JP2001348457A - ポリウレタンの分解方法 - Google Patents

ポリウレタンの分解方法

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JP2001348457A
JP2001348457A JP2001078150A JP2001078150A JP2001348457A JP 2001348457 A JP2001348457 A JP 2001348457A JP 2001078150 A JP2001078150 A JP 2001078150A JP 2001078150 A JP2001078150 A JP 2001078150A JP 2001348457 A JP2001348457 A JP 2001348457A
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Koichi Murayama
公一 村山
Katsuhisa Kodama
勝久 児玉
Takashi Kumaki
高志 熊木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加水比を小さくしてもポリウレタン樹脂
を短時間でしかも完全に原料であるポリオール化合物と
ポリイソシアネートの中間体であるポリアミン化合物に
分解することが可能なポリウレタンの分解方法を提供す
る。 【解決手段】 ポリウレタンをポリアミン化合物の存在
下に120〜250℃に加熱分解し、分解生成したポリ
オール及び該ポリオールに可溶の尿素体を含有する液状
物と、不溶物である尿素体を含有する固形分に分離する
ポリウレタンの分解方法、並びに該分解物を高温高圧水
により加水分解して、ポリアミン及び/又はポリオール
化合物を回収する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリウレタン樹脂製
品の成形加工工程で生み出される切断片や製品として利
用された後の廃物などを化学的に分解しポリウレタン樹
脂の原料であるポリアミン化合物およびポリオール化合
物を工業的有利に回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂は軟質、半硬質、硬質
ウレタンフォームとしてソファー、ベッドなどの家具や
寝具、自動車などのシートなどのクッション材、冷蔵庫
などの断熱材などに広範かつ多量に用いられておりまた
エラストマーとして靴底、タイヤ、ベルトなどにも数多
く用いられている。最近資源の保護、環境保全が重要視
されるに至り、各種プラスチック製品のリサイクル、リ
ユース方法が検討されており、ポリウレタン樹脂もその
例外ではない。これまで知られているポリウレタン樹脂
のリサイクル方法は(1)マテリアルリサイクル技術
(2)ケミカルリサイクル技術および(3)エネルギー
リサイクル技術に大別することが出来る。
【0003】(1)のマテリアルリサイクル技術は、ポ
リウレタンフォームのリボンドや圧縮成形等の手段でク
ッション材として再利用する方法、フォームやエラスト
マーを粉砕し新たな原料に充填材等として混合利用する
方法などが検討されている。 (2)のケミカルリサイクル技術は、ポリウレタン樹脂
をその原料あるいは原料として利用可能な化学物質に分
解して再利用する方法で、グリコール分解法、アミン分
解法、加水分解法などが知られている。 (3)のエネルギーリサイクル技術は、ポリウレタン樹
脂を燃料として用い熱や蒸気として回収する技術であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記(1)の技術は製
品における品質面での問題があり、用途はごく一部に限
られる。(3)の技術は燃焼による有害物質の発生な
ど、新たな公害問題を引き起こす危険性が指摘されてい
る。前記(2)のケミカルリサイクル技術は、もしそれ
が経済的かつ工業的に実施可能であれば、回収して得ら
れた化合物の応用範囲も広く、理想的なリサイクル技術
といえる。
【0005】しかしグリコール分解法やアミン分解法
は、ポリウレタン樹脂中に存在するウレタン結合、尿素
結合、ビウレット結合、アロファネート結合などの種々
の結合の中で、比較的分解を受けやすいウレタン結合を
グリコールやアミン化合物で切断し、交換反応により液
状化するものである。その際、分解剤として使用したグ
リコールやアミンは新たにウレタン結合や尿素結合を生
成して、ウレタンや尿素誘導体として液状分解物中に取
り込まれる。したがって、この技術ではポリウレタン樹
脂の出発原料であるポリオールやポリイソシアネートの
中間体であるポリアミン化合物にまで分解されて回収さ
れるものでないので回収物の用途も限定される。
【0006】また特公昭42−10634号公報、特公
昭43−21079号公報、特公昭48−5280号公
報にはウレタン重合物をアミン化合物とアルカリ金属も
しくはアルカリ土類金属の化合物で熱分解しウレタン重
合物の原料であるポリエーテルと、ポリイソシアネート
のイソシアネート基がアミノ基に変じたアミン誘導体の
回収方法が記載されている。この方法ではアルカリ金属
もしくはアルカリ土類金属から生じる塩の除去および処
理が必要となる。またこの方法では得られた分解物は液
状であり分離方法が煩雑になるという問題点もある。実
際にはポリエーテル中に微量のアミンが混合されている
と原料として使用できないために実用化には至っておら
ずアミン分解後の処理方法が求められている。
【0007】また水を分解剤としてポリウレタン樹脂を
加水分解する方法も提案されている。例えば特開昭54
−70377号公報には、ポリウレタンフォームを30
0℃の温度でアルカリ金属やアルカリ土類金属化合物の
存在下、0.4〜10気圧の加熱水蒸気で加水分解させ
る方法が開示されている。このような低圧の水蒸気を使
った場合には反応時間が遅く、触媒の存在が不可欠であ
ることを示唆している。
【0008】最近、高温高圧水を使って高分子化合物を
低分子化する方法も報告されている(WO 98/34
904)。この方法の原料となるウレタン廃材が、ポリ
ウレタン樹脂のみからなり、加水分解されない異物を含
んでいない場合には、この方法も利用価値があると考え
られる。しかし、ポリウレタン樹脂を含む廃材の中で、
最も多量に排出されるのは、自動車用シートのシュレッ
ダーダストであり、これはシートの表層材である繊維や
皮革などの加水分解されない異物の裁断片をかなり含ん
でいる。したがって原料としてこのシュレッダーダスト
を用いる限り、加水分解工程に付しても分解されなかっ
たものが異物として分解液に混じって残存してくる。そ
してこの分解液から異物を除去するには、反応容器を常
圧に戻して濾過する必要が生じ、連続的に加水分解処理
をすることは困難である。
【0009】しかしポリウレタン樹脂は疎水性であり、
その上、通常繊維などと複合化して使われる場合が多
く、例えば自動車のシートのシュレッダーダストなどで
は表面材である繊維素材の混入は避けられない。この方
法をバッチ法で行う場合には、嵩高いフォームを処理す
るためには加水比(水/被加水分解化合物の比率)を高
くせざるを得ない。従って大型の高圧設備を要する上に
エネルギーコストも高くなり経済的な方法とは言い難
い。
【0010】一方、設備を小型化し、エネルギー効率を
向上させるためには、当然の事ながら連続化が考えられ
る。また、たとえ連続供給が可能となっても、ポリウレ
タン樹脂は疎水性であるため、加水分解に時間を要し、
最大の問題は前述のシュレッダーダストのように異種の
繊維、布などが混入してきた場合には、それらが装置の
圧力調整弁に詰まったり、弁座の閉塞を阻害し高温高圧
の液層状態を維持できない恐れがある。これらを解決す
る手段として加水分解処理を行う前に液状化する方法が
考えられる。
【0011】特開平11−80419号公報にはポリウ
レタン廃棄物を密閉系で飽和水蒸気よりも多量に水が存
在する状態で加水分解して水溶性物質とした後に超臨界
水酸化分解を行っている。この方法では水単独では反応
が遅く効率的でないために実質上有機アルカリ性化合物
が必要となる。また密閉系で圧力も必要となり設備上制
約が生じる。
【0012】また本願と同一出願人による先願(特願平
11−263424号)においては、ポリウレタン樹脂
をポリアミン化合物、低分子グリコールまたはアミノア
ルコールを含む可溶化剤に溶解し、必要により不溶物を
除去した後、200〜320℃の液状水により加水分解
し、生成したポリアミン化合物および/またはポリオー
ル化合物を回収することを特徴とするポリウレタン樹脂
の分解回収方法が提案されている。しかしこの方法はポ
リウレタンを該可溶化剤に完全に溶解させ、必要により
繊維、皮革等の異物を除去して得られた溶液を液状水で
加水分解する方法であり、分解されるポリウレタン樹脂
に対してポリアミン化合物、低分子グリコールまたはア
ミノアルコール等の可溶化剤が多量に必要となり効率が
悪くなるといった問題点がある。またすべて溶解してい
るので分離精製を行う際にも効率が悪くなるという問題
点を生じる。
【0013】本発明の課題は加水比を小さくしてもポリ
ウレタン樹脂を短時間でしかも完全に原料であるポリオ
ール化合物とポリイソシアネートの中間体であるポリア
ミン化合物に分解することが可能なポリウレタンの分解
方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は 1.ポリウレタンをポリアミン化合物の存在下に120
〜250℃に加熱分解し、分解生成したポリオール及び
該ポリオールに可溶の尿素体を含有する液状物と、不溶
物である尿素体を含有する固形分に分離することを特徴
とするポリウレタンの分解方法、 2.ポリウレタンをポリアミン化合物の存在下に120
〜250℃に加熱分解し、ポリオール及び該ポリオール
に可溶の尿素体を含有する液状物と、不溶物である尿素
体を含有する固形分に分解し、次いで該固形分を除いた
後、200〜320℃の高温高圧水により加水分解し、
生成したポリアミン及び/又はポリオール化合物を回収
することを特徴とするポリウレタンから分解物の回収方
法、
【0015】3.ポリウレタンをポリアミン化合物の存
在下に120〜250℃に加熱分解し、ポリオール及び
該ポリオールに可溶の尿素体を含有する液状物と、不溶
物である尿素体を含有する固形分に分解し、次いで該固
形分にポリアミン化合物を加えて溶解し、必要により不
溶物を除いた後、200〜320℃の高温高圧水により
加水分解し、生成したポリアミン及び/又はポリオール
化合物を回収することを特徴とするポリウレタンから分
解物の回収方法、 4.ポリウレタンを少量のポリアミン化合物の存在下に
120〜250℃に加熱分解し、分解生成したポリオー
ルを含有する液状物と、液状物に不溶な尿素体を含有す
る固形分に分離することを特徴とするポリウレタンの分
解方法、 5.ポリウレタンを少量のポリアミン化合物の存在下に
120〜250℃に加熱分解し、分解生成したポリオー
ルを含有する液状物と、液状物に不溶な尿素体を含有す
る固形分に分離して得られた該固形分にポリアミン化合
物を加えて溶解し、必要により不溶物を除いた後、20
0〜320℃の高温高圧水により加水分解し、生成した
ポリアミン化合物を回収することを特徴とするポリウレ
タンから分解物の回収方法 に係る。
【0016】本発明者らは、ポリウレタン樹脂の連続分
解、回収法につき鋭意検討を重ねた結果、ポリウレタン
樹脂をまずポリアミン化合物に溶解し、析出する不溶分
を濾過などの処理により容易に分離後、溶液については
そのまま、不溶分については再度アミン化合物に加熱溶
解後液状にして、それぞれ別個に高温高圧下の水槽に連
続的に供給することにより加水比を小さくしてもポリウ
レタン樹脂を短時間でしかも完全に原料であるポリオー
ル化合物とポリイソシアネートの中間体であるポリアミ
ン化合物に分解することが出来ることを見いだした。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の分解対象物であるポリウ
レタン樹脂は一般にポリイソシアネート化合物と活性水
素化合物を反応させることにより得られる高分子物質で
ある。ポリイソシアネート化合物としてはイソシアネー
ト基を2〜3個有し、イソシアネート基当量が80〜1
40のものが良く、例えばトルエンジイソシアネート
(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、ポリメリックMDI、水添MDI、変性MDI、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシ
アネート(XDI)、水添XDIなどが挙げられる。こ
れらの中でもTDI、MDI、ポリメリックMDIが好
ましく、TDIが特に好ましい。
【0018】活性水素化合物の代表的なものはポリオー
ル化合物であり、このポリオール化合物としては、例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどの
アルキレンオキサイドと活性水素含有開始剤から誘導さ
れる2〜8官能であり、OH価が20〜500mgKO
H/gのポリエーテルポリオールの他、ポリエステルポ
リオール、アクリルポリオール等が挙げられる。これら
の中でポリエーテルポリオールが特に好ましい。
【0019】本発明の方法においては、分子構造、構成
単位、重合度の如何に拘わらず、ウレタン結合、アロハ
ネート結合、ウレア結合、ビウレット結合、アミド結合
などの結合を有する全てのポリウレタン樹脂を分解の対
象とすることが出来る。
【0020】本発明の分解対象物であるポリウレタン樹
脂の形状としては、例えば、一般家庭や事務所で用いら
れているベッド、ソファー、座椅子、自動車のシート、
ヘッドレスト、サンバイザー、インパネ、アームレスト
などのクッション材に用いられている軟質、半硬質、あ
るいは硬質ポリウレタンフォーム製品の成形加工時発生
する不具合品や切り出し屑およびこれら製品が利用され
た後の廃品、またタイヤ、チューブ、靴底などのポリウ
レタン樹脂エラストマー製品の製造時の切断片や使用後
の廃品などが挙げられる。特に好ましいのは軟質ポリウ
レタンフォーム製品である。
【0021】分解対象物がフォームの場合は、シュレッ
ダーなどにより裁断したり、エラストマーの場合は粉砕
機により粉砕しておくのが望ましいが、それらの中に製
品を構成していた繊維、皮革、合成皮革、金属などが多
少含まれていても差し支えない。
【0022】本発明に使用されるポリウレタン樹脂の可
溶化剤であるポリアミン化合物としては通常のポリウレ
タン樹脂を構成する原料アミンが挙げられ、トルエンジ
アミンが代表的なものであるが、ジアミノジフェニルメ
タンやポリメチルポリフェニルポリアミンなどまたはこ
れらとの混合物も使用することが出来る。特に好ましい
のはトルエンジアミンである。
【0023】ポリアミン化合物に対するポリウレタン樹
脂の量は重量比で等量以上、好適には2〜10倍程度で
あり、特に2〜3倍が好ましい。このように本発明では
ポリアミン化合物に対して多量のポリウレタン樹脂を処
理することが可能である。0.5倍量以下では反応中に
不溶分が生じずしかも常温にすると全体が固体になるた
めに作業上問題が生じる。
【0024】しかし少ない量のポリアミン化合物にポリ
ウレタン樹脂を限界まで溶解させて、これを加熱分解す
ると、ポリアミン化合物は殆ど尿素体として固形分の方
へ移行し、液状物としてはほぼポリオールからなる淡色
の分解液が得られることが判明した。この場合のポリア
ミン化合物に対するポリウレタン樹脂の重量比は、用い
るポリアミン化合物、ポリウレタン樹脂の種類にもよる
が、通常は約3〜10倍、好ましくは約3〜7倍であ
る。
【0025】前記ポリウレタン樹脂をポリアミン化合物
で処理をする際の温度は通常120〜250℃、好まし
くは150〜200℃である。温度が低すぎると処理に
時間がかかり、温度が高すぎるとポリアミン化合物の分
解や重合が起こり回収率が低下する。
【0026】ポリアミン化合物に対してポリウレタン樹
脂を2〜3倍程度用いたときは、分解後の液状物中には
ポリオール、該ポリオールに可溶の尿素体が含有される
が、更に未分解でウレタン結合を有するポリオール、分
解剤のポリアミン化合物も少量含まれることがある。
【0027】一方、ポリアミン化合物に対してポリウレ
タン樹脂を3〜10倍程度と、少ないポリアミン化合物
に多量のポリウレタン樹脂を溶解させて加熱分解させた
ときは、上記のように分解後の液状物はほぼ全てポリオ
ールからなり、その色も淡色で、更に次工程で高温高圧
水による加水分解を行うことなく、再利用可能なポリオ
ールを回収することができる。
【0028】尚、分解反応後の固形分中には、液状物に
不溶な尿素体、或いは更に被分解ポリウレタン樹脂に含
まれていた繊維、有機フィラー等が含まれることがある
が、これ等の固形物は、濾過等の手段で上記ポリオール
とは容易に分離できる。
【0029】上記ポリウレタン樹脂から得られた液状物
は必要によりフィルターを通し不溶分や繊維等の異物を
除き加水分解装置へと送られる。また不溶分は再度ポリ
アミン化合物を加え加熱下溶解し、溶液状態のまま必要
に応じ不溶分や繊維などの異物を除き加水分解装置へと
送られる。不溶分を再度ポリアミン化合物で溶解する際
の温度は120〜250℃、好ましくは150〜200
℃である。温度が低すぎると処理に時間がかかり、温度
が高すぎるとポリアミン化合物の分解や重合が起こり回
収率が低下する。またポリアミン化合物は不溶分の溶解
が確認されれば特に言及しないが不溶分1に対しポリア
ミン化合物は重量比で0.5〜2が好ましい。0.5以下
では不溶分が多く残り2以上では溶解に寄与しないポリ
アミン化合物が多くなり効率が著しく低下するためであ
る。
【0030】濾過器の具体的な例としてはテフロン(登
録商標)、ポリフェニレンサルファイドやガラス繊維製
の濾布、あるいはSUS製の金網やセラミックフィルタ
ーなどを備えた、自動フィルタープレス、回転円盤濾過
器、円心分離型の濾過器などを使うことが出来る。
【0031】加水分解装置の構造については特に限定さ
れるものではないが、その好ましい例として、塔底部で
ポリウレタン樹脂溶液と加熱水を混合させ、混合液を塔
本体へ押し上げ、塔頂部に設けた圧力調整弁を通して連
続的に分解液と発生する炭酸ガスを塔外へ排出するよう
に設計されたものをあげることができる。要は加水分解
に必要な加熱水の温度を保ちうる加圧と加水分解に必要
な液滞留時間を確保しうる構造の装置であれば良い。
【0032】加水分解工程の温度は200〜320℃、
好ましくは240〜300℃である。温度が低すぎると
分解速度が遅く、また高すぎる場合にはポリエーテル鎖
が切れたり、生成するポリアミン化合物の縮合などの副
反応が起こる。本工程の圧力は直接収率に影響するもの
ではないが、加熱水が液状を保ちうる以上の圧力に制御
することが好ましい。また、被分解液と加熱水の重量割
合(加水比)は分解するポリウレタン樹脂の種類によっ
ても変わってくるが、被分解液1に対し、加熱水は通常
0.3〜5.0、好ましくは0.5〜3.0の範囲である。
加水比が低すぎるとポリアミン化合物やポリオール化合
物への分解が不完全となり多すぎる場合には装置が大き
くなる他、エネルギーロスが大きく不経済となる。な
お、この反応は無触媒でも進行するが、少量の、例えば
ポリウレタンに対して約0.001〜0.1重量%のアル
カリ金属水酸化物、アンモニアなどを触媒として使用す
ることが出来る。加水分解に要する時間は、加水分解の
温度や加水比にもよるが、通常5分〜2時間、好ましく
は10分〜1時間程度である。
【0033】加水分解生成物はついで脱水装置へ導かれ
る。大部分の水及び炭酸ガスは圧力調整弁で減圧される
ことにより気化し、気体として回収されるが、必要に応
じて減圧蒸留や乾燥窒素などを吹き込む等の手段により
脱水することが出来る。
【0034】かくして得られた加水分解生成物は実質的
にはポリアミン化合物とポリオール化合物の混合物であ
るが、蒸留や遠心分離あるいは溶媒抽出などの公知の手
段でポリアミン化合物とポリオール化合物に分離するこ
とが出来る。これらの操作は、分解するポリウレタン樹
脂の種類によって適宜選択すればよい。また加水分解物
からポリアミン化合物を分離することなくプロピレンオ
キサイドのようなアルキレンオキサイドで処理しアミノ
末端基を水酸基に変えポリオールとして利用することも
出来る。
【0035】本発明の方法により得られるポリアミン類
やポリオール類は、通常のポリウレタン製造に用いられ
る原料物質と同一の化合物であり、純度や品質はこれら
と同等もしくは優れているのでそれぞれそのままポリウ
レタンの原料として使用することができる。また本発明
で得られた不溶物である尿素体を含有する固形分は、各
種樹脂の架橋剤あるいは反応性フィラーとして用いるこ
とが可能である。
【0036】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0037】実施例1 温度計、攪拌機及び窒素導入管を備えた1000mlの
4口フラスコ中に150gのトルエンジアミンを仕込
み、200℃に昇温した。この液中に分子量3000の
ポリプロピレントリオールとトルエンジイソシアネート
(タケネート80:武田薬品工業(株)製)を用いて発
泡させた密度25kg/mの軟質ポリウレタンフォー
ムの裁断片を徐々に加え溶解させた。ポリウレタンフォ
ームを150g加えた辺りから沈殿物が生じ、フォーム
の添加をさらに続けると沈殿物が多くなった。ポリウレ
タンフォームを合計400g加えさらに1時間反応さ
せ、計6時間、200℃で反応させた。この液を25℃
まで冷却し、100メッシュの金網で濾過を行い溶液2
50gと残渣270gが得られた。溶液の粘度は250
0mPa・s(25℃)でアセチル価は150mgKO
H/gであった。残渣はゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)及びNMRによりポリ尿素体を含
有することが判明した。
【0038】実施例2 温度計及び圧力計を備えた200mlのオートクレーブ
中に、実施例1で得られた溶液40gと純水60gを仕
込み、窒素ガスで置換後270℃まで昇温した。この時
内圧は6.7MPaを示した。この温度で20分間放置
したがこれ以上の昇圧は認められなかった。オートクレ
ーブを室温まで冷却し、内容物をメタノールで希釈しG
PCで分析した結果ポリオール部分については分子量3
000のトリオールに相当するピーク以外に高分子物質
は認められずまたアミンの領域でもトルエンジアミンに
相当するピークのみが認められた。またNMRの分析で
生成物中にはウレタン結合が存在しないことが確かめら
れた。これらの事実からポリウレタンフォームは完全に
トルエンジアミンとポリプロピレングリコールに分解さ
れたことが確認された。
【0039】実施例3 実施例1で得られた残渣270gにさらにトルエンジア
ミンを200gを加え200℃に加熱して溶解し460
gの溶液を回収した。この溶液を実施例2と同様にして
オートクレーブ中で高温高圧水で加水分解を行ったとこ
ろ、分解生成物はNMRよりトルエンジアミンであるこ
とが確認された。
【0040】実施例4 実施例1と同様の装置を用いトルエンジアミン150g
と分子量5000、末端にエチレンオキサイドで活性化
されたポリエーテルトリオールおよびトルエンジイソシ
アネートを原料として用いて発泡成形させた自動車用シ
ートモールドフォーム(密度50kg/m)の裁断片
400gを徐々に加え10時間200℃で反応させた。
この液を25℃まで冷却し、100メッシュの金網で濾
過を行い溶液380gと残渣110gが得られた。溶液
の粘度は3400mPa・s(25℃)でアセチル価は
190mgKOH/gであった。
【0041】実施例5 温度計及び圧力計を備えた200mlのオートクレーブ
中に、実施例4で得られた溶液30gと純水70gを用
いて実施例2と同様に加熱し290℃で30分間放置し
た。この時圧力は4.9MPaで一定となった。装置を
室温まで冷却し内容物を上記と同様にして分析を行った
結果生成物中にはウレタン結合は存在せずGPCの分析
でもトルエンジアミンと原料として用いたポリエーテル
ポリオールに基づくピークが観察された。
【0042】実施例6 実施例4で得られた残渣110gにさらにトルエンジア
ミンを100gを加え200℃に加熱して溶解し150
gの溶液を回収した。この溶液を実施例5と同様にして
オートクレーブ中で高温高圧水で加水分解を行ったとこ
ろ、分解生成物はNMRよりトルエンジアミンであるこ
とが確認された。
【0043】実施例7 温度計、攪拌機及び窒素導入管を備えた1000mlの
4口フラスコ中に100gのトルエンジアミンを仕込
み、200℃に加熱した。この液中に実施例1と同様に
して発泡させた密度25kg/mの軟質ポリウレタン
フォームの裁断片を徐々に加え溶解させた。ポリウレタ
ンフォームを150g加えた辺りから沈殿物が生じ、フ
ォームの添加をさらに続けると沈殿物が多くなった。ポ
リウレタンフォームを合計400g加えさらに1時間反
応させ、計6時間、200℃で反応させた。この液を1
00℃まで冷却し、濾過を行い240gの溶液が得られ
た。溶液の粘度は1200mPa・sでアセチル価は9
4mgKOH/gであった。これから計算されるポリプ
ロピレントリオール中のアミン量はトルエンジアミン換
算で2wt%となる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、加水比を小さくしても
ポリウレタン樹脂を短時間でしかも完全に原料であるポ
リオール化合物とポリイソシアネートの中間体であるポ
リアミン化合物に分解することができる。本発明によれ
ばポリウレタンの分解液状化により連続化が可能で、し
かも異物の除去が簡単である。またポリオールとポリア
ミン化合物の分離が高温高圧水による加水分解前にある
程度でき、ポリオールは常温でも液状のため送液の問題
点の多くが解決する。またアミノリシスでできるポリオ
ール難溶分が高温高圧水による加水分解前に除去できる
ので加水分解後のポリオールの精製がより簡単になる。
更に本発明ではポリアミン化合物に対して用いるポリウ
レタンの量が多いという大きな特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊木 高志 大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85 号 武田薬品工業株式会社化学品カンパニ ー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタンをポリアミン化合物の存在
    下に120〜250℃に加熱分解し、分解生成したポリ
    オール及び該ポリオールに可溶の尿素体を含有する液状
    物と、不溶物である尿素体を含有する固形分に分離する
    ことを特徴とするポリウレタンの分解方法。
  2. 【請求項2】 ポリアミン化合物よりも等重量以上のポ
    リウレタンを分解する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ポリアミン化合物に対して2〜10倍
    (重量比)のポリウレタンを分解する請求項2に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 ポリアミン化合物がトルエンジアミンで
    ある請求項1〜3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ポリウレタンをポリアミン化合物の存在
    下に120〜250℃に加熱分解し、ポリオール及び該
    ポリオールに可溶の尿素体を含有する液状物と、不溶物
    である尿素体を含有する固形分に分解し、次いで該固形
    分を除いた後、200〜320℃の高温高圧水により加
    水分解し、生成したポリアミン及び/又はポリオール化
    合物を回収することを特徴とするポリウレタンから分解
    物の回収方法。
  6. 【請求項6】 ポリウレタンをポリアミン化合物の存在
    下に120〜250℃に加熱分解し、ポリオール及び該
    ポリオールに可溶の尿素体を含有する液状物と、不溶物
    である尿素体を含有する固形分に分解し、次いで該固形
    分にポリアミン化合物を加えて溶解し、必要により不溶
    物を除いた後、200〜320℃の高温高圧水により加
    水分解し、生成したポリアミン及び/又はポリオール化
    合物を回収することを特徴とするポリウレタンから分解
    物の回収方法。
  7. 【請求項7】 ポリウレタンを少量のポリアミン化合物
    の存在下に120〜250℃に加熱分解し、分解生成し
    たポリオールを含有する液状物と、液状物に不溶な尿素
    体を含有する固形分に分離することを特徴とするポリウ
    レタンの分解方法。
  8. 【請求項8】 請求項7で得られた固形分にポリアミン
    化合物を加えて溶解し、必要により不溶物を除いた後、
    200〜320℃の高温高圧水により加水分解し、生成
    したポリアミン化合物を回収することを特徴とするポリ
    ウレタンから分解物の回収方法。
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