JPH09206380A - 吸入式投薬器 - Google Patents

吸入式投薬器

Info

Publication number
JPH09206380A
JPH09206380A JP4419396A JP4419396A JPH09206380A JP H09206380 A JPH09206380 A JP H09206380A JP 4419396 A JP4419396 A JP 4419396A JP 4419396 A JP4419396 A JP 4419396A JP H09206380 A JPH09206380 A JP H09206380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capsule
valve body
drug powder
passage
patient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4419396A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisatomo Oki
久朝 大木
Shigemi Nakamura
茂巳 中村
Kazunori Ishizeki
一則 石関
Yoshiyuki Tanizawa
嘉行 谷澤
Akira Yanagawa
明 柳川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DOT KK
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
DOT KK
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DOT KK, Unisia Jecs Corp filed Critical DOT KK
Priority to JP4419396A priority Critical patent/JPH09206380A/ja
Publication of JPH09206380A publication Critical patent/JPH09206380A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カプセル内の薬粉を吸引する投薬器におい
て、咳込んだときに、カプセル内の薬粉が外部に放出す
るのを防止する。 【解決手段】 カプセルホルダ5のカプセル収容室8と
吸入口19とを連通する流出側通気路10の途中に手動
弁21を設ける。薬粉吸入時には、患者の手動操作によ
って弁体22を径方向外側から押圧することにより、流
出通路10Bと通路連通穴22Dとを一致させて流出通
路10Bを連通させ、吸入空気によって薬粉を投与す
る。一方、咳込んだときには、手を放すことにより、弁
体22は復帰して、流出通路10Bを閉塞し、逆流した
空気がカプセル収容室8側に流れるのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、患者の息
の吸込みによって粉体状の薬品(薬粉)を肺内に投与す
るのに用いて好適な吸入式投薬器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、喘息患者等の肺に薬品を投与す
る方法には、薬液を注射する方法、液体エアゾール噴霧
器で吸引させる方法、薬粉収容室やカプセル内に充填さ
れた粉体状の薬品(以下、薬粉という)を吸入する方法
等が用いられている。
【0003】これら喘息患者用の薬品投与方法のうち、
カプセルに充填された薬粉を吸入する方法では、患者が
くわえる吸入口を有し、内部に一側が大気側に開口し他
側がカプセル収容室を通って該吸入口に開口した通気路
が設けられた吸入器を用い、該吸入器のカプセル収容室
にカプセルを装着し、穴あけ針等を用いて該カプセルに
前記通気路に連通する穴を形成する。そして、この状態
で吸入口をくわえて息を吸込むことにより通気路を通る
空気流によってカプセル内の薬粉を吸入口内に放出し、
患者の肺内に吸入させるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるカプセル用の吸入器では、吸入口から息を
吸い込むことにより通気路を介してカプセル内の薬粉を
吸入するようになっている。
【0005】しかし、薬粉の吸入時には、患者が咳込む
ことがあり、この場合には、吸入口から通気路側に空気
が逆流して、カプセル内の薬粉が外部に放出されてしま
う。この結果、カプセル内の薬粉量が減少してしまい、
規定量の薬粉を吸入できず、薬粉の効能が低下するとい
う問題がある。
【0006】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、吸入口内に逆流する空気によって薬粉収
容室内の薬粉が外部に放出されるのを防止し、カプセル
内の薬粉を確実に患者に投与できるようにした吸入式投
薬器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明が採用する吸入式投薬器は、薬
粉を吸入する吸入口を有する投薬器本体と、該投薬器本
体内に位置する薬粉収容室と、該薬粉収容室内の薬粉を
前記吸入口側に供給するため、一側が大気側に開口し他
側が該薬粉収容室を通って吸入口に開口した通気路と、
前記薬粉収容室と吸入口とを連通する通気路の途中に設
けられ、薬粉吸入時に手動操作によって該通気路を連通
させる手動弁とから構成してなる。
【0008】上記構成により、薬粉吸入時には、患者自
身が手動弁を操作して薬粉収容室と吸入口とを連通する
通気路を連通させ、吸入口をくわえて空気を吸込むと、
薬粉収容室内の薬粉を通気路,吸入口を介して肺内に吸
引できる。一方、薬粉吸入時以外では、手動弁を閉弁さ
せて通気路を閉塞して薬粉収容室と吸入口との連通を遮
断しているから、患者が吸入口をくわえた状態で患者が
咳込んで吸入口内に空気を逆流させたとしても、この逆
流する空気は手動弁によって遮断され、逆流した空気が
薬粉収容室内に流れ込むのを防止し、該薬粉収容室内の
薬粉が外部に放出されるのを防止できる。
【0009】請求項2の発明が採用する吸入式投薬器
は、薬粉を吸入する吸入口を有する投薬器本体と、該投
薬器本体内に位置し、内部に薬粉が充填されたカプセル
を収容するカプセル収容室と、該カプセル収容室内のカ
プセルを通って吸入口に開口した通気路と、前記カプセ
ル収容室内のカプセルに該通気路に連通する穴をあける
ために前記投薬基本体に設けられた穴あけ具と、前記吸
入口から前記カプセル収容室側に逆流する空気を遮断す
るために、前記カプセル収容室と吸入口とを連通する通
気路の途中に設けられ、薬粉吸入時に手動操作によって
該通気路を連通させる手動弁とから構成してなる。
【0010】上記構成により、薬粉吸入時には、患者自
身が手動弁を操作してカプセル収容室と吸入口とを連通
する通気路を連通させ、吸入口をくわえて空気を吸込む
と、カプセル収容室内に収容されたカプセル内の薬粉を
カプセルの挿通穴,通気路,吸入口を介して肺内に吸引
できる。一方、薬粉吸入時以外では、手動弁を閉弁させ
て通気路を閉塞してカプセル収容室と吸入口との連通を
遮断しているから、患者が吸入口をくわえた状態で患者
が咳込んで吸入口内に空気を逆流させたとしても、この
逆流する空気は手動弁によって遮断され、逆流した空気
が薬粉収容室内に流れ込むのを防止し、該薬粉収容室内
の薬粉が外部に放出されるのを防止できる。
【0011】請求項3の発明は、前記手動弁は、前記通
気路を閉弁するための弁体と、該弁体を薬粉吸入時以外
のときに常時閉弁させるように前記弁体を復帰させる復
帰手段とから構成したことにある。
【0012】上記構成により、薬粉吸入時には、患者は
復帰手段の力に抗して弁体を開弁させ、通気路を連通さ
せた上で、患者の吸引動作によって薬粉収容室内の薬粉
を吸入する。一方、薬粉吸入時以外では復帰手段によっ
て通気路は常時閉塞されているから、患者が吸入口をく
わえた状態で咳込んで吸入口に空気が逆流した場合であ
っても、逆流した空気が薬粉収容室側に流れ込むのを防
止する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
吸入式投薬器を添付図面に従って詳細に説明する。
【0014】まず、図1ないし図5に本発明の第1の実
施例を示す。
【0015】図中、1は吸入式投薬器の基部をなす投薬
器本体を示し、該投薬器本体1は、後述する吸引ピース
2とカプセルホルダ5とから構成されている。
【0016】2は略円筒状に形成された吸引ピースを示
し、該吸引ピース2は、一側に位置して内部にカプセル
ホルダ5を挿入保持するホルダ収容部3と、該ホルダ収
容部3の他側に配設された後述の吸入口19とから大略
構成され、前記ホルダ収容部3の外周側には後述する穴
あけ具15の支持部16を可動に支持するガイド筒部4
が径方向外向きに突設されている。また、ホルダ収容部
3の一端側には、カプセルホルダ5のストッパ部5Aが
嵌合される環状段部3Aが形成され、他端側には吸入口
19の嵌合筒部19Aが着脱可能に嵌合される嵌合段部
3Bが形成されている。
【0017】さらに、前記ホルダ収容部3には、ガイド
筒部4内に位置して後述する流入側通気路9のピン挿通
穴9Bに対応するピン穴3Cと流出側通気路10のピン
挿通穴10Cに対応するピン穴3Dとがそれぞれ径方向
に穿設されると共に、ガイド筒部4の外側の嵌合段部3
B側には弁体収容穴14に対応する弁体挿通穴3Eが径
方向に穿設され、該弁体挿通穴3Eの反対方向には有底
穴となるばね収容穴3Fが形成されている。
【0018】5はホルダ収容部3内に挿着されたカプセ
ルホルダを示し、該カプセルホルダ5は略円柱状に形成
され、一端側外周にはホルダ収容部3の環状段部3Aに
嵌合することによって当該カプセルホルダ5をホルダ収
容部3内に位置決めする環状のストッパ部5Aが形成さ
れている。また、該ストッパ部5Aの内周側には他側に
向けて漸次縮径するテーパ状のカプセル挿入ガイド6が
形成され、カプセルホルダ5の他側外周面は他側に向け
て漸次縮径するテーパ面部7となっている。
【0019】8はカプセルホルダ5の中央部に位置して
軸方向に形成された薬粉収容室としてのカプセル収容室
で、該カプセル収容室8は、その一端側がカプセル挿入
ガイド6に開口する有底穴として形成されている。そし
て、カプセル収容室8は、図4に示すように、その一端
側開口から挿入されたカプセルKを収容するものであ
る。ここで、前記カプセルKは長円筒状に形成され、そ
の内部に粉体状の薬品(以下、薬粉という)が充填され
ている。
【0020】9,9はカプセルホルダ5の一側に設けら
れた2本の流入側通気路を示し、該各流入側通気路9
は、大気とカプセル収容室8とを連通させるべく、カプ
セル収容室8の外周側に位置してカプセル挿入ガイド6
に開口するようにカプセルホルダ5の軸方向に形成され
た流入通路9Aと、該流入通路9Aと連通しカプセル収
容室8に開口するように径方向に形成されたピン挿通穴
9Bとから構成され、該各ピン挿通穴9Bはホルダ収容
部3のピン穴3Cと連通している。
【0021】10,10はカプセルホルダ5の他側に設
けられた2本の流出側通気路を示し、該各流出側通気路
10は、カプセル収容室8と吸入口19とを連通させる
べく、カプセル収容室8の外周側に位置してテーパ面部
7を切欠くようにカプセルホルダ5に形成された流出部
10Aと、該流出部10Aと連通しカプセルホルダ5の
軸方向に延びる流出通路10Bと、該流出通路10Bと
連通しカプセル収容室8に開口するように径方向に形成
されたピン挿通穴10Cとから構成され、該各ピン挿通
穴10Cはホルダ収容部3のピン穴3Dと連通してい
る。
【0022】ここで、前記各流入側通気路9は、吸入口
19から空気を吸込んだときに、流入通路9Aから外気
を流入させ、この空気をピン挿通穴9BからカプセルK
内に供給する。また、前記各流出側通気路10は、カプ
セルKから薬粉と共に流出する空気をピン挿通穴10
C,流出通路10Bを介して流出部10Aから吸入口1
9側に放出させるものである。
【0023】11,11はカプセル収容室8の外周側に
位置してカプセルホルダ5に設けられた2本の補助通気
路で、該各補助通気路11は、各通気路9,10から約
90度ずらした位置でカプセルホルダ5を軸方向に貫通
するように穿設されている。そして、該各補助通気路1
1は、息を吸込むときに流通する空気の流量を増やすこ
とで、このときの息苦しさを解消するものである。
【0024】また、12はカプセルホルダ5の他端中央
に位置してカプセル収容室8と連通するように軸方向に
穿設された小径孔で、該小径孔12内にはカプセル収容
室8からカプセルKを取出すためのカプセル排出具13
が挿通されている。
【0025】ここで、前記カプセル排出具13は、カプ
セル収容室8内を軸方向に移動可能に設けられた小径円
板状の押動部13Aと、基端側がカプセル収容室8内で
該押動部13Aに一体的に固着され、先端側が軸方向他
側に伸長して小径孔12から吸入口19内に伸縮可能に
突出した突き棒13Bとから構成されている。
【0026】14はカプセルホルダ5の他側に位置して
直径方向に形成された弁体収容穴で、該弁体収容穴14
は流出通路10B,10Bと小径孔12とを連通するよ
うに断面矩形状に形成され、該弁体収容穴14内には、
後述する手動弁21を構成する弁体22が径方向に移動
可能に挿通され、該弁体収容穴14は径方向外側に位置
したホルダ収容部3の弁体挿通穴3Eとばね収容穴3F
とが一直線上に並んでいる。
【0027】次に、15はカプセル収容室8内に収容さ
れたカプセルKに穴をあけるための穴あけ具を示し、該
穴あけ具15は、ガイド筒部4内に可動に支持された支
持部16と、基端側が該支持部16に固着され、先端が
鋭利な針先17Aとなってピン穴3C,3Dに挿入され
たピン17,17と、前記支持部16とホルダ収容部3
との間に設けられた戻しばね18とから構成され、該戻
しばね18は、カプセルKの穴あけ後に各ピン17の針
先17Aが僅かにピン挿通穴9B,10Cに進入した状
態となる初期位置まで支持部16、各ピン17を戻すも
のである。
【0028】そして、前記穴あけ具15は、支持部16
を戻しばね18に抗してガイド筒部4内に押込んで各ピ
ン17をピン挿通穴9B,10Cに挿通させることによ
り、その針先17Aがカプセル収容室8内のカプセルK
を貫通し、該カプセルKの軸方向両端側に径方向に貫通
する4個の貫通穴H(図4参照)をあけるようになって
いる。また、支持部16への押圧力を取除くと、戻しば
ね18の付勢力によって支持部16、各ピン17が初期
位置まで後退する。
【0029】一方、19はホルダ収容部3の他側に設け
られ、該ホルダ収容部3と共に吸引ピース2を構成する
吸入口を示し、該吸入口19の一端側にはホルダ収容部
3の嵌合段部3Bに着脱可能に嵌合する嵌合筒部19A
が一体形成され、他端側外周は患者がくわえ易いように
他側に向けて漸次縮径したテーパ面19Bとなる。ま
た、吸入口19の内周側は吸込通路20となる。
【0030】21は流出側通気路10の途中に設けられ
た本実施例による手動弁を示し、該手動弁21は、弁体
収容穴14内に挿通され径方向に移動可能な弁体22
と、該弁体22をガイド筒部4側に復帰させる復帰手段
としてのパンタグラフ状の板ばね23とから構成され、
該手動弁21はカプセル収容室8と吸入口19とを連通
させる流出側通気路10の流出通路10Bを手動操作に
よって連通・閉塞させるようになっている。
【0031】ここで、前記弁体22は、図3に示すよう
に、弁体収容穴14内に挿通される長方形状の弁本体2
2Aと、該弁本体22Aの基端側に一体形成され弁体収
容穴14および弁体挿通穴3Eから突出した楕円状の押
圧部22Bと、前記弁本体22Aの軸方向中央部に位置
して長円に形成され、カプセル排出具13の突き棒13
Bが挿通される棒挿通穴22Cと、前記弁本体22Aの
長さ方向に離間して形成され、該棒挿通穴22Cの両側
に位置した一対の通路連通穴22Dとからなる。
【0032】また、前記弁本体22Aの先端側に位置し
たばね収容穴3Fには板ばね23が配設され、該板ばね
23の押圧力は前記弁体22は抜ける方向、即ちホルダ
収容部3のガイド筒部4側に向けて作用している。しか
し、弁体22の棒挿通穴22Cにはカプセル排出具13
の突き棒13Bが挿通されているから、図3に示すよう
に、板ばね23によって弁体22が抜ける方向に移動し
たとしても突き棒13Bを棒挿通穴22Cに当てること
よって、該弁体22の抜止めと位置決めを行っている。
【0033】次に、投薬器の組立てと手動弁21の取付
け手順を図2に基づいて説明する。まず、ホルダ収容部
3の一側からカプセルホルダ5を挿入しストッパ部5A
を環状段部3Aに嵌合させ(矢示)、弁体収容穴14
と弁体挿通穴3E、ピン挿通穴9Bとピン穴3C、ピン
挿通穴10Cとピン穴3Dとがそれぞれ一直線上に位置
するように配置する。次に、弁体挿通穴3Eと弁体収容
穴14に板ばね23を先端に位置させて弁体22を挿入
する(矢示)。さらに、カプセルホルダ5の一側から
カプセル排出具13の突き棒13Bを小径孔12内に挿
入し(矢示)、このとき弁体22の棒挿通穴22C内
に突き棒13Bを挿通させて該弁体22の抜止めを図
る。最後に、ホルダ収容部3の嵌合段部3Bに吸入口1
9の嵌合筒部19Aを嵌合させ(矢示)、手動弁21
を備えた投薬器を組立てる。
【0034】このように構成される当該手動弁21で
は、外部から押圧部22Bに力が作用しない限り、弁体
22は図3中の紙面上側に移動している。このため、各
流出通路10Bは弁本体22Aによって常時閉弁され、
カプセル収容室8と吸入口19との連通を遮断する。一
方、押圧部22Bに矢示A方向の押圧力が作用したとき
には、弁体22は、図5中の紙面下側に移動して各流出
通路10Bと各通路連通穴22Dとを一致させて開弁さ
せる。これにより、各流出通路10Bを連通させて該各
流出側通気路10を介してカプセル収容室8と吸入口1
9とを連通させることができる。
【0035】本実施例による吸入式投薬器は上述の如き
構成を有するもので、次に、患者が薬粉を吸入するまで
の準備動作および吸入時の投薬器内の空気と薬粉の流れ
等について説明する。
【0036】最初に、投薬器内にカプセルKを収容し、
このカプセルKに貫通穴Hを開けるまでの準備動作につ
いて説明する。
【0037】まず、カプセル収容室8内にカプセルKを
一側から挿入する。なお、カプセルホルダ5の一端面は
テーパ状のカプセル挿入ガイド6となっているから、容
易にカプセルKをカプセル収容室8内に誘導できる。
【0038】次に、カプセルKに貫通穴Hをあけるに
は、穴あけ具15の支持部16をガイド筒部4に沿って
押込み、各ピン17はピン挿通穴9B,10Cに沿って
挿入され、該各ピン17の針先17Aでカプセル収容室
8内に収容されたカプセルKに4個の貫通穴Hを形成す
る。また、カプセルKに4個の貫通穴Hを形成した後に
は、支持部16、各ピン17が戻しばね18の付勢力に
よって初期位置まで戻される。
【0039】次に、患者が薬粉を吸込むときの吸入式投
薬器内の空気と薬粉の流れについて説明する。
【0040】まず、患者が吸入口19のテーパ面19B
をくわえた後に、図4および図5に示すように、患者が
手動弁21の押圧部22BをA方向に押圧して弁体22
を移動させ、流出側通気路10の流出通路10Bと通路
連通穴22Dとを一致させて手動弁21を開弁させるこ
とにより、カプセル収容室8と吸入口19とを各流出側
通気路10を介して連通させる。
【0041】そして、患者が息を吸込むと、図4に示す
如く、空気は各流入側通気路9の流入通路9Aからピン
挿通穴9Bを通ってカプセル収容室8側に流通し、一側
の貫通穴H,Hを介してカプセルK内に流入する。そし
て、カプセルK内に流入した空気はカプセルK内の薬粉
を強制的に拡散させ、薬粉を空気中に混入させる。
【0042】このようにしてカプセルK内の薬粉を含ん
だ空気は、他側の貫通穴H,Hから流出側通気路10の
ピン挿通穴10C,流出通路10Bおよび流出部10A
を介して吸入口19の吸込通路20側に放出され、薬粉
を含んだ空気を吸込通路20から患者の口内、気管を介
して肺内に到達させることができる。
【0043】一方、薬粉の吸入途中または吸入する寸前
に患者が咳込んだ場合には、患者が手動弁21の押圧部
22Bを放すことにより、図3に示すように、板ばね2
3によって弁体22が復帰して、該弁体22によって各
流出側通気路10の流出通路10Bが閉塞されるから、
吹出された空気が吸込通路20から通気路10,9内を
逆流し、カプセルK内の薬粉を外部に放出するのを防止
できる。
【0044】さらに、カプセルホルダ5の軸方向に形成
した各補助通気路11は大気と吸入口19とを常時連通
させているから、咳込んだ息が逆流する空気として吹き
出されたときでも、該各補助通気路11によって空気を
逃がすことができ、咳込んだ勢いで投薬器本体1自体が
吹き飛ぶのを防止することができる。
【0045】かくして、本実施例では、薬粉を吸入する
ときには、患者が吸入する寸前に常時閉弁状態にある手
動弁21を手動操作によって開弁して各流出側通気路1
0の流出通路10Bを連通させた上で吸入動作に入るこ
とにより、カプセルK内の薬粉を含んだ空気を流出側通
気路10および吸込通路20を介して患者に投薬するこ
とができる。
【0046】一方、吸入口19をくわえた状態で患者が
咳込んだときには、患者が手動弁21の押圧部22Bを
放すという簡単な動作で各流出側通気路10の流出通路
10Bを閉塞することができ、吹き込んだ空気がカプセ
ル収容室8側に逆流するのを防止できる。
【0047】従って、咳込みによって吹出された空気が
各流出側通気路10からカプセルK内に流入し、該カプ
セルK内の薬粉が各流入側通気路9から外部に放出する
のを防止できるから、カプセルK内の薬粉の減少を防止
して薬粉を効率よく吸込むことができ、患者に規定量の
薬粉を投与することにより薬粉の効能を高めることがで
きる。
【0048】また、吸入口19をホルダ収容部3に着脱
可能に取付けているから、薬粉の吸入後に吸入口19、
吸込通路20を洗浄する場合に該吸入口19を取外すこ
とにより、吸入口19の洗浄を容易に行うことができ、
洗浄時の作業性を向上することができる上に、吸入口1
9は、一側を把持した状態で軸方向に引張ることにより
患者がくわえる部分に触れることなく短時間で取外すこ
とができるから、雑菌等が付着するのを防止することが
でき、衛生面を向上することができる。
【0049】次に、図6ないし図9に本発明の第2の実
施例を示すに、本実施例の特徴は、横側から弁体を押圧
する手動操作により通気路を連通・閉塞させるようにし
たことにある。
【0050】なお、本実施例では、前述した第1の実施
例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略するものとする。
【0051】図中、31は吸引ピース2を構成するホル
ダ収容部を示し、該ホルダ収容部31の外周側には穴あ
け具15を収容するガイド筒部32が形成されると共
に、一端側には後述するカプセルホルダ33のストッパ
部33Aが嵌合される環状段部31Aが形成され、他端
側には吸入口19の嵌合筒部19Aが着脱可能に嵌合さ
れる嵌合段部31Bが形成されている。
【0052】さらに、前記ホルダ収容部31には、ガイ
ド筒部32内に位置して後述する流入側通気路39のピ
ン挿通穴39Bに対応するピン穴31Cと流出側通気路
40のピン挿通穴40Cに対応するピン穴31Dとがそ
れぞれ径方向に穿設されると共に、他側には弁体収容穴
43に対応する押圧部挿通穴31Eが径方向に穿設され
ている。
【0053】33はホルダ収容部31内に挿着された本
実施例によるカプセルホルダを示し、該カプセルホルダ
33は前記第1の実施例で述べたカプセルホルダ5とほ
ぼ同様に形成されているものの、本実施例によるカプセ
ルホルダ33は、カプセル側ピース34と流出側ピース
35の2部材から構成され、後述する手動弁44を組付
けたときに、ピース34,35を接着手段により固着し
て一体形成するものである。また、該カプセルホルダ3
3は、略円柱状に形成され、一端側外周には環状のスト
ッパ部33Aが形成され、その内周側には他側に向けて
漸次縮径するテーパ状のカプセル挿入ガイド36が形成
されると共に、他側外周面はテーパ面部37となってい
る。
【0054】また、前記カプセルホルダ33において
も、カプセルホルダ5と同様に、中央部に位置してカプ
セル挿入ガイド36に開口する有底穴となるカプセル収
容室38と、該カプセル収容室38の流入側に位置した
流入側通気路39,39、流出側に位置した流出側通気
路40,40、通気路39,40と90度ずらした位置
で軸方向に貫通した補助通気路41,41とがそれぞれ
形成され、他側中央にはカプセル収容室38から他側の
軸方向に延びる小径孔42が穿設されている。
【0055】ここで、前記各流入側通気路39は、カプ
セル収容室38の外周側に位置してカプセル挿入ガイド
36に開口するようにカプセルホルダ33の軸方向に形
成された流入通路39Aと、該流入通路39Aと連通し
カプセル収容室38に開口するように径方向に形成され
たピン挿通穴39Bとからなり、該各ピン挿通穴39B
はホルダ収容部31のピン穴31Cと連通している。
【0056】また、前記各流出側通気路40は、外周側
に位置してテーパ面部37を切欠くようにカプセルホル
ダ33(流出側ピース35)に形成された流出部40A
と、該流出部40Aと連通しカプセルホルダ33の軸方
向に延びる流出通路40Bと、該流出通路40Bと連通
しカプセル収容室38に開口するように径方向に形成さ
れたピン挿通穴40Cとからなり、該各ピン挿通穴40
Cはホルダ収容部31のピン穴31Dと連通している。
【0057】さらに、カプセル側ピース34と流出側ピ
ース35とは流出通路40Bの途中で分離されるように
なっている。
【0058】43はカプセルホルダ33の他側(カプセ
ル側ピース34の他側端面)に位置して形成された本実
施例による弁体収容穴を示し、該弁体収容穴43は流出
通路40B,40Bと連通するように、カプセルホルダ
33の円周に開口し、円弧を利用した全体として馬蹄状
に形成されている。
【0059】44は本実施例による手動弁を示し、該手
動弁44は、弁体収容穴43内に収容されたY字状の弁
体45と、該弁体45を両端側に位置して径方向外側に
向けて押圧する復帰手段としてのパンタグラフ状の板ば
ね46,46とから構成され、該弁体45はカプセルホ
ルダ33の径方向から弁体収容穴43内に挿入され、径
方向に移動可能となっている。
【0060】ここで、前記弁体45は、図6に示すよう
に、弁体収容穴43に開口する流出通路40B,40B
側に向けて延びるU字状の弁本体45Aと、該弁本体4
5Aの頂点に位置して開口側と逆方向に延び、ホルダ収
容部31に形成された押圧部挿通穴31Eから径方向外
側に突出する押圧部45Bと、前記弁本体45Aの両側
に位置して形成された一対の通路連通穴45Cとからな
り、弁本体45Aの両端と弁体収容穴43との間には板
ばね46,46が配設されている。ここで、前記各板ば
ね46の押圧力は前記弁体45の径方向に作用している
ものの、弁体収容穴43はホルダ収容部31の内周側に
位置しているから、押圧部挿通穴31Eから押圧部45
Bのみを突出させ、弁体45の位置決めを行っている。
【0061】ここで、本実施例による投薬器の組立てと
手動弁44の取付け手順を図7に基づいて説明する。
【0062】まず、ホルダ収容部31の一側からカプセ
ル側ピース34を挿入し(矢示)、弁体収容穴43と
押圧部挿通穴31E、ピン挿通穴39Bとピン穴31
C、ピン挿通穴40Cとピン穴31Dとの位置合わせを
行い、該押圧部挿通穴31Eにホルダ収容部31の内側
から弁体45の押圧部45Bを挿通させ、弁本体45A
を弁体収容穴43に合わせると共に、該弁本体45Aの
両端と弁体収容穴43との間に板ばね46,46を配設
する(矢示)。さらに、流出側ピース35をホルダ収
容部31の他側から挿入し(矢示)、各流出通路40
Bと小径孔42とを位置合わせして衝合面を接着する。
最後に、カプセルホルダ33の一側からカプセル排出具
13の突き棒13Bを小径孔42内に挿入すると共に
(矢示)、ホルダ収容部31の嵌合段部31Bに吸入
口19の嵌合筒部19Aを嵌合させ(矢示)、手動弁
44を備えた投薬器を組立てる。なお、前記押圧部挿通
穴31Eは軸方向に長い長方形状の貫通穴として形成す
ることによって、弁体45の取付性を高めている。
【0063】これにより、当該手動弁44は、外部から
押圧部45Bに力が作用しない限り、弁体45は図8中
の紙面左側に移動して各流出通路40Bは弁本体45A
によって常時閉弁され、流出通路40Bを閉塞してカプ
セル収容室38と吸入口19とを遮断する。一方、押圧
部45Bに矢示B方向の押圧力が作用したときには、弁
体45は図9中の紙面右側に移動して流出通路40Bと
通路連通穴45Cとを一致させて開弁させる。これによ
り、流出通路40Bを連通させて該流出通路40Bを介
してカプセル収容室38と吸入口19とを連通させるこ
とができる。
【0064】本実施例による吸入式投薬器は上述の如き
構成を有するもので、患者に薬粉を投与するときの準備
動作および吸入時の動作については、前述した第1の実
施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0065】また、本実施例による手動弁44の動作に
おいても、第1の実施例と同様に、薬粉の吸入途中また
は吸入する寸前に患者が咳込んだ場合には、患者が手動
弁44の押圧部45Bを放すことにより、図8に示すよ
うに、板ばね46によって弁体45が復帰して、該弁体
45によって各流出側通気路40の流出通路40Bが閉
塞されるから、吹出された空気が吸込通路20から通気
路40,39内を逆流し、カプセルK内の薬粉を外部に
放出するのを防止できる。
【0066】かくして、本実施例では、逆流によってカ
プセルK内の薬粉が外部に放出されるのを防止して、該
カプセルK内の薬粉を患者に規定量正確に投与すること
ができる。
【0067】次に、図10ないし図13に本発明の第3
の実施例を示すに、本実施例の特徴は、横側から押圧す
る手動操作により手動弁の弁体によって通気路を連通・
閉塞させると共に、該弁体の抜止めをカプセル排出具に
よって行うようにしたことにある。
【0068】なお、本実施例では、前述した第1の実施
例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略するものとする。
【0069】図中、51は吸入式投薬器の基部をなす投
薬器本体を示し、該投薬器本体51は、後述する吸引ピ
ース52,カプセルホルダ57および薬粉放出ノズル6
2とから構成されている。
【0070】52は略円筒状に形成された吸引ピースを
示し、該吸引ピース52は、一側に位置して内部にカプ
セルホルダ57を挿入保持するホルダ収容部53と、該
ホルダ収容部53の他側に位置して配設された後述する
吸入口69と、該吸入口69とホルダ収容部53とを連
結する連結筒体54とから大略構成され、前記ホルダ収
容部53の外周側には穴あけ具15の支持部16を可動
に支持するガイド筒部55が径方向外向きに突設され、
連結筒体54の外周は平坦面54Aとなる。
【0071】また、前記ホルダ収容部53には、ガイド
筒部55内に位置して開口する後述する流入側通気路6
0のピン挿通穴60Bに対応するピン穴53Aと流出側
通気路61のピン挿通穴61Bに対応するピン穴53B
とがそれぞれ径方向に穿設されている。
【0072】さらに、前記連結筒体54は、その一端側
には後述する手動弁66の弁体67が径方向に移動する
ように一方に開口する略長方形状の弁体収容溝56が端
面に形成され、該弁体収容溝56の他側には薬粉放出ノ
ズル62のストッパ部62Aを当接させることによって
該薬粉放出ノズル62を位置決めする環状段部54Bが
形成され、他端側には吸入口69の嵌合筒部69Aが着
脱可能に嵌合される嵌合段部54Cが形成されている。
また、前記弁体収容溝56の径方向の底部には有底のば
ね収容穴54Dが形成されている。
【0073】57はホルダ収容部53内に挿着されたカ
プセルホルダを示し、該カプセルホルダ57は略円柱状
に形成され、一端側外周にはホルダ収容部53の一側端
面に当接することよって当該カプセルホルダ57をホル
ダ収容部53内に位置決めする環状のストッパ部57A
が形成され、該ストッパ部57Aの内周側には他側に向
けて漸次縮径するテーパ状のカプセル挿入ガイド58が
形成されている。
【0074】59はカプセルホルダ57の中央部に位置
して軸方向に形成されたカプセル収容室で、該カプセル
収容室59は、その一端側がカプセル挿入ガイド58に
開口する有底穴として形成されている。
【0075】60,60はカプセルホルダ57の一側に
設けられた2本の流入側通気路を示し、該各流入側通気
路60は、大気とカプセル収容室59とを連通させるべ
く、カプセル収容室59の外周側に位置してカプセル挿
入ガイド58に開口するようにカプセルホルダ57の軸
方向に形成された流入通路60Aと、該流入通路60A
と連通しカプセル収容室59に開口するように径方向に
形成されたピン挿通穴60Bとから構成され、該各ピン
挿通穴60Bはホルダ収容部53のピン穴53Aと連通
している。
【0076】61,61はカプセルホルダ57の他側に
設けられた2本の第1の流出側通気路を示し、該各第1
の流出側通気路61は、カプセル収容室59と吸入口6
9とを薬粉放出ノズル62の第2の流出通路63Bを介
して連通させるべく、カプセル収容室59の外周側に位
置してカプセルホルダ57の他側端面に開口するように
形成された第1の流出通路61Aと、該第1の流出側通
路61Aと連通しカプセル収容室59に開口するように
径方向に形成されたピン挿通穴61Bとから構成され、
該各ピン挿通穴61Bはホルダ収容部53のピン穴53
Bと連通している。
【0077】62は連結筒体54内に設けられた薬粉放
出ノズルを示し、該薬粉放出ノズル62は略円柱状に形
成され、一端側外周には連結筒体54の環状段部54B
に嵌合することによって当該薬粉放出ノズル62を連結
筒体54内に位置決めする環状のストッパ部62Aが形
成され、他側外周には他側に向けて漸次縮径するテーパ
面部62Bが形成されている。
【0078】63,63は薬粉放出ノズル62の直径方
向に離間して形成された2本の第2の流出側通気路を示
し、該各第2の流出側通気路63は、第1の流出通路6
1Aを介してカプセル収容室59と吸入口69とを連通
させるべく、薬粉放出ノズル62の外周側に位置してテ
ーパ面部62Bを切欠くように形成された放出部63A
と、該放出部63Aと連通し薬粉放出ノズル62の軸方
向に延びる第2の流出通路63Bとからなり、該第2の
流出通路63Bとカプセルホルダ57の第1の流出通路
61Aとは弁体67を介して連通するように位置合わせ
されている。
【0079】64,64はカプセル収容室59の外周側
に位置してカプセルホルダ57と薬粉放出ノズル62に
設けられた2本の補助通気路(一本のみ図示)で、該補
助通気路64は、各通気路60,61,63から約90
°ずらした位置でカプセルホルダ57および薬粉放出ノ
ズル62を軸方向に貫通するように穿設されている。そ
して、該各補助通気路64は、息を吸込むときに流通す
る空気の流量を増やすことで、このときの息苦しさを解
消するものである。
【0080】65はカプセルホルダ57の他側中央と薬
粉放出ノズル62の中央に位置してカプセル収容室59
と連通するように軸方向に穿設された小径孔で、該小径
孔65にはカプセル収容室59からカプセルを取出すた
めのカプセル排出具13が挿通されている。
【0081】66は本実施例による手動弁を示し、該手
動弁66は、連結筒体54の弁体収容溝56内に収容さ
れた略長方形板に形成された弁体67と、該弁体67を
連結筒体54から径方向に突出させるように押圧するば
ね68とから構成されている。そして、該手動弁66を
手動操作して弁体67を弁体収容溝56内で径方向に移
動させることにより、前記各第2の流出通路63Bを連
通・閉塞させるようになっている。
【0082】ここで、前記弁体67は、図12に示すよ
うに、一方の短辺が連結筒体54の円周に沿った円弧状
の押圧部67Aとなり、他方の短辺にはばね68を保持
する有底のばね収容穴67Bが形成され、中央部にはカ
プセル排出具13の突き棒13Bが挿通される棒挿通穴
67Cと左,右には補助通路連通穴67D,67Dが長
穴として形成され、上,下には前記カプセルホルダ57
の第1の流出通路61Aと薬粉放出ノズル62の第2の
流出通路63Bを連通させる一対の通路連通穴67Eが
形成されている。
【0083】また、69は連結筒体54の他側に設けら
れ、該連結筒体54,ホルダ収容部53と共に吸引ピー
ス52を構成する吸入口を示し、該吸入口69の一端側
には連結筒体54の嵌合段部54Cに着脱可能に嵌合す
る嵌合筒部69Aが一体形成され、他端側外周は患者が
くわえ易いように他側に向けて漸次縮径したテーパ面6
9Bとなる。また、吸入口69の内周側は吸込通路70
となる。
【0084】次に、本実施例による投薬器の組立てと手
動弁66の取付け手順を図11に基づいて説明する。
【0085】まず、連結筒体54の一側から薬粉放出ノ
ズル62を挿入し、該薬粉放出ノズル62のストッパ部
62Aを連結筒体54の環状段部54Bに当接させるこ
とにより軸方向の位置決めを行い(矢示)、弁体収容
溝56に弁体67をばね68と共に挿入し、このときば
ね68が弁体67のばね収容穴と連結筒体54のばね収
容穴54D内に収容されるようにする(矢示)。次
に、カプセルホルダ57をホルダ収容部53の一側から
挿入し(矢示)、第1の流出通路61Aと第2の流出
通路63B、補助通気路64を位置合わせした後に、カ
プセルホルダ57の一側からカプセル排出具13の突き
棒13Bを小径孔65内に挿入する(矢示)、このと
き、弁体67の棒挿通穴67C内を突き棒13Bが挿通
するようにする。最後に、連結筒体54の嵌合段部54
Cに吸入口69の嵌合筒部69Aを嵌合させ(矢示
)、手動弁66を備えた投薬器を組立てる。
【0086】このように構成される手動弁66は、外部
から押圧部67Aに力が作用しない限り、弁体67は図
12中の紙面右側に移動して各流出通路61A,63B
は弁体67によって常時閉弁され、流出側通気路61,
63は閉塞されてカプセル収容室59と吸入口69とを
遮断する。一方、押圧部67Aに矢示C方向の押圧力が
作用したときには、弁体67は図13中の紙面左側に移
動して流出通路61A,63Bと通路連通穴67Eとを
一致させて開弁させる。これにより、流出側通気路6
1,63を連通させてカプセル収容室59と吸入口69
とを連通させることができる。また、弁体67の補助通
路連通穴67Dは長穴として形成されているから、該弁
体67の位置に拘らず補助通気路64は常に連通した状
態となる。
【0087】本実施例による吸入式投薬器は上述の如き
構成を有するもので、患者に薬粉を投与するときの準備
動作および吸入時の動作については、前述した第1の実
施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0088】また、本実施例による手動弁66の動作に
おいても、第1の実施例と同様に、薬粉の吸入途中また
は吸入する寸前に患者が咳込んだ場合には、患者が手動
弁66の押圧部67Aを放すことにより、図12に示す
ように、ばね68によって弁体67が復帰して、該弁体
67によって流出側通気路61,63が閉塞されるか
ら、吹出された空気が吸込通路70から通気路63,6
1,60内を逆流し、カプセルK内の薬粉を外部に放出
するのを防止できる。
【0089】従って、逆流によってカプセルK内の薬粉
が外部に放出されるのを防止して、該カプセルK内の薬
粉を患者に規定量正確に投与することができる。
【0090】なお、前記各実施例では、吸入口19(6
9)を嵌合によって着脱可能行うものとして述べたが、
ホルダ収容部31(連結筒体54)と吸入口19(6
9)とを螺合により着脱可能としてもよく、ピンと溝と
を係合させることにより着脱するようにしてもよい。
【0091】また、前記各実施例では、薬粉を搬送する
ための通気路(流入側通気路9,39,60と流出側通
気路10,40,61,63)および補助通気路11
(41,64)をそれぞれ2本ずつ形成するようにした
が、本発明はこれに限らず、各通気路は患者の吸引力
(肺活量)に応じてその本数を1本、4本等に調整して
もよく、または、補助通気路は廃止するようにしてもよ
いものである。
【0092】また、前記各実施例では、カプセル収容室
8(38,59)内に薬粉が充填されたカプセルKを収
容する構成としたが、これに替えて、例えば、投薬器本
体に薬粉収容室を設け、該薬粉収容室に薬粉を直接充填
し、この薬粉を吸入する構成としてもよい。
【0093】さらに、前記各実施例では、投薬器本体1
(51)を、ホルダ収容部3(31)、吸入口19およ
びカプセルホルダ5(33)の3部材、またはホルダ収
容部53、連結筒体54、吸入口69およびカプセルホ
ルダ56の4部材から構成したが、これに替えて、投薬
器本体を1部材から構成するようにしてもよい。
【0094】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、薬粉吸入時には、患者自身が手動弁を操作して薬
粉収容室と吸入口とを連通させた状態で、吸入口をくわ
えて空気を吸込むと、薬粉収容室内の薬粉を通気路,吸
入口を介して肺内に吸引できる。一方、薬粉吸入時以外
では、手動弁を閉弁させて通気路を閉塞して薬粉収容室
と吸入口との連通を遮断するから、患者が吸入口をくわ
えた状態で患者が咳込んで吸入口内に空気を逆流させた
としても、この逆流する空気は手動弁によって遮断さ
れ、逆流した空気が薬粉収容室内に流れ込むのを防止
し、該薬粉収容室内の薬粉が外部に放出されるのを防止
する。そして、薬粉収容室内の薬粉の減少をなくして薬
粉を効率よく吸込むことができ、患者に規定量の薬粉を
投与することにより薬粉の効能を高めることができる。
【0095】請求項2の発明では、薬粉吸入時には、患
者自身が手動弁を操作してカプセル収容室と吸入口とを
連通する通気路を連通させ、吸入口をくわえて空気を吸
込むと、カプセル収容室内に収容されたカプセル内の薬
粉をカプセルの挿通穴,通気路,吸入口を介して肺内に
吸引できる。一方、薬粉吸入時以外では、手動弁を閉弁
させて通気路を閉塞してカプセル収容室と吸入口との連
通を遮断しているから、患者が吸入口をくわえた状態で
患者が咳込んで吸入口内に空気を逆流させたとしても、
この逆流する空気は手動弁によって遮断され、逆流した
空気が薬粉収容室内に流れ込むのを防止し、該薬粉収容
室内の薬粉が外部に放出されるのを防止できる。
【0096】請求項3の発明では、薬粉吸入時には、患
者は復帰手段の力に抗して弁体を開弁させ、通気路を連
通させた上で、患者の吸引動作によって薬粉収容室内の
薬粉を吸入する。一方、薬粉吸入時医以外では復帰手段
によって通気路は常時閉塞されているから、患者が吸入
口をくわえた状態で咳込んで吸入口に空気が逆流した場
合であっても、逆流した空気が薬粉収容室側に流れ込む
のを防止する。しかも、吸入寸前に患者が咳込んだとき
でも、患者の弁体を押す力が復帰手段より弱まり自動的
に通気路を弁体によって閉塞することができ、薬粉の外
部への放出をなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による吸入式投薬器を示
す縦断面図である。
【図2】第1の実施例による吸入式投薬器を分解して示
す分解斜視図である。
【図3】図1中の矢示 III−III 方向からみた横断面図
である。
【図4】薬粉吸入時の薬粉の流れを示す図1と同様位置
からみた縦断面図である。
【図5】図4中の矢示V−V方向からみた横断面図であ
る。
【図6】本発明の第2の実施例による吸入式投薬器を示
す縦断面図である。
【図7】第2の実施例による吸入式投薬器を分解して示
す分解斜視図である。
【図8】図6中の矢示VIII−VIII方向からみた横断面図
である。
【図9】手動弁を開弁させた状態を示す図8と同様位置
からみた横断面図である。
【図10】本発明の第3の実施例による吸入式投薬器を
示す縦断面図である。
【図11】第3の実施例による吸入式投薬器を分解して
示す分解斜視図である。
【図12】図10中の矢示XII −XII 方向からみた横断
面図である。
【図13】手動弁を開弁させた状態を示す図12と同様
位置からみた横断面図である。
【符号の説明】
1,51 投薬器本体 8,38,59 カプセル収容室 9,39,60 流入側通気路 10,40,61,63 流出側通気路 19,69 吸入口 21,44,66 手動弁 22,45,67 弁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石関 一則 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 谷澤 嘉行 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 柳川 明 神奈川県横浜市都筑区富士見が丘5−3

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬粉を吸入する吸入口を有する投薬器本
    体と、該投薬器本体内に位置する薬粉収容室と、該薬粉
    収容室内の薬粉を前記吸入口側に供給するため、一側が
    大気側に開口し他側が該薬粉収容室を通って吸入口に開
    口した通気路と、前記薬粉収容室と吸入口とを連通する
    通気路の途中に設けられ、薬粉吸入時に手動操作によっ
    て該通気路を連通させる手動弁とから構成してなる吸入
    式投薬器。
  2. 【請求項2】 薬粉を吸入する吸入口を有する投薬器本
    体と、該投薬器本体内に位置し、内部に薬粉が充填され
    たカプセルを収容するカプセル収容室と、該カプセル収
    容室内のカプセルを通って吸入口に開口した通気路と、
    前記カプセル収容室内のカプセルに該通気路に連通する
    穴をあけるために前記投薬基本体に設けられた穴あけ具
    と、前記吸入口から前記カプセル収容室側に逆流する空
    気を遮断するために、前記カプセル収容室と吸入口とを
    連通する通気路の途中に設けられ、薬粉吸入時に手動操
    作によって該通気路を連通させる手動弁とから構成して
    なる吸入式投薬器。
  3. 【請求項3】 前記手動弁は、前記通気路を閉弁するた
    めの弁体と、該弁体を薬粉吸入時以外のときに常時閉弁
    させるように前記弁体を復帰させる復帰手段とから構成
    してなる請求項1または2に記載の吸入式投薬器。
JP4419396A 1996-02-06 1996-02-06 吸入式投薬器 Pending JPH09206380A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4419396A JPH09206380A (ja) 1996-02-06 1996-02-06 吸入式投薬器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4419396A JPH09206380A (ja) 1996-02-06 1996-02-06 吸入式投薬器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09206380A true JPH09206380A (ja) 1997-08-12

Family

ID=12684743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4419396A Pending JPH09206380A (ja) 1996-02-06 1996-02-06 吸入式投薬器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09206380A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005525393A (ja) * 2002-04-09 2005-08-25 ベーリンガー インゲルハイム ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト チオトロピウムの吸入性散剤を含有する吸入用キット
US8022082B2 (en) 2002-04-09 2011-09-20 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co., Kg Method for the administration of an anticholinergic by inhalation

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005525393A (ja) * 2002-04-09 2005-08-25 ベーリンガー インゲルハイム ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト チオトロピウムの吸入性散剤を含有する吸入用キット
US8022082B2 (en) 2002-04-09 2011-09-20 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co., Kg Method for the administration of an anticholinergic by inhalation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3328132B2 (ja) 吸入式投薬器
JP3320261B2 (ja) 吸入式投薬器
JP3388896B2 (ja) 吸入式投薬器
JP3739955B2 (ja) 吸入式投薬器
US7712466B2 (en) Intra-oral nebulizer
JP3633870B2 (ja) 所定用量吸入ポンプ
WO2000044426A1 (fr) Distributeur de medicament du type inhalateur
JPH07313599A (ja) 吸入式投薬器
JPH08103499A (ja) 吸入式投薬器
JP3488620B2 (ja) 吸入式投薬器
JP3328131B2 (ja) 吸入式投薬器
JPH09322938A (ja) 吸入式投薬器
JPH09206380A (ja) 吸入式投薬器
WO2004105844A1 (ja) 吸入式投薬器
JPH09206378A (ja) 吸入式投薬器
JP3922333B2 (ja) 吸入式投薬器
JPH1189935A (ja) 吸入式投薬器
JPH09253211A (ja) 吸入式投薬器
JPH0947509A (ja) 吸入式投薬器
JPH09140796A (ja) 投薬器
JPH09253209A (ja) 吸入式投薬器
JPH0871152A (ja) 吸入式投薬器
JPH09206381A (ja) 吸入式投薬器
JPH09206379A (ja) 吸入式投薬器
JP3547612B2 (ja) 吸入式投薬器