシ
リカゲル系を用い、かつ各アルコールエステル混合物を
分離するに足る移動相を用いることにより最終精製を達
成し、高度不飽和脂肪酸エステルの純度を高めると同時
に、脱色および過酸化脂質の除去を行うことができる。
【0013】ODS系の場合、使用する移動相として
は、水、メタノール、エタノール、アセトンなどの溶媒
を単独または混合して用い、シリカゲル系の場合、ヘキ
サン、エーテル、エタノールなどの溶媒を単独または混
合して用いることができる。とくに、カラムとしてOD
S系を用い、溶媒としてはメタノールまたはメタノール
と水の混合液を用いるのがよい。また、液体クロマトグ
ラフィーによる処理操作は、疑似移動相を等の連続式、
回分式、リサイクルを伴った回分式を用いることができ
る。
は、水、メタノール、エタノール、アセトンなどの溶媒
を単独または混合して用い、シリカゲル系の場合、ヘキ
サン、エーテル、エタノールなどの溶媒を単独または混
合して用いることができる。とくに、カラムとしてOD
S系を用い、溶媒としてはメタノールまたはメタノール
と水の混合液を用いるのがよい。また、液体クロマトグ
ラフィーによる処理操作は、疑似移動相を等の連続式、
回分式、リサイクルを伴った回分式を用いることができ
る。
【0014】図1は、本発明の濃縮分離工程の一例を説
明する図である。二酸化炭素は、ボンベなどの二酸化炭
素貯槽1から加圧装置2で加圧して二酸化炭素を超臨界
状態とし、抽出塔3へ下部より供給する。濃縮分離する
原料4を加圧装置5によって抽出塔内の圧力にまで加圧
して抽出塔3へ供給する。抽出塔内部には充填物6が充
填され、また、抽出塔の周囲には複数の加熱装置7が設
けられている。抽出塔の内部には下部から上部方向へ温
度勾配が形成されており、これによって二酸化炭素密度
の異なる領域が形成されている。それぞれの加熱装置に
は、任意の温度に調整可能な加熱ヒータ、熱媒体などを
用いた加熱手段を用いることができる。抽出塔の塔頂部
からは抽出物を含む超臨界流体が取り出され、減圧弁8
によって減圧されて分離槽9に移動し、そこで抽出物が
分離される。分離された二酸化炭素は減圧弁10によっ
てさらに減圧され、気体処理装置11によって処理され
て、再度濃縮分離工程において用いられる。分離された
抽出物もしくは抽出残渣は、再度超臨界流体によって抽
出分離を行う場合には、三方弁12または13によって
切り替えられて、再び加圧装置5よって抽出塔に供給さ
れる。
明する図である。二酸化炭素は、ボンベなどの二酸化炭
素貯槽1から加圧装置2で加圧して二酸化炭素を超臨界
状態とし、抽出塔3へ下部より供給する。濃縮分離する
原料4を加圧装置5によって抽出塔内の圧力にまで加圧
して抽出塔3へ供給する。抽出塔内部には充填物6が充
填され、また、抽出塔の周囲には複数の加熱装置7が設
けられている。抽出塔の内部には下部から上部方向へ温
度勾配が形成されており、これによって二酸化炭素密度
の異なる領域が形成されている。それぞれの加熱装置に
は、任意の温度に調整可能な加熱ヒータ、熱媒体などを
用いた加熱手段を用いることができる。抽出塔の塔頂部
からは抽出物を含む超臨界流体が取り出され、減圧弁8
によって減圧されて分離槽9に移動し、そこで抽出物が
分離される。分離された二酸化炭素は減圧弁10によっ
てさらに減圧され、気体処理装置11によって処理され
て、再度濃縮分離工程において用いられる。分離された
抽出物もしくは抽出残渣は、再度超臨界流体によって抽
出分離を行う場合には、三方弁12または13によって
切り替えられて、再び加圧装置5よって抽出塔に供給さ
れる。
【0015】超臨界抽出装置から得られた抽出物は、調
整槽14に送られる。通常は、溶媒槽15から加圧ポン
プ16によって、液体クロマトグラフィーのカラム17
へ溶媒が供給されているが、三方弁18の切換によって
調整槽14から適当な量の超臨界抽出装置で得られた抽
出物が断続的にカラムに送られる。その後、三方弁を切
り替えて溶媒を供給する。ついで、所定の分離が行われ
た溶液を三方弁19によって、最終生成物の精製物分離
槽20および不純物分離槽21へと送られる。生成物分
離槽20および不純物分離槽21の溶媒は、溶媒除去装
置23によって処理されて精製物24および不純物25
が得られる。また、除去された溶媒は溶媒槽15へと送
られて、再度液体クロマトグラフィーによって使用され
る。
整槽14に送られる。通常は、溶媒槽15から加圧ポン
プ16によって、液体クロマトグラフィーのカラム17
へ溶媒が供給されているが、三方弁18の切換によって
調整槽14から適当な量の超臨界抽出装置で得られた抽
出物が断続的にカラムに送られる。その後、三方弁を切
り替えて溶媒を供給する。ついで、所定の分離が行われ
た溶液を三方弁19によって、最終生成物の精製物分離
槽20および不純物分離槽21へと送られる。生成物分
離槽20および不純物分離槽21の溶媒は、溶媒除去装
置23によって処理されて精製物24および不純物25
が得られる。また、除去された溶媒は溶媒槽15へと送
られて、再度液体クロマトグラフィーによって使用され
る。
【0016】
実施例1 (イワシ油からの高純度エイコサペンタエン酸エチルエ
ステルの精製)フィッシュミール製造工程から得られた
イワシ油1000gを脱ガム、脱酸処理後、ナトリウム
エチラートを加えてエチルエステルを調整した。得られ
たイワシ油エチルエステルは820gで、組成は表1の
原料1で示す。イワシ油エチルエステル820gを、直
径3mmのディクソンを充填した内径30mm、高さ3
mの抽出塔の高さ1mの位置から、流量420g/時で
連続供給した。抽出塔の周囲に6個の加熱ヒーターを設
け、抽出塔の温度を上部より順次、70、66、62、
58、54、50℃とし、等しい幅の温度領域を形成し
て、抽出塔に温度勾配を与え、抽出塔の下部は50℃と
した。二酸化炭素を流量12.5kg/時で抽出塔に供
給し、抽出塔圧力は抽出塔の塔頂部に設けた弁によって
155kg/cm2 に設定した。また、エチルエステル
を抽出した抽出物は、減圧弁で30kg/cm2 まで減
圧し、分離槽で抽出物を分離した。分離した二酸化炭素
はガスメーターで検量した。抽出物の量は490gであ
った。これを以下、抽出物1と称す。また、抽出塔の塔
底部より抽出残渣を320g取り出した。これを以下、
抽出残渣1と称す。
ステルの精製)フィッシュミール製造工程から得られた
イワシ油1000gを脱ガム、脱酸処理後、ナトリウム
エチラートを加えてエチルエステルを調整した。得られ
たイワシ油エチルエステルは820gで、組成は表1の
原料1で示す。イワシ油エチルエステル820gを、直
径3mmのディクソンを充填した内径30mm、高さ3
mの抽出塔の高さ1mの位置から、流量420g/時で
連続供給した。抽出塔の周囲に6個の加熱ヒーターを設
け、抽出塔の温度を上部より順次、70、66、62、
58、54、50℃とし、等しい幅の温度領域を形成し
て、抽出塔に温度勾配を与え、抽出塔の下部は50℃と
した。二酸化炭素を流量12.5kg/時で抽出塔に供
給し、抽出塔圧力は抽出塔の塔頂部に設けた弁によって
155kg/cm2 に設定した。また、エチルエステル
を抽出した抽出物は、減圧弁で30kg/cm2 まで減
圧し、分離槽で抽出物を分離した。分離した二酸化炭素
はガスメーターで検量した。抽出物の量は490gであ
った。これを以下、抽出物1と称す。また、抽出塔の塔
底部より抽出残渣を320g取り出した。これを以下、
抽出残渣1と称す。
【0017】抽出物1および抽出残渣1を、それぞれガ
スクロマトグラフィー(HP−6890 Hewlet
t Packard製)によって、カラムDB−23
(J&W)、検出器FID、注入口温度250℃、検出
器温度250℃、注入量2μlの条件で組成分析をし
た。脂肪酸エチルエステル成分の含有量は、得られた各
成分の面積の百分率で示している。また、過酸化物価
は、1994年版 基準油脂分析法2.4.12−86
(日本油化学協会編)に準拠して測定し、その結果を表
1に示す。また、抽出物1、抽出残渣1をヘキサンで希
釈して、吸光光度計(日立製作所製 U3200)によ
って黄色の吸収極大がみられる375nm及び400n
mの波長において吸光度を測定し、10%溶液の吸光度
に換算した値を吸光係数E10%・1cmとして測定
し、その結果を表1に示す。
スクロマトグラフィー(HP−6890 Hewlet
t Packard製)によって、カラムDB−23
(J&W)、検出器FID、注入口温度250℃、検出
器温度250℃、注入量2μlの条件で組成分析をし
た。脂肪酸エチルエステル成分の含有量は、得られた各
成分の面積の百分率で示している。また、過酸化物価
は、1994年版 基準油脂分析法2.4.12−86
(日本油化学協会編)に準拠して測定し、その結果を表
1に示す。また、抽出物1、抽出残渣1をヘキサンで希
釈して、吸光光度計(日立製作所製 U3200)によ
って黄色の吸収極大がみられる375nm及び400n
mの波長において吸光度を測定し、10%溶液の吸光度
に換算した値を吸光係数E10%・1cmとして測定
し、その結果を表1に示す。
【0018】次いで、抽出残渣1を原料にして、再び超
臨界流体によって処理を行った。抽出塔へは210g/
時の速度で抽出残渣1を連続供給した。抽出塔の温度を
上部より順次、66、62、58、54、50、46℃
とし、下部は46℃に設定した。また、抽出塔圧力は1
45kg/cm2 、分離槽圧力は30kg/cm2 とし
た。二酸化炭素は流量10.5kg/時で抽出塔に送入
した。得られた抽出物の量は140gであった。この抽
出物を、以下、抽出物2と称す。また、抽出塔の下部よ
り抽出残渣を170g取り出した。この抽出残渣を抽出
残渣2と称す。抽出物2および抽出残渣2を抽出物1と
同様に分析し、結果を表1に示す。
臨界流体によって処理を行った。抽出塔へは210g/
時の速度で抽出残渣1を連続供給した。抽出塔の温度を
上部より順次、66、62、58、54、50、46℃
とし、下部は46℃に設定した。また、抽出塔圧力は1
45kg/cm2 、分離槽圧力は30kg/cm2 とし
た。二酸化炭素は流量10.5kg/時で抽出塔に送入
した。得られた抽出物の量は140gであった。この抽
出物を、以下、抽出物2と称す。また、抽出塔の下部よ
り抽出残渣を170g取り出した。この抽出残渣を抽出
残渣2と称す。抽出物2および抽出残渣2を抽出物1と
同様に分析し、結果を表1に示す。
【0019】次いで、超臨界流体処理で精製された抽出
物2の140gを、直径55mm、長さ300mmのO
DSカラム(東ソー製 TSKgel ODS−80T
s、20μm、80A)を用い、100%メタノールを
移動相として、10回にわたって負荷量15g、流速6
0ml/分で、液体クロマトグラフィーによる分離を行
い、紫外線検出器によって210nmの吸光度でピーク
が得られる分画物を採取したが、ほぼ保持時間19分の
分画物であった。溶媒除去後、抽出物1同様に分析し、
表1において製品1として示す。95%以上の高濃度の
エイコサペンタエン酸エチルエステル80gが着色が少
なく、かつ、過酸化物価の低い状態で、効率よく得られ
た。
物2の140gを、直径55mm、長さ300mmのO
DSカラム(東ソー製 TSKgel ODS−80T
s、20μm、80A)を用い、100%メタノールを
移動相として、10回にわたって負荷量15g、流速6
0ml/分で、液体クロマトグラフィーによる分離を行
い、紫外線検出器によって210nmの吸光度でピーク
が得られる分画物を採取したが、ほぼ保持時間19分の
分画物であった。溶媒除去後、抽出物1同様に分析し、
表1において製品1として示す。95%以上の高濃度の
エイコサペンタエン酸エチルエステル80gが着色が少
なく、かつ、過酸化物価の低い状態で、効率よく得られ
た。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 (カツオ油からの高純度ドコサヘキサエン酸エチルエス
テルの精製)フィッシュミール製造工程から得られたカ
ツオ油1000gに対し、実施例1と同様にカツオ油エ
チルエステル800gを得た。その組成を表2において
原料2で示す。このカツオ油エチルエステル800g
を、直径5mm、長さ5mmのディクソンを充填した実
施例1と同様の抽出塔に高さ1mの位置から流量110
g/時で連続供給した。抽出塔の温度を上部より順次、
68、64、60、56、52、48℃とし、下部は4
8℃に設定した。また、抽出塔圧力は160kg/cm
2 、分離槽圧力は30kg/cm2 とした。二酸化炭素
は流量14kg/時で抽出塔に送入した。 分離した抽
出物の量は520gであった。以下、この抽出物を抽出
物3と称す。また、抽出塔の塔底部より抽出残渣を27
0g取り出した。以下、この抽出残渣を抽出残渣3と称
す。実施例1と同様に抽出物3および抽出残渣3を分析
し、結果を表2に示す。
テルの精製)フィッシュミール製造工程から得られたカ
ツオ油1000gに対し、実施例1と同様にカツオ油エ
チルエステル800gを得た。その組成を表2において
原料2で示す。このカツオ油エチルエステル800g
を、直径5mm、長さ5mmのディクソンを充填した実
施例1と同様の抽出塔に高さ1mの位置から流量110
g/時で連続供給した。抽出塔の温度を上部より順次、
68、64、60、56、52、48℃とし、下部は4
8℃に設定した。また、抽出塔圧力は160kg/cm
2 、分離槽圧力は30kg/cm2 とした。二酸化炭素
は流量14kg/時で抽出塔に送入した。 分離した抽
出物の量は520gであった。以下、この抽出物を抽出
物3と称す。また、抽出塔の塔底部より抽出残渣を27
0g取り出した。以下、この抽出残渣を抽出残渣3と称
す。実施例1と同様に抽出物3および抽出残渣3を分析
し、結果を表2に示す。
【0022】次いで、抽出残渣3を原料にして、再び超
臨界流体処理を行った。抽出塔へは60g/時の速度で
抽出残渣3を連続供給した。抽出塔の温度を上部より順
次、68、64、60、56、52、48℃とし、下部
は48℃に設定した。また、抽出塔圧力は150kg/
cm2 、分離槽圧力は30kg/cm2 とした。二酸化
炭素は流量12kg/時で抽出塔に送入した。得られた
抽出物の量は220gであった。以下、この抽出物を抽
出物4と称す。また、抽出塔の下部より抽出残渣を40
g取り出した。以下、この抽出残渣を抽出残渣4と称
す。また、実施例1と同様に抽出物4および抽出残渣4
を分析し、その結果を表2に示す。
臨界流体処理を行った。抽出塔へは60g/時の速度で
抽出残渣3を連続供給した。抽出塔の温度を上部より順
次、68、64、60、56、52、48℃とし、下部
は48℃に設定した。また、抽出塔圧力は150kg/
cm2 、分離槽圧力は30kg/cm2 とした。二酸化
炭素は流量12kg/時で抽出塔に送入した。得られた
抽出物の量は220gであった。以下、この抽出物を抽
出物4と称す。また、抽出塔の下部より抽出残渣を40
g取り出した。以下、この抽出残渣を抽出残渣4と称
す。また、実施例1と同様に抽出物4および抽出残渣4
を分析し、その結果を表2に示す。
【0023】次に、得られた抽出物4の220gを、液
体クロマトグラフィーによる処理を行った。処理は、直
径55mm、長さ300mmのODSカラム(東ソー製
TSKgel ODS−80Ts、20μm、80
A)を用い、100%メタノールを移動相として、11
回にわたって、負荷量20g、流速60ml/分で、液
体クロマトグラフィーによる分離を行い、紫外線検出器
によって210nmの吸光度でピークが得られる分画物
を採取したが、ほぼ保持時間21分の分画物であった。
得られた分画物を溶媒除去後、実施例1と同様に分析
し、表1において製品2で示す。得られたドコサヘキサ
エン酸エチルエステル190gは、95%以上の高濃度
であり、着色が少なく、かつ、過酸化物価の低い状態で
得ることができた。
体クロマトグラフィーによる処理を行った。処理は、直
径55mm、長さ300mmのODSカラム(東ソー製
TSKgel ODS−80Ts、20μm、80
A)を用い、100%メタノールを移動相として、11
回にわたって、負荷量20g、流速60ml/分で、液
体クロマトグラフィーによる分離を行い、紫外線検出器
によって210nmの吸光度でピークが得られる分画物
を採取したが、ほぼ保持時間21分の分画物であった。
得られた分画物を溶媒除去後、実施例1と同様に分析
し、表1において製品2で示す。得られたドコサヘキサ
エン酸エチルエステル190gは、95%以上の高濃度
であり、着色が少なく、かつ、過酸化物価の低い状態で
得ることができた。
【0024】
【表2】
【0025】実施例3 (オゴノリ(Gracilaria verrucos
a)からの高純度アラキドン酸エチルエステルの精製)
オゴノリ120kg(FD品)をクロロホルム:メタノ
ール=2:1の混合溶媒によって抽出し、溶媒を除去
し、オゴノリ油1000gを得た。オゴノリ油1000
gに対し、実施例1と同じ調製法でオゴノリ油エチルエ
ステル330gを得た。その組成を表3の原料3で示
す。このオゴノリ油エチルエステル330gを直径3m
m、長さ3mmのディクソンを充填した実施例1と同様
の抽出塔の高さ1mの位置から、300g/時で連続供
給した。
a)からの高純度アラキドン酸エチルエステルの精製)
オゴノリ120kg(FD品)をクロロホルム:メタノ
ール=2:1の混合溶媒によって抽出し、溶媒を除去
し、オゴノリ油1000gを得た。オゴノリ油1000
gに対し、実施例1と同じ調製法でオゴノリ油エチルエ
ステル330gを得た。その組成を表3の原料3で示
す。このオゴノリ油エチルエステル330gを直径3m
m、長さ3mmのディクソンを充填した実施例1と同様
の抽出塔の高さ1mの位置から、300g/時で連続供
給した。
【0026】抽出塔の温度を上部より順次、70、6
6、62、58、54、50℃とし、下部は50℃に設
定した。また、抽出塔圧力は155kg/cm2 、分離
槽圧力は30kg/cm2 とした。二酸化炭素は流量1
2kg/時で抽出塔に送入した。 抽出物の量は170
gであった。以下、この抽出物を抽出物5と称す。ま
た、抽出塔の塔底部より抽出残渣を150g取り出し
た。以下、この抽出残渣を抽出残渣5と称す。抽出物5
および抽出残渣5を実施例1と同様に分析し、結果を表
3に示す。
6、62、58、54、50℃とし、下部は50℃に設
定した。また、抽出塔圧力は155kg/cm2 、分離
槽圧力は30kg/cm2 とした。二酸化炭素は流量1
2kg/時で抽出塔に送入した。 抽出物の量は170
gであった。以下、この抽出物を抽出物5と称す。ま
た、抽出塔の塔底部より抽出残渣を150g取り出し
た。以下、この抽出残渣を抽出残渣5と称す。抽出物5
および抽出残渣5を実施例1と同様に分析し、結果を表
3に示す。
【0027】次いで、抽出残渣5を原料にして、再び超
臨界流体処理を行った。抽出塔へは100g/時の速度
で抽出残渣を連続供給した。抽出塔の温度を上部より順
次、66、62、60、58、54、50℃とし、下部
は46℃に設定した。また、抽出塔圧力は145kg/
cm2 、分離槽圧力は30kg/cm2 とした。二酸化
炭素は流量11kg/時で抽出塔に送入した。得られた
抽出物の量は100gであった。以下、この抽出物を抽
出物6と称す。また、抽出塔の下部より抽出残渣を40
g取り出した。以下、この抽出残渣を抽出残渣6と称
す。抽出物6および抽出残渣6を実施例1と同様に分析
し結果を表3に示す。次いで、抽出物6の105gを、
実施例1同様に液体クロマトグラフィーによる処理を行
った。
臨界流体処理を行った。抽出塔へは100g/時の速度
で抽出残渣を連続供給した。抽出塔の温度を上部より順
次、66、62、60、58、54、50℃とし、下部
は46℃に設定した。また、抽出塔圧力は145kg/
cm2 、分離槽圧力は30kg/cm2 とした。二酸化
炭素は流量11kg/時で抽出塔に送入した。得られた
抽出物の量は100gであった。以下、この抽出物を抽
出物6と称す。また、抽出塔の下部より抽出残渣を40
g取り出した。以下、この抽出残渣を抽出残渣6と称
す。抽出物6および抽出残渣6を実施例1と同様に分析
し結果を表3に示す。次いで、抽出物6の105gを、
実施例1同様に液体クロマトグラフィーによる処理を行
った。
【0028】直径55mm、長さ300mmのODSカ
ラム(東ソー製 TSKgel ODS−80Ts、2
0μm、80A)を用い、100%メタノールを移動相
として、6回にわたって負荷量20g、流速60ml/
分で、液体クロマトグラフィーによる分離を行い、紫外
線検出器によって210nmの吸光度でピークが得られ
る分画物を採取したが、ほぼ保持時間23分の分画物で
あった。得られた分画物を溶媒除去後、実施例1同様に
分析し、結果を表3において製品3で示す。95%以上
の高濃度のアラキドン酸エチルエステル87gを着色が
少なく、かつ、過酸化物価の低い状態で得ることができ
た。
ラム(東ソー製 TSKgel ODS−80Ts、2
0μm、80A)を用い、100%メタノールを移動相
として、6回にわたって負荷量20g、流速60ml/
分で、液体クロマトグラフィーによる分離を行い、紫外
線検出器によって210nmの吸光度でピークが得られ
る分画物を採取したが、ほぼ保持時間23分の分画物で
あった。得られた分画物を溶媒除去後、実施例1同様に
分析し、結果を表3において製品3で示す。95%以上
の高濃度のアラキドン酸エチルエステル87gを着色が
少なく、かつ、過酸化物価の低い状態で得ることができ
た。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】本発明は、脂肪酸エステルの混合物を温
度勾配を設けた抽出塔において超臨界流体によって抽出
分離するとともに、得られた精製物を液体クロマトグラ
フィーによって処理をしたので、アラキドン酸、エイコ
サペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の脂肪酸エステ
ル濃度を高めるとともに、脱色および過酸化物価の低減
された製品を効率的に得ることができる。
度勾配を設けた抽出塔において超臨界流体によって抽出
分離するとともに、得られた精製物を液体クロマトグラ
フィーによって処理をしたので、アラキドン酸、エイコ
サペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の脂肪酸エステ
ル濃度を高めるとともに、脱色および過酸化物価の低減
された製品を効率的に得ることができる。
【図1】本発明の抽出分離方法に使用する装置を説明す
る図である。
る図である。
1…二酸化炭素貯槽、2…加圧装置、3…抽出塔、4…
原料、5…加圧装置、6…充填物、7…加熱装置、8…
減圧弁、9…分離槽、10…減圧弁、11…気体処理装
置、12、13…三方弁、14…調整槽、15…溶媒
槽、16…加圧ポンプ、17…カラム、18、19…三
方弁、20…精製物分離槽、21…不純物分離槽、23
…溶媒除去装置、24…精製物、25…不純物
原料、5…加圧装置、6…充填物、7…加熱装置、8…
減圧弁、9…分離槽、10…減圧弁、11…気体処理装
置、12、13…三方弁、14…調整槽、15…溶媒
槽、16…加圧ポンプ、17…カラム、18、19…三
方弁、20…精製物分離槽、21…不純物分離槽、23
…溶媒除去装置、24…精製物、25…不純物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11B 3/10 C11B 3/10 (72)発明者 加藤 章 岡山県玉野市東高崎24−6 クロリンエン ジニアズ株式会社岡山事業所内 (72)発明者 中西公一 岡山県玉野市東高崎24−6 クロリンエン ジニアズ株式会社岡山事業所内 (72)発明者 宮本浩士 広島県福山市箕沖町95−7 池田食研株式 会社内 (72)発明者 青木秀之 広島県福山市箕沖町95−7 池田食研株式 会社内 (72)発明者 万倉三正 広島県福山市箕沖町95−7 池田食研株式 会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 高度不飽和脂肪酸エステルの精製方法に
おいて、塔の高さ方向に温度勾配を設けた抽出塔におい
て、超臨界流体による抽出分離をおこない、抽出塔の下
部から得られる抽出残渣をさらに同様に少なくとも一回
抽出分離を行い、得られた抽出物を液体クロマトグラフ
ィーにより処理することを特徴とする高度不飽和脂肪酸
エステルの精製方法。 - 【請求項2】 高度不飽和脂肪酸エステルがアラキドン
酸、エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸か
ら選ばれる少なくとも1種類以上の低級アルコールエス
テルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7320594A JPH09157684A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | 高度不飽和脂肪酸エステルの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7320594A JPH09157684A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | 高度不飽和脂肪酸エステルの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09157684A true JPH09157684A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18123165
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7320594A Pending JPH09157684A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | 高度不飽和脂肪酸エステルの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09157684A (ja) |
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9234157B2 (en) | 2011-07-06 | 2016-01-12 | Basf Pharma Callanish Limited | SMB process |
US9260677B2 (en) | 2011-07-06 | 2016-02-16 | Basf Pharma Callanish Limited | SMB process |
US9315762B2 (en) | 2011-07-06 | 2016-04-19 | Basf Pharma Callanish Limited | SMB process for producing highly pure EPA from fish oil |
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US9347020B2 (en) | 2011-07-06 | 2016-05-24 | Basf Pharma Callanish Limited | Heated chromatographic separation process |
US9370730B2 (en) | 2011-07-06 | 2016-06-21 | Basf Pharma Callanish Limited | SMB process |
US9428711B2 (en) | 2013-05-07 | 2016-08-30 | Groupe Novasep | Chromatographic process for the production of highly purified polyunsaturated fatty acids |
CN105911209A (zh) * | 2016-07-06 | 2016-08-31 | 云南中烟工业有限责任公司 | 一种超临界流体色谱-气相色谱-质谱测定卷烟主流烟气中酯类化合物的方法 |
US9694302B2 (en) | 2013-01-09 | 2017-07-04 | Basf Pharma (Callanish) Limited | Multi-step separation process |
US10975031B2 (en) | 2014-01-07 | 2021-04-13 | Novasep Process | Method for purifying aromatic amino acids |
CN115073292A (zh) * | 2022-07-01 | 2022-09-20 | 江苏汉邦科技股份有限公司 | 一种二十碳五烯酸乙酯的制备方法 |
-
1995
- 1995-12-08 JP JP7320594A patent/JPH09157684A/ja active Pending
Cited By (27)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9260677B2 (en) | 2011-07-06 | 2016-02-16 | Basf Pharma Callanish Limited | SMB process |
US9315762B2 (en) | 2011-07-06 | 2016-04-19 | Basf Pharma Callanish Limited | SMB process for producing highly pure EPA from fish oil |
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US9370730B2 (en) | 2011-07-06 | 2016-06-21 | Basf Pharma Callanish Limited | SMB process |
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