JP2001343480A - 原子力プラントシステムおよびその運転方法 - Google Patents

原子力プラントシステムおよびその運転方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 原子炉から蒸気タービン系への放射能の移行
を低減する手段を提供。 【解決手段】 原子力圧力プラントシステムは、圧力容
器を備えた原子炉と、前記原子炉の圧力容器内で発生す
る蒸気を利用する蒸気タービンとを備え、前記圧力容器
内に高温水浄化装置として機能するドライヤーを備えて
いる。前記ドライヤーには、その間を放射性物質を含む
混相流が通過する複数の波板22を有しており、前記波
板22の表面に、高温水または蒸気が共存する条件下で
安定なイオン交換物質であるTiO2、ZrO2、フェ
ライト等の物質が設けられている。混相流が波板22を
通過する際に、波板22の表面に放射性物質が捕捉さ
れ、混相流から放射性物質を分離除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉から蒸気・
タービン系への放射能の移行を低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力プラントにおいては、運転時およ
び定期検査時の被曝を低減することが重要である。これ
までに、主としてCo-60の炉水放射能濃度の低減や原子
炉水系統への放射能の移行低減の対策として、種々の材
料対策、水質制御対策、浄化装置の改善がなされてきて
いる。しかし、主蒸気・タービン系統への放射能移行低
減の対策についてはこれまでになされていない。
【0003】以下に、図1および図2を参照して現行の
原子力プラントシステムにおける蒸気系への放射能移行
のメカニズムとその寄与率を示し、解決すべき課題につ
いて説明する。
【0004】図1に示すように、現状では、原子炉圧力
容器(以下「圧力容器」という)9内の炉心部10で生
成された放射性物質は、一部は炉水浄化装置5で除去さ
れる。一方、生成された放射性物質の大部分は、飽和水
が循環している圧力容器9内の機器、圧力容器9の内壁
および炉水浄化装置5の上流側配管に付着する。また、
極く一部であるが、原子炉水に溶解しているイオンまた
は分子状の放射性物質は、蒸気分圧を持っているため蒸
気とともに揮発する。
【0005】一方、液滴は気水分離器4およびドライヤ
ー3で大半が除去されるが、極く一部(0.1%以下)
は飛沫としてタービン系の入口にある蒸気バルブ1を通
って蒸気タービン系などを汚染する。また、最近では原
子炉停止時に早く温度を下げる運転がなされており、こ
の時には放射能レベルの高い炉水浄化装置5の出口水が
ヘッドスプレーノズル6から噴霧されるため、飛散した
液滴に含まれている放射能が蒸気系に移行することにな
る。
【0006】次に、図2を参照して、蒸気系への液滴の
移行に密接に関連したドライヤー(蒸気乾燥器)3での
液滴挙動について述べる。図1に示す気水分離器4を通
過した液滴を含む蒸気(湿り度10%以下)は、蒸気侵
入穴20で分散され、波板22の収められた部位を通過
して、圧力容器9の上部を通過して蒸気系配管11へと
導かれる。質量の大きい液滴は、波板構造に沿った蒸気
の流れとともに方向を変えようとするが、慣性力により
波板22に衝突する際に波板22に捕捉され、波板22
壁を伝って底部のドレンパン24に集められて、ドレン
管25により炉水に戻される。
【0007】しかし、波板22間の隙間部での流速が速
い(滞在時間が短い)と、微細な粒径の液滴は衝突せず
に通過する。また、流速が速いと、波板22に衝突して
付着した液滴や放射性物質が、蒸気流れによる剪断力に
よって剥離して蒸気系へと運ばれてしまう。
【0008】従って、実プラントでの蒸気系への放射能
移行率は、水中に溶解している放射性物質の気液分配率
から計算される値より高い。蒸気系への放射能移行要因
をまとめると下記の3つの事象、すなわち、(i)炉水に
溶解している放射能(溶解放射能)の蒸発による蒸気系
への移行、(ii)液滴がドライヤーなどの機器・装置に一
旦衝突した後に液滴として再離反するか又は乾燥後付着
した放射能が剥離して蒸気系へ移行、(iii)ヘッドス
プレーにより飛散した液滴等の蒸気系へ移行、に集約さ
れ、それぞれの寄与率は1:3:1である。
【0009】ところで、最近、経済性の観点から、機器
のサイズを変更することなく高出力化や高温・高圧化を
計りたいなどの新しいニーズも生じつつある。しかし、
上記の事項を勘案すれば、原子炉の高出力化を行った場
合には気水分離器やドライヤーの液滴性能が不十分とな
り、結果として蒸気系への放射能の移行が増大すること
が容易に推測できる。なお、高温・高圧化をさらにおし
すすめた場合には、超臨界状態になる。この場合、超臨
界水中の粒子状または溶解した放射能は、適当な分離・
除去装置を設けない限り、100%蒸気系へ移行してし
まうことになる。このため、超臨界炉では高温水浄化装
置(本明細書では「高温で使用可能な、水または蒸気中
の放射能を分離・除去する装置」を意味する用語として
用いる。)は最も重要な機器の一つとなってくる。
【0010】これまでにも、熱ロスを伴わない高温水浄
化装置が各種提案されてきている。しかし、いずれの装
置も、腐食生成物の捕捉やタービン系に使用する有機物
質の汚染による差圧上昇、高温水の水化学的不安定性に
よるろ過剤やフィルター材質の溶出や腐食酸化による体
積膨張に起因する細穴形状の変化による性能劣化を回避
できず寿命が短い。また捕捉容量が小さく浄化性能の経
時低下の問題もあり実用化には至っていないのが現状で
ある(文献「ポール発電用フィルターガイド」p8(日
本ポール株式会社)参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みてなされたものであり、その目的は原子炉から蒸気
タービン系への放射能の移行を低減する手段を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、原子炉と、前記原子炉の圧力容器内で発
生する蒸気を利用する蒸気タービンと、前記圧力容器
内、または前記圧力容器と前記蒸気タービン入口との間
の蒸気通路に設けられた、放射能を分離除去する分離除
去装置と、を備えた原子力プラントシステムを提供す
る。なお、前記分離除去装置は、高温水または蒸気が共
存する条件下で安定な金属または金属酸化物を放射性イ
オンに対するイオン交換物質として用いた高温水浄化装
置を有することが好適である。
【0013】また、本発明は、原子炉と、前記原子炉の
圧力容器内で発生する蒸気を利用する蒸気タービンと、
前記原子炉に付設された原子炉水系統、前記圧力容器
内、または前記圧力容器と前記蒸気タービンの入口との
間の蒸気通路に設けられ、高温水または蒸気が共存する
条件下で安定な金属または金属酸化物を放射性イオンに
対するイオン交換物質として用いた高温水浄化装置を用
いて放射能を分離除去する分離除去装置と、を備えたこ
とを特徴とする原子力プラントシステムを提供する。
【0014】更に、本発明は、ヘッドスプレーが設けら
れた圧力容器を有する原子力プラントシステムの運転方
法において、ヘッドスプレーのスプレー水の飛散領域を
制限し、噴霧するスプレーの液滴径を小さくし、停止後
の熱合発生に伴う蒸気発生量に応じてスプレーの水量を
制御することにより、圧力容器の温度を降下させること
を特徴とする原子力プラントの運転方法を提供する。
【0015】また、本発明は、ヘッドスプレーが設けら
れた圧力容器を有する原子力プラントシステムの運転方
法において、ヘッドスプレー運転に使用する供給水とし
て、放射能を含まない水または放射能の少ない復水浄化
装置出口ないし復水貯蔵タンク貯蔵水を使用することを
特徴とする原子力プラントの運転方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0017】[第1の実施形態]既に建設して運転して
いるプラントでは、新たに放射性物質を分離・除去する
装置を設置する場所を設けることはスペースの問題や経
済的な理由などにより難しい。しかし、原子炉圧力容器
内9に収納されている気水分離器4やドライヤー3など
の改善や交換による高性能化によって蒸気系への放射能
移行の低減を図ることは可能である。以下、放射能移行
寄与率の大きい液滴がドライヤー3などの機器・装置に
一旦衝突した後、液滴として離反または乾燥後付着した
放射能が剥離して蒸気系へ移行する減少を防止する手法
について説明する。
【0018】以下に、図2を参照して、ドライヤー3の
波板22の表面に、TiO2、ZrO、フェライト等
の物質を形成することによりドライヤー3を改良した実
施形態について説明する。なお、この改良は、ドライヤ
ー3の波板22の表面に限らず、他の部材の表面にも施
すことも可能である。
【0019】TiO、ZrOおよびフェライトは、
高温水または蒸気中で化学的に安定であり、下記の機能
が長期間にわたって持続するという利点がある。
【0020】TiOは、イオン交換性能および/また
は超親水性を示す物質である。また、特に、TiO
高温イオン交換体として使用される物質であり、バイン
ダーとしてのSiOとともに使用すると超親水性を示
すことは良く知られている。超親水性を持った物質を設
けることにより、付着した液滴は壁面に広がるため蒸気
の流れからの剪断力を受けにくくなり再剥離しにくくな
る。また、液滴に含まれていた腐食生成物が、乾燥後平
坦化して表面に強固に付着するという効果も得られる。
【0021】また、TiOはイオン交換性能も具備し
ているため、粒子状の放射性物質も捕捉することができ
る。このため、放射性物質はバインダー物質になるイオ
ン状の腐食生成物となって波板22の表面に強固に付着
する。この効果により、付着放射能の剥離を防止でき
る。蒸気系に移行する主な放射性物質は、Co-60/Co
-58およびMn-54等の炉水中においてイオン状の放射性
物質であるため、TiOの適用は効果的である。
【0022】なお、イオン交換性能はフェライトおよび
ZrOも具備している。
【0023】また、TiOおよびZrOは、放射線
(例えばN-16が発する強いガンマ線)および放射線か
ら生成されたチェレンコフ光を受けることによって、光
触媒作用により有機物を分解する作用がある。タービン
系統には油類などの有機物が使われているため、有機物
分解作用を有する物質を用いることにより、洗浄等の作
業等を行うことなく前述した親水性およびイオン交換性
を維持することができ、機器メンテナンスの必要性を大
幅に低減することができる。
【0024】TiOは鋼の添加成分として使用されて
いる物質であり、腐食反応により表面に酸化物として形
成されやすい物質であり、10−4Mpa程度の微量空気
を含んだ環境下において高温酸化することにより材料の
表面に形成することができる。従って、化学成分を適宜
調整した材料(例えばTiを含む鋼板)から波板22を
形成し、これを高温酸化させることにより表面にTiO
が形成された波板22を得ることができる。なお、T
iOをSiOバインダとともに形成する場合には、
例えばTiおよびSiを含む鋼板から波板22を形成
し、これを高温酸化させればよい。なお、TiOおよ
びSiOを極細の繊維状に形成し、上記波板22の表
面を覆う層を形成してもよい。この場合、繊維同士の間
に毛細管現象により水がしみ込むため、蒸気の流れから
の剪断力を受けにくくなり再剥離しにくくなる。また、
液滴に含まれていた腐食生成物が、乾燥後、繊維間に捕
捉され続けるという利点もある。
【0025】また、波板22の表面に、TiOを形成
しやすい物質、例えばTiまたはTi合金の層を形成
し、Tiを高温酸化させることにより波板22の表面に
TiO を形成することも可能である。TiまたはTi
合金層の形成は、公知の物理的方法(例えば溶射)や化
学的方法により可能である。なお、TiOをSiO
バインダとともに形成する場合には、例えばTiO
よびSiOを形成しやすい金属を物理的方法や化学的
方法により波板22表面に付与して、これを高温酸化さ
せればよい。
【0026】この方法は、ZrOを形成する場合にも
用いることができる。すなわちZrOを形成する場合
には、物理的方法または化学的方法により波板22の表
面にZrまたはZr合金の層を形成し、Zrを高温酸化
させればよい。
【0027】なお、フェライトは、ステンレス鋼などの
鉄基合金やインコネルなどのNi基合金を高温酸化させ
ることにより形成することができる。
【0028】なお、TiO2、ZrOおよびフェライ
トは、既に運転されているプラントで所定時間使用後の
波板22にも適用することができ、上記と同様の効果を
得ることができる。この場合には、ジェット洗浄などに
より波板22表面に生成され比較的ルースに付着したn
型半導体酸化物を除去し、タイトに付着したp型酸化膜
を露出させる。しかる後、遠隔操作が可能なノズルによ
る吹きつけや溶射などの手法によりTiO2、ZrO
およびフェライト等を付着させればよい。
【0029】なお、上記で説明した捕捉率向上方法は、
一度捕捉した液滴または放射性物質を逃がさないことに
より捕捉効率を向上させるものである。次に、液滴また
は放射性物質を積極的に捕捉することにより捕捉効率を
向上させる方法について説明する。
【0030】極微小の水滴やイオンや分子などの帯電物
質は、微細であり放射能を帯びているため帯電しやす
い。荷電粒子は、図3に示すような電場E内にある場合
に、または図3に示すような磁場H内にある場合、電場
Eおよび磁場Hにそれぞれ直交する方向に力Fを受ける
ため、これを利用することにより波板22に荷電粒子を
移動させることができる。
【0031】なお、電場を利用した放射性物質の捕集は
放射線モニターにも応用され、電場を利用した微細粉体
の捕集については化学工学装置で広く利用されている技
術である。また、磁場を利用して粒子を移動させる技術
は荷電粒子の加速器に用いられている。
【0032】図2に示すドライヤー3の場合、具体的に
は、波板22が取り付けられる固定棒23を絶縁体によ
り形成し、波板22をドライヤー容器から絶縁するとと
もに各波板22間に電圧を付与することにより荷電粒子
を集塵することが可能となる。
【0033】このような機能を実現するためには、電源
が必要である。電源としては外部電源を利用することも
できるが、以下のような構成とすることにより、外部電
源を省略することも可能となる。すなわち、例えば、前
述したように所定時間使用した波板22表面ジェット洗
浄などにより波板22表面に生成され比較的ルースに付
着したn型半導体酸化物を除去し、タイトに付着したp
型酸化膜を露出させて、その後TiOまたはZrO
を付着させる。ここでTiOおよびたZrO はn型
半導体であるため、この半導体領域への放射能の直接入
射または放射能より生成されたチェレンコフ光により励
起され、電子とホールを分離されて発電された電気を使
用できる。すなわち、積層されたp型酸化膜とn型半導
体酸化物により構成された光電池により発電された電力
を電源として利用することができる。
【0034】なお、上記の説明においては、p型酸化膜
が実機運転時の高温酸化により形成されたものとしてい
るが、p型酸化膜は新品時に人為的に形成したものであ
ってもよい。
【0035】また、捕捉効率を向上させる手法として
は、上述した物理的および化学的手法だけでなく、波板
22の幾何学的形状を変更する手法も考えられる。
【0036】現行設計では、ドライヤー3の波板22へ
の単水分子の衝突確率は5%程度と小さい。流れ条件が
現行と同一であれば、単純に20倍の接液面積にすれ
ば、ほぼ100%衝突させることができるわけである。
図2の波板22の厚みを機械強度を考え適正値に薄くす
ることにより接液面積を増大させることができる。
【0037】この手法は、混相流に含まれる極微小の水
滴やイオンや分子など物質のうち、の波板22表面への
移行速度が小さい物質の分離・除去性能を向上させる上
で有効である。この場合、一般に材料の接液面積を大き
くすると差圧の上昇がさけられないという問題はあるも
のの、水または蒸気中の放射性物質の衝突確率を増加さ
せ捕捉効率を高めることが可能となる。
【0038】なお、本実施形態においてはドライヤー3
の波板22の改良を例にとって説明したが、本実施形態
に係る技術は、原子炉圧力容器の内壁自体、または原子
炉容器の内部もしくは外部に設置される水、蒸気、そし
て水および蒸気を含む混相流が通過する他の機器にも適
用することが可能である。すなわちこのような機器等の
水または蒸気と接する面にTiO、ZrOまたはフ
ェライト等の物質を付与することにより、同等またはこ
れに準じた効果を得ることができる。
【0039】[第2の実施形態]次に、第2の実施形態
について説明する。第2の実施形態は、高温で使用可能
なフィルターすなわち高温フィルターを具備した高温水
浄化装置の改良に関するものである。
【0040】図5(a)は、本発明による高温水浄化装
置の構成を概略的に示す断面図である。図5に示す高温
水浄化装置は、液体状態の高温水を浄化する用途に適し
ている(蒸気に適用できないわけではない)。図5に示
すように、高温水浄化装置40は、高温フィルターとし
て複数の中空膜管30を有している。
【0041】この中空膜管30は、図4に示すように、
その外層として、微細な粒子を捕捉する差圧のたちやす
い微細な孔のあいた薄いスキン層31を持ち、その内層
としてスキン層31を保持する基質層32を持った2層
構造となっている。基質層32は、スキン層31の孔よ
りも大きな多数の微細な空隙を有している。基質層32
は円筒形状を有しており、従って中央部は空洞33とな
っている。
【0042】スキン層31の細孔の大きさは0.45μ
m以下であることが望ましい。炉水中の粒子状の放射性
物質および腐食生成物の大きさは、そのほとんどが0.
45μm以上であり、スキン層31の細孔の大きさがこ
れ以下であれば孔を閉塞することなく表面ろ過ができる
からである。
【0043】なお、図4では、中空膜管30を2層構造
としたが、これに限定されるものではなく、多層構造と
してもよい。
【0044】スキン層31および基質層32は、高温水
が存在する環境下で安定な、金属(純金属またはその合
金)、複合材料およびセラミックス等からなる多孔質体
により形成することができる。具体的には、フェライト
酸化物、TiOおよびZrO等の酸化物により形成
することができる。またはこれらの酸化物を生成する金
属、またはステンレス鋼などのFe基合金、Feを含む
Ni基合金、Ti合金、Zrcaloy等の合金材料を用いる
ことができる。これらの材料は加工性が高いので、複雑
な中空膜形状で適切な中空膜構造を持つフィルターを製
造できる。
【0045】なお、基質部32は、粒状、板状、リボン
状、繊維状形状材料による隙間、網目、ハニカムあるい
はモノリスなどの構造を持つ多穴質体に形成することが
好ましい。
【0046】微細な粒子がスキン層31によりろ過さ
れ、かつスキン層31の孔がこの微細粒子により塞がれ
ないように、スキン層31の孔の径はスキン層31の捕
捉対象となる微細粒子の径より小さく設定される。スキ
ン層31は、基質層32の外表面に薄いファインセラミ
ックスやファイン金属をコーティングし焼成する(金属
をコーティングする場合は腐食後に孔径が適切な範囲に
なるように腐食前の孔形状を調整する)こと等によって
も生成することができる。
【0047】なお、中空膜管30は、上記のように明確
に区分される複数の層から形成する必要は必ずしもな
く、外層から内層に空隙の大きさに傾斜機能を持たせた
構造(空隙の大きさが順次変化する(外層側の方が小さ
い)構造)となっていてもよい。この場合も、最外周の
細孔の大きさは、0.45μm以下であることが望まし
い。
【0048】なおこの場合、中空膜管30は、金属、合
金ないし複合材料で作った原型中空膜を円筒形状ないし
プリーツ形状に加工し中空膜管にした後、高温大気ない
し水蒸気を含む大気中で腐食酸化させ最外表面の孔径を
所定の大きさに調整することによっても形成することが
できる。
【0049】また、中空膜管の外周面および/または内
周面にストレーナーを設けることも好ましい。このよう
にすれば、中空膜管30の基質層32に微少な破損が生
じた場合、この破損物質が流出することを防止すること
ができ、またろ過材を中空膜管30の外表面に安定して
保持することができる。
【0050】再度図5を参照する。高温水浄化装置40
は容器40Aを有しており、容器40Aの上部の一側に
は取水口42が、他側には逆洗水注入口48が設けられ
ている。容器40Aの底部には、ドレン水口47が設け
られている。また、容器40Aの下部には給水口41が
設けられている。なお、給水口41には給水ライン(例
えば給水管)41Aを介して汚染度の高い水が供給さ
れ、取水口42からはこの高温水浄化装置40により浄
化された水が排水ライン(例えば排水管)42Aを介し
て排出されるようになっている。給水ライン41Aと排
水ライン42Aとは、プリコートポンプ(例えばミキシ
ングポンプ)49Bが介装されたバイパスライン49A
に接続されている。プリコートポンプ49Bには、後に
詳述するろ過材を容器40Aに送り込むためのろ過材供
給源49Cが接続されている。
【0051】容器40A内の取水口42および逆洗水注
入口48より低い位置に、水平方向に延びる上部支持板
44が設けられている。上部支持板44には複数の穴が
形成されており、各穴に中空膜管30の上端が差し込ま
れるようになっている。なお、容器40Aの上部支持板
44の上側の空間と下側の空間は上部支持板44により
完全に仕切られており、前記上側の空間と下側の空間と
の間の水の移動は中空膜管30を介してのみ可能となっ
ている。
【0052】容器40A内の給水口41より低くかつド
レン水口47より高い位置に、水平方向に延びる下部支
持板43が設けられている。下部支持板43には複数の
穴が形成されている。下部支持板43は穴の開いていな
い部分で、中空膜管30の下端を支持しており、下部支
持板43は中空膜管30の下端を閉塞している。従っ
て、容器40Aの下部支持板43の上側の空間と下側の
空間との間の水の移動は下部支持板43の穴を介しての
み可能となっている。
【0053】なお、図5では、上部支持板44および下
部支持板43とが容器40A内に固定されおり、中空膜
管30が上部中空膜管支持板44と下部中空膜管支持板
43との間に保持される構造になっているが、上部支持
板44、下部支持板43および中空膜管30を一体化し
てカートリッジタイプにし、一括交換ができる構造にし
てもよい。なお、高温水浄化装置40の容器40Aの頭
部を着脱可能な構造、例えばフランジ構造にしておけば
交換が容易である。なお、このようなフランジ構造を採
った場合には、中空膜管30のみを交換することも可能
である。
【0054】次に、作用について説明する。
【0055】まず、ろ過材供給源49Cからバイパスラ
イン49Aにろ過材を送り込み、プリコートポンプ49
Bによりバイパスライン49A中の水と混合する。この
混合水を給水口41から容器40A内に送り込み、取水
口42から取り出し、バイパスライン49Aに戻すよう
に循環させる。この過程で中空膜管30を通過できない
ろ過材が中空膜管30の表面にトラップされ、これによ
り図5(b)に示すように中空膜管30の表面にろ過材
プリコート層33が形成される。
【0056】ここで用いられるろ過材に少なくとも要求
されることは、高温水条件下で安定であることと、かつ
イオン交換性能を有していることである。従って、ろ過
材としては、ヘマタイト(Fe)、マグネタイト
(Fe)およびニッケルフェライト(NiFe
)などのフェライト酸化物、並びにTiOおよび
ZrO酸化物を用いることが好ましい。特に、TiO
については、第1の実施形態で説明したように、チェ
レンコフ光による光触媒反応による有機物分解効果も期
待できる。
【0057】なお、上述したような酸化物を形成する主
成分がFe、Ni、Ti、Zr等の純金属、これら金属
の合金(例えばステンレス鋼)、またはこれら金属(純
金属若しくは合金)を含む複合材料をろ過材として用い
ることも可能である。
【0058】なお、中空膜管30のスキン層の孔径を
0.45μm以上に設定したことを考慮すると、ろ過材
が中空膜管30の細孔を閉塞させないようにには、ろ過
材の粒径は1μm以上とすることが好ましい。
【0059】なお、ろ過剤粒子としては、イオン交換性
能の確保および差圧上昇を抑制するうえで、比表面積が
大きく、空隙率の大きいろ過剤が望ましい。
【0060】なお、粒径の大きなセラミックスを作るこ
とは困難であるため、中空膜管30の微細孔径以上の物
質であれば或程度ろ過剤を容器40A内にとどめること
ができるということを考慮すると、1μm程度の大きい
ろ過剤は、比表面積が大きく、空隙率の大きい(ポーラ
スな)微粉体で構成しても良い。このようなろ過剤粒子
は、1μm以下の粒径の微細な粒子を焼結することによ
り得ることができ、経済的にも有利である。
【0061】ろ過材プリコート層33が形成されたら、
バイパスライン49Aと給水ライン41Aおよび排水ラ
イン42Aとの連通を断ち、給水ライン41Aを介して
給水口41から容器40A内に浄化対象となる汚染水を
導入する。汚染水に含まれる放射性物質により汚染され
た粒子および放射性イオンは、ろ過剤プリコート層33
にトラップされ、放射能の少ない水が中空膜管30内に
侵入する。中空膜管30のスキン層31および基質層3
2を通過した水は、中空膜管30の中央部を貫通する空
洞33を通過し、上部支持板44の上側の空間すなわち
集水室45に入る。集水室45内の水は、取水口42お
よび排水ライン42Aを介して容器40Aから排出され
る。
【0062】ろ過材プリコート層33が汚染されたら、
逆洗を行う。逆洗を行う場合には、給水口41および取
水口42を弁で閉じ、逆洗水注水口48より注水する。
すると逆洗水は、中空膜管30の空洞33、スキン層3
1および基質層32を順次通過し、ろ過剤プリコート層
33とともに中空膜管30付着した腐食生成物を剥離さ
せながら、中空膜管30の外側に流出する。ろ過剤およ
び腐食生成物により混濁した逆洗水は、中空膜管30同
士の隙間および下部支持板43の穴を順次経て、下部支
持板43の下側の空間すなわちドレン水室46に集めら
れ、ドレン水口47より系外に排出できる。なお、この
場合、逆洗水に有機酸をまぜれば、中空膜管30の除染
および洗浄も可能となる。
【0063】なお、上記の説明ではろ過材が中空膜管3
0の外表面にプリコートされている前提で説明を行った
が、ろ過剤は必ずしも中空膜管30の外表面にプリコー
トされている必要はなく、高温水浄化装置40の容器4
0A内に撹拌された状態で浮遊していれば十分である。
なお、この場合の容器40A内での水の上昇速度は、ろ
過剤のストークス径に応じた沈降速度より大きければよ
い。
【0064】なお、上述したような形式の高温フィルタ
ーは、粒子状の腐食生成物の捕捉による差圧上昇の面で
は低温フィルターより有利であるが、高温で使用できる
イオン交換速度の速い物質がないためイオン交換の点で
は大幅に不利となる。従って、イオン交換性能を高める
ためには、イオン交換物質の量を多くするか表面積を大
きくする必要がある。微細な粒子の捕捉しかつ差圧を小
さく保つトレードオフの関連を工夫する必要がある。従
って、ろ過面積を大きくするとともに差圧上昇を防止す
る必要がある。
【0065】高温で使用できる無機材料では一般にイオ
ンの蒸気からの輸送速度に比べて材料表面での捕捉速度
は小さい。この点が、イオン交換樹脂の低温除去装置と
無機イオン交換体の高温水浄化装置とで大きく異なって
いる。すなわち、イオンの捕捉反応は、流体から材料表
面へのイオンの輸送速度ではなく、材料表面でのイオン
取り込み反応に律速している。
【0066】ステンレス鋼製のろ過剤を例にとり、イオ
ン取り込み速度について説明する。1100Mwe級BW
Rでは原子炉圧力容器および原子炉圧力容器内の装置に
ステンレス鋼が使われれており、これらの表面にもフェ
ライトが形成される。通常5000m2の表面積をもつ炉
心外表面は、炉水のNiイオン濃度が高い場合で約1%
相当容量、炉水のNiイオン濃度が低い場合で約4%相
当容量の低温のイオン交換樹脂による炉水浄化装置に相
当(1EFPY時点での値で、時間に対しては除去速度が時
間t−1/2に比例する)する。従って、ステンレス鋼
で中空膜管およびろ過剤を作成した場合、炉水のNiイ
オン濃度が高い場合で8%容量の場合は40000m
が必要となる。100μmの球形では15mと算出さ
れる。10μmの球形では、1.5mとなる。1μm
の球形では0.15mである。炉水のNiイオン濃度
が低い場合は、100μmの球形では4m、10μm
の球形では0.4m、1μmの球形ではわずか0.0
4mで充分であることがわかる。
【0067】図6には、図5に示す実施形態の変形例を
示す。図6の例では、中空膜管30の外側にストレーナ
ー49Aが設けられており、中空膜管30の外表面とス
トレーナーとの間に例えば粒径1μmのろ過材粒子50
が保持されており、ストレーナー・ろ過剤一体型中空膜
管49が構成されている。なお、ろ過材粒子50の材料
としては、ろ過材プリコート層33をろ過材の材料と同
一または類似のものが用いられる。
【0068】また、図6に示す例の場合も、上部中空膜
管支持板44と下部支持板43とが高温水浄化装置40
の容器40Aに固定され、中空膜管30が上部支持板4
4と下部中空膜管支持板43との間に保持される構造に
なっているが、これらを一体化しカートリッジタイプに
することもでき、このようにすれば一括交換が容易にな
る。この場合も、高温水浄化装置40の容器40Aの頭
部を着脱可能な構造、例えばフランジ構造にしておけ
ば、中空膜管30の交換も可能である。
【0069】図6に示す変形例に係る高温水浄化装置
は、高温水が蒸気の状態であっても液体の状態であって
も使用可能である。
【0070】[第3の実施形態]次に、図7を参照して
第3の実施形態について説明する。図6に示す高温水浄
化装置は、蒸気状態の高温水を浄化する用途に適してい
る。なお、図7に示す高温水浄化装置において、図5に
示す高温水浄化装置の部材と同一または類似の機能を果
たす部材については同一符号を付し、重複説明は省略す
る。
【0071】図7に示すように、高温水浄化装置40の
容器40Aの上部の一側には取水口42が、他側には逆
洗水注入口48が設けられている。容器40Aの底部に
は、給水口41が設けられている。また、容器40Aの
下部にはドレン水口47が設けられている。なお、給水
口41には給水ライン(例えば給水管)41Aを介して
汚染度の高い蒸気水が供給され、取水口42からはこの
高温水浄化装置40により浄化された水が排水ライン
(例えば排水管)42Aを介して排出されるようになっ
ている。
【0072】容器40A内の取水口42および逆洗水注
入口48より低い位置に、水平方向に延びる上部支持板
44が設けられている。上部支持板44には複数の穴が
形成されており、各穴に中空膜管30の上端が差し込ま
れている。その一方で、上部支持板44は穴の開いてい
ない部分で、中空の給水ストレーナー管51の上端を支
持しており、上部支持板44は給水ストレーナー管51
の下端を閉塞している。なお、容器40Aの上部支持板
44の上側の空間と下側の空間は上部支持板44により
完全に仕切られており、前記上側の空間と下側の空間と
の間の水の移動は中空膜管30を介してのみ可能となっ
ている。
【0073】容器40A内のドレン水口47より低くか
つ給水口41より高い位置に、水平方向に延びる下部支
持板43が設けられている。下部支持板43には複数の
孔が形成されており、各孔に給水ストレーナー管51の
下端が差し込まれている。その一方で、下部支持板43
は孔の開いていない部分で、中空膜管30の下端を支持
しており、下部支持板43は中空膜管30の下端を閉塞
している。従って、容器40Aの下部支持板43の上側
の空間と下側の空間との間の水の移動は給水ストレーナ
ー管51を介してのみ可能となっている。
【0074】本例では、中空膜管30は六方格子状に配
列されており、給水ストレーナー管51は、六方格子の
中心点に配置されている。従って、中空膜管30の本数
と給水ストレーナー管51の本数の比は、2:1であ
る。
【0075】上部支持板44と下部支持板43との間の
空間は粒状のろ過材により充填されている。
【0076】なお、中空膜管30およびろ過材は、第2
の実施形態で説明した中空膜管30およびろ過材と同一
または類似のものを用いることができる。
【0077】取水口41から下部支持板43の下方の空
間に高温蒸気が導入されると、蒸気はそこから給水スト
レーナー管51、ろ過材、中空膜管30を順次経て、集
水室45に入り、取水口42から容器40A外に排出さ
れる。この過程において、高温蒸気はろ過材および中空
膜管30により浄化される。
【0078】次に、本実施形態に係る高温水浄化装置の
具体的な仕様について説明する。容器40Aは円筒形状
でありその内に外形寸法を25.4mm、長さを5080
mmの中空膜管30(一本当たりのろ過面積:0.405
)が六方格子状に平行に配列されている。一方、中
空膜管30と同一寸法形状の給水ストレーナー管51は
中空膜管30の六方格子点の中心点に配置されている。
フィルター(中空膜管30および給水ストレーナー管5
1)の充填率を75%とすると、1mあたり1500
本のフィルターを充填できる。給水ストレーナー管51
と中空膜管30との間のろ過層(ろ過材が充填される領
域)の最短間隔は2.4mmである。原子炉の内径は11
00Mwe級BWRで6.4mでありこのときの面積は3
2m(体積163m)であることより、48000
本以上のフィルターを充填できる。このうちの2/3の
32000本が中空膜管30(総ろ過面積12960m
)である。蒸気流量は6400Ton/hrであることよ
り、蒸気の比重0.036Ton/mを考慮すると、蒸
気のろ過面での面速度は3.8mm/sである。
【0079】ステンレス鋼製の球形ろ過剤が単純立方結
晶配列(空隙率:48%、最小空隙間隔:ろ過剤径の
0.41倍)で付着している場合の285℃の蒸気中の
Co-60イオンをDFの算定式(1)式でDF=10で除
去できるろ過層について考察する。ろ過剤の直径を1μ
mとすると、空隙の等価円筒半径は0.39μmであ
る。空隙率は48%であることより、空隙内の速度は
7.9mm/sである。従って、単位長さ(1mm)あたりを
通過する時間は0.13s程度である。ここで、水通路
を円筒近似したが、実際はろ過剤は球であるため表面積
は円筒流路の1.28倍である。
【0080】ここで、ろ過剤表面でのCo-60の化学反応
は蒸気と高温水とで同様と推定すると、一回の流体の通
過でイオンの除去されるろ過剤の厚みについて計算す
る。炉水のNiイオン濃度が高い場合は、5000m
で60Ton/hrの除去速度であるため、高温水の比重0.
74Ton/mで補正し高温水の体積浄化速度を求めると
81m/hrに相当する。0.0162m/hr 、すなわ
ち4.5μm/sの除去速度である。ろ過層の空隙円筒
長さL(mm)でのCo-60のDFは(1)式であたえられる。
【0081】 DF=e4.5×2×1.28/0.39×0.13L …(1) 給水ストレーナー管51と中空膜管30との間の距離は
2.4mm のろ過層があれば10程度のDFが得られ
る。 この場合、ろ過剤の充填体積は41mとなる。
【0082】次に、1μmの球形粒子の2.4mmのろ過
層の水頭長Lを計算する。計算にあたっては、「ウェバ
ー水質制御の物理化学プロセス(朝倉書店)p.126」を
参照した。(2)式より、約200mの水頭ロスである
ことがわかる。
【0083】 h=JLν/g(1−ε)/εv(σ/d) …(2) ここで(2)式において、 J:実験定数 約6 L:濾過層の厚み 2.4mm ν:動粘性係数 0.56×10−6 m/s g:重力加速度 9.8m/s ε:空隙率 0.48 σ:形状係数 約6 v:空筒速度 0.0038m/s d:ろ過剤の直径 1μm である。
【0084】なお、炉水のNiイオン濃度が低い場合
は、ろ過剤の充填体積は10m3強で水頭ロスは約50m
となる。
【0085】いずれの場合でも、285℃のBWRにお
いて、原子炉圧力容器内にDF10 の高温浄化装置を
設置するのは難しい。しかしながら、650℃の超臨界
水においては温度が高くなるのでろ過剤との反応速度は
早くなり、285℃に比べて100倍程度高まる。従っ
て、ろ過剤は24μm程度(ろ過剤の充填体積は0.4
1m)で充分であり、水頭ロスは約2mであり充分目
的を達成できる。この場合、ろ過剤の充填量を10倍
(ろ過剤の充填体積は4.1mで1μmの粒子径)に
することもできる。この場合、差圧は(2)式に従うの
で1/10にすることができる。このように、差圧上昇
と捕捉容量との両立が達成される。
【0086】以上説明した第2乃至第3の実施形態に係
る高温水浄化装置を、図1の原子炉圧力容器内9、また
は原子炉圧力容器内9からタービン入口の蒸気バルブ1
の間に適宜設置することにより、放射性物質を効果的に
分離・除去することができ、蒸気系への放射能の移行を
低減することができる。
【0087】高温水浄化装置は、新設のプラントにおい
ては設計上の余裕度が高いため、新規な装置として組み
込むことができる。また、既設のプラントにおいては、
新設プラントのように全く新規の浄化装置を組み込むこ
とはスペース上の理由等から困難または不可能な場合が
多いが、このような場合には、例えば第2の実施形態の
ように既存のドライヤーの波板を改良してドライヤーに
高温水浄化装置としての機能を付与することにより対応
することも可能である。
【0088】第2または第3の実施形態に係る高温水浄
化装置は、圧力容器内のみならず、例えば原子炉圧力容
器9からタービン入口の蒸気バルブ1の間に設置するこ
ともできる。なお、通常、蒸気・タービン系に異常が発
生した場合に備えて原子炉系と蒸気・タービン系とを連
結する蒸気配管系11には蒸気隔離弁(図示せず)が設
けられているため、高温水浄化装置は、蒸気隔離弁より
下流側であってかつタービン入口の蒸気バルブ1の上流
側に設置するのが安全性が高い。なお、原子炉圧力容器
内9からタービン入口の蒸気バルブ1の間に高温水浄化
装置を設置した場合、高温浄化装置の異常時に高温水浄
化装置をバイパスする配管を設けても良い。
【0089】本実施形態に係る高温水浄化装置は、現行
のイオン交換樹脂を用いた炉水浄化装置に比べて、熱ロ
スが無いという点で有利である。また、高温条件下で
は、下表1に示すごとく水の粘性抵抗が著しく低下する
ため、同一形状の低温フィルターに比べて大幅に初期差
圧を下げることができる。
【0090】
【表1】 また、特に、本実施形態に係る高温水浄化装置では、高
温水存在下で安定なイオン交換物質を用いているため、
寿命も長い。なお、現行のイオン交換樹脂を用いた炉水
浄化装置の容量は、低温型で給水流量の2%である。例
えば8%容量相当の高温浄化装置を付加することにより
炉水放射能濃度を現行の1/5程度にでき蒸気系への移
行も炉水放射能濃度に比例して低減することができる。
【0091】なお、高温水浄化装置の差圧上昇を抑制す
るためには、給水からの鉄持ち込み量を0.1ppb以下
とすることが好ましい。高温水浄化装置の差圧上昇は、
粒子状の腐食生成物が捕捉されることに起因している。
この粒子状の腐食生成物は鉄が主成分であり、その大部
分は復水浄化系をリークしたものである。復水浄化系に
中空糸フィルターを設置することにより給水からの鉄持
ち込み量を0.1ppb以下、平均で0.02 ppb程度に
できるということが過去の運転実績から確認されてい
る。
【0092】この量は、中空糸フィルターを設置してい
ないプラントの給水からの鉄持ち込み量の1/10以下
である。なお、中空糸フィルターを設置していないプラ
ントにおいては高温浄化装置を試験的に運用してみたと
ころ、高温浄化装置のフィルタは数年の寿命であった。
このことを考慮すると、現行仕様の高温フィルターを使
用した場合でも、高温浄化装置への給水からの鉄持ち込
み量を所定値以下に抑制することによりプラントの寿命
に近い年数にわたり運転することが可能となることが推
察される。
【0093】なお、これまでの説明では、放射性物質を
捕捉することによって蒸気系への放射性物質の移行を低
減する手法について説明してきたが、放射性物質を含む
蒸気の発生自体を低減することも効果的である。
【0094】そのためには、ヘッドスプレー6に使用す
る水を、現行の炉水浄化装置5の出口水から、図1に示
す復水浄化装置7または復水貯蔵タンク8の出口水に変
更することが有効である。このようにすれば、復水浄化
装置7または復水貯蔵タンク8の出口水は、炉水浄化装
置5の出口水より放射能含有量が少ないため、ヘッドス
プレー時に発生する蒸気に含まれる放射能を低減するこ
とができる。最近のヘッドスプレーを用いて原子炉停止
時に早く温度を下げる運転がなされている現状を鑑みれ
ばこのことによる効果は大きい。
【0095】なお、ヘッドスプレーのスプレー水が飛散
して温度の高い圧力容器に直接掛からないようにスプレ
ーの孔の向きを炉内構造物の方向に向けるかまたはスプ
レーの孔と圧力容器内面との間に遮蔽となるカバーを配
設し、このカバーによりスプレーする領域を制限した
り、ノズルまたは超音波などにより噴霧する液滴径を小
さくし、停止後の熱合発生に伴う蒸気発生量に応じてス
プレー水量を制御することも放射性物質を含む蒸気量を
低減する上で好適である。この場合、例えば、ヘッドス
プレー6を複数のノズル孔(直径1mm以下)を有するシ
ャワーヘッド状に形成し、シャワーヘッドにおけるノズ
ル孔の配置面積をほぼ400cmとし、ドライヤー全体
にちょうどスプレー水がかかるように(ドライヤーに衝
突しない水がないように)水をスプレーすることが好適
である。
【0096】現行システムでは圧力容器の温度に近い炉
水浄化系出口水を使用しており、ヘッドスプレーのスプ
レー水が飛散し圧力容器に直接掛かった場合でも熱応力
が比較的軽減される設計になっている。しかしながら、
炉水の温度降下に比べて圧力容器の温度降下は遅く温度
差が次第に大きくなり、ヘッドスプレーの広がりを押さ
え液滴を小さくし停止後の蒸気発生量に会わせて低温の
蒸気になり圧力容器に接触し温度を均等に下げる方法に
特徴がある。本方法の採用により、より安全に効率よく
低下させることができる。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、蒸気系への放射性物質
の移行を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子炉圧力容器まわりのシステム概略図。
【図2】荷電粒子の電磁場での運動方向の概念図。
【図3】第1の実施形態に係るドライヤーの構成を概略
的に示す図。
【図4】高温水浄化装置に用いる中空膜管の構成を概略
的に示す概念図。
【図5】第2の実施形態に係る高温水浄化装置の概略
図。
【図6】高温水浄化装置の他の実施例を示す図。
【図7】第3の実施形態に係る高温水浄化装置の概略
図。
【符号の説明】
1…蒸気バルブ、2…給水配管、3…ドライヤー、4…
気水分離器、5…炉水浄化装置、6…ヘッドスプレー、
7…復水浄化装置、8…復水貯蔵タンク、9…原子炉圧
力容器、10…炉心部、20…蒸気進入穴、22… 波
板、23…固定棒、24…ドレンパン、25…ドレン
管、30…中空膜管、31…スキン層、32…基質層、
33…濾過材プリコート層、40…高温水浄化装置、4
1…給水口、42…取水口、43…下部支持板、44…
上部支持板、45…集水室、46…ドレン水室、47…
ドレン水口、48…ドレン水注入口、50…ろ過剤保持
層、51…給水ストレーナー管、52…取水中空膜管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21F 9/06 521 G21F 9/06 521J 521L 521K 521M 9/12 511 9/12 511A 512 512G 512J (72)発明者 閏 間 裕 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 小 林 実 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 石 橋 文 彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 馬 場 隆 男 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 稲 見 一 郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉と、 前記原子炉の圧力容器内で発生する蒸気を利用する蒸気
    タービンと、 前記圧力容器内、または前記圧力容器と前記蒸気タービ
    ン入口との間の蒸気通路に設けられた、放射能を分離除
    去する分離除去装置と、を備えたことを特徴とする原子
    力プラントシステム。
  2. 【請求項2】前記分離除去装置は、高温水または蒸気が
    共存する条件下で安定な金属または金属酸化物を放射性
    イオンに対するイオン交換物質として用いた高温水浄化
    装置を有することを特徴とする、請求項1に記載の原子
    力プラントシステム。
  3. 【請求項3】前記分離除去装置は、水滴を捕捉しやすい
    超親水性物質を浄化手段として用いた高温水浄化装置を
    有することを特徴とする、請求項1に記載の原子力プラ
    ントシステム。
  4. 【請求項4】原子炉と、 前記原子炉の圧力容器内で発生する蒸気を利用する蒸気
    タービンと、 前記原子炉に付設された原子炉水系統、前記圧力容器
    内、または前記圧力容器と前記蒸気タービンの入口との
    間の蒸気通路に設けられ、高温水または蒸気が共存する
    条件下で安定な金属または金属酸化物を放射性イオンに
    対するイオン交換物質として用いた高温水浄化装置を用
    いて放射能を分離除去する分離除去装置と、を備えたこ
    とを特徴とする原子力プラントシステム。
  5. 【請求項5】前記イオン交換物質は、TiOまたはZ
    rOであることを特徴とする、請求項4に記載の原子
    力プラントシステム。
  6. 【請求項6】前記イオン交換物質は、繊維状に形成され
    ていることを特徴とする、請求項5に記載の原子力プラ
    ントシステム。
  7. 【請求項7】前記イオン交換物質は、主成分としてヘマ
    タイト(Fe)、マグネタイト(Fe)あ
    るいはニッケルフェライト(NiFe)などのフ
    ェライト酸化物を含有することを特徴とする、請求項4
    に記載の原子力プラントシステム。
  8. 【請求項8】前記高温水浄化装置は、前記圧力容器内に
    配置されたドライヤーを含み、 前記ドライヤーは、その間を放射性物質を含む混相流が
    通過する複数の波板を有しており、 前記波板の表面には、前記イオン交換物質としてのTi
    がSiOとともに設けられていることを特徴とす
    る、請求項4に記載の原子力プラントシステム。
  9. 【請求項9】前記高温水浄化装置は、前記圧力容器内に
    配置されたドライヤーを含み、 前記ドライヤーは、その間を放射性物質を含む混相流が
    通過する複数の波板を有しており、 前記波板には、所定時間運転後の前記波板の表面に付着
    したn型半導体酸化物を除去して前記波板の表面に付着
    したp型酸化膜を露出させた後、前記イオン交換物質を
    付着させる処理が施されていることを特徴とする、請求
    項4に記載の原子力プラントシステム。
  10. 【請求項10】前記高温水浄化装置は、前記圧力容器内
    に配置されたドライヤーを含み、 前記ドライヤーは、その間を放射性物質を含む混相流が
    通過する複数の波板と、前記波板の間に電界または磁界
    を作用させる手段と、を有しており、 前記混相流に含まれる放射能を含む微小粒子を前記電界
    または磁界により前記波板に向けて移動させることを特
    徴とする、請求項4に記載の原子力プラントシステム。
  11. 【請求項11】前記波板の間に電界または磁界を作用さ
    せる手段に用いる電源として、前記波板に付着させたn
    型半導体であるTiOまたはZrOと、前記波板表
    面に腐食によって生成されたp型半導体である腐食皮膜
    とから構成された光電池を形成したことを特徴とする、
    請求項9に記載の原子力プラントシステム。
  12. 【請求項12】前記高温水浄化装置は、前記圧力容器内
    に配置されたドライヤーを含み、 前記ドライヤーは、その間を放射性物質を含む混相流が
    通過する複数の波板を有しており、 前記波板の表面には、前記イオン交換物質として機能す
    るTiOまたはZrOが設けられていることを特徴
    とする請求項4に記載の原子力プラントシステム。
  13. 【請求項13】前記高温水浄化装置は、 容器と、 前記容器内に配置された中空膜管と、 前記容器内において、前記中空膜管の外側に、保持され
    るか、プリコートされるか、または浮遊して存在するろ
    過材粒子と、を有しており、 前記ろ過材粒子は、高温水または蒸気が共存する条件下
    で安定であって、かつ放射性イオンに対するイオン交換
    物質として機能することができる金属または金属酸化物
    からなることを特徴とする、請求項4に記載の原子力プ
    ラントシステム。
  14. 【請求項14】前記中空膜管は多孔質構造を有してお
    り、外周側の孔径が内周側の孔径より小さいことを特徴
    とする、請求項13に記載の原子力プラントシステム。
  15. 【請求項15】前記中空膜管は、その内側、外側または
    両側に、ストレーナーを有していることを特徴とする請
    求項13に記載の原子力プラントシステム。
  16. 【請求項16】前記ろ過剤粒子は、ヘマタイト(Fe
    )、マグネタイト(Fe)あるいはニッケル
    フェライト(NiFe)などのフェライト酸化
    物、TiOおよびZrOを主体とする酸化物、また
    はこれらの酸化物を生成する主成分がFe、Ni、T
    i、Zrである金属若しくは複合材料からなることを特
    徴とする、請求項13に記載の原子力プラントシステ
    ム。
  17. 【請求項17】前記中空膜管は、ニッケルフェライト
    (NiFe)、TiO、ZrO を主体とする
    酸化物またはこれらの酸化物を形成する金属若しくは複
    合材料からなることを特徴とする請求項13に記載の原
    子力プラントシステム。
  18. 【請求項18】粒子状の腐食生成物の捕捉にともなう高
    温水浄化装置の差圧上昇を抑制するため、給水からの鉄
    持ち込み量を0.1ppb以下とするフィルタ手段を更に
    備えたことを特徴とする、請求項4に記載の原子力プラ
    ントシステム。
  19. 【請求項19】ヘッドスプレーが設けられた圧力容器を
    有する原子力プラントシステムの運転方法において、 ヘッドスプレーのスプレー水の飛散領域を制限し、 噴霧するスプレーの液滴径を小さくし、 停止後の熱合発生に伴う蒸気発生量に応じてスプレーの
    水量を制御することにより、圧力容器の温度を降下させ
    ることを特徴とする原子力プラントの運転方法。
  20. 【請求項20】ヘッドスプレーが設けられた圧力容器を
    有する原子力プラントシステムの運転方法において、 ヘッドスプレー運転に使用する供給水として、放射能を
    含まない水または放射能の少ない復水浄化装置出口ない
    し復水貯蔵タンク貯蔵水を使用することを特徴とする原
    子力プラントの運転方法。
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