JP2001348484A - 繊維加工用組成物および繊維加工方法 - Google Patents

繊維加工用組成物および繊維加工方法

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JP2001348484A
JP2001348484A JP2000171133A JP2000171133A JP2001348484A JP 2001348484 A JP2001348484 A JP 2001348484A JP 2000171133 A JP2000171133 A JP 2000171133A JP 2000171133 A JP2000171133 A JP 2000171133A JP 2001348484 A JP2001348484 A JP 2001348484A
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protein
fiber
fiber processing
aqueous solution
chitosan
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JP2000171133A
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Misao Fujiwara
操 藤原
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MARUSHO KK
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MARUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性・防臭性、吸湿性、風合・感触、バル
ク感、着心地などの性質がすぐれおり、しかも、耐洗濯
性が飛躍的に向上しているので、これらの性質が長期に
わたり失われがたい繊維加工用組成物を提供すること、
およびその繊維加工用組成物を用いた繊維加工方法を提
供することを目的とする。 【解決手段】 加水分解蛋白質シリル化物(A) 、蛋白質
(B) およびキトサン(C)を必須成分として含有する水溶
液からなる繊維加工用組成物である。また、その組成物
を用いて繊維を加工する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維に、耐久性の
ある抗菌性・防臭性、吸湿性、風合・感触、バルク感、
着心地などの性質を付与することのできる繊維加工用組
成物に関するものである。また、その組成物を用いて繊
維を加工する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維処理方法として、以下に例示するよ
うに、蛋白質系物質を含む処理剤で処理する方法、セリ
シン(絹に含有される成分)を含む処理剤で処理する方
法、セリシンとキトサンとを含む処理剤で処理する方
法、キトサンとコラーゲンとを含む処理剤で処理する方
法などが知られている。
【0003】(イ)特開平9−158047号公報に
は、セルロース系繊維の表面に、アミノ酸側鎖のアミノ
基を含むペプチドのアミノ基にケイ素原子をただ一つ含
む官能基が共有結合したシリル化ペプチドを結合させる
ようにしたセルロース系繊維の表面処理方法が示されて
いる。この処理により、セルロース系繊維の表面に永続
性のある蛋白質系繊維のような風合、感触および滑らか
さを付与することができる。
【0004】(ロ)特許第2588445号(特開平4
−202855号公報)には、セリシン水溶液と固着剤
よりなる溶液を処理液として合成繊維を処理する合成繊
維の改質加工方法が示されている。セリシンは、絹繊維
に含有される成分である。固着剤の例は、アルデヒド
類、重金属塩類、タニタン、合成樹脂(メラミン、エポ
キシ、エステル)、塩化シアヌールなどである。この加
工により、合成繊維に吸湿性、静電性の機能が付与され
る。
【0005】(ハ)特開平9−158048号公報に
は、構成単繊維の少なくとも一部が凹部を有する断面形
状をもつフィラメント糸からなるマルチフィラメント糸
もしくはそれから得られた紡績糸からなり、かつ少なく
とも該凹部に脱アセチル化キチンとセリシンとからなる
複合体が固着してなる機能性繊維製品が示されている。
この機能性繊維製品は、吸水性や吸湿性が高く、洗濯耐
久性にすぐれた抗菌性、抗カビ性、防臭性を有し、かつ
風合が良好であるとしている。
【0006】(ニ)特開平7−229064号公報に
は、キトサンおよびポリペプチドを媒質中に含有させた
繊維処理剤で処理した繊維材料及び繊維製品が示されて
おり、シリコン、ウレタン等の反応性樹脂を含有させて
もよいとの記載もある。ポリペプチドの例は、コラーゲ
ンや絹蛋白(絹フィブロイン)である。反応性樹脂とし
て実施例で使われているものは、アミノシリコン、水性
ウレタン、親水シリコンオイルである。なお、ここで言
う「シリコン」は、正確には「シリコーン(silicone)」
のことである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記(イ)のセルロー
ス系繊維の表面処理方法は、風合、感触、滑らかさの付
与に着目しているが、抗菌性・防臭性については特別の
顧慮が払われていない。上記(ロ)の合成繊維の改質加
工方法は、合成繊維に吸湿性、静電性の機能を付与しよ
うとするものであって、やはり抗菌性・防臭性について
は特別の顧慮が払われていない。
【0008】上記(ハ)の機能性繊維製品は、吸水性や
吸湿性、風合に加えて、洗濯耐久性(実施例では洗濯耐
久性は洗濯10回で評価している)にすぐれた抗菌性、
抗カビ性、防臭性を付与することを目的としているが、
繊維に脱アセチル化キチン(キトサンのこと)とセリシ
ンとが付着しているだけなので(ゼラチン、合成ペプチ
ド、その他のバインダー的機能を持つ成分を共存させて
もよいとの記載はあるが)、本質的には耐洗濯性が充分
であるとは言い難く、たとえ抗菌性は維持できても、他
の性質は充分には維持し難い。この(ハ)においては、
フィラメントの凹部に、凹部を有しない場合に比し2〜
100倍もの重量のキトサンとセリシンとの複合体の厚
い皮膜を形成して、洗濯による皮膜の消失時間を長引か
せているのであり、付着力自体は本質的には小さいと見
るべきである。
【0009】上記(ニ)の繊維材料及び繊維製品は、染
色性、染着性を向上させると共に、保湿、殺菌、防臭を
達成することを目的としているが(実施例では洗濯耐久
性は洗濯10回で評価している)、アミノシリコン、水
性ウレタン、親水シリコンオイルのような反応性樹脂を
併用しても、本質的には、キトサンおよびポリペプチド
に対し単にバインダー機能を果たさせるだけであり、耐
洗濯性にはおのずから限界がある。
【0010】本発明は、このような背景下において、抗
菌性・防臭性、吸湿性、風合・感触、バルク感、着心地
などの性質がすぐれおり、しかも、耐洗濯性が飛躍的に
向上しているので、これらの性質が長期にわたり失われ
がたい繊維加工用組成物を提供すること、およびその繊
維加工用組成物を用いた繊維加工方法を提供することを
目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維加工用組成
物は、加水分解蛋白質のシリル化物(A) 、蛋白質(B)お
よびキトサン(C) を必須成分として含有する水溶液から
なることを特徴とするものである。
【0012】本発明の繊維加工方法は、加水分解蛋白質
のシリル化物(A) 、蛋白質(B) およびキトサン(C) を必
須成分として含有する水溶液からなる繊維加工用組成物
を用いて、繊維を処理することを特徴とするものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0014】《繊維加工用組成物》 〈基本の組成〉本発明の繊維加工用組成物は、加水分解
蛋白質のシリル化物(A) 、シルク由来の蛋白質(B) およ
びキトサン(C) を必須成分として含有する水溶液からな
る。
【0015】〈加水分解蛋白質シリル化物(A) 〉加水分
解蛋白質シリル化物(A) としては、加水分解蛋白質と、
その加水分解蛋白質中の活性基と反応しうるシリル化剤
との反応物が用いられる。
【0016】ここで加水分解蛋白質としては、各種の蛋
白質を酸、アルカリまたは酵素で加水分解した加水分解
蛋白質を用いることができる(酵素処理により低分子化
したものも、ここに言う加水分解蛋白質に含まれるもの
とする)。特に好ましいものは、コラーゲン、ゼラチ
ン、ケラチン、絹フィブロイン、セリシン、カゼイン、
卵黄蛋白、卵白蛋白、大豆蛋白などの加水分解物であ
る。
【0017】シリル化剤としては、シランカップリング
剤、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、フル
オロアルキルシランなどがあげられる。これらの中で特
に好ましいものはシランカップリング剤であり、殊に次
の化1で表わされる化合物が好適である。なお化1にお
いて、R1, R2, R3のうち少なくとも1つはアルコキシ
基、水酸基またはハロゲン原子、残りはアルキル基、ア
ルコキシ基、水酸基またはハロゲン原子、a は1または
3である。
【0018】
【化1】
【0019】上述の加水分解蛋白質のシリル化物(A) に
ついては、先に従来の技術の項で述べた特開平9−15
8047号公報にも詳しい説明がある。
【0020】〈蛋白質(B) 〉蛋白質(B) としては、好適
には、絹フィブロイン、セリシン、カゼイン、ケラチ
ン、ゼラチン、卵黄蛋白、卵白蛋白、大豆蛋白などがあ
げられ、特に絹フィブロインおよびセリシンが重要であ
る。蛋白質(B) は、本発明の繊維加工用組成物が水溶液
(厳密な意味の水溶液でなく事実上の水溶液であっても
よい)であることから、加水分解処理や発酵処理などに
より低分子化した水可溶性グレードのものを用いるべき
である。
【0021】〈キトサン(C) 〉キトサン(C) としては、
その1重量%濃度の水溶液における粘度が200cps程
度以下、好ましくは100cps 以下、さらに好ましくは
50cps 以下、なかんずく30cps 以下の低分子量キト
サンが好適に用いられる。低分子量キトサンは抗菌性が
すぐれているからである。下限は5cps 程度までであ
る。キトサン(C)は水に溶解しがたいことが多いので、
通常は、乳酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、
シュウ酸、コハク酸、塩酸、スルファミン酸をはじめと
する酸性物質の水溶液に溶解して水溶液とする。
【0022】〈各成分の割合〉加水分解蛋白質のシリル
化物(A) 、蛋白質(B) およびキトサン(C) の割合は、こ
れらの合計量を100重量%とするとき、この順に、4
0〜95重量%、4〜30重量%、1〜30重量%とす
ることが望ましい。このような割合においてバランスの
とれた性質および耐久性が得られるからである。より好
ましい割合は、上記の順に、40〜90重量%、7〜3
0重量%、3〜30重量%である。
【0023】〈他の成分〉本発明の組成物には、上記の
必須成分のほか、天然物由来の抗菌性成分や抗アレルギ
ー成分を少量含有させることが望ましい。このような天
然物由来の成分の例は、シコンエキス、オウバクエキ
ス、ティートリーオイル、ヒノキオイル、ヒノキチオー
ル、アロエエキス、カッコンエキス、オドリギソウエキ
ス、カンゾウエキス、コンフリーエキスなどである。
【0024】特にシコンエキスの少量の含有は、青味付
け作用があるので増白効果も得られるという利点が加わ
る。
【0025】本発明の組成物には、必要に応じて、pH
調節剤ないし可溶化剤(酸性物質等)を含有させること
ができる。また、バインダー(合成樹脂系バインダー
等)、柔軟剤、カチオン化剤などの助剤を含有させるこ
ともできるが、本発明においては、これらの量を著減さ
せてもあるいはこれらを含有させなくても、充分に好ま
しい結果が得られる。特に綿製品などの柔軟加工につい
ては、従来のように通常の柔軟剤を使用しなくても柔軟
性、風合・感触、バルク感、着心地が得られるので、肌
に対する健康効果上好ましい。
【0026】〈固形分含量〉本発明の組成物の固形分含
量は任意に設定できるが、輸送や保管の関係上、ある程
度の濃さ、たとえば固形分で5〜10重量%程度の水溶
液とし、後述の繊維加工に供するときに水で数倍ないし
数10倍に希釈して用いるようにするのが実際的であ
る。
【0027】《繊維加工方法》上記の繊維加工用組成
物、すなわち、加水分解蛋白質のシリル化物(A) 、蛋白
質(B) およびキトサン(C) を必須成分として含有する水
溶液を用いて繊維の加工がなされる。
【0028】繊維として特に好ましいものは、セルロー
スまたはセルロース誘導体系の繊維(綿、麻、イ草、レ
ーヨン等)、ビニルアルコール系合成繊維(ポリビニル
アルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体合成
繊維等)に代表されるような、水酸基を有する高分子か
らできた繊維であり、これらの水酸基を有する高分子か
らできた繊維を混紡、混抄、混織、交織、混撚などの形
で一部用いた繊維を用いることも好ましい。また水酸基
を有する高分子からできた繊維のほか、アクリル、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタンをはじめとする
合成高分子からできた繊維にも適用可能である。
【0029】繊維の形態は任意であり、たとえば、原繊
維ないし単繊維、各種の糸(マルチフィラメント糸、モ
ノフィラメント糸、紡績糸、紡毛糸等)、パイル、わ
た、織布、不織布、編布、植毛布、ロープ、網、紙、パ
ルプ、畳表、フィルムを割裂したものなどのいずれであ
ってもよい。すなわち繊維とは、各種形態にある繊維製
品を包含する概念であるとする。
【0030】繊維製品の処理は、オイリング工程、染色
工程前後の処理工程、晒工程後の処理工程などで行うこ
とが多い。繊維製品の処理は、織布、不織布、編布、植
毛布などの段階、さらにはシーツや衣服等にした最終製
品の段階で行うこともできる。
【0031】このときには、上記の水溶液に繊維製品を
浸漬した後、マングルやパッド方式にて所定の絞り率に
まで絞ると共に、加熱処理により定着を行うことが望ま
しい。加熱温度は、加熱時間にもよるが、60〜110
℃程度、好ましくは70〜100℃程度、殊に80〜1
00℃程度が適当である。場合によっては、浸漬法に代
えて、スプレー法、コーティング法などの方法を採用す
ることもできるが、このときにも処理後に熱風の吹き付
けなどの加熱処理を行うことが望ましい。加熱処理後
は、たとえば40〜60℃程度の温水により洗浄を行っ
て、未反応ないし未定着の成分を除去することが望まし
い。
【0032】上記組成物のうち、繊維に対する加水分解
蛋白質のシリル化物(A) 、蛋白質(B) およびキトサン
(C) の合計付着量は、繊維重量に対し、 0.1〜10重量
%程度、好ましくは 0.3〜7重量%程度、殊に 0.5〜5
重量%程度とすることが多い。
【0033】〈作用〉本発明の繊維加工用組成物を用い
て繊維加工を行ったときの機構については、明らかでは
ないものの、モデル的には次のようなものであると推測
している。 1.加水分解蛋白質のシリル化物(A) のうち、Siに結
合したOH基などの反応性基が繊維の官能基に強く結合
反応し、加水分解蛋白質の側が外側に位置する。 2.上記1のように繊維表面に結合反応した加水分解蛋
白質シリル化物(A) の加水分解蛋白質の側に、同様の化
学構造を有する蛋白質(B) が親和力により引き寄せられ
て強く結合する。また蛋白質(B) 自身も、繊維表面に弱
く結合する。 3.上記1のように繊維表面に結合反応した加水分解蛋
白質シリル化物(A) のSiに結合した残りのOH基など
の反応性基に、キトサン(C) の多糖構造の部分の官能基
が結合反応すると共に、キトサン(C) のNH2 基の側が
繊維表面に結合する。 4.このようにして、これら加水分解蛋白質シリル化物
(A) 、蛋白質(B) 、キトサン(C) の3者が、これらのう
ち2者の組み合わせでは実現しえない結合を形成し、全
体として繊維に対し強固な結合力を発揮し、抗菌性・防
臭性、吸湿性、風合・感触、バルク感、着心地の点です
ぐれた耐久性(耐洗濯性)を発揮する。
【0034】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下、「部」、「%」とあるのは重量基準で表わし
たものである。なお、「その他の助剤」とはPH調整剤
のような少量成分である。
【0035】実施例1〜2、比較例1〜4 (処方1/実施例1)下記の処方の水溶液を調製した。
全体の固形分含量は約 5.1%である。 ・加水分解蛋白質のシリル化物(A) の一例としての3−
グリシドキシプロピルメチルジヒドロキシシランを付加
した加水分解コラーゲン(A1)の10%水溶液:35部 ・蛋白質(B) の一例としてのシルク由来の絹フィブロイ
ン(B1)の5%水溶液:25部 ・キトサン(C) の一例としての1%水溶液における粘度
が5〜20cps の低分子量キトサン(C1)の濃度 1.0%の
乳酸酸性水溶液):35部 ・シコンエキスの50%水溶液:1部 ・その他の助剤の5%濃度の水溶液または水分散液:4
【0036】(処方2/実施例2)下記の処方の水溶液
を調製した。全体の固形分含量は約 5.4%である。 ・加水分解蛋白質のシリル化物(A) の一例としての3−
グリシドキシプロピルメチルジヒドロキシシランを付加
した加水分解コラーゲン(A1)の10%水溶液:45部 ・蛋白質(B) の一例としてのシルク由来のセリシン(B2)
の5%水溶液:10部 ・キトサン(C) の一例としての1%水溶液における粘度
が5〜20cps の低分子量キトサン(C1)の濃度 1.0%の
乳酸酸性水溶液):40部 ・シコンエキスの50%水溶液:1部 ・その他の助剤の5%濃度の水溶液または水分散液:4
【0037】(処方3/比較例1)下記の処方の水溶液
を調製した。固形分含量は約 1.6%である。 ・蛋白質(B) の一例としてのシルク由来の絹フィブロイ
ン(B1)の5%水溶液:25部 ・キトサン(C) の一例としての1%水溶液における粘度
が5〜20cps の低分子量キトサン(C1)の濃度 1.0%の
乳酸酸性水溶液):35部 ・シコンエキスの50%水溶液:1部 ・その他の助剤の5%濃度の水溶液または水分散液:4
部 ・水:35部
【0038】(処方4/比較例2)下記の処方の水溶液
を調製した。固形分含量は約 0.9%である。 ・蛋白質(B) の一例としてのシルク由来のセリシン(B2)
の5%水溶液:10部 ・キトサン(C) の一例としての1%水溶液における粘度
が5〜20cps の低分子量キトサン(C1)の濃度 1.0%の
乳酸酸性水溶液):40部 ・シコンエキスの50%水溶液:1部 ・その他の助剤の5%濃度の水溶液または水分散液:4
部 ・水:45部
【0039】(処方5/比較例3)下記の処方の水溶液
を調製した。固形分含量は約 4.9%である。 ・加水分解蛋白質のシリル化物(A) の一例としての3−
グリシドキシプロピルメチルジヒドロキシシランを付加
した加水分解コラーゲン(A1)の10%水溶液:45部 ・キトサン(C) の一例としての1%水溶液における粘度
が5〜20cps の低分子量キトサン(C1)の濃度 1.0%の
乳酸酸性水溶液):40部 ・シコンエキスの50%水溶液:0.25部 ・その他の助剤の5%濃度の水溶液または水分散液:4
部 ・水: 10.75部
【0040】(処方6/比較例4)下記の処方の水溶液
を調製した。固形分含量は約 5.0%である。 ・加水分解蛋白質のシリル化物(A) の一例としての3−
グリシドキシプロピルメチルジヒドロキシシランを付加
した加水分解コラーゲン(A1)の10%水溶液:45部 ・蛋白質(B) の一例としてのシルク由来のセリシン(B2)
の5%水溶液:10部 ・シコンエキスの50%水溶液:0.25部 ・その他の助剤の5%濃度の水溶液または水分散液:4
部 ・水: 40.75部
【0041】(処方のまとめ)上記処方1〜6における
主成分をまとめると、下記の表1のようになる。部数お
よび含有量の単位は重量部、濃度は重量%を小数表示し
たものである。含有量計は、成分(A), (B), (C) の含有
量の合計である。
【0042】
【表1】 処方1/ 処方2/ 処方3/ 処方4/ 処方5/ 処方6 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 成分(A) 種類 (A1) (A1) - - (A1) (A1) 部数 35 45 45 45 濃度 0.10 0.10 0.10 0.10 含有量 3.5 4.5 4.5 4.5 成分(B) 種類 (B1) (B2) (B1) (B2) - (B2) 部数 25 10 25 10 10 濃度 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 含有量 1.25 0.5 1.25 0.5 0.5 成分(C) 種類 (C1) (C1) (C1) (C1) (C1) - 部数 35 40 35 40 40 濃度 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 含有量 0.35 0.4 0.35 0.4 0.4 含有量計 5.1 5.4 1.6 0.9 4.9 5.0 (A)% 68.6 83.3 - - 91.8 90.0 (B)% 24.5 9.3 78.1 55.6 - 10.0 (C)% 6.9 7.4 21.9 44.4 8.2 -
【0043】〈繊維加工〉上述の処方1〜6の水溶液を
水で20倍に希釈してから、浸漬槽に入れ、木綿製の長
尺の編物(木綿晒のみのメリヤス生地)の処理を行っ
た。このときの処理工程を図1(イ)、(ロ)に示す。
図中、(1) は浸漬槽、(2) は絞りローラ、(3) は乾燥
機、(4) は水洗槽、(5) は絞りローラ、(6) は乾燥機で
ある。ただし、この試験においては図1(イ)または
(ロ)に従い、処理条件は次のように設定した。
【0044】(処理条件1) ・図1(イ) ・パッドの浴比:編物1部に対し処理液30部(浸漬槽
(1) ) ・ニップの絞り率:110%(絞りローラ(2), (5)共) ・乾燥条件:90℃×3分間(乾燥機(3), (6)共) ・水洗い:50℃の温水で湯洗(水洗槽(4) ) (処理条件2) ・図1(ロ) ・パッドの浴比:編物1部に対し処理液30部(浸漬槽
(1) ) ・ニップの絞り率:110%(絞りローラ(2) ) ・乾燥条件:90℃×3分間(乾燥機(3) ) ・水洗い:なし
【0045】(抗菌性試験)下記の条件で抗菌性試験を
行った。試験結果1は実施例1〜2、試験結果2は比較
例1〜4ついてのものである(試験日が異なるため)。 ・試験菌株:黄色ぶどう状菌 Staphylococcus aureus A
TCC 6538P ・試験方法:統一試験方法マニュアル(繊維製品新機能
評価協議会)による(但し、洗濯方法はJIS L 0217 103
号の試験方法による(洗剤はJAFET 標準洗剤を使用)。 ・試験結果1 植菌数[A] 2.0×104 log A 4.3 無加工布菌数[B] 1.2×107 log B 7.1 (無加工布は標
準綿布を使用) log B - log A = 2.8 > 1.5 (試験は有効) 殺菌活性値 = log A - log C 静菌活性値 = log B - log C ・試験結果2 植菌数[A] 1.5×104 log A 4.2 無加工布菌数[B] 1.6×107 log B 7.2 (無加工布は標
準綿布を使用) log B - log A = 3.0 > 1.5 (試験は有効) 殺菌活性値 = log A - log C 静菌活性値 = log B - log C
【0046】この抗菌性試験は、上記の処理後の編物
と、それを30回洗濯した後の編物について行った。洗
濯条件は次の通りである。
【0047】(結果)抗菌性試験の結果を表2および表
3に示す。なお比較例4については、抗菌性が著しく劣
るので、表3にはあげていない。
【0048】
【表2】 菌数 log C 殺菌活性値 静菌活性値 実施例1 洗濯0回 2.3 2.0 4.8 洗濯10回 2.3 2.0 4.8 洗濯20回 2.3 2.0 4.8 洗濯30回 2.6 1.7 4.5 実施例2 洗濯0回 2.3 2.0 4.8 洗濯10回 2.3 2.0 4.8 洗濯20回 2.3 2.0 4.8 洗濯30回 2.6 1.7 4.5 (備考)処理条件1、試験結果1
【0049】
【表3】 菌数 log C 殺菌活性値 静菌活性値 比較例1 洗濯0回 7.1 -2.9 0.1 洗濯20回 2.4 1.8 4.8 比較例2 洗濯0回 7.1 -2.9 0.1 洗濯20回 2.4 1.8 4.8 比較例3 洗濯0回 6.8 -2.6 0.4 洗濯20回 2.4 1.8 4.8 (備考)処理条件2、試験結果2
【0050】(各種評価)上記の抗菌性試験のほか、洗
濯20回後の吸湿性、風合・感触(肌触り性)、バルク
感の評価を行い、総合的な効果を評価した。評価は、好
ましいものの順に○、□、△、×の4段階で判定した。
結果を表4に示す。
【0051】
【表4】 抗菌性 吸湿性 肌触り性 バルク感 総合評価 実施例1 ○ ○ ○ ○ ○ 実施例2 ○ ○ ○ ○ ○ 原反編物 × △ × × × 比較例1 □ □ △ △ □〜△ 比較例2 □ × × × △〜× 比較例3 □ □ □ ○ □ 比較例4 × ○ □ ○ □
【0052】(抗菌性試験)実施例1については、綿タ
オルを用いて、さらに下記の条件で抗菌性試験を行っ
た。抗菌性試験の結果を表5に示す。 ・試験菌株:肺炎桿菌 Klebsiella pneumoniae ATCC 43
52 ・試験方法:統一試験方法マニュアル(繊維製品新機能
評価協議会)による(但し、洗濯方法はJIS L 0217 103
号の試験方法による(洗剤はJAFET 標準洗剤を使用)。 ・試験結果 植菌数[A] 1.4×104 log A 4.1 無加工布菌数[B] 4.6×107 log B 7.7 (無加工布は標
準綿布を使用) log B - log A = 3.6 > 1.5 (試験は有効) 殺菌活性値 = log A - log C 静菌活性値 = log B - log C
【0053】
【表5】 菌数 log C 殺菌活性値 静菌活性値 洗濯0回 3.3 0.8 4.4 洗濯10回 3.3 0.8 4.4
【0054】
【発明の効果】加水分解蛋白質シリル化物(A) 、蛋白質
(B) およびキトサン(C) を必須成分として含有する水溶
液からなる本発明の繊維加工用組成物を用いて繊維加工
を行えば、抗菌性試験の点で卓越した効果が得られる。
抗菌性がすぐれていることは、防臭性もすぐれているこ
とを意味する。また、吸湿性、風合・感触、バルク感、
着心地の点でも、極めて好ましい効果が奏される。
【0055】加えて、本発明によれば、耐洗濯性が飛躍
的に向上しているので、抗菌性・防臭性、吸湿性、風合
・感触、バルク感、着心地などの性質が長期にわたり失
われがたい。このような耐久性は、繊維と上記の3成分
(A), (B)および(C) との相互作用およびこれら3成分
(A), (B), (C) 間の相互作用により奏されるものであ
り、これらのうち2成分の組み合わせを用いたのでは、
本発明のようなすぐれた耐久性は期待できない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維加工方法における処理工程の例を
示した工程図である。
【符号の説明】
(1) …浸漬槽、 (2) …絞りローラ、 (3) …乾燥機、 (4) …水洗槽、 (5) …絞りローラ、 (6) …乾燥機

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加水分解蛋白質シリル化物(A) 、蛋白質
    (B) およびキトサン(C) を必須成分として含有する水溶
    液からなることを特徴とする繊維加工用組成物。
  2. 【請求項2】加水分解蛋白質シリル化物(A) が、加水分
    解蛋白質と、その加水分解蛋白質中の活性基と反応しう
    るシリル化剤との反応物である請求項1記載の繊維加工
    用組成物。
  3. 【請求項3】シリル化剤がシランカップリング剤である
    請求項2記載の繊維加工用組成物。
  4. 【請求項4】蛋白質(B) が水可溶性グレードの蛋白質で
    ある請求項1記載の繊維加工用組成物。
  5. 【請求項5】加水分解蛋白質のシリル化物(A) 、蛋白質
    (B) およびキトサン(C) の割合が、これらの合計量を1
    00重量%とするとき、この順に、40〜95重量%、
    4〜30重量%、1〜30重量%である請求項1記載の
    繊維加工用組成物。
  6. 【請求項6】加水分解蛋白質のシリル化物(A) 、蛋白質
    (B) およびキトサン(C) を必須成分として含有する水溶
    液からなる繊維加工用組成物を用いて、繊維を処理する
    ことを特徴とする繊維加工方法。
  7. 【請求項7】繊維の少なくとも一部が、水酸基を有する
    高分子を含む繊維からなるものである請求項6記載の繊
    維加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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