JP2001345632A - 電磁シールド構造 - Google Patents

電磁シールド構造

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JP2001345632A
JP2001345632A JP2000168882A JP2000168882A JP2001345632A JP 2001345632 A JP2001345632 A JP 2001345632A JP 2000168882 A JP2000168882 A JP 2000168882A JP 2000168882 A JP2000168882 A JP 2000168882A JP 2001345632 A JP2001345632 A JP 2001345632A
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linear antenna
gap
electromagnetic
film
shield structure
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Yoshinori Kasashima
善憲 笠嶋
Junichi Hirai
淳一 平井
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Kajima Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人字型や十字型の端部開放形状の線状アンテ
ナ素子を窓のガラス・フィルム上に多数配列する場合
に、視覚的に違和感のないデザインとすることができ、
居住性を重要視する部屋の窓にも適用できるようにす
る。 【解決手段】 フィルム材として、ポリイミドフィルム
やポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム等の合
成樹脂フィルムに、遮蔽しようとする電波に共振させる
長さの線状アンテナ素子3を電磁遮蔽素子として、その
素子の電磁界反射等価面積(散乱開口面積)または電磁
界反射等価体積(散乱開口体積)を考慮して間隔をおい
て散在させ、この線状アンテナ素子3で電波を散乱させ
これにより減衰させる電磁シールド構造において、前記
線状アンテナ素子3間の間隔を最大限密の等間隔とし、
線状アンテナ素子3間のギャップ4を、このギャップ4
が認識されないような絶縁材料でつなぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の窓に使用す
る窓ガラス、その他、自動車や列車等の乗り物の窓ガラ
スや、間仕切りやボックス等の什器の窓ガラス等種々の
窓ガラスその他で、電磁シールド性能を持つものに使用
する電磁シールド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物や建物内部または乗り物内部の電
磁シールドの必要性は、無線技術を応用したパーソナル
な携帯機器を法に定められた枠内で活用する場合などの
周波数の再利用や、電波の干渉妨害対策や、通信のセキ
ュリティ対策の目的から求められる。
【0003】例えば、特定の建物内で、事業所用PHS
(自営−屋内専用)やWireless-LAN(無線LAN )を設け
る場合、いずれも技術基準に基づいて製造され、その技
術内容は公開され、しかも分析する測定機が市販されて
いるので、屋内業務に使われる通信情報は屋外から容易
にアクセスされ通信内容の傍受が可能となる。
【0004】また、利用できる周波数チャンネルが制限
されているので、可能な限りの使用台数を確保するため
には使用エリアに応じて電波を閉じ込めるためのシール
ドが必要となる。
【0005】さらに、電磁シールドの必要性は、病院等
医療分野で電磁波が医療機器や患者へ干渉して障害を発
生させる場合や、レストランや車輛内などの公共のエリ
アで他人に携帯電話の使用で迷惑をかけないようにする
こと、さらに、コンサートホール等で観客に静寂を求め
られる場合などに、携帯電話等が作動しないようにする
ことからも要請される。
【0006】電波に対する電磁シールドは現在でもすで
に広く使用されており、金属板や金属メッシュあるいは
電波吸収材による研究が多くなされている。例えば、ビ
ル構造の電磁シールドとして、従来は、各床面はデッキ
プレートその他の鉄板などにより十分な電磁遮蔽が行
え、外部壁面並びにテナント間のパーテーションには銅
箔や金属メッシュをすきまなく貼り付けることによりマ
イクロ波帯でも有効な電磁遮蔽が行える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これに対してガラス窓
は光の透過性を確保することからも、電磁遮蔽が困難で
ある。そのため、電磁遮蔽を行うにはビルの各室におけ
る窓ガラスを全く無くして壁面とし、その壁面を前記電
磁シールド構造とすることがあるが、この場合には視界
がなく極めて閉塞感の伴った住環境を強いられる結果と
なる。
【0008】また、窓ガラスに電磁シールド構造を施す
には、内部に金網を入れることも行われているが、例え
ばPHSで使用する電波(周波数が1.9 GHz帯)の電
磁遮蔽では0.1mm 程度の非常に細かい網目が必要となっ
て、電磁遮蔽は行われるものの透明感は損なわれてしま
い住環境としては良好のものとは言えない。
【0009】窓ガラスに電磁シールド構造を施す他の例
として、タングステン、アルミなどの極めて薄い金属蒸
着膜をガラス表面または内部に全面にわたりラミネート
することがあり実用されている。この方法ではPHS
(1.9 GHz)あるいは無線LAN(2.45GHz)に対
して最大20〜30dB(=1/100 〜1/1,000 )に減衰
させうることは知られている。これによれば、可視光線
に対しては30〜35%の減少に留まるので視界制限はな
い。
【0010】しかし、この方法では採光あるビルの解放
感を損なうことなく屋外からの侵入電波を遮蔽すること
はある程度は可能であるが、全ての範囲の周波数帯にわ
たり遮蔽するので確かに電波遮蔽は行うが、それでは遮
蔽すると困る通常の通信、例えば、公衆携帯電話、ポケ
ベル、各種放送、警察や消防に緊急通信、コードレス電
話などの日常通信まで遮蔽されることになる。
【0011】そこで、窓に使用した場合に、採光性・可
視性を損なうことなく、しかも必要な周波数の電波帯の
みを選択して電磁シールドが可能であり、また、窓枠の
金属サッシ等の電磁シールド部材間の隙間部分の導電材
による通電処理や接地処理をする必要もない電磁シール
ド構造が考えられた。〔特願平9−145226号(特
開平10−335877号公報)、特願平9−2334
11号(特開平10−126091号公報)等〕
【0012】これは、フィルム材として、ポリイミドフ
ィルムやポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム
等の合成樹脂フィルムに、遮蔽しようとする電波に共振
させる長さの線状アンテナ素子を電磁遮蔽素子として、
その素子の電磁界反射等価面積(散乱開口面積)または
電磁界反射等価体積(散乱開口体積)を考慮して間隔を
おいて散在させ、この線状アンテナ素子で電波を散乱
(反射するとともに一部吸収)させこれにより減衰させ
ようとするもので、例えば図8に示すように端部開放の
人字型の線状アンテナ素子3の複数を等間隔で配列した
り、図9に示すように十字型の線状アンテナ素子3の複
数を等間隔で配列している。
【0013】図中1は窓ガラス、2はサッシ枠を示し、
遮蔽しようとする電波の周波数に対応した長さの線状ア
ンテナ素子3を前記のように電磁界反射等価面積または
体積を考慮して窓ガラス1上に規則的に配列させ、この
線状アンテナ素子3で電波を減衰させることとした。
【0014】この基本原理について説明する。導体片が
空中にある場合、この面に電波が入射すると、1部は反
射、1部は吸収、残りは透過する。この導体片による電
波の減衰量は導体片の形状や大きさによって異なる。こ
の導体片を図10に示すように端部が開放の線状アンテナ
素子(ダイポール)3としたとすれば、電波を反射する
とともに一部は吸収される。
【0015】図11に示すように、平面電磁界に平行に置
かれた半波長(λ/2)の線状アンテナ素子(ダイポー
ル)3はアンテナ素子の金属部分の面積のみが電磁波エ
ネルギーを受信するのではなく、金属面の近傍の電磁界
を吸い取っている。その広がりは均一ではないが等価断
面積Aeは、下記式1で計算値が表示される。
【0016】
【式1】 Ae≒0.13λ(λ/2×λ/4の面積)
【0017】この等価断面積Aeの範囲の電磁波の約3
/4は反射され、残り約1/4が受信電力となる。これ
が実効開口である。
【0018】図12に示すように、このような半波長(λ
/2)の線状アンテナの受信入力抵抗をゼロにすると、
理想的な損失のないアンテナ素子であれば、空間に電力
がすべて反射され、その等価な面積は前記の実効開口の
4倍になり(散乱開口)、このような線状アンテナ素子
3による素子を前記等価面積4×Ae(散乱開口)に応
じて図13に示すように窓ガラス1に配列すれば、あたか
も金属膜を貼ったのと同様な電波反射効果を示す。アン
テナ素子は一般に周波数依存性をもつが、その特性と受
信端抵抗=0がこの線状アンテナ素子3による素子の基
本動作であり、もし線状アンテナに損失があれば、電波
の一部は電力としてアンテナ損失抵抗に吸い取られる。
【0019】なお、線状アンテナ素子3をなす導線の太
さは視界の妨げにならないように細く、かつ損失の少な
いものを選択する。
【0020】ところで1885〜1950MHzは、現行のパー
ソナル通信(PHS-JAPAN.,PCS-US.DECT-Europe )および
西暦2000年から実用になるFPLMTS(Future Public Land
Mobile Telephone System)の周波数帯であり、2420〜
2480MHzはITUで定めるISM(Industrial-Scien
tific-Medical −工業、科学、医療)用の周波数帯でビ
ル内では無線LANに割り当てられているほか電子レン
ジや大電力の非破壊検査用線形加速機にも使われてい
る。
【0021】PHSの場合は周波数が1.90GHzである
とすると、波長がλ=約158 mm、無線LANの場合は周
波数が2.45GHzであるとすると、波長がλ=約122 mm
だから、それぞれの線状アンテナ素子3は面積4×Ae
=12,980mm (PHS)、4×Ae=7,740mm(LA
N)に相当し、これをガラス表面またはガラス板間に前
記電磁界反射等価面積4×Aeを考慮して規則的に配
列、すなわち点在させればよい。
【0022】しかし、図13に示すように線状アンテナ素
子3を横一列に配置するのでは、実際の電波の偏波面が
このように横一列でなく、様々な偏波面には対応できな
い。そこで線状アンテナ素子3はこれを方向性をもつ端
部開放形状として人字型や十字型の線とする。このよう
にすることであらゆる面の傾きの異なる電波にも対応で
きる。
【0023】ところで前記線状アンテナ素子3を配列さ
せるには、線状アンテナ素子3を回線パターンとしてエ
ッチング法やラミネート法やスクリーン印刷法で合成樹
脂フィルムに設け、これをガラス等に貼ることになる。
【0024】エッチング法はフレキシブル基板としての
フィルムに銅箔を張り付けたものを基材として使用し、
パターン部にマスキングをして残る部分を溶剤で溶解す
る一般のプリント基板と同様な手法からなる。これに対
してスクリーン印刷法は基材上に銀、金などの金属ペー
スト印刷を施すことにより回線パターンを構成するもの
である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】このように線状アンテ
ナ素子をフィルム上に等間隔で配列する場合、線状アン
テナ素子は前記のように銅箔や銀、金などの金属ペース
トなどの良導電性の材料・塗装により形成されるもので
あり、かかる材料・塗装を現状では無色透明のものとす
ることは困難であり、必然的に有色とならざるを得な
い。
【0026】このため、線状アンテナ素子による人字型
や十字型の模様が点在して窓一面に形成されることにな
り、視覚的情緒性の面で軽い嫌悪感が生じることもあ
り、情緒性を重要視する部屋の窓への採用が難しかっ
た。
【0027】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、人字型や十字型など端部開放形状の線状アンテナ素
子を窓のガラス・フィルム上に多数配列する場合に、視
覚的に違和感のないデザインとすることができ、情緒性
を重要視する部屋の窓にも適用できる電磁シールド構造
を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、合成樹脂フィルムに、遮蔽しようと
する電波に共振させる長さの線状アンテナ素子を電磁遮
蔽素子として、その素子の電磁界反射等価面積(散乱開
口面積)または電磁界反射等価体積(散乱開口体積)が
隙間なく、重なり合うように考慮して間隔をおいて散在
させ、この線状アンテナ素子で電波を散乱させこれによ
り減衰させる電磁シールド構造において、線状アンテナ
素子間のギャップを、このギャップが認識されないよう
な絶縁材料でつなぐこと、第2に、線状アンテナ素子相
互間の間隔を最大限密にして配列すること、第3に、ギ
ャップをつなぐ絶縁材料は、線状アンテナ素子およびギ
ャップ上にかけて貼着または塗装するものであることを
要旨とするものである。
【0029】請求項1記載の本発明によれば、線状アン
テナ素子はアンテナの金属部分が占める面積のみが電磁
波エネルギーを反射するのではなく、金属部分の近傍の
ある範囲の電磁界を広い範囲で反射させる。そしてこの
線状アンテナ素子をこの電磁界反射等価面積あるいは等
価体積を考慮して空間中あるいは非導電性材料上に平面
的あるいは立体的に配置することにより電磁シールドが
できる。フィルム膜の貼り付けはガラスの破損時の飛散
防止や、日射量の調整も可能である。また、建設後から
追加施工することもできる。
【0030】しかも、パターン化した小さな線状アンテ
ナ素子はその長さを特定することにより、特定の周波数
を遮蔽でき、その結果、他の電波を通過させるので、警
察、消防無線などの無線、テレビ電波など、外部からの
情報の収集が必要な電波は遮蔽せず、建物内部で使用す
る特定の電波のみの外部漏れを防ぎ、セキュリティを高
めるとともに周波数チャンネルの再利用ができる。
【0031】また、このように線状アンテナ素子はほと
んどが反射損失により遮蔽し、一方、吸い取られた(受
信した)電力の多くは熱損失として吸収されるので、線
状アンテナ素子を窓枠の金属サッシ等に導通させて接地
させる必要もなく、導電接続に限定されずに自由な設定
ができる。
【0032】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、線状アンテナ素子間の間隔を最大限密にして
配列することにより、電波シールド特性を安定させるこ
とができる。しかも、線状アンテナ素子間のギャップは
このギャップが認識されないように絶縁材料でつながれ
るから、自由なデザインが可能となり、アンテナ模様が
消去され視覚的に違和感のないものとなる。
【0033】請求項3記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、線状アンテナ素子およびギャップ上にかけて
有色の絶縁材料を貼着または塗装することにより、ギャ
ップを外見上なくすことができ、その結果、アンテナ模
様が消去され視覚的に違和感のないものとなる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
ついて詳細に説明する。図1は本発明の電磁シールド構
造の第1実施形態を示す斜視図で、図8、図9に示した
従来例と同様にサッシ枠2に挿着した窓ガラス1に遮蔽
しようとする電波の周波数に対応した長さの線状アンテ
ナ素子3を電磁界反射等価面積または体積、すなわち、
電波の反射領域が隙間なく重なり合うように考慮して規
則的に配列させ、この線状アンテナ素子3で電波を減衰
させることとする。
【0035】この線状アンテナ素子3の基本原理につい
ては前記従来例で説明した通りであり、線状アンテナ素
子3による素子を前記等価面積4×Ae(散乱開口)に
応じて窓ガラス1に散在配列すれば、あたかも金属膜を
貼ったのと同様な電波反射効果を示す。
【0036】図1は本発明の第1実施形態を示すもの
で、線状アンテナ素子3は端部開放形状の十字形とし、
この多数を最大限密の状態で並ぶように近づけて等間隔
で配列し、線状アンテナ素子3間のギャップ4を絶縁材
料でつないで、このギャップ4が視覚的に認識できない
ようにした。この場合の絶縁材料は、線状アンテナ素子
3とは同色または異色のものを使用し、十字形につない
だが、つなぎの形状は図示のような十字形に限定される
ものではなく、その他の形状を任意に決定でき、全体と
して自由なデザインとすることができる。
【0037】図2は第2実施形態を示し、第1実施形態
と同様に十字形の線状アンテナ素子3の多数を最大限密
の等間隔で配列した場合、線状アンテナ素子3とギャッ
プ4との上に線状アンテナ素子3と同色または異色の絶
縁材料を貼着したり、塗装して外見上ギャップ4をなく
すようにした。
【0038】なお、線状アンテナ素子3の形状は前記の
ような十字形に限定されるものではなく、人字形その他
の形状のものについても適用できる。
【0039】また、前記線状アンテナ素子3を設ける窓
ガラス1としては、フロートガラスまたはグレーペンガ
ラス等がよく、またガラス表面またはガラス板間に線状
アンテナ素子3をこのアンテナ素子が有する電磁界反射
等価面積を考慮して規則的に配列させる方法としては、
フィルム膜の貼り付けによる。
【0040】前記フィルム膜の貼り付けはガラスの破損
時の飛散防止や、日射量の調整も可能である。また、建
設後から追加施工することもできるし、相対的に安価な
方法である。フィルム材として、ポリイミドフィルムや
ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム等の合成
樹脂フィルムに、線状アンテナ素子3を回線パターンと
してエッチング法やラミネート法やスクリーン印刷法で
設け、これをガラス等に貼ることになる。
【0041】前記エッチング法はフレキシブル基板とし
てのフィルムに銅箔を張り付けたものを基材として使用
し、パターン部にマスキングをして残る部分を溶剤で溶
解する一般のプリント基板と同様な手法からなる。これ
に対してスクリーン印刷法は基材上に銀、金などの金属
ペースト印刷を施すことにより回線パターンを構成する
ものである。
【0042】このように線状アンテナ素子3を最大限密
の等間隔で配列した周波数選択シールド構造は、電磁シ
ールド特性が非常に安定しているものであるが、そのシ
ミュレーション結果を次に説明する。図3は、十字形や
人字形の線状アンテナ素子3の水平・垂直偏波に対する
受信アンテナ効果を示し、各形状のアンテナ部材の水平
・垂直成分の長さaが、それぞれの偏波に対する受信ア
ンテナとして作用する。
【0043】よって、このようなアンテナ形状はどのよ
うな角度の偏波に対しても一様に(無指向性)効果があ
ることがわかる。
【0044】このような形状の線状アンテナ素子3の電
磁シールド特性を解析するが、図4に示すような十字形
の線状アンテナ素子3を最大限密に等間隔で配列した場
合に、図5に示すように図において左側から平面波を当
てたときの周波数選択シールドガラス(フィルム)の右
側(Z方向)のある一定距離におけるシールド周波数特
性の例を図6に示す。
【0045】図6は、周波数選択シールドガラス(フィ
ルム)の図5において右側(Z方向)のある一定距離で
周波数選択シールドガラスアンテナのギャップ4の間隔
をパラメータとして変化させた場合のシールド周波数特
性を示し、アンテナの長さaが150 mmでギャップ4の
間隔が0.01波長、0.05波長、0.1 波長、0.2 波長とした
とき、30〜35dBの減衰がみられた。
【0046】図7は前記図6において間隔が0.01波長の
場合で、周波数選択シールドガラスからのZ軸方向への
距離による固定周波数のシールド特性(減衰特性)を示
し、距離減衰が発生していることが判明したが、周波数
選択シールドガラスのアンテナの数が限定されているの
で、このような距離減衰を生じたが、無限に多ければ減
衰は理論的には生じないものである。
【0047】これらの結果から、本発明のシールド構造
は周波数選択シールド効果を確実に得られることがわか
る。
【0048】なお、前記解析は電波を垂直偏波と仮定し
て行ったが、水平の場合はアンテナ配列を90度回転すれ
ばよい。また、任意角度の偏波は、水平・垂直のそれぞ
れの成分に分解して、それぞれ解析すればよい。
【0049】なお、前記の実施形態は建物の窓に使用す
る窓ガラスについて述べたが、その他、自動車や列車等
の乗り物の窓ガラスや、パーテーションやボックス等の
什器の窓ガラスその他にも適用できる。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように本発明の電磁シールド
構造は、人字型や十字型など端部開放形状の線状アンテ
ナ素子を窓のガラス・フィルム上に多数配列する場合
に、線状アンテナ素子間のギャップを絶縁材料でつない
だり、アンテナとギヤップに絶縁材料を貼着したりする
ことで、外見上、視覚的にギャップを認識することをで
きなくしたので、視覚的に違和感のないデザインとする
ことができ、居住性を重要視する部屋の窓にも適用でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁シールド構造を施した窓ガラスの
第1実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明の電磁シールド構造を施した窓ガラスの
第2実施形態を示す正面図である。
【図3】本発明の電磁シールド構造の受信アンテナ特性
を示す説明図である。
【図4】本発明の電磁シールド構造のシールド周波数特
性の解析方法を示す平面側の説明図である。
【図5】本発明の電磁シールド構造のシールド周波数特
性の解析方法を示す側面側の説明図である。
【図6】本発明の電磁シールド構造のギャップをパラメ
ータとしたシールド周波数特性のグラフである。
【図7】本発明の電磁シールド構造の図7における周波
数1.05GHでのZ軸方向の減衰特性を示すグラフで
ある。
【図8】従来の電磁シールド構造を施した窓ガラスの一
例を示す正面図である。
【図9】従来の電磁シールド構造を施した窓ガラスの他
の例を示す正面図である。
【図10】線状アンテナ素子を短絡型ダイポールとした
場合の説明図である。
【図11】本発明の電磁シールド構造における電磁シー
ルド方法の原理を示すその1の説明図である。
【図12】本発明の電磁シールド構造における電磁シー
ルド方法の原理を示すその2の説明図である。
【図13】線状アンテナ素子を配置した窓ガラスの正面
図である。
【符号の説明】
1…窓ガラス 2…サッシ枠 3…線状アンテナ素子 4…ギャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DH01 FA32 GA12 GA23 GA32 HA11 HB01 HB05 HD11 MA01 5E321 AA46 BB23 BB44 CC16 GG05 GH01 5J020 AA03 BA02 BD03 CA06 EA04 EA05 EA06 EA10 5J046 AA00 AA09 AB17 LA05 LA13 PA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂フィルムに、遮蔽しようとする
    電波に共振させる長さの線状アンテナ素子を電磁遮蔽素
    子として、その素子の電磁界反射等価面積(散乱開口面
    積)または電磁界反射等価体積(散乱開口体積)を間隔
    をおいて散在させ、この線状アンテナ素子で電波を散乱
    させこれにより減衰させる電磁シールド構造において、
    線状アンテナ素子間のギャップを、このギャップが認識
    されないような絶縁材料でつなぐことを特徴とした電磁
    シールド構造。
  2. 【請求項2】 線状アンテナ素子は相互間の間隔を最大
    限密にして配列する請求項1記載の電磁シールド構造。
  3. 【請求項3】 ギャップをつなぐ絶縁材料は、線状アン
    テナ素子およびギャップ上にかけて貼着または塗装する
    ものである請求項1または請求項2記載の電磁シールド
    構造。
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