JP2001348450A - ラベル印刷用空洞含有ポリエステル系被覆フィルム - Google Patents
ラベル印刷用空洞含有ポリエステル系被覆フィルムInfo
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Abstract
インキ印刷後の印刷性に優れた、ラベル印刷用空洞含有
ポリエステル系被覆フィルムを提供する。 【解決手段】 空洞含有ポリエステル系基材フィルムの
少なくとも片面に易接着層を設けた空洞含有ポリエステ
ル系被覆フィルムであって、下記式(1)で定義される
基材フィルムの空洞積層数密度が0.20個/μm以上
であり、かつ前記易接着層面の60度鏡面光沢度G1及
び75度鏡面光沢度G2が、下記式(2)及び(3)を
満足することを特徴とするラベル印刷用空洞含有ポリエ
ステル系被覆フィルム。 空洞積層数密度(個/μm)=基材フィルム厚み方向の空洞数(個) /基材フィルム厚み(μm)…(1) G1≦20 …(2) 1≦G2/G1≦4 …(3)
Description
脂よりなるラベル印刷用空洞含有被覆フィルムに関す
る。より詳しくは、インキ密着性、印刷性及び耐粉落ち
性に優れた、特にラベル用基材として好適なラベル印刷
用空洞含有ポリエステル系被覆フィルムに関する。
紙に比べて耐水性、吸湿寸法安定性、表面平滑性、印刷
の光沢性および鮮明性、加えて機械的強度などに優れて
いる。
(a)オレフィン系樹脂を主原料とし、これに無機充填
剤および少量の添加剤を加え、二軸延伸することにより
フィルム内部に微細気泡を多数含有する白色フィルム、
あるいは(b)ポリエステル樹脂に、ポリエステル樹脂
と非相溶な熱可塑性樹脂を含有させ、二軸延伸すること
によりフィルム内部に微細空洞を多数含有する空洞含有
ポリエステル系フィルムが使用されていた。
成紙では、耐熱性が悪く、かつ天然紙との密着性が悪い
ためしわが発生しやすく、オレフィン系合成紙と天然紙
との間で伸縮差が経時的に発生するという欠点があっ
た。さらに、印刷に適するインキが限定されるという欠
点もあった。
テル系フィルムに関しても、ポリエステル系フィルムを
印刷・表示材料等に用いるための技術として既に多く検
討がなされており、これまでにポリスチレンやポリプロ
ピレン、ポリメチルペンテンなどの樹脂を単独で、また
は組み合わせて用いることが提案(例えば、特開昭49
−134755号公報、特公昭54−29550号公
報、特開平4−296819号公報、特開平8−143
692号公報など)されている。
号公報などでは、フィルム基材となるポリエステル系樹
脂中にポリオレフィン系およびポリスチレン系樹脂を二
種類含有させることにより空洞を微分散させ、熱シワや
熱カールを防止する方法が報告されており、従来に比べ
空洞の分散性が大きく向上している。しかしながら、こ
の方法で得られたフィルムでも、ラベル印刷に用いるに
は空洞の微分散がまだ不十分であり、優れた印刷性を得
るのに必要な空洞積層数密度(フィルム厚みに対するフ
ィルム厚み方向の空洞数)も十分ではなかった。
して好適な空洞含有ポリエステル系フィルムは未だ得ら
れておらず、フィルム中の空洞をより微分散された空洞
含有ポリエステル系フィルムが必要となっている。
防止性などの機能性付与を目的として、ポリエステル系
フィルム表面に被覆層を形成することが一般的に行われ
ている。また、フィルムの透明性とハンドリング性(耐
ブロッキング性、滑り性、耐摩耗性など)を両立させる
ために、ポリエステル系フィルムの被覆層中に粒子を含
有させ、フィルム表面に凹凸を形成させることも一般的
に行われている。
して多用されるシール印刷や、オフセット印刷において
は、被印刷面と印刷機のロールとがスリップしたときな
どに、フィルムとロールが擦れ、粒子が被覆層から削り
取られて、粉となって被覆層表面から落ちるというトラ
ブルが発生するという問題があった。従来は、この様な
被覆層からの粒子の脱落には着目されてはいなかった
が、粒子が脱落すれば上記特性が失われるだけでなく、
落ちた粉がロール汚れを引き起こすため問題となる。ま
た、インキ抜けが発生し、商品価値の低下をもたらすこ
とも問題点として挙げられる。
従来の問題点を解消し、インキ密着性を維持しながら、
耐粉落ち性やインキ印刷後の印刷性に優れた、ラベル印
刷用空洞含有ポリエステル系被覆フィルムを提供するこ
とである。
ステル系被覆フィルムは、基材フィルムの厚みに対する
基材フィルム厚み方向の空洞の数が多くなるよう空洞の
分散状態を改良し、また被覆層として特定の表面光沢度
を有する易接着層を設けることにより、上記課題を解決
するに至った。
た空洞含有ポリエステル系被覆フィルムとは、以下の通
りである。
と、前記ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂を含
有する組成物からなる空洞含有ポリエステル系基材フィ
ルムと、前記基材フィルムの少なくとも片面に易接着層
を設けた空洞含有ポリエステル系被覆フィルムであっ
て、下記式(1)で定義される基材フィルムの空洞積層
数密度が0.20個/μm以上であり、かつ前記易接着
層面の60度鏡面光沢度G1及び75度鏡面光沢度G2
が、下記式(2)及び(3)を満足することを特徴とす
るラベル印刷用空洞含有ポリエステル系被覆フィルムで
ある。 空洞積層数密度(個/μm)=基材フィルム厚み方向の空洞数(個) /基材フィルム厚み(μm)…(1) G1≦20 …(2) 1≦G2/G1≦4 …(3)
がポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂を含むこ
とを特徴とする第1の発明に記載のラベル印刷用空洞含
有ポリエステル系被覆フィルムである。
がポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂であるこ
とを特徴とする第1または2記載のラベル印刷用空洞含
有被覆ポリエステル系フィルムである。
中の主成分樹脂の溶融粘度ηoと前記ポリスチレン系樹
脂の溶融粘度ηsが下記式(4)を満足することを特徴
とする第2または3の発明に記載のラベル印刷用空洞含
有ポリエステル系被覆フィルムである。 ηO/ηS ≦0.80 …(4)
中の主成分樹脂がポリメチルペンテン樹脂であることを
特徴とする第2、3、または4記載のラベル印刷用空洞
含有ポリエステル系被覆フィルムである。
が0.70〜1.25g/cm3であることを特徴とす
る第1、2、3、4、または5の発明に記載のラベル印
刷用空洞含有ポリエステル系被覆フィルムである。
グリコールを構成成分として含有する共重合ポリエステ
ル樹脂(A)、ブロック型イソシアネート基を含有する
樹脂(B)、及び1種以上の不活性粒子(C)を主たる
構成成分とすることを特徴とする第1、2、3、4、
5、または6の発明に記載のラベル印刷用空洞含有ポリ
エステル系被覆フィルムである。
抵抗値が1×1013Ω/□以下であることを特徴とする
第1、2、3、4、5、6、または7の発明に記載のラ
ベル印刷用空洞含有ポリエステル系被覆フィルムであ
る。
ステル系被覆フィルムの実施形態について、詳細に説明
する。
ステル系フィルムは、下記式で定義される空洞積層数密
度が、0.20個/μm以上であることが好ましく、
0.25〜0.45個/μmであることがより好まし
く、0.30〜0.40個/μmであることが特に好ま
しい。空洞積層数密度が0.20個/μm未満の場合、
印刷性が不十分となるため好ましくない。 空洞積層数密度(個/μm)=フィルム厚み方向の空洞
数(個)/フィルム厚み(μm)
ィルムにおいて、空洞積層数密度を上記範囲にするため
には、従来から行なわれているポリエステル系樹脂に非
相溶の熱可塑性樹脂の種類や含有量を適正化したり、フ
ィルムの延伸温度や延伸倍率を調節するなどの方法では
不十分であり、例えばポリエステル樹脂に非相溶な熱可
塑性樹脂の溶融粘度を適正化したり、メルトラインに静
的混合器などを使用して、空洞を微分散化するなどの方
法が好適である。
ルムは、見かけ密度が0.70〜1.25g/cm3で
あることが好ましく、0.80〜1.20g/cm3で
あることがより好ましく、0.85〜1.15g/cm
3であることが特に好ましい。見かけ密度が0.70g
/cm3未満ではフィルムの強度が低下し、シワの発生
や表面の劈開などにより後加工での取扱いが難しくなる
傾向があるため好ましくない。また、1.25g/cm
3を超えると、空洞含有量が十分でなく、印刷性が不十
分となるため好ましくない。
ィルムにおいて、見かけ密度を上記範囲にするために
は、例えば下記に示すポリエステル系樹脂に非相溶の熱
可塑性樹脂の種類や含有量を適正化したり、フィルムの
延伸温度や延伸倍率を調節するなどの方法が挙げられ
る。
は、ポリエステル系樹脂中にポリオレフィン系樹脂およ
びポリスチレン系樹脂を含む非相溶の熱可塑性樹脂が分
散されていることが好ましい。詳しくは、ポリオレフィ
ン系樹脂粒子の周りにポリスチレン系樹脂よりなる相で
被覆されたコア・シェル構造を有する分散粒子が形成さ
れ、これが空洞発現剤粒子としてポリエステル系樹脂中
に分散していることが好ましい。本発明の基材のポリエ
ステル系フィルムに含まれる空洞は、ポリエステル樹脂
中に上記構造を有する分散粒子を含む未延伸フィルムを
延伸することにより、前記分散粒子とポリエステル系樹
脂の界面に発現させたものが好ましい。
ムの主たる構成成分である、ポリエステル樹脂とは、テ
レフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の
ごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コールのごときグリコールとをエステル化反応またはエ
ステル交換反応させた後、重縮合反応させて製造される
ポリエステル樹脂である。
ルボン酸とグリコールとを直接エステル化反応させ次い
で重縮合反応させる方法、または芳香族ジカルボン酸の
アルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応さ
せ次いで重縮合反応させる方法か、あるいは芳香族ジカ
ルボン酸のジグリコールエステルを重縮合反応させるな
どの方法によって製造することができる。
ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフ
タレート、ポリエチレンブチレンテレフタレートあるい
はポリエチレン−2,6−ナフタレートなどの熱可塑性
樹脂が挙げられる。このポリエステル樹脂はホモポリマ
ーであってもよく、第三成分を共重合したものであって
も良い。いずれにしても本発明においては、エチレンテ
レフタレート単位、プロピレンテレフタレート単位、ブ
チレンテレフタレート単位あるいはエチレン−2,6−
ナフタレート単位を70モル%以上、好ましくは80モ
ル%以上、特に好ましくは90モル%以上であるポリエ
ステル樹脂を用いることが好ましい。なお、上記ポリエ
ステル樹脂は単独で使用してもよく、あるいは2種以上
ブレンドして使用してもよい。
フィルムにおいて、構成成分の1つである、ポリエステ
ル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロー
ス系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等が例示され
るが、これらに限定されるものではない。なお、前記の
非相溶な熱可塑性樹脂のなかでも、ポリオレフィン系樹
脂とポリスチレン樹脂を必須成分として含むことが好ま
しい。
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテンなどの樹脂が挙げられる。これらは必ずしもホモ
ポリマーに限定されるものではなく、2種類以上のオレ
フィン系モノマーを重合した共重合ポリマーであっても
よく、有機酸成分などを共重合した変成ポリオレフィン
樹脂でもよい。また、ポリオレフィン系樹脂は必ずしも
単独で使用する必要はなく、主成分(含有量の最も多い
ポリオレフィン樹脂成分)以外に、他の副成分(主成分
に対して含有量の少ないポリオレフィン系樹脂成分)を
混合して用いてもよい。
分として使用するポリオレフィン系樹脂は、高温下でも
軟化しにくく、優れた空洞発現性を有する点から、ポリ
メチルペンテン樹脂が特に好ましい。
洞含有層を構成する樹脂組成物に対して、2.0〜1
4.5重量%であることが好ましく、4.0〜11.5
重量%であることが特に好ましい。含有量が2.0重量
%未満であると、フィルムの空洞含有量が不十分とな
り、印刷性が不十分となりやすいため好ましくない。一
方、14.5重量%を超えると製膜時の延伸工程が不安
定となりやすくなるため好ましくない。
されないが、代表的な樹脂としてスチレンモノマーを重
合したホモポリマーのほか、有機酸成分などの各主成分
を共重合した変成ポリスチレン樹脂などが挙げられる。
含有層を構成する樹脂組成物に対して、0.5〜7.0
重量%であることが好ましく、1.0〜5.0重量%で
あることがより好ましい。含有量が0.5重量%未満で
あると、ポリエステル樹脂に非相溶な樹脂からなる空洞
発現剤粒子が粗分散化して空洞が大きくなり、表面強度
などの物性を損ないやすくなるため好ましくない。ま
た、含有量が7.0重量%を超えると、フィルムの剛性
が高くなりやすく、柔軟性を損なう傾向にあるため好ま
しくない。
は、上記ポリオレフィン系樹脂と上記ポリスチレン系樹
脂を含み、かつポリエステル系樹脂に非相溶の熱可塑性
樹脂の合計含有量は、空洞含有層を構成する樹脂組成物
に対して2.5〜15.0重量%であることが好まし
く、4.0〜10.0重量%であることがより好まし
い。含有量が2.5重量%未満であると、フィルムの空
洞含有量が不十分となり、印刷性が不十分となりやすい
ため好ましくない。一方、含有量が15.0重量%を超
えると、製膜時の延伸工程が不安定となりやすくなるた
め好ましくない。
度ηO(ポイズ)、ポリスチレン系樹脂の溶融粘度η
S(ポイズ)の比(ηO/ηS)は0.80以下であるこ
とが好ましく、特に好ましくは0.50以下である。上
記の溶融粘度の比(ηO/ηS)が0.80を超えると、
ポリスチレン系樹脂の分布が不均一になり、非相溶樹脂
の相構造が不安定になりやすい。その結果、空洞発現剤
の分散状態が悪化し、本発明で規定する空洞の分散状態
を得ることが困難になる。なお、2種類以上のポリオレ
フィン系樹脂を混合して用いる場合、含有量が最も多い
ポリオレフィン系樹脂(主成分)の溶融粘度をηO(ポ
イズ)をとして、上記の溶融粘度の関係を満足すべく樹
脂粘度を設定することが好ましい。
て、ポリメチルペンテン樹脂を使用する場合、ポリメチ
ルペンテン樹脂の溶融粘度ηOは3,500ポイズ以下
であることが好ましく、特に好ましくは2,000ポイ
ズ以下である。ポリメチルペンテン樹脂の溶融粘度が
3,500ポイズを超えた場合、フィルム原料を混練
り、押出し成形する工程でポリメチルペンテン樹脂が分
散され難くなり、優れた印刷性を付与するのに必要な空
洞の分散状態が得られにくくなるため好ましくない。
ηSは、1,000〜10,000ポイズであることが
好ましく、特に好ましくは3,000〜7,000ポイ
ズである。ポリスチレン系樹脂の溶融粘度が10,00
0ポイズを超えると、フィルム原料を混練り・押出し成
形する工程でポリスチレン系樹脂が分散され難くなる。
一方、ポリスチレン系樹脂の溶融粘度が1,000ポイ
ズ未満であると、ポリスチレン系樹脂の空洞分布が不均
一となり、いずれの場合も本発明で規定する空洞積層数
密度を満足する空洞の分散状態が得られにくくなるため
好ましくない。
ルム中には、無機及び/又は有機の不活性粒子を必要に
応じて含有させてもよい。ここで、前記不活性粒子とし
ては、二酸化チタン、シリカ、カオリナイト、タルク、
炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウ
ム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫化亜鉛などの無機
粒子のほか、架橋ポリスチレン粒子、架橋アクリル粒
子、シリコン樹脂粒子、ベンゾグアナミンホルムアルデ
ヒド縮合物粒子などの耐熱性有機粒子等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。但し、白度及び高隠
蔽性の点から、二酸化チタン粒子を含有させることが好
ましい。
テル系フィルム中に含有させる方法も特に限定されない
が、粒子を高濃度に含有するマスターペレットにしたポ
リエステルを用いて、その後他の熱可塑性樹脂で希釈し
てフィルム中に含有させることが製造面等から好まし
い。
るものではないが、フィルム中に0〜30重量%である
ことが好ましく、特に好ましくは3〜20重量%であ
る。粒子含有量が30重量%を超えると、フィルムの機
械的強度が低下するため好ましくない。
ルム形成用原料樹脂として、ポリエステル樹脂に非相溶
な熱可塑性樹脂としてポリスチレン樹脂やポリプロピレ
ン樹脂などを使用した際、これらの樹脂中の可塑剤など
の添加剤がフィルム表面にブリードアウトし、印刷する
際にインキやコーティング液のはじきやむら、インキと
の密着性を悪化させる場合がある。そのため、空洞含有
ポリエステル系フィルムと各種インキとの接着性を悪化
させないために、またフィルム表面強度、滑り性などの
その他の機能を付与するために、空洞含有ポリエステル
系フィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリエステル樹
脂からなる層またはポリエステル系樹脂に対し接着性を
有する熱可塑性樹脂からなる層を共押出し法により積層
させても構わない。
ィルム全体の40%以下が好ましく、さらに20%以下
が特に好ましい。厚み比が40%を超えると、フィルム
の接着性、表面強度などは改善されるが、本来の目的で
ある印刷性が不十分となりやすく好ましくない。
ルムは、基材の空洞含有ポリエステル系フィルムの少な
くとも片面に、各種インキとの接着性に優れる樹脂組成
物からなる易接着層を設けることが必要である。前記易
接着層とは、後述のインキ密着性の評価法において、ク
ロスカット法によるインキ残留率が90%以上である機
能を有する被覆層を意味する。
質樹脂組成物を含む塗布液をフィルム表面に塗布する方
法、あるいは接着性改質樹脂組成物を共押出し法により
フィルムに積層する方法などが挙げられる。
さらに向上させるために、予めフィルム表面を表面処理
してもよい。表面処理の方法としては、例えばコロナ放
電処理、プラズマ放電処理、紫外線(UV)照射処理、
放射線(EB)照射処理などの活性エネルギー線照射に
よる方法、火炎処理、更にPVD、CVDなどのベーパ
ーデポジット法が挙げられる。
性改質樹脂組成物を含む塗布液を前記空洞含有ポリエス
テル系フィルム表面に塗布する方法が、基材の空洞含有
ポリエステル系フィルムと被覆層との接着性、被覆層と
印刷インキとの接着性、被覆層とその他のコーティング
剤との接着性の観点から、最も有効な方法である。
ては、分岐したグリコールを構成成分とする共重合ポリ
エステル樹脂(A)、ブロック型イソシアネート基を含
有する樹脂(B)、及び1種以上の不活性粒子(C)を
含有する組成物が、基材のポリエステル系フィルムのみ
ならず、汎用の紫外線(UV)硬化型インキ及び酸化重
合インキとの印刷インキとの接着性が大きく改善できる
点から、特に好ましい。
分とする共重合ポリエステル樹脂(A)は、水溶性ある
いは水分散性の樹脂が好ましい。
成分である、分岐したグリコール成分としては、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−
2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−
2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−
2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2
−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−
2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチ
ル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、
2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、
および2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジ
オールなどが挙げられる。
コール成分の中に好ましくは10モル%以上の割合で、
更に好ましくは20モル%以上の割合で含有される。上
記共重合ポリエステル樹脂(A)の構成成分として含有
される上記の分岐したグリコール成分以外のグリコール
成分としては、エチレングリコールが最も好ましい。ま
た、少量であればジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、または
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを用いても良
い。
成分として含有される、ジカルボン酸成分としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸が最も好ましい。また、少量
であれば、他のジカルボン酸成分、例えば、アジピン
酸、セバシン酸、およびアゼライン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸;ジフェニルジカルボン酸、および2,6−ナ
フタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を加えて
共重合させてもよい。
有する樹脂(B)は、末端イソシアネート基を親水性基
で封鎖(以下、ブロックと略す)した熱反応型水溶性ウ
レタン樹脂が好ましい。
は、重亜硫酸塩類、およびスルホン基を含有したフェー
ノル類、アルコール類、ラクタム類、オキシム類および
活性メチレン化合物類等が挙げられる。なかでも、重亜
硫酸塩類は、熱処理温度及び熱処理時間の点から工業的
に広く用いられるものとして好ましい。
おいて、共重合ポリエステル樹脂(A)とブロック型イ
ソシアネートを含有する樹脂(B)の、樹脂(A)と樹
脂(B)の樹脂固形分重量の合計量に対する各樹脂の重
量比は、(A):(B)=10:90〜90:10が好
ましく、特に好ましくは(A):(B)=30:70〜
70:30の範囲である。共重合ポリエステル樹脂
(A)の重量比が10重量%未満では、基材フィルムへ
の塗布性や塗布層とフィルム間の密着性が不十分となり
やすく、酸化重合(あるいは溶剤)タイプのインキとの
密着性が悪くなる傾向もある。一方、90重量%を超え
ると、酸化重合(あるいは溶剤)タイプのインキとの密
着性は良いが、紫外線(UV)硬化型インキとの密着性
が不十分となりやすい。
被覆フィルムは、易接着層面の60度鏡面光沢度G1及
び75度鏡面光沢度G2が、下記式(2)及び(3)を
満足することが必要である。 G1≦20 …(2) 1≦G2/G1≦4 …(3)
以下であることが必要であり、好ましくは18以下、特
に好ましくは15以下である。易接着層面の60度鏡面
光沢度G1が20を超えると、耐粉落ち性が不十分とな
る。
と60度鏡面光沢度G1との比(G2/G1)は、1以
上4以下であることが必要であり、好ましくは1を超え
3.5以下、特に好ましくは1を超え3以下である。本
発明において良好な印刷性を得るための重要な点は、空
洞含有ポリエステル系基材フィルムの空洞の分散状態を
良くして空洞積層数密度を高くし(フィルム厚み方向の
空洞の数を増やす)、かつ基材表面に設けた易接着層面
の75度鏡面光沢度G2と60度鏡面光沢度G1との比
(G2/G1)を、1以上4以下とすることである。ど
ちらか一方の要件が欠けても、優れた印刷性を得ること
ができない。
度鏡面光沢度G1との比(G2/G1)が1未満の場
合、耐粉落ち性が不十分となり、さらに印刷性も若干低
下する。一方、G2/G1が4を超えると、インキを吸
収する易接着層表面の凹凸が少なくなるため、印刷性が
悪化する。
5度鏡面光沢度G2が、前記式(2)及び(3)を満足
するためには、易接着層に含有させる不活性粒子の平均
粒径、粒子径の標準偏差、形態(長径/短径)、粒子含
有量、易接着層の樹脂成分の厚みなどを適宜調整するこ
とが好ましい。
粒子(C)の平均粒径d(μm)と易接着層の樹脂成分
の厚みt(μm)との比(d/t)を、1.0〜5.0
とすることが好ましく、より好ましくは1.2〜4.0
であり、最も好ましくは1.5〜2.5である。d/t
が1.0未満であると、十分なインキ着肉性、印刷給紙
性や耐ブロッキング性が得られない傾向がある。一方、
5.0を超えると、印刷時に粒子がフィルムから脱落
し、粉落ちの原因になりやすい。前記d及びtは電子顕
微鏡で観察した写真から求めることができる。
〜5.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.05〜
1.5μm、特に好ましくは0.1〜1.0μmであ
る。易接着層の樹脂成分の厚みが0.01μm未満であ
ると、フィルムとの密着性が十分得られず、また、粒子
を易接着層中に十分に固定できず、易接着層から粒子が
脱落する傾向がある。逆に、5.0μmを越えると、粒
子が易接着層樹脂の中に埋まってしまい、フィルムのハ
ンドリング性に不可欠な表面凹凸や耐ブロッキング性が
得られない傾向がある。さらに、塗布液の物性およびレ
オロジー、加えて設備などの問題により、均一に塗工し
にくくなる。
としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、アルミナ、タル
ク、カオリン、クレー、リン酸カルシウム、雲母、ヘク
トライト、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチ
ウム、フッ化カルシウムなどの無機粒子や、ポリスチレ
ン系、ポリアクリル系、メラミン系、ベンゾグアナミン
系、シリコーン樹脂などの有機ポリマー系粒子等が挙げ
られる。これらは1種でも良いが、2種以上併用しても
良い。
粒径dは、0.04〜1.5μmが好ましく、さらに好
ましくは0.06〜1.0μm、特に好ましくは0.1
〜0.8μmである。不活性粒子の平均粒径が0.04
μm未満であると、フィルム表面への凹凸の形成が不十
分となり、インキ密着性が不十分となる傾向がある。逆
に、1.5μmを越えると、粒子がフイルムから脱落し
粉落ちの原因になる傾向がある。
が1.0〜1.5であり、粒子径の標準偏差が1.0以
下の不活性粒子が、耐粒子脱落性の点から好ましい。特
に好ましくは、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2
であり、粒子径の標準偏差が0.5以下の不活性粒子で
ある。この要件を満足する不活性粒子としては、球状シ
リカ粒子、球状シリコン樹脂粒子、球状架橋ポリスチレ
ン粒子、球状架橋アクリル粒子、バテライト構造を有す
る球状または立方体状炭酸カルシウム粒子、燐酸カルシ
ウム粒子などが挙げられる。
粒径比及び粒子径の標準偏差は、例えば特開平1−28
4534号公報の記載に準じて求めることができる。
比は30/70〜70/30が好ましく、さらに好まし
くは35/65〜60/40、特に好ましくは40/6
0〜50/50である。樹脂の重量比が30%未満であ
ると、粒子を易接着層中に十分に固定できず、粒子が易
接着層から脱落し、粉落ちの原因になる傾向がある。逆
に、樹脂の重量比が70%を越えると、十分なインキ着
肉性、給紙性や耐ブロッキング性が得られにくくなる。
中に、さらに帯電防止剤が含まれている場合が、得られ
たフィルムをラベル化するための種々の工程、例えば粘
着剤のコート、印刷、断裁、打ち抜きなどにおける静電
気トラブルの発生を防止できるため、特に好ましい。帯
電防止剤としては、塗布型の帯電防止剤として一般的に
用いられているもの、粒子状のカーボンブラック、ニッ
ケル、銅などの金属紛、酸化スズ、酸化亜鉛などの金属
酸化物、繊維状の黄銅、ステンレス、アルミニウム等の
金属コートファイバー、鱗片上黒鉛、アルミニウムフレ
ーク、銅フレーク等の導電性フィラー、スルホン化ポリ
アニリン、ポリピロールなどの導電性ポリマーが、本発
明の効果を阻害しない範囲で、任意に使用することがで
きる。
設ける方法としては、グラビアコート、リバースコー
ト、キスコートなどのロールコート方式、バーコート方
式、エアナイフ方式、ブレードコート方式、コンマコー
ト方式、カーテンコート方式、スプレイ方式、ディップ
方式など通常用いられている方法を適用することができ
る。
(C)から主として構成された接着性改質樹脂組成物を
フィルム表面に塗布・乾燥し、熱処理を施して、基材フ
ィルム表面の少なくとも片面に易接着層を形成させる。
塗布する段階としては、フィルムの延伸前に塗布する方
法、縦延伸後に塗布する方法、配向処理の終了したフィ
ルム表面に塗布する方法などのいずれの方法も可能であ
るが、特に一軸配向したフィルム表面に塗布した後、直
角方向に延伸配向させ、結晶化を完了させる方法が、接
着性、経済性、クリーン度等の点で、最も好ましい方法
である。
の製造方法は任意であり、特に制限されるものではない
が、例えば前述の組成からなる混合物を溶融させシート
状に押出し成形して未延伸フィルムとした後、この未延
伸フィルムを延伸するという一般的な方法を用いること
ができる。
は、フィルム原料を溶融、押出し成形する工程で、ポリ
エステル樹脂中にポリエステル樹脂と非相溶な熱可塑性
樹脂を分散させている。本発明の実施例では、ポリエス
テル樹脂およびポリエステル樹脂と非相溶な熱可塑性樹
脂はペレット形状で供給されているものを用いたが、こ
れに限定されるものではない。
入する原料は、目的の組成に応じてこれらの樹脂をペレ
ット混合して準備する。しかしながら、本発明の基材の
空洞含有ポリエステル系フィルム原料として、ポリエス
テル樹脂とポリオレフィン系樹脂を用いた場合、樹脂の
比重が両者で大きく異なるため、一度混合したペレット
が押出機に供給される過程で偏析しないような工夫を加
えることが好ましい。偏析を防ぐための好適な方法とし
て、事前に原料樹脂の一部または全部を組み合わせて混
練りペレタイズし、マスターバッチペレットとする方法
が挙げられる。本発明の実施例ではこの方法を用いた
が、本発明の効果を妨げない限り特に限定されるもので
はない。
出しにおいては、溶融状態で混合して微分散させた後
も、樹脂の界面エネルギーを減少させようという働きか
ら再凝集する性質がある。これは未延伸フィルムを押出
成形する際に空洞発現剤を粗分散化させ、求める物性発
現の妨げとなる現象である。
する際には、より混合効果の高い二軸押出機を用いて、
空洞発現剤をあらかじめ微分散させておくことが好まし
い。また、これが困難な場合には、補助的な手段とし
て、押出機から静的混合器を介して、原料樹脂をフィー
ドブロックまたはダイスに供給することも好ましい。こ
こで用いる静的混合器としては、スタティックミキサー
やオリフィス等を用いることができる。ただし、これら
の方法を採用した場合には、メルトライン中で熱劣化し
た樹脂を滞留させることもあり、注意が必要である。
に分散した非相溶樹脂は、低せん断の溶融状態下で、非
相溶樹脂の再凝集が時間とともに進行する傾向があるの
で、押出機からダイスに至るメルトライン中の滞留時間
を減少させることが根本的な解決方法である。本発明に
おいて、メルトライン中での滞留時間を30分以下とす
ることが好ましく、15分以下とすることがより好まし
い。
伸、配向処理する条件は、フィルムの物性と密接に関係
する。以下では、最も一般的な逐次二軸延伸方法、特に
未延伸フィルムを長手方向次いで幅方向に延伸する方法
を例にとり、延伸、配向条件を説明する。
は多数本のロール間で延伸する。このときの加熱手段と
しては、加熱ロールを用いる方法でも非接触の加熱方法
を用いる方法でもよく、それらを併用してもよい。次い
で一軸延伸フィルムをテンターに導入し、幅方向に(T
m−10℃)以下の温度で2.5〜5倍に延伸する。但
し、Tmはポリエステルの融点を意味する。
要に応じて熱処理を施す。熱処理はテンター中で行うの
が好ましく、(Tm−60℃)〜Tmの範囲で行うのが
好ましい。
まず、本発明で使用した特性の評価方法を以下に示す。
エタン40重量%の混合溶媒にポリエステル原料を溶解
し、固形分をガラスフィルターで濾過した後、30℃に
て測定した。
度を、フローテスター(島津製作所製、CFT−50
0)を用いて測定した。なお、剪断速度100/秒での
溶融粘度の測定は、剪断速度を100/秒に固定して行
うことが困難であるため、適当な荷重を用いて、100
/秒未満の任意の剪断速度および前記剪断速度よりも大
きい任意の剪断速度で溶融粘度を測定し、縦軸に溶融粘
度、横軸に剪断速度をとり、両対数グラフにプロットし
た。前記の2点を直線で結び、内挿により剪断速度10
0/秒での溶融粘度(η:ポイズ)を求めた。
試料とした。これを4枚重ねにして、その厚みマイクロ
メーターを用いて有効数字4桁で10点測定し、重ね厚
みの平均値を求めた。この平均値を4で除し、小数第4
位の桁を四捨五入し、一枚あたりの平均のフィルム厚み
(t:μm)を小数第3位の桁で求めた。また、同試料
4枚の重量(w:g)を自動上皿天秤により有効数字4
桁まで測定し、下記式により見かけ密度を求めた。な
お、見かけ密度は有効数字3桁に丸めた。 見かけ密度(g/cm3)=w×104/(5.00×
5.00×t×4)
子顕微鏡と画像処理装置を用いて少なくとも100個以
上の粒子を測定し、平均粒径(μm)を求めた。
真上で樹脂成分の厚みを計測する。同様の計測を、場所
を変えて100回行い、その計測値の平均を樹脂成分の
厚み(μm)とした。
ル系フィルムの異なる部位5箇所において、フィルムの
縦延伸方向と平行でかつフィルム面に垂直な割断面を観
察した。前記割断面を300〜3,000倍の適切な倍
率で観察し、フィルム全厚みの中における空洞の分布状
態が確認できる写真を撮影した。写真画像上の任意の場
所でフィルム表面に垂直に直線を引き、この直線に交わ
る空洞の数N(積層数)を計数した。また、この直線に
沿ってフィルムの全厚みT(μm)を測定し、空洞の積
層数N(個)をフィルムの全厚みT(μm)で除して空
洞積層数密度N/T(個/μm)を求めた。なお、測定
は写真1枚につき5箇所で行い、総計25箇所の空洞積
層数密度を平均し、サンプルの空洞積層数密度(個/μ
m)とした。
沢)、方法3(60度鏡面光沢)に準じて測定した。
とフィルムの接触部に黒紙を用い、ヘッド部の荷重を2
00gf/25mm2(5mm×5mm)[0.078
5MPa]とし、フィルムを10往復させて荷重ヘッド
部と擦った後の黒紙の状態を目視により次のように判定
した。 ○:黒紙上に全く粉が付いていない △:黒紙上に、0.5mm以下の粉が1〜10箇所付い
ている ×:黒紙上に、0.5mm以下の粉が11箇所以上、ま
たは0.5mmより大きい粉が付いている
気下で24時間放置後、その雰囲気下で高抵抗率計(三
菱油化(株)製、ハイレスタ−IP)を用い印加電圧5
00Vにてフィルム被覆層表面の表面固有抵抗値(Ω/
□)を測定した。
密着性 UV硬化型インキ(株式会社セイコーアドバンス製、U
VA710 ブラック)をフィルム表面(易接着層が設
けられている場合は、易接着層表面)にテトロン・スク
リーン(#300メッシュ)によって印刷した後に、5
00mJ/cm 2でUV露光した。
により2mm角100マスのクロスカット面を入れ、そ
の上にセロテープ(ニチバン株式会社製、CT−24)
を気泡が入らないように貼りつけ、さらにその上をこす
って十分に密着させる。その後、上記インキ面のセロテ
ープが密着されていない前後の両端部を手で押さえ、9
0°方向に急速に剥離した。
ス目におけるインキ残留率(マス目の一部分でも剥がれ
たものも剥がれた個数として扱う)を以下の4段階の基
準で接着性を評価し、◎及び○を合格とした。なお、本
発明でいう易接着性とは、上記評価を行った際にインキ
残留率が90%以上を有するものと定義する。
用できる) △:残留率70%以上90%未満(接着性が若干弱く、
実用上問題が発生する可能性有り) ×:残留率70%未満(接着性不良)
剤(十条加工株式会社製、テトロン)でインキ:希釈溶
剤=4:1に希釈し、テトロン(登録商標)・スクリー
ン(#250メッシュ)によって、フィルム表面(易接
着層が設けられている場合は、易接着層表面)に印刷し
た後、24時間放置した。
2mm目100マスのクロスカット面を入れ、その上に
セロテープ(ニチバン株式会社製、CT−24)を気泡
が入らないように貼り付け、更にその上をこすって十分
に密着させる。その後、上記インキ面のセロテープが密
着されていない前後の両端部を手で押さえ、90°方向
にクロスカット面を急速に剥離した。
ス目におけるインキ残留率(マス目の一部分でも剥がれ
たものも剥がれた個数として扱う)を以下の4段階の基
準で接着性を評価し、◎及び○を合格とした。なお、本
発明でいう易接着性とは、上記評価を行った際にインキ
残留率が90%以上を有するものと定義する。
用できる) △:残留率70%以上90%未満(接着性が若干弱く、
実用上問題が発生する可能性有り) ×:残留率70%未満(接着性に問題有り)
インキ(株式会社セイコーアドバンス製、UVA710
ブラック)をテトロン・スクリーン(#300メッシ
ュ)によって印刷した後に、500mJ/cm2で紫外
線照射処理を行い印刷サンプルを得た。得られたサンプ
ルを目視により、以下の4段階の基準で印刷性を評価
し、◎及び○を合格とした。なお、評価は5名で行い、
最も多いランクを採用した。 ◎:印刷部が非常に鮮明で判りやすい ○:印刷部が鮮明で判りやすい △:印刷部がやや不均一 ×:印刷部が不均一
ルムの製造方法に関する主な条件を表1に、得られたフ
ィルムの評価結果を表2に示す。
00ポイズのポリメチルペンテン樹脂(三井化学社製、
DX820)60重量%、溶融粘度(ηS)が3,90
0ポイズのポリスチレン樹脂(日本ポリスチ社製、G7
97N)20重量%、および溶融粘度が2,000ポイ
ズのポリプロピレン樹脂(グランドポリマー社製、J1
04WC)20重量%をペレット混合したものを285
℃に温調したベント式二軸押出機に供給し、予備混練り
した。この溶融樹脂を連続的にベント式単軸混練機に供
給、混練りして押出し、得られたストランドを冷却、切
断して空洞発現剤マスターペレット(M1)を調整し
た。
62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂50重
量%に平均粒径0.3μmのアナターゼ型二酸化チタン
粒子(富士チタン社製、TA−300)50重量%を混
合したものをベント式2軸押出し機に供給して予備混練
りした。この溶融樹脂を連続的にベント式単軸混練り機
に供給し、混練して押出した。得られたストランドを冷
却し、切断して二酸化チタン含有マスターペレット(M
2)を調整した。
ル(分岐したグリコール)をグリコール成分の1つとす
る水分散性共重合ポリエステル樹脂(A)(東洋紡績
(株)製、バイロナールMD−16)を固形分で2.5
重量%、末端イソシアネート基を次亜硫酸ナトリウムで
ブロックした熱反応型水溶性ウレタン樹脂(B)(第一
工業製薬社製、エラストロンH−3)を固形分で4.6
重量%、帯電防止剤として第4級アンモニウム塩系帯電
防止剤を、前記樹脂成分に対し6.2重量%、不活性粒
子として、平均粒径0.45μmのシリカ粒子(C1)
を6.0重量%及び平均粒径0.8μmの炭酸カルシウ
ム粒子(C2)を2.0重量%含有するように、下記の
手順で塗布液を調製した。
(C1)及び炭酸カルシウム粒子(C2)をそれぞれ別
々に、水/イソプロピルアルコール混合溶媒中(重量
比:70/30)に十分に分散させた。次いで、水/イ
ソプロピルアルコール混合溶媒中(重量比:70/3
0)に、共重合ポリエステル樹脂(A)、ブロック型イ
ソシアネート基を含有する樹脂(B)、および不活性粒
子(C1、C2)をそれぞれ十分に混合し、さらに帯電
防止剤を加え、塗布液を調整した。
の真空乾燥を施した固有粘度0.62dl/gの前記ポ
リエチレンテレフタレート樹脂81重量%と90℃で4
時間の真空乾燥を施した上記マスターペレット(M1)
9重量%、及び上記マスターペレット(M2)10重量
%をペレット混合して、フィルム原料(C1)とした。
原料(C1)を285℃に温調したB層用押出機に、フ
ィルム原料(C1)に用いたものと同じポリエチレンテ
レフタレート樹脂70重量%および上記マスターペレッ
ト(M2)30重量%を混合したものを、290℃に温
調したA層用押出機にそれぞれ別に供給した。B層用押
出機より吐出される溶融樹脂はオリフィスを介し、また
A層用押出機より吐出される樹脂はスタティックミキサ
ーを介してフィードブックに導き、フィルム原料(C
1)からなる層(B層)とポリエチレンテレフタレート
樹脂とマスターペレット(M2)からなる層(A層)を
A層/B層/A層の順に積層した。
ール上にTダイよりシート状に共押出し、静電印加法に
て密着固化させ、厚み510μmの未延伸フィルムを作
製した。なお、各押出機の吐出量は、各層の厚み比が1
対8対1になるよう調整した。このとき溶融樹脂がメル
トラインに滞留する時間はおよそ12分、Tダイより受
けるせん断速度は約150/秒であった。
伸フィルムを、加熱ロールを用いて65℃に均一加熱
し、周速が異なる二対のニップロール(低速ロール:2
m/分、高速ロール:6.8m/分)間で3.4倍に縦
延伸した。このとき、フィルムの補助加熱装置として、
ニップロール中間部に金反射膜を備えた赤外線加熱ヒー
タ(定格出力:20W/cm)をフィルムの両面に対向
してフィルム面から1cmの位置に設置し加熱した。こ
のようにして得られた一軸延伸フィルムの片面に、前記
の塗布液をリバースキスコート法により延伸前の樹脂固
形分厚みが0.9μmとなる様に塗布した。塗布後テン
ターに導き、乾燥しつつ150℃に加熱して3.7倍に
横延伸し、幅固定して220℃で5秒間の熱処理を施
し、更に200℃で幅方向に4%緩和させることによ
り、厚さ50μmの空洞含有ポリエステル系被覆フィル
ムを得た。
した以外は実施例1と同様にして、厚み510μmの未
延伸フィルムを作製して延伸し、厚さ50μmの空洞含
有ポリエステル系被覆フィルムを得た。
ポリメチルペンテン樹脂を溶融粘度(ηO)4,300
ポイズのもの(三井化学社製、DX845)に変更し
た。それ以外の条件は実施例2と同様にして、厚み51
0μmの未延伸フィルムを作製して延伸し、厚み50μ
mの空洞含有ポリエステル系被覆フィルムを得た。
同様に空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。
mのベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物粒子9.
0重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にし
て、厚さ50μmの空洞含有ポリエステル系被覆フィル
ムを得た。
2のフィルムは、印刷性、インキ密着性、耐粉落ち性に
優れていた。これに対し、比較例1のフィルムは空洞積
層数密度が本発明の範囲外であり、印刷性に劣ってい
た。また、比較例2のフィルムは、易接着層を有しない
ため、インキ密着性及び印刷性に劣っていた。さらに、
比較例3のフィルムは、易接着層面の60度鏡面光沢度
(G1)が75度鏡面光沢度(G2)よりも大きく、請
求項1記載の式(2)を満足しないため、耐粉落ち性に
劣っていた。
ポリエステル系被覆フィルムは、基材フィルム中におけ
る空洞の分散状態に優れているため、基材フィルムの厚
みに対する基材フィルム厚み方向の空洞の数が多い。ま
た、インキを塗布するフィルム表面に特定の表面光沢度
を有する易接着層を設けているため、紫外線(UV)硬
化型インキや酸化重合インキなど汎用の種類の異なるイ
ンキに対する易接着性及び耐粉落ち性が良好である。さ
らに、基材の空洞微分散効果及び易接着層の表面制御の
相乗効果により印刷性が優れている。そのため、ラベル
印刷用材料として特に好適である。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリエステル樹脂と、前記ポリエステル
樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂を含有する組成物からなる
空洞含有ポリエステル系基材フィルムと、前記基材フィ
ルムの少なくとも片面に易接着層を設けた空洞含有ポリ
エステル系被覆フィルムであって、下記式(1)で定義
される基材フィルムの空洞積層数密度が0.20個/μ
m以上であり、かつ前記易接着層面の60度鏡面光沢度
G1及び75度鏡面光沢度G2が、下記式(2)及び
(3)を満足することを特徴とするラベル印刷用空洞含
有ポリエステル系被覆フィルム。 空洞積層数密度(個/μm)=基材フィルム厚み方向の空洞数(個) /基材フィルム厚み(μm)…(1) G1≦20 …(2) 1≦G2/G1≦4 …(3) - 【請求項2】 前記非相溶の熱可塑性樹脂がポリオレフ
ィン系樹脂とポリスチレン系樹脂を含むことを特徴とす
る請求項1記載のラベル印刷用空洞含有ポリエステル系
被覆フィルム。 - 【請求項3】 前記非相溶の熱可塑性樹脂がポリオレフ
ィン系樹脂とポリスチレン系樹脂であることを特徴とす
る請求項1または2記載のラベル印刷用空洞含有被覆ポ
リエステル系フィルム。 - 【請求項4】 前記ポリオレフィン系樹脂中の主成分樹
脂の溶融粘度ηoと前記ポリスチレン系樹脂の溶融粘度
ηsが下記式(4)を満足することを特徴とする請求項
2または3記載のラベル印刷用空洞含有ポリエステル系
被覆フィルム。 ηO/ηS ≦0.80 …(4) - 【請求項5】 前記ポリオレフィン系樹脂中の主成分樹
脂がポリメチルペンテン樹脂であることを特徴とする請
求項2、3、または4記載のラベル印刷用空洞含有ポリ
エステル系被覆フィルム。 - 【請求項6】 前記フィルムの見かけ密度が0.70〜
1.25g/cm3であることを特徴とする請求項1、
2、3、4、または5記載のラベル印刷用空洞含有ポリ
エステル系被覆フィルム。 - 【請求項7】 前記易接着層が、分岐したグリコールを
構成成分として含有する共重合ポリエステル樹脂
(A)、ブロック型イソシアネート基を含有する樹脂
(B)、及び1種以上の不活性粒子(C)を主たる構成
成分とすることを特徴とする請求項1、2、3、4、
5、または6記載のラベル印刷用空洞含有ポリエステル
系被覆フィルム。 - 【請求項8】 前記易接着層面の表面固有抵抗値が1×
1013Ω/□以下であることを特徴とする請求項1、
2、3、4、5、6、または7記載のラベル印刷用空洞
含有ポリエステル系被覆フィルム。
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KR100477955B1 (ko) * | 2002-10-17 | 2005-03-23 | 도레이새한 주식회사 | 다공성 폴리에스테르 필름 |
JP2009292160A (ja) * | 2002-12-20 | 2009-12-17 | Eastman Kodak Co | インクジェット記録要素 |
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Citations (1)
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