JP2001345402A - モジュール型半導体装置及びその方法 - Google Patents

モジュール型半導体装置及びその方法

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JP2001345402A
JP2001345402A JP2000162092A JP2000162092A JP2001345402A JP 2001345402 A JP2001345402 A JP 2001345402A JP 2000162092 A JP2000162092 A JP 2000162092A JP 2000162092 A JP2000162092 A JP 2000162092A JP 2001345402 A JP2001345402 A JP 2001345402A
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thermal expansion
low thermal
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Yutaka Ishiwatari
裕 石渡
Akira Tanaka
明 田中
Takahiko Shindou
尊彦 新藤
Hideyasu Ando
秀泰 安藤
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
Kenji Kijima
研二 木島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンダ層の熱疲労寿命を延長させると共に、
半導体チップの冷却特性をも向上させる。 【解決手段】 高靭性領域21と低熱膨張領域22とを
冶金的に接合することにより、低熱膨張領域22により
ハンダ層5bの熱疲労寿命を延長させると共に、高靭性
領域21により半導体チップ4の冷却特性をも向上させ
る。これに加え、両領域21,22の接合面を板厚方向
に対して所定の角度θを設けて接合することにより、熱
応力による低熱膨張領域22と高靭性領域21との接合
面における熱応力集中を緩和させ、熱応力によるベース
20の破損を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力用のモジュー
ル型半導体装置及びその方法に係わり、特に、起動・停
止に伴なう熱応力の繰返しによるハンダ層の熱疲労寿命
を延長できると共に、大電流化を可能にする冷却特性を
も向上し得るモジュール型半導体装置及びその方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体チップは、数mA〜数A程
度の比較的小さい電流の制御に用いられていた。しかし
ながら近年では、1個の半導体チップにおいて、数10
A〜約100Aまでの大きい電流が制御可能となってい
る。また、このような半導体チップを複数個集積して1
つの絶縁性樹脂ケースに内蔵することにより、モジュー
ル型半導体装置が作成されている。係るモジュール型半
導体装置は、1個当りで数100A〜1000A程度の
大電流が制御可能であり、今日では圧延プラントや化学
プラントにおける大形モータの駆動用電源や車輌等に幅
広く使用されている。
【0003】図17はこのようなモジュール型半導体装
置の断面構成を示す模式図である。このモジュール型半
導体装置は、周囲部を残して両面に導電層(導電性薄
膜)1a,1bが付けられた絶縁性(セラミックス)層
2からなる絶縁基板3が使用され、この絶縁基板3の上
面の導電層1a上には複数の半導体チップ4がはんだ層
5aを介して取付けられ、各半導体チップ4や図示しな
い外部端子が互いにボンディングワイヤ6を介して電気
的に接続されている。
【0004】絶縁基板3の底面は、導電層1bを介して
金属製のベース(放熱版)7にはんだ層5bを介して取
付けられ、ベース7の周囲部上には絶縁基板3の周囲全
体を囲うように絶縁性樹脂ケース8が取付けられてい
る。
【0005】また、絶縁性樹脂ケース8の内側上部に
は、図示しないが、外部端子用リード線及び開口部を有
する端子保持部が絶縁性樹脂ケース8に蓋をするように
取付けられている。なお、外部端子用リード線は、絶縁
性樹脂ケース8内の半導体チップ4と外部との間で電気
的に導通をとるための部材である。
【0006】ここで、ベース7、絶縁性樹脂ケース8、
端子保持部で囲まれたモジュール内部には、前述した開
口部を介して絶縁性ゲル9が流し込まれ、絶縁性ゲルの
硬化の後、開口部が封止部材(いずれも図示せず)にて
密封されている。これにより、モジュール型半導体装置
が構成される。
【0007】係るモジュール型半導体装置は、ベース7
がその四隅の貫通孔を通してボルト10によりヒートシ
ンク(冷却器)上蓋11に固定される。
【0008】通電抵抗により半導体チップ4で発生した
熱は、絶縁基板3並びにベース7、上蓋11を通して水
冷又は風冷のヒートシンク12に流出する。以上のよう
なモジュール型半導体装置は、導電層1a,1bやベー
ス7が熱伝導率に優れていることが必要である。このた
め、導電層1a,1bやベース7には、一般に、銅、ア
ルミニウム又はこれらの合金といった金属材料が用いら
れる。
【0009】しかし、半導体チップ4からヒートシンク
12に流出する熱は、絶縁基板3やベース7自体の熱抵
抗に限らず、ベース7とヒートシンク上蓋11との接触
熱抵抗により、スムーズな流出が阻害されている。この
ような熱抵抗は、冷却効率を低下させ、モジュール型半
導体装置の大電流化を阻む大きな要因となっている。
【0010】また、ベース7の金属材料の熱膨張率は、
絶縁性層2の熱膨張率に比べて著しく大きい。これは、
熱伝導率と靭性の高い材料は、概して熱膨張率が大きい
という性質による。このため、モジュール型半導体装置
では、その稼動時と停止時との間の熱応力により、ハン
ダ層5bに亀裂が発生・進展し、絶縁基板3がベース7
からの剥離に至る熱疲労寿命の問題がある。
【0011】係るハンダ層5bの熱疲労寿命を延ばす観
点から、ベース7を熱膨張率の大きい金属材料から、熱
膨張率の小さい金属とセラミックスとの複合材料に変え
ることにより、ベース7の熱膨張率を絶縁性層2に近づ
け、ハンダ層5bに生じる熱応力を低減する方法が考案
され、一部実用化されている。
【0012】しかしながら、ベース7の熱膨張率を下げ
ると、ハンダ層5bの熱疲労寿命を向上できる一方、ベ
ース7の熱伝導率が金属材料の半分以下に下がるため、
半導体チップ4の冷却が不十分となり、オーバーヒート
によって半導体チップ4を損傷させる可能性が高まる。
【0013】さらに、金属とセラミックスとの複合材料
は、強度的に脆く靭性が低いため、小さな衝撃的な外力
の付加や、ベース7をヒートシンク上蓋11に固定する
際の曲げ応力の付加により、折損する可能性がある。ま
た、金属とセラミックスとの複合材料は、銅やアルミニ
ウムの数10倍のコストを要するため、コストの面でも
問題がある。
【0014】この例としては、ベース材料として、銅と
モリブデンの複合材料を用いる旨の特開平11−269
66号公報に開示された方式がある。ここで、タングス
テンやモリブデン等の高融点金属は、熱膨張率、熱伝導
率、靭性等の面で優れた特性を有しているが、コストが
高いという欠点がある。また、これら高融点金属とセラ
ミックスとの複合材料は、熱膨張率、熱伝導率が比較的
良好であるものの、靭性が低くコストが高いという欠点
がある。
【0015】一方、ハンダ層5bの熱疲労寿命の延長に
関し、特開平8−274228号公報には、絶縁性層2
に接合される導電層1bを小さく分割し、ハンダ層5b
に生じる熱応力を低減させる方式が開示されている。
【0016】しかし、特開平8−274228号の方式
では、ハンダ層5bの熱疲労寿命を延長可能である反
面、絶縁性層2のうちの導電層1bの無い部分に大きな
引っ張りの熱応力が生じ、強度的に脆く靭性の低い絶縁
性(セラミックス)層2に亀裂が発生して絶縁破壊を生
じる可能性が高いと考えられる。また、導電層1bの分
割は、導電層1bの面積を減少させるため、半導体チッ
プ4の冷却特性の面でも好ましくない。
【0017】一方、高い熱伝導率と低い熱膨張率を両立
させる観点から、特開平9−82858号公報では、ベ
ース7を、絶縁基板3とヒートシンク上蓋11とに挟ま
れた第1領域とその周囲の第2領域とから構成し、第1
領域には高靭性で熱伝導率に優れた金属材料(銅、アル
ミニウム等)を用い、第2領域には高剛性且つ低熱膨張
率の金属材料(鉄、ニッケル等)を用いる方式が開示さ
れている。
【0018】しかし、特開平9−82858号の方式で
は、高靭性の第1領域と、低熱膨張率の第2領域との接
合面に大きい熱応力が発生し、ベース7に亀裂が生じて
破損する可能性が高いと考えられる。また、低熱膨張率
の第2領域は、ハンダ層5bの熱疲労寿命を短縮させる
と共に、ベース11とヒートシンク上蓋11との接触熱
抵抗を増大させるため、半導体チップ4の冷却特性をも
低下させてしまう。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように従
来のモジュール型半導体装置では、ベース7の熱伝導率
を上げると熱膨張率も上がってハンダ層5bの熱疲労寿
命が短くなり、ベース7の熱膨張率を下げると熱伝導率
も下がって半導体チップ4の冷却特性を低下させてしま
う。
【0020】すなわち、ハンダ層5bの熱疲労寿命と半
導体チップ4の冷却特性とは互いにトレードオフの関係
があり、両者を共に向上させることが極めて困難となっ
ている。
【0021】また、熱膨張率を下げる際に、金属とセラ
ミックスとの複合材料を用いた場合、ベース7の靭性が
低くなり、強度的に脆くなる上、コストを増大させてし
まう。
【0022】また、特開平8−274228号公報のよ
うに導電層1bの分割によりハンダ層5bの熱疲労寿命
を延長させる方式では、導電層1bの無い部分の熱応力
により絶縁破壊を生じる可能性や半導体チップ4の冷却
特性を低下させる可能性がある。
【0023】また一方、特開平9−82858号公報の
ように、ベース7を高靭性の第1領域と、低熱膨張率の
第2領域とから構成する方式では、第1領域と第2領域
との界面において、熱応力により亀裂が生じ、ベース7
を破損させる可能性がある。ここで、低熱膨張率の第2
領域は、ハンダ層5bの熱疲労寿命を短縮させる上、ベ
ース7とヒートシンク上蓋11との接触熱抵抗を増大さ
せて半導体チップ4の冷却特性をも低下させてしまう。
【0024】本発明は上記実情を考慮してなされたもの
で、ハンダ層の熱疲労寿命を延長できると共に、半導体
チップの冷却特性をも向上し得るモジュール型半導体装
置及びその方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、特開平
9−82858号公報とは異なり、低い熱膨張率の低熱
膨張領域の周囲に高い熱伝導率の高靭性領域が配置され
たベースを用いた構成において、さらに、2つの領域間
における異種材料の接合面での熱応力を低減させること
にある。
【0026】具体的には、異種材料の接合面を板厚方向
に対して角度(θ)を持たせた形状とし、接合面での高
い応力集中を緩和させる構成である。なお、持たせる角
度は、所定の値あるいは連続した値のいずれでも良い。
連続した値の場合、接合面の形状は、板厚を直径とする
円の円弧状から略直線状の円弧状までの任意の円弧状に
なる。
【0027】このような本発明の骨子は、本発明者が異
種材料接合体の熱応力特性を評価した結果、接合部の表
面に非常に高い熱応力が発生し、同部位を起点に亀裂が
発生し、破壊に至るという知見が得られたことに基づい
ている。
【0028】また、このような骨子に加え、本発明は、
半導体チップとヒートシンクとの間の熱抵抗を低減させ
る観点から、ボルトによる締結構造に起因するベースと
ヒートシンクとの接触熱抵抗に着目した構成としても良
い。すなわち、この接触熱抵抗を無くすため、ベースの
裏面を冷媒で直接に冷却する構成としても良い。
【0029】なお、冷却冷媒としては、空気又は水等が
使用可能であるが、冷却特性の面から空気よりも水の方
が適している。但し、水を冷却冷媒に用いた場合、前述
した特開平11−26966号の複合材料や、特開平9
−82858号の複合構造では、水との接触により異種
金属間で電位差を生じ、ベースに局部電池が形成されて
しまう。このとき、ベースは腐食電位の卑な金属が短時
間で腐食・減肉され、破損に至る。
【0030】従って、本発明に係るベースは、ヒートシ
ンクとの接触熱抵抗を無くす構成とし且つ冷却冷媒に水
を用いる場合、水と接する部分が単一の金属材料で形成
されることが必要である。
【0031】さて以上のような本発明の骨子に基づき、
具体的には以下のような手段が講じられる。本発明は、
放熱板として機能するベースと、前記ベースの片面上に
接合され、両面に導電性薄膜を有する高熱伝導性の絶縁
性層と、前記絶縁性層における前記ベースとは反対面の
導電性薄膜に接合された半導体チップとを備えたモジュ
ール型半導体装置において、前記ベースとしては、高靭
性領域と低熱膨張領域とが冶金的に接合されてなり、前
記高靭性領域と低熱膨張領域との接合面が当該ベースの
板厚方向に対して交わる角度に沿って形成されているも
のを対象とする。
【0032】このようなモジュール型半導体装置は、例
えば以下のように、形状、位置、寸法及び/又は材料な
どを任意の組合せで規定してもよい。例えば、前記角度
は、30°〜60°の範囲内にしてもよい。また、前記
接合面は、円弧状の断面形状を有してもよい。
【0033】さらに、前記高靭性領域は、前記低熱膨張
領域の外周側に配置され、前記低熱膨張領域は、前記片
面上に導電性薄膜を介して前記絶縁性層が接合されてい
てもよい。
【0034】また、前記接合面の前記絶縁性層側の端部
は、前記ベース側の導電性薄膜の外周端よりも1mm以
上外周側又は内周側に位置していてもよい。
【0035】さらに、前記ベースは、前記絶縁性層とは
反対側の面が単一の金属層から形成されていてもよい。
【0036】また、前記低熱膨張領域が複数個あり、当
該複数の低熱膨張領域に挟まれた高靭性領域の表面及び
/又は裏面に溝が形成されていてもよい。
【0037】さらに、前記低熱膨張領域は、複数の辺か
らなる平面形状を有し、且つ前記各辺が交わるコーナー
部には半径0.5mm以上の面取りが施されていてもよ
い。
【0038】また、前記高靭性領域は、銅、アルミニウ
ム、銅を主成分とする合金、あるいはアルミニウムを主
成分とする合金で形成されていてもよい。
【0039】さらに、前記低熱膨張領域は、セラミック
ス材料で形成されていてもよく、または、金属とセラミ
ックス材料との複合材料で形成されていてもよい。ここ
で、前記複合材料の金属は、銅、アルミニウム、銅を主
成分とする合金、あるいはアルミニウムを主成分とする
合金であってもよい。また、前記複合材料のセラミック
ス材料は、金属炭化物、金属窒化物、カーボン、あるい
はグラファイトであってもよい。
【0040】また、前記低熱膨張領域は、タングステ
ン、モリブデン、タングステン合金、あるいはモリブデ
ン合金で形成されていてもよく、あるいは、タングステ
ン、モリブデン、タングステン合金、あるいはモリブデ
ン合金のいずれかを主成分とする複合材料で形成されて
いてもよい。
【0041】前記絶縁性層は、金属窒化物又は金属炭化
物で形成されていてもよい。前記導電性薄膜は、銅、ア
ルミニウム、銅を主成分とする合金、あるいはアルミニ
ウムを主成分とする合金で形成されていてもよい。
【0042】一方、以上のような選択事項を適宜、備え
たモジュール型半導体装置は、例えば、以下の製造方法
のいずれかを用いて製造してもよい。例えば、第1の製
造方法としては、前記低熱膨張領域を構成する低熱膨張
率の低熱膨張材料で形成されたスケルトンを金型内に設
置する工程と、前記高靭性領域を構成する金属材料を溶
融状態で前記金型内に流し込み、加圧鋳造並びに含浸に
より、当該金属材料と前記スケルトンとを一体化する工
程と、を含んでいるものである。
【0043】また、第2の製造方法としては、前記低熱
膨張領域を構成する低熱膨張率の金属を含む低熱膨張材
料を金型内に設置する工程と、前記高靭性領域を構成す
る金属材料を溶融状態で前記金型内に流し込み、加圧鋳
造により、当該金属材料と前記低熱膨張材料とを一体化
する工程と、を含んでいるものである。
【0044】第3の製造方法としては、前記低熱膨張領
域を構成する低熱膨張率の金属を含む低熱膨張材料と、
前記高靭性領域を構成する金属材料とをろう付けにより
接合し、当該金属材料と前記低熱膨張材料とを一体化す
る工程を含んでいるものである。但しここで、前記高靭
性領域を構成する金属材料を粉末状とし、前記ろう付け
に代えて、焼結を用いる方法としてもよい。
【0045】また、これらの製造方法において、前記金
属材料と前記低熱膨張材料とを一体化する工程の前に、
当該金属材料と低熱膨張材料との両者とは異なった材質
又は組成をもつ中間層材料を当該金属材料と低熱膨張材
料との間に配置する工程を含んでいてもよい。なお、こ
の配置する工程は、前記中間層材料を前記低熱膨張材料
の表面に形成する工程を含んでいてもよい。
【0046】さらに、これらの製造方法において、前記
一体化する工程の後、前記ベースを形成する工程と、前
記ベースの外周側に貫通孔を形成する工程と、前記ベー
スをヒートシンク基体の上蓋として当該ヒートシンク基
体に設置し、前記貫通孔にボルトを通す工程と、当該ボ
ルトを締結する工程と、を含んでいてもよい。
【0047】また、このように製造可能であって、前述
した構成をもつモジュール型半導体装置を使用する際に
は、例えば、前記ベースにおける前記絶縁性層とは反対
側の面に冷却媒体を直接接触させる冷却方法を用いても
よい。
【0048】(作用)従って、本発明は以上のような手
段を講じたことにより、ベースとしては、高靭性領域と
低熱膨張領域とが冶金的に接合されてなり、高靭性領域
と低熱膨張領域との接合面が当該ベースの板厚方向に対
して交わる角度に沿って形成されているので、ハンダ層
の熱疲労寿命を延長できると共に、半導体チップの冷却
特性をも向上でき、また、異種材料の接合面に集中する
熱応力を緩和させてベースの破損を防止することができ
る。
【0049】また、このようなベースは、高靭性領域や
低靭性領域に関し、形状、位置、寸法及び/又は材料な
どを規定することにより、前述した作用を容易且つ確実
に奏することができる。
【0050】また、このようなベースは、加圧鋳造、含
浸、ろう付け、焼結等の種々の冶金的な製造方法によ
り、容易且つ確実に製造することができる。
【0051】さらに、使用の際に、ベースにおける絶縁
性層とは反対側の面に冷却媒体を直接接触させる場合、
ベースがヒートシンクの上蓋を兼用するので、従来とは
異なり、ベースとヒートシンクとの間の接触熱抵抗を無
くすことができ、より一層、半導体チップの冷却効率を
向上させることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
て図面を参照して説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態に係
るモジュール型半導体装置の構成を模式的に示す断面図
であり、図2はそのモジュール型半導体装置の部分断面
図であって、前述した図面と同一部分には同一符号を付
してその詳しい説明を省略し、ここでは異なる部分につ
いて主に述べる。なお、以下の各実施形態も同様にして
重複した説明を省略する。
【0053】すなわち、本実施形態は、高い熱伝導率の
高靭性領域と、低い熱膨張率の低熱膨張領域とからなる
ベースを用いた構成において、2つの領域間における異
種材料の接合面での熱応力の低減を図るものであり、具
体的には、従来のベース7及びヒートシンク上蓋11に
代えて、図1及び図2に示すベース20を備えている。
但し、上蓋11の省略は、好ましい実施態様ではあるも
のの、本発明の必須要件ではない。
【0054】ここで、ベース20は、高靭性で熱伝導率
に優れた高靭性領域21と、高剛性且つ低熱膨張率の低
熱膨張領域22とが冶金的に接合されてなり、高靭性領
域21と低熱膨張領域22との接合面が当該ベース20
の板厚方向に対して交わる角度θに沿って形成されてい
る。なお、高靭性領域21は、低熱膨張領域22の周囲
に配置され、絶縁樹脂ケース8よりも外周側の任意の箇
所に締結用のボルト10を通すための貫通孔(図示せ
ず)が形成されている。
【0055】すなわち、ベース20の高靭性領域21
は、ボルト締結により、モジュール型半導体装置を風冷
のヒートシンク12に固定可能としている。
【0056】以上のような構成によれば、高靭性領域2
1と低熱膨張領域22とが冶金的に接合されているの
で、低熱膨張領域22によりハンダ層5bの熱疲労寿命
を延長できると共に、高靭性領域21により半導体チッ
プ4の冷却特性をも向上でき、さらに、両領域21,2
2の接合面を板厚方向に対して所定の角度θを設けて接
合したので、熱応力による低熱膨張領域22と高靭性領
域21との接合面における熱応力集中を緩和でき、熱応
力によるベース20の破損を防止することができる。
【0057】また、ベース20がヒートシンク12の上
蓋を兼用する場合、従来とは異なり、ベース20とヒー
トシンク上蓋11との間の接触熱抵抗を無くすことがで
きるので、より一層、半導体チップ4の冷却効率を向上
させることができる。また、冷却効率の向上により、従
来よりも大きな電流を半導体チップ4に流すことが可能
となる。 (第2の実施形態)本発明の第2の実施形態を図2の部
分断面図及び図3を用いて説明する。本実施形態は、第
1の実施形態の具体例であり、図2に示す高靭性領域2
1と低熱膨張領域22との接合面の角度θを30°〜6
0°の範囲内と規定したものである。なお、角度θの範
囲の規定は、図3に示す熱サイクル寿命の試験結果に基
づいている。
【0058】ここで、熱サイクル寿命の試験は、図3の
実施例1に示すように、接合面の角度θを15°間隔で
種々変えたベース20を試作し、−40℃と+125℃
との間を繰り返し加熱・冷却をした際に、接合面に亀裂
が生じるまでの熱サイクル数を測定する方式で行われて
いる。なお、1回の熱サイクルは、室温→−40℃→+
125℃→室温、の過程を意味している。
【0059】この結果を図3の実施例1並びに従来例に
示す。実施例1は、接合面が板厚方向に対して角度θ
(=15°,30°,45°,60°,75°)を有することから、接合
面の熱応力を大幅に緩和することができる。
【0060】また、図3の結果によれば、熱サイクル寿
命(回)は、角度θの値に比例して延長される傾向にあ
るが、θ=60°以降では飽和する傾向にある。但し、
角度θを増加することは、ベース20の面積の増大につ
ながり、モジュール型半導体装置の大型化を招くことを
意味する。このため角度θの範囲は、30°〜60°が
適切と考えられる。
【0061】一方、比較用の従来例は、図表1に示すよ
うに、接合面がベース20の板厚方向に対して平行(θ
=0°)であり、100回以下の熱サイクル数で亀裂が生
じた。
【0062】上述したように本実施形態によれば、高靭
性領域21と低熱膨張領域22との接合面の角度θを3
0°〜60°の範囲内と規定したので、第1の実施形態
の効果を容易且つ確実に得ることができ、さらに、モジ
ュール型半導体装置の大型化を回避することができる。
【0063】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形
態を図4の部分断面図及び図3を用いて説明する。本実
施形態は、第1の実施形態の具体例であり、高靭性領域
21と低熱膨張領域22の接合面の角度θを連続的に変
化させたものであって、図4に一例を示すように、接合
面が円弧状の断面形状を有する場合を示している。
【0064】ここで、接合面の断面形状は、図3の実施
例2に示すように、厚さ4mmのベース20に対し、低
熱膨張領域22の端面を外側に凸向きの、半径2mm又
は半径4mmの円弧状を有する形となっている。
【0065】このような構成にしても、第2の実施形態
と同様な条件で熱サイクル試験を行なった結果、図3の
実施例2に示すように、500回以上の熱疲労寿命を満
足することを確認できた。
【0066】上述したように本実施形態によれば、接合
面が円弧状の断面形状を有する旨を規定したので、第1
の実施形態の効果を容易且つ確実に得ることができる。
【0067】また、本実施形態は、第2の実施形態と組
合せてもよい。すなわち、接合面は、ベースの板厚方向
との角度θが30°〜60°の範囲内にあるような円弧
状の断面形状としてもよい。この場合、接合面の円弧の
向きは、低熱膨張領域22における絶縁基板3側の表面
積がヒートシンク12側の面積よりも小さい条件を満た
せば、外側に凸向きでも内側に凸向きでもよい。いずれ
にしても、第2の実施形態と同様な効果を得ることがで
きる。
【0068】(第4の実施形態)本発明の第4の実施形
態を図1を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施
形態の具体例であり、図1に示すように、低熱膨張領域
22及び高靭性領域21の配置を規定するものである。
ここで、低熱膨張領域22は、ベース20の比較的内側
であって、片面上に導電層1bを介して絶縁性層2が接
合される位置に配置されている。高靭性領域21は、低
熱膨張領域22の外周側に配置されている。以上のよう
な構成により、ハンダ層5bには低熱膨張領域22が接
合されるので、ハンダ層5bの熱疲労寿命を著しく延長
させることができる。また、低熱膨張領域22の周囲を
高靭性領域(高靭性・高熱伝導率材料)21で構成する
ことにより、ヒートシンク上蓋11を用いる場合に当該
上蓋11との接触熱抵抗も低減でき、かつ、ボルト10
によりベース20をヒートシンク12に固定する際にお
いても、ベース20の割れを防止することができる。
【0069】また、この結果、従来では困難であった異
種材料を複合化したベース20を製造することが可能と
なる。その結果、後述するような高価で脆い金属とセラ
ミックスとの複合材料や高融点金属等の低熱膨張材料を
使用する面積を小さく抑えることができる。
【0070】上述したように本実施形態によれば、低熱
膨張領域22及び高靭性領域21の配置を規定したの
で、第1の実施形態の効果を容易且つ確実に得ることが
できる。また、これは、第2又は第3の実施形態に適用
させた場合にも同様であり、適用させた実施形態の効果
を容易且つ確実に得ることができる。
【0071】(第5の実施形態)本発明の第5の実施形
態を図5〜図7を用いて説明する。本実施形態は、第4
の実施形態の具体例であり、接合面に集中する熱応力を
緩和させるものであって、図5の部分断面図及び図6の
特性図に示すように、接合面における絶縁性層2側の端
部が、ベース20側の導電層1bの外周端よりも1mm
以上、外周側又は内周側に位置したものである。なお、
この位置は、図6に示す熱応力値の解析結果に基づいて
いる。
【0072】ここで、熱応力値の解析は、図5及び図6
に示すように、接合面における端部の位置と、ハンダ層
5bの外周端の位置との距離dを外周側(+側)又は内
周側(−側)に種々変えた際に、接合面に発生している
熱応力値を解析する方式で行われている。
【0073】なお、図6の縦軸は、図7に示す両者5
b,22の端部が一致するとき(d=0のとき)の熱応
力を基準とし、端部間の距離dを変えた場合の応力値の
比で示している。図6に示す結果によれば、接合面に発
生する熱応力は、低熱膨張領域22の端部とハンダ層5
bの端部との距離dに比例して小さくなる傾向にある
が、距離dが1mm以上では飽和する傾向にある。この
ため、低熱膨張領域22の端部の位置は、ハンダ層5b
の外周端の位置から1mm以上離すことが好ましいと考
えられる。一方、距離dが±1mm未満の場合、熱応力
値が急激に変動する上、距離d=0を最大に比較的高い
値をとる。特に、距離d=0のとき、比較的短い熱サイ
クル試験で低熱膨張領域22と高靭性領域21との接合
面に亀裂が発生した。
【0074】上述したように本実施形態によれば、接合
面における絶縁性層2側の端部が、ベース20側の導電
層1b(=ハンダ層5b)の外周端よりも1mm以上、
外周側又は内周側に位置するので、第4の実施形態の効
果に加え、接合面に生じる熱応力値を容易且つ確実に低
減させることができる。また、本実施形態は、他にも第
1〜第3の実施形態のいずれに適用して実施しても良
く、適用した実施形態の効果に加え、前述した本実施形
態の効果を得ることができる。
【0075】(第6の実施形態)本発明の第6の実施形
態を図1及び図8の断面図を用いて説明する。本実施形
態は、第1の実施形態の変形例であり、接合面を冷却媒
体による腐食から保護するものであって、図8の断面図
に示すように、ベース20としては、絶縁性層2とは反
対側の面(ヒートシンク12側の面)が単一材料(例、
単一の金属層)から構成されている。
【0076】ここで、ベース20の裏面の単一材料は、
図8に示すように高靭性領域21の材料でもよいが、別
の金属材料の板を機械的又は冶金的に貼り合わせても良
く、または、メッキ、陽極酸化、溶射、CVD、PVD
等のプロセスにより表面を被覆しても良い。なお、ヒー
トシンク12に使用される冷却媒体は、水等の液体であ
るが、空気等のガスでもよい。なお、空気等のガスは、
図1に示すように接合面に直接接触させても腐食の問題
を生じないため、図1及び図8のいずれの構成にも使用
可能である。また、冷媒として液体を用いる場合、ボル
ト締結に先行し、ヒートシンク12とベース20との間
に予めパッキンを挿入する必要がある。
【0077】このような構成によれば、図8に示すよう
にベース20の裏面を単一材料とし、接合面を冷却媒体
から隔離できるので、冷却媒体が水等の液体であって
も、低熱膨張領域22と高靭性領域21との間の接合面
における局部電池の形成を阻止でき、ベース20を腐食
から保護することができる。
【0078】また、本実施形態は、他にも第2〜第5の
実施形態のいずれに適用して実施しても良く、適用した
実施形態の効果に加え、前述した本実施形態の効果を得
ることができる。
【0079】(第7の実施形態)本発明の第7の実施形
態を図9の部分断面図を用いて説明する。本実施形態
は、第6の実施形態の変形例であり、ベースの変形を抑
制するものであって、図9に示すように、低熱膨張領域
22が複数個あり、当該複数の低熱膨張領域22に挟ま
れた高靭性領域21の表面及び/又は裏面に溝23が形
成されたものである。
【0080】ここで、溝23は、高靭性領域21の表面
(絶縁基板3側)又は裏面(ヒートシンク12側)のい
ずれに形成しても良いが、高靭性領域21の両面に形成
されることが好ましい。
【0081】すなわち、高靭性領域21の材料は、一般
に低熱膨張領域22の材料に比べて大きいので、加熱や
冷却時の熱応力によりベース20に曲がりを生じさせる
可能性がある。
【0082】そこで、本実施形態では、図9に示すよう
に、複数の低熱膨張領域22の間の高靭性領域21に溝
23を形成することにより、高靭性領域21の靭性を低
下させ、熱応力によるベース20の変形を抑制してい
る。
【0083】上述したように本実施形態によれば、第6
の実施形態の効果に加え、溝23により高靭性領域21
の靭性を低下させ、熱応力によるベース20の変形を抑
制することができる。また、本実施形態は、他にも第1
〜第5の実施形態のいずれに適用して実施しても良く、
適用した実施形態の効果に加え、前述した本実施形態の
効果を得ることができる。
【0084】(第8の実施形態)本発明の第8の実施形
態を図10の平面図を用いて説明する。なお、図10は
ベースを絶縁基板側から見た平面図である。本実施形態
は、第1の実施形態の具体例であり、接合面のコーナー
部に集中する熱応力を緩和させるものであって、図10
に示すように、低熱膨張領域22としては、複数の辺か
らなる平面形状を有し、且つ各辺が交わるコーナー部2
2rには半径R=0.5mm以上の円弧状の面取りが施
されているものである。
【0085】ここで、面取り半径Rの寸法としては、実
験的には半径R=0.5mm以上で十分な効果を得られ
たが、特に、熱応力の厳しい用途向けには半径R=1m
m以上が好ましい。
【0086】以上のような構成によれば、低熱膨張領域
22と高靭性領域21との熱膨張差による熱応力が接合
面のコーナー部22rに最も集中したとしても、当該コ
ーナー部22rに円弧状の面取りを施したので、熱応力
集中を著しく緩和することができる。また、本実施形態
は、他にも第2〜第7の実施形態のいずれに適用して実
施しても良く、適用した実施形態の効果に加え、前述し
た本実施形態の効果を得ることができる。
【0087】(第9の実施形態)本実施形態は、第1〜
第8の実施形態の具体例であり、ベース20の高靭性領
域21の特性を適正化する観点から、高靭性領域21の
材料を規定するものである。
【0088】例えば、高靭性領域21の特性は、高い靭
性を有することに加え、靭性の低い低熱膨張領域22に
大きな熱応力を発生させないように降伏応力の低いこと
が好ましい。また、半導体チップ4の冷却効率を高める
には熱伝導率が高いことも重要である。
【0089】係る特性の観点から、本実施形態では、高
靭性領域21を構成する材料を、銅、アルミニウム、
銀、又は金と規定している。但し、前述した特性に加
え、材料コストを考慮する場合、高靭性領域21を構成
する材料を、銅、アルミニウム、銅を主成分とする合
金、あるいはアルミニウムを主成分とする合金と規定す
る。従って、本実施形態は以上のように高靭性領域21
の材料を規定したので、第1〜第8の実施形態のうち、
適応させた実施形態の効果に加え、容易且つ確実に、高
靭性領域21の特性を適正化することができる。
【0090】(第10の実施形態)本発明の第10の実
施形態を図11を用いて説明する。本実施形態は、第1
〜第9の実施形態の具体例であり、ベース20の低熱膨
張領域の特性を適正化する観点から、低熱膨張領域22
の材料を規定するものである。
【0091】例えば、低熱膨張領域22の特性は、熱膨
張率が絶縁性層(絶縁性セラミックス)2に近いことに
加え、半導体チップ4の冷却効率を高めるように熱伝導
率が高いことが必要である。
【0092】係る特性の観点から、本実施形態では、低
熱膨張領域22の材料を、セラミックス材料と規定して
いる。ここで、低熱膨張領域22のセラミックス材料と
しては、図11に示すように、金属窒化物又は金属炭化
物が良く、なかでもAlN及びSiCがそれぞれ適して
いる。
【0093】従って、本実施形態は以上のように低熱膨
張領域22の材料を規定したので、第1〜第9の実施形
態のうち、適応させた実施形態の効果に加え、容易且つ
確実に、低熱膨張領域22の特性を適正化することがで
きる。
【0094】(第11の実施形態)本発明の第11の実
施形態を図11を用いて説明する。本実施形態は、第1
0の実施形態の変形例であり、より一層、ベース20の
低熱膨張領域22の特性を適正化する観点から、第10
の実施形態よりも厳しい条件で低熱膨張領域22の材料
を規定するものである。
【0095】例えば、低熱膨張領域22の特性は、第1
0の実施形態で述べた熱膨張率と熱伝導率の要求を満た
すことに加え、高靭性領域21との複合化や熱応力を考
慮して、ある程度、強度と靭性をも兼ね備えることが好
ましい。
【0096】係る特性の観点から、本実施形態では、低
熱膨張領域22の材料を、金属と、セラミック粒子又は
セラミック繊維と、を複合化させた金属/セラミックス
複合材料と規定している。
【0097】なお、金属/セラミックス複合材料を構成
する金属としては、高い熱伝導率と高い延性を有する観
点から、銅、アルミニウム、銅を主成分とする合金、あ
るいはアルミニウムを主成分とする合金が好ましい。
【0098】一方、金属/セラミックス複合材料を構成
するセラミックス材料としては、小さい熱膨張係数と高
い熱伝導率を兼ね備える観点から、図11に示した金属
窒化物、金属炭化物、カーボン、あるいはグラファイト
が好ましい。
【0099】従って、本実施形態は以上のように低熱膨
張領域22の材料を規定したので、第1〜第9の実施形
態のうち、適応させた実施形態の効果に加え、容易且つ
確実に、第10の実施形態よりも低熱膨張領域22の特
性を適正化することができる。 (第12の実施形態)本実施形態は、第1〜第9の実施
形態の具体例であり、ベース20の低熱膨張領域22の
特性を適正化する観点から、低熱膨張領域22の材料を
規定するものである。
【0100】例えば、低熱膨張領域22の特性は、前述
同様に、熱膨張率が絶縁性層(絶縁性セラミックス)2
に近く且つ熱伝導率が高いことが必要である。
【0101】係る特性の観点に加え、本実施形態では、
低熱膨張領域22の材料を、高い熱応力にも耐え得る高
強度の材料として、タングステン、モリブデン、タング
ステン合金、あるいはモリブデン合金と規定している。
なお、タングステンやモリブデンの熱伝導率は、100
〜150W/m・K程度であり、他の多くの金属材料や
セラミックス材料に比べて高い値であるが、銅やアルミ
ニウムの1/2〜1/3程度である。
【0102】よって、熱伝導率を高める観点から、銅又
はアルミニウムを含むタングステン合金(タングステン
−銅合金、タングステン−アルミニウム合金)やモリブ
デン合金(モリブデン−銅合金、モリブデン−アルミニ
ウム合金)が低熱膨張領域22の材料の例に挙げられて
いる。
【0103】従って、本実施形態は以上のように低熱膨
張領域22の材料を規定したので、第1〜第9の実施形
態のうち、適応させた実施形態の効果に加え、容易且つ
確実に、低熱膨張領域22の特性を適正化することがで
きる。
【0104】(第13の実施形態)本発明の第13の実
施形態を図11を用いて説明する。本実施形態は、第1
〜第12の実施形態の具体例であり、絶縁性層2及び/
又は導電層1a,1bの特性を適正化する観点から、絶
縁性層2及び/又は導電層1a,1bの材料を規定する
ものである。
【0105】例えば、絶縁性層2の特性は、モジュール
型半導体装置の絶縁を維持するため高い絶縁抵抗が不可
欠であるが、半導体チップ4の冷却経路になるため熱伝
導率が高いことが好ましい。
【0106】係る特性の観点から、本実施形態では、絶
縁性層2の材料を、図11に示した各種セラミックス材
料の比抵抗と熱伝導率から、金属窒化物又は金属炭化物
と規定している。
【0107】一方、導電層1a,1bの特性は、高い熱
伝導率が不可欠であると共に、脆い絶縁性(セラミック
ス)層2に大きな熱応力を発生させないように降伏応力
が低く、ヤング率の小さいことが好ましい。
【0108】係る観点から、本実施形態では、導電層1
a,1bの材料を、銅、アルミニウム、銀、又は金と規
定している。但し、前述した特性に加え、材料コストを
考慮する場合、本実施形態では、導電層1a,1bの材
料を、銅、アルミニウム、銅を主成分とする合金、ある
いはアルミニウムを主成分とする合金と規定している。
なお、本実施形態において、絶縁性層2及び導電層1
a,1bの材料は、両層2,1a,1bとも規定するこ
とが最も好ましいが、少なくとも一方の層2又は1a,
1bを規定すればよい。従って、本実施形態は以上のよ
うに絶縁性層2及び/又は導電層1a,1bの材料を規
定したので、第1〜第12の実施形態のうち、適応させ
た実施形態の効果に加え、容易且つ確実に、絶縁性層2
及び/又は導電層1a,1bの特性を適正化することが
できる。
【0109】(第14の実施形態)本発明の第14の実
施形態を図12の模式図を用いて説明する。本実施形態
は、第1〜第13の実施形態におけるベース20の製造
方法の例を示している。図12(a)に示すように、ベ
ース20の低熱膨張領域22を構成する低熱膨張材料粒
子22a又は低熱膨張材料繊維を加圧成形し、スケルト
ン22bを製造する。なお、後工程において溶融金属を
スケルトン22b内に含浸する際に、スケルトン22b
の変形・損傷を防止するため、必要に応じてスケルトン
22b内にバインダーを添加したり、仮焼結することが
好ましい。
【0110】次に、図9(b)に示すように、スケルト
ン22bを金型30内に設置し、低熱膨張領域22のマ
トリックスと高靭性領域21とを形成する溶融金属21
aを金型30内に流し込み、プレス31等により加圧鋳
造する。
【0111】これによりスケルトン22b内に溶融金属
21aを含浸させ、低熱膨張領域22と高靭性領域21
とが冶金的に接合されて一体化したベース材料を得る。
【0112】このとき、高靭性領域21内への不純物や
気孔等の欠陥の巻込みを阻止し、低熱膨張領域22との
高い接合強度を得るため、スケルトン22bや金型30
を予熱しておくと共に、金型30内を不活性ガスで置換
することが好ましい。
【0113】以下、このベース材料に対し、適宜、切断
や研磨等の加工を施し、ベース20を得る。得られたベ
ース20は、外周側に貫通孔が形成され、モジュール型
半導体装置の製造に用いられる。また、モジュール型半
導体装置本体が完成した後、ベース20がヒートシンク
12の上蓋としてパッキンと共に設置され、貫通孔にボ
ルト10が通される。しかる後、ボルト締結により、ヒ
ートシンク12と一体化したモジュール型半導体装置が
製造される。上述したように本実施形態によれば、第1
〜第13の実施形態のうち、適応させた実施形態の効果
を奏するモジュール型半導体装置を容易且つ確実に製造
でき、さらに、所望の部分に低熱膨張領域22を配置し
たベース材料を低コストで得ることができる。
【0114】(第15の実施形態)本発明の第15の実
施形態を図13の模式図を用いて説明する。本実施形態
は、第1〜第13の実施形態におけるベースの製造方法
の例を示している。始めに、ベース20の低熱膨張領域
22を構成する低熱膨張材料粒子22a又は低熱膨張材
料繊維と、同じく低熱膨張領域22を構成するマトリッ
クス金属22cとを、例えば図9に示した方法や粉末冶
金法等により複合化し、図13(a)に示すように、低
熱膨張材料粒子22a又は繊維と、マトリックス金属2
2cとが一体となった複合材料22dを製造する。
【0115】次に、図13(b)に示すように、この複
合材料22dを金型30内に設置し、高靭性領域21を
構成する溶融金属21aを金型30内に流し込み、プレ
ス31等を用いて加圧鋳造する。
【0116】これにより溶融金属21aを複合材料22
dと冶金的に接合させ、低熱膨張領域22と高靭性領域
21とが冶金的に接合されて一体化したベース材料を得
る。以下、第14の実施形態と同様にモジュール型半導
体装置が製造される。
【0117】上述したように本実施形態によれば、第1
〜第13の実施形態のうち、適応させた実施形態の効果
を奏するモジュール型半導体装置を容易且つ確実に製造
でき、さらに、低熱膨張領域22を形成するマトリック
ス金属22cと高靭性領域21を形成する金属21aと
を別々の金属に選定できるため、低熱膨張領域22のさ
らなる低膨張化や靭性の向上等を実現させることができ
る。
【0118】(第16の実施の形態)本発明による第1
6の実施形態を図14の模式図を用いて説明する。本実
施形態は、第1〜第13の実施形態におけるベース20
の製造方法の例を示している。始めに、第15の実施形
態と同様に、低熱膨張材料粒子22a又は繊維と、マト
リックス金属22cとが一体となった複合材料22dを
製造する。
【0119】次に、図11に示すように、この複合材料
22dを高靭性領域21を構成する高靭性金属部材21
b内に設置し、低融点金属のろう材32を用いてろう付
けにより接合する。なお、ろう材32に代えて、低融点
金属のはんだ等を用いても良い。これにより、高靭性金
属部材21bの融点よりも遥かに低い温度で高靭性金属
部材21bと複合材料22dとを冶金的に接合させ、低
熱膨張領域22と高靭性領域21とが冶金的に接合され
て一体化したベース材料を得る。
【0120】以下、第14の実施形態と同様にモジュー
ル型半導体装置が製造される。
【0121】上述したように本実施形態によれば、第1
〜第13の実施形態のうち、適応させた実施形態の効果
を奏するモジュール型半導体装置を容易且つ確実に製造
でき、さらに、高靭性金属部材21bの融点よりも遥か
に低い温度で接合できるため、残留応力や界面反応を著
しく低減した良質なベース材料を製造することができ
る。
【0122】(第17の実施の形態)本発明による第1
7の実施形態を図15の模式図を用いて説明する。本実
施形態は、第1〜第13の実施形態におけるベース20
の製造方法の例を示している。始めに図15(a)に示
すように、第15の実施形態と同様に、低熱膨張材料粒
子22a又は繊維と、マトリックス金属22cとが一体
となった複合材料22dを製造する。
【0123】次に、図15(b)に示すように、この複
合材料22dを、高靭性領域21を構成する金属粉末2
1cと共に金型30内に設置し、プレス21等により加
圧すると共に加熱することにより、金属粉末21cを焼
結する。
【0124】これにより、高靭性領域21になる金属粉
末21cの融点よりも遥かに低い温度で当該金属粉末2
1cと複合材料22dとを冶金的に接合させ、低熱膨張
領域22と高靭性領域21とが冶金的に接合されて一体
化したベース材料を得る。
【0125】以下、第14の実施形態と同様にモジュー
ル型半導体装置が製造される。
【0126】上述したように本実施形態によれば、第1
6の実施形態を変形し、高靭性領域21を構成する金属
材料を粉末状の金属粉末21cとし、ろう付けに代え
て、焼結を用いる製造方法としたが、第16の実施形態
と同様の効果を得ることができる。
【0127】(第18の実施形態)本発明による第18
の実施形態を図16の模式図を用いて説明する。本実施
形態は、第14〜第17の実施形態(製造方法)の変形
例を示している。始めに、第15の実施形態と同様に、
低熱膨張材料粒子22a又は繊維と、マトリックス金属
22cとが一体となった複合材料22dを製造する。
【0128】次に図16に示すように、この複合材料2
2dと、高靭性領域21の金属材料21d(=21a〜
21cのいずれか)とを一体化させる工程の前に、当該
金属材料21dと複合材料22dとの両者とは異なった
材質又は組成をもつ中間層材料からなる反応防止層33
を当該金属材料21dと複合材料22dとの間に配置
し、その後、前述した通り、金属材料21dと複合材料
22dとを冶金的に一体化させる。
【0129】なお、反応防止層33の配置は、例えば、
予め中間層材料を複合材料22dの表面に形成して行な
う。これにより、複合材料22dと高靭性領域21との
接合時に両者22d,21の界面反応による脆い界面反
応層の生成を阻止することができる。以下、第14の実
施形態と同様にモジュール型半導体装置が製造される。
【0130】上述したように本実施形態によれば、第1
4〜第17の実施形態のうち、適応させた実施形態の効
果を得ることができ、さらに、脆い界面反応層を形成さ
せずにベース材料を製造することができる。
【0131】また、低熱膨張領域22と高靭性領域21
との熱膨張差が大きく、大きな熱応力が発生する場合、
反応防止層33を形成する中間層材料として、低熱膨張
領域22と高靭性領域21との中間の熱膨張係数を有す
る材料を用いることにより、熱応力をも緩和することが
できる。
【0132】なお、本願発明は、上記各実施形態に限定
されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない
範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施
形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、そ
の場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記
各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示
される複数の構成用件における適宜な組み合わせにより
種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される
全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発
明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施す
る場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるもの
である。
【0133】その他、本発明はその要旨を逸脱しない範
囲で種々変形して実施できる。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ハ
ンダ層の熱疲労寿命を延長できると共に、半導体チップ
の冷却特性をも向上できるモジュール型半導体装置及び
その方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るモジュール型半
導体装置の構成を模式的に示す断面図
【図2】同実施形態におけるモジュール型半導体装置の
部分断面図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る実施例等と従来
例との熱サイクル寿命の試験結果を示す図
【図4】本発明の第3の実施形態に係るモジュール型半
導体装置の部分断面図
【図5】本発明の第4の実施形態に係るモジュール型半
導体装置の部分断面図
【図6】同実施形態における低熱膨張領域端とハンダ端
との距離に対する熱応力比を示す特性図
【図7】同実施形態における距離がゼロのときのモジュ
ール型半導体装置の部分断面図
【図8】本発明の第6の実施形態に係るモジュール型半
導体装置の構成を模式的に示す断面図
【図9】本発明の第7の実施形態に係るモジュール型半
導体装置の部分断面図
【図10】本発明の第8の実施形態に係るモジュール型
半導体装置におけるベースの部分平面図
【図11】本発明の第10の実施形態に係るモジュール
型半導体装置の材料を説明するための図
【図12】本発明の第14の実施形態に係るモジュール
型半導体装置におけるベースの製造方法を説明するため
の模式図
【図13】本発明の第15の実施形態に係るモジュール
型半導体装置におけるベースの製造方法を説明するため
の模式図
【図14】本発明の第16の実施形態に係るモジュール
型半導体装置におけるベースの製造方法を説明するため
の模式図
【図15】本発明の第17の実施形態に係るモジュール
型半導体装置におけるベースの製造方法を説明するため
の模式図
【図16】本発明の第18の実施形態に係るモジュール
型半導体装置におけるベースの製造方法を説明するため
の模式図
【図17】従来のモジュール型半導体装置の断面構成を
示す模式図
【符号の説明】
1a,1b…導電層 2…絶縁性層 3…絶縁基板 4…半導体チップ 5a,5b…はんだ層 6…ボンディングワイヤ 8…絶縁性樹脂ケース 9…絶縁性ゲル 10…ボルト 12…ヒートシンク 20…ベース 21…高靭性領域 21a…溶融金属 21b…高靭性金属部材 21c…金属粉末 21d…金属材料 22…低熱膨張領域 22r…コーナー部 22a…低熱膨張材料粒子 22b…スケルトン 22c…マトリックス金属 22d…複合材料 23…溝 30…金型 31…プレス 32…ろう材 θ…角度 d…距離 R…半径
フロントページの続き (72)発明者 新藤 尊彦 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 安藤 秀泰 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 木島 研二 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 5F036 AA01 BB08 BC03 BC06 BC31 BD01 BD03

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放熱板として機能するベースと、前記ベ
    ースの片面上に接合され、両面に導電性薄膜を有する高
    熱伝導性の絶縁性層と、前記絶縁性層における前記ベー
    スとは反対面の導電性薄膜に接合された半導体チップと
    を備えたモジュール型半導体装置において、 前記ベースは、高靭性領域と低熱膨張領域とが冶金的に
    接合されてなり、前記高靭性領域と低熱膨張領域との接
    合面が当該ベースの板厚方向に対して交わる角度に沿っ
    て形成されていることを特徴とするモジュール型半導体
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のモジュール型半導体装
    置において、 前記角度は、30°〜60°の範囲内にあることを特徴
    とするモジュール型半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のモジュー
    ル型半導体装置において、 前記接合面は、円弧状の断面形状を有することを特徴と
    するモジュール型半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載のモジュール型半導体装置において、 前記高靭性領域は、前記低熱膨張領域の外周側に配置さ
    れ、 前記低熱膨張領域は、前記片面上に導電性薄膜を介して
    前記絶縁性層が接合されたことを特徴とするモジュール
    型半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載のモジュール型半導体装置において、 前記接合面の前記絶縁性層側の端部は、前記ベース側の
    導電性薄膜の外周端よりも1mm以上外周側又は内周側
    に位置することを特徴とするモジュール型半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に
    記載のモジュール型半導体装置において、 前記ベースは、前記絶縁性層とは反対側の面が単一の金
    属層からなることを特徴とするモジュール型半導体装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に
    記載のモジュール型半導体装置において、 前記低熱膨張領域が複数個あり、当該複数の低熱膨張領
    域に挟まれた高靭性領域の表面及び/又は裏面に溝が形
    成されたことを特徴とするモジュール型半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に
    記載のモジュール型半導体装置において、 前記低熱膨張領域は、複数の辺からなる平面形状を有
    し、且つ前記各辺が交わるコーナー部には半径0.5m
    m以上の面取りが施されていることを特徴とするモジュ
    ール型半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に
    記載のモジュール型半導体装置において、 前記高靭性領域は、銅、アルミニウム、銅を主成分とす
    る合金、あるいはアルミニウムを主成分とする合金で形
    成されたことを特徴とするモジュール型半導体装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれか1項
    に記載のモジュール型半導体装置において、 前記低熱膨張領域は、セラミックス材料で形成されたこ
    とを特徴とするモジュール型半導体装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項9のいずれか1項
    に記載のモジュール型半導体装置において、 前記低熱膨張領域は、金属とセラミックス材料との複合
    材料で形成されたことを特徴とするモジュール型半導体
    装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のモジュール型半導
    体装置において、 前記複合材料の金属は、銅、アルミニウム、銅を主成分
    とする合金、あるいはアルミニウムを主成分とする合金
    であることを特徴とするモジュール型半導体装置。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載のモジュール型半導
    体装置において、 前記複合材料のセラミックス材料は、金属炭化物、金属
    窒化物、カーボン、あるいはグラファイトであることを
    特徴とするモジュール型半導体装置。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項9のいずれか1項
    に記載のモジュール型半導体装置において、 前記低熱膨張領域は、タングステン、モリブデン、タン
    グステン合金、あるいはモリブデン合金で形成されたこ
    とを特徴とするモジュール型半導体装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のモジュール型半導
    体装置において、 前記低熱膨張領域は、タングステン、モリブデン、タン
    グステン合金、あるいはモリブデン合金のいずれかを主
    成分とする複合材料で形成されたことを特徴とするモジ
    ュール型半導体装置。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至請求項15のいずれか1
    項に記載のモジュール型半導体装置において、 前記絶縁性層は、金属窒化物又は金属炭化物で形成され
    たことを特徴とするモジュール型半導体装置。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至請求項16のいずれか1
    項に記載のモジュール型半導体装置において、 前記導電性薄膜は、銅、アルミニウム、銅を主成分とす
    る合金、あるいはアルミニウムを主成分とする合金で形
    成されたことを特徴とするモジュール型半導体装置。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至請求項8、請求項10乃
    至請求項13、請求項15乃至請求項17のいずれか1
    項に記載のモジュール型半導体装置の製造方法におい
    て、 前記低熱膨張領域を構成する低熱膨張率の低熱膨張材料
    で形成されたスケルトンを金型内に設置する工程と、 前記高靭性領域を構成する金属材料を溶融状態で前記金
    型内に流し込み、加圧鋳造並びに含浸により、当該金属
    材料と前記スケルトンとを一体化する工程と、 を含んでいることを特徴とするモジュール型半導体装置
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至請求項9、請求項11乃
    至請求項17のいずれか1項に記載のモジュール型半導
    体装置の製造方法において、 前記低熱膨張領域を構成する低熱膨張率の金属を含む低
    熱膨張材料を金型内に設置する工程と、 前記高靭性領域を構成する金属材料を溶融状態で前記金
    型内に流し込み、加圧鋳造により、当該金属材料と前記
    低熱膨張材料とを一体化する工程と、 を含んでいることを特徴とするモジュール型半導体装置
    の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至請求項9、請求項11乃
    至請求項17のいずれか1項に記載のモジュール型半導
    体装置の製造方法において、 前記低熱膨張領域を構成する低熱膨張率の金属を含む低
    熱膨張材料と、前記高靭性領域を構成する金属材料とを
    ろう付けにより接合し、当該金属材料と前記低熱膨張材
    料とを一体化する工程を含んでいることを特徴とするモ
    ジュール型半導体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のモジュール型半導
    体装置の製造方法において、 前記高靭性領域を構成する金属材料は粉末状であり、 前記ろう付けに代えて、焼結を用いることを特徴とする
    モジュール型半導体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項18乃至請求項21のいずれか
    1項に記載のモジュール型半導体装置の製造方法におい
    て、 前記金属材料と前記低熱膨張材料とを一体化する工程の
    前に、当該金属材料と低熱膨張材料との両者とは異なっ
    た材質又は組成をもつ中間層材料を当該金属材料と低熱
    膨張材料との間に配置する工程を含んでいることを特徴
    とするモジュール型半導体装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載のモジュール型半導
    体装置の製造方法において、 前記配置する工程は、前記中間層材料を前記低熱膨張材
    料の表面に形成する工程を含んでいることを特徴とする
    モジュール型半導体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項18乃至請求項23のいずれか
    1項に記載のモジュール型半導体装置の製造方法におい
    て、 前記一体化する工程の後、前記ベースを形成する工程
    と、 前記ベースの外周側に貫通孔を形成する工程と、 前記ベースをヒートシンク基体の上蓋として当該ヒート
    シンク基体に設置し、前記貫通孔にボルトを通す工程
    と、 当該ボルトを締結する工程と、 を含んでいることを特徴とするモジュール型半導体装置
    の製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項1乃至請求項17のいずれか1
    項に記載のモジュール型半導体装置の冷却方法におい
    て、 前記ベースにおける前記絶縁性層とは反対側の面に冷却
    媒体を直接接触させることを特徴とするモジュール型半
    導体装置の冷却方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004119515A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Neo Led Technology Co Ltd 高い放熱性を有する発光ダイオード表示モジュール及びその基板
JP2004257682A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Mitsubishi Electric Corp 蒸発器
JP2004343035A (ja) * 2003-04-24 2004-12-02 Ngk Spark Plug Co Ltd 放熱部品、回路基板および半導体装置
JP2017147303A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 株式会社 日立パワーデバイス パワー半導体モジュール

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