JP2001351444A - 酸化物超電導体及びその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001351444A
JP2001351444A JP2000170522A JP2000170522A JP2001351444A JP 2001351444 A JP2001351444 A JP 2001351444A JP 2000170522 A JP2000170522 A JP 2000170522A JP 2000170522 A JP2000170522 A JP 2000170522A JP 2001351444 A JP2001351444 A JP 2001351444A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
oxide
oxide superconducting
oxide superconductor
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000170522A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Yamada
穣 山田
Tomoyuki Hattori
伴之 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000170522A priority Critical patent/JP2001351444A/ja
Publication of JP2001351444A publication Critical patent/JP2001351444A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Landscapes

  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化物超電導層の超電導特性が低下することな
く維持され、さらに応力や歪みに起因する機械的強度特
性が改善され、これによって実用性を大幅に向上させる
ことができる酸化物超電導体及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】酸化物超電層1と、該酸化物超電導層1の
外周面を一体的に被覆する金属系外周被覆層2とを具備
したものであって、前記金属系外周被覆層2は少なくと
も最外層2oと最内層2iである拡散保護層からなり、
該拡散保護層はAg,Au,Pd,Ptから選ばれた少なくとも1
種の金属、Ag,Au,Pd,Ptの各々の合金、またはAg,Au,Pd,
Ptを主体とする合金で形成し、最外層2oはステンレス
鋼、ハステロイ、インコロイ、モネルメタルなどのFe、
Ni系合金、あるいはCu系合金,もしくはTi,Ta,Nb系合
金で形成した酸化物超電導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物超電導体及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物超電導体としては、Bi系、Y(S
m、Nd)系が現在、線材化可能な材料として開発、研究
が進められている。特にBi系は銀をシース材として使っ
て、1-2kmの線材化が可能になっている。
【0003】これは、具体的にはシース材である銀のパ
イプの中に、上記酸化物超電導体の粉末を充填し、線引
き、圧延などの金属加工により細線化し、その後、熱処
理して、所望の超電導特性を得る方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法は銀をシース材として用いるために、実用機器への適
用を検討した場合には、超電導コイル、機器の材料とし
ては、応力や歪みに起因する機械的特性が悪く、貴金属
であることから経済性の面でも不利で実用性も悪い。
【0005】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、酸化物超電導層の超電導特性が低下す
ることなく維持され、さらに応力や歪みに起因する機械
的強度特性が改善され、これによって実用性を大幅に向
上させることができる酸化物超電導体及びその製造方法
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に対応する発明は、酸化物超電導層と、該
酸化物超電導層の外周面を一体的に被覆する金属系外周
被覆層とを具備したものであって、前記金属系外周被覆
層はステンレス鋼、ハステロイ、インコロイ、モネルメ
タルなどのFe、Ni系合金、あるいはCu系合金,もしくは
Ti,Ta,Nb系合金のいずれかで形成したことを特徴とす
る酸化物超電導体である。
【0007】前記目的を達成するため、請求項2に対応
する発明は、酸化物超電層と、該酸化物超電導層の外周
面を一体的に被覆する金属系外周被覆層とを具備したも
のであって、前記金属系外周被覆層は少なくとも最外層
と最内層である拡散保護層からなり、該拡散保護層はA
g,Au,Pd,Ptから選ばれた少なくとも1種の金属、Ag,Au,
Pd,Ptの各々の合金、またはAg,Au,Pd,Ptを主体とする合
金で形成し、前記最外層はステンレス鋼、ハステロイ、
インコロイ、モネルメタルなどのFe、Ni系合金、あるい
はCu系合金,もしくはTi,Ta,Nb系合金で形成したこと
を特徴とする酸化物超電導体である。
【0008】前記目的を達成するため、請求項3に対応
する発明は、次のように構成したものである。すなわ
ち、前記酸化物超電層は、Bi2212系、Bi2223系、Y系、N
d系、Sm系の銅を含む材料のいずれかで形成したことを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸化物超電導
体である。
【0009】前記目的を達成するため、請求項4に対応
する発明は、次のように構成したものである。すなわ
ち、前記酸化物超電層は、金属製管に酸化物超電導原料
粉末を充填したものであって、該酸化物超電導原料粉末
中にAgO、Ag2Oの銀系酸化物を入れたことを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の酸化物超電導体である。
【0010】前記目的を達成するため、請求項5に対応
する発明は、次のように構成したものである。すなわ
ち、請求項2の前記最内層である拡散保護層の厚さを1-
100μmに形成したことを特徴とする酸化物超電導体で
ある。
【0011】前記目的を達成するため、請求項6に対応
する発明は、次のように構成したものである。すなわ
ち、請求項2に記載の酸化物超電導層、前記拡散保護
層、前記最外層の体積比率を、それぞれ10-70%、10-30
%、10-50%としたことを特徴とする酸化物超電導体であ
る。
【0012】前記目的を達成するため、請求項7に対応
する発明は、次のように構成したものである。すなわ
ち、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の酸化
物超電導体の外形を矩形でかつ線材としたことを特徴と
する酸化物超電導体である。
【0013】前記目的を達成するため、請求項8に対応
する発明は、酸化物超電層と該酸化物超電層を内包し、
最内層である拡散保護層とからなる金属複合体部材を作
製する第1の工程と、ステンレス鋼、ハステロイ、イン
コロイ、モネルメタルなどのFe、Ni系合金、あるいはCu
系合金,もしくはTi,Ta,Nb系合金のいずれかにより、
前記金属複合体部材の拡散保護層の外周面を被覆して最
外層を形成し、該金属複合体部材の最外層の外径寸法を
所定値に減面加工する第2の工程と、前記減面加工され
た部材に、温度が750〜890℃で10〜200時間
の熱処理を施す第3の工程とを具備したことを特徴とす
る酸化物超電導体の製造方法である。
【0014】前記目的を達成するため、請求項9に対応
する発明は、次のようにしたものである。すなわち、請
求項8に記載の酸化物超電層は、Bi2212系、Bi2223系、
Y系、Nd系、Sm系の銅を含む材料のいずれかで形成した
ことを特徴とする酸化物超電導体の製造方法である。
【0015】前記目的を達成するため、請求項10に対
応する発明は、次のようにしたものである。すなわち、
請求項8に記載の酸化物超電層は、金属製管に酸化物原
料粉末を充填したものであって、該酸化物原料粉末中に
AgO、Ag2Oの銀系酸化物を入れたことを特徴とする酸化
物超電導体の製造方法である。
【0016】前記目的を達成するため、請求項11に対
応する発明は、次のようにしたものである。すなわち、
請求項8に記載の最内層である拡散保護層の厚さを1-10
0μmとなるように形成したことを特徴とする酸化物超
電導体の製造方法である。
【0017】前記目的を達成するため、請求項12に対
応する発明は、次のようにしたものである。すなわち、
請求項8に記載の酸化物超電導層、拡散保護層、最外層
の体積比率が、それぞれ10-70%、10-30%、10-50%となる
ように形成したことを特徴とする酸化物超電導体の製造
方法である。
【0018】前記目的を達成するため、請求項13に対
応する発明は、次のようにしたものである。すなわち、
請求項8に記載の酸化物超電導体の外形が矩形でかつ線
材となるように形成したことを特徴とする酸化物超電導
体の製造方法である。
【0019】請求項1乃至請求項13のいずれか一つに
記載の発明によれば、 本発明によれば、銀シースで覆
うことでまず、酸化物超電導体が最外周部金属と反応す
ることを防ぎ、さらに最外周の金属を設けることで、強
度、コストも大幅に向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0021】図1は、本発明に係る酸化物超電導体の第
1の実施形態を説明するための断面図である。これは酸
化物超電導層1と、該酸化物超電導層1の外周面を一体
的に被覆する金属系外周被覆層2とを具備したものであ
って、金属系外周被覆層2はステンレス鋼、ハステロ
イ、インコロイ、モネルメタルなどのFe、Ni系合金、あ
るいはCu系合金,もしくはTi,Ta,Nb系合金のいずれか
で形成するか、またはした酸化物超電導体である。
【0022】酸化物超電導層1は、Bi2212系、Bi2223
系、Y系、Nd系、Sm系の銅を含む材料のいずれかで形成
したものである。
【0023】以上述べた第1の実施形態によれば、従来
使用していた銀シースの代わりに、前述のようにステン
レス鋼等を使用したので、酸化物超電導層1の超電導特
性が低下することなく維持され、さらに応力や歪みに起
因する機械的強度特性が改善され、これによって実用性
を大幅に向上させることができる。ステンレス鋼等は、
銀に比べて安価であることから、本発明の酸化物超電導
体を使用する製品も安価なものとすることが可能とな
る。
【0024】第1の実施形態の酸化物超電層1は、前述
した材料の代りに、金属製管に酸化物超電導原料粉末を
充填したものであって、該酸化物超電導原料粉末中にAg
O、Ag2Oの銀系酸化物を入れたものを使用してもよい。
【0025】図2は、本発明に係る酸化物超電導体の第
2の実施形態を説明するための断面図である。これは酸
化物超電層1と、該酸化物超電導層1の外周面を一体的
に被覆する金属系外周被覆層2とを具備したものであっ
て、前記金属系外周被覆層2は少なくとも最外層2oと
最内層2iである拡散保護層からなり、該拡散保護層2
iはAg,Au,Pd,Ptから選ばれた少なくとも1種の金属、A
g,Au,Pd,Ptの各々の合金、またはAg,Au,Pd,Ptを主体と
する合金で形成し、最外層2oはステンレス鋼、ハステ
ロイ、インコロイ、モネルメタルなどのFe、Ni系合金、
あるいはCu系合金、もしくはTi,Ta,Nb系合金で形成し
た例の酸化物超電導体である。
【0026】このように構成することにより、酸化物超
電導層の超電導特性が低下することなく維持され、さら
に応力や歪みに起因する機械的強度特性が改善され、こ
れによって実用性を大幅に向上させることができる。こ
の作用効果は、特に、酸化物超電導層を被覆する最内層
および該最内層を被覆する最外層の厚み、体積比を調整
したり、また熱処理条件を調整することで有用な超電導
特性を得ることができる。
【0027】図2の実施形態の場合、最内層2iである
拡散保護層の厚さを、1-100μmとなるように形成する
ことにより、臨界電流密度Jc(A/cm2)が向上する。
【0028】図3は、これを説明するための実験結果を
示すもので、縦軸は臨界電流密度Jc(A/cm2)を示し、
横軸は拡散保護層の厚さ(μm)を示している。図3の
実験条件は、温度が4Kで、磁束が0Tのときである。この
結果から明らかなように、拡散保護層の厚みが1μm以
上で臨界電流密度Jcの著しい向上が見られた。これは、
最外層のSUSの構成元素による超電導体の汚染がAgから
なる拡散保護層により保護され、その効果が1μm以上
で顕著であったものと思われる。拡散保護層の厚さが1
μm未満では、酸素の拡散が起こり、また100μm以
上では加工不安定性のため断線が起きた。このため、本
実施形態では最内層2iである拡散保護層の厚さを、1-
100μmとすることは有意義なことである。
【0029】以上述べた第2の実施形態によれば、酸化
物超電導層1の超電導特性が低下することなく維持さ
れ、さらに応力や歪みに起因する機械的強度特性が改善
され、これによって実用性を大幅に向上させることがで
きる酸化物超電導体を提供することができる。
【0030】図2に示す酸化物超電導体は、次に述べる
第1〜第3の工程を含む製造方法により製造される。す
なわち、第1の工程は、酸化物超電層1と該酸化物超電
層1を内包し、最内層2iである拡散保護層とからなる
金属複合体部材を作製する。そして第2の工程は、ステ
ンレス鋼、ハステロイ、インコロイ、モネルメタルなど
のFe、Ni系合金、あるいはCu系合金,もしくはTi,Ta,
Nb系合金のいずれかにより、前記金属複合体部材の拡散
保護層の外周面を被覆して最外層2oを形成し、該金属
複合体部材の最外層の外径寸法を、スェージングマシー
ン等により所定値に減面加工する。第3の工程は、前記
減面加工された部材に、温度が750〜890℃で10
〜200時間の熱処理を施す。
【0031】このような製造方法により製造された酸化
物超電導体は、温度が750〜890℃で10〜200
時間の熱処理を施す工程を含んでいるので、超電導特性
が低下するのを防止できる。図4はこれを説明するため
の実験結果を示す特性図である。図4(a)に示すよう
に、熱処理時間が10〜200時間の範囲内では、臨界
電流密度Jcの著しく向上するが、これ以外の熱処理時間
の場合には、臨界電流密度Jcが低下することがわかる。
又、図4(b)に示すように、熱処理温度が750〜8
90℃の範囲内では、臨界電流密度Jcが著しく向上する
が、これ以外の熱処理時間の場合には、臨界電流密度Jc
が低下することがわかる。
【0032】ここで、図2の酸化物超電導層1、最内層
2iである拡散保護層、最外層2oの体積比率を、それ
ぞれ10-70%、10-30%、10-50%とすることで、応力や歪み
に起因する機械的強度特性が改善される。このことは、
実験結果から明らかであり、上記の体積比率の範囲外で
は、加工不安定性で断線が起こった。これは、最内層2
iである拡散保護層は銀合金等でできているため、柔ら
かく、逆に最外層2oはFe、Ni系合金等でできているた
め、硬くて脆いから、最内層2iと最外層2oの結合が
し難いからである。
【0033】次に、本発明の具体的実施例について説明
する。始めに、第1の実施例について説明する。酸化物
超電導層1として、Bi2223系酸化物超電導材を以下のよ
うにした得たものを使用する。Bi2O3,PbO,SrCO3,CaC
O3,CuOの各粉末を、モル比で1.8:0.3:2:2:3の割合
で混合し、800℃で24時間熱処理した後ボールミルで粉
砕した。この混合粉末をプレスによってペレットに成型
した後、再び800℃で24時間熱処理してからボールミル
で粉砕して仮焼粉を得た。この混合組成は、いわゆる(B
i,Pb)2Sr2Ca2Cu3Ox相を得るための組成である。
【0034】この仮焼粉を外径6mm,内径5mmの金属製
管、例えば純Ag製のパイプに充填して、鍛造加工、線引
き加工により直径4.8mmの丸線を作製した。次にこの丸
線を外径6mm,内径5mmの純SUS306製のパイプに挿入し
た後、鍛造加工、線引き加工、圧延加工により厚み0.5m
mのテープ材を作製した。本加工の途中では、場合によ
り、加工を容易にするために、400〜800℃で中間焼鈍を
行った。このテープを840℃で50時間熱処理してのテ
ープ状酸化物超電導線材(単純熱処理材)を得た。ま
た、この熱処理の後に厚さ0.5mmから0.4mmに圧延加工し
た後、再度840℃で50時間の熱処理を施した試料(複
合加工熱処理材)も作製した。
【0035】前記各テープ状酸化物超電導線材につい
て、液体窒素中(4K,0T)で4端子法により臨界電流
を測定したところ、単純熱処理材では40Aの臨界電流、
また臨界電流密度Jcにして20000A/cm2の値が、複合加
工熱処理材では80Aの臨界電流、また臨界電流密度Jcに
して40000A/cm2の値が得られた。図1にこの線材の断
面模式図を示した。各部の体積の比率は、高温超電導部
が30%、銀が30%、SUS部分が40%であった。
【0036】また、複合加工材では加工を再度繰り返し
たために、高温超電導体部分の密度が高くなっており、
これにより臨界電流密度Jcが増加したものと思われる。
【0037】さらに、前記テープ状酸化物超電導線材
を、インストロン型引張り試験機で引張ったときの応力
−歪みを測定した結果、0.2%耐力で300MPaが得られた。
これは従来知られている銀シースのみの線材の強度50MP
aに比べて、約8倍にもあたる大幅な増加である。
【0038】なお、以上述べた第1の実施例では高温超
電導体部分(フィラメント)が1つのいわゆる単芯線で
あったが、同様に、7芯、55芯などのいわゆる多芯線に
おいても、上記並みの臨界電流値が得られた。
【0039】次に、第2の実施例について説明する。第
1の実施例のBi2223系酸化物超電導材に代えて、Bi2212
系酸化物超電導材、YBa2Cu3Ox酸化物超電導材、Nd系、
Sm系酸化物超電導材を用いて、線材を作製し、これら
についても第1の実施例と同様に実験した結果、同様な
臨界電流特性が得られた。
【0040】さらに、第3の実施例について説明する。
第1の実施例のSUS306製のパイプの代えて、ハステロ
イ、モネルメタル、インコロイ、Ti,Cu,Nb,Taを用いて
線材を作製し、これらについても実験した結果、第1の
実施形態と同様な臨界電流特性が得られた。
【0041】次に第4の実施例について説明する。第1
の実施例において、SUSパイプおよびAgパイプのサイズ
を代えて、種々のシース厚みおよびその比率を変えた試
料を作製した。このようにして得られたAgシースからな
る拡散保護層について、次のような実験を行った。
【0042】図3は、この実験結果を示すもので、拡散
保護層の厚さと得られた臨界電流密度(4K、0T)Jcの関係
を示す。この結果から明らかなように、拡散保護層の厚
さが1μm以上で臨界電流密度の著しい向上が見られ
た。これは、最外層のSUSの構成元素による超電導体の
汚染がAgからなる拡散保護層により保護され、その効
果が1μm以上で顕著であったものと思われる。
【0043】本発明は、以上述べた実施形態に限定され
ず、例えば以下のように実施してもよい。最終的にでき
る酸化物超電導体の外形を矩形とすれば、外形が円形の
場合に比べてその製作が容易となる。また、各実施形態
の酸化物超電体は単芯線の場合に限らず、これを複数本
束ねて多芯構成にすることも可能である。
【0044】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、酸化物超電
導層の超電導特性が低下することなく維持され、さらに
応力や歪みに起因する機械的強度特性が改善され、これ
によって実用性を大幅に向上させることができる酸化物
超電導体及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化物超電導体の第1の実施形態を示
す断面図。
【図2】本発明の酸化物超電導体の第2の実施形態を示
す断面図。
【図3】図2の実施形態の作用効果を説明するための拡
散保護層の厚さと臨界電流密度との関係を示す特性図。
【図4】図2の実施形態の作用効果を説明するための熱
処理時間と臨界電流密度、熱処理温度と臨界電流密度の
関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…酸化物超電導層、2…金属系外周被覆層、2i…最
内層(拡散保護層)、2o…最外層。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超電導層と、該酸化物超電導層の
    外周面を一体的に被覆する金属系外周被覆層とを具備し
    たものであって、前記金属系外周被覆層はステンレス
    鋼、ハステロイ、インコロイ、モネルメタルなどのFe、
    Ni系合金、あるいはCu系合金,もしくはTi,Ta,Nb系合
    金のいずれかで形成したことを特徴とする酸化物超電導
    体。
  2. 【請求項2】 酸化物超電層と、該酸化物超電導層の外
    周面を一体的に被覆する金属系外周被覆層とを具備した
    ものであって、前記金属系外周被覆層は少なくとも最外
    層と最内層である拡散保護層からなり、該拡散保護層は
    Ag,Au,Pd,Ptから選ばれた少なくとも1種の金属、Ag,A
    u,Pd,Ptの各々の合金、またはAg,Au,Pd,Ptを主体とする
    合金で形成し、前記最外層はステンレス鋼、ハステロ
    イ、インコロイ、モネルメタルなどのFe、Ni系合金、あ
    るいはCu系合金,もしくはTi,Ta,Nb系合金で形成した
    ことを特徴とする酸化物超電導体。
  3. 【請求項3】 前記酸化物超電層は、Bi2212系、Bi2223
    系、Y系、Nd系、Sm系の銅を含む材料のいずれかで形成
    したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸
    化物超電導体。
  4. 【請求項4】 前記酸化物超電層は、金属製管に酸化物
    超電導原料粉末を充填したものであって、該酸化物超電
    導原料粉末中にAgO、Ag2Oの銀系酸化物を入れたことを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸化物超電導
    体。
  5. 【請求項5】 前記最内層である拡散保護層の厚さを1-
    100μmとしたことを特徴とする請求項2に記載の酸化
    物超電導体。
  6. 【請求項6】 前記酸化物超電導層、前記拡散保護層、
    前記最外層の体積比率を、それぞれ10-70%、10-30%、10
    -50%としたことを特徴とする請求項2に記載の酸化物超
    電導体。
  7. 【請求項7】 外形を矩形でかつ線材としたことを特徴
    とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の酸
    化物超電導体。
  8. 【請求項8】 酸化物超電層と該酸化物超電層を内包
    し、最内層である拡散保護層とからなる金属複合体部材
    を作製する第1の工程と、 ステンレス鋼、ハステロイ、インコロイ、モネルメタル
    などのFe、Ni系合金、あるいはCu系合金,もしくはTi,
    Ta,Nb系合金のいずれかにより、前記金属複合体部材の
    拡散保護層の外周面を被覆して最外層を形成し、該金属
    複合体部材の最外層の外径寸法を所定値に減面加工する
    第2の工程と、 前記減面加工された部材に、温度が750〜890℃で
    10〜200時間の熱処理を施す第3の工程とを具備し
    たことを特徴とする酸化物超電導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記酸化物超電層は、Bi2212系、Bi2223
    系、Y系、Nd系、Sm系の銅を含む材料のいずれかで形成
    したことを特徴とする請求項8に記載の酸化物超電導体
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記酸化物超電層は、金属製管に酸化
    物超電導原料粉末を充填すると共に、該酸化物超電導原
    料粉末中にAgO、Ag2Oの銀系酸化物を入れたことを特徴
    とする請求項8に記載の酸化物超電導体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記最内層である拡散保護層の厚さを
    1-100μmとなるように形成したことを特徴とする請求
    項8に記載の酸化物超電導体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記酸化物超電導層、前記拡散保護
    層、前記最外層の体積比率が、それぞれ10-70%、10-30
    %、10-50%となるように形成したことを特徴とする請求
    項8に記載の酸化物超電導体の製造方法。
  13. 【請求項13】 外形が矩形でかつ線材となるように形
    成したことを特徴とする請求項8に記載の酸化物超電導
    体の製造方法。
JP2000170522A 2000-06-07 2000-06-07 酸化物超電導体及びその製造方法 Pending JP2001351444A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000170522A JP2001351444A (ja) 2000-06-07 2000-06-07 酸化物超電導体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000170522A JP2001351444A (ja) 2000-06-07 2000-06-07 酸化物超電導体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001351444A true JP2001351444A (ja) 2001-12-21

Family

ID=18673225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000170522A Pending JP2001351444A (ja) 2000-06-07 2000-06-07 酸化物超電導体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001351444A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111272533A (zh) * 2020-03-07 2020-06-12 北京工业大学 一种研究高温超导材料氧元素扩散机制的样品制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111272533A (zh) * 2020-03-07 2020-06-12 北京工业大学 一种研究高温超导材料氧元素扩散机制的样品制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4575927A (en) Submicron-particle ductile superconductor
US5063200A (en) Ceramic superconductor article
JPH0568808B2 (ja)
US6469253B1 (en) Oxide superconducting wire with stabilizing metal have none noble component
US20050174202A1 (en) Superconducting wire material and method for preparation thereof, and superconducting magnet using the same
JP2004192934A (ja) 超電導線材およびその製法
JPH06196031A (ja) 酸化物超電導線材の製造方法
CA2033325C (en) Superconducting wire and method of manufacturing the same
JP3778971B2 (ja) 酸化物超電導線材およびその製造方法
JP3369225B2 (ja) 酸化物高温超電導線材の製造方法
JP2001351444A (ja) 酸化物超電導体及びその製造方法
JP3520699B2 (ja) 酸化物超電導線材及びその製造方法
JPH11312420A (ja) 酸化物高温超電導線材およびその製造方法
JP2951419B2 (ja) 大容量酸化物超電導導体の製造方法
JPS63285155A (ja) 酸化物系超電導材料、およびその製造方法
JP3692657B2 (ja) 酸化物超電導線材
JP3848449B2 (ja) 酸化物超電導線の製造方法
JPH11111081A (ja) 酸化物超電導線材
JP4039260B2 (ja) 酸化物超電導線材の製造方法および酸化物超電導線材の原料粉末
JP3757617B2 (ja) 酸化物超電導ビレット、酸化物超電導線材、及びその製造方法
JP2599138B2 (ja) 酸化物系超電導線の製造方法
CA1338753C (en) Method of producing oxide superconducting wire and oxide superconducting wire produced by this method
JPH03102717A (ja) 電流リード用導体の製造方法
KR20060103509A (ko) 초전도 선재, 이를 이용하는 초전도 다심선 및 이들의제조방법
JPH01220308A (ja) 高臨界電流密度と高強度を有する超電導複合ケーブルおよびその製造方法