JP2001354012A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JP2001354012A
JP2001354012A JP2000113721A JP2000113721A JP2001354012A JP 2001354012 A JP2001354012 A JP 2001354012A JP 2000113721 A JP2000113721 A JP 2000113721A JP 2000113721 A JP2000113721 A JP 2000113721A JP 2001354012 A JP2001354012 A JP 2001354012A
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Yugo Zuigyo
裕吾 随行
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジアルタイヤの乗心地や耐久性を損なうこ
となく、タイヤサイドウォール部の剛性を高め、タイヤ
の操縦安定性を向上させた空気入りラジアルタイヤを提
供すること。 【解決手段】 サイドウォール部に配設したゴム−フィ
ラメント繊維複合体を具備してなる空気入りラジアルタ
イヤにおいて、前記ゴム−フィラメント繊維複合体は、
フィラメント繊維とそれを被覆するゴム組成物とからな
り、該フィラメント繊維が、強度3.0cN/dtex以
上で、少なくとも太細構造を繰り返す結晶性繊維を含
み、該フィラメント繊維における、太細率(%)=(フ
ィラメントの直径又は最大径の最大値)/(フィラメン
トの直径又は最大径の最小値)×100の値が、105
≦太細率(%)≦180を満たすことを特徴とする空気
入りラジアルタイヤである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム組成物及び空
気入りラジアルタイヤに関し、詳しくは、乗心地性能や
耐久性能などの他のタイヤ性能を犠牲にすることなく、
操縦安定性能が改善された空気入りラジアルタイヤに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】乗用車、二輪車用などの小型の一般のラ
ジアルタイヤでは、カーカス層が各種タイプのベルト構
造と厚いトレッドゴムで補強されたタイヤクラウン部に
比較して、サイドウォール部は、ラジアル方向に配列さ
れたカーカスコードと薄いゴムを主構成要素とするた
め、サイドウォール面内の剪断剛性が小さく、このため
タイヤのサイド剛性に左右される操縦安定性能を、乗心
地性能や耐久性能などの他のタイヤ性能を犠牲にするこ
となく改良することが困難であった。従来、タイヤサイ
ドウォール部の剛性(以下、サイド剛性ということがあ
る)を直接的に高めるために、サイドウォール部のカー
カス層に隣接して、従来撚り構造コードの簾織り布から
なる繊維補強部材を貼着する対策が提案されており、例
えば、この繊維補強部材を成型、加硫工程でのサイドウ
ォール部の大伸張変形に追従できるような方向にコード
を配置すると共に、カーカス層の折り返し端から、ベル
ト端部の方向に向かって少なくとも10mm以上上側
に、繊維補強部材の上端を配置させる方法が知られてい
る。しかし、この場合は、タイヤ走行時の垂直荷重によ
るサイドウォール部の大きな縦たわみに十分に追従でき
ないためにラジアルタイヤ本来の特性である乗心地性能
が低下したり、繊維補強部材の上端部を基点とする故障
が発生しやすくなりタイヤ耐久性が低下するという問題
があるため、タイヤ形状面などからの対策が必要となり
十分な効果が得ることが困難であった。
【0003】また、特開平10−53010号公報に
は、サイドウォール部の補強部材として、通常の有機繊
維や無機繊維からなるゴム−フィラメント繊維複合体を
用いたラジアルタイヤが記載されているが、この場合に
おいても、繊維とゴム間の接着に特別な工夫がされてな
いために、十分なタイヤ耐久性は得られなかった。さら
に、カーカスコードに高弾性、低熱収縮性のコードを利
用して、タイヤサイドウォール部の剛性を高めるととも
に加硫時の熱収縮を小さくしてサイド形状の安定化を図
る種々の提案があるが、この場合には、サイドウォール
の面内の剪断剛性やラジアル方向に直交するタイヤ周方
向剛性を直接高めることはできず、また、製造時のコー
ド打ち込み本数のバラツキやサイドウォール部材の肉厚
のバラツキに起因する内圧充填時のタイヤサイド凹凸を
抑制することが困難であり、何れにしても十分な効果を
得ることができなかった。更にまた近年では、車両の低
燃費化の要求からタイヤの転がり抵抗の低減が勧められ
ており、タイヤ重量軽減のためにタイヤカーカス層の薄
肉化が益々指向され、従来の対策のみでは対応が難しく
なってきていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、このような事情の下で乗心地や耐久性といったラジ
アルタイヤ本来の特性を損なうことなく、タイヤの操縦
安定性を向上させた空気入りラジアルタイヤを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意検討した結果、特定のフィラメント
繊維をゴムで被覆一体化したゴム−フィラメント繊維複
合体をサイドウォール部に配設することにより、前記目
的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、一対のビードコア
と、少なくとも該ビードコアをトロイダル状にまたがる
カーカスプライを含むカーカス層と、該カーカス層のタ
イヤ半径方向内側に配設されたインナーライナー層と、
該カーカス層のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配設
された少なくとも2枚のベルト層を有するベルト部と、
該ベルト部のタイヤ半径方向外側に配設されたトレッド
部と、該トレッド部の左右に配置された一対のサイドウ
ォール部と、該サイドウォール部に配設したゴム−フィ
ラメント繊維複合体を具備してなる空気入りラジアルタ
イヤにおいて、前記ゴム−フィラメント繊維複合体は、
フィラメント繊維とそれを被覆するゴム組成物とからな
り、(1)該フィラメント繊維が、強度3.0cN/dt
ex以上で、少なくとも太細構造を繰り返す結晶性繊維
を含み、該フィラメント繊維における、 太細率(%)=(フィラメントの直径又は最大径の最大
値)/(フィラメントの直径又は最大径の最小値)×1
00 の値が、105≦太細率(%)≦180を満たすことを
特徴とする空気入りラジアルタイヤ、並びに、(2)該
フィラメント繊維が、少なくとも二成分の熱可塑性樹脂
からなる変形複合繊維であって、図2に示すように、少
なくとも一成分(A)は繊維軸方向に沿って形成され、
強度が3.0cN/dtex以上であり、他の成分(B)
は(A)成分に繊維軸方向に沿って接合して(A)成分
表面から隆起した凸部及び隆起していない凹部を形成す
ることにより前記変形複合繊維に段差を形成し、該変形
複合繊維における、 段差率(%)=(フィラメントの直径又は最大径の最大
値)/(フィラメントの直径又は最大径の最小値)×1
00 の値が、105≦段差率(%)≦180を満たすことを
特徴とする空気入りラジアルタイヤを提供するものであ
る。
【0007】本発明の空気入りラジアルタイヤにおい
て、前記複合体が配設されたサイドウォール部は、カー
カスプライの補強コード(以下、カーカスコードという
ことがある)によってラジアル方向に補強されている他
に、フィラメント繊維とそれを取り囲むマトリックスで
あるゴムとが強固に接着することで十分な強度と剛性を
発現する複合体によってタイヤの周方向にも補強されて
いるので、補強部分の周方向剪断剛性が補強されてタイ
ヤの操縦安定性が向上する。しかも、その一方で本発明
に使用する複合体は、従来の撚り糸簾織り構造の繊維補
強部材に比較して加硫前後において薄く柔軟性に富むた
め、加硫前にタイヤ製造時の成型、加硫工程でのサイド
部の大伸張変形に十分に追従することができ、製造が困
難であるといった問題を解消でき、加硫後にもタイヤ走
行時に垂直荷重によるサイドウォール部の大きな縦たわ
みに良好に追従することができ、タイヤの乗心地性能を
低下させるという問題を解消することができる。また前
記複合体の上端部に歪を集中させることもなくタイヤ耐
久性が低下するという問題も解消することができる。さ
らに、従来の硬質なビードフィラーゴムをショルダー上
部まで延在させる方法や、あるいはビードフィラーゴム
上部からショルダー上部まで硬質なゴムシートを貼着す
る方法では、タイヤの耐久性が低下するという問題があ
ったが、前記繊維補強部材層を上述のように配設するこ
とで、かかる耐久性の低下問題も解消することができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において使用するゴム−フ
ィラメント繊維複合体は、フィラメント繊維の間までゴ
ムが含浸する構造を有し、長い距離、広い範囲でフィラ
メント繊維とゴムとが相互に連続層を形成できる構造を
有していることが重要である。このため、前記記複合体
は、フィラメント繊維とそれを被覆するゴム組成物とか
らなり、(1)該フィラメント繊維が、強度3.0cN/
dtex以上で、少なくとも太細構造を繰り返す結晶性
繊維を含み、該結晶性繊維における、上記太細率の値
が、105≦太細率(%)≦180を満たすか、又は
(2)該フィラメント繊維が、少なくとも二成分の熱可
塑性樹脂からなる変形複合繊維であって、少なくとも一
成分(A)は繊維軸方向に沿って形成され、強度が3.0
cN/dtex以上であり、他の成分(B)は(A)成
分に繊維軸方向に沿って接合して(A)成分表面から隆
起した凸部及び隆起していない凹部を形成することによ
り前記変形複合繊維に段差を形成し、該変形複合繊維に
おける、上記段差率の値が、105≦段差率(%)≦1
80を満たすことが必要である。前記(1)のフィラメ
ント繊維における結晶性繊維及び(2)のフィラメント
繊維における(A)成分熱可塑性樹脂の強度は、3.0c
N/dtex未満では補強部材としての十分な強度、剛
性が得られない。さらに、この強度は5.0cN/dte
x以上であることが好ましい。また、前記太細率又は段
差率は、105%未満では十分なアンカー効果が得られ
ず、ゴムーフィラメント繊維複合体の剛性、強度が不十
分で補強部材としての効果が得られない。一方、180
%を越えると補強部材としての強度が不十分となる。さ
らに、120≦太細率(%)≦150、120≦段差率
(%)≦150であることが好ましい。
【0009】前記(1)のフィラメント繊維における結
晶性繊維、(2)のフィラメント繊維における熱可塑性
樹脂(A)及び(B)成分としては、例えば綿,レーヨ
ン,セルロースなどの天然高分子繊維、脂肪族ポリアミ
ド,芳香族ポリアミド,ポリエステル,ポリビニルアル
コール,ポリイミド,脂肪族ポリケトンなどの合成高分
子繊維の中から選択される一種又は複数種の繊維を混合
することができる。さらに、前記熱可塑性樹脂(B)成
分としては、溶融加工が可能な繊維やエラストマーなど
でも良く、例えばポリエチレン,ポリプロピレン,変性
ナイロン,共重合ポリエステル,天然ゴム,イソプレン
ゴム,ブタジエンゴム,スチレン−ブタジエン共重合ゴ
ム,エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム,スチレ
ン−エラストマーブロック共重合体,ポリエステル−ポ
リエーテルブロック共重合体なども挙げられる。また、
必要に応じ太細構造を有する前記結晶性繊維と、段差構
造を有する前記少なくとも二成分の熱可塑性樹脂からな
る変形複合繊維、及びそれら以外の繊維軸方向に均一な
構造を有する繊維を複数種混合することができる。
【0010】前記(2)のフィラメント繊維は以下のよ
うにして製造する。延伸性の異なる2種の熱可塑性樹脂
(A)及び(B)からなる未延伸糸は(A)成分が芯部
をなし、(B)成分が鞘部をなす芯鞘構造を有し、この
未延伸糸を延伸する際に、芯部の(A)成分に適した延
伸条件を適用することで、繊維軸方向に沿って連続して
(A)成分からなる繊維が形成され、一方の鞘部の
(B)成分は芯部の(A)成分と接合した状態で繊維軸
方向に沿って(A)成分の表面から隆起した凸部分と、
隆起していない凹部分を形成することで繊維軸方向に間
欠的な段差を繰り返し有する繊維が得られる。
【0011】本発明におけるゴム−フィラメント繊維複
合体に用いられているフィラメント繊維は、直径又は最
大径が0.0001〜2.0mmで、長さが8mm以上が好
ましく、直径又は最大径は特に0.001〜0.006mm
が好ましい。フィラメント繊維の長さが8mm未満で
は、フィラメント繊維同士の絡み合いが十分でなく、補
強層としての剛性、強度を保持できなくなる。ただしそ
の断面形状は円状でも、円と異なる断面形状のもので
も、中空部を有するものでもよい。
【0012】本発明におけるゴム−フィラメント繊維複
合体の繊維は、不織布の形態のものが好ましい。この不
織布の製法としてはカーディング法、抄紙法、エアレイ
法、メルトブロー、スパンボンド法などがあり、これら
の製法によりウェブを作製する。メルトブロー、スパン
ボンド法以外のウェブでの繊維の結合方法として、熱融
着、バインダによる方法、水流または針の力で繊維を交
絡させる水流絡合法、ニードルパンチ法などを好適に利
用することができる。特に、水流または針で繊維を交絡
させる水流絡合法、ニードルパンチ法およびメルトブロ
ー、スパンボンド法により得られた不織布が好適であ
る。
【0013】本発明におけるゴム−フィラメント繊維複
合体の厚さは0.05〜2.0mmが好ましく、特に
0.05〜0.5mmが好ましい(20g/cm2 の加
圧下で測定)。また、不織布の目付け(1m2 あたりの
重量)は5〜300g/m2 が好ましく、特に40〜1
20g/m2 が好ましい。複合体の厚さが0.05mm
未満、又は不織布の目付けが5g/m2 未満では、不織
布としての均一性を維持することが困難になり、強度、
剛性が不足する。一方複合体の厚さが2.0mm超、又
は不織布の目付けが300g/m2 超では、複合化する
際にゴムの含浸が不十分となり十分な強度、剛性が得ら
れないばかりかゴム−フィラメント繊維内部で破壊しや
すくなり、タイヤの耐久性を低下させる。
【0014】本発明において使用するゴム−フィラメン
ト繊維複合体を得るための方法としては、具体的には、
ロール、バンバリーミキサーなど、通常ゴム業界で用い
られる混練り方法によってもよい。但し、繊維の分散性
の点から、フィラメント繊維は、少量ずつ投入すること
が好ましい。ゴム−フィラメント繊維が不織布の形態の
場合は、不織布に対して、プレスまたはロールなどによ
りシート状未加硫ゴム組成物を上下両表面または片面か
ら圧着して、不織布内部の空気を未加硫ゴム組成物と十
分に置換する。未加硫ゴム組成物の流動性によっては、
実質的に加硫反応が開始しない程度の温度条件下で圧着
を行うことも必要である。あるいは、他の方法として
は、未加硫ゴム組成物を溶媒を用いて液状化させ、不織
布に塗布することでタッキネスを付与する方法もある。
このようにして得られた未加硫複合体を、カーカス層と
サイドウォールゴムとの間、あるいはカーカス層とイン
ナーライナー層との間に、ビードフィラーの下端からベ
ルト部の最大幅端に至るまでの間において、少なくとも
10mm以上に渡り少なくとも一枚配設して生タイヤを
成型し、続いて加硫成型を施し、本発明の空気入りラジ
アルタイヤを製造することができる。
【0015】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を
図1に示すと、ビードコア1の周りに巻回されてコード
方向がラジアル方向に向くカーカスプライを含むカーカ
ス層2と、カーカス層のタイヤ半径方向内側に配設され
たインナーライナー層3と、該カーカス層のクラウン部
のタイヤ半径方向外側に配設された2枚のベルト層4を
有するベルト部と、ベルト部の上部に配設されたトレッ
ド部5と、トレッド部の左右に配置されたサイドウォー
ル部6からなるタイヤであり、本例では、ゴムーフィラ
メント繊維複合体7は、カーカス層とサイドウォールゴ
ムとの間に1枚配設されている。ここで、該複合体7
は、ビードフィラー8の下端からベルト部の最大幅端に
至るまでの間の少なくとも10mm以上にわたり配設さ
れていることが好ましい。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して、本発明に
ついて具体的に説明するが、本発明はこれらによって制
約されるものではない。 〔各種測定法〕各種の試料の性能評価は下記の方法に従
って行った。 1.操縦安定性 試験タイヤを車輌(国産FF1800cc)に装着し、
速度40〜120km/hで良路、継ぎ目路及び悪路の
条件にて実車走行を行い、ドライバーのフィーリングに
より操縦安定性を評価した。評価は100点満点として
行った。 2.乗心地性 試験タイヤを車輌(国産FF1800cc)に装着し、
速度40〜80km/hで良路、継ぎ目路及び悪路の実
車走行を行い、ドライバーのフィーリングにより乗心地
を評価した。評価は100点満点として行った。 3.実地耐久性 一般路にて3万km走行させた後、タイヤのサイドウォ
ール部に配置した補強部材層(複合体)の端部の亀裂の
大きさを測定して、その逆数をとった上で比較例3のタ
イヤ(従来タイヤ)を100として指数で表示し、指数
が大きいほど実地耐久性が良好であることを示す。
【0017】実施例1〜5及び比較例1,2 タイヤサイズが175/70R14、カーカスプライが
ポリエチレンテレフタレート(PET)1670dte
x/2のタイヤを製造した。このタイヤのサイドウォー
ル部の補強部材には、第1表に示す性状の不織布にゴム
コーティングしたゴムーフィラメント繊維複合体を用い
た。なお、表中、フィラメント繊維における結晶性繊維
及び熱可塑性樹脂(A)成分であるPETの強度は6.8
cN/dtexである。このようにして得られたタイヤ
について、上記の方法により、操縦安定性,乗心地性及
び実地耐久性を評価した。それらの結果を第1表に示
す。
【0018】
【表1】
【0019】第1表に示したように、本発明の実施例1
〜5のタイヤは、操縦安定性、乗心地及び実地耐久性の
全てについて、高いレベルでバランスがとれた性能を有
している。これに対して、比較例1の太細率が105%
未満の不織布を用いたタイヤは、操縦安定性、乗心地性
及び実地耐久性の全てにおいて良好な性能は得られず、
比較例2の段差率が180%超の不織布を用いたタイ
ヤ、操縦安定性は良いものの乗心地性や実地耐久性が劣
る。
【0020】比較例3〜5 実施例1において、タイヤのサイドウォール部の補強部
材に、不織布に代え、従来の撚り構造コードの簾織り布
にゴムコーティングした繊維補強部材を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、タイヤを製造し、上記の方
法により、操縦安定性,乗心地性及び実地耐久性を評価
した。それらの結果を第2表に示す。
【0021】
【表2】
【0022】第2表に示したように、補強部材に簾織り
コードを用いた比較例3〜5のタイヤでは、操縦安定
性、乗心地性及び実地耐久性の全てにおいて良好な性能
は得られていない。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の空
気入りラジアルタイヤは、乗心地や耐久性といったラジ
アルタイヤ本来の特性を損なうことなく、サイドウォー
ル部の剛性を高め、タイヤの操縦安定性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示
す部分断面図である。
【図2】 本発明の空気入りラジアルタイヤにおけるフ
ィラメント繊維の例を示す側面図である。
【符号の説明】
1:ビードコア 2:カーカス層 3:インナーライナー層 4:べルト部 5:トレッド部 6:サイドウォール部 7:ゴムーフィラメント繊維複合体 8:ビードフィラー 11:(A)成分 12:(B)成分 13:凹部 14:凸部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビードコアと、少なくとも該ビー
    ドコアをトロイダル状にまたがるカーカスプライを含む
    カーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径方向内側に配
    設されたインナーライナー層と、該カーカス層のクラウ
    ン部のタイヤ半径方向外側に配設された少なくとも2枚
    のベルト層を有するベルト部と、該ベルト部のタイヤ半
    径方向外側に配設されたトレッド部と、該トレッド部の
    左右に配置された一対のサイドウォール部と、該サイド
    ウォール部に配設したゴム−フィラメント繊維複合体を
    具備してなる空気入りラジアルタイヤにおいて、 前記ゴム−フィラメント繊維複合体は、フィラメント繊
    維とそれを被覆するゴム組成物とからなり、該フィラメ
    ント繊維が、強度3.0cN/dtex以上で、少なくと
    も太細構造を繰り返す結晶性繊維を含み、該フィラメン
    ト繊維における、 太細率(%)=(フィラメントの直径又は最大径の最大
    値)/(フィラメントの直径又は最大径の最小値)×1
    00 の値が、105≦太細率(%)≦180を満たすことを
    特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 一対のビードコアと、少なくとも該ビー
    ドコアをトロイダル状にまたがるカーカスプライを含む
    カーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径方向内側に配
    設されたインナーライナー層と、該カーカス層のクラウ
    ン部のタイヤ半径方向外側に配設された少なくとも2枚
    のベルト層を有するベルト部と、該ベルト部のタイヤ半
    径方向外側に配設されたトレッド部と、該トレッド部の
    左右に配置された一対のサイドウォール部と、該サイド
    ウォール部に配設したゴム−フィラメント繊維複合体を
    具備してなる空気入りラジアルタイヤにおいて、 前記ゴム−フィラメント繊維複合体は、フィラメント繊
    維とそれを被覆するゴム組成物とからなり、該フィラメ
    ント繊維が、少なくとも二成分の熱可塑性樹脂からなる
    変形複合繊維であって、少なくとも一成分(A)は繊維
    軸方向に沿って形成され、強度が3.0cN/dtex以
    上であり、他の成分(B)は(A)成分に繊維軸方向に
    沿って接合して(A)成分表面から隆起した凸部及び隆
    起していない凹部を形成することにより前記変形複合繊
    維に段差を形成し、該変形複合繊維における、 段差率(%)=(フィラメントの直径又は最大径の最大
    値)/(フィラメントの直径又は最大径の最小値)×1
    00 の値が、105≦段差率(%)≦180を満たすことを
    特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記ゴム−フィラメント繊維複合体に用
    いられているフィラメント繊維の、直径又は最大径が0.
    0001〜2.0mmで、長さが8mm以上であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタ
    イヤ。
  4. 【請求項4】 前記フィラメント繊維が不織布であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入
    りラジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記不織布の目付けが5〜300g/m
    2 であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記ゴム−フィラメント繊維複合体の厚
    さが、0.05mm〜2.0mmであることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイ
    ヤ。
  7. 【請求項7】 前記ゴム−フィラメント繊維複合体が、
    カーカス層とサイドウォール部との間、或いはカーカス
    層とインナーライナー層との間に、少なくとも1枚配設
    されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の空気入りラジアルタイヤ。
  8. 【請求項8】 前記ゴム−フィラメント繊維複合体がビ
    ードフィラーの下端からベルト部の最大幅端に至るまで
    の間において、少なくとも10mm以上にわたり配設さ
    れてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
    載の空気入りラジアルタイヤ。
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