JPH10126090A - 電磁シールドフィルム - Google Patents

電磁シールドフィルム

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JPH10126090A
JPH10126090A JP27798396A JP27798396A JPH10126090A JP H10126090 A JPH10126090 A JP H10126090A JP 27798396 A JP27798396 A JP 27798396A JP 27798396 A JP27798396 A JP 27798396A JP H10126090 A JPH10126090 A JP H10126090A
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JP
Japan
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film
antenna
linear antenna
electromagnetic
electromagnetic shielding
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Application number
JP27798396A
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English (en)
Inventor
Kimio Kawasaki
公雄 川崎
Kotaro Hirano
浩太郎 平野
Masaaki Sasada
雅昭 笹田
Yoshimasa Yoshida
義政 吉田
Kazuyuki Yamanoue
和志 山野上
Junichi Hirai
淳一 平井
Katsunori Yamaki
克則 山木
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Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要な周波数の電波のみを選択して電磁シー
ルドが可能であり、また、枠の金属サッシ等に導電材を
接触させる必要もなく、既設のものに対しても簡単に電
磁シールドを施すことができる。 【解決手段】 複数の周波数を遮断できるように、例え
ば、1885〜1950MHzおよび2420〜2480MHzの二つの
周波数を遮断できる第1の線状アンテナ5aと第2の線
状アンテナ5bを組み合わせた複合の線状アンテナ5を
回線パターンとして透明フィルム1にこのアンテナが有
する電磁界吸収等価面積を考慮して定期的に配列させ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窓ガラス等に電磁
シールド性能を持たせるための電磁シールドフィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の電磁シールドの必要性はビル内
で無線技術を応用したパーソナルな携帯機器を屋内で法
に定められた枠内で活用する場合に不可欠であり、ま
た、情報のセキュリティからも当該周波数の電波の遮
断、すなわち放射も侵入も防ぐことが必要とされる。
【0003】ビル構造の電磁シールドとして、従来各床
面は鉄板により十分な電磁遮蔽が行え、外部壁面並びに
テナント間のパーテーションに使用する防音−断熱剤は
従来品でも高いマイクロ波に有効であるが、さらに金属
箔や金属メッシュを付加することで有効な電磁遮蔽が行
える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、屋外からの侵
入電波を遮断するにともない、ビルの内外を通じて使用
されるポケットベル、携帯電話、FM、ラジオ等の放送
波などの公衆の重要情報の電波まで遮断してしまう。ま
た、これらの金属箔や金属メッシュは実用において枠や
柱など他の部材と電気的に接触を保たねばならない。
【0005】さらにガラス窓やガラスによるルーフなど
は光の透過性を確保することからも、電磁遮蔽が困難で
あった。
【0006】このようなガラス窓やガラスについての電
磁遮蔽に関しては、一例として、タングステン、アルミ
などの極めて薄い蒸着膜を全面にわたりガラス表面また
は内部にラミネートとしたガラスを使用すれば、可視光
線に対しては25〜30%の減少に留まるが、実用にされて
いるデジタルコードレス電話(1.9 GHz)あるいは無
線LAN(2.45GHz)に対して最大17dB(=1/5
0)に減衰させうることは知られている。
【0007】このような場合でも、必要な周波数の電波
のみを選択して電磁シールドすることはできず、前記の
ごとき必要な電波をも遮断してしまう不都合がある。
【0008】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、必要な周波数の電波のみを選択して電磁シールドが
可能であり、また、枠の金属サッシ等に導電材を接触さ
せる必要もなく、既設のものに対しても簡単に電磁シー
ルドを施すことができる電磁シールドフィルムを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、パターン化した小さな線状アンテナ
をフィルムにこのアンテナが有する電磁界吸収等価面積
を考慮して定期的に配列させたこと、第2に、フィルム
は、透明フィルムであること、第3に、線状アンテナ
は、複数の周波数を遮断できるように複数種からなるこ
と、第4に、線状アンテナは、1885〜1950MHzおよび
2420〜2480MHzの二つの周波数を遮断できるものであ
ること、第5に、線状アンテナは、Y字形のものと、こ
れを囲う白抜き枠文字のY字形のものとの組合わせによ
ることを要旨とするものである。
【0010】請求項1記載の本発明によれば、フィルム
に設けたパターン化した小さなアンテナはアンテナ金属
部分の面積のみが電磁波エネルギーを反射するのではな
く、アンテナ金属面の近傍の電磁界に対しても反射効果
を有する。また、吸収損失もあり吸取られた電磁界は線
状アンテナ内伝搬による熱損失として吸収され、このた
め、このフィイルムを壁板、ガラス、天井板等の板体等
に貼れば、簡単に電磁遮蔽機能が得られる。
【0011】また、このように反射損失及び線状アンテ
ナによる吸収損失によるシールド効果であるため、アン
テナを窓枠の金属サッシに導通させる必要はなく、導電
接続に限定されずに自由な設定ができる。特に、フィル
ムとして既設のガラス等に貼ることが可能なので、窓ガ
ラス等既設ものに対してこれを取り換えることなく簡単
に電磁遮蔽機能を付加することができる。
【0012】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、フィルムは透明フィルムであるとし、線状ア
ンテナは電磁界吸収等価面積を考慮して散在させるもの
であり、間隔を存しているので、フィルム自体として採
光性・可視性を損なうことがなく、このフィルムをガラ
ス等の透明板に貼着すれば、その透明板自体の透明性も
確保して電磁遮蔽機能が得られる。
【0013】請求項3記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、回線パターンとしての線状アンテナは複数の
特定の周波数を遮断でき、その結果、他の電波を通過さ
せるので、外部からの情報の収集が必要な電波は遮断せ
ず、建物内部で使用する電波の外部漏れを防ぎ、セキュ
リティを高めることができる。
【0014】請求項4記載の本発明によれば、さらに、
遮断する電波を1885〜1950MHzおよび2420〜2480MH
zの二つの周波数のものに特定することで、PHSなど
のデジタルコードレス電話およびそのデータ端末および
準マイクロ波による無線LANの遮断を行い、その他の
電波であるポケットベル、携帯電話、FM、ラジオ等の
放送波などの電波サービスを減衰させてしまうことはな
い。
【0015】請求項5記載の本発明によれば、実際の電
波は波の面が横一列ではなく様々な傾きをもっている
が、線状アンテナや白抜き文字アンテナをY字形とする
ことで、水平面の電波以外の傾きの異なる電波にも対応
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
ついて詳細に説明する。図1は本発明の電磁シールドフ
ィルムの1実施形態を示す斜視図である。
【0017】本発明の電磁シールドフィルムは、透明フ
ィルム1に回線パターンとしての小さな線状アンテナ5
をこのアンテナが有する電磁界吸収等価面積を考慮して
定期的に配列させた。
【0018】この透明フィルム1にはポリイミドフィル
ムやポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム等の
合成樹脂フィルムで、含む極力透明度の高いものが適す
る。また、線状アンテナ5は回線パターンとしてエッチ
ング法やラミネート法やスクリーン印刷法で透明フィル
ム1に設けられる。この透明フィルム1は日照調整用フ
ィルム、ガラス飛散防止フィルム、紫外線防止フィルム
などの特殊フィルムでもよい。
【0019】前記エッチング法はフレキシブル基板とし
てのフィルムに銅箔を張り付けたものを基材として使用
し、パターン部にマスキングをして残る部分を溶剤で溶
解する一般のプリント基板と同様な手法からなる。
【0020】これに対してスクリーン印刷法は基材上に
銀、銅、金などの金属ペースト印刷を施すことにより回
線パターンを構成するものである。
【0021】また、透明フィルム1は線状アンテナ5の
保護のために、カバーフィルム等での複合フィルムとし
たり、コーティングを施すこともある。
【0022】さらに、このような線状アンテナ5を定期
的に配列させた透明フィルム1は窓ガラス2等に透明接
着剤等により貼着できるものとする。
【0023】先に、本発明に関連する基本原理について
説明する。図2に示すように導体片3が空中にある場
合、この面に電波が入射すると、図3に示すように1部
が通過し、他は反射する。この場合の透過波の減衰量は
図4に示すように4,6GHz帯は通過するが、12,14
GHz 帯は通過しない。このような特性は導体片3の形
状によって異なる。
【0024】導体片3を線状である線状アンテナ(ダイ
ポール)とすれば、吸い取られた(受信した電力は)一
部は再放射され、多くは線状アンテナ(導体)に熱損失
として吸収される。
【0025】図5に示すように平面磁界に平行に置かれ
た半波長(1/2)の線状アンテナはアンテナの金属部
分の面積のみが電磁波エネルギーを受信するのではな
く、金属面の近傍の電磁界を吸い取っている。その広が
りは均一ではないが等価面積Aeは、下記式1で計算値
が表示される。
【0026】
【式1】Ae≒0.13λ2
【0027】このような線状アンテナ5を前記等価面積
Aeに応じて図5に示すように透明フィルム1に配列す
れば、あたかも金属膜を貼ったのと同様な効果を示す。
しかも線状アンテナ4は散在するものなので、透明フィ
ルム1を貼った時の窓ガラス2の採光性・可視性を損な
うこともない。なお、線状アンテナ5をなすパターン回
線の太さは視界の妨げにならないように細く、かつ適当
に損失のあるものを選択する。
【0028】ところで1885〜1950MHzは、現行のパー
ソナル通信(PHS-JAPAN.,PCS-US.DECT-Europe )および
西暦2000年から実用になるFPLMTS(Future Public Land
Mobile Telephone System )の周波数帯であり、2420
〜2480MHzはITUで定めるISN(Industrial-Sci
entific-Medical −−−工業、科学、医療)用の周波数
でビル内では無線LSNに割り当てられているほか電子
レンジや大電力の非破壊検査用線形加速機にも使われて
いる。
【0029】PHSの場合は波長がλ=153 mm、無線L
ANの場合はλ=122 mmだから、それぞれの線状アンテ
ナ4は面積Ae=3043mm2 atPHS、Ae=1935mm2 at
LANに相当し、これを透明フィルム1に前記電磁界吸
収等価面積Aeを考慮して点在させればよい。
【0030】このように線状アンテナ4は、1885〜1950
MHz および2420〜2480MHzの二つの周波数を遮断
できるきるように長さの異なるものを透明フィルム1に
設けるようにすれば、それ以外のポケットベル(275 〜
364 MHz)、携帯電話(810 〜940 MHz、1477〜15
01MHz)、FM放送(76〜90MHz)、中波ラジオ放
送(526 〜1600kHz)等の放送波などの公衆の重要情
報の電波まで遮断してしまうことはない。
【0031】しかし、図5のように線状アンテナ4を横
一列に配置するものでは、実際の電波の波面がこのよう
に横一列でなく様々な傾きをもつのに対応できない。そ
こで、本実施形態では図6に示すような、一辺2450MH
zのλ/(4√ε)のY字形の第1の線状アンテナ5a
と、周囲が1950MHzのλ/√εの細い銅線(0.2 φ)
のリングとしてこれを囲う白抜き枠文字のY字形の第2
の線状アンテナ5bとの組合わせによる複合の線状アン
テナ5を形成した。このように形状をY字形としたのは
電波の偏波面への対応のためであり、第1の線状アンテ
ナ5aと第2の線状アンテナ5bを組み合わせるのは2
つの周波数に対応するためである。
【0032】かかる複合の線状アンテナ5で形状をY字
形として3方に伸びるようにすれば、電波の波の面がど
のような傾きを持つとしてもいずれかと共振するので、
問題を解消できる。
【0033】先に述べたように線状アンテナ5を設けた
透明フィルム1は窓ガラスなどの透明な板体等に貼着け
る場合や製品としてのガラス等に積層させて出荷する場
合などがあるが、後で貼着ける場合には窓のガラスやル
ーフガラス等既設のものに電磁遮蔽効果を付与すること
が可能となる。
【0034】以上実施形態としては透明フィルム1を使
用してフィルム自体として採光性・可視性を損なうこと
がなく、このフィルムをガラス等の透明板に貼着すれ
ば、その透明板自体の透明性も確保して電磁遮蔽機能が
得られる場合について説明したが、透明でないフィルム
に線状アンテナ5を設ける場合もある。
【0035】壁、床、天井その他、採光性・可視性を要
求されない部分の電磁遮蔽機能を施す場合には、透明で
ないフィルムに線状アンテナ5を設けたものを貼合わせ
ればよい。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明の電磁シールド
フィルムは、必要な周波数の電波のみを選択して電磁シ
ールドが可能であり、また、枠の金属サッシ等にに導電
材を接触させる必要もなく、既設のものに対しても簡単
に電磁シールドを施すことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁シールドフィルムの1実施形態を
示す斜視図である。
【図2】本発明の電磁シールドフィルムの電磁シールド
原理を示す斜視図である。
【図3】図2の場合における周波数応答の例を示すグラ
フである。
【図4】導電体を線状アンテナ(ダイポール)とした場
合の説明図である。
【図5】線状アンテナを配置したフィルムの正面図であ
る。
【図6】複合線状アンテナの一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1…透明フィルム 2…窓ガラス 3…導体片 4…線状アンテ
ナ 5…線状アンテナ 5a…第1の線
状アンテナ 5b…第2の線状アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 義政 大阪府大阪市西区阿波座一丁目3番15号 鹿島建設株式会社関西支店内 (72)発明者 山野上 和志 大阪府大阪市西区阿波座一丁目3番15号 鹿島建設株式会社関西支店内 (72)発明者 平井 淳一 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 山木 克則 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パターン化した小さな線状アンテナをフ
    ィルムにこのアンテナが有する電磁界吸収等価面積を考
    慮して定期的に配列させたことを特徴とする電磁シール
    ドフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルムは、透明フィルムである請求項
    1記載の電磁シールドフィルム。
  3. 【請求項3】 線状アンテナは、複数の周波数を遮断で
    きるように複数種からなる請求項1または請求項2記載
    の電磁シールドフィルム。
  4. 【請求項4】 線状アンテナは、1885〜1950MHzおよ
    び2420〜2480MHzの二つの周波数を遮断できるもので
    ある請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電磁シ
    ールドフィルム。
  5. 【請求項5】 線状アンテナは、Y字形のものと、これ
    を囲う白抜き枠文字のY字形のものとの組合わせによる
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電磁シール
    ドフィルム。
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