JP5521438B2 - 半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放熱性を有するリードフレームの一面に半導体素子を搭載し、当該リードフレームの他面を露出させつつ、これらリードフレームおよび半導体素子を封止樹脂で封止してなる半導体パッケージの製造方法に関する。
従来より、この種の半導体パッケージとしては、放熱性を有する金属製板状のリードフレームと、このリードフレームの両板面のうちの一面に搭載された半導体素子とを備え、リードフレームの両板面のうちの他面側を被覆せずに、リードフレームの一面および半導体素子を封止樹脂で被覆して封止したものが、一般的に提案されている。
一般に、金属部材であるリードフレームとモールド樹脂とは密着力が低く、耐久試験後などに、金属/樹脂間で界面剥離を起こすことがある。これに対しては、リードフレームにディンプルを形成することにより、密着力を向上させ、リードフレームと封止樹脂との剥離を防止するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
また、この種のパッケージにおいては、リードフレームの一面に、はんだを介して半導体素子を電気的・機械的に接続し、リードフレームの他面を放熱面として封止樹脂の外部に露出させることで、効率よく外部へ放熱を行うようにしている(たとえば、特許文献2参照)。しかし、このパッケージを筐体などに搭載しようとする場合、セラミック板や樹脂シートなど、パッケージと外部との熱的な接続を行うための絶縁物を、リードフレームの他面と筐体との間に介在させる必要がある。
また、封止樹脂から露出する放熱面であるリードフレームの他面に対して、溶射法によるセラミック薄膜を絶縁膜として形成したものが提案されている(特許文献3参照)。このものによれば、効率のよい放熱が実現できるとともに、封止樹脂より露出しているリードフレームは絶縁膜で被覆されて絶縁されているため、パッケージと外部との熱的な接続を行うための絶縁物を別途、必要としない構成を実現している。
特開2005−191178号公報 特開2003−110064号公報 特開2001−308237号公報
ところで、上記特許文献3に記載の半導体パッケージでは、リードフレームの他面に絶縁膜を形成しているが、この絶縁膜の形成あるいはその前処理によってリードフレームが反ってしまうことがある。このような反りが発生すると、後で行われる半導体素子の搭載や、パッケージと筐体との組み付けなどに悪影響を与える。このリードフレームの反りについては、リードフレームと絶縁膜との線膨張係数の差などが考えられるが、さらに以下のような原因が推定される。
上記特許文献3に記載の半導体パッケージでは、リードフレームの他面に溶射法によって絶縁膜としてのセラミック薄膜を形成するが、一般的に、この溶射法による薄膜形成では、薄膜の密着力を高めるため、ショットブラストによる前処理を行う。つまり、上記特許文献3においては、当該前処理によってリードフレームの他面の表面積が増加するため、当該他面を凸にして、リードフレームの反りが発生すると考えられる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、パッケージと外部との熱的な接続を行うための絶縁物を別途準備することなく、リードフレームの反り及び封止樹脂の剥離が抑制可能な半導体パッケージの製造方法を提供することを目的とする。
本発明により製造された半導体パッケージの一形態においては、リードフレーム(10)の一面(11)のうち封止樹脂(30)にて被覆される部位に、リードフレーム(10)よりも封止樹脂(30)との密着力が大きくセラミックよりなる電気絶縁性の絶縁膜(50)を、当該部位を被覆するように設け、当該部位は絶縁膜(50)を介して封止樹脂(30)に接触して封止樹脂(30)に被覆されるようにし、絶縁膜(50)を、リードフレーム(10)の他面(12)にも設けて当該他面(12)を被覆し、当該他面(12)を被覆する絶縁膜(50)を、封止樹脂(30)より露出させたことを特徴としている。
それによれば、封止樹脂(30)より露出するリードフレーム(10)の他面(12)に絶縁膜(50)が設けられているから、別途、絶縁物の準備が不要となる。また、リードフレーム(10)の両板面(11、12)に絶縁膜(50)を設けるから、リードフレーム(10)の反りが極力相殺され、また、絶縁膜(50)により封止樹脂(30)との密着力が向上する。よって、本発明によれば、パッケージと外部との熱的な接続を行うための絶縁物を別途準備することなく、リードフレーム(10)の反り及び封止樹脂(30)の剥離が抑制可能な半導体パッケージが提供される。
また、本発明により製造された半導体パッケージの他の形態においては、リードフレーム(10)の一面(11)のうち封止樹脂(30)にて被覆される部位に、リードフレーム(10)よりも封止樹脂(30)との密着力が大きくセラミックよりなる電気絶縁性の絶縁膜(50)を、当該部位を被覆するように設け、当該部位は絶縁膜(50)を介して封止樹脂(30)に接触して封止樹脂(30)に被覆されるようにし、絶縁膜(50)を、リードフレーム(10)の他面(12)にも設けて当該他面(12)を被覆し、さらに、当該他面(12)を被覆する絶縁膜(50)の表面に、金属よりなる金属膜(60)を、当該絶縁膜(50)の表面を被覆するように設け、この金属膜(60)を封止樹脂(30)より露出させたことを特徴としている。
それによれば、上記した一形態の半導体パッケージと同様に、パッケージと外部との熱的な接続を行うための絶縁物が不要であり、リードフレーム(10)の反り及び封止樹脂(30)の剥離が抑制可能な半導体パッケージが提供される。また、本発明によれば、リードフレーム(10)の他面(12)に設けられた絶縁膜(50)が、金属膜(60)によって保護されるとともに、その絶縁膜(50)の絶縁性の検査が、金属膜(60)を電極として行うことが可能となる。
ここで、金属膜(60)は、アルミニウム、銅、および、これらの合金より選択されたものにできる。
また、絶縁膜(50)、アルミナ、スピネル、酸化シリコン、及び、窒化シリコンより選択されたものにできる。絶縁膜(50)としては、これらの絶縁性と熱伝導性を両立する無機材料を採用することができる。
また、絶縁膜(50)としては、当該絶縁膜(50)を形成するリードフレーム(10)の表面をショットブラストにより処理し、この処理された面に溶射によって形成された膜とすることができる
また、このように絶縁膜(50)を、ショットブラストによる前処理および溶射法によって形成する場合について、本発明者が更に検討を進めたところ、次のような問題が発生し得ることがわかった。
上記絶縁膜(50)を形成する場合、リードフレーム(10)の表面のうち半導体素子(20)と接合される部位である素子接合部(14)を除く部位に、絶縁膜(50)を形成する。ここで、一般には、リードフレームの表面のうち素子接合部をマスクで被覆し、この状態でリードフレームの表面に対して、絶縁膜を形成する材料を溶射によって吹き付ける方法が考えられる。
この場合、当該マスク上にも絶縁膜が形成されるが、処理数の増加と共にマスク上に堆積する絶縁膜の膜厚が大きくなり、マスクを洗浄して定期的に堆積物を除去しないと、その堆積した絶縁膜の膜応力により、マスクが大きく反ってしまう可能性がある。そうなると、マスクと被着体との隙間が広がり、膜材料を付着させたくない部位にまで、絶縁膜が形成されてしまう。
また、溶射回数を重ねるにつれて、マスクとその周囲の絶縁膜との間にて、当該間をつなぐように絶縁膜が成長することにより、マスクが被着体から外れなくなる現象、いわゆるスティッキングという現象が起こりやすい。そこで、このようなマスクの反り、スティッキングといった問題に対処するべく、検討を重ねた結果、請求項に記載の製造方法を創出するに至った。
請求項に記載の発明は、リードフレーム(10)の表面(11〜13)のうち、リードフレーム(10)の一面(11)における半導体素子(20)と接合される部位である素子接合部(14)を除く部位に、リードフレーム(10)よりも封止樹脂(30)との密着力が大きくセラミックよりなる電気絶縁性の絶縁膜(50)を形成する絶縁膜形成工程を備えた半導体パッケージの製造方法である。
そして、当該絶縁膜形成工程では、リードフレーム(10)の表面(11〜13)のうち素子接合部(14)に、当該素子接合部(14)を被覆するマスク(M)を設け、マスク(M)が設けられたリードフレーム(10)に対して、マスク(M)以外のリードフレーム(10)の表面(11〜13)に、ショットブラスト処理を行い、その後、リードフレーム(10)からマスク(M)を取り外し、素子接合部(14)を含むリードフレーム(10)の表面(11〜13)に、絶縁膜(50)を形成する材料を溶射によって吹き付けることにより、リードフレーム(10)の表面(11〜13)のうち素子接合部(14)を除く部位に絶縁膜(50)を形成することを特徴としている。
それによれば、上記したショットブラストによる前処理および溶射法によって形成された絶縁膜(50)を有する半導体パッケージを適切に製造し得る製造方法が提供される。そして、ショットブラスト処理されない素子接合部(14)には、溶射によって絶縁膜が形成されず、それ以外の表面に絶縁膜(50)が形成されるから、溶射による成膜はマスクを用いることなく、選択的に行える。よって、本発明によれば、マスクの洗浄が不要でスティッキングの発生を防止しつつ、絶縁膜(50)の形成を行うことができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1実施形態に係る半導体パッケージの概略断面図である。 新品のマスクを用いたときの溶射による一般的な成膜方法を示す工程図である。 複数回使用されたマスクを用いたときの溶射による一般的な成膜方法を示す工程図である。 第1実施形態の半導体パッケージの製造方法を示す工程図である。 図4に続く製造方法を示す工程図である。 絶縁膜による封止樹脂の剥離防止効果について本発明者が行った調査方法を示す図である。 封止樹脂のせん断強度を調査した結果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体パッケージの概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係る半導体パッケージの概略断面図である。 本発明の第4実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を示す工程図である。 第4実施形態の半導体パッケージの冷却器への組み付け方法を示す工程図である 本発明の第5実施形態に係る半導体パッケージの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体パッケージS1の概略断面構成を示す図である。この半導体パッケージS1は、大きくは、リードフレーム10上に半導体素子20を実装したものを、リードフレーム10の実装面とは反対側の面が露出するように、封止樹脂30で封止したものである。
リードフレーム10は、放熱性を有する金属よりなり、板状をなすものである。図1では、リードフレーム10の厚さ方向に沿った断面が示されている。リードフレーム10を構成する金属としては、Cuや42アロイあるいは鉄、アルミニウム、モリブデン、タングステンなどが挙げられる。
半導体素子20は、このリードフレーム10の両板面11、12のうちの一面(図1中の上面)11に搭載されている。ここで、半導体素子20は金属製のリードフレーム10の一面11に対して、はんだもしくは導電性接着剤よりなる導電性の接合材40を介して電気的および機械的に接合されているものである。
具体的に半導体素子20としては、駆動時に発熱するパワー素子などが挙げられ、たとえばパワーMOSトランジスタやIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のトランジスタやFWD(フライホイールダイオード)等が挙げられる。
そして、封止樹脂30は、リードフレーム10の両板面11、12のうちの他面(図1中の下面)12側を被覆せずに、リードフレーム10の一面11および半導体素子20を被覆して封止している。なお、図示しないが、リードフレーム10は、当該他面12以外の一部が封止樹脂30より外部に突出しており、この突出部が外部と電気的に接続される端子として構成されている。
リードフレーム10の他面12を被覆しないのは、この種のパッケージ同様に、当該他面12を、放熱を行う放熱面として構成し、ここから半導体素子20の熱を外部に逃がすためである。また、封止樹脂30としては、通常の半導体パッケージに用いられるモールド材料、たとえばエポキシ樹脂等を採用することができる。
ここで、金属製板状のリードフレーム10の表面とは、両板面11、12および両板面11、12の間に位置する側面13であるが、図1では、当該両板面11、12および側面13のうち、素子接合部14を除く部位10aは、太線10aにて示している。ここで、素子接合部14とは、リードフレーム10の一面11のうち半導体素子20と接合される部位であり、より具体的には上記導電性の接合材40が配置される部位である。
そして、リードフレーム10の表面のうち素子接合部14を除く太線の部位10aは、後述するショットブラスト処理された部位であるブラスト処理部10aである。さらに言うならば、本実施形態のリードフレーム10におけるブラスト処理部10aは、リードフレーム10の表面11〜13のうち、素子接合部14を除く一面11、他面12、および側面13である。
そして、本実施形態においては、図1に示されるように、リードフレーム10の表面11〜13のうち素子接合部14を除くブラスト処理部10aには、当該ブラスト処理部10aを被覆するように、電気絶縁性の絶縁膜50が設けられている。
つまり、絶縁膜50は、リードフレーム10の表面11〜13のうち素子接合部14を除いて封止樹脂30にて被覆される部位である一面11および側面13に設けられて、これら部位を被覆するとともに、さらに、封止樹脂30で被覆されていない他面12にも設けられて当該他面12を被覆している。
なお、図1において、リードフレーム10の他面12側が封止樹脂30より突出した状態で露出していてもよい。その場合には、リードフレーム12の側面13の一部が封止樹脂30で被覆されていない面となるが、この封止樹脂30で被覆されていない側面13の部分に、絶縁膜50が設けられていてもよい。
そして、封止樹脂30にて被覆されているリードフレーム10の一面11および側面13は、絶縁膜50を介して封止樹脂30に接触して封止樹脂30に被覆されている。一方、リードフレーム10の他面12を被覆する絶縁膜50は、封止樹脂30には被覆されていない。
この絶縁膜50は、セラミックよりなる電気絶縁性のもので、金属製のリードフレーム10よりも封止樹脂30との密着力が大きいものである。その材質としては、電気絶縁性と熱伝導性を両立する無機材料として、たとえばアルミナ、スピネル、酸化シリコン、及び、窒化シリコンより選択されたものが挙げられる。そして、本実施形態の絶縁膜50は、これらの膜形成材料を用いて溶射により形成された膜、いわゆる溶射膜である。
さらに、図1に示されるように、本実施形態の半導体パッケージS1では、リードフレーム10の他面12を被覆する絶縁膜50の表面には、金属よりなる金属膜60が当該絶縁膜50の表面を被覆するように設けられている。そして、この金属膜60が封止樹脂30より外部に露出している。
この金属膜60は、アルミニウム、銅、および、これらの合金より選択されたものである。この金属膜60は、一般的な金属膜の成膜方法を用いて形成されるが、ここでは溶射により形成されたものである。
この金属膜60は、リードフレーム10の他面12に設けられた絶縁膜50を被覆・保護するとともに、その他面12側の絶縁膜50の絶縁性を検査するための電極として機能するものである。
当該絶縁性の検査については、たとえばリードフレーム10の端子と金属膜60との間に電圧を印加することで当該他面12側の絶縁膜50の電気抵抗を調査してやればよい。ここで、リードフレーム10の一面11側の絶縁膜50については、封止樹脂30によって封止されることから、その絶縁性を保証する必要はない。そのため、金属膜60の形成は上記他面12側のみでよい。
なお、図1では示さないが、半導体素子20は、図示しないリード端子などにワイヤボンディングされて外部と電気的に接続されたものとしてもよい。このことは、具体的には、リード端子のインナーリード部分と半導体素子20とを封止樹脂30内でワイヤボンディングし、リード端子のアウターリード部分と外部とを接続するように構成すればよい。
以上のように、本実施形態の半導体パッケージS1においては、金属製板状のリードフレーム10の両板面11、12のうち半導体素子20を実装する実装面であり且つ封止樹脂30で封止される面である一面11と、封止樹脂30では被覆されない放熱面としての他面12との両方に、上記絶縁膜50を設けている。
それゆえ、本実施形態では、放熱面としてのリードフレーム10の他面12に冷却部材等を接触させて放熱を行う場合、従来のようなセラミック板や樹脂シートのような絶縁物を別途介在させる必要はなく、金属膜60から直接冷却部材等への放熱を行うようにすればよい。
つまり、本実施形態によれば、半導体パッケージS1を外部の冷却部材等に組み付けるにあたって、従来のような絶縁物を準備することが不要となり、当該組み付けが容易となる。
また、本実施形態によれば、リードフレーム10の両板面11、12に絶縁膜50を設けるから、リードフレーム10の反りが極力相殺され、リードフレーム10の平坦性が良好に保持される。特に、本実施形態では、ショットブラストにより処理されたリードフレーム10の表面に溶射によって絶縁膜50を成膜するが、この処理および成膜を両板面11、12にて行っているため、リードフレーム10の反りが相殺されて防止される。
また、上述したように、本実施形態によれば、絶縁膜50により封止樹脂30とリードフレーム10との密着力が向上する。
なお、上記特許文献3では、リードフレームの放熱面である他面に絶縁膜が設けられており、さらにリードフレームの側面にも絶縁膜が設けられているが、リードフレームの一面つまり半導体素子が実装される実装面に絶縁膜を設けた例は記載されていない。
それに対して、本実施形態では、この封止樹脂30で被覆されるリードフレーム10の一面11に絶縁膜50を設け当該絶縁膜50を介してリードフレーム10の一面11と封止樹脂30とを密着させている。
そして、この絶縁膜50はリードフレーム10よりも封止樹脂30との密着力が大きいため、本実施形態では、リードフレーム10の一面11側にて絶縁膜50による封止樹脂30の剥離防止という独自の効果が発揮されるのである。
このように、本実施形態によれば、パッケージS1と外部との熱的な接続を行うための絶縁物を別途準備することなく、リードフレーム10の反り及びパッケージ内の封止樹脂30の剥離が抑制可能な半導体パッケージS1が提供される。
ところで、本実施形態では、上述したように、絶縁膜50は、リードフレーム10の表面11〜13をショットブラストにより処理し、この処理された面すなわち上記ブラスト処理部10aに対して溶射を行うことによって形成された膜である。
ここで、溶射とは、材料を加熱・溶解し、被着体に吹き付け皮膜を形成する表面処理法である。また、ここでいうショットブラストとは、金属やセラミックなどよりなる投射材と呼ばれる粒体(いわゆるブラスト粒)を被着体に衝突させ、溶射される面の粗化、汚れ除去を行うものである。
このように絶縁膜50を、ショットブラストによる前処理および溶射法によって形成する場合について、本発明者は検討を行った。この場合の一般的な方法を本実施形態の絶縁膜50の成膜に採用するならば、リードフレーム10の表面のうち素子接合部14をマスクで被覆し、この状態でリードフレーム10の表面に対して、絶縁膜50を形成する材料を溶射によって吹き付ける方法が考えられる。
図2、図3は、この一般的なマスクMを用いて選択的に絶縁膜50を形成する溶射方法を示す工程図であって、図2は新品のマスクMを用いた成膜方法を示す図であり、図3は何回か成膜に使用したマスクMによる成膜方法を示す図である。
新品のマスクMを用いた場合、図2に示されるように、被着体としてのリードフレーム10の表面のうち必要な部位をマスクMで被覆し(図2(a)参照)、その状態で溶射による成膜を行い(図2(b)、(c)参照)、その後、マスクMを取り外す(図2(d)参照)。それにより、リードフレーム10のうちマスクMで被覆されている部位以外に、適切に絶縁膜50が形成される。
一方、複数回の成膜に使用したマスクMを用いて溶射による成膜を行う場合、図3(a)に示されるように、リードフレーム10にマスクMを取り付けた時点で、マスクM上に厚い絶縁膜50が堆積している。このような状態のマスクMでは、図示しないが、堆積した絶縁膜50の膜応力によりマスクMが大きく反って、マスクMとリードフレーム10との隙間が広がり、絶縁膜50の形成位置のずれ等が発生する可能性がある。
また、この場合、上述したスティッキングが発生する。これは、図3(b)、(c)に示されるように、溶射による成膜を複数回行ったときに、マスクM上に堆積した絶縁膜50がマスクMからはみ出し、リードフレーム10上の絶縁膜50とつながってしまう現象である。このスティッキングが発生すると、マスクMがリードフレーム10から外れなくなってしまう。
そこで、このようなマスクMの反り、スティッキングといった問題に対処するべく、本実施形態では、以下のような製造方法を採用する。次に、この本実施形態の半導体パッケージS1の製造方法について、図4、図5を参照して述べる。
図4は、本製造方法におけるショットブラスト処理工程を示す工程図であり、(a)はマスクMの設置状態を示す概略断面図、(b)は(a)の上面図、(c)はショットブラスト工程を示す概略断面図である。
また、図5は図4に続く製造方法を示す工程図であり、(a)はショットブラスト後のマスクMが除去された状態を示す概略断面図、(b)は溶射後の絶縁膜50が形成された状態を示す概略断面図、(c)は金属膜60が形成された状態を示す概略断面図、(d)は半導体素子20の実装後の状態を示す概略断面図、(e)は樹脂封止後の状態を示す概略断面図である。なお、以下の製造方法中に示される寸法値は一具体例であり、本実施形態はこれに限定されるものではない。
本実施形態の製造方法は、リードフレーム10の表面11〜13のうち、当該リードフレーム10の一面11における素子接合部14を除く部位に、絶縁膜50を形成する絶縁膜形成工程を備える。この絶縁膜形成工程は、ショットブラスト処理工程とその後に行う溶射工程とを備える。
まず、ショットブラスト処理工程では、図4(a)、(b)に示されるように、リードフレーム10の表面11〜13のうち素子接合部14に、当該素子接合部14を被覆するマスクMを設ける。このマスクMは一般のものと同様、ステンレスなどの金属製のものである。
次に、マスクMが設けられたリードフレーム10に対して、マスクM以外のリードフレーム10の表面に、ショットブラスト処理を行う。具体的には、図4(c)に示されるように、ショットブラスト用のノズルNからブラスト粒Tを噴射し、リードフレーム10に衝突させる。
このノズルNは可動式のものであり、ノズルNの位置を適宜変えることにより、リードフレーム10の表面11〜13のうち素子接合部14を除く一面11、他面12および側面13に、ショットブラスト処理を行うことができる。リードフレーム10の表面11〜13のうちマスクMで被覆されていない部位は、ブラスト粒Tが衝突して、表面に凹凸が形成され、また酸化物や汚れなどが除去される。
次に、図5(a)に示されるように、リードフレーム10からマスクMを取り外して除去する。そして、必要に応じて、リードフレーム10の表面に残存するブラスト粒Tを除去するため、水などによって適当な洗浄を行う。
その後、素子接合部14を含むリードフレーム10の表面11〜13、つまりリードフレーム10の全表面に、絶縁膜50を形成する材料を溶射によって吹き付ける。そうすることにより、図5(b)に示されるように、リードフレーム10の表面11〜13のうち、当該リードフレーム10の一面11における素子接合部14を除く部位に、絶縁膜50を形成する。
このとき、リードフレーム10の固定は、リードフレーム10の端子部分などを利用して行い、リードフレーム10を回転させながら、あるいは、溶射口を回転させながら行う。それによって、リードフレーム10の全表面に膜材料となるセラミック粒子を塗布する。このとき、ブラスト処理部10aには、セラミック粒子が被着するが、ブラスト処理していない素子接合部14には被着しない。
これは、溶射による成膜の特色を利用したものである。溶射では、被着体の表面をショットブラスト処理し、その処理された表面に溶射して成膜を行うが、ショットブラスト処理を行うと、処理された面では、粗化によるアンカー効果、および、表面に存在していた酸化膜が除去されるなどの表面清浄の効果が得られる。
そして、これら効果により当該処理された面に溶射膜が形成されるのである。逆に言えば、ショットブラスト処理を行わない面では、溶射を行っても絶縁膜が形成されない。本実施形態の絶縁膜50の成膜方法は、このことを利用したものであり、本発明者による実験によっても確認されているものである。
ここで、絶縁膜50の厚さと材料は、必要とされる絶縁性と熱抵抗により増減するものであるが、本実施形態においては、たとえば100μm厚さのスピネルを用いることができる。また、絶縁膜50を構成するセラミックの膜材料については、必要とされる絶縁性や熱伝導率、コストにより選択されるが、スピネルの場合、大気中で成膜でき、また安価であるという利点がある。
次に、図5(c)に示されるように、リードフレーム10の他面12を被覆する絶縁膜50の表面に、溶射により金属膜60を形成し、当該他面12側の絶縁膜50の表面を金属膜60によって被覆する。
この金属膜60の形成は、リードフレーム10、溶射口ともに回転させずに行えるので、溶射法のように直進性が高い成膜方法では、金属膜60がリードフレーム10の一面11にまで回り込むことはない。つまり、金属膜60の溶射においてマスクは不要である。そして、この金属膜60としては、たとえば150μmのアルミニウム膜を用いることができる。
次に、はんだなどの接合材40を介して、半導体素子20をリードフレーム10の一面11の素子接合部14に接合し(図5(d)参照)、必要に応じて半導体素子20に対してワイヤボンディングを行う。その後、金型などを用いて、このものを封止樹脂30で封止する(図5(e)参照)。こうして、本実施形態の半導体パッケージS1ができあがる。
なお、上記製造方法において、リードフレーム10の素子接合部14に対しては、Niなどのはんだ付け用電極を予め形成しておいてもよいし、溶射による絶縁膜50の形成後に、めっきによりNiなどを形成してもよい。
上記した本実施形態の製造方法によれば、リードフレーム10の表面11〜13のうちショットブラスト処理されない素子接合部14には、溶射によって絶縁膜が形成されず、それ以外の表面に絶縁膜50が形成されるから、溶射による成膜はマスクMを用いることなく、選択的に行える。
つまり、本実施形態の製造方法では、ショットブラスト処理時のみマスクMを用いるが、溶射の際にはマスクを用いないから、そもそも上記したようなマスクの反りや、マスクと被着体とのスティッキングといった問題は回避される。よって、本実施形態によれば、マスクの洗浄が不要でスティッキングの発生を防止しつつ、絶縁膜50の形成を行うことができる。
次に、絶縁膜50による封止樹脂30の剥離防止効果について、本発明者が行った実験調査の結果を挙げてより具体的に述べる。図6は、その調査方法を示す図である。(a)は、リードフレーム10の一面11に絶縁膜50を形成し、その上に封止樹脂30を密着させたサンプルK1であり、(b)は、絶縁膜50を設けずにリードフレーム10の一面11と封止樹脂30とを直接密着させたサンプルK2である。絶縁膜50の製造方法については、上記したスピネルを用いた方法と同じである。
そして、これら各サンプルK1、K2について、図6中の白抜き矢印に示される方向から荷重を加え、封止樹脂30が剥離するときのせん断強度を調査した。その結果を図7に示す。図7に示される「モールド/セラミック膜」は、本実施形態に相当するサンプルK1であり、「モールド/リードフレーム」は、比較例に相当するサンプルK2である。
この図7に示されるように、絶縁膜50を介してリードフレーム10と封止樹脂30を密着させた場合には、絶縁膜50を介在させない場合よりも大幅に密着力が向上し、樹脂剥離の発生はみられなかった。なお、絶縁膜50がスピネル以外に、アルミナや窒化珪素である場合にも、この図7と同様の傾向がみられ、その効果が確認された。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係る半導体パッケージS2の概略断面構成を示す図である。本実施形態は、上記第1実施形態に比べて、金属膜60が省略された構成であることが相違するものである。
上記第1実施形態における金属膜60は、リードフレーム10の他面12側に設けられた絶縁膜50の保護や電気絶縁性の検査が不要な場合などには、形成しなくともよい。つまり、本実施形態の半導体パッケージS2では、図8に示されるように、リードフレーム10の他面12を被覆する絶縁膜50は、封止樹脂30より外部に露出している。
この本実施形態の半導体パッケージS2は、上記第1実施形態に述べた製造方法において金属膜の形成工程を省略した方法によって製造することが可能である。そして、本半導体パッケージS2においても、パッケージS2と外部との熱的な接続を行うための絶縁物を別途準備することなく、リードフレーム10の反り及びパッケージ内の封止樹脂30の剥離が抑制できる。
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係る半導体パッケージS3の概略断面構成を示す図である。上記各実施形態では、半導体素子20の片面にのみリードフレーム10を設け、半導体素子20の片面側からリードフレーム10による放熱を行うものであった。
それに対して、本実施形態の半導体パッケージS3は、半導体素子20の両面側にそれぞれ第1のリードフレーム10、第2のリードフレーム70を設け、半導体素子20の両面からリードフレーム10、70を介した放熱を可能としたものである。
本半導体パッケージS3において、図9中の半導体素子20よりも下側の部分は、上記図1に示される第1実施形態の半導体パッケージS1と同一の構成である。つまり、本実施形態においても、第1のリードフレーム10の表面のうち素子接合部14を除く部位に絶縁膜50を設けるとともに、第1のリードフレーム10の一面11に半導体素子20を搭載し、これらを封止樹脂30で封止し、さらに、封止樹脂30で被覆されない第1のリードフレーム10の他面12側の絶縁膜50を金属膜60で被覆している。
一方、本パッケージS3においては、半導体素子20よりも上側の部分の構成が、上記第1実施形態と相違している。すなわち、半導体素子20において第1のリードフレーム10とは反対側の面には、接合材40を介して電極ブロック80が接合され、その上に更に接合材40を介して第2のリードフレーム70の一面11側が接合されている。
つまり、第2のリードフレーム70については、電極ブロック80を介在させてはいるものの、第2のリードフレーム70の一面71に半導体素子20が搭載され、接合された構成となっている。
これら電極ブロック80および第2のリードフレーム70も、第1のリードフレーム10と同様の導電性、熱伝導性に優れたCuなどよりなる板材であり、半導体素子20は電極ブロック80を介して第2のリードフレーム70と電気的および機械的に接合されている。そして、半導体素子20の熱は第2のリードフレーム70からも放熱されるようになっている。
ここで、第2のリードフレーム70は、その両板面71、72のうちの他面72が封止樹脂30によって被覆されていない。そして、第2のリードフレーム70の他面72が外部に放熱を行う放熱面として構成されている。
第2のリードフレーム70の表面は、両板面71、72および両板面71、72の間に位置する側面73である。そして、第2のリードフレーム70の一面71においても電極ブロック80との接合部が、実質的に半導体素子20が接合されている素子接合部74とされている。
そして、図9では、第2のリードフレーム70の両板面71、72および側面73のうち、素子接合部74を除く部位70aは、上記同様のブラスト処理部70aとして太線にて示されている。そして、第2のリードフレーム70についても、ブラスト処理部70aとしての表面に絶縁膜50が設けられている。
つまり、第2のリードフレーム70の表面71〜73のうち封止樹脂30にて被覆される部位である一面71および側面73は、絶縁膜50に被覆されるとともに、絶縁膜50を介して封止樹脂30に接触して封止樹脂30に被覆されている。
また、封止樹脂30で被覆されていない第2のリードフレーム他面72も、絶縁膜50で被覆されているが、当該絶縁膜50はさらに金属膜60で被覆されて、当該金属膜60が封止樹脂30から外部に露出している。
つまり、第1のリードフレーム10と第2のリードフレーム70とは、接合材40を介して接合される部材が半導体素子20と電極ブロック80との違いはあるものの、絶縁膜50や金属膜60の構成については、実質的に同等のものである。
したがって、本実施形態の半導体パッケージS3によれば、第1のリードフレーム10だけでなく、第2のリードフレーム70についても、上記第1実施形態に述べたように、絶縁物を別途準備することなく、リードフレームの反り及びパッケージ内の封止樹脂30の剥離が抑制可能であるという効果が期待できる。
本半導体パッケージS3は、半導体素子20の両面にそれぞれ接合材40を介して、電極ブロック80、両リードフレーム10、70を接合した後、封止樹脂30によるモールド成形を行うことにより製造される。
なお、本実施形態の半導体パッケージS3においても、上記第2実施形態と同様に、両リードフレーム10、70にて金属膜60が省略された構成であってもよいことはもちろんである。
また、上記電極ブロック80は、両リードフレーム10、70の間で半導体素子20にワイヤボンディングを行ったときに、ワイヤが第2のリードフレーム70に当たらないように、当該両リードフレーム10、70の間隔を確保するスペーサ等の機能を有するものであるが、場合によっては省略してもよい。つまり、本実施形態において、第1のリードフレーム10と同様、第2のリードフレーム70についても、接合材40のみを介して半導体素子20が接合されていてもよい。
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を示す工程図であり、図11は、本実施形態の半導体パッケージを外部の冷却器100に組み付ける組み付け方法を示す工程図である。本実施形態の半導体パッケージは、上記第3実施形態と同様、両面放熱型のパッケージである。
まず、上記第3実施形態と同様に、半導体素子10の上下面に接合材40を介して、絶縁膜50及び金属膜60付きの各リードフレーム10、70を接合する。その後、封止樹脂30によるモールド成形を行うが、冷却器100との接触面積を確保するため、2つのリードフレーム10、70の平行度および平面度が重要である。
そこで、本実施形態においては、図10(a)に示されるように、モールド成形のときに、両リードフレーム10、70の放熱面である各他面12、72を封止樹脂30で覆うようにする。
その後、図10(b)に示されるように、封止樹脂30および金属膜60の一部を切削して両リードフレーム10、70の平行度および平面度を所望値とする。具体的には、両リードフレーム10、70のどちらか一方の他面を、狙いの平面度となるように切削し、その切削された方の面を基準にして、他方のリードフレームの他面を切削する。こうして、本実施形態の半導体パッケージができあがる。
ここで、金属膜60の膜厚は、接合材40によって接合した後の両リードフレーム10、70の平行度に依存する。この平行度は、両リードフレーム10、70の他面12、72の距離の最小距離と最大距離との差で表される。なお、両リードフレーム10、70が完全に平行ならば、当該両他面12、72の距離はどの部分でも同じであり平行度は0である。
また、金属膜60の材料としては、金属膜60に接触する冷却器100の構成材料と同一または当該構成材料を主成分とするものであることが好ましい。たとえば、冷却器100の構成材料がアルミニウム合金であるとき、合金化や変形を防ぐために、アルミニウムやアルミニウム合金を金属膜60の材料として選択するのがよい。
続いて、図11(a)に示されるように、半導体パッケージにおける金属膜60に、一般的なシリコーングリス等よりなる放熱グリス110を塗布する。そして、図11(b)に示されるように、これを冷却器100に挟み込んだ後、加圧し、冷却器100と半導体パッケージとを接触させる。
こうして、冷却器100への組付けが完了し、半導体パッケージにおいては、両リードフレーム10、70の他面12、72から金属膜60を介して、冷却器100に放熱される。ここで、冷却器100としては、たとえばアルミニウムのブロックや、内部に冷却液が流れる水冷式のもの等、一般的なものを採用できる。そして、本実施形態によれば、切削により両リードフレーム10、70の平行度および平面度が良いため、効率よく、冷却することが可能である。
(第5実施形態)
図12は、本発明の第5実施形態に係る半導体パッケージの概略断面構成を示す図である。本実施形態の半導体パッケージも、両面放熱型のパッケージであるが、2個の半導体素子20を有するものである。
図12に示されるように、本半導体パッケージは、3個の金属製板状のリードフレーム10、70、70を有しており、1個の第1のリードフレーム10の一面11に対して、第1のリードフレーム10よりも平面サイズの小さな2個の第2のリードフレーム70がその一面71を対向させて配置されている。
第1のリードフレーム10は、その一面11に2箇所の素子接合部14を有しており、一方(図12中の左側)の素子接合部14には、接合材40を介して一方の半導体素子20が搭載・接合され、他方(図12中の右側)の素子接合部14には、接合材14および電極ブロック80を介して他方の半導体素子20が搭載・接合されている。
また、上記一方の半導体素子20に対向する一方の第2のリードフレーム70、上記他方の半導体素子20に対向する他方の第2のリードフレーム70については、それぞれ一面71に素子接合部74が設けられている。
そして、一方の第2のリードフレーム70の素子接合部74には、接合材14および電極ブロック80を介して一方の半導体素子20が搭載・接合され、他方の第2のリードフレーム70の素子接合部74には、接合材14を介して他方の半導体素子20が搭載・接合されている。
また、これら3個のリードフレーム10、70、70については、上記各実施形態と同様に、その表面のうち素子接合部14、74を除く部位に絶縁膜50が設けられるとともに、その一面11、71に半導体素子20が搭載され、これらが封止樹脂30で封止され、さらに、封止樹脂30で被覆されない他面12、72側の絶縁膜50が金属膜60で被覆されたものとなっている。
このように、本実施形態によれば、1つのパッケージに2個の半導体素子20を備えた、いわゆるツーインワン構造のパッケージが提供される。このパッケージは、上記第3実施形態等に述べた両面放熱タイプのパッケージの製造方法を準用して製造できることは明らかである。
なお、本実施形態の半導体パッケージにおいても、両リードフレーム10、70にて金属膜60が省略された構成であってもよく、また、場合によっては、上記電極ブロック80を省略してもよい。
(他の実施形態)
なお、絶縁膜50は、金属製のリードフレーム10、70よりも封止樹脂30との密着力が大きくセラミックよりなる電気絶縁性のものであれば、溶射により成膜されたものでなくてもよい。たとえば、絶縁膜50は、スパッタやCVDなど溶射以外の成膜方法により形成されたものであってもよい。また、金属膜60も、溶射以外にスパッタやCVDなどにより形成されたものであってもよい。
10 リードフレーム
11 リードフレームの一面
12 リードフレームの他面
13 リードフレームの側面
14 素子接合部
20 半導体素子
30 封止樹脂
50 絶縁膜
60 金属膜
M マスク

Claims (1)

  1. 放熱性を有する金属製板状のリードフレーム(10)の両板面のうちの一面(11)に半導体素子(20)を搭載して接合し、
    前記リードフレーム(10)の両板面のうちの他面(12)側を被覆せずに、前記リードフレーム(10)の一面(11)および前記半導体素子(20)を、封止樹脂(30)により被覆して封止するようにした半導体パッケージの製造方法において、
    前記リードフレーム(10)の表面(11〜13)のうち前記一面(11)における前記半導体素子(20)と接合される部位である素子接合部(14)を除く部位に、前記リードフレーム(10)よりも前記封止樹脂(30)との密着力が大きくセラミックよりなる電気絶縁性の絶縁膜(50)を形成する絶縁膜形成工程を備え、
    前記絶縁膜形成工程では、前記リードフレーム(10)の表面(11〜13)のうち前記素子接合部(14)に、当該素子接合部(14)を被覆するマスク(M)を設け、
    前記マスク(M)が設けられた前記リードフレーム(10)に対して、前記マスク(M)以外の前記リードフレーム(10)の表面(11〜13)に、ショットブラスト処理を行い、
    その後、前記リードフレーム(10)から前記マスク(M)を取り外し、前記素子接合部(14)を含む前記リードフレーム(10)の表面(11〜13)に、前記絶縁膜(50)を形成する材料を溶射によって吹き付けることにより、前記リードフレーム(10)の表面(11〜13)のうち前記素子接合部(14)を除く部位に前記絶縁膜(50)を形成することを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
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