JP2001346879A - 吸入式投薬器 - Google Patents

吸入式投薬器

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JP2001346879A JP2000170585A JP2000170585A JP2001346879A JP 2001346879 A JP2001346879 A JP 2001346879A JP 2000170585 A JP2000170585 A JP 2000170585A JP 2000170585 A JP2000170585 A JP 2000170585A JP 2001346879 A JP2001346879 A JP 2001346879A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を削減し、また構造を簡略化するこ
とにより、製造コストを低減する。 【解決手段】 穴あけ具8のピン10,11には、この
ピン10,11を薬粉容器15に刺して深く挿入した状
態で、薬粉容器15内を流入側通気路6、流出側通気路
7に連通する連通路12,13を設けている。従って、
穴あけ具8のピン10,11を薬粉容器15に刺したま
まの状態でも、連通路12,13等を介して薬粉を吸入
することができるから、従来技術では必要であった穴あ
け具を戻すためのばね部材等を省略することができ、部
品点数を削減して構成を簡略化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、患者の息
の吸込みによって粉体状の薬品(薬粉)を肺内に投与す
るのに用いて好適な吸入式投薬器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば喘息等の患者の肺に薬品
を投与する方法には、液体エアゾール噴霧器で吸引する
方法、薬粉容器に充填された粉体状の薬品(以下、薬粉
という)を吸入する方法等が用いられている。
【0003】これら喘息患者用の薬品投与方法のうち、
薬粉容器の一つをなすカプセル内に充填された薬粉を吸
入する方法に用いられる吸入式投薬器としては、特開平
7−313599号公報等に示すものが知られている。
【0004】そして、この従来技術による吸入式投薬器
は、軸方向の一側が薬粉が充填された薬粉容器としての
カプセルを収容するカプセル収容室となり軸方向の他側
が薬粉を吸入する吸入口となった投薬器本体と、該投薬
器本体のカプセル収容室に接続して設けられたピン挿通
穴と、該ピン挿通穴に接続され前記カプセル収容室に向
け空気を流入する流入側通気路と、前記ピン挿通穴に接
続されカプセル収容室からの薬粉を含んだ空気を吸入口
側に流出する流出側通気路と、前記投薬器本体に設けら
れ前記カプセル収容室に収容されたカプセルに穴をあけ
るピンを有する穴あけ具とによって構成されている。
【0005】この吸入式投薬器は、カプセル収容室にカ
プセルを収容し、穴あけ具を用いて該カプセルに各通気
路に連通する穴をあける。この状態で患者は、吸入口を
くわえて息を吸込むことにより、大気側から流入側通気
路、ピン挿通穴を通してカプセル内に空気が流入するか
ら、この空気流によってカプセル内の薬粉をピン挿通
穴、流出側通気路を通して吸入口側に放出し、該吸入口
から肺内に吸入する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による吸入式投薬器は、投薬器本体のカプセル収
容室にカプセルを挿入し、穴あけ具のピンをカプセルに
刺し、このピンをカプセルから引き抜くことにより、該
カプセルにピン挿通穴を介して通気路に連通する穴をあ
けるようにしている。このため、穴あけ具には、カプセ
ルからピンを引き抜く方向に付勢するばね部材等が必要
になる。この結果、投薬器は、部品点数が増大し、また
構造も複雑になるから、製造コストが上昇し、この投薬
器を使用する患者の経済的な負担が大きくなるという問
題がある。
【0007】また、昨今では、衛生上の問題や薬剤によ
って、特に頓服薬などでは1個の投薬器を継続的に使用
せず1回の投薬毎に新しい投薬器を用いる、所謂使い捨
てタイプの投薬器がある。そこで、従来技術の投薬器を
使い捨てタイプとして用いることが考えられるが、この
投薬器は、上述した理由により、使い捨てタイプの投薬
器としては適さないという問題がある。
【0008】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
なされたもので、本発明の目的は、部品点数を削減し、
また構造を簡略化することにより、製造コストを低減し
衛生面を考慮した使い捨てタイプの吸入式投薬器を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による吸
入式投薬器は、軸方向の一側が薬粉が充填された薬粉容
器を収容する容器収容室となり軸方向の他側が薬粉を吸
入する吸入口となった投薬器本体と、該投薬器本体の容
器収容室に接続して設けられたピン挿通穴と、該ピン挿
通穴に接続され前記容器収容室に向け空気を流入する流
入側通気路と、前記ピン挿通穴に接続され容器収容室か
らの薬粉を含んだ空気を吸入口側に流出する流出側通気
路と、前記投薬器本体に設けられ前記容器収容室に収容
された薬粉容器に穴をあけるピンを有する穴あけ具とを
備えてなる。
【0010】そして、上述した課題を解決するために、
請求項1の発明が採用する構成の特徴は、穴あけ具のピ
ンには、当該ピンを薬粉容器に刺した状態で該薬粉容器
内と流入側通気路、流出側通気路とを連通する連通路を
設けたことにある。
【0011】このように構成したことにより、穴あけ具
のピンをピン挿通穴に沿って押込み、該ピンを薬粉容器
に刺したままの状態にすることにより、該ピンに形成さ
れた連通路が薬粉容器内と各通気路とを連通する。そし
て、薬粉を吸入するときには、ピンを薬粉容器に刺した
ままの状態で患者が吸入口をくわえて息を吸込むと、流
入側通気路から流入した外気は連通路を介して容器収容
室の薬粉容器内に流入する。これにより、薬粉容器内の
薬粉は、空気流によって微粒化され、この空気流に混入
した状態で連通路、流出側通気路を通って吸入口側に流
出し、該吸入口から肺内に吸入される。
【0012】請求項2の発明によると、連通路は、穴あ
け具のピンの外表面を長さ方向に伸びる切欠溝として形
成したことにある。これにより、ピンに形成された切欠
溝を介して薬粉容器内と各通気路とを連通することがで
きる。また、連通路はピンの外表面の一部を切欠くこと
によって形成しているから、該ピンは薬粉容器に穴をあ
けるのに十分な強度を得ることができる。
【0013】請求項3の発明によると、投薬器本体と穴
あけ具との間には、非使用時にピンが薬粉容器側に移動
するのを規制する規制部材を設けたことにある。これに
より、例えば投薬器を持ち歩いた場合でも、規制部材が
穴あけ具の移動を規制しているから、ピンが薬粉容器に
刺さるのを防止することができる。
【0014】請求項4の発明によると、穴あけ具のピン
には、当該ピンを所定の位置まで差し込んだときに投薬
器本体側に係合して逆向きの移動を規制するかえし部を
設けたことにある。これにより、例えば穴あけ具が投薬
器本体から脱落するのをかえし部によって防止でき、ま
た、穴あけ具のピンを薬粉容器に深く刺した位置でかえ
し部を投薬器本体に係合させることにより、確実な投薬
動作を行なうことができる。
【0015】請求項5の発明によると、流出側通気路の
下流側には、薬粉容器から流出した薬粉を拡散する薬粉
拡散手段を設けたことにある。これにより、薬粉容器か
ら流出側通気路を介して流出する薬粉は、薬粉拡散手段
によってさらに拡散されるから、患者は微粒化した状態
の薬粉を吸入口から吸入することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
吸入式投薬器を添付図面に従って詳細に説明する。な
お、本実施の形態では、1回の投薬毎に新しい投薬器を
用いる、所謂使い捨てタイプの投薬器を例に挙げて説明
する。
【0017】まず、図1ないし図6は本発明の第1の実
施の形態を示す。1は吸入式投薬器の本体を構成する円
柱状の投薬器本体で、該投薬器本体1は、例えば樹脂材
料を用いて形成されている。そして、投薬器本体1に
は、後述する容器収容穴2、吸入口3、ピン挿通穴4,
5、流入側通気路6、流出側通気路7等が設けられてい
る。
【0018】2は投薬器本体1の軸方向の一側に設けら
れた容器収容室としての容器収容穴で、該容器収容穴2
は、投薬器本体1の一側に形成された凹円錐面1Aの中
央に開口し、軸方向に伸びる有底穴をなしている。そし
て、容器収容穴2は、後述する薬粉容器15に対応する
ように下側が円弧状となる断面D字状に形成され、該容
器収容穴2内には予め薬粉容器15が嵌合状態で収容さ
れている。また、3は投薬器本体1の軸方向の他側に設
けられた吸入口で、該吸入口3は、患者が薬粉を吸入す
るときに口にくわえるものである。
【0019】4,5は容器収容穴2を貫通するように投
薬器本体1の径方向に形成された有底状のピン挿通穴
で、流入側のピン挿通穴4には、容器収容穴2を挟んだ
位置に係合溝4A,4Bが設けられている。また、流出
側のピン挿通穴5には、容器収容穴2を挟んだ位置に係
合溝5A,5Bが設けられている。そして、後述する穴
あけ具8のピン10,11先端をピン挿通穴4,5に差
し込んだ投薬器の非使用状態(図1に示す状態)では、
開口側に位置する係合溝4A,5Aにピン10,11の
かえし部10A,11Aを係合させることにより、穴あ
け具8の脱落を防止する。また、ピン10,11をピン
挿通穴4,5に深く挿入して薬粉容器15に刺した投薬
状態(図6に示す状態)では、奥所の係合溝4B,5B
にピン10,11のかえし部10A,11Aを係合さ
せ、開口側の係合溝4A,5Aにピン10,11のかえ
し部10B,11Bを係合させることにより、投薬状態
を保持することができる。
【0020】6,6は投薬器本体1の軸方向の一側に設
けられた2本の流入側通気路で、該各流入側通気路6
は、容器収容穴2の外周側に位置して軸方向に伸び、一
側が凹円錐面1Aで大気側に開口し、他側がピン挿通穴
4に接続されている。
【0021】7,7は投薬器本体1の軸方向のほぼ中間
部に設けられた2本の流出側通気路で、該各流出側通気
路7は、容器収容穴2の外周側に位置して軸方向に伸
び、一側がピン挿通穴5に接続され、他側が吸入口3側
に開口している。
【0022】8は例えば樹脂材料を用いて形成された穴
あけ具で、該穴あけ具8は、投薬器本体1の軸線に対し
てほぼ直交する方向に移動することにより薬粉容器15
に穴あけを施すものである。そして、穴あけ具8は、図
2に示すように、押圧操作される支持部9と、該支持部
9から所定寸法離間して平行に伸び、その先端部が鋭利
な針先となった2本のピン10,11とによって大略構
成されている。
【0023】また、各ピン10,11のうち、流入側の
ピン10には、流入側のピン挿通穴4の係合溝4A,4
Bに係合するかえし部10A,10Bが形成されてい
る。また、流出側のピン11には、流出側のピン挿通穴
5の係合溝5A,5Bに係合するかえし部11A,11
Bが形成されている。
【0024】12は流入側のピン10に形成された連通
路で、該連通路12は、流入側通気路6に向けて開口
し、ピン10の外表面を長さ方向に切欠いて伸びる切欠
溝として形成されている。また、連通路12の長さ寸法
は、ピン10をピン挿通穴4に深く挿入した投薬状態
で、流入側通気路6,6と薬粉容器15内とを連通する
長さ寸法に設定されている。
【0025】一方、13は流出側のピン11に形成され
た連通路で、該連通路13は、流出側通気路7に向けて
開口しピン11の外表面を長さ方向に切欠いて伸びる切
欠溝として形成されている。また、連通路13の長さ寸
法は、前述した流入側の連通路12と同様に、ピン11
をピン挿通穴5に深く挿入した投薬状態で、流出側通気
路7,7と薬粉容器15内とを連通する長さ寸法に設定
されている。
【0026】ここで、各連通路12,13は、各ピン1
0,11の外表面の一部を切欠いて形成することによ
り、このピン10,11の断面形状を、図3に示すよう
なC字状とすることができる。これにより、ピン10,
11は、薬粉容器15に穴をあけるのに十分な強度を有
している。
【0027】14は上述した非使用状態で投薬器本体1
と穴あけ具8との間に配設された規制部材としてのスト
ッパで、該ストッパ14は、ピン10,11を取り囲む
ように配設されるもので、図5に示す如く、断面C字状
(ほぼ筒体状)に形成されている。そして、ストッパ1
4は、投薬器本体1の外周面と穴あけ具8の支持部9と
の距離を固定し、例えば持ち歩き時に穴あけ具8が不用
意に操作されるのを防止するものである。一方、投薬器
を使用する場合には、外周側のつまみ14Aをつまんで
ストッパ14を取り外すことにより、穴あけ具8による
薬粉容器15の穴あけを許可することができる。
【0028】一方、15は投薬器本体1の容器収容穴2
に収容された薬粉容器で、該薬粉容器15は、アルミニ
ウム材料、樹脂材料等からなり、図4に示すように、半
円筒状の膨らみを有する膨出部15Aと、該膨出部15
Aを閉塞するように膨出部15Aに貼着されたアルミニ
ウム材料、樹脂材料等からなる蓋板15Bとによって大
略構成され、膨出部15Aと蓋板15Bとによって画成
された内部空間には、粉体状の薬品(薬粉)が充填され
ている。
【0029】本実施の形態による吸入式投薬器は、上述
の如き構成を有するもので、次に、患者が薬粉を吸入す
るまでの動作および吸入時の空気と薬粉の流れについて
説明する。
【0030】最初に、投薬器を持ち歩いているときに
は、図1に示すように、投薬器本体1と穴あけ具8との
間にストッパ14を取付け、該穴あけ具8の操作を規制
しているから、不用意に薬粉容器15に穴が形成されて
薬粉が漏れ出たりするような事態を未然に防ぐことがで
きる。
【0031】一方、薬粉を吸入する場合には、まず、ス
トッパ14を取外して穴あけ具8の規制を解除し、該穴
あけ具8の支持部9を投薬器本体1側に押圧し、ピン1
0,11を薬粉容器15に刺して貫通させる。そして、
ピン10,11は、所定の深さまで押込まれたときに、
そのかえし部10A,10B,11A,11Bを投薬器
本体1側の係合溝4A,4B,5A,5Bに係合するこ
とにより、図6に示す投薬状態で固定することができ
る。
【0032】ここで、ピン10,11を薬粉容器15に
刺した状態では、ピン10の外表面を切欠いて形成され
た連通路12が流入側通気路6と薬粉容器15内とを連
通するから、流入側通気路6からの空気を連通路12を
介して薬粉容器15内に供給することができる。また、
ピン11の外表面を切欠いて形成された連通路13が薬
粉容器15内を流出側通気路7とを連通するから、この
連通路13を介して薬粉を含んだ空気を流出側通気路7
に流出することができる。
【0033】従って、患者は吸入口3をくわえ、この状
態で息を吸込む。これにより、空気は、図6に示す矢示
のように、流入側通気路6、ピン10の連通路12を通
って薬粉容器15内に流入する。このときに、薬粉容器
15内に流入する空気流は、該薬粉容器15内の薬粉を
分散して微粒化する。
【0034】このように、薬粉容器15内で微粒化され
た薬粉は、ピン11の連通路13を介して流出側通気路
7から吸入口3側に放出されるから、患者は吸入口3か
ら放出される薬粉を吸入することにより、この薬粉を口
内、気管を介して肺内に投与することができる。
【0035】以上のように、本実施の形態によれば、穴
あけ具8のピン10,11には、該ピン10,11を薬
粉容器15に刺して深く挿入した状態で、該薬粉容器1
5内を流入側通気路6、流出側通気路7に連通する連通
路12,13を設けている。従って、穴あけ具8のピン
10,11を薬粉容器15に刺したままの状態でも、連
通路12,13等を介して薬粉を吸入することができる
から、従来技術で必要であった穴あけ具を戻すためのば
ね部材等を省略することができ、部品点数を削減して構
成を簡略化することができる。
【0036】しかも、本実施の形態では、投薬器は1回
の投薬毎に新しい投薬器を使用する使い捨てタイプの投
薬器として用いているから、穴あけ具8は、そのピン1
0,11によって薬粉容器15に1回だけ穴をあけるこ
とができればよく、該穴あけ具8の材質として樹脂材料
を用いることができる。
【0037】この結果、投薬器の部品点数を削減し、ま
た穴あけ具8に樹脂材料を用いて一体成形することによ
り、投薬器を安価に製造することができるから、この投
薬器を使用する患者の経済的な負担を小さくすることが
できる。
【0038】また、連通路12,13は、ピン10,1
1の外表面を長さ方向に切欠いて形成しているので、ピ
ン10,11は、薬粉容器15に穴をあけるのに十分な
強度を得ることができる。
【0039】一方、投薬器本体1と穴あけ具8との間に
は、非使用時にピン10,11が薬粉容器15側に移動
するのを規制するストッパを設けているので、例えば投
薬器を持ち歩いた場合でも、ストッパ14によって薬粉
容器15に不用意に穴が形成されるのを防止することが
できるから、取扱いを容易にし、信頼性を向上すること
ができる。
【0040】さらに、穴あけ具8のピン10,11に
は、かえし部10A,10B,11A,11Bを設け、
非使用状態では、ピン10,11の先端側に設けられた
かえし部10A,11Aを投薬器本体1側に係合するこ
とにより、穴あけ具8が投薬器本体1から抜け落ちない
ように保持することができる。また、穴あけ具8を投薬
器本体1側に押込んでピン10,11を薬粉容器15に
刺した状態では、この投薬位置でかえし部10A,10
B,11A,11Bを投薬器本体1側に係合させ、投薬
状態を保持することができる。これにより、投薬器によ
って薬粉を吸入するときの作業を確実に行なうことがで
き、取扱いを容易にすることができる。
【0041】次に、図7ないし図9は本発明の第2の実
施の形態を示している。なお、本実施の形態では、前述
した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を
付し、その説明を省略するものとする。
【0042】21は本実施の形態による投薬器本体で、
該投薬器本体21は、例えば樹脂材料を用いて形成され
たボディ22とキャップ28とによって構成されてい
る。
【0043】22は円柱状に形成された投薬器本体21
のボディで、該ボディ22には、図8に示すように、後
述の容器収容穴23、吸入口24、ピン挿通穴25、流
出側通気路26等が設けられている。
【0044】23はボディ22の軸方向の一側に設けら
れた容器収容穴で、該容器収容穴23は、ボディ22の
軸線と直交する方向に伸びて形成されている。そして、
容器収容穴23は、キャップ28と協働して薬粉容器1
5を収容するものである。また、24はボディ22の軸
方向の他側に設けられた吸入口で、該吸入口24は、患
者が薬粉を吸入するときに口にくわえるものである。
【0045】25,25はボディ22に設けられた2本
のピン挿通穴で、該各ピン挿通穴25,25は、容器収
容穴23の底部から軸方向に平行に伸びている。また、
各ピン挿通穴25には、奥所に位置して係合溝25Aが
形成されている。
【0046】26,26はボディ22に設けられた2本
の流出側通気路で、該各流出側通気路26は、一側がピ
ン挿通穴25に接続され、他側が吸入口24側に開口し
ている。
【0047】27,27はボディ22の一端面外周側に
形成された係合穴で、該各係合穴27は、後述するキャ
ップ28の係合突起31が嵌合することにより、該係合
突起31と協働してボディ22とキャップ28とを一体
的に組付けるものである。
【0048】次に、28はボディ22の一端側に取付け
られた円板状のキャップで、該キャップ28には、ボデ
ィ22のピン挿通穴25に対応する位置に2本のピン挿
通穴29,29が形成されている。ここで、各ピン挿通
穴29には、一側寄りに位置して係合溝29Aが形成さ
れている。また、キャップ28には、前記各ピン挿通穴
29を通るように径方向に流入側通気路30が形成され
ている。さらに、キャップ28の他端面外周側には、ボ
ディ22の係合穴27に嵌着する係合突起31,31が
突設されている。
【0049】そして、投薬器本体21は、ボディ22の
容器収容穴23に薬粉が充填された薬粉容器15を取付
け、この状態でボディ22の一端側にキャップ28を取
付けることによって組立てられる。
【0050】32は例えば樹脂材料を用いて形成された
穴あけ具で、該穴あけ具32は、投薬器本体21の軸方
向に移動することにより薬粉容器15に穴あけを施すも
のである。そして、穴あけ具32は、押圧操作される支
持部33と、該支持部33から所定寸法離間して平行に
伸び、その先端部が鋭利な針先となった2本のピン3
4,34とによって大略構成されている。また、各ピン
34には、先端側と基端側にピン挿通穴25の係合溝2
5A,ピン挿通穴29の係合溝29Aに係合するかえし
部34A,34Bが形成されている。
【0051】35,35はピン34,34の基端側に形
成された流入側の連通路で、該各連通路35は、互いに
対向するようにピン34の外表面を長さ方向に切欠いて
伸びる切欠溝として形成されている。また、連通路35
の長さ寸法は、図9に示すようにピン34をピン挿通穴
25まで深く挿入した投薬状態で、流入側通気路30と
薬粉容器15内とを連通する長さ寸法に設定されてい
る。
【0052】一方、36,36はピン34,34の先端
側に形成された流出側の連通路で、該各連通路36は、
流出側通気路26,26に対応して互いに反対側を向く
ようにピン34の外表面を長さ方向に切欠いて伸びる切
欠溝として形成されている。また、連通路36の長さ寸
法は、ピン34をピン挿通穴25まで深く挿入した投薬
状態で、流出側通気路26と薬粉容器15内とを連通す
る長さ寸法に設定されている。
【0053】なお、本実施の形態においても、非使用状
態では投薬器本体21と穴あけ具32との間に図示しな
いストッパが設けられ、投薬時には取外される。
【0054】本実施の形態による吸入式投薬器は、上述
の如き構成を有するもので、次に、患者が薬粉を吸入す
るまでの動作および吸入時の空気と薬粉の流れについて
説明する。
【0055】薬粉を吸入する場合には、まず、ストッパ
を取外して穴あけ具32の規制を解除し、該穴あけ具3
2の支持部33を投薬器本体21側に押圧し、各ピン3
4を薬粉容器15に刺して貫通させる。そして、ピン3
4は、ピン挿通穴25まで深く押込まれたときに、その
かえし部34A,34Bを投薬器本体21側の係合溝2
5A,29Aに係合させることにより、図9に示す投薬
状態で固定することができる。
【0056】ここで、各ピン34を薬粉容器15に刺し
た状態では、ピン34の外表面を切欠いて形成された連
通路35が流入側通気路30と薬粉容器15内とを連通
するから、流入側通気路30からの空気を連通路35を
介して薬粉容器15内に供給することができる。また、
ピン34の連通路36が薬粉容器15内を流出側通気路
26とを連通するから、この連通路36を介して薬粉を
含んだ空気を流出側通気路26に流出することができ
る。
【0057】従って、患者は吸入口24をくわえ、この
状態で息を吸込む。これにより、空気は、図9に示す矢
示のように、流入側通気路30、ピン34の連通路35
を通って薬粉容器15内に流入する。このときに、薬粉
容器15内に流入する空気流は、該薬粉容器15内の薬
粉を分散して微粒化し、薬粉と一緒にピン34の連通路
36を介して流出側通気路26から吸入口24側に放出
される。
【0058】かくして、このように構成された本実施の
形態によれば、穴あけ具32を投薬器本体21の軸方向
に連なるように配設しているから、投薬器全体を円柱状
にコンパクトにまとめることができ、携帯性を良好にす
ることができる。
【0059】次に、図10は本発明の第3の実施の形態
を示している。なお、本実施の形態では、前述した第1
の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0060】41は本実施の形態による投薬器本体で、
該投薬器本体41は、例えば樹脂材料を用いて形成され
たボディ42とキャップ48とによって構成されてい
る。
【0061】42は円柱状に形成された投薬器本体41
のボディで、該ボディ42の一側には容器収容穴43が
設けられ、ボディ42の他側には吸入口44が設けられ
ている。また、ボディ42には2本のピン挿通穴45,
45が設けられ、該各ピン挿通穴45には、奥所に位置
して係合溝45Aが形成されている。また、ボディ42
の中央には1本の流出側通気路46が設けられ、一端面
外周側には係合穴47,47が設けられている。
【0062】ここで、流出側通気路46は、ボディ42
の中央を軸方向に伸びて形成され、その一側がY字状に
分岐してピン挿通穴45に接続されている。また、流出
側通気路46の他側は吸入口44側に開口している。
【0063】次に、48はボディ42の一端側に取付け
られた円板状のキャップで、該キャップ48には、ボデ
ィ42のピン挿通穴45に対応する位置に2本のピン挿
通穴49,49が形成されている。ここで、各ピン挿通
穴49には、一側寄りに位置して係合溝49Aが形成さ
れている。また、キャップ48には、前記各ピン挿通穴
49を通るように径方向に流入側通気路50が形成され
ている。さらに、キャップ48の他端面外周側には、ボ
ディ42の係合穴47に係合する係合突起51,51が
突設されている。
【0064】そして、投薬器本体41は、ボディ42の
容器収容穴43に薬粉が充填された薬粉容器15を取付
け、この状態でボディ42の一端側にキャップ48を取
付けることによって組立てられる。
【0065】52は投薬器本体41と同様に例えば樹脂
材料を用いて形成された穴あけ具で、該穴あけ具52
は、押圧操作される支持部53と、該支持部53から所
定寸法離間して平行に伸び、その先端部が鋭利な針先と
なった2本のピン54,54とによって大略構成されて
いる。また、各ピン54には、先端側と基端側にピン挿
通穴45の係合溝45A,ピン挿通穴49の係合溝49
Aに係合するかえし部54A,54Bが形成されてい
る。
【0066】55,55はピン54,54の基端側に形
成された流入側の連通路、同じく56,56はピン5
4,54の先端側に形成された流出側の連通路で、これ
ら連通路55,56は、第2の実施の形態と同様に、各
ピン54の外表面を切欠いて形成されている。
【0067】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前記各実施の形態とほぼ同様の作用効
果を得ることができるが、特に、本実施の形態によれ
ば、流出側通気路46を1本としているから、2本の連
通路56,56から流出する薬粉を流出側通気路46で
衝突させて微粒化を促進することができ、投薬効率を向
上することができる。
【0068】次に、図11は本発明の第4の実施の形態
を示している。なお、本実施の形態では、前述した第1
の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0069】61は本実施の形態による投薬器本体で、
該投薬器本体61は、例えば樹脂材料を用いて形成され
たボディ62とキャップ71とによって構成されてい
る。
【0070】62は円柱状に形成された投薬器本体61
のボディで、該ボディ62の一側には容器収容穴63が
設けられ、ボディ62の他側には吸入口64が設けられ
ている。また、ボディ62には、係合溝65Aを有する
流入側のピン挿通穴65と、係合溝66Aを有する流出
側のピン挿通穴66と、一側がボディ62の外周面に開
口し、他側が流入側のピン挿通穴65に接続された第1
の流入側通気路67と、一側が流出側のピン挿通穴66
に接続され、他側が吸入口64側に開口した第1の流出
側通気路68と、一側がキャップ71の流出側通気路7
5に接続され、他側が吸入口64側に開口した第2の流
出側通気路69とが設けられている。さらに、ボディ6
2の一端面外周側には複数個の係合穴70(1個のみ図
示)が設けられている。
【0071】次に、71はボディ62の一端側に取付け
られた円板状のキャップで、該キャップ71には、ボデ
ィ62のピン挿通穴65,66に対応する位置に係合溝
72A,73Aを有するピン挿通穴72,73が形成さ
れている。また、キャップ71には、一側がキャップ7
1の外周面に開口し、他側が流入側のピン挿通穴72に
接続された第2の流入側通気路74と、一側が流出側の
ピン挿通穴73に接続され、他側がキャップ71の他端
面に開口し、ボディ62の第2の流出側通気路69に接
続される第2の流出側通気路75とが設けられている。
さらに、キャップ71の他端面外周側には複数個の係合
突起76(1個のみ図示)が突設されている。
【0072】77は投薬器本体61と同様に例えば樹脂
材料を用いて形成された穴あけ具で、該穴あけ具77
は、第2の実施の形態と同様に、支持部78、流入側の
ピン79、流出側のピン80によって大略構成され、各
ピン79,80には、先端側と基端側にかえし部79
A,79B,80A,80Bが形成されている。
【0073】81は流入側のピン79の基端側に形成さ
れた流入側の連通路、82はピン79の先端側に形成さ
れた流入側の連通路を示し、該連通路81,82は、第
2の流入側通気路74、第1の流入側通気路67側を向
くようにピン79の外表面を長さ方向に切欠いて伸びる
切欠溝として形成されている。
【0074】一方、83は流出側のピン80の基端側に
形成された流出側の連通路、84はピン80の先端側に
形成された流出側の連通路を示し、該連通路83,84
は、第2の流出側通気路75、第1の流出側通気路68
側を向くようにピン80の外表面を長さ方向に切欠いて
伸びる切欠溝として形成されている。
【0075】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前記各実施の形態とほぼ同様の作用効
果を得ることができる。
【0076】次に、図12は本発明の第5の実施の形態
を示している。なお、本実施の形態では、前述した第1
の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0077】91は本実施の形態による投薬器本体で、
該投薬器本体91は、例えば樹脂材料を用いて形成され
たボディ92とキャップ101とにより構成されてい
る。
【0078】92は円柱状に形成された投薬器本体91
のボディで、該ボディ92の一側には容器収容穴93が
設けられ、他側には吸入口94が設けられている。ま
た、ボディ92には、係合溝95Aを有する流入側のピ
ン挿通穴95と、係合溝96Aを有する流出側のピン挿
通穴96と、一側がボディ92の外周面に開口し、他側
が流入側のピン挿通穴95に接続された第1の流入側通
気路97と、一側が流出側のピン挿通穴96に接続さ
れ、他側が吸入口94側に開口した第1の流出側通気路
98と、一側がキャップ101の流出側通気路105に
接続され、他側が吸入口94側に開口した第2の流出側
通気路99とが設けられている。さらに、ボディ92の
一端面外周側には複数個の係合穴100(1個のみ図
示)が設けられている。
【0079】ここで、第1の流出側通気路98は、一側
がピン挿通穴95,96間で流出側のピン挿通穴96に
接続され、他側が第2の流出側通気路99と離間するよ
うに斜めに伸びて吸入口94側に開口している。
【0080】次に、101はボディ92の一端側に取付
けられた円板状のキャップで、該キャップ101には、
係合溝102A,103Aを有するピン挿通穴102,
103が形成されている。また、キャップ101には、
一側がキャップ101の外周面に開口し、他側が流入側
のピン挿通穴102に接続された第2の流入側通気路1
04と、一側が流出側のピン挿通穴103に接続され、
他側がキャップ101の他端面に開口し、ボディ92の
第2の流出側通気路99に接続される第2の流出側通気
路105とが設けられている。さらに、キャップ101
の他端面外周側には複数個の係合突起106(1個のみ
図示)が突設されている。
【0081】107は投薬器本体91と同様に例えば樹
脂材料を用いて形成された穴あけ具で、該穴あけ具10
7は、第2の実施の形態と同様に、支持部108、流入
側のピン109、流出側のピン110によって大略構成
され、各ピン109,110には、先端側と基端側にか
えし部109A,109B,110A,110Bが形成
されている。
【0082】111は流入側のピン109の基端側に形
成された流入側の連通路、112はピン109の先端側
に形成された流入側の連通路を示し、該連通路111,
112は、第2の流入側通気路104、第1の流入側通
気路97側を向くようにピン109の外表面を長さ方向
に切欠いて伸びる切欠溝として形成されている。
【0083】一方、113は流出側のピン110の基端
側に形成された流出側の連通路、114はピン110の
先端側に形成された流出側の連通路を示し、該連通路1
13,114は、第2の流出側通気路105、第1の流
出側通気路98側を向くようにピン110の外表面を長
さ方向に切欠いて伸びる切欠溝として形成されている。
【0084】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前記各実施の形態とほぼ同様の作用効
果を得ることができる。
【0085】次に、図13は本発明の第6の実施の形態
を示すに、本実施の形態の特徴は、流出側通気路の下流
側には、薬粉容器から流出した薬粉を拡散する薬粉拡散
手段を設けたことにある。なお、本実施の形態では、前
述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号
を付し、その説明を省略するものとする。
【0086】121は第1の実施の形態による投薬器本
体1に代えて用いられた本実施の形態による投薬器本体
で、該投薬器本体121は、第1の実施の形態による投
薬器本体1とほぼ同様に、容器収容穴122、吸入口1
23、ピン挿通穴124,125、流入側通気路12
6,126、流出側通気路127,127を備えてい
る。しかし、本実施の形態による投薬器本体121は、
流出側通気路127の下流側に後述の薬粉拡散室128
を有し、この薬粉拡散室128のために全体が長尺に形
成されている点で第1の実施の形態による投薬器本体1
と相違している。
【0087】128は流出側通気路127の下流側に位
置して投薬器本体121に設けられた薬粉拡散手段とし
ての薬粉拡散室で、該薬粉拡散室128は、流出側通気
路127から空気と一緒に供給される薬粉をさらに拡散
して微粒化し、この微粒化した薬粉を流出口129から
吸入口123側に供給するものである。
【0088】かくして、本実施の形態によれば、前述し
た各実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ
る上に、薬粉拡散室128によって薬粉をさらに微粒化
することができるから、吸入途中での薬粉の落下を防止
することができ、薬粉の吸入効率を高めることができ
る。
【0089】なお、第6の実施の形態では、第1の実施
の形態による投薬器本体1とほぼ同じ構成を有する投薬
器本体121に薬粉拡散室128を設けた場合を例に挙
げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば第2な
いし第5の実施の形態による投薬器本体21,41,6
1,91に薬粉拡散室128を設ける構成としてもよ
い。
【0090】また、第1の実施の形態では、投薬器本体
1、穴あけ具8は樹脂材料を用いて形成するものとして
述べたが、本発明はこれに限らず、例えば紙材料、木材
料を用い、これらの紙材料、木材料を細かくして加圧成
形することにより投薬器本体1、穴あけ具8を形成して
もよい。この構成は、第2ないし第6の実施の形態にも
同様に適用することができるものである。
【0091】さらに、各実施の形態では、薬粉容器15
は、半円筒状に膨らんだ膨出部15Aと、該膨出部15
Aを閉塞する蓋板15Bとによって構成した場合を例示
したが、これに替えて、例えば薬粉容器としてカプセル
等を適用してもよい。
【0092】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、穴あけ具のピンには、当該ピンを薬粉容器に刺し
た状態で該薬粉容器内と流入側通気路、流出側通気路と
を連通する連通路を設けているので、穴あけ具のピンを
ピン挿通穴に沿って押込み、該ピンを薬粉容器に刺した
ままの状態にすることにより、該ピンに形成された連通
路によって薬粉容器内と各通気路とを連通することがで
きる。従って、薬粉を吸入するときには、ピンを薬粉容
器に刺したままの状態で吸入口をくわえて息を吸込むこ
とにより、流入側通気路から流入した外気を連通路を介
して薬粉容器内に流入することができる。これにより、
薬粉容器内の薬粉は、空気流によって微粒化でき、この
空気流に混入した状態で連通路、流出側通気路を介して
吸入口側に流出し、該吸入口から肺内に吸入することが
できる。
【0093】この結果、従来技術において必要であった
穴あけ具を戻すためのばね部材等を省略することがで
き、部品点数を削減して構成を簡略化することができ
る。これにより、使い捨てタイプの投薬器として用いた
場合でも、投薬器を安価に製造することができ、患者の
経済的な負担を小さくすることができる。
【0094】請求項2の発明によれば、連通路は、穴あ
け具のピンの外表面を長さ方向に伸びる切欠溝として形
成しているので、ピンに形成された切欠溝を介して薬粉
容器内と各通気路とを連通することができる。また、連
通路はピンの外表面の一部を切欠くことによって形成し
ているから、該ピンは薬粉容器に穴をあけるのに十分な
強度を得ることができる。
【0095】請求項3の発明によれば、投薬器本体と穴
あけ具との間には、非使用時にピンが薬粉容器側に移動
するのを規制する規制部材を設けているので、例えば投
薬器を持ち歩いた場合でも、規制部材が穴あけ具の移動
を規制しているから、ピンが薬粉容器に刺さるのを防止
することができ、携帯時の取扱いを容易にすることがで
きる。
【0096】請求項4の発明によれば、穴あけ具のピン
には、当該ピンを所定の位置まで差し込んだときに投薬
器本体側に係合して逆向きの移動を規制するかえし部を
設けているので、例えば穴あけ具が投薬器本体から脱落
するのをかえし部によって防止でき、また、穴あけ具の
ピンを薬粉容器に深く刺した位置でかえし部を投薬器本
体に係合させることにより、確実な投薬動作を行なうこ
とができる。
【0097】請求項5の発明によれば、流出側通気路の
下流側には、薬粉容器から流出した薬粉を拡散する薬粉
拡散手段を設けているので、薬粉容器から流出側通気路
を介して流出する薬粉は、薬粉拡散手段によってさらに
拡散されるから、患者は微粒化した状態の薬粉を吸入口
から吸入することができ、投薬効率を向上することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による吸入式投薬器
を示す縦断面図である。
【図2】図1中の穴あけ具を単体で示す縦断面図であ
る。
【図3】ピンと連通路を図2中の矢示 III−III 方向か
らみた拡大横断面図である。
【図4】薬粉容器を単体で底部側からみた外観斜視図で
ある。
【図5】ストッパを示す外観斜視図である。
【図6】第1の実施の形態による吸入式投薬器を薬粉を
吸入している状態で示す縦断面図である。
【図7】第2の実施の形態による吸入式投薬器を示す縦
断面図である。
【図8】第2の実施の形態による吸入式投薬器を分解し
た状態で示す分解縦断面図である。
【図9】第2の実施の形態による吸入式投薬器を薬粉を
吸入している状態で示す縦断面図である。
【図10】第3の実施の形態による吸入式投薬器を薬粉
を吸入している状態で示す縦断面図である。
【図11】第4の実施の形態による吸入式投薬器を薬粉
を吸入している状態で示す縦断面図である。
【図12】第5の実施の形態による吸入式投薬器を薬粉
を吸入している状態で示す縦断面図である。
【図13】第6の実施の形態による吸入式投薬器を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1,21,41,61,91,121 投薬器本体 2,23,43,63,93,122 容器収容穴(容
器収容室) 3,24,44,64,94,123 吸入口 4,5,25,29,45,49,65,66,72,
73,95,96,102,103,124,125
ピン挿通穴 6,30,50,67,74,97,104,126
流入側通気路 7,26,46,68,69,75,98,99,10
5,127 流出側通気路 8,32,52,77,107 穴あけ具 10,11,34,54,79,80,109,110
ピン 10A,10B,11A,11B,34A,34B,5
4A,54B,79A,79B,80A,80B,10
9A,109B,110A,110B かえし部 12,13,35,36,55,56,81,82,8
3,84,111,112,113,114 連通路 14 ストッパ(規制部材) 15 薬粉容器 128 薬粉拡散室(薬粉拡散手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷澤 嘉行 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 石関 一則 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 中村 茂巳 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 柳川 明 神奈川県横浜市都筑区富士見が丘5−3

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向の一側が薬粉が充填された薬粉容
    器を収容する容器収容室となり軸方向の他側が薬粉を吸
    入する吸入口となった投薬器本体と、該投薬器本体の容
    器収容室に接続して設けられたピン挿通穴と、該ピン挿
    通穴に接続され前記容器収容室に向け空気を流入する流
    入側通気路と、前記ピン挿通穴に接続され容器収容室か
    らの薬粉を含んだ空気を吸入口側に流出する流出側通気
    路と、前記投薬器本体に設けられ前記容器収容室に収容
    された薬粉容器に穴をあけるピンを有する穴あけ具とを
    備えてなる吸入式投薬器において、 前記穴あけ具のピンには、当該ピンを薬粉容器に刺した
    状態で該薬粉容器内と流入側通気路、流出側通気路とを
    連通する連通路を設けたことを特徴とする吸入式投薬
    器。
  2. 【請求項2】 前記連通路は、前記穴あけ具のピンの外
    表面を長さ方向に伸びる切欠溝として形成してなる請求
    項1に記載の吸入式投薬器。
  3. 【請求項3】 前記投薬器本体と穴あけ具との間には、
    非使用時にピンが薬粉容器側に移動するのを規制する規
    制部材を設けてなる請求項1または2に記載の吸入式投
    薬器。
  4. 【請求項4】 前記穴あけ具のピンには、当該ピンを所
    定の位置まで差し込んだときに投薬器本体側に係合して
    逆向きの移動を規制するかえし部を設けてなる請求項
    1,2または3に記載の吸入式投薬器。
  5. 【請求項5】 前記流出側通気路の下流側には、前記薬
    粉容器から流出した薬粉を拡散する薬粉拡散手段を設け
    てなる請求項1,2,3または4に記載の吸入式投薬
    器。
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