JP2001352948A - ホワイトソース様ソースベースを形成可能な粉粒体組成物とその製法 - Google Patents
ホワイトソース様ソースベースを形成可能な粉粒体組成物とその製法Info
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Abstract
介護用食品などに好適の保存性に優れたホワイトソース
様のソースベースとその製造方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】水に溶解または分散させることによりホワ
イトソース様のソースベースを形成可能な粉粒体組成物
であって、該粉粒体組成物は、乳糖および/または脱脂
粉乳に担持もしくは保持させた粉末状乳脂肪分とα化デ
ンプンとを、該組成物100重量部中に30〜90重量部の量
で含有されているとともに、上記粉末状乳脂肪分とα化
デンプンとの配合重量比が、1:3〜3:1の範囲内に
ある。
Description
スベースを形成可能な粉粒体組成物とその製造方法に関
する。さらに詳しくは本発明は、簡便にホワイトソース
様のソースベースを形成することができる粉粒体組成物
であり、しかも長期間の保存の保存によっても褐変しに
くい粉粒体組成物およびその製造方法に関する。
たはルーなどの調理に即席ホワイトソースが使用されて
いる。この即席ホワイトソースには、構成成分として小
麦粉、牛乳もしくは全粉乳、そしてバターなどが配合さ
れており、この即席ホワイトソースは通常は粉末あるい
は顆粒状であり、これを水あるいは湯を加えて攪拌する
ことによりホワイトソースになるので、その手軽さから
昨今その需要が増大しつつある。このような一般的な用
途とは別に、ホワイトソースは乳製品であり栄養バラン
スがよく、流動性があることから乳児の離乳食として好
適である。離乳食は、乳幼児が食することから、非常に
高い安全性が必要であると同時に、上記のホワイトソー
スのような乾燥粉末食品の場合、品質保持期限は、通常
の乾燥粉末食品よりも長くその品質保持期限は1年以上
が必要であるとされている。殊にホワイトソースは、そ
の名に示すように白色であることからわずかな酸化劣化
も褐変として現れる。
であり、水分は含んでいないが、牛乳由来の脂肪分を含
んでおり、こうした脂肪分を空気と接触した状態で1年
以上もの長期にわたって安定な状態に保持することは非
常に困難である。こうした即席ホワイトソースにおける
上記のような酸化劣化は、乳脂肪の酸化によることが多
い。こうした酸化劣化は抗酸化剤などの添加によってあ
る程度抑制することはできるが、こうした抗酸化剤を多
量に使用することは風味に影響が出るなど好ましいとは
いえない場合が多く、さらに1年以上といった長期間に
わたって酸化劣化を完全に防止することは非常に困難で
あった。
性が損なわれることがなく、賞味期間の長い粉末状のホ
ワイトソース様のソースベースを形成可能な粉粒体組成
物を提供すること目的としている。さらに本発明は長期
間酸化劣化が発生しにくく、水あるいは湯に容易に溶解
あるいは分散させることができるホワイトソース様のソ
ースベースを形成可能な粉粒体組成物を提供すること目
的としている。
にくく、さらに食感の良いホワイトソース様のソースベ
ースを形成可能な粉粒体組成物を提供すること目的とし
ている。さらにまた、本発明は、長期間酸化劣化が発生
しにくく、さらに食感の良い、特に離乳食、老人食など
に適したホワイトソース様のソースベースを形成可能な
粉粒体組成物を提供すること目的としている。
ース様のソースベースを形成可能な粉粒体組成物を、粉
体原料の混合によって容易に製造する方法に関する。
とによりホワイトソース様のソースベースを形成可能な
粉粒体組成物であって、該粉粒体組成物は、乳脂肪分を
乳糖および/または脱脂粉乳に担持もしくは保持させた
粉末状乳脂肪分と、α化デンプンとを、該粉粒体組成物
100重量部中に重量合計で、30〜90重量部の量で含有す
るとともに、該粉粒体組成物中における該粉末状乳脂肪
分とα化デンプンとの含有重量比が、1:3〜3:1の
範囲内にあることを特徴とするホワイトソース様ソース
ベースを形成可能な粉粒体組成物にある。
形成可能な粉粒体組成物の製造方法は、水に溶解または
分散させることによりホワイトソース様のソースベース
を形成可能な粉粒体組成物を製造する方法であって、得
られる粉粒体組成物100重量部に対して、乳脂肪分を
乳糖および/または脱脂粉乳に担持もしくは保持させた
粉末状乳脂肪分と、α化デンプンとを、重量合計で、30
〜90重量部の量で、且つ該粉末状乳脂肪分とα化デンプ
ンとの含有重量比が、1:3〜3:1の範囲内になるよ
うに配合して粉体混合することを特徴としている。
ベースにおける酸化劣化について詳細に検討した結果、
従来の即席粉末ホワイトソース、即席ホワイトソース用
素材に発生する油脂成分が空気と接触することによる酸
敗に基づいて経時的に劣化し、さらにこの油脂成分の酸
敗に伴って褐変することを見出した。即席粉末ホワイト
ソースに含有される油脂成分としては乳脂肪があり、ホ
ワイトソースを製造する際には多量のバターを使用する
のが一般的である。この乳脂肪の酸敗を防止する方法と
して、本発明者は、乳製品から一旦乳脂肪を分離するこ
とにより乳脂肪に基づく酸敗は防止することができる
が、このように乳脂肪を分離した乳製品(一般にこのよ
うな乳脂肪を分離した乳製品は脱脂粉乳であるが)を使
用するとホワイトソースのこくが出ない。そこで、ほと
んど乳脂肪分を含んでいない乳糖あるいは脱脂粉乳に乳
脂肪分を担持させた粉末状乳脂肪分を使用したところ、
ホワイトソース固有のこくを出すことができるととも
に、このように一旦分離された乳脂肪分を乳糖あるいは
脱脂粉乳に担持させた乳脂肪分は粉末になり、粉体−粉
体混合が可能になる。そして、このように一旦分離され
た乳脂肪分は、酸化劣化しにくいとの特異的効果がある
ことがわかった。
/または脱脂粉乳に担持もしくは保持させた粉末状乳脂
肪分を使用したホワイトソースの酸化劣化は著しく低減
されるが、長期間保存した場合に、ホワイトソースの褐
変を完全には防止できない。こうした状況下にこうした
褐変の原因をさらに詳細に検討したところ、ホワイトソ
ースに配合される小麦粉が長期間の間に褐色に変色する
ことがわかった。特に小麦粉を焙煎して使用した場合に
小麦粉の酸化劣化による褐変が生じやすいとの知見を得
た。ホワイトソースにおける小麦粉は、ホワイトソース
に好適なとろみを与えるものであり、小麦粉を用いない
とホワイトソースにはならず、ホワイトソースを構成す
る必須の成分であると考えられており、ホワイトソース
を製造する際に小麦粉を使用しないということはもはや
ホワイトソースとはなりえないと考えられていた。
長期間の保存による褐変を防止することができないこと
から、ホワイトソースにおけるとろみの基となる小麦粉
に代わって、とろみを発現させる成分としてα化デンプ
ンを使用したところ、上記のような褐変の発生を防止す
ることができた。しかも、このα化デンプンを使用する
ことにより小麦粉を使用した場合と同等の食感を有する
ことが判明した。
び/または脱脂粉乳に担持もしくは保持させた粉末状乳
脂肪分および上記α化デンプンはともに粉末であり、本
発明のホワイトソース様のソースベースは、液体成分を
使用せずに、この粉体を混合することにより、粉体−粉
体混合によって製造することができるので、その製造工
程が非常に簡素化される。また、こうした粉体は、水あ
るいは湯に溶解あるいは分散させる際には、微粉末であ
るよりもある程度の粒度を有する顆粒状とすることによ
り、凝集しにくくなりその分散性が向上する。そして、
本発明では、上記のような成分を粉体−粉体混合した
後、少量の水を噴霧しながら造粒することが好ましく、
そして、この噴霧する水に少量の望ましくは天然素材を
原料としたビタミンE(通常はエマルジョン)を添加し
て造粒することにより、得られた粉粒体の酸化劣化をさ
らに効率的に防止することができる。
トソース様のソースベースの食感は、古典的な方法で製
造されたホワイトソースとほとんど変わることがなく、
また、栄養学的に見てもホワイトソースとほとんど変わ
らない。即ち、本発明の粉粒体組成物は、乳糖および/
または脱脂粉乳に担持させた乳脂肪分とα化デンプンと
からなるために、長期間経過後でも油脂の酸敗および変
色による変質が起こりにくく保存性に優れている。
ースベースを形成可能な粉粒体組成物およびその製造方
法について具体的に説明する。本発明の粉粒体組成物と
は、水に溶解または分散させることによりホワイトソー
ス様のソースベースを形成可能な粉粒体組成物である。
分を乳糖および/または脱脂粉乳に担持もしくは保持さ
せた粉末状乳脂肪分と、α化デンプンとを含有する。本
発明のホワイトソース様のソースベースを形成可能な粉
粒体組成物は、基本成分として、(イ)乳脂肪分を乳糖
および/または脱脂粉乳に担持もしくは保持させた粉末
状乳脂肪分と、(ロ)α化デンプンとを含有している。
スベースを形成可能な粉粒体組成物には、褐変の原因と
なることが本発明者によって明らかにされた焙煎小麦粉
および全粉乳は配合されていない。本発明のホワイトソ
ース様のソースベースを形成可能な粉粒体組成物には、
上記粉末状乳脂肪分とα化デンプンとが、ソースベース
としたときのテクスチャー、風味および経時的安定性の
観点から、1:3〜3:1の範囲内の重量比量で使用さ
れで選択され、さらに、1:1〜3:1の範囲内の配合
重量比で使用することが好ましい。
スベースを形成可能な粉粒体組成物には、上記乳脂肪分
を乳糖および/または脱脂粉乳に担持もしくは保持させ
た粉末状乳脂肪分とα化デンプンとが、合計量で、本発
明の粉粒体組成物100重量部中に30〜95重量部の
量で含有されていることが必要であり、組成物100重
量部中に75〜90重量部の範囲内の量で、含有されて
いることが好ましい。上記特定の粉末状乳脂肪分とαデ
ンプンとの合計量を上記範囲内にすることにより、古典
的な製法によって製造されたホワイトクリームと同等の
食感が発現するとともに、酸化劣化による褐変を例えば
1年6ヶ月といった長期間に亘ってほぼ確実に防止する
ことができる。
詳説する。(イ)乳脂肪分を乳糖および/または脱脂粉乳に担持も
しくは保持させた粉末状乳脂肪分 従来より乳脂肪分として全粉乳が使用されていたが、こ
れは脂肪分が高く、焙煎した小麦粉とともに油脂酸化の
原因となると考えられるため、本発明では、これに代え
て「乳脂肪分を乳糖および/または脱脂粉乳に担持もし
くは保持させた粉末状乳脂肪分」を使用する。このよう
な粉末状乳脂肪分は一般に「粉末状乳脂肪分」と呼ばれ
ており、本発明ではこの粉末状乳脂肪分を使用すること
が望ましい。このための粉末状乳脂肪分としては、例え
ば牛乳あるいは牛乳由来の生クリームからクリームやバ
ターなどの乳脂肪成分を分離してこの乳脂肪成分を、乳
糖あるいは脱脂粉乳のような牛乳由来の粉末成分と混合
して担持あるいは保持させたものであり、この成分は粉
粒体である。
脂肪分は、粉粒体組成物100重量部中に通常は35〜
70%、好ましくは40〜60重量部の範囲内の量で配
合される。なお、本発明の粉粒体組成物中には上記のよ
うな粉末状乳脂肪分を用いて粉粒体組成物の保存中の酸
敗を防止しているのであるが、本発明の粉粒体組成物
を、水または湯に分散させてホワイトクリーム様のソー
スベースを調製した後に、ホワイトソースと同様にグラ
タンやシチュー等にソースとして使用できる。
粉乳に担持あるいは保持させている。乳糖および脱脂粉
乳は、単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。乳糖あるいは脱脂粉乳は、上記のように乳脂肪分を
担持あるいは保持するものであり、通常は本発明の粉粒
体組成物に単独で含有されるものではないが、計算によ
り求めた本発明の粉粒体組成物(100重量部)中にお
ける乳糖あるいは脱脂粉乳の含有率は、通常はそれぞれ
10〜30重量部、好ましくは10〜20重量部であ
る。本発明では、乳糖と脱脂粉乳の両方あるいはいずれ
かを使用してもよいが、乳糖の使用量が多くなると、得
られるソースベースの甘味が増すことがあるので、得ら
れるホワイトソース様のソースベースの全体の味覚バラ
ンスを考慮して乳糖の使用量を設定することが好まし
く、乳糖の量を減らす必要がある場合には、不足分を脱
脂粉乳で代用する。
やα化小麦粉を使用した場合に見られる酸敗劣化を防止
できる。さらに本発明の粉粒体組成物をホワイトソース
に利用する場合には、デンプンがその粘度を増加させる
作用もあるため食感上の問題は生じない。
使用することもできるが,使用時に注湯すると糊化する
ことので,こうした糊化することがないα化されたデン
プンを使用することが好ましい。さらに、α化デンプン
を使用すると糊化のおそれがなくばかりでなく、例えば
本発明の粉粒体組成物を水に投入し、加熱しないで喫食
する場合にもデンプンがα化されているので消化上で問
題がない。
ンプンの例としては、コーンスターチ、馬鈴薯デンプ
ン、甘藷デンプンなどを挙げることができ、、その他の
イモ類のデンプン、くず、サゴ、米、小麦、キャッサバ
等のデンプンを挙げることができる。これらのデンプン
は常法に従ってα化して使用する。本発明において、α
化デンプンの配合量は、本発明の粉粒体組成物100重
量部に対して、10〜45重量部、好ましくは15〜2
5重量部であり、下記のようにデキストリンを使用する
場合は両者の比率を適宜調整する。
する場合には、デキストリンを添加することにより水あ
るいは湯に溶かしたときに、いわゆる「だま」の発生を
防止することができる。デキストリンの添加量は、粉粒
体組成物100重量部中に5〜35重量部が好ましく、
さらに好ましくは15〜25重量部添加する。本発明の
ホワイトソース様ソースベースを形成可能な粉粒体組成
物において、上記(イ)乳脂肪分を乳糖および/または
脱脂粉乳に担持もしくは保持させた粉末状乳脂肪分と、
(ロ)α化デンプンとは、上述のように、重量比で、
1:3〜3:1で配合することが必要であり、さらにこ
の(イ)と(ロ)とを1:1〜3:1の範囲内の配合重
量比で使用することが好ましい。このような範囲内の量
で両者を配合することにより、得られる粉粒体組成物を
水あるいは湯に溶解あるいは分散して得られてホワイト
ソース様ソースベースが良好なこくととろみを有するよ
うになる。
記詳述のように(イ)乳脂肪分を乳糖および/または脱
脂粉乳に担持もしくは保持させた粉末状乳脂肪分と、
(ロ)α化デンプンとを、特定の割合で含有するもので
あるが、さらに他の成分を配合することもできる。例え
ば、本発明のホワイトソース様ソースベースを形成可能
な粉粒体組成物にデキストリンを配合することができ
る。この場合にデキストリンは、本発明の粉粒体組成物
100重量部中に、通常は5〜35重量部が好ましく、
さらに好ましくは15〜25重量部添加する。このデキ
ストリンの使用量は、α化デンプンの使用量を考慮して
上記範囲において適宜選定することができる。なお、こ
のデキストリンは粉体である。
ベースを形成可能な粉粒体組成物には、チキンエキス、
オニオンエキスおよび粉末状酵母エキスよりなる群から
選ばれる少なくとも1種類の粉末状エキスを配合するこ
とが好ましい。これらの粉末状エキスは単独であるいは
組み合わせて使用することができる。これらの粉末状エ
キスを配合することにより、得られるホワイトソース様
のソースベースの味が深くなり、即席ホワイトソースの
域を脱した本格派ソースベースとなる。このような粉末
状エキスの配合量は、本発明の粉粒体組成物100重量
部中に、通常は1〜10重量部、好ましくは5〜10重
量部である。なお、これらのエキスは、原料として固形
状で供給されることもあるが、これらは容易に粉砕する
ことができるので、本発明では粉粒体として配合するこ
とが好ましい。
ベースを形成可能な粉粒体組成物に調味成分を配合して
得られるソースベースの全体の味を調える。ここで使用
される調味料としては、食塩、胡椒、砂糖、グルタミン
酸ナトリウム、バニラエッセンス、ハーブなどの香辛料
などを挙げることことができるが、本発明で使用する調
味料は、粉粒体であることが好ましい。このような調味
料の使用量は、特に限定されることなく、全体の味を見
て適宜量配合することができる。
ースベースを形成可能な粉粒体組成物を形成する各成分
は粉粒体であり、従って、本発明のホワイトソース様ソ
ースベースを形成可能な粉粒体組成物は、各粉粒体成分
を粉体−粉体混合することにより製造することができ
る。こうして単に粉体−粉体混合することにより本発明
のホワイトソース様ソースベースを形成可能な粉粒体組
成物を得ることができるが、水あるいは湯に良好に溶解
あるいは分散させるには、粒子がある程度大きいことが
好ましい。従って、本発明では、上記のように粉体−粉
体混合した後の混合粉体に少量の水を噴霧しながら造粒
させることが好ましい。そして、この造粒の際に使用さ
れる水に少量のビタミンEを添加することにより、造粒
物が少量のビタミンEを含有することとなり、このビタ
ミンEの作用によって本発明のホワイトソース様ソース
ベースを形成可能な粉粒体組成物がより酸化劣化しにく
くなる。ビタミンEは油性ビタミンであるので、通常上
記のように水とともに使用する場合には、ビタミンEの
水性エマルジョンを使用する。
ワイトソース様ソースベースを形成可能な粉粒体組成物
となる粉体100重量部に対して通常は1〜15重量
部、好ましくは5〜10重量部であり、非常に少量であ
る。また、このような粉粒体組成物100重量部中には
望ましくは天然原料から抽出されたビタミンEエマルジ
ョン(有効成分量は:通常10〜25重量%程度)は通常は
0.01〜1重量部、好ましくは0.04〜0.5重量部の量で配
合される。
ースを形成可能な粉粒体組成物100重量部中にはビタ
ミンE(有効性分量)は通常0.01〜1重量部、好ま
しくは0.01〜0.05重量部程度であり、粉粒体組成物中に
おけるビタミンEの含有率は非常に少ない。こうして得
られる粉粒体組成物は、上述のように水を噴霧して造粒
すると水分含有率が幾分高くなるが、噴霧された水分は
造粒工程の後に乾燥工程に付すことにより、蒸発して乾
燥した顆粒状となる。
気下に、本発明の組成物の温度を通常は30〜50℃に
して、上記のビタミンEが配合された水を少量加えて、
15〜60分間ほどかけて顆粒状に造粒する。その後、
雰囲気温度を70〜110℃にして乾燥することで得ら
れた粉粒体の温度を35〜50℃にして、含有される水
分量が3〜6重量%程度になるまで乾燥する。
し、計量して包装する。本発明のホワイトソース様ソー
スベースを形成可能な粉粒体組成物には、さらに、魚介
類、野菜、肉などのホワイトソースに通常入れる具をフ
リーズドライして配合することもできる。こうして得ら
れる本発明のホワイトソース様ソースベースを形成可能
な粉粒体組成物は、粉体、顆粒などの種々の形態であっ
てよく、特に粒子径が揃っている必要はないが、水ある
いは湯に対する分散性を考慮すると、大きい粒子で数mm
であることが好ましく、こうした粒子の自然粉砕された
粉体を含有していてもよい。
性状、溶解性、保存性などについて良好なものにするた
めに、好みに応じた量で組成物に加えることができ、こ
れらの例としては、分散剤、乳化剤、結合剤、香辛料、
酸化防止剤などを挙げることができる。これらの中で、
例えば、本発明で使用することができる乳化剤として
は、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンなどを挙げる
ことができる。
適には造粒した後、この造粒物に対して金属探知を行い
金属が混在していないことを確認した後、梱包される。
梱包は、水不透過性の包装体に一食分づつ分包してもよ
いし、水不透過性の包装体に封入してもよい。さらに、
本発明のホワイトソース様ソースベースを形成可能な粉
粒体組成物は、従来の粉末即席食品に含まれている全粉
乳および焙煎した小麦粉を添加していないため、空気酸
化、光による劣化などに対して、より安定であり変色も
生じることないので保存性に優れる。従って、本発明の
ホワイトソース様ソースベースを形成可能な粉粒体組成
物は、空気酸化あるいは包装袋を光不透過性にすること
により光などによる劣化も防止することができるので、
通常の即席ホワイトソース様のソースベースの基として
使用することができるとともに、こうした通常の即席ホ
ワイトソース様ソースベースよりも長い品質保持期間が
要求されている乳児の離乳食として使用することもでき
る。本発明のホワイトソース様ソースベースを離乳食と
する場合には、このホワイトソース様ソースベース中の
食塩含有率は、一般人が喫食するホワイトソースよりも
低くすることが好ましく、離乳食(粉粒体組成物)の規
定された、水または湯を加えた場合の食塩濃度は、通常
は0.5重量%以下、好ましくは0.45重量%以下とする。
えることにより、この粉粒体組成物は水または湯に容易
に溶解または分散させることができ、通常のホワイトソ
ースとして使用することができるほか、さらにこのホワ
イトソースに野菜、魚介類、肉類などを入れてこれらと
ともにさらに煮込んだ後、喫食することもできる。特に
本発明の粉粒体組成物から形成されたホワイトクリーム
様のソースベースは、乳幼児の離乳食、老人の介護食と
して好適である。即ち、本発明のホワイトソース様ソー
スベースを形成可能な粉粒体組成物は、一旦分離された
乳脂肪を乳糖あるいは脱脂粉乳に担持あるいは保持させ
た粉末状乳脂肪成分と、α化デンプンとを特定の量で使
用し、小麦粉を実質的に含有していないので、非常に長
期間安定して保存することができる。さらに、本発明の
ホワイトソース様ソースベースを形成可能な粉粒体組成
物は、水あるいは湯に分散させることによりクリ−ミー
で食感がよいホワイトソース用のソースベースを形成す
ることができ、このホワイトソース用のソースベースは
流動食となり年齢の低い乳幼児の離乳食として適してい
る。さらに、このホワイトソース用のソースベースに野
菜類、魚介類、肉類などの具を配合することにより、さ
らに年齢の高い乳幼児に普通食への移行時の離乳食とし
て、また老人の介護食として使用することができる。ま
た、病人の流動食としても好適である。
を形成可能な粉粒体組成物は、即席ホワイトソース様の
ソースベース形成粉末の酸化劣化の原因が乳脂肪分の酸
化劣化および小麦粉との酸化劣化によるとの知見に基づ
いて、この乳脂肪分を乳糖あるいは脱脂粉乳に担持ある
いは保持させた粉末状乳脂肪分を使用するとともに、小
麦粉を実質的に使用せずにα化デンプンを使用してい
る。このように実質的に小麦粉を使用せずにα化デンプ
ンを使用し、さらに上記特定の粉末状乳脂肪分を使用す
ることにより、本発明の粉粒体組成物の酸化劣化を有効
に防止することができ、経時的安定性に優れており、油
脂酸敗あるいは小麦粉の酸化が発生しにくく、これらの
劣化による褐変が長期間生じにくい。
ースを形成可能な粉粒体組成物の原料成分は粉末である
ので、これらの原料成分を粉体−粉体混合することによ
り製造することができ、さらにこの粉体混合物を用いて
造粒する際に、ビタミンEを配合した水を噴霧しながら
造粒することにより、本発明の粉粒体組成物は、さらに
酸化劣化しにくくなる。
は湯に溶かしてスープとして喫食できるほか、調味素材
あるいは他の食品の補助食材として利用できるため用途
が広い。
に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により
なんら限定されるものではない。
形成可能な粉粒体組成物を以下に述べるようにして製造
した。脱脂粉乳に乳脂肪を担持あるいは保持された粉末
状乳脂肪分、デキストリン、α化されたコーンデンプ
ン、乳糖、オニオンエキス、乳蛋白、チキンエキス、食
塩、酵母エキスを表1に示す組成となるように所定量計
量した。
雰囲気下に、粉体混合物の温度が約40℃に成るように
加熱し、粉体混合物に対して7重量%の水を噴霧しなが
ら20分かけて造粒した。なお、この噴霧した水には0.
1重量%のビタミンEが予め配合されている。こうして
造粒した後、水の噴霧をやめ、風温;100℃に上げる
ことにより粒体の温度が約40℃になるように条件を変
えて粉粒体を20分間乾燥させた。この組成物中の水分
量を、減圧加熱乾燥法により分析した結果、100g当たり
の組成物について3.4gであった。
一回に使用する量3.6gに計量して水不透過性の包装
袋に封入した。なお、この粉粒体は金属探知処理されて
いる。このようにして包装された粉粒体3.6gを1袋
を皿にあけ、15mlの湯を注ぎ込み軽くかきまわすこと
により、ホワイトソースを製造することができた。この
ホワイトソースは、クリーム様の滑らかな口当たりで風
味の良好なホワイトソース様のソースベースを得た。こ
のものと組成物に含有される塩分をモール法により分析
した。塩分は100g当たりのベースについて2.23gそして
湯戻し後の塩分濃度は0.43%であった。
6%およびクリーム1.98%を脱脂粉乳14.66%および乳糖16.
30%の混合物に担持あるいは保持させたものである。上
記実施例1で得られた粉粒体組成物について、造粒工程
を行ったものと行わなかったものの経時安定性を官能検
査および色差から試験して評価した。 <経時安定性の試験方法> ・保存温度:室温区、35℃温区、5℃温区 ・保存湿度:70% ・保存期間:3.5月(1月、2月、3.5月経過時点でそれ
ぞれ評価試験を実施) ・官能検査 各試験区の試料の色、味覚、匂い、および固さの項目と
総合評価を、パネラーにより下記の判定基準に従って官
能評価をした。
粒タイプの組成物は、ともに全く同じ評価結果を得た。
その結果を表2に示す。
中の変退色評価のために、変色の数値化をL*a*b*
表色系(国際照明委員会(CIA))により調べ、その結果
を表3に示す。明度を表示するL*は、保存初期からい
ずれの組成物タイプもほとんど変化しなかった。同様に
色度を表す尺度のうち、赤緑方向を示すa*値、黄青方
向を示すb*値も僅かな変化にとどまった。色差のもう
一つの指標のΔEも最大1.79であり、経時比較の実用許
容差である5以下を大きく下まわっている。とくに、造
粒タイプの組成物は、経時的変色に対してより抵抗性が
あった。
見出せないので、酸敗などの劣化が生じていないと考え
られる。
についての試験結果をみると、いずれのタイプの品質
も、官能検査から味覚、匂いなどは製造時のままほぼ保
持されており、また色差の試験結果から変色が生じない
ことがわかった。試験期間は、最長3.5ヶ月であった
が、35℃においても外観上、顕著な酸敗に基づく劣化お
よび変色は発生しなかったことより、室温での保存では
商品価値を損なうことなく1年以上の長期貯蔵が可能で
あることがわかった。
Claims (11)
- 【請求項1】 水に溶解または分散させることによりホ
ワイトソース様のソースベースを形成可能な粉粒体組成
物であって、該粉粒体組成物は、乳脂肪分を乳糖および
/または脱脂粉乳に担持もしくは保持させた粉末状乳脂
肪分と、α化デンプンとを、該粉粒体組成物100重量部
中に重量合計で、30〜90重量部の量で含有するととも
に、該粉粒体組成物中における該粉末状乳脂肪分とα化
デンプンとの含有重量比が、1:3〜3:1の範囲内に
あることを特徴とするホワイトソース様ソースベースを
形成可能な粉粒体組成物。 - 【請求項2】 上記ホワイトソース様ソースベースを形
成可能な粉粒体組成物が、実質的に小麦粉を含有しない
ことを特徴とする請求項第1項に記載の粉粒体組成物。 - 【請求項3】 上記ホワイトソース様ソースベースを形
成可能な粉粒体組成物が、デキストリンを含有してお
り、該デキストリンが該粉粒体組成物100重量部中に5
〜35重量部の量で含有されていることを特徴とする請
求項第1項記載の粉粒体組成物。 - 【請求項4】 上記ホワイトソース様ソースベースを形
成可能な粉粒体組成物が、チキンエキス、オニオンエキ
スおよび粉末状酵母エキスよりなる群から選ばれる少な
くとも1種類の粉末状エキスを含有することを特徴とす
る請求項第1項に記載の粉粒体組成物。 - 【請求項5】 上記粉粒体組成物に配合される調味成分
が粉粒体であることを特徴とする請求項第1項記載の粉
粒体組成物。 - 【請求項6】 水に溶解または分散させることによりホ
ワイトソース様のソースベースを形成可能な粉粒体組成
物を製造する方法であって、得られる粉粒体組成物10
0重量部に対して、乳脂肪分を乳糖および/または脱脂
粉乳に担持もしくは保持させた粉末状乳脂肪分と、α化
デンプンとを、重量合計で、30〜90重量部の量で、且つ
該粉末状乳脂肪分とα化デンプンとの含有重量比が、
1:3〜3:1の範囲内になるように配合して粉体混合
することを特徴とするホワイトソース様ソースベースを
形成可能な粉粒体組成物の製造方法。 - 【請求項7】 上記ホワイトソース様ソースベースを形
成可能な粉粒体組成物に、小麦粉を実質的に配合しない
ことを特徴とする請求項第6項に記載の粉粒体組成物の
製造方法。 - 【請求項8】 上記ホワイトソース様ソースベースを形
成可能な粉粒体組成物にデキストリンを配合されてお
り、該デキストリンを該粉粒体組成物100重量部中に3
0重量部の量で配合することを特徴とする請求項第6項
記載の粉粒体組成物の製造方法。 - 【請求項9】 上記ホワイトソース様ソースベースを形
成可能な粉粒体組成物に、チキンエキス、オニオンエキ
スおよび粉末状酵母エキスよりなる群から選ばれる少な
くとも1種類の粉末状エキスを配合することを特徴とす
る請求項第6項記載の粉粒体組成物の製造方法。 - 【請求項10】 上記粉粒体組成物に配合される調味成
分が粉粒体であることを特徴とする請求項第6項記載の
粉粒体組成物の製造方法。 - 【請求項11】 上記乳脂肪分を乳糖および/または脱
脂粉乳に担持もしくは保持させた粉末状乳脂肪分、α化
デンプン、さらに必要によりデキストリン、粉末状エキ
スおよび粉末状の調味成分とを粉体混合した後、該混合
粉体に、ビタミンEを含有する少量の水を噴霧しなが
ら、該混合粉体の少なくとも一部を造粒することを特徴
とする請求項第6項乃至第10項のいずれかの項に記載
の粉粒体組成物の製造方法。
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JP2014057530A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | House Foods Group Inc | ペースト状ソースを作るための即席食品 |
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