JP2001351153A - 硬貨処理機 - Google Patents

硬貨処理機

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JP2001351153A
JP2001351153A JP2000169617A JP2000169617A JP2001351153A JP 2001351153 A JP2001351153 A JP 2001351153A JP 2000169617 A JP2000169617 A JP 2000169617A JP 2000169617 A JP2000169617 A JP 2000169617A JP 2001351153 A JP2001351153 A JP 2001351153A
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仁 鎌田
Yutaka Emori
裕 江守
Katsuyuki Miyamoto
勝幸 宮本
Atsushi Uchida
敦 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投入された硬貨の間隔を良好にあけることに
より、その後の判別や選別等を良好に行うことができる
硬貨処理機の提供。 【解決手段】 硬貨を一枚だけ収容可能な凹部45が形
成され、所定の回転位置で投入口11を介して一枚ずつ
投入された硬貨を凹部45に貯留させる一方、他の所定
の回転位置で凹部45に貯留させた硬貨を入金搬送手段
15に受け渡す回転円盤41を有することで、凹部45
の回転によって硬貨の間隔をあける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投入された硬貨を
判別計数した後、真の硬貨を収納するとともに、収納し
た硬貨を例えば釣り銭用として使用する硬貨処理機に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、コンビニエンスストア等で様々な
情報を流す情報端末が配置されるようになってきてい
る。この情報端末は、単に情報のみを提供するのではな
く、商品の購入も可能になっている。このような商品購
入のため、投入された硬貨を判別計数した後、真の硬貨
を金種別に選別収納するとともに、収納した硬貨を例え
ば釣り銭用として使用する硬貨処理機が、情報端末に付
設されて用いられるようになってきている。
【0003】そして、本出願人は、このような情報端末
への付設に最適な硬貨処理機について特許出願を行い、
すでに開示されている(特開2000−20789号公
報)。この硬貨処理機は、商品購入に当たって硬貨を投
入すると、その後、投入された硬貨の選別を行い入金金
額を確認することになるが、この間の時間の短縮化を図
ることにより、商品購入に要する時間を短縮できる優れ
たものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の硬貨
処理機では、機体外からの硬貨の投入を一枚ずつに規制
しつつ受け入れる投入口を設けることで、硬貨を一枚ず
つ受け入れるようになってはいるものの、投入された硬
貨のその後の搬送間隔を調整するようにはなっておら
ず、使用者が硬貨を投入口に立て続けに投入すると、硬
貨と硬貨との間隔が短くなり、その後の判別や選別に影
響をおよぼす可能性があり、この点でさらなる改善を行
う必要性が生じた。
【0005】本発明は、投入された硬貨の間隔を良好に
あけることにより、その後の判別や選別等を良好に行う
ことができる硬貨処理機の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の硬貨処理機は、機体外から
の硬貨の投入を一枚ずつに規制しつつ受け入れる投入口
を有し、該投入口を介して受け入れた硬貨を入金搬送手
段で一枚ずつ搬送しつつ判別し収納するものであって、
硬貨を一枚だけ収容可能な凹部が形成され、所定の回転
位置で前記投入口を介して一枚ずつ投入された硬貨を前
記凹部に貯留させる一方、他の所定の回転位置で前記凹
部に貯留させた硬貨を前記入金搬送手段に受け渡す回転
円盤を有することを特徴としている。
【0007】これにより、投入口に硬貨を立て続けに投
入しても、投入された硬貨が回転円盤の所定の回転位置
にある凹部に一枚のみ入り込み、この凹部が他の所定の
回転位置に位置すると凹部から硬貨が一枚のみ入金搬送
手段に受け渡されることになる。よって、投入された硬
貨の間隔を良好にあけることができる。しかも、凹部が
形成された回転円盤を回転させるのみであるため、簡素
かつコンパクトにできる。
【0008】本発明の請求項2記載の硬貨処理機は、請
求項1記載のものに関して、前記回転円盤は、前記凹部
に対し硬貨を自重により入出させることを特徴としてい
る。
【0009】このように、回転円盤は、凹部に対し硬貨
を自重により入出させるため、硬貨を繰り出すための駆
動源が不要となる。
【0010】本発明の請求項3記載の硬貨処理機は、請
求項1または2記載のものに関して、前記凹部は、硬貨
を、前記回転円盤と中心軸線を平行させた状態で径方向
に入出させることを特徴としている。
【0011】このように、凹部が、硬貨を、回転円盤と
中心軸線を平行させた状態で径方向に入出させるもので
あるため、回転円盤および硬貨の厚さ方向を一致させる
ことができ、その結果、回転円盤の回転に伴う硬貨の移
動に必要なスペースを最小限にすることができる。
【0012】本発明の請求項4記載の硬貨処理機は、請
求項1乃至3のいずれか一項記載のものに関して、前記
回転円盤には、前記凹部が放射状に複数形成されている
ことを特徴としている。
【0013】このように、回転円盤に凹部が放射状に複
数形成されているため、凹部を一つ有するものに比して
回転円盤の回転速度を小さくでき、静粛性を向上させる
ことができる。
【0014】本発明の請求項5記載の硬貨処理機は、請
求項1乃至4のいずれか一項記載のものに関して、前記
入金搬送手段は、前記硬貨が厚さ方向における一の面部
で接触する案内面と、前記硬貨の厚さ方向における他の
面部に接触することにより該硬貨を前記案内面に摺接さ
せながら移動させる搬送ベルトと、該搬送ベルトが掛け
られるプーリが装着され該プーリを回転駆動する搬送モ
ータとを有しており、該搬送モータは、前記プーリの前
記案内面に対する距離を変更可能に支持されており、か
つ該プーリを前記案内面に近接させる方向に付勢されて
いることを特徴としている。
【0015】このように、入金搬送手段の搬送モータ
は、硬貨が厚さ方向における一の面部で接触する案内面
に対するプーリの距離を変更可能に支持されており、か
つ該プーリを案内面に近接させる方向に付勢されている
ため、硬貨の厚さが厚い場合は該硬貨によりプーリを案
内面から遠ざけ、硬貨の厚さが薄い場合は該硬貨により
プーリを案内面に近づけることになる。
【0016】本発明の請求項6記載の硬貨処理機は、請
求項5記載のものに関して、前記搬送モータは、板バネ
を介して支持されており、該板バネが前記プーリを前記
案内面に近接させる方向に付勢することを特徴としてい
る。
【0017】このように、搬送モータを支持する板バネ
がプーリを案内面に近接させる方向に付勢するため、付
勢のための構造を簡素にできる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の一の実施の形態に係る硬
貨処理機を図面を参照して以下に説明する。この実施の
形態に係る硬貨処理機は、投入された硬貨の真偽を判別
するとともに真硬貨の正損を判別しさらに計数を行う。
そして、判別結果に基づいて、偽硬貨と判別された硬貨
(以下偽硬貨と称す)および判別不能硬貨を返却する一
方、真硬貨と判別された硬貨(以下真硬貨と称す)のう
ち汚損硬貨と判別された硬貨(以下汚損硬貨と称す)お
よび容量的に金種別収納が不可なオーバーフロー硬貨と
判別された硬貨(以下オーバーフロー硬貨と称す)を一
括収納し、さらに真硬貨と判別された硬貨のうち正硬貨
と判別された硬貨であってオーバーフロー硬貨を除く硬
貨(以下正硬貨と称す)を金種別に収納する。加えて、
収納された正硬貨を出金時に使用する循環式のものであ
る。なお、図1および図2における紙面左方向が機体に
おける前側であり、以下における前後は機体における前
後である。
【0019】まず、図1および図2を参照して硬貨処理
機の全体構成を説明する。機体10の上部かつ前端部に
は機体10外から硬貨Cが投入される投入口11が形成
されている。この投入口11は、機体10外からの硬貨
Cの投入を一枚ずつに規制しつつ受け入れる。投入口1
1より下側の機体10における前端部には、機体10内
から機体10外に取り出し可能に硬貨Cを出金あるいは
返却させるための出金口12が設けられている。
【0020】投入口11の下部には、一枚ずつ連続的に
投入口11に投入された硬貨Cを所定の間隔をあけて送
り出す入金繰出部14が設けられている。入金繰出部1
4の後側には、機体10の後方に向けて水平に配置さ
れ、投入口11に投入され入金繰出部14で繰り出され
た硬貨Cを一枚ずつ搬送する入金搬送部(入金搬送手
段)15が設けられている。
【0021】この入金搬送部15における硬貨搬送方向
上流側(機体10における前側)には、該入金搬送部1
5で搬送される硬貨Cについて、その磁気的性質等から
真偽を判別するとともに真硬貨の正損を判別しさらに計
数を行う判別部(判別手段)16が配置されている。
【0022】また、入金搬送部15における判別部16
よりも硬貨搬送方向下流側(機体10における後側)に
は、判別部16の判別結果に基づき、偽硬貨、判別不能
硬貨、オーバーフロー硬貨および汚損硬貨を入金搬送部
15から排除する排除部(排除手段)18が配置されて
いる。この排除部18の下側には、該排除部18で排除
された硬貨Cを振り分ける排除振分部19が設けられて
いる。すなわち、この排除振分部19の機体10におけ
る前側に出金口12が設けられており、また、この排除
振分部19の下方には、導入された硬貨Cを分類するこ
となく一括して収納する一括収納金庫(一括収納手段)
20が設けられている。この一括収納金庫20は、機体
10に対し着脱可能とされている。
【0023】入金搬送部15における排除部18よりも
硬貨搬送方向下流側(機体10における後側)には、判
別部16により真硬貨と判別された硬貨であって排除部
18で排除されなかった正硬貨を金種選別し振り分ける
選別部(選別手段)22が配置されている。
【0024】選別部22の下側には、選別部22により
金種選別された硬貨Cを金種別に収納する収納部(収納
手段)23が設けられている。この収納部23は、各金
種別の収納筒24a〜24fを有しており、各収納筒2
4a〜24fにおいて、選別部22からの硬貨Cを上部
より収納する一方、収納した硬貨Cを下部より繰り出し
可能とされている。なお、この構成により、選別部22
で金種別に選別した硬貨Cは、出金口12に返却可能と
なるよう一時貯留させられることはなく、直接収納部2
3に収納される。
【0025】収納部23の下側には、収納部23から繰
り出された硬貨Cを案内する繰出案内通路26が設けら
れている。この繰出案内通路26は、収納部23から繰
り出された硬貨Cのみを受け入れて案内する。
【0026】そして、この繰出案内通路26と一括収納
金庫20との間には、受皿部材(受入部材)27と受皿
部材27を昇降させる昇降機構部28(図20参照)と
を有する出金搬送部(出金搬送手段)29が設けられて
いる。この出金搬送部29は、収納部23から繰り出さ
れた硬貨Cのみを所定の下部受取位置まで下降した受皿
部材27で繰出案内通路26から受け取り、受け取った
硬貨Cを所定の上部繰出位置まで受皿部材27を上昇さ
せて出金口12に搬送する。ここで、出金搬送部29
は、受皿部材27を鉛直方向に昇降させるようになって
いる。
【0027】出金搬送部29の機体10における前側に
は、受皿部材27から受け入れた硬貨Cを出金口12と
一括収納金庫20とに振り分ける出金振分部31が設け
られている。
【0028】次に、各部の構成および作動についてさら
に詳細に説明する。
【0029】「投入口」図3に示すように、投入口11
は、機体10の前端かつ上部から、後方かつ下方に向け
て斜めに傾斜して延在しており、機体10における左右
方向に軸線を延在させた姿勢で投入された硬貨Cの自重
による移動を案内する。投入口11は、上記姿勢で投入
された硬貨Cの一枚のみの通過が可能な断面積とされて
いて、その結果、使用者により硬貨Cが一枚ずつ投入さ
れるようになっている。
【0030】投入口11は、図4に示すように、その下
部が、硬貨Cをその軸線方向における両側を挟むように
して互いの間に通過させる一対の形成板33,34の間
に形成されており、一方の形成板34には、該形成板3
4を通って投入口11内に突出することにより投入口1
1を介しての機外からの硬貨Cの投入を規制する一方、
投入口11内から引っ込むことで投入口11を介しての
機外からの硬貨Cの投入を許容するストッパ35が設け
られている。このストッパ35は、ラッチングソレノイ
ド36で駆動される。
【0031】さらに、投入口11には、ストッパ35よ
りも奥側位置に、投入口11内の所定位置における硬貨
Cの有無を検出する投入口硬貨検出センサ38が設けら
れている。この投入口硬貨検出センサ38は、一対の形
成板33,34にそれぞれ形成されたセンサ穴39を介
して投入口11内に光を照射する発光素子38aと、該
発光素子38aの照射光を投入口11を介して受光可能
な受光素子38bとを有しており、受光素子38bの受
光状態から硬貨Cの有無を検出する。
【0032】ここで、一対の形成板33,34は、それ
ぞれの下部が図4に示すように機体10の前方から見た
状態で鉛直に対し45度より小さい所定角度で傾斜して
おり、その結果、投入口11も下部がこの角度で傾斜し
て硬貨Cをその径方向をこの所定角度に傾斜させた状態
で通過させる。
【0033】「入金繰出部」図4に示すように、入金繰
出部14は、投入口11を形成する一方の形成板33の
下部と、他方の形成板34の下側に隣接配設されかつ前
記一方の形成板33に当接する回転円盤41と、該回転
円盤41を駆動する繰出モータ42と、該繰出モータ4
2を支持する支持板43とで構成されている。
【0034】回転円盤41は、図3および図4に示すよ
うに、その軸線方向を形成板33に直交させた状態で該
形成板33に当接配置されており、その結果、その軸線
方向を投入口11で案内される硬貨Cの軸線方向に一致
させている。
【0035】回転円盤41には、軸線方向における形成
板33側でありかつ径方向における外周側に、硬貨Cを
収容可能な凹部45が、該回転円盤41の軸線を中心と
した放射状に複数(具体的には4つ)形成されている。
これら凹部45は、投入口11と同一平面に配置されて
おり、形成板33とで画成される空間46が投入口11
と同じ厚みを有している。これら凹部45は、図4に示
すように機体10の前方から見た状態で投入口11と同
じ所定角度で傾斜させられている。
【0036】これら凹部45は、それぞれ、投入口11
を介して投入された硬貨Cを一枚だけ、投入口11で案
内されたままの姿勢(すなわち回転円盤41と中心軸線
を平行させた状態)で受け入れ、収容可能となってい
る。
【0037】この回転円盤41は、上部を機体10にお
ける前から後に移動させる方向に回転駆動されるように
なっている。そして、投入口11側に凹部45を位置さ
せる所定の回転位置において、投入口11を介して一枚
ずつ投入された硬貨Cをその自重により凹部45に収容
し貯留させる一方、機体10の後方側に凹部45を位置
させる所定の回転位置において該凹部45に貯留させた
硬貨Cをその自重により入金搬送部15に受け渡す。こ
のとき、凹部45は、硬貨Cを回転円盤41と中心軸線
を平行させた状態で径方向に繰り出す。
【0038】ここで、回転円盤41の凹部45の回転方
向における後側の外周部側には、回転方向における前側
に若干突出する円弧部47が形成されており、この円弧
部47により回転時の硬貨Cの凹部45からの抜け出し
を規制するようになっている。他方、回転円盤41の凹
部45の回転方向における前側は、半径方向にほぼ沿っ
ており、硬貨Cの入金搬送部15への受け渡し時に硬貨
Cの凹部45からの抜け出しを円滑にするようになって
いる。
【0039】以上の入金繰出部14においては、繰出モ
ータ42が駆動されて回転円盤41が回転した状態で、
投入口11を通過した硬貨Cを一枚のみ上部所定位置に
位置する凹部45に収納させ、該凹部45が機体10に
おける後方に向くと、収納していた硬貨Cを入金搬送部
15に繰り出す。この間に回転方向における次の凹部4
5に次の硬貨Cを一枚のみ収納させ、該凹部45におい
ても機体10における後方に向くと、収納していた硬貨
Cを入金搬送部15に繰り出す。このようにして、連続
投入された硬貨Cを一枚ずつに分離し、隣り合う凹部4
5同士の間隔と回転円盤41の回転速度とで決められる
間隔をあけながら硬貨Cを順次繰り出す。
【0040】「入金搬送部」入金搬送部15は、図3お
よび図5に示すように、回転円盤41の軸線方向と平行
に配置されて機体10における後方に延在する案内底板
部49と、該案内底板部49に対し直交配置されて機体
10における後方に延在する案内側板部50とを有する
搬送案内部材51を有している。ここで、案内側板部5
0も、図5に示すように機体10の前方から見た状態で
投入口11および凹部45と同じ所定角度で傾斜させら
れている。
【0041】そして、案内底板部49は、回転円盤41
の凹部45から繰り出された硬貨Cの径方向における外
周部を接触させて案内することになり、案内側板部50
は、その案内底板部49側の案内面52で、回転円盤4
1の凹部45から繰り出された硬貨Cの軸線方向(厚さ
方向)における一の面部を接触させて案内することにな
る。すなわち、このようにして案内される硬貨Cも、機
体10の前方から見た状態で投入口11および凹部45
と同様、鉛直に対し45度より小さい所定角度で傾斜さ
せられる。なお、硬貨Cをこのように傾斜状態で搬送す
るのではなく、鉛直に立てた状態で搬送してもよい。
【0042】また、入金搬送部15は、案内側板部50
の案内底板部49側に、搬送駆動部54を有している。
この搬送駆動部54は、搬送案内部材51の一端入金繰
出部14側に配置されたプーリ55と、該搬送案内部材
51の他端側に配置されたプーリ56と、これらプーリ
55,56に掛けられる無端の搬送ベルト57と、入金
繰出部14側のプーリ55が装着されこれを回転駆動す
る搬送モータ58と、搬送モータ58を支持する板バネ
59とを有している。
【0043】プーリ56は、案内底板部49の延長面に
対し直交する方向にその軸線を配置しており、このプー
リ56は位置固定とされている。他方、搬送モータ58
もその駆動軸60に固定されたプーリ55の軸線を、基
本的には、案内底板部49の延長面に対し直交する方向
に配置している。
【0044】これらプーリ55,56に掛けられた搬送
ベルト57は、案内側板部50に対し所定の隙間をあけ
ながら、案内側板部50の長さ方向においては基本的に
は平行に配置される。そして、搬送ベルト57は、硬貨
Cの厚さ方向における他の面部に接触することにより硬
貨Cを案内面52に摺接させながら移動させる。そし
て、このようにして搬送される硬貨Cも、機体10の前
方から見た状態で投入口11および凹部45と同じ所定
角度で傾斜させられるため、入金搬送部15は、硬貨C
を鉛直に対し45度より小さい所定角度傾斜させた状態
で搬送することになる。
【0045】ここで、板バネ59は、搬送モータ58の
上部に取り付けられており、案内側板部50側に延出す
るように配置された状態で、該延出先端において搬送案
内部材51側に固定されている。その結果、搬送モータ
58は、弾性変形可能な板バネ59により、プーリ55
の案内面52に対する距離を変更可能に支持されてい
る。しかも、搬送モータ58は、硬貨Cの搬送時に搬送
ベルト57と案内面52との間に介在する硬貨Cによっ
てプーリ55が案内面52から離間する方向に押圧さ
れ、その結果、弾性変形する板バネ59の付勢力でプー
リ55を案内面52に近接させる方向に付勢される。
【0046】以上の入金搬送部15では、搬送モータ5
8が駆動されると、搬送ベルト57が回転することによ
り、入金繰出部14から繰り出された硬貨Cを該搬送ベ
ルト57が搬送案内部材51の案内面52に押し付けな
がらその摩擦力で搬送案内部材51に沿って移動させ
る。このとき、硬貨Cの下部外周面は案内底板部49で
支持される。そして、入金繰出部14から繰り出された
硬貨Cを搬送ベルト57が案内面52とで挟むことで、
該硬貨Cが搬送ベルト57、プーリ55および搬送モー
タ58を介して板バネ59を変形させ、その結果、図5
および図6に示すように、硬貨Cの板厚に応じて搬送ベ
ルト57の入金繰出部14側と案内面52との間の距離
が自動調整される。
【0047】「排除部」排除部18は、図7および図8
に示すように、搬送案内部材51の案内側板部50に形
成された開口部62と、該開口部62を閉塞可能な開閉
板63とを有し、これらで構成されるゲート64が開閉
することで入金搬送部15から硬貨Cを排除振分部19
に案内するゲート式のものである。
【0048】開閉板63は、その上部が搬送案内部材5
1の延在方向に平行な軸を中心に回動自在に支持されて
おり、開口部62に嵌合しこれを閉塞可能となってい
る。そして、排除部18は、開閉板63を開口部62を
開放させる方向に付勢するコイルバネ65と、該コイル
バネ65の付勢力で開閉板63に常に当接させられるラ
ッチングソレノイド(排除駆動手段)66とを有してい
る。ラッチングソレノイド66は、開閉板63を、図7
に示すように開口部62に嵌合させ案内側板部50の案
内面52と同一平面を形成させる閉位置と、図8に示す
ように開口部62から下部を入金搬送部15に対し反対
側に離間させ開口部62を開放させて該開口部62を排
除振分部19に連通させる開位置との二位置に切り換え
る。
【0049】さらに、排除部18は、入金搬送部15に
おける硬貨搬送方向に関してゲート64と対応する位置
に、入金搬送部15で搬送される硬貨Cをゲート64の
方向に付勢するゲート方向付勢部材(ゲート方向付勢手
段)68を有している。
【0050】このゲート方向付勢部材68は、入金搬送
部15における硬貨搬送方向上流側において位置が固定
され同下流側がゲート64側に近接するように傾斜する
合成樹脂製の板バネで、図7に示すように閉状態の開閉
板63との間に介在する硬貨Cで案内面52に対し反対
方向に弾性変形させられることで硬貨Cを案内面52の
方向すなわちゲート64の方向に付勢する。
【0051】そして、図8に示すように、ゲート64が
開かれると、このゲート方向付勢部材68の付勢力で硬
貨Cが確実にゲート64を通過し排除振分部19に落下
させられるのである。なお、このとき硬貨Cは、入金搬
送部15による搬送状態と同様、軸線を機体10におけ
る横方向に沿わせた姿勢で落下させられる。勿論、ゲー
ト64が開かれなければ、ゲート方向付勢部材68は、
図7に示すように自らの弾性変形することで硬貨Cの通
過を許容する。なお、排除部18はゲート64を閉じた
状態が待機状態とされる。
【0052】「排除振分部」排除振分部19は、図1お
よび図9に示すように、排除部18で排除された硬貨C
を受け入れて該硬貨Cの自重により出金口12に導く排
除案内通路70と、この排除案内通路70から分岐する
排除分岐通路71と、排除案内通路70における排除分
岐通路71の分岐位置に設けられ、硬貨Cを排除案内通
路70から排除分岐通路71に導くことで一括収納金庫
20に導入させる状態と、硬貨Cを排除案内通路70か
ら排除分岐通路71に導かず出金口12に導入させる状
態とに切り換えられ、その結果、硬貨Cを出金口12と
一括収納金庫20とに振り分ける排除振分機構部(排除
振分手段)72とを有している。
【0053】排除案内通路70は、排除部18の下部か
ら若干鉛直下方に延びた形状の第1通路部73と、該第
1通路部73から機体10における前方かつ下方に斜め
に傾斜して出金口12に通じる第2通路部74とを有し
ており、排除分岐通路71は、排除案内通路70の第1
通路部73の下方延長線上に配置されて一括収納金庫2
0に通じている。
【0054】ここで、排除案内通路70および排除分岐
通路71には、上記した排除部18より、軸線を機体1
0における横方向に沿わせた姿勢で硬貨Cが落下させら
れる。このため、排除案内通路70および排除分岐通路
71の機体10における左右方向の幅は、硬貨Cがこの
方向に軸線を沿わせた姿勢での通過が可能であればよ
く、例えば、軸線方向の厚さが最大の硬貨Cの厚さより
も大きく最小径の硬貨Cの直径よりも小さい幅とされ、
好ましくは一定幅とされる。
【0055】排除振分機構部72は、排除案内通路70
の第1通路部73と排除分岐通路71との境界部分であ
って、排除案内通路70の第2通路部74の底面74a
の延長上に配設可能な振分板76と、該振分板76を機
体10における横方向に移動させ前記境界部分に対し抜
き差しするラッチングソレノイド(振分駆動手段)77
とを有している。
【0056】そして、ラッチングソレノイド77により
振分板76を前記境界部分に挿入した状態においては、
排除分岐通路71が閉塞され、排除部18から落下させ
られた硬貨Cは、その自重により排除案内通路70のみ
を通過して出金口12に落下させられる。
【0057】他方、ラッチングソレノイド77により振
分板76を前記境界部分から抜いた状態においては、排
除案内通路70の第1通路部73と排除分岐通路71と
が鉛直に沿って連通させられ、排除部18から落下させ
られた硬貨Cは、その自重により第1通路部73および
排除分岐通路71を通過して一括収納金庫20に案内さ
れることになる。勿論、このとき、落下する硬貨Cが第
2通路部74に誤って案内されてしまうことはないよう
に各部の形状が決められている。
【0058】ここで、一括収納金庫20は、上部に排除
分岐通路71から落下する硬貨Cを受け入れる受入開口
部79が形成されており、該受入開口部79には、この
一括収納金庫20の機体10からの取り出しに連動して
閉作動し閉状態でロックされる一方、一括収納金庫20
の機体10への装着に連動してロック解除され開作動す
る図示せぬシャッタが設けられている。さらに、機体1
0にはこの一括収納金庫20を機体10にロックする図
示せぬロック装置が設けられ、別体のキーにより該ロッ
ク装置によるロックを解除するようになっている。
【0059】「選別部」選別部22は、図3に示すよう
に、ゲート81が開閉することで入金搬送部15から収
納部23に向け硬貨Cを案内するゲート式選別部82
a,82bと、通過可能な硬貨径が機械的に決められた
選別穴83で硬貨Cを選別して収納部23に向け案内す
る穴式選別部84c〜84fとを有している。そして、
入金搬送部15による硬貨搬送方向における上流側にす
べてのゲート式選別部82a,82bが配置され、入金
搬送部15による硬貨搬送方向における下流側にすべて
の穴式選別部84c〜84fが配置されている。
【0060】具体的には、入金搬送部15による硬貨搬
送方向における最も上流側に、収納させる全金種の硬貨
のうち最も軽量な硬貨用すなわち1円硬貨用のゲート式
選別部82aが、該ゲート式選別部82aの下流側に隣
り合って、収納させる全金種の硬貨のうち最も径差が小
さい硬貨同士(5円硬貨および100円硬貨同士)のう
ちの片方用具体的には5円硬貨用のゲート式選別部82
bが設けられている。
【0061】また、このゲート式選別部82bの下流側
に、収納させる全金種の硬貨のうち残りのすべての硬貨
用の穴式選別部84c〜84fが、入金搬送部15によ
る硬貨搬送方向における上流側から硬貨径の小さい順に
配置されている。すなわち、ゲート式選別部82bの下
流側に隣り合って50円硬貨用の穴式選別部84cが、
該穴式選別部84cの下流側に隣り合って100円硬貨
用の穴式選別部84dが、該穴式選別部84dの下流側
に隣り合って10円硬貨用の穴式選別部84eが、該穴
式選別部84eの下流側に隣り合って500円硬貨用の
穴式選別部84fが、それぞれ設けられている。
【0062】ゲート式選別部82a,82bは、それぞ
れ、図10および図11に示すように、排除部18と同
様の構成をなしており、搬送案内部材51の案内側板部
50に形成された開口部86と、開口部86を閉塞可能
な開閉板87とを有し、これらで構成されるゲート81
が開閉することで入金搬送部15から硬貨Cを収納部2
3に案内するものである。
【0063】開閉板87は、その上部が搬送案内部材5
1の延在方向に平行な軸を中心に回動自在に支持されて
おり、開口部86に嵌合しこれを閉塞可能となってい
る。さらに、ゲート式選別部82a,82bは、開閉板
87を開口部86を開放させる方向に付勢するコイルバ
ネ88と、該コイルバネ88の付勢力で開閉板87に常
に当接させられるラッチングソレノイド(選別駆動手
段)89とを有している。ラッチングソレノイド89
は、開閉板87を、図10に示すように開口部86に嵌
合させ案内側板部50の案内面52と同一平面を形成さ
せる閉位置と、図11に示すように開口部86から下部
を入金搬送部15に対し反対側に離間させ開口部86を
開放させて該開口部86を収納部23に連通させる開位
置との二位置に切り換えるラッチングソレノイド(選別
駆動手段)89とを有している。
【0064】さらに、選別部22は、入金搬送部15に
おける硬貨搬送方向に関して各ゲート81と対応する位
置に、それぞれ、入金搬送部15で搬送される硬貨Cを
ゲート81の方向に付勢するゲート方向付勢部材(ゲー
ト方向付勢手段)91を有している。
【0065】このゲート方向付勢部材91は、入金搬送
部15における硬貨搬送方向上流側において位置が固定
され同下流側がゲート81側に近接するように傾斜する
合成樹脂製の板バネで、図10に示すように閉状態の開
閉板87との間に介在する硬貨Cで案内面52に対し反
対方向に弾性変形させられることで硬貨Cを案内面52
の方向すなわちゲート81の方向に付勢する。
【0066】そして、図11に示すように、ゲート81
が開かれると、このゲート方向付勢部材91の付勢力で
ゲート81の位置にあった硬貨Cが確実にゲート81を
通過し、金種別に設けられた案内通路67のうちの直下
のものを介して収納部23に落下させられる。なお、こ
のとき硬貨Cは、入金搬送部15による搬送状態と同
様、軸線を機体10における横方向に沿わせた姿勢で落
下させられるが、収納部23に達する前に案内通路67
の図示略の案内部材で軸線を上下方向に沿わせるように
姿勢を変更する。勿論、ゲート81が開かれなければ、
ゲート方向付勢部材91は、図10に示すように自らの
弾性変形することで硬貨Cの通過を許容する。
【0067】このような構成のゲート式選別部におい
て、1円硬貨用のゲート式選別部82aは、ゲート81
を通過した硬貨Cを、その直下に対応配置された1円硬
貨用の収納筒24aのみに落下させることになり、5円
硬貨用のゲート式選別部82bは、ゲート81を通過し
た硬貨Cをその直下に対応配置された5円硬貨用の収納
筒24bのみに落下させることになる。
【0068】なお、以上においては、便宜上、ゲート式
選別部82a,82bのそれぞれの構成を同一の符号で
説明したが、選別する硬貨Cの径に応じて大きさ等は異
なることになる。また、ゲート式選別部82a,82b
はともにゲート81を閉じた状態が待機状態とされる。
【0069】穴式選別部84c〜84fは、図3、図1
2および図13に示すように、それぞれ、搬送案内部材
51の案内側板部50に形成された選別穴83を有して
おり、選別穴83を介して入金搬送部15から硬貨Cを
収納部23に案内するものである。
【0070】入金搬送部15による硬貨搬送方向におけ
る最も上流側の穴式選別部84cの選別穴83は、50
円硬貨の外径以下の硬貨のみの通過を許容する穴径とさ
れており、その下流側の穴式選別部84dの選別穴83
は、100円硬貨の外径以下の硬貨のみの通過を許容す
る穴径とされており、その下流側の穴式選別部84eの
選別穴83は、10円硬貨の外径以下の硬貨のみの通過
を規制する穴径とされており、その下流側の穴式選別部
84fの選別穴83は、500円硬貨の外径以下の硬貨
のみの通過を許容する穴径とされている。
【0071】さらに、選別部22は、入金搬送部15に
おける硬貨搬送方向に関して選別穴83と対応する位置
に、入金搬送部15で搬送される硬貨Cを選別穴83の
方向に付勢する選別穴方向付勢部材(選別穴方向付勢手
段)92を有している。
【0072】この選別穴方向付勢部材92は、図10お
よび図11に示すゲート方向付勢部材91と同様、入金
搬送部15における硬貨搬送方向上流側において位置が
固定され同下流側が選別穴92側に近接するように傾斜
する合成樹脂製の板バネで、図12に示すように案内側
板部50の案内面52との間に介在する硬貨Cで案内面
52に対し反対方向に弾性変形させられることで硬貨C
を案内面52の方向すなわち選別穴83の方向に付勢す
る。
【0073】そして、図13に示すように、選別穴83
を通過可能な硬貨Cが選別穴83の位置に位置すると、
この選別穴83に対応する選別穴方向付勢部材92の付
勢力で硬貨Cが確実に選別穴83を通過し、金種別の案
内通路67のうちの直下のものを介して収納部23に落
下させられる。なお、このとき硬貨Cは、入金搬送部1
5による搬送状態と同様、軸線を機体10における横方
向に沿わせた姿勢で落下させられるが、収納部23に達
する前に案内通路67の図示案内部材で軸線を上下方向
に沿わせるように姿勢を変更する。勿論、選別穴83を
通過不可であれば、選別穴方向付勢部材92は、図12
に示すように自らの弾性変形することで硬貨Cの通過を
許容する。
【0074】なお、以上においては、便宜上、穴式選別
部84c〜84fのそれぞれの構成を同一の符号で説明
したが、選別する硬貨Cの径に応じて選別穴83の大き
さ等は異なることになる。
【0075】このような構成の穴式選別部84c〜84
fにおいて、50円硬貨用の穴式選別部84cは、該穴
式選別部84cの選別穴83を通過した硬貨Cをその直
下の50円硬貨用の収納筒24cのみに落下させること
になり、100円硬貨用の穴式選別部84dは、該穴式
選別部84dの選別穴83を通過した硬貨Cをその直下
の100円硬貨用の収納筒24dのみに落下させること
になり、10円硬貨用の穴式選別部84eは、該穴式選
別部84eの選別穴83を通過した硬貨Cをその直下の
10円硬貨用の収納筒24eのみに落下させることにな
り、500円硬貨用の穴式選別部84fは、該穴式選別
部84fの選別穴83を通過した硬貨Cをその直下の5
00円硬貨用の収納筒24fのみに落下させることにな
る。
【0076】「収納部」収納部23は、図14に示すよ
うに、すべての上記した収納筒24a〜24fが内蔵さ
れるとともに機体10に対し着脱可能な入出金庫94
と、機体10に対し装填された入出金庫94から出金を
行わせる出金部(図18参照)95とを有している。
【0077】入出金庫94は、図14および図15に示
すように、一側を中心に互いに回動可能に連結された箱
体96および蓋体97を有しており、箱体96は直方体
形状の箱の一の側面側が除かれた形状で、蓋体97はこ
の側面側を閉塞する形状をなしている。すなわち、蓋体
97が箱体96に嵌合すると入出金庫94の内部を外部
に対し閉塞させ、蓋体97が箱体96に対し離れるよう
に回動すると入出金庫94の内部を外部に対し開放させ
る。
【0078】箱体96には、一側に、入金され選別部2
2で金種選別された硬貨Cを通過させて内部に収納させ
る収納側開口部100が形成されており、逆側に、収納
した硬貨Cを外部に繰り出し可能な繰出側開口部101
が形成されている。具体的に、収納側開口部100は機
体10への装填時に上側となる上板部102に、繰出側
開口部101は機体10への装填時に下側となる下板部
103に、それぞれ形成されている。
【0079】入出金庫94には、一端側が収納側開口部
100に連通可能とされるとともに他端側が繰出側開口
部101に連通可能とされて、硬貨Cを軸線方向を上下
にした状態で上下に集積させる上記した金種別の収納筒
24a〜24fが、同一平面において互いに平行をなす
ように配列されている。すなわち、選別部22の選別の
順序と同様、一側から順に、1円硬貨用の収納筒24
a、5円硬貨用の収納筒24b、50円硬貨用の収納筒
24c、100円硬貨用の収納筒24d、10円硬貨用
の収納筒24e、500円硬貨用の収納筒24fが設け
られている。
【0080】各収納筒24a〜24fは、それぞれ、箱
体96の底部104(図16参照)に取り付けられた第
1部材105と、第1部材105に対し嵌脱自在で蓋体
97に取り付けられた第2部材106とを有している。
第1部材105は、収納側開口部100に近接連通する
一端部および繰出側開口部101に近接連通する他端部
がともに円筒状の円筒部107,108とされるととも
に、これら円筒部107,108の間の中間部109が
箱体96の底側に配置される半円筒状とされている。第
2部材106は、蓋体97を箱体96に対し閉じた状態
において第1部材105の中間部109に嵌合すること
で中間部109とで円筒状をなすとともに、蓋体97を
箱体96に対し開いた状態で第1部材105の中間部1
09から離間して第1部材105内を開放する。
【0081】そして、入出金庫94は、図16に示すよ
うに、箱体96の上板部102の内側と収納筒24a〜
24fとの間に、収納側開口部100を開閉させるとと
もに収納側開口部100を全閉とした状態でロック可能
なスライド開閉式の収納側シャッタ111が設けられて
おり、箱体96の下板部103の内側と収納筒24a〜
24fとの間にも繰出側開口部101を開閉させるとと
もに繰出側開口部101を全閉とした状態でロック可能
なスライド開閉式の繰出側シャッタ112が設けられて
いる。
【0082】収納側開口部100は、箱体96の底部1
04側に偏って形成される一方、繰出側開口部101
は、箱体96の底部104より離れた位置に形成されて
いる。そして、収納側シャッタ111は、底部104側
にスライドすることで収納側開口部100を閉じる一
方、底部104から離れる方向にスライドすることで収
納側開口部100を開くようになっている。逆に、繰出
側シャッタ112は、底部104側にスライドすること
で繰出側開口部101を開く一方、底部104から離れ
る方向にスライドすることで繰出側開口部101を閉じ
るようになっている。
【0083】また、これら収納側シャッタ111および
繰出側シャッタ112は、リンク機構114を介して連
結されている。このリンク機構114は、リンクアーム
115と、該リンクアーム115の一端側に取り付けら
れた第1連結軸116と、リンクアーム115の他端側
に取り付けられた第2連結軸117と、リンクアーム1
15の中間位置に取り付けられた第3連結軸118と、
リンクアーム115を付勢する図示せぬバネ部材とを有
している。そして、第1連結軸116が、収納側シャッ
タ111に形成された長穴121に回転可能かつ若干底
部104に沿って移動可能に連結されるとともに、第2
連結軸117が、繰出側シャッタ112に形成された長
穴122に回転可能かつ若干底部104に沿って移動可
能に連結された状態で、第3連結軸118が箱体96に
回動可能に連結される。なお、リンクアーム115の第
1連結軸116と第3連結軸118との間には入力受部
123が形成されている。
【0084】これにより、リンク機構114のリンクア
ーム115が第3連結軸118を中心に回動すること
で、図16に示すように、収納側シャッタ111および
繰出側シャッタ112を連動させて同時に閉状態とした
り、図18に示すように、収納側シャッタ111および
繰出側シャッタ112を連動させて同時に開状態とした
りする。なお、図示せぬバネ部材は、収納側シャッタ1
11および繰出側シャッタ112を閉方向に付勢する。
【0085】また、蓋体97には、図16および図19
に示すように、閉状態の収納側シャッタ111の開方向
移動側の当接片部125に当接して該収納側シャッタ1
11の開方向移動を規制するロック機構126が設けら
れている。このロック機構126は、一端側のロック部
127において収納側シャッタ111の当接片部125
に対し当接可能なロック部材128と、該ロック部材1
28の他端側を蓋体97に回動可能に連結させる連結軸
129と、ロック部材128を付勢する図示せぬバネ部
材とを有している。
【0086】このロック機構126は、図19に二点鎖
線で示すように、図示せぬバネ部材の付勢力でロック部
材128がロック部127を当接片部125に近接させ
るように回動することで収納側シャッタ111を閉状態
でロックすることになり、このように収納側シャッタ1
11が閉状態でロックされると、リンク機構114を介
して連結された繰出側シャッタ112も閉状態でロック
されることになる。他方、図19に実線で示すように、
図示せぬバネ部材の付勢力に抗してロック部材128が
ロック部127を当接片部125から離間させるように
回動することで収納側シャッタ111のロックを解除し
てその開作動を許容することになり、このように収納側
シャッタ111がロック解除されると、リンク機構11
4を介して連結された繰出側シャッタ112もロック解
除されて開作動が許容されることになる。
【0087】機体10には、図17に示すように、入出
金庫94が装填される装填部132が形成されており、
該装填部132には、図17および図19に示すよう
に、入出金庫94が装填される際に、該入出金庫94内
に入り込んでその傾斜部133でロック部材128の中
間部分を下方に押圧し該ロック部材128を図示せぬバ
ネ部材の付勢力に抗して回動させ、その結果、ロック部
材128による収納側シャッタ111および繰出側シャ
ッタ112のロックを解除させるロック作動部材134
が設けられている。
【0088】このロック作動部材134は、逆に装填部
132から入出金庫94を取り外す際には、入出金庫9
4から抜けることでロック部材128の中間部分の押圧
を解除し該ロック部材128をバネ部材の付勢力で回動
させ、ロック部材128により収納側シャッタ111お
よび繰出側シャッタ112をロックさせる。
【0089】また、装填部132には、図18に示すよ
うに、入出金庫94が装填される際に、該入出金庫94
内に入り込んでその先端部でリンクアーム115の入力
受部123に当接して該リンクアーム115を押圧し図
示せぬバネ部材の付勢力に抗してこれを回動させて、収
納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を全開
まで開作動させる開閉作動部材136が設けられてい
る。
【0090】この開閉作動部材136は、逆に装填部1
32から入出金庫94を取り外す際には、入出金庫94
から抜けることでリンクアーム115への押圧を解除し
該リンクアーム115を図示せぬバネ部材の付勢力で回
動させ、収納側シャッタ111および繰出側シャッタ1
12を全閉まで閉作動させる。
【0091】ここで、図17に示すように、入出金庫9
4の装填部132への装填時においては、ロック作動部
材134による収納側シャッタ111および繰出側シャ
ッタ112のロック解除が行われた後のタイミングで、
開閉作動部材136が収納側シャッタ111および繰出
側シャッタ112の開作動を開始するようになってお
り、逆に、入出金庫94の装填部132からの取り出し
時においては、開閉作動部材136が収納側シャッタ1
11および繰出側シャッタ112を全閉としたタイミン
グで、ロック作動部材134による収納側シャッタ11
1および繰出側シャッタ112のロック作動を開始する
ようになっている。
【0092】以上により、収納側シャッタ111および
繰出側シャッタ112は、入出金庫94の機体10への
装填に連動してロックが解除されかつ開状態とされる一
方、入出金庫94の機体10からの取り出しに連動して
閉状態とされかつロックされる。
【0093】また、ロック作動部材134および開閉作
動部材136は、入出金庫94の機体10への装填時に
該入出金庫94に挿入されて収納側シャッタ111およ
び繰出側シャッタ112をロック解除しかつ開状態とす
る一方、入出金庫94の取り出し時に該入出金庫94か
ら引き抜かれて収納側シャッタ111および繰出側シャ
ッタ112を閉状態としかつロックする。
【0094】そして、装填部132に装填された状態に
おいて入出金庫94は、開放された収納側開口部100
を介して選別部22からの硬貨Cを、収納筒24a〜2
4fの第1部材105に上部の円筒部107から受け入
れて集積状態で収納させる。
【0095】なお、図示は略すが、機体10には装填状
態の入出金庫94を機体10にロックするロック装置が
設けられ、別体のキーにより該ロック装置によるロック
を解除するようになっている。また、図示は略すが、入
出金庫94にも蓋体97を閉じた状態で箱体96にロッ
クするロック装置が設けられ、別体のキーにより該ロッ
ク装置によるロックを解除するようになっている。
【0096】ここで、機体10から取り外された状態の
入出金庫94に対し硬貨Cを出し入れする場合は、例え
ば、図15に示すように、入出金庫94を円筒部108
を下側として載置させ、蓋体97を箱体96に対し回動
させて開くと、箱体96側の第1部材105から蓋体9
7側の第2部材106が離間し、第1部材105の中間
部109を開放させる。これにより、この中間部109
の開放部分から第1部材105に対し硬貨Cの出し入れ
が可能となり、中間部109の開放部分から例えば円筒
部108さらには中間部109に集積される。他方、硬
貨Cの出し入れが終了すると蓋体97を閉じることで第
1部材105に第2部材106が嵌合し円筒状となる。
その結果、持ち運んでも硬貨Cが脱落等することがなく
なる。
【0097】なお、図16に示すように各金種別収納筒
24a〜24fと繰出側開口部101は一部を重ね合わ
せた状態で横方向に位置をずらしており、各金種別収納
筒24a〜24fの下部(繰出側シャッタ112より上
側)には、繰出側開口部101と重なり合わないように
支持底板110が設けられている。そして、各金種別収
納筒24a〜24fに集積された硬貨は、この支持底板
110上に支持されることになる。
【0098】また、蓋体97にロック部材128が取り
付けられているため、蓋体97を箱体96に対し開くこ
とでロック部材128が収納側シャッタ111から離れ
てロック機構126による収納側シャッタ111および
繰出側シャッタ112のロックを解除することになる。
よって、蓋体97を開いた後は、収納側シャッタ111
および繰出側シャッタ112を手動で開いて、収納側開
口部100および繰出側開口部101のいずれかから硬
貨Cを出し入れすることも可能である。
【0099】出金部95は、図18に示すように、選別
部22から装填部132に装填された入出金庫94の各
金種別収納筒24a〜24fからそれぞれ硬貨Cを一枚
ずつ繰り出させる繰出作動部材137を有している。す
なわち、繰出作動部材137は、それぞれ各金種別収納
筒24a〜24fに対応して設けられており、金種別収
納筒24a〜24fに側方から入り込んで該金種別収納
筒24a〜24fに収納され支持底板110に支持され
た硬貨Cの最下の一枚を側方に押し出すことで該硬貨C
を繰出側開口部101から繰出案内通路26に落下させ
る。
【0100】また、出金部95は、図1に示すように、
入出金庫94の各金種別収納筒24a〜24fに導入さ
れる硬貨Cをそれぞれ検出する収納側硬貨検出センサ1
38と、入出金庫94の各金種別収納筒24a〜24f
から繰り出される硬貨Cをそれぞれ検出する繰出側硬貨
検出センサ139とを有している。さらに、出金部95
は、図1および図18に示すように、各金種別収納筒2
4a〜24fのニアフルをそれぞれ検出するニアフルセ
ンサ140およびニアエンドをそれぞれ検出するニアエ
ンドセンサ141を有している。これらニアフルセンサ
140およびニアエンドセンサ141は、各金種別収納
筒24a〜24fに収納された硬貨Cに押された状態に
あるか否かにより硬貨Cがあるか否かを検出する。
【0101】「繰出案内通路」繰出案内通路26は、図
1に示すように、入出金庫94の直下位置に設けられ、
入出金庫94の各金種別収納筒24a〜24fから繰り
出され自重により落下する硬貨Cを一括して機体10に
おける前方側に案内する。
【0102】「出金搬送部」出金搬送部29は、図20
および図21に示すように、収納部23から繰り出され
繰出案内通路26で案内される硬貨Cを受け取る上記し
た受皿部材27と、該受皿部材27を昇降させる昇降機
構部28と、受皿部材27の機体10における前側に対
向立設された案内壁144とを有している。
【0103】昇降機構部28は、鉛直に配置されるとと
もに受皿部材27の機体10における後側のガイド穴1
45に挿通されるガイド軸146と、該ガイド軸146
の上端および下端にほぼ隣り合ってそれぞれ配置される
プーリ147,148と、これらプーリ147,148
に掛けられるとともに一部が受皿部材27に固定される
タイミングベルト149と、上部のプーリ147を駆動
する昇降モータ150とを有している。
【0104】すなわち、この昇降モータ150の駆動で
プーリ147が回転すると、タイミングベルト149お
よびプーリ148も回転し、受皿部材27がガイド軸1
46に沿って昇降する。ここで、プーリ147の近傍位
置には、所定の上部繰出位置まで上昇した受皿部材27
を検出する上部位置検出センサ152が、プーリ148
の近傍位置には、所定の下部受取位置まで下降した受皿
部材27を検出する下部位置検出センサ153が、それ
ぞれ設けられている。
【0105】受皿部材27は、機体10における前側
(一側)を下方にするよう傾斜形成された底部153を
有しており、この底部153の下方傾斜側以外の横方向
(すなわち機体10における左側、右側および後側)の
みに落下防止壁154が立設され、その結果、底部15
3の下方傾斜側は、機体10における前側に開口する開
口部155とされている。また、底部153の下方傾斜
側すなわち開口部155側となる受皿部材27の先端部
には、先方に突出する凸部157が間隔をあけて複数形
成されており、その結果、これら凸部157の隣り合う
もの同士の間に凹部158が形成されている。
【0106】案内壁144は、受皿部材27の底部15
3の下方傾斜側であって、該受皿部材27の開口部15
5を閉塞させ硬貨Cの底部153からの落下を規制する
位置に、対向状態で鉛直に立設されている。すなわち、
受皿部材27は、この案内壁144で開口部155が閉
塞された状態で該案内壁144に沿って昇降し、案内壁
144から外れる上部繰出位置で開口部155が開放さ
れることにより底部153の下方傾斜側に硬貨Cを自重
により自然落下させ、機体10における前側に配置され
た出金振分部31に導入させる。
【0107】ここで、案内壁144には、受皿部材27
の凹部158に入り込む凸部160が間隔をあけて、受
皿部材27の昇降全範囲にわたり形成されており、その
結果、これら凸部160の隣り合うもの同士の間に、受
皿部材27の凸部157を入り込ませる凹部161が、
受皿部材27の昇降全範囲にわたり形成されている。す
なわち、受皿部材27および案内壁144は、互いに嵌
合する凹凸形状とされている。
【0108】この出金搬送部29は、図20に実線で示
すように、繰出案内通路26を介して収納部23から繰
り出された硬貨Cを、下部受取位置にあって開口部15
5が案内壁144で閉塞された受皿部材27において受
け取る。そして、受皿部材27を上昇させると、上昇中
は、案内壁144で開口部155が閉塞されて硬貨Cの
落下が防止される。そして、図20に二点鎖線で示すよ
うに、案内壁144がなくなる上部繰出位置に位置する
と、受皿部材27の開口部155が開放され、案内壁1
44の上部から前方すなわち出金振分部31に硬貨Cを
底部153の傾斜で自然落下させる。なお、出金搬送部
29は、受皿部材27が下部受取位置にある状態を待機
状態としている。
【0109】「出金振分部」出金振分部31は、図20
および図22に示すように、案内壁144の上端部位置
から機体10における前方かつ下方に斜めに形成される
ことにより出金口12に通じ、出金搬送部29から受け
入れた硬貨Cを出金口12に導く出金案内通路163
と、該出金案内通路163の中間位置から下方に分岐す
る回収分岐通路164と、出金案内通路163の硬貨C
を出金口12と一括収納金庫20とに振り分ける出金振
分機構部(出金振分手段)165とを有している。ここ
で、この出金振分部31を介することで出金搬送部29
は、収納部23より繰り出された硬貨Cを入金搬送部1
5を介することなく出金口12に導くようになってい
る。
【0110】出金案内通路163は、案内壁144の上
端部位置から機体10における前方かつ下方に斜めに形
成される第1通路部167と、該第1通路部167の延
長線上に配置されて出金口12に通じる第2通路部16
8とを有しており、回収分岐通路164は、これら第1
通路部167および第2通路部168の間から鉛直下方
に延びて一括収納金庫20に通じている。
【0111】ここで、出金案内通路163および回収分
岐通路164には、出金搬送部29から多種多量の硬貨
Cが一括して投入されるため、これらの機体10におけ
る横方向の幅は、排除案内通路70および排除分岐通路
71の幅より大きくされている。
【0112】出金振分機構部165は、出金案内通路1
63の第1通路部167および第2通路部168の間で
あって、出金案内通路163と回収分岐通路164の境
界部分に振分板170を有している。この振分板170
は、第2通路部168側の端部が機体10における左右
方向に延在する軸部171で回動可能に支持されてい
る。該振分板170は、図示せぬラッチングソレノイド
(振分駆動手段)で第1通路部167の底面167aお
よび第2通路部168の底面168aの延長上に配置さ
れることにより第1通路部167および第2通路部16
8を連通させかつ回収分岐通路164を閉塞させる出金
状態(図20に実線で示す状態)と、第2通路部168
の底面168aに対し立ち上がって、第2通路部168
を閉塞させるとともに第1通路部167と回収分岐通路
164とを連通させる回収状態(図20に二点鎖線で示
す状態)とに切り換えられる。
【0113】ここで、上記出金状態において出金搬送部
29の受皿部材27から落下させられる硬貨Cは、その
自重により出金案内通路163のみを通過して出金口1
2に落下させられる。なお、この出金状態が出金振分機
構部165の待機状態となっている。
【0114】他方、上記回収状態において出金搬送部2
9の受皿部材27から落下させられる硬貨Cは、その自
重により出金案内通路163の第1通路部167から回
収分岐通路164を通過して一括収納金庫20に落下さ
せられる。
【0115】ここで、一括収納金庫20は、その受入開
口部79において、排除振分部19の排除分岐通路71
から落下する硬貨Cを通過させるとともに、出金振分部
31の回収分岐通路164から落下する硬貨Cをも通過
させて内部に収納させる。同様に出金口12は、排除振
分部19の排除案内通路70から落下する硬貨Cを受け
入れるとともに、出金振分部31の出金案内通路163
から落下する硬貨Cをも受け入れる。
【0116】次に、以上のような構成の硬貨処理機の全
体的な作動を各処理別に説明する。 「入金処理」この硬貨処理機に接続されたマルチメディ
ア端末等の図示せぬ上位機に入金金額が入力されると、
これを受けて入金処理を行う(図23の太線矢印参
照)。すなわち、使用者により、硬貨Cが投入口11に
投入されると、図示せぬ制御部は、投入口硬貨検出セン
サ38による硬貨Cの検出に基づいて、入金繰出部14
の繰出モータ42と入金搬送部15の搬送モータ58と
を駆動状態とする。すると、投入口11に投入された入
金すべき硬貨Cが、入金繰出部14の回転する回転円盤
41の凹部45に順次一枚ずつ収容され、所定の間隔を
あけて入金搬送部15に一枚ずつ繰り出される。
【0117】このように入金繰出部14から一枚ずつ繰
り出された硬貨Cは、入金搬送部15の回転する搬送ベ
ルト57で、搬送案内部材51で案内されながら機体1
0の後方に向け搬送される。この入金搬送部15による
搬送中に、上流側の判別部16で硬貨Cの判別および金
種別計数を行わせ、この判別結果に基づいて、該判別部
16より下流側の排除部18で偽硬貨、判別不能硬貨、
オーバーフロー硬貨および汚損硬貨を排除させる。な
お、偽硬貨と判別した場合あるいは判別不能硬貨であっ
た場合、判別部16はこの硬貨を計数の対象とはせず、
他方、オーバーフロー硬貨あるいは汚損硬貨と判別した
場合、判別部16はこの硬貨を計数の対象とする。
【0118】具体的に、制御部は、偽硬貨、判別不能硬
貨、オーバーフロー硬貨および汚損硬貨を、待機状態に
あった排除部18のゲート64を対象硬貨が位置を合わ
せている状態においてのみ開放させることにより、ゲー
ト方向付勢部材68で付勢して入金搬送部15から排除
振分部19の排除案内通路70に落下させる。そして、
判別部16の判別結果からこの落下させる硬貨Cが偽硬
貨または判別不能硬貨である場合、この硬貨Cを、排除
振分部19の振分板76を排除案内通路70に挿入する
ことで排除案内通路70の第1通路部73および第2通
路部74を介して出金口12に落下させる(図23の太
破線矢印参照)。他方、判別部16の判別結果からこの
落下させる硬貨Cがオーバーフロー硬貨または汚損硬貨
である場合、この硬貨Cを、排除振分部19の振分板7
6を排除案内通路70から待避させることにより排除案
内通路70の第1通路部73および排除分岐通路71を
介して一括収納金庫20に落下させる(図23の太一点
鎖線矢印参照)。なお、オーバーフロー硬貨は、収納部
23に収納しきれない金種の正硬貨であるため、当然の
ことながら、そのときの収納部23の収納状態によって
かわるものである。
【0119】一方、排除部18で排除されなかった正硬
貨を、入金搬送部15でさらに後方に向け搬送させる。
そして、この搬送中に、選別部22が、硬貨Cを各金種
に応じて選別する(図23太実線矢印参照)。
【0120】すなわち、正硬貨が1円硬貨であった場
合、待機状態にあったゲート式選別部82aのゲート8
1を、この1円硬貨のみが位置を一致させている状態に
おいて開放させることにより、この1円硬貨をゲート方
向付勢部材91で付勢してこのゲート81を通過させ、
収納部23の収納筒24aに収納させる。また、正硬貨
が5円硬貨であった場合、待機状態にあったゲート式選
別部82bのゲート81を、この5円硬貨のみが位置を
一致させている状態において開放させることにより、こ
の5円硬貨をゲート方向付勢部材91で付勢してこのゲ
ート81を通過させ、収納部23の収納筒24bに収納
させる。
【0121】さらに、正硬貨が50円硬貨であった場
合、この50円硬貨を、ゲート方向付勢部材92で付勢
して穴式選別部84cの選別穴83に通過させ、収納部
23の収納筒24cに収納させる。さらに、正硬貨が1
00円硬貨であった場合、この100円硬貨を、ゲート
方向付勢部材92で付勢して穴式選別部84dの選別穴
83に通過させ、収納部23の収納筒24dに収納させ
る。
【0122】さらに、正硬貨が10円硬貨であった場
合、この10円硬貨を、ゲート方向付勢部材92で付勢
して穴式選別部84eの選別穴83に通過させ、収納部
23の収納筒24eに収納させる。さらに、正硬貨が5
00円硬貨であった場合、この500円硬貨を、ゲート
方向付勢部材92で付勢して穴式選別部84fの選別穴
83に通過させ、収納部23の収納筒24fに収納させ
る。
【0123】そして、制御部は、判別部16により、今
回の入金処理中、真硬貨と判定した硬貨Cの金種別の判
別および計数結果に基づいて収納部23に収納された入
金金額を算出し、図示せぬ表示部に表示させる。なお、
紙幣の入出金を行う紙幣処理機が連結されている場合、
該紙幣処理機の入金金額と合わせた入金金額を表示部に
表示させる。
【0124】使用者は、表示部に表示された入金金額か
ら、該入金金額を了承する操作を図示せぬ操作部の確定
ボタンで入力させ、または、該入金金額を了承せず取り
引きを中止させる操作を図示せぬ操作部のキャンセルボ
タンで入力させることになり、確定ボタンおよびキャン
セルボタンのいずれか一方へ入力がなされ、この入力を
受けると制御部は入金処理を終了させる。
【0125】なお、上記入金処理の最中に、出金口12
に排除硬貨が排除されると、使用者は、出金口12から
取り出した排除硬貨を必要に応じて投入口11に再投入
させる。なお、このように投入口11に再投入させられ
た硬貨Cは、入金処理が終了する前であれば、当該入金
処理の中で再度判別および選別が行われることになる。
【0126】また、マルチメディア端末等の上位機から
出力された入金金額が判別部16の判別結果に基づく入
金金額より多い場合には、確定ボタンに入力がなされて
も制御部はこれを受け入れず入金処理は終了させない。
そして、表示部に入金硬貨の追加投入を促す表示を行わ
せる。これにより、使用者が追加の硬貨を必要に応じて
投入口11に追加投入する。なお、このように投入口1
1に追加投入された硬貨Cは、入金処理を終了する前で
あるので、当該入金処理の中で判別および選別が行われ
ることになる。
【0127】なお、キャンセルボタンへ入力がなされた
場合は、入金硬貨と同額の硬貨Cを後述する出金処理と
同様にして出金させることで対応する。
【0128】「出金処理」上記入金処理の最後に、入金
金額を了承する操作が図示せぬ操作部の確定ボタンで入
力されると、マルチメディア端末等の上位機から出力さ
れた入金金額が、入金処理時における判別部16の判別
結果に基づく入金金額より少ない場合であって差額に硬
貨分が含まれる場合、制御部は、差額の硬貨分を出金さ
せる出金処理を実行する。
【0129】すなわち、制御部は、収納部23の金種別
の収納筒24a〜24fの必要金種のものから必要枚数
の硬貨Cのみを繰出側硬貨検出センサ139で計数しつ
つ一枚ずつ繰り出させる。すると、これら収納筒24a
〜24fから繰り出された硬貨Cが繰出案内通路26を
介して、待機状態にある出金搬送部29の下部受取位置
にあって案内壁144で開口部155が閉塞された状態
にある受皿部材27に硬貨Cが貯留される。
【0130】そして、制御部は、繰出側硬貨検出センサ
139の検出結果から、収納部23により正しい数量の
硬貨Cが繰り出されたと判定すると、最後の硬貨Cが繰
出側硬貨検出センサ139で検出された後、確実に受皿
部材27に至るタイミングで、昇降モータ150を駆動
して受皿部材27を上昇させる。そして、受皿部材27
は案内壁144で開口部155が閉塞された状態で上昇
し、案内壁144の上端部より上側の上部繰出位置に位
置する若干手前から該上部繰出位置に位置するまでのタ
イミングで、開口部155が開放されて底部153の傾
斜で硬貨Cを出金振分部31に繰り出す。すると、出金
振分部31は、待機状態にある出金振分機構部165の
振分板170ですべての硬貨Cを出金口12に出金させ
る(図24の太実線矢印参照)。
【0131】ここで、制御部は、繰出側硬貨検出センサ
139の検出結果から、収納部23により正しい数量の
硬貨Cが繰り出されていないと判定すると、最後の硬貨
Cが繰出側硬貨検出センサ139で検出された後、確実
に受皿部材27に至るタイミングで、昇降モータ150
を駆動させて受皿部材27を上昇させるとともに、出金
振分部31の待機状態にある出金振分機構部165の振
分板170を回動させて回収状態とする。そして、受皿
部材27は案内壁144で開口部155が閉塞された状
態で上昇し、案内壁144の上端部より上側の上部繰出
位置に位置する若干手前から該上部繰出位置に位置する
までのタイミングで、開口部155が開放されて底部1
53の傾斜で硬貨Cを出金振分部31に繰り出す。する
と、出金振分部31は、回収状態にある出金振分機構部
165の振分板170ですべての硬貨Cを一括回収金庫
20に回収する(図25の太実線矢印参照)。そして、
その後、出金振分機構部165を待機状態に戻してから
出金処理を最初からやり直す。
【0132】以上のように出金処理においては、受皿部
材27に出金硬貨を一時貯留させ、出金可の場合、出金
口12に搬送する一方、出金不可の場合、一括収納金庫
20に収納させるのである。
【0133】「装填処理」収納部23の収納筒24a〜
26fのいずれかがニアエンドセンサ141により硬貨
不足の状態を検知されると、制御部は、表示部にその旨
を表示させることになる。すると、店員が、入出金庫9
4を、硬貨Cが予め充填された入出金庫94と交換す
る。
【0134】なお、店員が不足金種の硬貨Cを投入口1
1から投入し入金処理と同様にして収納部23の硬貨不
足を解消させるようにする装填処理も可能となっている
(図23の太実線矢印参照)。
【0135】「回収処理」機体10から入出金庫94お
よび一括収納金庫20を取り出すことで機体10内のす
べての硬貨Cを回収する。
【0136】なお、以下のようにして、入出金庫94の
硬貨Cをすべて一括収納金庫20に収納させて回収する
ことも可能である。すなわち、図示せぬ操作部の回収ボ
タンに指示入力がなされると、制御部は、収納部23の
すべての収納筒24a〜24fからすべての硬貨Cを繰
り出させ、出金搬送部29で出金振分部31に搬送す
る。このとき、出金振分部31の出金振分機構部165
の振分板170を回動させて回収状態とする。そして、
受皿部材27は案内壁144で開口部155が閉塞され
た状態で上昇し、案内壁144の上端部より上側の上部
繰出位置に位置する若干手前から該上部繰出位置に位置
するまでのタイミングで、開口部155が開放されて底
部153の傾斜で硬貨Cを出金振分部31に繰り出す。
すると、出金振分部31は、回収状態にある出金振分機
構部165の振分板170ですべての硬貨Cを一括回収
金庫20に回収する(図25の太実線矢印参照)。この
ようにして、収納部23のすべての硬貨Cを一括回収金
庫20に回収する。なお、受皿部材27により搬送可能
な量を超えて硬貨Cを回収する場合は、当然のことなが
ら、搬送可能な量ずつの複数回に分けて搬送することに
なる。
【0137】以上に述べた硬貨処理機によれば、以下の
効果を奏することができる。硬貨Cを金種別に上部より
収納する一方収納した硬貨Cを下部より繰り出し可能な
収納部23から繰り出された硬貨Cを昇降移動させて出
金口12に搬送する出金搬送部29として、収納部23
から繰り出された硬貨Cを受皿部材27で受け取るとと
もに該受皿部材27を昇降させるいわゆるエレベータ方
式のものが用いられているため、これを機体10の前後
方向に傾斜させる必要がなく、また傾斜させるとしても
その角度を小さくできる。よって、機体10の前後方向
の長さを短くすることができる。したがって、機体10
のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0138】出金搬送部29は、収納部23より繰り出
された硬貨Cを入金搬送部15を介することなく出金口
12に導くため、出金に要する時間を短縮することがで
きる。出金搬送部29は、一括回収金庫20に硬貨を一
括投入させて回収する場合、収納部23より繰り出され
た硬貨Cを入金搬送部15を介することなく出金案内通
路163から出金振分機構部165で回収分岐通路16
4を介して一括収納金庫20に導くことができる。した
がって、このように回収する場合に回収に要する時間を
短縮することができる。
【0139】排除部18で、判別部16により偽硬貨と
判別された硬貨に加えて汚損硬貨と判別された硬貨Cを
も入金搬送部15から排除すると、排除振分機構部16
5で、偽硬貨は排除案内通路70のみを介して出金口1
2に、汚損硬貨は排除案内通路70および排除分岐通路
71を介して一括収納金庫20にそれぞれ振り分けるこ
とが可能となる。したがって、汚損硬貨を再使用せずに
収納することができる。
【0140】偽硬貨および汚損硬貨を排除部18で入金
搬送部15から一旦は共通の排除案内通路70に排除す
るため、入金搬送部15から偽硬貨と汚損硬貨とを別々
に排除する場合に比して、排除のために必要な長さを短
くでき、その結果、入金搬送部15の長さを短くするこ
とができる。
【0141】選別部22で金種別に選別した硬貨Cを、
返却可能に一時貯留させることなく収納部23に収納さ
せるため、一時貯留のための機構が不要となる。したが
って、機体10を一層コンパクトにすることができる。
【0142】出金搬送部29が、受皿部材27を鉛直に
昇降させるため、機体10の前後方向の長さを最小限に
することができる。したがって、機体10をより一層コ
ンパクトにすることができる。
【0143】入金された硬貨Cを一側の収納側開口部1
00より収納する一方、収納した硬貨Cを逆側の繰出側
開口部101より繰り出し可能な入出金庫94を有し、
この入出金庫94が機体10に対し着脱可能とされてい
るため、この入出金庫94を機体10から取り外すこと
で硬貨Cを回収でき、これに換えて、予め所定量の硬貨
Cが充填された入出金庫94を装填するのみで硬貨Cを
充填できる。したがって、硬貨Cの回収および充填に要
する時間を短縮することができる。
【0144】入出金庫94が、収納側開口部100を開
閉させるとともに全閉状態でロック可能な収納側シャッ
タ111と、繰出側開口部101を開閉させるとともに
全閉状態でロック可能な繰出側シャッタ112とを有し
ているため、硬貨Cの回収のため機体10外に取り出さ
れた状態にあったり、硬貨Cの充填のため機体10外に
準備された状態にあったりしても、収納側開口部100
を全閉状態で収納側シャッタ111をロックでき、繰出
側開口部101を全閉状態で繰出側シャッタ112をロ
ックできるため、保安上の問題が生じることを防止でき
る。
【0145】入出金庫94を機体から取り出すと、これ
に連動して収納側シャッタ111および繰出側シャッタ
112が閉状態とされかつロックされるため、これら収
納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を閉じ
忘れたり、ロックし忘れたりすることを防止できる。ま
た、入出金庫94を機体10へ装填させると、これに連
動して収納側シャッタ111および繰出側シャッタ11
2のロックが解除されかつ開状態とされるため、これら
収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を開
き忘れたり、ロック解除し忘れたりすることを防止でき
る。
【0146】機体10に設けられた開閉作動部材136
および繰出作動部材137が、入出金庫94の機体10
への装填時に該入出金庫94に挿入されて収納側シャッ
タ111および繰出側シャッタ112のロックを解除し
かつ開状態とする一方、入出金庫94の機体10からの
取り出し時に該入出金庫94から引き抜かれて収納側シ
ャッタ111および繰出側シャッタ112を閉状態とし
かつロックするため、収納側シャッタ111および繰出
側シャッタ112の開閉およびロック・ロック解除を機
械的に行うことができる。したがって、寿命の短い電気
部品の使用を抑えることができる。
【0147】収納側シャッタ111および繰出側シャッ
タ112は、互いにリンク機構114を介して連結さ
れ、互いに連動して開作動するとともに互いに連動して
閉作動するため、これらの開閉のための機構を簡素にで
きる。
【0148】入出金庫94が、硬貨Cを集積させる金種
別の収納筒24a〜24fを有するため、硬貨Cを金種
別に効率よく収納することができ、その結果、入出金庫
94自体をコンパクトにできる。
【0149】収納筒24a〜24fにおいて、第2部材
106を取り外した状態で第1部材105に硬貨Cを充
填させる際に、例えば第1部材105の繰出側開口部1
01側の円筒部108を下側にすると、該円筒部108
は円筒状をなしているので硬貨Cをその全周を案内して
良好に集積させることができる。また、機体10に装填
された状態で収納側開口部100から硬貨を受け入れる
円筒部107が円筒状をなしているため、機体10内で
収納側開口部100を介して硬貨Cを収納させる際に、
分割面等の引っ掛かりがなく、硬貨Cをその全周を案内
して良好に集積させることができる。
【0150】投入口11に硬貨Cを立て続けに投入して
も、回転円盤41の所定の回転位置にある凹部45に硬
貨Cが一枚のみ入り込み、この凹部45が他の所定の回
転位置に位置すると凹部45から硬貨Cが一枚のみ入金
搬送部15に受け渡されることになる。よって、投入さ
れた硬貨Cの間隔を良好にあけることができる。したが
って、投入の後の判別や選別等を良好に行うことができ
る。しかも、凹部45が形成された回転円盤41を回転
させるのみであるため、簡素かつコンパクトにできる。
【0151】回転円盤41は、凹部45に対し硬貨Cを
自重により入出させるため、硬貨Cを繰り出すための駆
動源が不要となる。したがって、さらに簡素かつコンパ
クトにできる。
【0152】凹部45が、硬貨Cを、回転円盤41と中
心軸線を平行させた状態で径方向に入出させるものであ
るため、回転円盤41および硬貨Cの厚さ方向を一致さ
せることができ、その結果、回転円盤41の回転に伴う
硬貨Cの移動に必要なスペースを最小限にすることがで
きる。したがって、さらに簡素かつコンパクトにでき
る。
【0153】回転円盤41に凹部45が放射状に複数形
成されているため、凹部45を一つ有するものに比して
回転円盤41の回転速度を小さくでき、静粛性を向上さ
せることができる。
【0154】入金搬送部15の搬送モータ58は、硬貨
Cを案内する案内面52に対するプーリ55の距離を変
更可能に支持されており、かつ該プーリ55を案内面5
2に近接させる方向に付勢されているため、硬貨Cの厚
さが厚い場合は該硬貨Cによりプーリ55を案内面52
から遠ざけ、硬貨Cの厚さが薄い場合は該硬貨Cにより
プーリ55を案内面52に近づけることになる。したが
って、プーリ55と案内面52との間を硬貨Cの厚さに
応じた間隔に自動的にできる。
【0155】搬送モータ58を支持する板バネ59がプ
ーリ55を案内面52に近接させる方向に付勢するた
め、付勢のための構造を簡素にできる。
【0156】真硬貨を金種別に選別し入金搬送部15か
ら振り分ける選別部22が、ゲート81が開閉すること
で入金搬送部15から収納部23に向け硬貨Cを案内す
るゲート式選別部と、通過可能な硬貨径が決められた選
別穴83で硬貨Cを選別して収納部23に向け案内する
穴式選別部とを組み合わせている。具体的には、最軽量
の1円硬貨用のゲート式選別部82aと、硬貨同士の径
差が最小の5円硬貨および100円硬貨のうちの5円硬
貨用のゲート式選別部82bとが設けられるとともに、
50円硬貨用の穴式選別部84cと、100円硬貨用の
穴式選別部84dと、10円硬貨用の穴式選別部84e
と、500円硬貨用の穴式選別部84fとが設けられて
いる。このため、選別穴83による選別では誤選別を生
じやすい金種の硬貨Cについてはゲート式選別部82
a,82bで確実に選別し、選別穴83による選別で誤
選別を生じにくい金種の硬貨Cについては穴式選別部8
4c〜84fで選別することが可能となる。したがっ
て、コスト増を最小限に抑えた上で、金種選別を確実に
行うことが可能となる。
【0157】入金搬送部15による硬貨搬送方向におけ
る上流側にすべてのゲート式選別部82a,82bが配
置され、入金搬送部15による硬貨搬送方向における下
流側にすべての穴式選別部84c〜84fが配置されて
いるため、誤選別を生じやすい最も軽量な硬貨および最
も径差が小さい硬貨同士のうちの片方の硬貨を、金種の
硬貨を上流側のゲート式選別部82a,82bで確実に
選別してしまってから、残りの金種の硬貨を下流側の穴
式選別部84c〜84fで選別することになる。したが
って、金種選別をより確実に行うことができる。
【0158】入金搬送部15で傾斜状態で搬送される硬
貨Cがゲート方向付勢部材91でゲート81の方向に付
勢されるため、ゲート81が開作動すると、ゲート方向
付勢部材91で硬貨Cが確実に開状態のゲート81を通
過して選別されることになる。同様に、入金搬送部15
で傾斜状態で搬送される硬貨Cが対応する選別穴83に
達すると選別穴83の方向に選別穴方向付勢部材92で
付勢されるため、該選別穴83を確実に通過して選別さ
れることになる。したがって、入金搬送部15の横方向
の幅を小さくするため入金搬送部15で硬貨Cを傾斜状
態で搬送させる際においても、金種選別をより確実に行
うことができる。なお、入金搬送部15の幅を小さくす
るため、上記のように入金搬送部15で硬貨Cを傾斜状
態で搬送すると、誤選別を生じやすい硬貨Cがさらに顕
著に誤選別を生じることになるため、ゲート方向付勢部
材91および選別穴方向付勢部材92を設けることによ
って、金種選別を確実に行うことができるという効果が
より顕著となる。
【0159】出金搬送部29は、受皿部材27が一側を
下方にするよう傾斜形成された底部153を有してお
り、受皿部材27の底部153の下方傾斜側に硬貨Cの
該底部153からの落下を規制するよう対向立設された
案内壁144を有していて、該案内壁144に沿って受
皿部材27を昇降させるため、受皿部材27は案内壁1
44で案内されて昇降している状態では硬貨Cを収納し
ており、案内壁144から外れる位置で底部153の下
方傾斜側に硬貨Cを自重により自然落下させることにな
る。したがって、受皿部材27を昇降させる機構を採用
することによって機体10のさらなるコンパクト化に対
応した上で、受皿部材27を回転させる機構を不要とす
ることで機構を簡素化できる。
【0160】受皿部材27の底部153の下方傾斜側以
外の横方向に落下防止壁154が立設されているため、
硬貨Cを落下させることなく確実に昇降させることがで
きる。
【0161】受皿部材27および案内壁144が、互い
に嵌合する凹凸形状とされているため、受皿部材27と
案内壁144との間の隙間の中の直線部分を減らすこと
ができ、この隙間に硬貨Cが挟まったり、この隙間から
硬貨Cが落下してしまったりすることを防止できる。
【0162】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載の硬貨処理機によれば、投入口に硬貨を立て続けに
投入しても、投入された硬貨が回転円盤の所定の回転位
置にある凹部に一枚のみ入り込み、この凹部が他の所定
の回転位置に位置すると凹部から硬貨が一枚のみ入金搬
送手段に受け渡されることになる。よって、投入された
硬貨の間隔を良好にあけることができる。したがって、
投入の後の判別や選別等を良好に行うことができる。し
かも、凹部が形成された回転円盤を回転させるのみであ
るため、簡素かつコンパクトにできる。
【0163】本発明の請求項2記載の硬貨処理機によれ
ば、回転円盤は、凹部に対し硬貨を自重により入出させ
るため、硬貨を繰り出すための駆動源が不要となる。し
たがって、さらに簡素かつコンパクトにできる。
【0164】本発明の請求項3記載の硬貨処理機によれ
ば、凹部が、硬貨を、回転円盤と中心軸線を平行させた
状態で径方向に入出させるものであるため、回転円盤お
よび硬貨の厚さ方向を一致させることができ、その結
果、回転円盤の回転に伴う硬貨の移動に必要なスペース
を最小限にすることができる。したがって、さらに簡素
かつコンパクトにできる。
【0165】本発明の請求項4記載の硬貨処理機によれ
ば、回転円盤に凹部が放射状に複数形成されているた
め、凹部を一つ有するものに比して回転円盤の回転速度
を小さくでき、静粛性を向上させることができる。
【0166】本発明の請求項5記載の硬貨処理機によれ
ば、入金搬送手段の搬送モータは、硬貨が厚さ方向にお
ける一の面部で接触する案内面に対するプーリの距離を
変更可能に支持されており、かつ該プーリを案内面に近
接させる方向に付勢されているため、硬貨の厚さが厚い
場合は該硬貨によりプーリを案内面から遠ざけ、硬貨の
厚さが薄い場合は該硬貨によりプーリを案内面に近づけ
ることになる。したがって、プーリと案内面との間を硬
貨の厚さに応じた間隔に自動的にできる。
【0167】本発明の請求項6記載の硬貨処理機によれ
ば、搬送モータを支持する板バネがプーリを案内面に近
接させる方向に付勢するため、付勢のための構造を簡素
にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の
全体構成を概略的に示す一の側断面図である。
【図2】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の
全体構成を概略的に示す別の側断面図である。
【図3】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の
入金繰出部および入金搬送部を示す側断面図である。
【図4】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の
入金繰出部を示す図3におけるA−A線に沿う正断面で
ある。
【図5】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の
入金搬送部を示す図3におけるB−B線に沿う正断面図
であって、厚さの薄い硬貨の搬送状態を示すもの。
【図6】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の
入金搬送部を示す図3におけるB−B線に沿う正断面図
であって、厚さの厚い硬貨の搬送状態を示すもの。
【図7】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の
排除部において硬貨を排除しない状態を示すもので、
(a)は正断面図、(b)は平面図。
【図8】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の
排除部において硬貨を排除する状態を示すもので、
(a)は正断面図、(b)は平面図。
【図9】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の
排除振分部および出金振分部を示す斜視図。
【図10】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
のゲート式選別部において硬貨を選別しない状態を示す
もので、(a)は正断面図、(b)は平面図。
【図11】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
のゲート式選別部において硬貨を選別する状態を示すも
ので、(a)は正断面図、(b)は平面図。
【図12】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の穴式選別部において硬貨を選別しない状態を示す正断
面図。
【図13】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の穴式選別部において硬貨を選別する状態を示す正断面
図。
【図14】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の入出金庫を示す斜視図。
【図15】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の開状態の入出金庫を示す斜視図。
【図16】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の入出金庫の側断面図。
【図17】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の入出金庫の側断面図であって装填部への装填途中の状
態を示すもの。
【図18】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の入出金庫の側断面図であって装填部への装填後の状態
を示すもの。
【図19】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の入出金庫の部分正断面図。
【図20】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の出金搬送部および出金振分部を示す側断面図。
【図21】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の出金搬送部を示す平断面図。
【図22】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の出金振分部および出金搬送部を示す斜視図。
【図23】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の全体構成を概略的に示す一の側断面図であって入金処
理および装填処理の硬貨の流れのルートを太線で示すも
の。
【図24】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の全体構成を概略的に示す一の側断面図であって出金処
理(正常出金)等の硬貨の流れのルートを太線で示すも
の。
【図25】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機
の全体構成を概略的に示す一の側断面図であって出金処
理(異常発生時)および回収処理の硬貨の流れのルート
を太線で示すもの。
【符号の説明】
10 機体 11 投入口 15 入金搬送部(入金搬送手段) 41 回転円盤 45 凹部 52 案内面 55 プーリ 57 搬送ベルト 58 搬送モータ 59 板バネ C 硬貨
フロントページの続き (72)発明者 宮本 勝幸 東京都北区東田端1丁目12番6号 ローレ ル精機株式会社東京研究所内 (72)発明者 内田 敦 神奈川県川崎市高津区宇奈根666番地7 株式会社マキナエンジニアリング内 Fターム(参考) 3E001 AA01 AB03 BA01 DA04 DA20 FA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体外からの硬貨の投入を一枚ずつに規
    制しつつ受け入れる投入口を有し、該投入口を介して受
    け入れた硬貨を入金搬送手段で一枚ずつ搬送しつつ判別
    し収納する硬貨処理機において、 硬貨を一枚だけ収容可能な凹部が形成され、所定の回転
    位置で前記投入口を介して一枚ずつ投入された硬貨を前
    記凹部に貯留させる一方、他の所定の回転位置で前記凹
    部に貯留させた硬貨を前記入金搬送手段に受け渡す回転
    円盤を有することを特徴とする硬貨処理機。
  2. 【請求項2】 前記回転円盤は、前記凹部に対し硬貨を
    自重により入出させることを特徴とする請求項1記載の
    硬貨処理機。
  3. 【請求項3】 前記凹部は、硬貨を、前記回転円盤と中
    心軸線を平行させた状態で径方向に入出させることを特
    徴とする請求項1または2記載の硬貨処理機。
  4. 【請求項4】 前記回転円盤には、前記凹部が放射状に
    複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれか一項記載の硬貨処理機。
  5. 【請求項5】 前記入金搬送手段は、前記硬貨が厚さ方
    向における一の面部で接触する案内面と、前記硬貨の厚
    さ方向における他の面部に接触することにより該硬貨を
    前記案内面に摺接させながら移動させる搬送ベルトと、
    該搬送ベルトが掛けられるプーリが装着され該プーリを
    回転駆動する搬送モータとを有しており、 該搬送モータは、前記プーリの前記案内面に対する距離
    を変更可能に支持されており、かつ該プーリを前記案内
    面に近接させる方向に付勢されていることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか一項記載の硬貨処理機。
  6. 【請求項6】 前記搬送モータは、板バネを介して支持
    されており、該板バネが前記プーリを前記案内面に近接
    させる方向に付勢することを特徴とする請求項5記載の
    硬貨処理機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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