JP2001349682A - 沸騰冷却装置 - Google Patents

沸騰冷却装置

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JP2001349682A
JP2001349682A JP2000167698A JP2000167698A JP2001349682A JP 2001349682 A JP2001349682 A JP 2001349682A JP 2000167698 A JP2000167698 A JP 2000167698A JP 2000167698 A JP2000167698 A JP 2000167698A JP 2001349682 A JP2001349682 A JP 2001349682A
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Yoshihiro Taniyama
賀浩 谷山
Kazunori Shioda
和則 塩田
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Toshiba Corp
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  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、将来の指定フロン全廃に備え、ま
た特定フロンと同等の冷却性能を有する半導体素子等の
被冷却体を冷却するための沸騰冷却装置を提供するもの
である。 【解決手段】 密閉容器の外壁に被冷却体10を取り付
けた前記容器内部に液冷媒を封入した沸騰部11で前記
被冷却体10からの熱を受け、蒸発した冷媒蒸気を外部
ヒートシンクとの熱交換によって凝縮液化させ放熱する
凝縮部13を備えた沸騰冷却装置において、前記液冷媒
として構造式CxHyFzの非環状弗化炭化水素の一種である
化学名1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンC5H
2F10を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電気自動車
や電力用のインバータ回路に使用される半導体素子等の
被冷却体となる発熱体を冷却するための沸騰冷却装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等の被冷却体となる発熱体を
冷却するための沸騰冷却装置は、図27に示すように、
中空の密閉容器1とその内部に封入された液冷媒2から
構成されている。密閉容器1はその動作目的・形態から
主に沸騰部1aと凝縮部1bに区別できる。沸騰部1a
とは密閉容器1内に封入された液冷媒2が濡れている部
分を指し、容器外側で外部発熱体と直接あるいは間接的
に接触し熱エネルギーを受け取る機構を有する。また蒸
発部が受け取った熱エネルギーは、内部の液冷媒2に伝
達され液冷媒2を蒸発気化させることにより消費され
る。
【0003】凝縮部1bとは容器外側で外部ヒートシン
クと直接あるいは間接的に接触、外部へ熱エネルギーを
受け渡す機構を有する。沸騰部1aで蒸発気化した冷媒
蒸気は、凝縮部1bへ移動、そこで凝縮することによっ
て外部へ放熱を行なう。また凝縮部1bで凝縮した液冷
媒は、主に重力により沸騰部1aへと帰還する。
【0004】そしてこの沸騰部1aと凝縮部1bで起こ
る沸騰と凝縮の繰り返しによる熱輸送を行い、被冷却体
の冷却を行なうものである。尚、具体的構成としては例
えば特開平11−83359号公報に記載されている。ところ
で熱輸送の媒体として沸騰冷却装置に封入される液冷媒
の種類は、被冷却体の熱損失の大きさや使用環境下によ
って選択され、水,アルコール類,アンモニア,フルオ
ロカーボン類等が一般的に使用されている。
【0005】特にインバータ回路やパワーエレクトロニ
クス機器などに使用されている半導体素子の沸騰冷却装
置には、高熱負荷、熱負荷の過渡変化性といった熱的条
件を満足する冷却能力の大きさ、自身の経年安定性、他
物質、特に金属との低反応性、人体に対する無害性と取
扱いの容易さ等からフルオロカーボン類が有利とされ、
例えばR11やR113に代表される特定フロンがよく使用さ
れてきた。
【0006】しかしながら、R11やR113などの特定フロ
ンはオゾン層破壊問題から既に1995年に全廃されてお
り、またその代替フロンとして登場、期待された指定フ
ロンも僅かながらオゾン層を破壊していくことから、今
後段階的に規制が強化され、2020年には実質的に生産を
停止、2030年には全廃されることが確定している。
【0007】これに対応し、従来の水,アルコール,ア
ンモニアを、沸騰冷却装置における液冷媒としてその適
用を再検討した結果、水は金属との反応性が大きい、ア
ルコール類は蒸発潜熱が小さく冷却能力が小さいことと
発火性・引火性を持つこと、アンモニアはその飽和蒸気
圧が非常に大きく、充分な強度を確保できる密閉容器が
必要となる等、今後指向される半導体素子の冷却には不
向きであることが指摘されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このため、前記指定フ
ロンが全廃された後は沸騰冷却装置における有効な液冷
媒を失うことになり、その結果半導体素子そのものの高
性能化を阻む要因となる。
【0009】本発明は、上記事情に鑑み成されたもの
で、その目的は、将来の指定フロン全廃に備え、従来の
特定フロンを使用した沸騰冷却装置と同等以上の冷却性
能や安全性を有する新規液冷媒を使用した沸騰冷却装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明における沸騰冷却装置は、熱分
解してもオゾン層を破壊するClを生成・放出すること
のない構造式CxHyFzの非環状弗化炭化水素のうち、使用
温度域において飽和蒸気圧が圧力容器の取扱いとならな
い範囲の大きさで、人体への影響もなく排出規制対象外
である化学名1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペン
タンC5H2F10を液冷媒として使用することを特徴として
いる。この沸騰冷却装置によれば、オゾン層を破壊する
ことなく指定フロンを液冷媒とした場合よりも低過熱度
で同一熱量を除熱することが可能で、また特定フロンを
液冷媒とした場合に迫る冷却能力を得ることが可能とな
る。
【0011】請求項2記載の発明における沸騰冷却装置
は、密閉容器の沸騰部で被冷却体が取付けられた面と対
応する液冷媒と接触する内壁側の沸騰面に、被冷却体の
輪郭に沿った凹状溝或いは被冷却体との対応位置の棒状
凸部や焼結面等の気泡発生促進部を備えたことを特徴と
しており、液冷媒C5H2F10はその表面張力の特性から微
細な気泡の発生・離脱が促進されるため、熱流束が小さ
な半導体素子を冷却する場合も効率よく冷却が可能とな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施態様を図を用い
て説明する。図1および図2は本発明の第1の実施例を
示す沸騰冷却装置の側面図および正面図を示す。本実施
例では、使用する液冷媒とその液冷媒に熱エネルギーを
与える構造について示している。ここでは液冷媒循環の
駆動力に重力を利用するため、半導体素子等の発熱体で
ある被冷却体10を冷却する沸騰部11を形成する下部
容器12の上部に、凝縮部13を形成する上部容器14
を配置している。被冷却体10は下部容器12の外壁に
取り付けてある。
【0013】そして上部容器14内と下部容器12で構
成された密閉容器内は互いに連通している。この密閉容
器の筐体部材は、コストと軽量化のためアルミニウムを
使用することが望ましいが、内壁側表面をアルマイト加
工したものでも良く、また他の金属を使用することもで
きる。
【0014】密閉容器の下部容器12内に封入される液
冷媒には、熱分解してもオゾン層を破壊するClを生成
・放出することのない構造式CxHyFzの非環状弗化炭化水
素のうち、特に使用温度域において飽和蒸気圧が圧力容
器の取扱いとならない範囲の大きさであって、人体への
影響もなく排出規制対象外である化学名1,1,1,2,3,4,4,
5,5,5−デカフルオロペンタンC5H2F10を使用する。図3
はこの液冷媒C5H2F10の飽和蒸気圧曲線を示し、横軸は
液冷媒の温度、縦軸はその温度における飽和蒸気圧を示
している。
【0015】液冷媒に熱エネルギーを伝え液冷媒を蒸発
させる下部容器12内の、沸騰部11における被冷却体
10が取り付けられた位置に対応する沸騰面11a即ち
内面は、この実施例では特に管理・加工を行なわない単
純な平滑面としてある。
【0016】しかしながらこの実施例に限定されるもの
ではない。即ち、図4は要部拡大図で図5は図4のa−
a線に沿う拡大断面図である。これに示される様に、下
部容器12に被冷却体10の輪郭に沿って凹状溝10a
を設けたもので、図5では幅1mm以下、深さ1mm以下
の矩形状凹状溝10bを有した沸騰面としている。また
この凹状溝は種々の形状を採用できる。
【0017】図6に示したように三角形形状溝10cで
あっても良く、図7に示す様な半楕円形状溝10dでも
良い。上記実施例では下部容器12を直接加工して凹状
の溝断面部を形成したが、これに限定されるものではな
い。
【0018】図8乃至図17に示すような密閉容器と同
一部材から成る伝熱を促進する気泡発生促進体を設けた
沸騰面としても良い。図8は沸騰面上に密閉容器と同一
部材からなる3mm角程度の一文字状の直方体凸部15
横置きに少なくとも1ヶ所以上備えたものである。
【0019】図9は容器内である沸騰面上に容器と同一
部材からなる3mm角程度の直方体凸部16を少なくと
も1ヶ所以上図では2個縦方向に設けた。
【0020】図10では沸騰面上に密閉容器と同一部材
からなる3mm角程度の直方体凸部17を少なくとも1
ヶ所以上斜め方向に設けている。
【0021】図11では沸騰面上に密閉容器と同一部材
からなる3mm角程度の屋根形状凸部18を少なくとも
1ヶ所以上取り付けた実施例である.図12は前述した
と同様の部材からなる3mm角程度の半ドーナツ形状凸
部19を少なくとも1ヶ所以上取り付けている。
【0022】図13は沸騰面上に前述したと同様の部材
からなる3mm角程度の受け皿形状凸部20を少なくと
も1ヶ所以上設けたものである。
【0023】更に図14では沸騰面上に密閉容器と同一
部材からなる碁盤目状に配置した縦・横・高さ3mm程
度の柱状突起21を互いに3mm程度の間隔をあけて複
数個取り付けた構成である。
【0024】更にまた図4乃至図7に示した被冷却体の
輪郭に沿って設けた幅1mm以下、深さ1mm以下の凹状
溝構造と図8乃至図14に示す3mm角程度の凸部形
状、あるいは縦・横・高さ3mm程度の柱状突起形状の
少なくとも1種類を組み合わせた構成とすることも有効
である。図15に示した構成のものは、図4と図11の
複合形式の例を示しており、凹状溝10bと屋根形状凸
部18を組み合わせている。この複合形状は被冷却体の
発熱エネルギーの大きさによって選択されるものであ
る。
【0025】更に図16,図17では、被冷却体10取
り付け面に対して容器裏面即ち内側の沸騰面11aに、
沸騰面と同一部材からなる縦・横3mm程度の柱状突起
22a〜22dを横置きで複数列互いに離間して並行に
配置した構造とした。そして重力下方向の柱状突起22
dほど突出長さが徐々に長くなるようにしている。
【0026】図18、図19に示した実施例では、沸騰
面に深さ100〜300μm程度の被冷却体の輪郭形状に座ぐ
り加工を施し、その座ぐり部分に粒径100〜300μmの沸
騰面と同一部材からなる金属粒子を1層あるいは2層焼
結して焼結面23を形成したものである。ここで図18
では粗い焼結面23aとし、図19では細かい焼結面2
3bを構成したものを示す.この構成によれば更に大き
な発熱負荷を有する場合に有効である。
【0027】上記構成の実施例の形態によれば、液冷媒
として非環状弗化炭化水素の化学名1,1,1,2,3,4,4,5,5,
5−デカフルオロペンタンC5H2F10を使用することによ
り、大気開放によって空中で熱分解や宇宙線・紫外線等
による分解が起こってもClを生成・放出することがな
いためオゾン層破壊の恐れがない沸騰冷却装置を提供で
きる。
【0028】更に、使用温度域において飽和蒸気圧が圧
力容器の取扱いとならない範囲の大きさで、人体への毒
性もなく、排出規制対象外であるため容易にかつ安全に
生産・使用できる。ここで図20は、本発明で使用する
液冷媒と、従来液冷媒として使用されていた特定フロン
(R11やR113)、指定フロン(R225)との沸騰冷却性能
を示したものである。横軸が冷媒温度、縦軸が液冷媒の
除熱性能を示す沸騰熱伝達率を示している。この図から
明らかなように、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ
ペンタンC5H2F10を使用することによって、指定フロン
を液冷媒とした沸騰冷却装置の場合よりも熱輸送能力が
高く、低加熱度で同一熱量の除熱が可能である。また特
定フロンを液冷媒とした沸騰冷却装置に匹敵する冷却能
力を実現できる沸騰冷却装置を得ることができる。
【0029】また、化学名1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカ
フルオロペンタンC5H2F10の気泡核は図21の断面図に
示すような様子で形成される。即ち図4、図6に示した
被冷却体10の輪郭に沿って幅1mm以下、深さ1mm以
下の凹状溝10a、10cを有した沸騰面11aとする
と沸騰が促進される。また被冷却体の輪郭状に凹状溝1
0a、10cを設けることと液冷媒C5H2F10のその表面
張力の特性から、凹状溝で気泡発生点を集中させまた気
泡の離脱を促進する効果がある。沸騰面11aでは被冷
却体10接触部の中央部から外周側へと熱の流れが形成
され、低負荷時でも有効に除熱を行なうことや、最も高
負荷となる中央部の熱負荷を緩和することができる。
【0030】また、図8から図13に示す様に沸騰面
に、容器と同一部材からなる3mm角程度の棒状、屋根
形、半ドーナツ形等凸部を備えた沸騰面とすることによ
って、凸部のフィン効果による伝熱促進の効果が得られ
るとともに、気泡発生面積を確保でき、前記C5H2F10
気泡核が図22に示すような様子で形成されるため、気
泡核形成点を増加させることができる。そして被冷却体
の予測される発熱量に応じて沸騰面を形成できるととも
に、体積効果により熱容量が増加し、急激に発熱量が増
加する或いは稼動中に発熱量が大きく変化する性質を持
つ半導体素子の冷却が可能となり更に沸騰部の機械強度
を向上させることができる。
【0031】一方図14に示した密閉容器と同一部材か
らなる縦・横・高さ3mm程度の柱状突起21を碁盤目
状に多数配置した沸騰面とした構成のものにあっては、
柱状突起21の具備によるフィン効果で伝熱促進を図
れ、液冷媒との接触面積の拡大による気泡核発生点を増
加させることができ、体積効果による熱容量増加を期待
できる。
【0032】そして柱状突起21を碁盤目状に配置する
ことにより図23に示すように、伝熱面上では殆どが3
mm以下の気泡径となる前記C5H2F10の発生気泡を、効
率良く上部へと誘導する上昇ガイドとなり、発熱量の比
較的大きな10〜20W/cm2の高熱流束を発する半導体素
子の冷却に適した沸騰冷却装置を提供できる。
【0033】しかして、図23に示す様な沸騰面では、
柱状突起21の具備により熱容量が大きくなり、被冷却
体からの発生熱が拡散することから熱流束の小さな素子
の冷却に対して効率的ではない。
【0034】これを解消するために図24に示すよう
に、先の図4に示した被冷却体の輪郭に沿った幅1m
m、深さ1mm以下の凹状溝10aを併設することによ
って、より広範囲の発熱量に対応することが可能となり
汎用的な沸騰冷却装置を提供できる。
【0035】また、図16,図17に示した沸騰面に
は、沸騰面と同一部材からなる縦・横3mm程度の柱状
突起22を重力下方向の柱状突起ほど突出長さを徐々に
長くした凸形状突起を設けた構成としてあるので、発生
した気泡の特に上昇時に観測される気泡同士の干渉を極
力最小限に軽減でき、気泡発生が阻害されることもなく
高熱流束を発生する半導体素子の冷却が可能となる。
【0036】図23に示した碁盤目状に配置した柱状突
起21に近い冷却能力を有することが可能で、かつ柱状
突起21が角柱形状をしているため部材を引き抜き加工
により製作可能で、安価で工数も少なく製造性を重視し
た高性能な沸騰冷却装置を提供できる。
【0037】更に、図18あるいは図19に示される沸
騰面は、沸騰面の被冷却体が接触する輪郭形状に深さ10
0〜300μm程度の座ぐり加工を施し、その座ぐり部分に
粒径100〜300μmの密閉容器と同一部材からなる金属粒
子を1層あるいは2層の焼結を行なった焼結面23a、
23bとした。この粒径の焼結面とすることにより、沸
騰面はリエントラントなキャビティを無数に有し、表面
張力が小さく、かつ面を濡らしやすい前記C5H2F10にと
って気泡核の安定性に有効となり、沸騰を促進すること
ができる。
【0038】この粒径が直径100μm以下であったり或
いは300μm以上であるとその効果を急激に喪失するた
めこの範囲にあることが望ましく、また焼結層数を2層
以下とすることにより、焼結面での熱損失を最小限に留
めることができ、熱流速が20W/cm2を越える大きな発熱
負荷を有する半導体素子の沸騰冷却装置を提供すること
ができる。
【0039】前述した各実施例では密閉容器の構成を、
下部容器とこの下部容器の上部に互いの内部を連通させ
てT字形になるように形成したものについて述べたが、
図25、図26に示した構成を採用することもできる。
【0040】図25は正面図であり、図26は図25の
側面図を示す。
【0041】本実施例では、電気自動車等の特に高さ方
向の設置スペース制限が厳しい対象物に対して設置する
に好ましい沸騰冷却装置、その液冷媒に熱エネルギーを
与える構造について示している。
【0042】この実施例においても液冷媒循環の駆動力
に重力を利用するため、下部に沸騰部24、その上部に
凝縮部25を配置している。沸騰部24は高さ方向の設
置スペースに制限のある箇所にも設置を可能とするよ
う、正面から見て30〜60度の斜角となる等脚台形形状と
することにより被冷却体26の取り付け個数を減ずるこ
となく、高さ方向にコンパクトな沸騰冷却装置を提供し
ている。
【0043】この時、沸騰冷却装置の自立を援助するた
めに支柱27を四角に設ける。また熱の授受を行なう蒸
発部・凝縮部を構成する内部に液冷媒として化学名1,1,
1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンC5H2F10を封入
する。密閉容器の部材は、コストと軽量化のためアルミ
ニウムを使用することが望ましいが、内壁側表面をアル
マイト加工したものでも良く、また他の金属を使用する
こともできる。
【0044】液冷媒に熱エネルギーを伝え液冷媒を蒸発
させる沸騰面は、ここでは特に管理・加工を行なわない
単純な平滑面であるが、先の説明と同様の実施態様を採
用することができることは言うまでもない.この実施の
形態によれば、液冷媒に非環状弗化炭化水素の化学名1,
1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンC5H2F10を使
用することによって、大気開放により空中で熱分解や宇
宙線・紫外線等による分解が起こってもClを生成・放
出することがないためオゾン層破壊の恐れが全くない沸
騰冷却装置を提供できるだけでなく、使用温度域におい
て飽和蒸気圧が圧力容器の取扱いとならない範囲の大き
さで、人体への毒性もなく、排出規制対象外であるため
容易にかつ安全に生産・使用できる。
【0045】更に、沸騰部を正面から見て30〜60度の斜
角となる等脚台形形状とすることにより沸騰面上で発生
した気泡が上昇する際の相互干渉を軽減でき、大きな気
泡発生面積を確保できるので被冷却体26の取り付け個
数を減ずることなく高さ方向をコンパクトな構成とでき
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば沸
騰冷却装置の液冷媒に、構造式CxHyFzの非環状弗化炭化
水素の一種である化学名1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフ
ルオロペンタンC5H2F10を使用することにより、大気開
放による空中での熱分解や宇宙線・紫外線等による分解
が起こってもオゾン層を破壊するClを生成・放出する
ことがなく、使用温度域において飽和蒸気圧が圧力容器
の取扱いとならない範囲の大きさで、人体への毒性もな
く、排出規制対象外であるため容易にかつ安全に生産・
使用でき、かつ指定フロンを液冷媒とした場合よりも除
熱性能に優れ、また特定フロンを液冷媒とした場合に匹
敵する除熱能力を得ることが可能となり、地球環境に優
しい沸騰冷却装置を提供することが出来る。
【0047】更に密閉容器の沸騰部外壁に取り付けた被
冷却体に対応する前記密閉容器の内面に凹状溝或いは棒
状凸部のような気泡発生促進部を設けたので、効率の良
い冷却を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例である沸騰冷却装置の
側面図。
【図2】 図1の正面図。
【図3】 本発明の第1の実施例である沸騰冷却装置の
液冷媒として使用する化学名1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デ
カフルオロペンタンC5H2F10の飽和蒸気圧曲線を示す
図。
【図4】 本発明の第1の実施例の要部拡大正面図。
【図5】 図4のa−a線拡大断面図。
【図6】 本発明の実施例の沸騰面の他の断面形状を示
す図。
【図7】 本発明の実施例の沸騰面の他の断面形状を示
す図。
【図8】(a)(b) 本発明の実施例の沸騰冷却装置
の沸騰面の他の実施例を示す正面図および棒状凸部の拡
大図。
【図9】(a)(b) 本発明の実施例の沸騰冷却装置
の沸騰面の異なる実施例の正面図および凸部の拡大図。
【図10】(a)(b) 本発明の実施例の沸騰冷却装
置の沸騰面の異なる実施例の正面図および凸部の拡大
図。
【図11】(a)(b) 本発明の実施例の沸騰冷却装
置の沸騰面の異なる実施例の正面図および凸部の拡大
図。
【図12】(a)(b) 本発明の実施例の沸騰冷却装
置の沸騰面の異なる実施例の正面図および凸部の拡大
図。
【図13】(a)(b) 本発明の実施例の沸騰冷却装
置の沸騰面の異なる実施例の正面図および凸部の拡大
図。
【図14】(a)(b) 本発明の実施例の沸騰冷却装
置の沸騰面の異なる実施例の正面図および凸部の拡大
図。
【図15】 本発明実施例の沸騰冷却装置沸騰面の更に
他の実施例を示す正面図。
【図16】 本発明実施例の沸騰冷却装置沸騰面の更に
他の実施例を示す正面図。
【図17】 図16の要部を一部断面で示す拡大側面
図。
【図18】 本発明実施例の沸騰冷却装置沸騰面の更に
他の実施例を示す正面図。
【図19】 本発明実施例の沸騰冷却装置沸騰面の更に
他の実施例を示す正面図。
【図20】 本発明沸騰冷却装置の液冷媒として使用す
る化学名1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンC
5H2F10と、従来使用されてきた液冷媒との沸騰熱伝達率
の比較を示す図。
【図21】 本発明の実施例である沸騰冷却装置沸騰面
における気泡核生成位置と気泡の発生状況を示す図。
【図22】 本発明の実施例である沸騰冷却装置沸騰面
における気泡核生成位置と気泡の発生状況を示す図。
【図23】 本発明実施例の沸騰冷却装置沸騰面の一つ
の断面形状における気泡核生成位置と気泡発生状況を示
す図。
【図24】 本発明実施例の沸騰冷却装置沸騰面の他の
断面形状における気泡核生成位置と気泡発生状況を示す
図。
【図25】 本発明の他の実施例である沸騰冷却装置の
正面図。
【図26】 本発明の他の実施例である沸騰冷却装置の
側面図。
【図27】 従来の沸騰冷却装置を示す説明図。
【符号の説明】
10.被冷却体 10a.凹状溝 11.沸騰部 11a.沸騰面 12.下部容器 13.凝縮部 14.上部容器 15〜20.凸部 21.22.柱状突起 23.焼結面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器の外壁に被冷却体が取り付けら
    れ内部に液冷媒を封入した沸騰部と、この沸騰部で前記
    被冷却体からの熱を受けて蒸発した冷媒蒸気を外部ヒー
    トシンクとの熱交換によって凝縮液化させ放熱する凝縮
    部とを備えた沸騰冷却装置において、前記液冷媒として
    構造式CxHyFzの非環状弗化炭化水素の一種である化学名
    1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンC5H2F10
    用いたことを特徴とする沸騰冷却装置。
  2. 【請求項2】 密閉容器の外壁に被冷却体が取り付けら
    れ内部に液冷媒を封入した沸騰部と、この沸騰部で前記
    被冷却体からの熱を受けて蒸発した冷媒蒸気を外部ヒー
    トシンクとの熱交換によって凝縮液化させ放熱する凝縮
    部とを備えた沸騰冷却装置において、前記液冷媒として
    構造式CxHyFzの非環状弗化炭化水素の一種である化学名
    1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンC5H2F10
    使用し、前記密閉容器の沸騰部で被冷却体が取り付けら
    れた面と対応する液冷媒と接触する内壁側沸騰面に気泡
    発生促進部を設けたことを特徴とする沸騰冷却装置
  3. 【請求項3】 沸騰面に設けた気泡発生促進部が、被冷
    却体の輪郭に沿った幅1mm以下、深さ1mm以下の凹状溝で
    あることを特徴とする請求項2記載の沸騰冷却装置
  4. 【請求項4】 沸騰面に設けた気泡発生促進部が、被冷
    却体が取り付られた面の密閉容器内沸騰部の沸騰面に設
    けた密閉容器と同一部材からなる3mm角程度の棒状凸部
    である請求項2記載の沸騰冷却装置。
  5. 【請求項5】 沸騰面に設けた気泡発生促進部が、輪郭
    に沿った凹状溝と、被冷却体が取り付られた面の密閉容
    器内沸騰部の沸騰面に設けた棒状凸部からなる請求項2
    記載の沸騰冷却装置。
  6. 【請求項6】 沸騰面に設けた気泡発生促進部が、縦・
    横・高さ各3mm程度の凸部を碁盤目状に配置したもので
    ある請求項2または4のいずれかに記載の沸騰冷却装
    置。
  7. 【請求項7】 沸騰面に設けた気泡発生促進部が、被冷
    却体が取り付られた面の密閉容器内沸騰部の沸騰面に設
    けた密閉容器と同一部材からなる3mm角程度の棒状凸部
    を、重力下方向の凸部ほど突出長さが徐々に長くなるよ
    うに複数設けた請求項2または4または6のいずれかに
    記載の沸騰冷却装置。
  8. 【請求項8】 沸騰面に設けた気泡発生促進部が、深さ
    100〜300μm程度の座ぐり加工部分に粒径100〜300μm
    の密閉容器と同一部材からなる金属粒子を1層あるいは
    2層焼結したものであることを特徴とする請求項2記載
    の沸騰冷却装置。
  9. 【請求項9】 密閉容器の外壁に被冷却体が取り付けら
    れ内部に液冷媒を封入した沸騰部と、この沸騰部で前記
    被冷却体からの熱を受けて蒸発した冷媒蒸気を外部ヒー
    トシンクとの熱交換によって凝縮液化させ放熱する凝縮
    部とを備えた沸騰冷却装置において、前記沸騰部の被冷
    却体取付面が鉛直方向から30〜60度の傾斜角度を有し、
    かつ前記液冷媒に構造式CxHyFzの非環状弗化炭化水素の
    一種である化学名1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ
    ペンタンC5H2F10を使用することを特徴とする沸騰冷却
    装置。
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