JP2001348583A - ガスハイドレート製造装置 - Google Patents

ガスハイドレート製造装置

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JP2001348583A
JP2001348583A JP2000170897A JP2000170897A JP2001348583A JP 2001348583 A JP2001348583 A JP 2001348583A JP 2000170897 A JP2000170897 A JP 2000170897A JP 2000170897 A JP2000170897 A JP 2000170897A JP 2001348583 A JP2001348583 A JP 2001348583A
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gas
hydrate
gas hydrate
methane
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JP2000170897A
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Kozo Yoshikawa
孝三 吉川
Yoshihiro Kita
吉博 北
Haruhiko Ema
晴彦 江間
Masaharu Watabe
正治 渡部
Yuichi Kondo
雄一 近藤
Hisayoshi Fujita
尚義 藤田
Takahiro Kimura
隆宏 木村
Hitoshi Endo
仁 遠藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低含水率のガスハイドレートを製造し、後工
程での脱水作業を大幅に簡略化して貯蔵効率や輸送効率
を向上させるとともに、ガスハイドレートの製造効率を
向上させて運転コストを抑制することができる、ガスハ
イドレート製造装置を提供する。 【解決手段】 ハイドレート形成物質を含むガスを水和
させてガスハイドレートを生成するためのガスハイドレ
ート製造装置3であって、装置本体30と、ハイドレー
ト形成物質を含むガスを装置本体30内に導入するガス
導入管路31と、親水性のドラム表面32aを有し装置
本体30内を回転可能な回転ドラム32と、ドラム表面
32aに水膜を形成させる水膜形成手段34と、水膜と
ハイドレート形成物質を含むガスとが水和して生成され
たガスハイドレートをドラム表面32aから除去するス
クレーパ36と、を備えるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドレート形成
物質(例えばメタン)を含むガスを水和させてガスハイ
ドレートを製造する、ガスハイドレート製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、メタン等の炭化水素を主成分とす
る天然ガスを貯蔵・輸送する方法としては、ガス田から
天然ガスを採取した後液化温度まで冷却し、液化天然ガ
ス(LNG)とした状態で貯蔵・輸送する方法が一般的
である。しかし、例えばメタンの場合、液化させるには
−162℃といった極低温条件が必要であり、こうした
条件を維持しながら貯蔵・輸送を行うためには、専用の
貯蔵装置や、LNG船等といった専用の輸送手段が必要
となる。こうした装置等の製造及び維持・管理には非常
に高いコストを要するため、上記方法に代わる低コスト
の貯蔵・輸送方法が、鋭意研究されてきた。こうした研
究の結果、天然ガスを水和させて固体状態の水和物(ハ
イドレート)を生成し、この固体状態のまま貯蔵・輸送
するとする方法が見出され、近年特に有望視されてい
る。この方法では、LNGを取扱う場合のような極低温
条件は必要とされず、また固体とするためその取扱いも
比較的容易で、既存の冷凍装置あるいは既存のコンテナ
船を若干改良したものを各々貯蔵装置あるいは輸送手段
として利用可能とでき、大幅な低コスト化が図れるもの
として期待が寄せられている。
【0003】この天然ガスの水和物(以下、「ガスハイ
ドレート」と記す)とは、包接化合物(クラスレート化
合物)の一種であって、図13(a)及び図13(b)
に示すように、複数の水分子(H2O)により形成され
た立体かご型の包接格子(クラスレート)の中に、天然
ガスの各成分を構成するハイドレート形成物質、すなわ
ちメタン(CH4)等の分子が入り込み包接された結晶
構造をなすものである。なお、図13(a)は、水分子
2Oが12面体を形成した場合を、図13(b)は、
14面体を形成した場合を、各々示している。また、ハ
イドレート形成物質の一例として、メタン分子CH4
示している。クラスレートに包接された天然ガス構成分
子同士の分子間距離は、天然ガスが高圧充填された場合
のガスボンベ中における分子間距離よりも短くなる。こ
れは、天然ガスが緊密充填された固体を生成し得ること
を意味し、例えばメタンハイドレートが安定に存在し得
る条件下、すなわち−30℃・大気圧下(約0.1MP
a)においては、気体状態と比較して約1/170の体
積とできるものである。このように、ガスハイドレート
は、比較的容易に得られる温度・圧力条件下において製
造可能で、かつ安定した保存が可能なものである。
【0004】上記方法においては、ガス田から受け入れ
られた後の天然ガスは、酸性ガス除去工程にて二酸化炭
素(CO2)や硫化水素(H2S)等の酸性ガスを除去さ
れ、殆どメタンのみとなった後、低温・高圧状態とさ
れ、ハイドレート生成工程にて水和され、ガスハイドレ
ートとなる。このガスハイドレートは、続く脱水工程に
て混在している未反応の水が除去され、更に冷却工程及
び減圧工程を経て、所定の温度・圧力に調整された固体
状態の製品ガスハイドレートとされ、コンテナ等の容器
に封入されて、貯蔵装置内で貯蔵される。輸送時には、
この容器のままコンテナ船等の輸送手段に積み込み、目
的地まで輸送する。目的地での陸揚げ後、ガスハイドレ
ートは、ハイドレート分解工程を経て天然ガスの状態に
戻され、各供給地へと送られる。
【0005】ハイドレート生成工程において用いられる
ガスハイドレート製造装置としては、例えば図14に示
すような装置が用いられている。このガスハイドレート
製造装置においては、所定の圧力・温度条件に設定され
た耐圧容器150内に水を一定量注入しておき、ガス導
入管152から天然ガスを導入し攪拌羽根154で攪拌
することで天然ガスを水和させ、生成されたガスハイド
レートを抜出管153から外部に抜き出すようになって
いる。なお、符号155は恒温槽である。この場合にお
いて、ガスハイドレートは気液界面、すなわち水面で生
成されるため、抜出管153は水面と位置を合わせて設
けられ、ガスハイドレートは水とともに抜き出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうしたガスハイドレ
ート製造装置では、生成されたガスハイドレートを水と
ともに抜き出すため、ガスハイドレートは高含水率のス
ラリー状となったまま、後工程である脱水工程へと送ら
れていた。ガスハイドレート中に余分な水分が残存して
いると、貯蔵効率上及び輸送効率上好ましくないことか
ら、脱水工程においては、こうした水分を充分に脱水し
て粉体状のガスハイドレートとすることが要求される。
しかし、スラリー状から一気に粉体状としていたので、
脱水に多大な労力やコストを要するとともに長時間を要
し、一連の工程中でのネックとなっていた。また脱水方
法としては、ニップローラでガスハイドレートを挟み込
む方法や、遠心分離による方法等があるが、こうした機
械的脱水方法では、脱水できる量にも一定の限界があ
る。そのため、充分に脱水されていないガスハイドレー
トのままで貯蔵及び輸送される場合もあり、貯蔵効率や
輸送効率を向上させることは困難な状況となっていた。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、低含水率のガスハイドレートを製造し、後工程での
脱水作業を大幅に簡略化して貯蔵効率や輸送効率を向上
させるとともに、ガスハイドレートの製造効率を向上さ
せて運転コストを抑制することができる、ガスハイドレ
ート製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ハイドレート形成物質を含むガスを水和させてガス
ハイドレートを生成するためのガスハイドレート製造装
置であって、装置本体と、ハイドレート形成物質を含む
ガスを該装置本体内に導入するガス導入手段と、親水性
の面部を有し該面部を前記装置本体内で移動させる面移
動手段と、前記面部に水膜を形成させる水膜形成手段
と、前記水膜と前記ハイドレート形成物質を含むガスと
が水和して生成されたガスハイドレートを前記面部から
除去するガスハイドレート除去手段と、を備えたことを
特徴とする。
【0009】このように、面部に水膜を形成させてガス
ハイドレートが生成されるようにしているので、水膜形
成手段による面部への水の付着量を調節して、水膜の膜
厚を適正値となるように制御すれば、低含水率のガスハ
イドレートを製造することができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のガスハイドレート製造装置であって、前記面移動手段
を、前記装置本体内で回転する回転ドラムにより構成
し、前記面部を、前記回転ドラムの外面としたことを特
徴とする。
【0011】このように、回転ドラムの外面に水膜を形
成させてガスハイドレートが連続的に生成されるように
しているので、回転ドラムの径又は回転速度を調節す
る、あるいは水膜形成手段による面部への水の付着量を
調節して、水膜の膜厚を適正値となるように制御すれ
ば、低含水率のガスハイドレートを連続的に製造するこ
とができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のガスハイドレート製造装置であって、前記面移動手段
を、前記装置本体内で回転する複数の回転軸体と、これ
ら回転軸体間に掛け渡される無端ベルトにより構成し、
前記面部を、前記無端ベルトの外面としたことを特徴と
する。
【0013】このように、無端ベルトの外面に水膜を形
成させてガスハイドレートが連続的に生成されるように
しているので、装置本体内の容積に対する面部の面積比
を大きくとることができ、低含水率のガスハイドレート
を大量にかつ効率的に連続製造することができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載のガスハイドレート製造装置であって、
前記面移動手段は、前記面部を所定温度に調節する温度
調節手段を備えていることを特徴とする。
【0015】このような構成としたことで、装置本体内
において、面部のみをガスハイドレートが生成する圧力
・温度条件とすることができる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載のガスハイドレート製造装置であって、
前記水膜形成手段は、水を霧状にして前記面部に噴霧す
る水噴霧ノズルと、噴霧された水を部分的に遮り前記面
部への水の付着量を変化させるスリットと、を備えたこ
とを特徴とする。また、請求項6に記載の発明は、請求
項1〜5のいずれかに記載のガスハイドレート製造装置
であって、前記水膜形成手段は、前記面部のうちの少な
くとも一部分を水中に浸す水浴と、該水浴によって前記
面部に形成された水膜のうちの余分な水分を吸収する水
分吸収用ローラと、を備えたことを特徴とする。更に、
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6に記載のガスハ
イドレート製造装置であって、前記水膜形成手段は、前
記面部に水を転写して水膜を形成させる水転写用ローラ
と、該水転写ローラに水を付与する水付与手段と、を備
えたことを特徴とする。
【0017】このような構成としたことで、面部に連続
的に形成される水膜の膜厚を、安定して適正値に維持す
ることができる。
【0018】請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の
いずれかに記載のガスハイドレート製造装置であって、
前記面部から除去されたガスハイドレートを脱水する脱
水手段と、脱水されたガスハイドレートを圧縮するとと
もに冷却して圧密成形体とする圧密冷却手段と、を備え
たことを特徴とする。
【0019】このような構成としたことで、ガスハイド
レートを製造してから製品ガスハイドレートとするまで
を、ガスハイドレート製造装置で行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガスハイドレ
ート製造装置の第1乃至第3の実施の形態について、図
面を用いて説明する。
【0021】[第1の実施形態]第1の実施形態につい
て、図1乃至図3、及び図6乃至図9を用いて説明す
る。始めに、このガスハイドレート製造装置を用いて天
然ガスを製品ハイドレートとするまでの一連の流れにつ
いて、図6を用いて説明する。ガス田から受け入れられ
た天然ガスは、先ず天然ガス受入タンク1に受け入れら
れ、一旦貯蔵される。ここから、酸性ガス除去装置2に
送られ、ガス中に存在する二酸化炭素(CO 2)や硫化
水素(H2S)等の酸性ガスを除去される。酸性ガスの
除去は、これら酸性ガスを、石灰(CaO)等のアルカ
リ薬品と反応させることで行う。酸性ガスを除去されて
殆どメタンのみとなった天然ガスは、ハイドレート製造
装置3に導入され、水和されて、メタンハイドレート
(ガスハイドレート)が製造される。このメタンハイド
レートは、脱水装置4へと送られて余分な水分を除去さ
れた後、冷却装置5で冷却され、減圧装置6で減圧され
て、低温・常圧のハイドレート貯蔵条件とされた固体状
態のメタンハイドレートが得られる。このハイドレート
貯蔵条件とは、−20〜−40℃程度の温度であって、
圧力が大気圧(0.1MPa程度)となるような温度・
圧力条件である。このメタンハイドレートは、減圧装置
6から製品ガスハイドレートとして取り出され、コンテ
ナ等の容器に封入され、図示しない貯蔵装置内に送られ
て貯蔵される。
【0022】ガスハイドレート製造装置3は、図1に示
すように、装置本体30と、メタンガスを装置本体30
に導入するためのガス導入手段としてのガス導入管路3
1と、外面として親水性のドラム表面(面部)32aを
有し装置本体30内を回転可能な回転ドラム(面移動手
段)32と、ドラム表面32aに水膜を形成させる水膜
形成手段34と、水膜とメタンガスとが水和して生成さ
れたメタンハイドレートをドラム表面32aから除去す
るスクレーパ(ガスハイドレート除去手段)36と、を
備えている。
【0023】装置本体30は、密閉された耐圧容器であ
り、その内部で水とメタンガスとを水和反応させて、ガ
スハイドレートを生成するものである。この装置本体3
0内の空間は、ガス導入管路31より導入されたガスが
充満した気相Gを形成しており、この気相Gの温度を調
節する気相温度調節手段(図示省略)が設けられてい
る。また、装置本体30の底部には、排水口30a及び
排水管路30bが設けられており、装置本体30の底部
に溜まった水を外部へ排出できるようになっている。
【0024】ガス導入管路31は、その一端側を装置本
体30に連結されて、酸性ガス除去装置2で酸性ガスを
除去されたメタンガスを装置本体30内に導入するもの
である。ガス導入管路31の管路途中には、図示しない
バルブが設けられており、装置本体30内の圧力に応じ
てメタンガスの導入量及びを調節できるようになってい
る。
【0025】回転ドラム32は、略円筒形状をなす回転
体であって、図示しないアクチュエータによって軸線O
回りに図中R方向に回転駆動されるものである。この回
転ドラム32の内部には、液冷媒33が注入されてい
る。この液冷媒33は、軸線O方向に設けられた図示し
ないヒートポンプと回転ドラム32内とを循環し、回転
ドラム32のドラム表面32aの温度を所定値に調節・
維持できるようになっている。すなわち、液冷媒33及
びヒートポンプは、回転ドラム32の温度調節手段を構
成している。また、回転ドラム32の材質は、熱伝導率
の高いアルミニウム等の金属からなり、ドラム表面32
aの温度調節を容易に且つ正確に行い得るようになって
いる。
【0026】ドラム表面32aは親水性処理が施され、
すなわち水酸基(―OH)が導入されており、水が付着
し易いようになっている。、例えば、回転ドラム32の
材質としてアルミニウムを採用した場合には、ドラム表
面32aは水酸化アルミニウム(Al(OH)3あるい
はAlOOH)となっている。このため、ドラム表面3
2aには、所定の膜厚を有する水膜を形成させることが
でき、これによりドラム表面32aには、メタンハイド
レートを生成させることができる。
【0027】水膜形成手段34は、水噴霧ノズル34a
と、スリット34bと、を備えている。水噴霧ノズル3
4aは、水管路35の一端側と連結されており、この水
管路35を流れてくる水を霧状にしてドラム表面32a
に噴霧するものである。水管路35の他端側は、貯水槽
(図示省略)と連結されているとともに、水管路35の
管路途中には水供給ポンプ及びバルブ等(図示省略)が
設けられており、水噴霧ノズル34aからの水の噴霧量
を調節できるようになっている。スリット34bは、水
噴霧ノズル34aと回転ドラム32との間に設けられ、
スリット幅、すなわち開口面積を変化させることができ
るものである。この図の例においては、2枚のスリット
片が上下方向に相対移動することで、スリット幅を変化
させるようになっている。すなわち、このスリット34
bは、スリット幅を変化させることで、水噴霧ノズル3
4aから噴霧された水を部分的に遮り、ドラム表面32
aへの水の付着量を制御することができる。
【0028】スクレーパ36は、ドラム表面32aと弾
性的に当接し、回転ドラム32のドラム表面32aに生
成したメタンハイドレートMHを掻き取り、除去するも
のである。このスクレーパ36の下部側には、掻き取ら
れたメタンハイドレートを装置本体30外部へと搬送す
るための搬送手段(図示略)が設けられている。
【0029】このガスハイドレート製造装置3の運転に
ついて説明する。ドラム表面32aのみがメタンハイド
レート生成条件となるように、装置本体30内の気相G
の圧力・温度条件、及びドラム表面32aの温度条件を
調節し、回転ドラム32を図中R方向に回転させて運転
を開始する。このとき、液冷媒33によって、回転ドラ
ム32のドラム表面32aを適正な温度条件となるよう
にする。
【0030】ここで、メタンハイドレートの生成条件に
ついて、図7を用いて説明する。この図には、メタンの
ハイドレート生成平衡線を示している。なお、参考まで
に、エタン、プロパン及びi−ブタンのハイドレート生
成平衡線も示している。この図において、メタンの生成
平衡線よりも上側の斜線を付した領域は、ハイドレート
生成領域(ハイドレート生成条件)である。この図に示
すように、例えば気相Gの圧力・温度条件を、4MPa
・10℃(283K)としたならば、メタンハイドレー
トは生成しない。しかし、圧力条件はそのままで温度条
件を2℃(275K)としたならば、メタンハイドレー
トは生成する。このように、ガスハイドレート製造装置
3では、ドラム表面32aのみがメタンハイドレート生
成条件となるようにする。すなわち上記の例では、気相
Gの圧力条件を4MPaとしておき、温度条件を、気相
Gは10℃、ドラム表面32aは2℃とする。こうすれ
ば、ドラム表面32aのみにおいてガスハイドレートが
生成され、気相G内に滞留する水滴とメタンとが水和反
応してガスハイドレートが生成されることはない。これ
により、生成されたメタンハイドレートのほぼ全てを、
有効に回収することができる。
【0031】次に、水噴霧ノズル34aから、水を霧状
にしてドラム表面32aに噴霧する。このとき、回転ド
ラム32の径又は回転速度を考慮して、水噴霧ノズル3
4aからの単位時間当たりの水の噴霧量、及びスリット
34bの開口面積を調節して、ドラム表面32aに形成
される水膜の膜厚が適正値となるように制御する。
【0032】ここで、水膜の膜厚を制御することの意義
について説明する。先ず、気液界面においてメタンハイ
ドレートが生成される様子を、図8(a)及び図8
(b)に単純なモデルとして示す。これらの図において
は、略球形状の水滴(直径1mm程度)の表面にメタン
ハイドレートが生成される様子を、模式的に示してい
る。この水滴Dは、メタンハイドレート生成条件となっ
ている加圧メタン雰囲気下に曝露されている。水滴Dが
このメタン雰囲気に曝露された直後から、図8(a)に
示すように、水滴Dの表面、すなわちメタンとの気液界
面では、メタン分子Mが次々に水和されていきメタンハ
イドレートを生成していく。そして、通常は2〜3秒程
度で、図8(b)に示すように、水滴Dの表面は一定の
膜厚に成長したメタンハイドレートMHの膜で被覆され
た状態となる。この状態となると、水和反応は停止し、
メタンハイドレートMHはこれ以上成長しなくなる。す
なわち、水滴Dは固体であるメタンハイドレートMHの
膜で覆われているため、メタン分子Mがこの固体膜を拡
散透過して水滴Dの内部に入り込むことができなくな
る。このように、メタンハイドレートMHが成長して一
定の膜厚に達したら、今度は逆に、その膜厚から更に成
長することを自らが阻害する。これが、いわゆる「バリ
アー効果」とよばれる現象である。本発明者らの検討に
よれば、このバリアー効果が生じる「一定の膜厚」と
は、少なくとも50μm以下、平均的には約10μmで
ある。
【0033】次に、回転ドラム32のドラム表面32a
に形成された水膜と気相Gとの気液界面において、メタ
ンハイドレートMHが生成される様子を、図9(a)及
び図9(b)を用いて具体的に説明する。図9(a)
は、水膜W0の膜厚tW0が厚過ぎる場合、例えば50
μmよりも厚い場合を示している。この場合、メタンハ
イドレートMHは膜厚tMHまで成長して、その後バリ
アー効果により成長を停止する。つまり、メタンハイド
レートMHの内側(回転ドラム32側)には、未反応の
水膜Wが膜厚tW(=tW0−tMH)で形成された状
態となっている。この水膜Wは、メタンハイドレートM
Hとともにスクレーパ36よってドラム表面32aから
掻き取られるため、大量の水が脱水装置4へと送られる
こととなる。すなわちこの場合には、低含水率のメタン
ハイドレートMHを生成させることができない。
【0034】また逆に、図9(b)は、水膜W0の膜厚
tW0が薄過ぎる場合、例えば数μm程度である場合を
示している。なお参考までに、図9(a)におけるメタ
ンハイドレートMHの膜厚tMHを、破線で図示してい
る。この場合にはバリアー効果の影響は殆どなく、水膜
W0と同等の膜厚のメタンハイドレートMHが得られ
る。すなわちtMH=tW0となっている。つまりこの
場合には、未反応の水膜は形成されないので、水分を殆
ど含まない低含水率のメタンハイドレートMHを生成さ
せることができる。しかし、そもそも水膜Wの膜厚tW
0が薄いため、単位時間当たりに得られるメタンハイド
レートMHの量は少なくなる。すなわち、図中破線で示
した膜厚までのメタンハイドレートMHを生成させるこ
とが可能であるから、図9(a)の場合と比べて、製造
効率が低下してしまうという問題がある。
【0035】以上のように、バリアー効果による水の持
ち出しを最小限に抑制し、且つメタンハイドレートMH
の製造効率を最大限に向上させるためには、水膜W0の
膜厚tW0を適正値に制御する必要がある。この適正値
は、上記の通り少なくとも50μm以下、より好ましく
は約10μmである。
【0036】膜厚を適正値に制御された水膜によって、
ドラム表面32aには低含水率のメタンハイドレートM
Hが生成される。このメタンハイドレートMHは、回転
ドラム32の回転によってスクレーパ36まで運ばれて
いき、このスクレーパ36によってドラム表面32aか
ら掻き取られ、除去される。掻き取られたメタンハイド
レートMHは、スクレーパ36から搬送手段へと落下
し、装置本体30外部へと搬送され、次の脱水装置4へ
と送られる。
【0037】本実施形態に係るガスハイドレート製造装
置3においては、回転ドラム32のドラム表面32aに
水膜を形成させてガスハイドレートが連続的に生成され
るようにしている。このため、回転ドラム32の径又は
回転速度を調節する、あるいは水噴霧ノズル34aから
の単位時間当たりの水の噴霧量、及びスリット34bの
開口面積を調節することで、ドラム表面32aへの水の
付着量を調節し、ドラム表面32aに形成される水膜の
膜厚が適正値となるように制御することができる。これ
により、低含水率のガスハイドレートを高い製造効率で
連続的に製造することができ、脱水装置4での脱水作業
を大幅に簡略化して貯蔵効率や輸送効率を向上させると
ともに、ガスハイドレートの製造効率を向上させて運転
コストを抑制することができる。また、液冷媒33によ
ってドラム表面32aの温度を所定値に調節・維持でき
るようにしているので、装置本体30内において、ドラ
ム表面32aのみをメタンハイドレートの生成条件とす
ることができる。これにより、生成されたメタンハイド
レートのほぼ全てを有効に回収することができ、製造効
率を更に向上させることができる。
【0038】また、図1に示したガスハイドレート製造
装置3の変形例を、図2に示す。この例においては、、
回転ドラムに替えて、回転軸体37a、37bと無端ベ
ルト38とで面移動手段を構成している。また、水膜形
成手段34及びスクレーパ36を複数個(図示の例では
3個)備えている。回転軸体37a、37bは、ともに
図示しないアクチュエータによって軸線O回りに回転
し、回転軸体37a、37b間に掛け渡された無端ベル
ト38を図中矢印方向に移動させるものである。また無
端ベルト38の外面は、親水性のベルト表面(面部)3
8aを有しており、その材質は、熱伝導率の高いアルミ
ニウム等の金属薄板からなる。このベルト表面38aに
は、図1において示した回転ドラム32のドラム表面3
2aと同様の親水化処理が施されている。更に、無端ベ
ルト38のうち水膜形成手段34によって水が噴霧され
る部分の裏面には、冷媒ローラ(温度調節手段)33a
が設けられており、無端ベルト38と当接している。こ
の冷媒ローラ33aの内部には冷媒が流れ、ベルト表面
38aの温度を所定値に調節・維持できるようになって
いる。
【0039】この例におけるガスハイドレート製造装置
3においては、無端ベルト38のベルト表面38aの複
数箇所に水膜を形成させてガスハイドレートが連続的に
生成されるようにしているので、装置本体30内の容積
に対する面部の面積比を大きくとることができる。すな
わち、限られた装置本体30内の容積の中で、水膜の総
面積を大きくとることができるので、ガスハイドレート
製造装置3全体の小型化に寄与するとともに、低含水率
のガスハイドレートを、大量かつ効率的に連続製造する
ことができる。
【0040】なお、この例においては、冷媒ローラ33
aを用いてベルト表面38aの温度調節を行うこととし
たが、温度調節手段の構成としてはこれに限定されるも
のではない。例えば、無端ベルト38を多層構造として
その間に温度調節手段を挟持するような構成としても差
し支えない。
【0041】また、図1に示したガスハイドレート製造
装置3の更に他の変形例として、図3に示すように、回
転ドラム32の下部側を浸漬させる水浴34cを、水膜
形成手段34に付加するようにしてもよい。この場合に
は、水浴34c及び水噴霧ノズル34aの双方によりド
ラム表面32aに水膜が形成されるので、回転ドラム3
2の回転速度を高めても、より正確な膜厚制御を可能と
できる。
【0042】[第2の実施形態]本発明に係るガスハイ
ドレート製造装置の第2の実施形態について、図4を用
いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なる点
は、水膜形成手段34の構成のみであるので、その他の
第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素に
は、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略する。
この水膜形成手段34は、水浴34cと、水分吸収用ロ
ーラ34dとから構成されている。
【0043】水浴34cは、回転ドラム32の下側に設
けられており、一定量の水が張られて、回転ドラム32
の下部側を浸漬している。この水浴34cは、ドラム表
面32aに水を付着させ、水膜を形成させるものであ
り、水管路35から水が供給されるようになっている。
水分吸収用ローラ34dは、軸線O2回りに回転して、
水浴34cによってドラム表面32aに形成された水膜
のうちの余分な水分を除去し、水膜の膜厚を一定に制御
するものである。この水分吸収用ローラ34dは、図示
しないアクチュエータによって回転ドラム32と反対方
向に回転駆動される。また、水分吸収用ローラ34dの
表面には、紙あるいはスポンジ等の、吸水率の高い材料
が用いられている。
【0044】回転ドラム32が図中R方向に回転する
と、ドラム表面32aには、水浴34cの水が付着して
水膜が形成される。この水膜のうちの余分な水分は、回
転ドラム32と反対方向に回転する水分吸収用ローラ3
4dによって吸収され、これにより水膜の膜厚は一定に
制御される。
【0045】本実施形態に係るガスハイドレート製造装
置3においては、回転ドラム32又は水分吸収用ローラ
34dの回転速度を調節する、あるいは水浴34cの水
位を調節することで、ドラム表面32aへの水の付着量
を調節し、水膜の膜厚を適正値に制御することができ
る。これにより、低含水率のメタンハイドレートを高い
製造効率で連続的に製造することができる。
【0046】[第3の実施形態]本発明に係るガスハイ
ドレート製造装置の第3の実施形態について、図5を用
いて説明する。本実施形態が第1及び第2の実施形態と
異なる点は、水膜形成手段34の構成のみであるので、
その他の第1及び第2の実施形態における構成要素と同
一の構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説
明は省略する。この水膜形成手段34は、水転写用ロー
ラ34eと、水浴(水付与手段)34fと、を備えてい
る。
【0047】水転写用ローラ34eは、軸線O3回りに
回転可能なように装置本体30に支持されており、ドラ
ム表面32aに水を転写するものである。この水転写用
ローラ34eは、図示しないアクチュエータによって回
転ドラム32と反対方向に回転駆動される。水浴34f
は、水転写用ローラ34eの下部側を浸漬させて、水転
写用ローラ34eの表面に水を付与するものであり、水
管路35から水が供給されるようになっている。
【0048】回転ドラム32が図中R方向に回転し、水
転写用ローラ34eが回転ドラム32と反対方向に回転
すると、ドラム表面32aには、水転写用ローラ34e
から水が転写されて水膜が形成される。
【0049】本実施形態に係るガスハイドレート製造装
置3においては、回転ドラム32又は水転写用ローラ3
4eの回転速度を調節する、あるいは水浴34fの水位
を調節して水転写用ローラ34eへの水の付与量を調節
することで、ドラム表面32aに形成される水膜の膜厚
を適正値に制御することができる。これにより、低含水
率のメタンハイドレートを高い製造効率で連続的に製造
することができる。
【0050】次に、上記第1乃至第3の実施形態に係る
ガスハイドレート製造装置に、脱水冷却取出部を組み込
んだ場合の例を、各々図10乃至図12に示す。これら
の場合におけるガスハイドレート製造装置は、図6にお
いて示した脱水装置4、冷却装置5、及び減圧装置6を
一体に組み込んだ形態となっている。
【0051】第1の実施形態に係るガスハイドレート製
造装置3に、脱水冷却取出部40を組み込んだ場合につ
いて、図10を用いて説明する。この図においては、ガ
スハイドレート製造装置3と区別するために、ガスハイ
ドレート製造装置の符号を3Aとする。また、上記第1
の実施形態において示していない構成要素についてのみ
詳細に説明することとし、同一の構成要素には同一の符
号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0052】水膜形成手段34に水を供給する水供給手
段WSは、水管路35、貯水槽35a、水供給ポンプ3
5b及びバルブ35を備えている。水管路35の他端側
は貯水槽35aに連結されており、この貯水槽35a内
から水が水管路35を経由して装置本体30内に導入さ
れることにより、ドラム表面32aに水膜を形成するこ
とができる。水管路35には、水供給ポンプ35bやバ
ルブ35cが配設されており、水噴霧ノズル34aから
の水噴霧量を調節できるようになっている。また、排水
管路30bは貯水槽35aと連結されており、装置本体
30のの底部に溜まった水は、排水口30aから排水管
路30bを経て貯水槽35aへと循環するようになって
いる。
【0053】ガス導入管路31の他端側、すなわち装置
本体30の反対側は、酸性ガス除去装置2で酸性ガスを
除去されたメタンガスを一旦貯蔵しておくためのガス貯
蔵部31aと連結されている。また、ガス導入管路31
には通常のバルブ31b及び流量制御弁31cが配設さ
れており、流量制御弁31は、装置本体30内の圧力を
検出する圧力計30Pによって開度を制御されるように
なっている。すなわち、メタンガス供給源としてのガス
貯蔵部31aからガス導入管路31を経由してメタンガ
スが供給される際に、装置本体30内の圧力を常に一定
値に維持するように制御することができる。
【0054】続いて、脱水冷却取出部40の構成につい
て説明する。この脱水冷却取出部40は、ニップローラ
(脱水手段)41と、加圧ガス導入管路42と、スクリ
ュー押出成型機(圧密冷却手段)43と、を備えてい
る。
【0055】ニップローラ41は、スクレーパ36から
落下してくるメタンハイドレート中の水分を脱水して、
更に低含水率とするものである。このニップローラ41
は、一対のローラが上下方向に複数段設けられたローラ
群より構成されるものであり、メタンハイドレートが各
々一対設けられたローラ間を通過する際に、挟持される
圧縮力で余剰水を脱水する構造のものである。脱水され
た余剰水は、各々のローラ上から両脇、すなわち各ロー
ラの回転軸線の両側方へ排水されるようになっている。
【0056】加圧ガス導入管路42は、装置本体30の
ニップローラ41よりも下側に接続されている。この加
圧ガス導入管42は、装置本体30内に、メタンガスハ
イドレートの形成物質であるメタンガスを押し込んで供
給するものであり、ニップローラ46で脱水しきれなか
った余剰水とメタンガスとを水和反応させて、メタンハ
イドレートを生成させるためのものである。
【0057】加圧ガス導入管路42より下側である装置
本体30の下部には、スクリュー押出成形機43が設け
られている。このスクリュー押出成形機43は、ケーシ
ング(図示省略)内部に設けられたスクリュー44と、
このスクリュー44の駆動手段であるモータ44Mと、
スクリュー44により圧送されるメタンハイドレートを
冷却する手段としての冷却ジャケット45と、圧密・冷
却状態とされたメタンハイドレートを所定の形状に切り
分ける切断手段46と、を備えている。なお、ケーシン
グには、メタンハイドレートをスクリュー押出成形機4
3内へと導入するスクリュー入口44aと、スクリュー
44により圧送されてきたメタンハイドレートを外部へ
押し出すためのスクリュー出口44bとが形成されてい
る。
【0058】スクリュー44は、モータ44Mで回転さ
れることにより、スクリュー入口44aから導入したメ
タンハイドレートを押出方向(図中の左から右方向)へ
圧送する機能を有している。なお、このスクリュー押出
成形機43は、スクリュー44が1本の単軸のものを採
用してもよいし、あるいは、スクリュー44が2本以上
ある複数軸のものを採用してもよい。また、ケーシング
には、スクリュー出口44bに至るまでの間に、ケーシ
ングの断面形状を徐々に小さくして絞る圧密成形部44
cが形成されている。
【0059】スクリュー押出成形機43のスクリュー出
口44b付近には、圧密成形されたメタンハイドレート
を冷却するための、冷却ジャケット45が設けられてい
る。この冷却ジャケット45は、スクリュー出口44b
から圧密成形部44c及びケーシングの外周を覆うよう
に取り付けられている。
【0060】また、スクリュー出口44bには、連続し
て大気圧下に押し出される長尺のメタンハイドレートの
成形体を所定の長さに切るとともに、スクリュー出口4
4bを密閉可能な切断手段46が設けられている。この
切断手段46としては、たとえばスクリュー出口44b
に沿って上下動するカッター等を採用でき、メタンハイ
ドレート成形体を貯蔵や搬送に適した長さに切断するこ
とが可能になる。このような貯蔵及び搬送を考慮する
と、スクリュー出口44bの断面形状は、円形、楕円形
及び多角形などよりもむしろ矩形とするのが好ましい。
これは、スクリュー出口44bを矩形断面とすること
で、長い直方体状のメタンハイドレートの成形体が連続
して押し出されてくるので、これを適当な長さに切断す
れば適度な大きさの直方体や立方体となり、無駄な空間
を出すことなく積み重ねて貯蔵及び搬送することが可能
になるからである。
【0061】次に、上述したガスハイドレート製造装置
の動作について説明する。回転ドラム32は図中R方向
に回転しながら、水膜形成手段34によりドラム表面3
2aに適正膜圧の水膜が形成され、この水膜が装置本体
30内のメタンガスと水和反応して、ドラム表面には低
含水率のメタンハイドレートが生成される。このメタン
ハイドレートは、回転ドラム32の回転に伴い、スクレ
ーパ36でドラム表面から削ぎ落とされ、ニップローラ
41へと供給される。ここで、メタンハイドレートは機
械的に脱水されて、更に低含水率とされる。そして、加
圧ガス導入管路42から加圧したメタンガスが供給さ
れ、ニップローラ46で脱水しきれなかった余剰水とこ
のメタンガスとを水和反応させて、メタンハイドレート
を生成させる。こうして、必要最低限まで含水率を低下
されたメタンハイドレートは、スクリュー入口44aか
らスクリュー押出成型機43へと導入される。
【0062】スクリュー押出成型機43に導入されたメ
タンハイドレートは、スクリュー44の回転によって徐
々に圧送されるとともに、冷却ジャケット45によって
徐々に所定温度(−30℃程度)まで冷却されていく。
この結果、圧送及び冷却されたメタンハイドレートは、
圧密されるとともに出口断面形状に成形された長尺直方
体状の圧密成形体となって、スクリュー出口44bから
連続的に大気圧下に送り出される。そして、切断手段4
6によって所定の長さに切断されて直方体状に切り揃え
られ、製品ガスハイドレートGHとして搬送手段60に
よって搬送され、低温状態のうちにコンテナ等の容器に
封入され、図示しない貯蔵装置内にて貯蔵される。
【0063】このように、メタンハイドレートはスクリ
ュー押出成形機43で圧密成形され、さらに冷却ジャケ
ット45で冷却されて、スクリュー出口44bの断面形
状を有するメタンハイドレート成形体として、すなわち
メタンハイドレートの粉体を押し固めた長尺の成形体と
して、大気圧下に連続して取り出すことが可能となる。
また、冷却ジャケット45により、−30℃程度まで冷
却されるので、大気圧下に取り出しても直ちに分解する
心配のない製品ガスハイドレートGHとなる。こうして
得られた製品ガスハイドレートGHは、スラリー状や粉
体状の場合と比較して取扱いが容易であるばかりか、空
気を含む粉体の約半分の容積となり、また、貯蔵装置内
やコンテナ等の容器内においても無駄な空間を形成する
ことなく、効率よく積み重ねることができる。
【0064】このガスハイドレート製造装置3Aにおい
ては、脱水冷却取出部40によって、ドラム表面32a
から除去されたメタンハイドレートを脱水、圧送及び冷
却して圧密成形体とし、この圧密成形体を切断して製品
ガスハイドレートGHが得られるようにしている。この
ため、メタンハイドレートを製造してから製品ガスハイ
ドレートGHとするまでを、ガスハイドレート製造装置
3Aで行うことができ、これまで必要であった脱水装
置、冷却装置及び減圧装置を不要、もしくは規模を小さ
くすることができる。
【0065】なお、上記第1の実施形態における二つの
変形例として図2及び図3に示したガスハイドレート製
造装置3も、このガスハイドレート製造装置3Aに適用
できることはもちろんである。
【0066】また、上記第2の実施形態に係るガスハイ
ドレート製造装置3に脱水冷却取出部40を組み込んだ
場合の、ガスハイドレート製造装置3Aを図11に、上
記第3の実施形態に係るガスハイドレート製造装置3に
脱水冷却取出部40を組み込んだ場合の、ガスハイドレ
ート製造装置3Aを図12に、各々示す。これらの場合
において、図10に示したガスハイドレート製造装置3
Aと異なる点は、水管路35が各々水浴34cあるいは
水浴34fと連結されている点のみであるため、説明は
省略する。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るガス
ハイドレート製造装置においては、低含水率のガスハイ
ドレートを製造し、後工程での脱水作業を大幅に簡略化
して貯蔵効率や輸送効率を向上させるとともに、ガスハ
イドレートの製造効率を向上させて運転コストを抑制す
ることができる、ガスハイドレート製造装置を提供する
ことができる。また、こうしたガスハイドレート製造装
置に、脱水手段と圧密冷却手段とを備えた脱水冷却取出
部を組み込むようにすれば、脱水装置、冷却装置及び減
圧装置を不要、もしくは規模を小さくすることができ、
一連の工程における装置構成を簡易なものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るガスハイドレート製造装置の
第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 同第1の実施形態の他の例を示す概略構成
図である。
【図3】 同第1の実施形態の更に他の例を示す概略
構成図である。
【図4】 本発明に係るガスハイドレート製造装置の
第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図5】 本発明に係るガスハイドレート製造装置の
第3の実施形態を示す概略構成図である。
【図6】 天然ガスを製品ガスハイドレートとするま
での一連の装置構成を示すブロック図である。
【図7】 ガスハイドレートの生成平衡線図である。
【図8】 気液界面においてガスハイドレートが生成
される様子を示す模式図である。
【図9】 ドラム表面においてガスハイドレートが生
成される様子を示す模式図である。
【図10】 第1の実施形態に係るガスハイドレート
製造装置に脱水冷却取出部を組み込んだ場合の一例を示
す概略構成図である。
【図11】 第2の実施形態に係るガスハイドレート
製造装置に脱水冷却取出部を組み込んだ場合の一例を示
す概略構成図である。
【図12】 第3の実施形態に係るガスハイドレート
製造装置に脱水冷却取出部を組み込んだ場合の一例を示
す概略構成図である。
【図13】 ガスハイドレートの分子構造を示す図で
ある。
【図14】 従来のガスハイドレート製造装置の一例
を示す概略構成図である。
【符号の説明】
3、3A ガスハイドレート製造装置 30 装置本体 31 ガス導入管路(ガス導入手段) 32 回転ドラム(面移動手段) 32a ドラム表面(面部) 33 冷媒(温度調節手段) 34 水膜形成手段 34a 水噴霧ノズル 34b スリット 34c 水浴 34d 水分吸収用ローラ 34e 水転写用ローラ 34f 水浴(水付与手段) 36 スクレーパ(ガスハイドレート除去手段) 37a、37b 回転軸体 38 無端ベルト 38a ベルト表面(面部) 40 脱水冷却取出部 41 ニップローラ(脱水手段) 43 スクリュー押出成型機(圧密冷却手段) 45 冷却ジャケット GH 製品ガスハイドレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 5/00 C07C 7/20 7/20 9/04 9/04 F17C 11/00 B F17C 11/00 C07B 61/00 C // C07B 61/00 63/02 B 63/02 C10L 3/00 A (72)発明者 江間 晴彦 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 渡部 正治 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 近藤 雄一 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 藤田 尚義 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 木村 隆宏 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 遠藤 仁 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 3E072 EA10 4G075 AA23 BA10 BB05 BB07 BD13 BD26 CA03 CA05 CA65 CA66 DA01 DA12 DA13 EC01 EC09 EC12 ED03 ED04 ED09 ED11 FB01 FC20 4H006 AA05 AC93 BD81 BE60

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドレート形成物質を含むガスを水
    和させてガスハイドレートを生成するためのガスハイド
    レート製造装置であって、 装置本体と、 ハイドレート形成物質を含むガスを該装置本体内に導入
    するガス導入手段と、 親水性の面部を有し該面部を前記装置本体内で移動させ
    る面移動手段と、 前記面部に水膜を形成させる水膜形成手段と、 前記水膜と前記ハイドレート形成物質を含むガスとが水
    和して生成されたガスハイドレートを前記面部から除去
    するガスハイドレート除去手段と、 を備えたことを特徴とするガスハイドレート製造装置。
  2. 【請求項2】 前記面移動手段を、前記装置本体内で
    回転する回転ドラムにより構成し、 前記面部を、前記回転ドラムの外面としたことを特徴と
    する請求項1に記載のガスハイドレート製造装置。
  3. 【請求項3】 前記面移動手段を、前記装置本体内で
    回転する複数の回転軸体と、これら回転軸体間に掛け渡
    される無端ベルトにより構成し、 前記面部を、前記無端ベルトの外面としたことを特徴と
    する請求項1に記載のガスハイドレート製造装置。
  4. 【請求項4】 前記面移動手段は、前記面部を所定温
    度に調節する温度調節手段を備えていることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載のガスハイドレート製
    造装置。
  5. 【請求項5】 前記水膜形成手段は、 水を霧状にして前記面部に噴霧する水噴霧ノズルと、 噴霧された水を部分的に遮り前記面部への水の付着量を
    変化させるスリットと、 を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のガスハイドレート製造装置。
  6. 【請求項6】 前記水膜形成手段は、 前記面部のうちの少なくとも一部分を水中に浸す水浴
    と、 該水浴によって前記面部に形成された水膜のうちの余分
    な水分を吸収する水分吸収用ローラと、 を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載のガスハイドレート製造装置。
  7. 【請求項7】 前記水膜形成手段は、 前記面部に水を転写して水膜を形成させる水転写用ロー
    ラと、 該水転写ローラに水を付与する水付与手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載のガスハイドレート製造装置。
  8. 【請求項8】 前記面部から除去されたガスハイドレ
    ートを脱水する脱水手段と、 脱水されたガスハイドレートを圧縮するとともに冷却し
    て圧密成形体とする圧密冷却手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
    載のガスハイドレート製造装置。
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