JPH09206567A - 発電プラントにおけるヒータドレン水の濾過方法及びその装置 - Google Patents

発電プラントにおけるヒータドレン水の濾過方法及びその装置

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JPH09206567A
JPH09206567A JP3885896A JP3885896A JPH09206567A JP H09206567 A JPH09206567 A JP H09206567A JP 3885896 A JP3885896 A JP 3885896A JP 3885896 A JP3885896 A JP 3885896A JP H09206567 A JPH09206567 A JP H09206567A
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iron oxide
fine particles
oxide fine
hollow fiber
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JP3885896A
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English (en)
Inventor
Satoru Tsuda
悟 津田
Shinichi Ohashi
伸一 大橋
Toshio Morita
利夫 森田
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電プラントにおけるヒータドレン水から酸
化鉄を主成分とする不純物を効果的に除去することがで
きれば、例えばPWRの蒸気発生器への給水中の不純物
濃度を効果的に低減させることができるが、現在のとこ
ろヒータドレン水から酸化鉄等の不純物を効果的に除去
する有効な除鉄方法がなく、このような不純物をそのま
ま給水と共に蒸気発生器の2次側器内あるいはボイラへ
流入させているのが実情である。 【解決手段】 本発明の発電プラントにおけるヒータド
レン水の濾過方法は、ヒータドレン水を水蒸気発生用水
として供給する前に中空糸膜28に通水し、中空糸膜2
8によりヒータドレン水を濾過する方法であって、中空
糸膜28にヒータドレン水を通水するに先立って、酸化
鉄微粒子を添加した純水を中空糸膜28に通水して酸化
鉄微粒子の被覆膜D1を形成した後、被覆膜D1が形成さ
れた中空糸膜28に純水を循環通水すると共に酸化鉄微
粒子から循環水に溶出するイオン成分等の不純物を除去
しておくことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧水型原子力発
電所(以下、「PWR」称す)、沸騰水型原子力発電所
(以下、「BWR」称す)及び火力発電プラントにおけ
るヒータドレン水中に含まれている酸化鉄を主成分とす
る金属酸化物等の不純物を除去する発電プラントにおけ
るヒータドレン水の濾過方法及びその濾過装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、近年のPWRでは、タービン駆
動用の蒸気を作る蒸気発生器の2次側器内に酸化鉄を主
成分とする金属酸化物等の不純物が給水に随伴して持ち
込まれる。そして、発電を行っている間に、この不純物
が蒸気発生器の伝熱管の外表面に徐々に付着し、この付
着物により蒸気発生器の伝熱効率が低下する。しかも、
この不純物は給水が循環している間に徐々に増加して濃
縮されるため、蒸気発生器への給水中の不純物濃度を低
減させる対策が従来から種々検討されている。また、P
WRの場合と同様に、火力発電所では、ボイラへの給水
中に含まれる上述の不純物がボイラの伝熱管内に付着
し、この付着物によってボイラの差圧が上昇するため、
その差圧上昇を低減させる対策が従来から種々検討され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸気発
生器あるいはボイラへ持ち込まれる酸化鉄を主成分とす
る不純物を効果的に除去する除鉄方法について従来から
種々検討されているが、従来の除鉄方法ではこのような
不純物を効果的に除去できないという課題があった。こ
の課題を解決するためにこのような不純物の持ち込み源
について考えると、このような不純物は復水系からの持
ち込み分と各種ヒータドレン系からの持ち込み分に大別
される。ところが、復水系には一般に前置濾過器及び復
水脱塩装置、または復水脱塩装置単独で構成されている
復水浄化装置が設置され、給水中に占める復水系から持
ち込まれる不純物の量は比較的少ない。従って、蒸気発
生器またはボイラへの給水中に持ち込まれる不純物の濃
度を低減させるためには、復水浄化系以降の各種ヒータ
ドレン系から持ち込まれる不純物を低減するのが効果的
であると考えられる。
【0004】そこで、ヒータドレン水から不純物を効果
的に除去する場合には、その方法として、例えば電磁フ
ィルタや金属フィルタ等のフィルタを用いて不純物を濾
過する方法が従来から検討されているが、いずれのフィ
ルタも除去性能が不安定であるため、現在のところ発電
プラントには電磁フィルタや金属フィルタ等のフィルタ
は適用されておらず、各種ヒータドレン系に起因する不
純物は全く除去されることなくそのまま給水と共に蒸気
発生器の2次側器内あるいはボイラへ流入しており、結
果的には従来の除鉄方法では蒸気発生器またはボイラへ
の給水中に持ち込まれる不純物を効果的に除去すること
ができないという課題は依然として残っている。また、
フィルタの中には上述の各フィルタの他に中空糸膜等の
膜フィルタがあるが、膜フィルタもそのまま使用すると
上述の各種フィルタと同様に不純物の除去性能が不安定
であるため、膜フィルタを用いる除鉄方法も実用化には
至っていない。
【0005】要するに、ヒータドレン水から酸化鉄を主
成分とする不純物を効果的に除去することができれば、
蒸気発生器への給水中の不純物濃度を効果的に低減させ
ることができるが、現在のところヒータドレン水から酸
化鉄等の不純物を効果的に除去する有効な除鉄方法がな
く、このような不純物をそのまま給水と共に蒸気発生器
の2次側器内あるいはボイラへ流入させているのが実情
である。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、発電所のヒータドレン水に含まれている酸
化鉄を主成分とする不純物を安定且つ確実に除去し、ひ
いては蒸気発生器あるいはボイラへの酸化鉄を主成分と
する不純物の持ち込みを効果的に防止することができる
発電プラントにおけるヒータドレン水の濾過方法及びそ
の装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは特にヒータ
ドレン水から酸化鉄を主成分とする不純物をフィルタを
用いて除去する方法について種々検討した結果、以下で
説明するような知見を得た。即ち、フィルタを用いる除
鉄方法として、例えばフィルタへの通水前に酸化鉄微粒
子の被覆膜をフィルタの濾過面に予め形成し、フィルタ
の不純物の除去性能を安定、向上させ、ヒータドレン水
から不純物を除去する方法が有効である。更に、この方
法の場合には酸化鉄微粒子として比較的入手し易い合成
された人工酸化鉄を使用するのが有効であるが、人工酸
化鉄は製造段階で洗浄により溶解性不純物を極力除去し
ているものの、その除去は完全ではなく、酸化鉄微粒子
からNa+、Cl-、SO4 2-等のイオン成分等の溶解性
物質が不純物(以下、溶解性の不純物を「イオン成分」
で代表する)として溶出し、イオン成分を含んだ水がそ
のまま蒸気発生器またはボイラへ蒸気発生用水として供
給されるという新たな課題が生じる。つまり、フィルタ
の適用箇所として考えられる各種ヒータドレン系と蒸気
発生器あるいはボイラまでの間には脱塩装置等の浄化シ
ステムが設置されていないため、酸化鉄微粒子からイオ
ン成分が溶出すると、イオン成分がそのまま蒸気発生器
あるいはボイラ内へ給水と共に持ち込まれ、蒸気発生器
あるいはボイラ内でイオン成分の濃縮を促進する虞があ
る。そこで、このようなイオン成分を除去するためにイ
オン交換樹脂を充填した脱塩装置を蒸気発生器あるいは
ボイラの上流側に設置する方法が考えられるが、ヒータ
ドレン系以降の系統水は60℃以上の温度になってイオ
ン交換樹脂の適用温度範囲を逸脱するため、ヒータドレ
ン系以降には脱塩装置を設置することは実質的に不可能
である。
【0008】一方、発電プラントの起動工程におけるヒ
ータドレン水の系外排出時及び復水器回収時にフィルタ
に形成された酸化鉄微粒子の被覆膜を洗浄する方法も考
えられるが、この方法の場合には以下に説明するように
純水使用量が増加するという課題が生じる。即ち、プラ
ント起動時には所定の水質に到達するまでヒータドレン
水を系外へ排出し、ヒータドレン水が所定の水質に達し
た後、ヒータドレン水を復水器へ一定期間回収し、その
後、所定の箇所にヒータドレン水を回収する手順が採用
されているので、これらの系外排出時及び復水器回収時
に酸化鉄微粒子の被覆膜を洗浄することは可能である。
しかし、ヒータドレン水を復水器へ回収するには予め定
められた水質基準値を満足する必要があるため、被覆膜
を形成する酸化鉄微粒子からのイオン成分の溶出濃度が
高い場合にはフィルタによる濾過水をそのまま復水器へ
回収することはできず、 濾過水を一旦系外へ排出せざ
るを得ず、系外への排水量が増加することになる。ま
た、ヒータドレン水の回収先を復水器から所定の箇所に
切り換える際にも水質基準値を満足する必要があり、酸
化鉄微粒子からのイオン成分の溶出濃度が高い場合には
ヒータドレン水を所定の箇所へ回収できず、ひいては発
電プラントの起動工程へ影響を及ぼす可能性も考えられ
る。
【0009】つまり、本発明者等は、人工酸化鉄粒子の
被覆膜を形成したフィルタを特定の条件下で使用すれ
ば、酸化鉄を主成分とする不純物をヒータドレン水から
効果的に除去でき、ひいては蒸気発生器あるいはボイラ
への酸化鉄を主成分とする不純物の持ち込みを防止でき
ることを知見した。
【0010】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
で、請求項1に記載の発電プラントにおけるヒータドレ
ン水の濾過方法は、ヒータドレン水を水蒸気発生用水と
して供給する前にフィルタに通水し、フィルタによりヒ
ータドレン水を濾過する方法であって、上記フィルタに
上記ヒータドレン水を通水するに先立って、酸化鉄微粒
子を添加した水を上記フィルタに通水してフィルタの濾
過面に酸化鉄微粒子の被覆膜を形成した後、上記被覆膜
が形成されたフィルタに水を通水することによって上記
酸化鉄微粒子から水に溶出する不純物を除去しておくこ
とを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の請求項2に記載の発電プラ
ントにおけるヒータドレン水の濾過方法は、請求項1に
記載の発明において、上記酸化鉄微粒子は、1〜10μ
のα−FeOOH等の結晶性の含水酸化鉄を主成分とす
ることを特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項3に記載の発電プラントに
おけるヒータドレン水の濾過装置は、ヒータドレン水を
水蒸気発生用水として供給する前にフィルタに通水し、
フィルタによりヒータドレン水を濾過する濾過装置であ
って、上記ヒータドレン水をフィルタにより濾過する濾
過塔と、上記フィルタに酸化鉄微粒子が添加された水を
通水して上記フィルタの濾過面に酸化鉄微粒子の被覆膜
を形成する被覆膜形成装置と、上記濾過塔に水を通水す
る間に上記被覆膜の酸化鉄微粒子から溶出する不純物を
除去する洗浄装置とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6に示す実施形態
に基づいて本発明を説明する。尚、本実施形態はフィル
タとして膜フィルタ、即ち外圧式の中空糸膜を多数本束
ねた中空糸膜モジュールを用いたものである。図1は本
発明の発電プラントにおけるヒータドレン水の濾過方法
を実施する際に用いられる本発明の濾過装置の一実施形
態を示す構成図、図2は図1に示す濾過装置に用いられ
た中空糸膜モジュールを示す断面図、図3は図1に示す
濾過装置でヒータドレン水を濾過する時の中空糸膜の状
態を部分的に拡大して示す断面図、図4は図1に示す濾
過装置が適用された発電所プラントの低圧給水ヒータの
系統を示す構成図、図5は結晶性の含水酸化鉄(α−F
eOOH)と酸化鉄(α−Fe23)の微細鉄粒子の除
去性能を実験により調べた結果を示すグラフ、図6は図
1に示す濾過装置による循環洗浄の結果を示すグラフで
ある。
【0014】まず、本発明の濾過装置を発電プラントに
おける低圧給水ヒータに付設した場合を例に挙げて説明
する。本実施形態の濾過装置10は、後述する発電プラ
ントの低圧給水ヒータに付設され、低圧ヒータにおいて
生成したドレン水(以下、「ヒータドレン水」と称す)
を濾過し、ヒータドレン水から不純物を除去するように
構成されている。
【0015】本実施形態のヒータドレン水の濾過装置1
0は、図1に示すように、ヒータドレン水を後述する外
圧式中空糸膜を多数本束ねた中空糸膜モジュールにより
濾過する濾過塔11と、濾過塔11の中空糸膜モジュー
ルに酸化鉄微粒子が添加された水を通水して中空糸膜の
濾過面に酸化鉄微粒子の被覆膜を形成する被覆膜形成装
置12と、濾過塔11に水を循環させる循環配管13に
配設し水が循環する間に被覆膜を形成する酸化鉄微粒子
から溶出する不純物(主としてイオン成分)を予め除去
しておく洗浄装置(例えば脱塩装置)14とを備えて構
成されている。
【0016】上記濾過塔11は、図1に示すように、密
閉容器15と、この密閉容器15内を上室16と下室1
7に区画する仕切板18と、この仕切板18に上端が固
定され且つ下端が下室17側へ垂下する複数の中空糸膜
モジュール19とを備え、下室17に接続された流入配
管20からこの下室17内に流入したヒータドレン水を
各中空糸膜モジュール19を構成する多数本の中空糸膜
28(図2参照)によって濾過して不純物を濾過し、濾
過水を上室16に接続された流出配管21から流出させ
るように構成されている。
【0017】上記下室17内の底部近傍の中央にはバッ
フルプレート22がヒータドレン水の流入口に対向させ
て配設され、このバッフルプレート22によって下室1
7内へ流入したヒータドレン水を分散するようにしてあ
る。また、このバッフルプレート22と中空糸膜モジュ
ール19下端との間には分配機構23が配設され、この
分配機構23によってバッフルプレート22からのヒー
タドレン水を一旦受け、引き続き各中空糸膜モジュール
19へ分配するようにしてある。即ち、分配機構23
は、全体が偏平な逆カップ状で下室17の内径より縮小
した外径を有する大きさに形成され、下端が開口してい
る。そして、分配機構23の上面には各中空糸膜モジュ
ール19の下端に対向させた分配管24がそれぞれ配設
され、各分配管24から各中空糸膜モジュール19へヒ
ータドレン水を供給するようにしてある。また、分配機
構23の分配管24以外の部分は後述するスクラビング
洗浄時の気泡受けとして機能し、気泡受けに溜まった空
気は分配管24に形成された孔24Aから気泡として上
方へ浮上し、中空糸膜モジュール19内へ流入するよう
にしてある。
【0018】また、密閉容器15には中空糸膜モジュー
ル19を構成する中空糸膜28に付着した不純物をスク
ラビング洗浄する際に用いる空気配管が接続されてい
る。この空気配管は、下室17の下部に接続された空気
流入配管25と、下室17の上部に接続された空気流出
配管26とからなっている。そして、各配管25、26
にはバルブ25A、26Aがそれぞれ取り付けられてい
る。また、密閉容器15の下端にはドレン抜き配管27
が接続され、このドレン抜き配管27を介して不純物を
含んだ洗浄廃水を抜き取るようにしてある。尚、27A
はドレン抜き配管27に取り付けられたバルブである。
【0019】次に、上記中空糸膜モジュール19につい
て図2を参照しながら説明する。この中空糸膜モジュー
ル19は、同図に示すように、100〜50000本前
後の中空糸膜28と、これらの中空糸膜28を束ねて収
納する保護筒29とを備えて構成されている。各中空糸
膜28は、例えば0.01〜0.3μの微細孔を有する樹
脂薄膜により外径0.3〜5mm、内径0.2〜4mmの
中空糸として形成されている。また、保護筒29の上端
部にはフランジ部29Aが形成され、このフランジ部2
9Aで上記仕切板18に垂下するようにしてある。
【0020】また、保護筒29の下端部にはスカート部
29Bが形成され、このスカート部29Bで洗浄時に流
入した気体を捕集するようにしてある。そして、保護筒
29の上端部で各中空糸膜28の上端部を接着剤等によ
り束ねて接合固定した上部接合部30が形成され、その
下端部で各中空糸膜28の下端部を上端部と同様に接合
固定した下部接合部31が形成されている。上部接合部
30では各中空糸膜28は開口し、下部接合部31では
各中空糸膜28は閉塞し、濾過水が中空糸膜28の開口
から流出して上室16内で集水するようにしてある。各
中空糸膜28の両端から集水する場合には、それぞれの
下端部も上端部と同様に開口した状態にし下部集水室
(図示せず)を設けておく。また、下部接合部31には
流通孔31Aが形成され、流通孔31Aを介してスカー
ト部29Bに捕集した気体が中空糸膜モジュール19内
へ流入するようにしてある。更に、上記保護筒29の上
部接合部30のやや下方と、下部接合部31のやや上方
にはそれぞれ流通孔29C、29Dが形成され、これら
の流通孔29C、29Dを介してヒータドレン水が中空
糸膜モジュール19内へ流入するようにしてある。
【0021】また、上記濾過塔11に付設された被覆膜
形成装置12は、図1に示すように、酸化鉄微粒子が添
加された水を貯留する貯留槽12Aと、この貯留槽12
Aと循環配管13とを連通させる配管12Bと、この配
管12Bに上流側から順次配設された注入ポンプ12C
及びバルブ12Dとを備えている。また、循環配管13
の一端は濾過塔11の流入配管20にバルブ20Aの下
流側で接続され、その他端は流出配管21にバルブ21
Aの上流側で接続されている。従って、被覆膜形成装置
12は、バルブ12Dが開き、注入ポンプ12Cの駆動
により貯留槽12A内の酸化鉄微粒子を含む水を配管1
2B、循環配管13を介して濾過塔11内へ供給し、中
空糸膜28の外表面に酸化鉄微粒子を付着させてその被
覆膜D1を図3に示すように形成するようにしてある。
尚、注入ポンプ12Cの代わりに圧縮気体を駆動力とし
て用いる場合もある。
【0022】上記酸化鉄微粒子は、中空糸膜28の膜面
に付着しても後述のスクラビング逆洗工程で容易に剥離
し得る酸化鉄微粒子が好ましく、例えば、1〜10μの
α−FeOOH等の結晶性の含水酸化鉄及びα−Fe3
4(マグネタイト)等の酸化鉄微粒子が好ましい。こ
れらの酸化鉄微粒子は非粘着性であり、中空糸膜28の
表面に薄い被覆膜D1を形成してもスクラビング逆洗で
容易に剥離し、しかも市販されているため容易に入手す
ることができる。酸化鉄微粒子の粒径が1μ未満では中
空糸膜28からの剥離性が低下する虞があり、また、1
0μを超えるとヒータドレン水中に含まれる比較的粒径
の小さな酸化鉄が被覆膜D1を通過し、小さな酸化鉄を
被覆膜D1により捕捉できなくなる虞がある。また、酸
化鉄微粒子の除去性能に着目すれば、結晶性の含水酸化
鉄が微細な酸化鉄微粒子を除去する性能に優れている。
このことは、後述する実施例1の実験結果を示した図5
からも明かである。
【0023】また、図1に示すように上記循環配管13
には上記脱塩装置14が配設されている。この脱塩装置
14は、例えば、強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性
アニオン交換樹脂が充填された混床式の脱塩塔14A
と、脱塩塔14Aの上流側に配設された循環ポンプ14
Bと、循環ポンプ14Bの上流側及び脱塩塔14Aの下
流側に配設されたバルブ14C、14Dとを備えてい
る。この脱塩装置14は、被覆膜形成装置12により中
空糸膜28の外表面に酸化鉄微粒子の被覆膜形成装置1
2により中空糸膜28の外表面に形成された被覆膜D1
を形成した後に、バルブ14C、14Dを開いた状態で
循環ポンプ14Bを駆動することにより濾過塔11内に
充満した水を循環配管13を介して循環させる間に脱塩
塔14Aにおいて脱塩処理し、被覆膜D1から水中に溶
出するNa+、Cl-、SO4 2-等のイオン成分を除去す
るようにしてある。
【0024】ところで、上述した濾過装置10は、例え
ば図4に示すように、発電所プラントの低圧給水ヒータ
に付設されている。この低圧ヒータの系統は、図4に示
すように、図示しない蒸気発生器から蒸気を受けて駆動
する低圧タービン1と、この低圧タービン1の蒸気を水
に戻す復水器2と、この復水器2からポンプ3により送
水された復水を脱塩処理する脱塩装置4と、この脱塩装
置4からポンプ5を介して脱塩処理後の処理水を低圧タ
ービン1から供給された蒸気により加熱する低圧ヒータ
6とを備えている。そして、低圧ヒータ6において加熱
された処理水は高圧ヒータ(図示せず)等を介して蒸気
発生器へ送られる。この低圧ヒータ6には、同図に示す
ように、上述した濾過装置10が付設され、この濾過装
置10によりヒータドレン水を濾過し、ヒータドレン水
中から酸化鉄粒子を主成分とする不純物が除去され、こ
の濾過水が低圧ヒータ6において加熱された復水と合流
するようにしてある。
【0025】次に、上記濾過装置10を用いた本発明の
ヒータドレン水の濾過方法について説明する。本濾過方
法を実施する場合にはヒータドレン水の濾過に先立って
濾過塔11の中空糸膜28への酸化鉄微粒子の被覆膜D
1の形成及びその洗浄を実施する。それにはまず、ヒー
タドレン水の通水に先立って濾過塔11の上室16と下
室17内を水により満水にする。次いで、貯留槽12A
において酸化鉄微粒子を水に分散、混入した後、循環配
管13のバルブ14C、14Dが開き、循環ポンプ14
Bが起動すると、濾過塔11内の水が循環配管13を介
して濾過塔11と脱塩塔14A間で循環して循環洗浄ル
ープを形成する。尚、上記濾過塔の上下室16、17を
満水にする水及び酸化鉄微粒子を分散させる水としては
純水を用いることが好ましいが、比較的清澄な水であれ
ば純水に限定されるものではない。
【0026】次に、被覆膜形成装置12のバルブ12D
が開き、注入ポンプ12Cが起動すると、酸化鉄微粒子
を分散させた水が配管12B、循環配管13を介して濾
過塔11の下室17内に流入する。これにより酸化鉄微
粒子は、濾過塔11の下室17内において中空糸膜モジ
ュール19の各中空糸膜28の表面で濾過され、中空糸
膜28の膜面に被覆膜D1を形成する。次に、バルブ1
2Dが閉じ、注入ポンプ12Cが停止すると、その後、
酸化鉄微粒子の供給が停止する。一方、この間も循環ポ
ンプ14Bは駆動し続け、濾過塔11と脱塩塔14Aと
の間で水の循環が継続し、水が循環する間に中空糸膜2
8の外表面で被覆膜D1を形成する酸化鉄微粒子から溶
出するイオン成分を脱塩塔14Aにおいて除去する。脱
塩塔14Aの流出水はイオン成分が除去された純水であ
り、この純水は中空糸膜モジュール19に循環し、再び
酸化鉄微粒子からイオン成分を溶出させる洗浄水として
用いられる。
【0027】その後、酸化鉄微粒子から溶出したイオン
成分が規定値以下の濃度に到達した時点でバルブ14
C、14Dが閉じ、循環ポンプ14Bが停止する。この
ように脱塩装置14により被覆膜D1を循環洗浄するこ
とにより、酸化鉄微粒子に残存するイオン成分が極めて
少なくなり、その後、被処理水であるヒータドレン水を
濾過塔11に通水しても中空糸膜28の被覆膜D1から
溶出するイオン成分は規定 値以下になっているため、
何等問題なくヒータドレン水の濾過を行うことができ
る。本実施形態では洗浄水の循環ラインに脱塩塔14A
を設置し、この脱塩塔14Aでイオン成分を除去するよ
うにしているが、循環ラインを形成せずに純水を一過式
に通水することで酸化鉄微粒子からイオン成分を溶出さ
せるフローとしても差し支えない。
【0028】次に、被処理水であるヒータドレン水の濾
過方法について説明する。この濾過工程ではまず、流入
配管20のバルブ20A及び流出配管21のバルブ21
Aが開き、ヒータドレン水を流入配管20から濾過塔1
1の下室17に流入させる。このような操作により中空
糸膜モジュール19によりヒータドレン水中の酸化鉄微
粒子が濾過され、濾過水は上室16を介して流出配管2
1から流出する。この濾過を継続すると、中空糸膜28
の外表面の被覆膜D1にヒータドレン水中から濾過され
た酸化鉄微粒 子が図3に示すように積層して付着層D2
を形成し、この付着層D2により濾過塔11でのヒータ
ドレン水の差圧が徐々に上昇し、それが規定の差圧に到
達した時点でスクラビング洗浄を実施して被覆膜D1
び付着層D2を洗浄して除去する。
【0029】スクラビング洗浄を実施するにはまず、流
入配管20のバルブ20A及び流出配管21のバルブ2
1Aが閉じ、下室17にはヒータドレン水が、また上室
16内には濾過水がそれぞれ満水のままで、空気流入配
管25のバルブ25A及び空気流出配管26のバルブ2
6Aが開くと、空気流入配管25から圧縮空気が流入す
る。圧縮空気は分配機構23の気泡受けで一旦溜まり、
次いで、各分配管24の孔24Aから気泡となって各中
空糸膜モジュール19のスカート29B内に流入し、次
いで下部接合部31の流通孔31Aから各中空糸膜モジ
ュール19内に流入する。中空糸膜モジュール19内で
は気泡の上昇により各中空糸膜28が気泡により振動す
ると共に中空糸膜モジュール19内の水が気泡により攪
拌され、各中空糸膜28の表面に形成された付着層D2
及び被覆膜D1が剥離し、酸化鉄微粒子が濾過塔11の
下室17中に分散する。この気泡はその後中空糸膜モジ
ュール19の流通孔29Cから中空糸膜モジュール19
外へ流出し、ついで空気抜き配管26から濾過塔11外
へ流出する。尚、スクラビング逆洗工程に先立ち、濾過
塔11の下室17内のヒータドレン水の水温を低下させ
る措置を取ることもできる。
【0030】上述のスクラビング逆洗により剥離し、濾
過塔11の下室17内の水中に分散した酸化鉄微粒子は
濾過塔11外へ流出する。そして、空気流出配管26の
バルブ26Aが開いたまま空気流入配管25のバルブ2
5Aが閉じると共に、ドレン抜き配管27のバルブ27
Aが開くと、下室17内で酸化鉄微粒子が分散している
洗浄廃液がドレン抜き配管27から濾過塔11外へ流出
する。尚、洗浄廃液が流出するこの工程は水頭差を用い
るものであるが、空気流出配管26あるいは空気流入配
管25から圧縮空気を流入させると、圧縮空気により濾
過塔11内の洗浄廃液を迅速に流出させることができ
る。このように圧縮空気による攪拌、洗浄排水のブロー
工程が終了した後、上述の酸化鉄微粒子による被覆膜D
1の形成及びその洗浄を行った後、ヒータドレン水の濾
過を行い、この順序で濾過を繰り返す。
【0031】しかして、ヒータドレン水中に含まれてい
る不純物の大部分が酸化鉄である場合には、本発明にお
ける酸化鉄微粒子の被覆膜D1を形成するに当たり、 被
覆膜形成装置12から酸化鉄微粒子を加えなくてもヒー
タドレン水に含まれている酸化鉄をそのまま利用するこ
とができる。即ち、ヒータドレン水の濾過により中空糸
膜28の外表面に捕捉された酸化鉄微粒子は、その濾過
工程期間中にヒータドレン水により十分に洗浄されてい
るため、酸化鉄微粒子からイオン成分は殆ど溶出するこ
とがなく、中空糸膜28の被覆膜D1を形成する酸化鉄
微粒子として使用することができる。また、発電プラン
トにおける他系統、例えば復水浄化系に復水中の不溶解
性物質、即ち酸化鉄微粒子を捕捉できるフィルタを設置
し、そのフィルタで捕捉された復水中の酸化鉄微粒子も
イオン成分が殆ど溶出することがないため、中空糸膜2
8の被覆膜D1を形成する酸化鉄微粒子として使用する
ことができる。
【0032】以上説明したように本実施形態によれば、
発電プラントにおいてヒータドレン水を濾過装置10で
濾過する際に、濾過塔11の中空糸膜28にヒータドレ
ン水を通水して濾過するに先立って、酸化鉄微粒子を添
加した水を中空糸膜28に通水して酸化鉄微粒子の被覆
膜D1を形成した後、被覆膜D1が形成された中空糸膜2
8に水を循環通水すると共に酸化鉄微粒子から循環水に
溶出するイオン成分を除去しておくようにしたため、ヒ
ータドレン水中の不純物を確実に除去することができ、
しかも被覆膜D1を形成する酸化鉄微粒子からイオン成
分の溶出が殆どない。従って、起動時にヒータドレン水
の濾過水からイオン成分を除去する必要がなく、濾過水
をそのまま水蒸気発生器等へ給水でき、ひいては低圧ヒ
ータ6の下流側にイオン交換樹脂を有する脱塩装置を設
置する必要はなくなり、また、起動時に酸化鉄微粒子の
被覆膜D1を洗浄するための系外への排水が不要とな
る。
【0033】また、本実施形態によれば、酸化鉄微粒子
として中空糸膜28から剥離し易い1〜10μの結晶性
の含水酸化鉄(FeOOH)を主成分とする酸化鉄微粒
子を用いるため、スクラビング洗浄時に確実に中空糸膜
28から剥離させることができ、中空糸膜28の目詰ま
りを防止し、中空糸膜28の寿命を長期間に渡り低下さ
せる虞がない。
【0034】
【実施例】次に、具体的な実施例に基づいて本発明を説
明する。 実施例1 本実施例では下記の実験条件で中空糸膜にα−FeOO
Hの微粒子またはα−Fe34の微粒子をプリコートし
て中空糸膜の表面に酸化鉄微粒子の被覆膜を作り、それ
ぞれの被覆膜を有する中空糸膜による下記の被処理水の
通水試験を行い、この被処理水中に含まれている鉄の除
去性能について調べ、その結果を図5に示した。
【0035】図5に示す結果によれば、α−FeOOH
の微粒子からなる被覆膜の方がα−Fe34の微粒子か
らなる被覆膜よりも鉄に対する除去性能が優れているこ
とが判った。
【0036】〔実験条件〕 1.中空糸膜の微細孔 :0.2μm 2.酸化鉄微粒子 α−FeOOHの粒径:1〜3μm 被覆膜:5g(酸化鉄微粒子)/m2(中空糸膜) α−Fe34の粒径 :1〜3μm 被覆膜:5g(酸化鉄微粒子)/m2(中空糸膜) 3.被処理水 鉄の濃度 :100ppb 酸化鉄微粒子の粒径:鉄の濃度の内約70%が0.1μ
m以下 被処理水の導電率 :1μS以下 水温 :25℃
【0037】実施例2 本実施例では図1に示す濾過装置として下記の仕様で小
型実験濾過塔を製作し、この小型実験濾過塔を用いて以
下の実験を行った。即ち、下記の酸化鉄微粒子を下記の
条件で貯留槽内の水中に分散させて酸化鉄微粒子の懸濁
液を調整した後、濾過塔と脱塩塔間で水を循環させ、水
の循環ループを形成した。
【0038】その後、貯留槽から循環ループ内に酸化鉄
微粒子の懸濁液を注入し、各中空糸膜の外側から内側へ
通水することで、各中空糸膜の外表面に下記実験条件で
示す膜厚の酸化鉄微粒子の被覆膜を形成した。次いで、
循環洗浄により酸化鉄微粒子から溶出するイオン濃度を
測定した。溶出するイオン種は主にNa+、Cl-、SO
4 2-であるが、本実施例ではSO4 2-についてその濃度の
経時変化を追跡し、その結果を図6に示した。尚、図6
の斜線部分は洗浄装置を設けていない場合に給水中に持
ち込まれるSO4 2-量を示す。
【0039】図6に示す結果によれば、洗浄装置を設け
ることで斜線部分の給水中への持ち込みをなくし、従来
同様の給水水質管理が可能となることが判った。
【0040】 〔小型実験濾過塔の仕様〕 1.中空糸膜モジュール 中空糸膜;微細孔:0.2μm前後 外径 :1mm 内径 :0.7mm 長さ :1.1m 本数 :250本 保護筒 ;直径 :25mm 2.中空糸膜モジュールの使用本数:1本 3.脱塩塔 :カチオン交換樹脂:IR−120B(ローム&ハース社製) 使用容量:2L :アニオン交換樹脂:IRA−400T(ローム&ハース社製) 使用容量:2L
【0041】 〔実験条件〕 1.酸化鉄微粒子:α−FeOOH 粒径:1〜3μ 2.被覆膜 :2g(酸化鉄微粒子)/m2(中空糸膜)
【0042】尚、本発明は上記実施形態に何等制限され
るものではない。例えば、中空糸膜フィルタの他にフィ
ルタとしてプリーツ型フィルタ、セラミックフィルタ、
金属フィルタ、焼結金属フィルタ、ディスクフィルタ等
の素材を用いることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の請求項1〜請求項3に記載の発
電プラントにおけるヒータドレン水の濾過方法及び発電
プラントにおけるヒータドレン水の濾過装置によれば、
発電所のヒータドレン水に含まれている酸化鉄を主成分
とする不純物を安定且つ確実に除去し、ひいては蒸気発
生器あるいはボイラへ持ち込まれる酸化鉄を主成分とす
る不純物を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発電プラントにおけるヒータドレン水
の濾過方法を実施する際に用いられる本発明の濾過装置
の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示す濾過装置に用いられた中空糸膜モジ
ュールを示す断面図である。
【図3】図1に示す濾過装置でヒータドレン水を濾過す
る時の中空糸膜の状態を部分的に拡大して示す断面図で
ある。
【図4】図1に示す濾過装置が適用された発電所プラン
トの低圧給水ヒータの系統を示す構成図である。
【図5】結晶性の含水酸化鉄(α−FeOOH)と酸化
鉄(α−Fe23)の微細鉄粒子の除去性能を実験によ
り調べた結果を示すグラフである。
【図6】図1に示す濾過装置による循環洗浄の結果を示
すグラフである。
【符号の説明】
10 濾過装置 11 濾過塔 12 被覆膜形成装置 13 洗浄装置 28 中空糸膜(フィルタ) D1 被覆膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】 上記酸化鉄微粒子は、中空糸膜28の膜
面に付着しても後述のスクラビング逆洗工程で容易に剥
離し得る酸化鉄微粒子が好ましく、例えば、1〜10μ
のα−FeOOH等の結晶性の含水酸化鉄及びFe34
(マグネタイト)等の酸化鉄微粒子が好ましい。これら
の酸化鉄微粒子は非粘着性であり、中空糸膜28の表面
に薄い被覆膜D1を形成してもスクラビング逆洗で容易
に剥離し、しかも市販されているため容易に入手するこ
とができる。酸化鉄微粒子の粒径が1μ未満では中空糸
膜28からの剥離性が低下する虞があり、また、10μ
を超えるとヒータドレン水中に含まれる比較的粒径の小
さな酸化鉄が被覆膜D1を通過し、小さな酸化鉄を被覆
膜D1により捕捉できなくなる虞がある。また、酸化鉄
微粒子の除去性能に着目すれば、結晶性の含水酸化鉄が
微細な酸化鉄微粒子を除去する性能に優れている。この
ことは、後述する実施例1の実験結果を示した図5から
も明かである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【実施例】次に、具体的な実施例に基づいて本発明を説
明する。 実施例1 本実施例では下記の実験条件で中空糸膜にα−FeOO
Hの微粒子またはα−Fe23 の微粒子をプリコートし
て中空糸膜の表面に酸化鉄微粒子の被覆膜を作り、それ
ぞれの被覆膜を有する中空糸膜による下記の被処理水の
通水試験を行い、この被処理水中に含まれている鉄の除
去性能について調べ、その結果を図5に示した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】 図5に示す結果によれば、α−FeOO
Hの微粒子からなる被覆膜の方がα−Fe23 の微粒子
からなる被覆膜よりも鉄に対する除去性能が優れている
ことが判った。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】〔実験条件〕 1.中空糸膜の微細孔 :0.2μm 2.酸化鉄微粒子 α−FeOOHの粒径:1〜3μm 被覆膜:5g(酸化鉄微粒子)/m2(中空糸膜)α−Fe23 の粒径 :1〜3μm 被覆膜:5g(酸化鉄微粒子)/m2(中空糸膜) 3.被処理水 鉄の濃度 :100ppb 酸化鉄微粒子の粒径:鉄の濃度の内約70%が0.1μ
m以下 被処理水の導電率 :1μS以下 水温 :25℃
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 また、図1に示すように上記循環配管1
3には上記脱塩装置14が配設されている。この脱塩装
置14は、例えば、強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基
性アニオン交換樹脂が充填された混床式の脱塩塔14A
と、脱塩塔14Aの上流側に配設された循環ポンプ14
Bと、循環ポンプ14Bの上流側及び脱塩塔14Aの下
流側に配設されたバルブ14C、14Dとを備えてい
る。この脱塩装置14は、被覆膜形成装置12により中
空糸膜28の外表面に酸化鉄微粒子の被覆膜D1を形成
した後に、バルブ14C、14Dを開いた状態で循環ポ
ンプ14Bを駆動することにより濾過塔11内に充満し
た水を循環配管13を介して循環させる間に脱塩塔14
Aにおいて脱塩処理し、被覆膜D1から水中に溶出する
Na+、Cl-、SO4 2-等のイオン成分を除去するよう
にしてある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒータドレン水を水蒸気発生用水として
    供給する前にフィルタに通水し、フィルタによりヒータ
    ドレン水を濾過する方法であって、上記フィルタに上記
    ヒータドレン水を通水するに先立って、酸化鉄微粒子を
    添加した水を上記フィルタに通水してフィルタの濾過面
    に酸化鉄微粒子の被覆膜を形成した後、上記被覆膜が形
    成されたフィルタに水を通水することによって上記酸化
    鉄微粒子から水に溶出する不純物を除去しておくことを
    特徴とする発電プラントにおけるヒータドレン水の濾過
    方法。
  2. 【請求項2】 上記酸化鉄微粒子は、1〜10μのα−
    FeOOH等の結晶性の含水酸化鉄を主成分とすること
    を特徴とする請求項1に記載の発電プラントにおけるヒ
    ータドレン水の濾過方法。
  3. 【請求項3】 ヒータドレン水を水蒸気発生用水として
    供給する前にフィルタに通水し、フィルタによりヒータ
    ドレン水を濾過する濾過装置であって、上記ヒータドレ
    ン水をフィルタにより濾過する濾過塔と、上記フィルタ
    に酸化鉄微粒子が添加された水を通水して上記フィルタ
    の濾過面に酸化鉄微粒子の被覆膜を形成する被覆膜形成
    装置と、上記濾過塔に水を通水する間に上記被覆膜の酸
    化鉄微粒子から溶出する不純物を除去する洗浄装置とを
    備えたことを特徴とする発電プラントにおけるヒータド
    レン水の濾過装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013129172A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 栗田工業株式会社 タービン設備及びヒータドレイン水の水処理方法
JP2021102182A (ja) * 2019-12-24 2021-07-15 株式会社クラレ 中空糸膜モジュール及びその洗浄方法

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