JP2001351677A - 高温ナトリウム二次電池 - Google Patents

高温ナトリウム二次電池

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JP2001351677A
JP2001351677A JP2000170403A JP2000170403A JP2001351677A JP 2001351677 A JP2001351677 A JP 2001351677A JP 2000170403 A JP2000170403 A JP 2000170403A JP 2000170403 A JP2000170403 A JP 2000170403A JP 2001351677 A JP2001351677 A JP 2001351677A
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electrode container
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Tadahiko Mitsuyoshi
忠彦 三吉
Manabu Madokoro
間所  学
Hisamitsu Hato
久光 波東
Shigeru Sakaguchi
繁 坂口
Tetsuya Sado
哲也 佐渡
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力貯蔵装置や電気自動車などに用いるに好適
な高温ナトリウム二次電池を提供する。 【解決手段】液体ナトリウムを収納した負極容器を設け
た負極室と、正極活物質を収納した正極容器を設けた正
極室と、前記負極室、正極室間を分離した固体電解質と
を含む高温ナトリウム二次電池であって、前記固体電解
質に絶縁部材が接合、あるいは、一体焼結され、前記負
極容器又は/及び正極容器がMnを0.1〜2重量%含
有したAl合金から構成されると共に、前記負極容器又
は/及び前記正極容器と前記絶縁部材とが直接接合され
る。 【効果】接合部の信頼性が高く、量産性に優れた高温ナ
トリウム二次電池が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力貯蔵装置や電
気自動車などに用いるに好適な高温ナトリウム二次電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】負極容器内に液体ナトリウム、正極容器
内に硫黄、多硫化ナトリウム、セレン、テルル、金属塩
化物などの正極活物質を充填し、負極容器/正極容器間
をβ型やβ”型のベータアルミナセラミックス製の固体
電解質袋管で分離して、固体電解質袋管の開口部付近に
αアルミナなどのセラミックス製の絶縁部材から成る絶
縁リングをガラス接合すると共に、負極容器、正極容器
の端部を絶縁リングと接合した構造の高温ナトリウム二
次電池は、長寿命でエネルギー密度が大きいことから注
目され、電力貯蔵装置や電気自動車などへの利用が期待
されている。しかしながら、この電池の実用化と普及を
促進するためには、電池の信頼性向上と共に、低コスト
化を目的とした電池量産工程の簡略化が不可欠である。
【0003】高温ナトリウム二次電池の量産工程簡略化
の一つの手段としては、負極容器や正極容器をAl合金
製として塑性加工により容器製作工程を簡略化すると共
に、電池容器の抵抗低減を図ることが考えられるが、負
極/正極間の電気絶縁と電池の気密シールのために、上
述のように負極容器、正極容器と絶縁部材とを接合する
必要があり、この接合工程の簡略化と接合部の信頼性向
上を図ることが重要である。この接合の方法としては、
例えば特開平4−160071号公報や特開平10−2
87480号公報などに見られるように、負極容器、正
極容器と絶縁部材との間に、例えばSiを約10重量
%、Mgを約1〜2重量%含有したAl−Si−Mg系
合金製のリング状の接合材を介在させ、高温で加圧する
熱圧接法により接合するのが一般的である。しかしなが
ら、この際には接合のために接合材が必要で、且つ、高
温加圧時の接合材の位置決めに治具や手間がかかるな
ど、接合工程が複雑で量産性が向上しにくいという問題
があった。さらに、接合材として用いたAl−Mg−S
i合金は接合時の熱処理でMgとSiとが反応してMg
2Si化合物を生成し、この結果、接合材が硬化して、
電池の昇降温を繰り返した際、熱ストレスで接合部にク
ラックを生ずるという信頼性上の問題もあった。また、
Al−Si−Mg系合金は空気中に放置すると表面が酸
化されてMgOなどが生成するため、接合直前に接合材
表面を研磨する必要があり、量産性に難点があるという
問題もあった。
【0004】これに代わる方法として、特開平6−10
4009号公報や特開平5−228686号公報などに
見られるように、接合材としてAl−Si系合金やAl
−Mg系合金を用いて、接合時のMg2Siの生成を防
ぐことも考えられる。しかしながら、この場合にも接合
材中のSi量やMg量を適正化して絶縁部材との接合部
の信頼性を確保すると共に、容器として用いるAl合金
の組成を適正化して塑性加工性の確保と、接合材との接
合信頼性を高める必要があるが、従来の高温ナトリウム
二次電池においてはこのための検討が不十分で、接合材
や容器材料の組成が適正化されていなかった。
【0005】さらに、負極容器、正極容器と絶縁部材と
の接合工程を大幅に簡略化する方法としては、容器材料
と絶縁部材とを直接接合する方法が好ましく、例えばE
PRI Peport EM−413に見られるように
Al製容器とアルミナ製絶縁リングとを直接熱圧接した
例が報告されている。しかしながら、容器材料に純Al
に近いAl1050が用いられているために、容器材料
の剛性が低くて容器が変形しやすく、その結果、接合部
の信頼性に難点があり、室温から電池の動作温度までの
昇降温を繰り返すと接合部が剥離するという問題があっ
た。
【0006】以上のように、従来技術においては、高温
ナトリウム二次電池の接合部の信頼性向上と量産性向上
を両立させるための検討は不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の欠点を除き、接合部の信頼性が高く、且つ、
量産性に優れた高温ナトリウム二次電池を提供するにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の高温ナト
リウム二次電池は、負極容器を設けて液体ナトリウムを
収納した負極室と、正極容器を設けて正極活物質を収納
した正極室と、前記負極室、正極室間を分離した固体電
解質とを含む高温ナトリウム二次電池であって、前記固
体電解質に絶縁部材が接合されるか、あるいは、前記固
体電解質に絶縁部材が一体焼結されており、前記負極容
器又は/及び正極容器がMnを0.1〜2重量%含有し
たAl合金から構成されると共に、前記負極容器又は/
及び前記正極容器と前記絶縁部材とが直接接合されてい
ることを特徴としている。ここで、前記Al合金が0.
2〜2重量%のMgを含有することが望ましい。
【0009】また、本発明の第二の高温ナトリウム二次
電池は、負極容器を設けて液体ナトリウムを収納した負
極室と、正極容器を設けて正極活物質を収納した正極室
と、前記負極室、正極室間を分離した固体電解質とを含
む高温ナトリウム二次電池であって、前記固体電解質に
絶縁部材が接合されるか、あるいは、前記固体電解質に
絶縁部材が一体焼結されており、前記負極容器又は/及
び正極容器がMnを0.1〜2重量%、Mgを0〜2重
量%含有したAl合金から構成され、且つ、前記負極容
器又は/及び前記正極容器と前記絶縁部材とがSiを6
〜13重量%、Mgを0〜0.15重量%、Cuを0〜
0.5重量%含有したAl系合金から成る接合材を介し
て接合されていることを特徴としている。
【0010】さらに、本発明の第三の高温ナトリウム二
次電池は、負極容器を設けて液体ナトリウムを収納した
負極室と、正極容器を設けて正極活物質を収納した正極
室と、前記負極室、正極室間を分離した固体電解質とを
含む高温ナトリウム二次電池であって、前記固体電解質
に絶縁部材が接合されるか、あるいは、前記固体電解質
に絶縁部材が一体焼結されており、前記負極容器又は/
及び正極容器がMnを0.1〜2重量%、Mgを0〜2
重量%含有したAl合金から構成され、且つ、前記負極
容器又は/及び前記正極容器と前記絶縁部材とがMgを
0.2〜5重量%、Siを0〜0.5重量%、Cuを0
〜0.5重量%含有したAl系合金から成る接合材を介
して接合されていることを特徴としている。
【0011】ここで、本発明の第一、第二、第三の高温
ナトリウム二次電池において、前記負極容器又は/及び
正極容器を構成するAl合金中のSiやCuの含有量が
0〜1重量%であること、及び、前記負極容器又は/及
び正極容器と前記絶縁部材とが熱圧接法で接合されてい
ることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第一の高温ナトリウム二
次電池においては、その負極容器又は/及び正極容器と
して、0.1〜2重量%のMnを含んだAl合金が用い
られ、絶縁部材と直接接合されている。この結果、容器
の塑性加工が容易に行えると共に、接合時に接合材が不
要となり、電池の製造工程が簡略化されて、量産性を高
めることができる。また、Mn含有量の少ないAl10
50などと比べて容器の強度や剛性が高くて、電池昇降
温時に発生する応力による変形が少なく、その結果とし
て昇降温などに対する接合部の信頼性が向上する。ここ
で、Al合金中のMn量は0.1〜2重量%の範囲であ
る必要があり、Mn量が0.1%より少ないと容器の強
度や剛性が低下して接合部が剥離し易くなるなど、その
信頼性が損なわれる。逆にMn量が2%より多いと、A
l合金が硬くなりすぎて、電池容器作成時の塑性加工が
困難となり、量産性が損なわれる。
【0013】また、絶縁部材との直接接合のためには、
Al合金中には0.2〜2重量%のMgが含まれている
ことが望ましい。Al合金中のMgは接合時にセラミッ
クス製の絶縁部材中の酸素と反応するため、Mgを添加
することにより絶縁部材との接合部の強度が向上すると
共に、Al合金の強度や剛性が増して、接合部の信頼性
が向上する。ここで、Mgの量としては0.2〜2重量
%の範囲が望ましく、Mg量が0.2%より少ないと接
合強度向上の効果が顕著でなくなり、2%より多いとA
l合金の塑性加工やAl合金同士のロウ付けなどが困難
になって、電池容器の量産性が損なわれ易い。
【0014】一方、本発明の第二、第三の高温ナトリウ
ム二次電池においては、その負極容器又は/及び正極容
器として、0.1〜2重量%のMnと0〜2重量%のM
gを含んだAl合金が用いられており、上述と同様に容
器の強度や剛性が大きくて昇降温時の変形が少ないため
に接合部の信頼性が確保されると共に、容器作成時の塑
性加工が容易で量産性に優れている。また、接合材とし
て第二の高温ナトリウム二次電池においてはAl/Si
の共晶組成に近い6〜13重量%のSiを含んだ組成、
あるいは、第三の高温ナトリウム二次電池においては
0.2〜5重量%のMgを含んだ組成が用いられている
ため、接合時の接合部温度を比較的低くすることができ
て、接合工程が容易に行えると共に、SiやMgの効果
で接合部の強度や耐Na性が向上する。
【0015】なお、接合時のMg2Si化合物の生成量
低減のためには、第二の高温ナトリウム二次電池におい
ては、接合材中のMg量が少ない方が望ましく、接合部
の硬化を押えて信頼性を向上するには、Mg量は0〜
0.15重量%の範囲内にする必要がある。ここで、M
g量が0.15%を超えると接合時に生成したMg2S
iの影響で接合部が硬化し、電池の昇降温を繰り返した
際、熱ストレスで接合部にクラックを生じ易くなる。ま
た、このように接合材中のMg量を少なくすることによ
り、空気中に放置した際に接合材表面が酸化されてMg
Oが形成されることが起こりにくくなり、接合前の接合
材表面の研磨が不要となって量産性が向上するという利
点がある。一方、第三の高温ナトリウム二次電池におい
ては、接合材中のSi量が少ないほうが望ましく、接合
部の硬化を押さえて信頼性を向上するためには、Si量
は0〜0.5重量%の範囲内にする必要がある。Si量
が0.5%を超えると接合時にMg2Siが生成して接
合部が硬化し、電池の昇降温を繰り返した際、熱ストレ
スで接合部にクラックを生じ易くなる。
【0016】さらに、本発明の第二の高温ナトリウム二
次電池においては、接合時には接合材中のSiが電池容
器を構成するAl合金中へ拡散して、Al合金との接合
界面にMg2Siが生成する可能性があるが、接合時の
温度を接合材の液相線温度以下、望ましくは固相線温度
以下にして拡散を押さえること、及び、Al合金中のM
g量を0〜2重量%の範囲に制限することにより、接合
部のMg2Siの生成量を低減して、Al合金と接合材
との接合部の信頼性を高めることができる。なお、Mg
2Siの生成抑制のためには、Al合金、接合材共にM
gを含まないものを用いることが最も望ましく、具体的
には、Al合金にAA3003(Mn1〜1.5%、S
i≦0.6%、Cu0.05〜0.2%)、接合材にB
A4343(Si6.8〜8.2%、Cu≦0.25
%)を用いれば良い。ここで、接合材にBA4343を
用いる場合には、AA3003等のAl合金の両面にB
A4343の層を設けたクラッド材などを用いることも
できる。同様に、本発明の第三の高温ナトリウム二次電
池においても、電池容器を構成するAl合金中のMg量
を0〜2重量%、接合材中のSi量を0.5重量%以下
にし、且つ、接合時の温度を液相線温度以下、望ましく
は固相線温度以下にして不純物の拡散を押さえることに
より、Al合金と接合材との接合界面のMg2Siの生
成を押さえ、接合部の信頼性を向上することができる。
【0017】また、本発明の第一、第二、第三の高温ナ
トリウム二次電池の負極容器又は/及び正極容器に用い
られるAl合金としては、含有されるSiやCuの量が
少ない方が塑性加工性や耐食性から優れており、実用上
これらの含有量は0〜1重量%の範囲であることが望ま
しい。Si量が1%を超えるとAl合金の塑性加工が困
難となって電池容器の量産性が損なわれ易くなり、一
方、Cu量が1%を超えると耐食性が低下して、電池の
信頼性が損なわれ易くなる。なお、電池容器を構成する
Al合金中にMgとSiとが共存する場合には、加熱時
にAl合金中でMg2Siが生成するが、Al合金本体
の強度は接合部に比べて十分大きいため、接合部のよう
にこれによって信頼性が損なわれることはない。しかし
ながら、Al合金中のSi量やMg2Si量が多いと塑
性加工しにくくなるため、上述のように、Mgが2重量
%以下含まれるAl合金においては、Si量は1重量%
以下であることが望ましい。
【0018】同様に、耐食性の面からは接合材中のCu
量も少ないほうが望ましく、接合部の信頼性を確保する
ためには、接合材中のCu量は0〜0.5重量%の範囲
内であることが望ましい。Cu量が0.5%を超えると
耐食性が低下して、電池の信頼性が損なわれ易くなる。
なお、接合材中のCu量やMg2Si生成量の許容範囲
は、電池容器を構成するAl材中の許容範囲よりも狭い
が、これは接合部には絶縁部材との熱膨張差に基づく応
力が働いて、信頼性が低下し易いためである。
【0019】また、絶縁部材と負極容器又は/及び正極
容器との接合の方法としては、超音波接合や摩擦圧接な
どで接合部を加熱して接合する方法を用いることもでき
るが、接合部の気密性と信頼性を特に高く保つために
は、Al合金を液相線温度以下、好ましくは、固相線温
度以下の温度に加熱した状態で加圧接合する熱圧接法を
用いることが望ましい。
【0020】以下、本発明を図面を用いて説明する。
【0021】図1は本発明の第一の高温ナトリウム二次
電池の構造例を示している。図において、1はナトリウ
ムイオン導電性の固体電解質で、普通、β型やβ”型の
ベータアルミナセラミックスから成る袋管が用いられる
が、場合によっては平板状の固体電解質を用いることも
できる。2、3は固体電解質1と共にそれぞれ負極室
4、正極室5を構成する負極容器、正極容器であり、
0.1〜2重量%のMnを含むAl合金製で、必要によ
り正極容器の胴部内面にCr、Mo、Ti、Si、Cな
どを含む耐食層を設けて容器の耐食性を向上したり、外
面にSUS板を設けたクラッド材を用いて強度向上を図
っている。6は負極容器と正極容器とを絶縁し、且つ、
これらと直接接合された絶縁部材であり、普通、αアル
ミナセラミックスを用いて、図示されていないが固体電
解質1とガラス接合したり、αアルミナやマグネシウム
アルミニウムスピネルなどのセラミックスを用いて、固
体電解質1と一体焼結されている。また、7は負極室内
に収納されたナトリウム、8は固体電解質表面に隣接し
て存在するナトリウム量を少なくして、固体電解質破損
時の安全性を確保するための安全管である。この図にお
いては、安全管8は負極容器2と一体化され、袋管状の
固体電解質の内面に近接しており、ナトリウム7は負極
室4の一部である安全管内に充填された窒素ガスやAr
ガスなどの不活性ガスの圧力で押され、安全管8の下部
に設けた貫通孔9を通って、固体電解質と安全管との間
隙へ供給される。なお、安全管と負極容器とを分離した
構造も採用できる。
【0022】さらに、10は正極室へ収納された正極活
物質であり、図示されていないが、普通導電部材に含浸
または混合されて、正極モールドを構成している。な
お、ナトリウム硫黄電池の場合、正極活物質としては硫
黄や多硫化ナトリウムが用いられ、導電部材としては、
カーボン繊維やカーボン粒子などの炭素材が一般に用い
られる。一方、ナトリウム硫黄電池以外の高温ナトリウ
ム二次電池においては、正極活物質としては硫黄、セレ
ン、テルルの元素やこれらの塩化物、金属塩化物(金属
はAl、Ni、Feなど)が用いられる。また、11は
固体電解質と正極活物質との間に設けられた多孔質材
で、普通アルミナやガラスなどの繊維や粒子の集合体か
ら構成される。この多孔質材はイオン導電材を保持する
性質を持ち、例えばナトリウム硫黄電池などの充電時の
抵抗上昇を押さえ、電池の充放電特性を改善する効果を
持っている。
【0023】図1に示されたように、本発明の第一の高
温ナトリウム二次電池においては、セラミックスから成
る絶縁部材と電池容器を構成するAl合金とが直接接合
されているために、接合材を別に設ける必要がなく、且
つ、接合時に接合材の位置決め治具も不要で、電池の量
産性に優れている。また、Al合金中に含まれるMn量
が0.1〜2重量%と適切なため、容器の塑性加工が容
易で量産性が高いと共に、絶縁部材との接合部の信頼性
が高い。なお、高温ナトリウム二次電池の場合、接合部
の信頼性は主に負極室内に存在するナトリウムによる接
合部剥離に依存する。すなわち、液体ナトリウム中で接
合部に引っ張り応力が加わると接合部が端部から剥離す
るという傾向がある。容器が応力によって変形し易い場
合、引っ張り応力が加わると接合端部に応力集中して、
接合部は特に剥離しやすくなる。本発明ではこの問題を
Al合金中に所定量のMnを加えることによって、Al
合金の剛性を増して応力集中を避けるように対策してお
り、ナトリウム硫黄電池を始め、ナトリウムが融点以上
で運転される全ての高温ナトリウム二次電池に対して、
接合部の信頼性向上が可能となる。具体的には、Al合
金としてAA3003(Mn1〜1.5%、Si≦0.
6%、Cu0.05〜0.2%)などを用いることがで
きる。
【0024】また、接合部の信頼性をさらに向上するた
めには、Al合金中にMgを添加して、接合強度の向上
を図ることが効果的である。なお、接合強度向上のため
にはMg量は0.2重量%以上であることが望ましい
が、Mg量が2重量%を超えると容器の製造が困難にな
って量産性が低下しやすいため、Mg量としては0.2
〜2重量%の範囲内であることが望ましい。
【0025】さらに、Al合金中にSiやCuなどの元
素を含むことも可能であるが、Siの含有量が多すぎる
と塑性加工が困難になって量産性が損なわれたり、Cu
の含有量が多すぎると特に正極活物質に対する耐食性が
失われて、正極容器と絶縁部材との接合部の信頼性が低
下しやすいため、これらの元素の含有量は1重量%以下
であることが望ましい。具体的には、Al合金として、
AA3004(Mn1〜1.5%、Mg0.8〜1.
3%、Si≦0.3%、Cu≦0.25%)やAA31
05(Mn0.3〜0.8%、Mg0.2〜0.8%、
Si≦0.6%、Cu≦0.3%)などを用いることが
できる。
【0026】図2は本発明の第二、第三の高温ナトリウ
ム二次電池の構造例を示しており、図1と同じ符号のも
のは同じ内容を示している。図2においては、負極容器
2としてはMnを0.1〜2重量%、Mgを0〜2重量
%含有したAl合金が、正極容器3としては、Mnを
0.1〜2重量%、Mgを0〜2重量%含有したAl合
金部31とSUS部32とから成るクラッド材が用いら
れており、電池昇降温時の正極活物質の体積変化による
応力に対する正極容器3の変形を押さえる構造となって
いる。また、負極容器2と正極容器3のAl合金部31
とは、Siを9〜13重量%、Mgを0〜0.15重量
%、Cuを0〜0.5重量%含んだAl系合金またはM
gを0.2〜5重量%、Siを0〜0.5重量%、Cu
を0〜0.5重量%含有したAl系合金を用いた接合材
12で、絶縁部材6と接合されている。ここで、接合材
12は、Al−Mn合金などから成る心材122の両面
に前述のAl系合金121を設けたクラッド材が用いら
れ、両面のAl系合金により負極容器、正極容器及び絶
縁部材と接合されている。この構造においても、負極容
器2、正極容器3として適切なMn含有量やMg含有量
のAl合金が用いられているために、容器の塑性加工が
容易で量産性が高いと共に、接合部への応力集中が起こ
りにくくて信頼性が高い。また、接合材中のSiやMg
含有量が適切な範囲内にあり、且つ、接合温度を比較的
低くして不純物の拡散を少なくすることができるため、
接合部のMg2Si生成量が少なくなって、昇降温の繰
り返しに対する接合部の信頼性が高い。なお、負極容器
や正極容器を構成するAl合金中のSiやCuの含有量
は少ない方が望ましい。Siの含有量が多すぎると塑性
加工が困難になって量産性が損なわれたり、Cuの含有
量が多すぎると特に正極活物質に対する耐食性が失われ
て、正極容器と絶縁部材との接合部の信頼性が低下しや
すいため、これらの元素の含有量は1重量%以下である
ことが望ましい。同様に、接合材中のCu含有量も少な
い方が望ましく、耐食性を確保するためには、Cu含有
量は0.5重量%以下の必要がある。
【0027】具体例として、図1に示すように、固体電
解質1としてリチウムドープのβ”アルミナ焼結体から
なる外径約60mm、長さ約600mm、肉厚約1.5
mmの円筒状袋管を用いた。また、負極容器2、安全管
8の材料には表1に示すAl合金を、正極容器3には同
じAl合金を用い、胴部内面にクロム合金を溶射したも
のを用いて、塑性加工して容器形状を形成した。一方、
絶縁部材6としてはαアルミナ焼結体リングを用い、固
体電解質の開口部とガラス接合した後、絶縁部材の表面
に負極容器、正極容器の端部を配置し、Al合金の固相
線温度以下の温度に加熱して、負極容器、正極容器の端
部を加圧して、絶縁部材と直接熱圧接した。次に、負極
室内4にナトリウム7と約0.01MPaのArガスを
充填し、このガス圧でナトリウムが安全管下部の貫通孔
9を通って、袋管状固体電解質の内表面を覆うようにし
た。一方、正極室5内には体積密度10〜20%の炭素
繊維マットを充填し、正極活物質10として硫黄を含浸
して、正極モールドを形成した。なお、正極モールドの
内側にはアルミナ繊維集合体から成る厚さ約0.3mm
の多硫化ナトリウム保持のための多孔質材11を設け
て、高温ナトリウム二次電池の1つであるナトリウム硫
黄電池を作成した。
【0028】
【表1】
【0029】このように、本発明の第一の高温ナトリウ
ム二次電池の構造では簡単な製造工程で、量産性と歩留
まり良く、ナトリウム硫黄電池を製造できる。得られた
ナトリウム硫黄電池を室温から350℃の範囲で30回
昇降温した前後の熱圧接部の引っ張り強度及び容器の塑
性加工性のデータを表1に示す。表に見られるように、
本発明の組成範囲のAl合金を用いた負極容器、正極容
器により、容器の塑性加工や直接接合が可能で、且つ、
接合部の信頼性の高い、信頼性と量産性の両立したナト
リウム硫黄電池などの高温ナトリウム二次電池を得るこ
とができる。一方、比較例の試料No 11ではナトリウム
耐食性が、No 13では硫黄耐食性が劣り、昇降温によっ
て接合強度が大幅に低下したり、接合部が剥離するとい
う問題が、試料No 12では加工性が悪く、容器の塑性加
工が不可能であるという問題が発生した。
【0030】さらに、上述の具体例と同様な構造で、負
極容器や正極容器にAl−Mn系合金のAA3003、
AA3004やAA3105を用い、接合部には図2の
ように接合材12としてAl合金ロウのBA4343
(Si6.8〜8.2%、Mg0%、Cu≦0.25
%)、BA4045(Si9〜11%、Mg≦0.05
%、Cu≦0.3%)やBA4047(Si11〜13
%、Mg≦0.1%、Cu0.3%)、または、Al−
Mg合金のAA5050(Mg0.5〜1.1%、Si
≦0.4%、Cu≦0.2%)やAA5052(Mg
2.2〜2.8%、Si<0.5%、Cu≦0.15
%)、AA5155(Mg3.5〜5%、Si≦0.3
%、Cu≦0.25%)又はAA3005(Mg0.2
〜0.6%、Si≦0.6%、Cu≦0.3%)やAA
6951(Mg0.4〜0.8%、Si0.2〜0.5
%、Cu0.15〜0.4%)を用いて、接合材の固相
線温度以下で接合した電池を作成した。この結果、負極
容器や正極容器の塑性加工は容易で、また、得られた電
池を30回昇降温試験した結果、接合部の強度は昇降温
試験前とほとんど変化せず、接合部の信頼性が確認され
た。なお、容器の加工性はAl−Mn合金としてAA3
003を用いた場合が最も優れており、また、接合強度
は接合材にBA4343やAA5050又はAA505
2を用いた場合が最も大きかった。一方、比較例とし
て、接合材にBA4004(Si9〜10.5%、Mg
1〜2%)を用いた場合には、昇降温試験後の接合部強
度が試験前に比べて約30%低下した。
【0031】
【発明の効果】本発明の第一の高温ナトリウム二次電池
においては、製造工程が簡略化されて量産性が高く、且
つ、接合部の信頼性が高い。また、本発明の第二、第三
の高温ナトリウム二次電池においては接合部の高信頼性
が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高温ナトリウム二次電池の構造例を示
す構造図である。
【図2】本発明の高温ナトリウム二次電池の構造例を示
す構造図である。
【符号の説明】
1…固体電解質、2…負極容器、3…正極容器、4…負
極室、5…正極室、6…絶縁部材、7…ナトリウム、1
0…正極活物質、12…接合材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波東 久光 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 坂口 繁 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 佐渡 哲也 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 Fターム(参考) 5H029 AJ12 AJ14 AK05 AL13 AM15 DJ02 DJ03 EJ01 HJ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極容器を設けて液体ナトリウムを収納
    した負極室と、正極容器を設けて正極活物質を収納した
    正極室と、前記負極室、正極室間を分離した固体電解質
    とを含む高温ナトリウム二次電池であって、前記固体電
    解質に絶縁部材が接合されるか、あるいは、前記固体電
    解質に絶縁部材が一体焼結されており、前記負極容器又
    は/及び正極容器がMnを0.1〜2重量%含有したA
    l合金から構成されると共に、前記負極容器又は/及び
    前記正極容器と前記絶縁部材とが直接接合されているこ
    とを特徴とする高温ナトリウム二次電池。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記Al合金が0.
    2〜2重量%のMgを含有することを特徴とする高温ナ
    トリウム二次電池。
  3. 【請求項3】 負極容器を設けて液体ナトリウムを収納
    した負極室と、正極容器を設けて正極活物質を収納した
    正極室と、前記負極室、正極室間を分離した固体電解質
    とを含む高温ナトリウム二次電池であって、前記固体電
    解質に絶縁部材が接合されるか、あるいは、前記固体電
    解質に絶縁部材が一体焼結されており、前記負極容器又
    は/及び正極容器がMnを0.1〜2重量%、Mgを0
    〜2重量%含有したAl合金から構成され、且つ、前記
    負極容器又は/及び前記正極容器と前記絶縁部材とがS
    iを6〜13重量%、Mgを0〜0.15重量%、Cu
    を0〜0.5重量%含有したAl系合金から成る接合材
    を介して接合されていることを特徴とする高温ナトリウ
    ム二次電池。
  4. 【請求項4】 負極容器を設けて液体ナトリウムを収納
    した負極室と、正極容器を設けて正極活物質を収納した
    正極室と、前記負極室、正極室間を分離した固体電解質
    とを含む高温ナトリウム二次電池であって、前記固体電
    解質に絶縁部材が接合されるか、あるいは、前記固体電
    解質に絶縁部材が一体焼結されており、前記負極容器又
    は/及び正極容器がMnを0.1〜2重量%、Mgを0
    〜2重量%含有したAl合金から構成され、且つ、前記
    負極容器又は/及び前記正極容器と前記絶縁部材とがM
    gを0.2〜5重量%、Siを0〜0.5重量%、Cu
    を0〜0.5重量%含有したAl系合金から成る接合材
    を介して接合されていることを特徴とする高温ナトリウ
    ム二次電池。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
    負極容器又は/及び正極容器を構成するAl合金中のS
    iやCuの含有量が0〜1重量%であることを特徴とす
    る高温ナトリウム二次電池。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記
    負極容器又は/及び正極容器と前記絶縁部材とが熱圧接
    法で接合されていることを特徴とする高温ナトリウム二
    次電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002141107A (ja) * 2000-11-01 2002-05-17 Ngk Insulators Ltd ナトリウム−硫黄電池のナトリウム収納用カートリッジ及びその製造方法
JP2007172861A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Ngk Insulators Ltd ナトリウム−硫黄電池用陽極容器

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