JP2001342936A - セラミックヒータ型グロープラグおよびその製造方法 - Google Patents

セラミックヒータ型グロープラグおよびその製造方法

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JP2001342936A JP2000165453A JP2000165453A JP2001342936A JP 2001342936 A JP2001342936 A JP 2001342936A JP 2000165453 A JP2000165453 A JP 2000165453A JP 2000165453 A JP2000165453 A JP 2000165453A JP 2001342936 A JP2001342936 A JP 2001342936A
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隆 青田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負極側リードが接続不良を起こすことがない
セラミックヒータ型グロープラグおよびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 負極側リード25の後端部が露出する接
続孔29をセラミックス発熱体22の後端面および外周
面に開口するように形成する。前記接続孔29に挿入し
た接続部材27の挿入側端部を前記負極側リード25に
ろう付けする。この接続部材27におけるセラミックス
発熱体22の後方へ突出する外端部を金属製外筒3の内
面にろう付けした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス発熱
体を金属製外筒に挿入し、セラミックス発熱体内の導体
を金属製外筒に接続したセラミックヒータ型グロープラ
グに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のセラミックヒータ型グロ
ープラグとしては、例えば図8に示すように構成された
ものがある。図8は自動車用ディーゼルエンジンに装備
する従来のセラミックヒータ型グロープラグの断面図で
ある。同図において、符号1で示すものは、従来のセラ
ミックヒータ型グロープラグである。このグロープラグ
1は、図示していないエンジンのシリンダヘッドに螺着
する円筒状のハウジング2と、このハウジング2の先端
部内に金属製外筒3を介して取付けた円柱状のセラミッ
クス発熱体4と、ハウジング2の後端部に絶縁部材5を
介して取付けた外部接続端子6などによって構成してい
る。
【0003】前記セラミックス発熱体4は、W(タング
ステン)線コイルからなる発熱体7と、この発熱体7の
両端部に接続した導体、すなわち正極側リード8および
負極側リード9とを絶縁性セラミックス10内に埋設し
た構造を採っており、先端部と後端部とが金属製外筒3
から突出する状態で金属製外筒3に圧入やろう付けなど
によって固着している。この金属製外筒3は、細長くな
るように形成されたセラミックス発熱体4を補強すると
ともに、ハウジング2に強固に固定するためのもので、
セラミックス発熱体4を組付けた状態で前記ハウジング
2の先端部に装着し、例えばろう付けによって固着して
いる。
【0004】前記正極側リード8は、セラミックス発熱
体4の後端部の外面に後端が露出しており、この露出部
分に、前記外部接続端子6から前方(グロープラグ1の
先端側)へ延びる電極取出し金具11のコイル11aを
ろう付けによって接続している。前記コイル11aは、
セラミックス発熱体4の後端部に嵌合させている。前記
負極側リード9は、セラミックス発熱体4の外周面に導
出し、金属製外筒3の内周面にろう付けされた状態で電
気的に接続している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように構成した従来のグロープラグは、長期にわたっ
て使用することによって発熱体7が発熱しなくなるおそ
れがあった。これは、セラミックス発熱体4とは熱膨張
率が異なる材料からなる金属製外筒3に負極側リード9
をろう材を介して結合しているが、このろう材の厚さが
薄く(例えば、50ミクロン程度)、熱影響で生じるセ
ラミックス発熱体4と金属製外筒3との相対変位を吸収
するのが不十分であるからである。
【0006】すなわち、グロープラグ発熱時やエンジン
運転時(熱間時)に、負極側リード9が金属製外筒3に
接触した状態で金属製外筒3に対して僅かに変位し、エ
ンジン停止後に初期の状態に復帰するようになり、長期
間にわたって使用することにより、前記熱サイクル(熱
膨張・収縮)によって負極側リード9と金属製外筒3と
の接触部分が摩耗して接触不良を起こしたり、あるいは
負極側リード9が疲労破壊して脱落するからである。
【0007】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、負極側リードが接続不良を起こすこ
とがないセラミックヒータ型グロープラグおよびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明に係るセラミックヒータ型グロープラグは、
セラミックス発熱体内の導体の後端部が露出する接続孔
をセラミックス発熱体の後端面に開口するように形成
し、この接続孔に挿入した接続部材の挿入側端部を前記
導体にろう付けするとともに、この接続部材におけるセ
ラミックス発熱体の後方へ突出する外端部を金属製外筒
の内面にろう付けしたものである。本発明によれば、導
体は接続部材を介して金属製外筒に電気的に接続され、
これらの部材の接続部分は、ろう材によって相対的な変
位が阻止される。
【0009】請求項2に記載した発明に係るセラミック
ヒータ型グロープラグは、請求項1に記載した発明に係
るセラミックヒータ型グロープラグにおいて、接続孔を
金属製外筒の軸線方向に延びるように形成してセラミッ
クス発熱体の外周面に開口させたものである。この発明
によれば、この接続孔に挿入する接続部材を一直線状に
形成することができ、この接続部材を長手方向の全域に
わたって金属製外筒にろう付けすることができる。
【0010】請求項3に記載した発明に係るセラミック
ヒータ型グロープラグは、セラミックス発熱体内の導体
の後端部が露出する接続孔をセラミックス発熱体の後端
面と外周面とに開口するように形成し、この接続孔に充
填したろう材を介して前記導体を金属製外筒の内面に接
続したものである。この発明によれば、導体は、接続孔
に充填したろう材を介して金属製外筒に電気的に接続さ
れ、導体と金属製外筒の電気的接続部分は、ろう材によ
って相対的な変位が吸収される。
【0011】請求項4に記載した発明に係るセラミック
ヒータ型グロープラグの製造方法は、セラミックス発熱
体を焼成する以前の成形体の後端部に、高融点金属から
なる接続孔形成用部材を導体の後端部が接触するように
埋設し、セラミックス発熱体を焼成した後、前記接続孔
形成用部材を除去することによってセラミックス発熱体
の後端面に開口する接続孔を形成し、この接続孔に接続
部材を挿入して挿入側端部を前記導体にろう付けした
後、セラミックス発熱体を金属製外筒に嵌入させ、前記
接続部材におけるセラミックス発熱体の後方に突出する
外端部を前記金属製外筒の内面にろう付けすることによ
り実施する。
【0012】この発明によれば、硬度が高いセラミック
ス発熱体に機械加工を施すことなく接続孔を形成するこ
とができる。また、セラミックス発熱体を焼結した後に
接続孔を形成しているから、焼結前に接続孔を形成する
方法に較べて熱や圧力によって変形することがなく、接
続孔を接続部材が正確に挿入されるように高い精度をも
って形成することができる。
【0013】請求項5に記載した発明に係るセラミック
ヒータ型グロープラグの製造方法は、セラミックス発熱
体を焼成する以前の成形体の後端部に、高融点金属から
なる接続孔形成用部材を導体の後端部が接触するととも
に前記成形体の後端面および外周面に露出するように埋
設し、セラミックス発熱体を焼成した後、前記接続孔形
成用部材を除去することによってセラミックス発熱体の
後端面および外周面に開口する接続孔を形成し、セラミ
ックス発熱体を金属製外筒に嵌入させた後、前記接続孔
にろう材を充填して前記導体と金属製外筒の内面とを接
続することにより実施する。
【0014】この発明によれば、セラミックス発熱体の
後端面と外周面に開口する接続孔を、硬度が高いセラミ
ックス発熱体に機械加工を施すことなく形成することが
できる。しかも、セラミックス材料に対するろう材の濡
れ性は低いから、特別なマスク材を使用することなく接
続孔内のみにろう材を充填することができる。また、セ
ラミックス発熱体を焼結した後に接続孔を形成している
から、焼結前に接続孔を形成する方法に較べて熱や圧力
によって変形することがなく、接続孔の開口部を高い精
度をもって形成することができる。
【0015】請求項6に記載した発明に係るセラミック
ヒータ型グロープラグの製造方法は、請求項4または請
求項5に記載した発明に係るセラミックヒータ型グロー
プラグの製造方法において、接続孔形成用部材を酸で溶
解することによって除去することにより実施する。この
発明によれば、接続孔形成用部材の形状(接続孔の形
状)の自由度を増大させることができる。このため、請
求項4に記載した発明に係る製造方法を実施する場合に
は、接続部材に適合する形状に接続孔を形成することが
できる。また、請求項5に記載した発明に係る製造方法
を実施する場合には、接続孔の開口形状をろう付けがし
易くなるとともにろう材が金属製外筒と導体とに確実に
接触するように形成することができる。
【0016】請求項7に記載した発明に係るセラミック
ヒータ型グロープラグの製造方法は、セラミックス発熱
体内の導体の材料を導電性セラミックスとしてこの導体
の後端部にセラミックス発熱体の後端面および外周面に
開口する接続孔を形成し、セラミックス発熱体を焼成し
て金属製外筒に嵌入させた後、前記接続孔にろう材を充
填して導体と金属製外筒の内面とを接続することにより
実施する。この発明によれば、導体に接続孔が形成され
ているから、接続孔を焼成前に形成するにもかかわら
ず、ろう材によって導体を金属製外筒に確実に接続する
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明に係るセラミックヒータ型グロープラグおよびその製
造方法の一実施の形態を図1および図2によって詳細に
説明する。図1は本発明に係るセラミックヒータ型グロ
ープラグの断面図、図2は負極側リードを接続部材によ
って金属製外筒に接続するグロープラグの製造方法を説
明するための図で、同図(a)はセラミックス発熱体の
後端面を示す図、同図(b)はセラミックス発熱体の焼
成後の状態を示す断面図、同図(c)は接続孔を形成し
た状態を示す断面図、同図(d)は接続部材をろう付け
した状態を示す断面図、同図(e)はセラミックス発熱
体を金属製外筒に装着した状態を示す断面図である。こ
れらの図において、前記図8によって説明したものと同
一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細
な説明は省略する。
【0018】図1および図2において、符号21で示す
ものは、この実施の形態によるセラミックヒータ型グロ
ープラグである。このグロープラグ21は、従来のもの
と同様にハウジング2の先端部に金属製外筒3を介して
セラミックス発熱体22を取付けている。このセラミッ
クス発熱体22は、W線コイルからなる発熱体23の一
端部に正極側リード24を接続するとともに、他端部に
負極側リード25を接続し、これらを絶縁性セラミック
ス26内に埋設した構造を採っている。前記正極側リー
ド24と負極側リード25も発熱体23と同様にWによ
って形成している。
【0019】前記正極側リード24は、後端部(接続側
端部24a)をセラミックス発熱体22の後端部まで延
設し、セラミックス発熱体22の内部で電極取出し金具
11の前端部(接続側端部11a)を接続している。負
極側リード25も正極側リード24と同様に、後端部
(接続側端部25a)をセラミックス発熱体22の後端
部まで延設し、セラミックス発熱体22の内部で後述す
る接続部材27に接続している。接続部材27は、この
実施の形態では電極取出し金具11と同じ金属材料によ
って棒状に形成し、後端部がセラミックス発熱体22の
後端面から後方へ突出する状態で前端部をセラミックス
発熱体22の内部に挿入している。また、この接続部材
27の前端部は、負極側リード25にろう付けしてい
る。
【0020】さらに、この接続部材27は、セラミック
ス発熱体22の外周面から一部が露出するように配設し
ており、前記露出部分を金属製外筒3に接触させてろう
付けしている。このろう付け部分は、接続部材27の長
手方向の全域にわたって延在している。前記負極側リー
ド25が本発明に係る導体を構成している。
【0021】正極側リード24と電極取出し金具11と
の接続と、負極側リード25と接続部材27との接続
は、図2(b)に示すようにセラミックス発熱体22の
後端部に形成した接続孔28,29を使用して行ってい
る。すなわち、接続孔28,29の内部に正極側リード
24の接続側端部24aと負極側リード25の接続側端
部25aを露出させ、接続孔28に電極取出し金具11
の接続側端部11aを挿入して正極側リード24の接続
側端部24aにろう付けするとともに、接続孔29に接
続部材27の前端部を挿入して負極側リード25の接続
側端部25aにろう付けしている。この実施の形態で
は、正極側リード24と電極取出し金具11とを両者の
側面どうしが接触するように配線し、接触部をろう付け
している。負極側リード25も接続部材27に側面どう
しが接触するように配線し、接触部をろう付けしてい
る。
【0022】前記接続孔28,29は、セラミックス発
熱体22に焼結前に埋設した円柱状の接続孔形成用部材
30{図2(a)参照}を焼結後に除去することによっ
て形成している。この接続孔形成用部材30は、この実
施の形態では高融点金属であるMo(モリブデン)の線
材によって形成している。前記電極取出し金具11と接
続部材27は、Ni線やステンレス線などの線材によっ
て形成している。
【0023】電極取出し金具11は、ハウジング2内を
セラミックス発熱体22から後方(セラミックス発熱体
22とは反対側)へ延びて外部接続端子6に接続してい
る。この実施の形態では、外部接続端子6を円筒状に形
成しており、電極取出し金具11を外部接続端子6の中
空部に挿通させて後方へ導出し、外部接続端子6の後端
部にろう付けしている。外部接続端子6の固定は、外部
接続端子6に円筒状の絶縁部材5を固着してなる組立体
をハウジング2の後端開口から内部に挿入し、前記絶縁
部材5が嵌合する段部2aを形成したハウジング2の後
端部をかしめることによって行っている。このようにハ
ウジング2の後端部をかしめることによって、絶縁部材
5とハウジング2内面との間がシールされる。
【0024】次に、この実施の形態によるセラミックス
ヒータ型グロープラグ21の製造方法について説明す
る。先ず、発熱体23(W線コイル)と正極側、負極側
リード24,25とからなる組立体を形成し、正極側リ
ード24と負極側リード25の後端部に接続孔形成用部
材30を例えばワイヤ(図示せず)によってそれぞれ縛
り付ける。両リード24,25に接続孔形成用部材30
を仮に取付けるためには、接着剤を使用してもよい。接
続孔形成用部材30を取付けた後、この組立体を図示し
ていない成形型に装填し、ホットプレス焼成を行う。
【0025】前記成形型は、セラミックス発熱体22を
径方向に2分割したような形状のキャビティを有する下
型と上型とを備えている。この成形型による成形方法
は、前記上下の型に絶縁性セラミックス粉体をそれぞれ
充填し、前記組立体を両型の間に挟んだ状態で型締めす
る方法を採っている。型締め時には、正極側リード24
に取付けた接続孔形成用部材30をその後端面がセラミ
ックス発熱体22の後端面と同一平面上に位置づけられ
るように配置する。また、負極側リード25に取付けた
接続孔形成用部材30を、側部がセラミックス発熱体2
2の外周面に露出するとともに、後端部がセラミックス
発熱体22から後方に突出するように配置しておく。
【0026】このように接続孔形成用部材30を配置し
て焼成を行うことにより、セラミックス発熱体22は、
図2(a),(b)に示すように、後端面に2本の接続
孔形成用部材3が露出する状態で焼成される。焼成終了
後、セラミックス発熱体22から前記接続孔形成用部材
30を除去し、接続孔28,29を形成する。接続孔2
8,29は、セラミックス発熱体22の軸線方向に延び
るように形成される。接続孔形成用部材30を除去する
方法は、この実施の形態では溶解を採用した。すなわ
ち、王水と硫酸の混合液にセラミックス発熱体22を浸
漬し、接続孔形成用部材30を溶解させる。このとき、
Moからなる接続孔形成用部材30は溶解されるが、W
からなる正極側リード24および負極側リード25は溶
解されることがない。
【0027】接続孔形成用部材30が溶解されることに
よって、図2(c)に示すように、セラミックス発熱体
22の後端部に接続孔28,29が形成される。接続孔
28内には、正極側リード24の接続側端部24aが露
出し、接続孔29内には、負極側リード25の接続側端
部25aが露出する。なお、接続孔形成用部材30を溶
解によって除去する代わりに、ドリル(図示せず)で接
続孔形成用部材30を後方から切削することによって
も、接続孔28,29をセラミックス発熱体22の後端
部に形成することができる。
【0028】このように接続孔28,29を形成した
後、図2(d)に示すように、接続孔28,29に電極
取出し金具11の接続側端部11aと接続部材27の前
端部を挿入し、この状態でろう付けを行う。このろう付
け作業によって、ろう材が接続孔28,29の開口部か
ら内部に浸入し、正極側リード24にろう材を介して電
極取出し金具11が接続するとともに、負極側リード2
5にろう材を介して接続部材27が接続するようにな
る。なお、ろう付けを実施する以前に、接続孔28,2
9の孔壁面に従来からよく知られているメタライジング
処理を施してもよい。メタライジング処理を前記孔壁面
に施すことによって、ろう材が前記孔壁面に濡れ拡がる
ようになる。すなわち、ろう材は、セラミックス発熱体
22の後端面には濡れ拡がることはなく、接続孔内のみ
に濡れ拡がるようになるから、電極取出し金具11と接
続部材27とがろう材を介して短絡してしまうのを阻止
することができる。この結果、電極取出し金具11のろ
う付けと接続部材27のろう付けを同一の工程で実施で
きるようになる。
【0029】電極取出し金具11と接続部材27とをセ
ラミックス発熱体22に接続した後、図2(e)に示す
ように、セラミックス発熱体22の後端部を金属製外筒
3に前方から圧入し、金属製外筒3に接続部材27をろ
う付けする。このろう付けは、金属製外筒3の後端側か
ら内部にろう材を挿入し、接続部材27と金属製外筒3
との接触部分に供給することによって行う。このとき、
接続部材27の側部は金属製外筒3の内周面に長手方向
の全域にわたって接触しているから、ろう材が接続部材
27の長手方向の略全域に濡れ拡がるようになる。
【0030】ろう付け終了後、金属製外筒3を図1に示
すようにハウジング2の前端部に前方から圧入する。こ
のようにハウジング2の前端部にセラミックス発熱体2
2を取付けた後、ハウジング2の後端部に外部接続端子
6を取付ける。外部接続端子6は、予め外周部に絶縁部
材5を固着しておき、中空部に電極取出し金具11を挿
通させながらハウジング2の後端部内に挿入する。前記
絶縁部材5をハウジング内側の段部2a(図1参照)に
当接させた状態でハウジング2をかしめることによっ
て、外部接続端子6がハウジング2の後端部に固定され
る。外部接続端子6をハウジング2に固定した後、電極
取出し金具11を外部接続端子6の後端部にろう付けす
ることによって、このグロープラグ21の組立てが完了
する。
【0031】このように構成したセラミックヒータ型グ
ロープラグ21においては、負極側リード25の接続側
端部25a(後端部)が露出する接続孔29をセラミッ
クス発熱体22の後端面および外周面に開口するように
形成し、この接続孔に挿入した接続部材27の前端部を
負極側リード25にろう付けするとともに、この接続部
材27における金属製外筒3の内周面に接触する側部を
金属製外筒3の内面にろう付けしているから、負極側リ
ード25は接続部材27を介して金属製外筒3に電気的
に接続され、これらの部材の接続部分は、ろう材によっ
て相対的な変位が阻止されるようになる。この結果、こ
のグロープラグ21の発熱部分で熱膨張・収縮が繰り返
されたとしても、負極側リード25と金属製外筒3とが
導通する状態を維持することができる。
【0032】また、接続孔29を金属製外筒3の軸線方
向に延びるように形成してセラミックス発熱体22の外
周面に開口させているから、接続孔29に挿入する接続
部材27を一直線状に形成することができ、この接続部
材27を長手方向の全域にわたって金属製外筒3にろう
付けすることができる。このため、接続部材27と金属
製外筒3とのろう付け部分の長さを長くすることがで
き、負極側リード25と金属製外筒3との間の電気的接
続部分の信頼性が高くなる。
【0033】さらに、この実施の形態によるセラミック
ヒータ型グロープラグ21の製造方法によれば、接続孔
形成用部材30を埋設してセラミックス発熱体22を焼
成し、焼成後に接続孔形成用部材30を除去することに
よって接続孔28,29を形成しているから、硬度が高
いセラミックス発熱体22に機械加工を施すことなく接
続孔28,29を形成することができる。また、焼結前
に接続孔を形成する方法に較べて熱や圧力によって変形
することがなく、接続孔29を接続部材27が正確に挿
入されるように高い精度をもって形成することができ
る。
【0034】さらにまた、接続孔形成用部材30を酸で
溶解することによって除去しているから、接続孔形成用
部材30の形状(接続孔の形状)の自由度を増大させる
ことができる。このため、接続部材27に適合する形状
に接続孔29を形成することができる。
【0035】(第2の実施の形態)負極側リードと金属
製外筒とを接続する接続部材は、図3に示すように形成
することができる。図3はクランク軸状に曲げられた接
続部材を使用する他の実施の形態を示す図で、同図
(a)はセラミックス発熱体の後端面を示す図、同図
(b)はセラミックス発熱体の焼成後の状態を示す断面
図、同図(c)は接続孔を形成した状態を示す断面図、
同図(d)は電極取出し金具を接続した状態を示す断面
図、同図(e)はセラミックス発熱体を金属製外筒に装
着した状態を示す断面図である。図3おいて、前記図1
および図2によって説明したものと同一もしくは同等の
部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略す
る。
【0036】図3に示す接続部材27は、接続孔29に
挿入する前端部27aに対して後端部27bがセラミッ
クス発熱体22の径方向の外側に偏在するクランク軸状
に形成している。この後端部27bを金属製外筒3の内
周面にろう付けすることができるように構成している。
この接続部材27を使用するために、負極側リード25
が露出する接続孔29は、セラミックス発熱体22の軸
心の近傍に形成している。
【0037】この接続部材27に負極側リード25を接
続する方法は、前記第1の実施の形態を採るときと同様
の方法を採っている。すなわち、正極側リード24と負
極側リード25にそれぞれ接続孔形成用部材30を取付
け、この組立体を成形型に装填して図3(a),(b)
に示すようにセラミックス発熱体22を焼成する。焼成
後に、接続孔形成用部材30を溶解や切削によって除去
し、同図(c)に示すように接続孔28,29を形成す
る。これらの接続孔28,29のうち接続孔28に正極
側リード24の接続側端部24aが露出し、他方の接続
孔29に負極側リード25の接続側端部25aが露出す
る。ここで、接続孔28,29の孔壁面にメタライジン
グ処理を施してもよい。
【0038】そして、同図(d)に示すように、接続孔
28,29に電極取出し金具11と接続部材27を挿入
してそれぞれろう付けし、同図(e)に示すようにセラ
ミックス発熱体22を金属製外筒3に圧入する。圧入
後、接続部材27の後端部27bを金属製外筒3の内周
面にろう付けする。この後の工程は、第1の実施の形態
を採る場合と同一である。
【0039】このようにクランク軸状に形成された接続
部材27を用いて負極側リード25と金属製外筒3とを
接続しても前記第1の実施の形態を採る場合と同等の効
果を奏する。クランク軸状に形成された接続部材27を
使用することにより、熱膨張・収縮時の熱応力で接続部
材27が屈曲するようになるから、ろう付け部分に過大
な荷重が加えられるのを阻止することができる。
【0040】(第3の実施の形態)負極側リードに接続
部材を接続するためには、図4に示すように接続子を使
用することができる。図4は接続子を使用して二つのリ
ードを電極取出し金具と接続部材に接続する他の実施の
形態を示す図で、同図(a)はセラミックス発熱体の後
端面を示す図、同図(b)はセラミックス発熱体の焼成
後の状態を示す断面図、同図(c)は接続孔を形成した
状態を示す断面図、同図(d)は電極取出し金具を接続
した状態を示す断面図、同図(e)はセラミックス発熱
体を金属製外筒に装着した状態を示す断面図である。図
4おいて、前記図1ないし図3によって説明したものと
同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳
細な説明は省略する。
【0041】図4に示すセラミックス発熱体22は、後
端部に絶縁性セラミックスからなる接続子31を埋設
し、この接続子31を使用して正極側リード24と負極
側リード25の接続側端部24a,25aを電極取出し
金具11と接続部材27にそれぞれ接続している。この
接続子31は、前記両リード24,25を電極取出し金
具11と接続部材27に接続するために、前記第1の実
施の形態で示した接続構造を採用している。すなわち、
正極側リード24と負極側リード25に接続孔形成用部
材30をそれぞれワイヤや接着剤で取付けた状態で接続
子31を成形し、この接続子31と両リード24,25
や発熱体23(Wコイル)などからなる組立体をセラミ
ックス発熱体用成形型に装填してセラミックス発熱体2
2を焼成する。
【0042】焼成後の状態を図4(a),(b)に示
す。焼成後に接続孔形成用部材30を溶解や切削によっ
て除去し、同図(c)に示すように二つの接続孔28,
29を形成する。このように接続孔28,29を形成す
ることにより、接続孔28に正極側リード24の接続側
端部24aが露出し、接続孔29に負極側リード25の
接続側端部25aが露出する。ここで、接続孔28,2
9の孔壁面にメタライジング処理を施してもよい。そし
て、同図(d)に示すように、これらの接続孔28,2
9に電極取出し金具11と接続部材27とを挿入してそ
れぞれろう付けし、同図(e)に示すようにセラミック
ス発熱体22を金属製外筒3に圧入する。その後に接続
部材27の後端部27bを金属製外筒3の内周面にろう
付けする。この後の工程は、第1の実施の形態を採る場
合と同一である。図4に示すように構成しても第1の実
施の形態を採る場合と同等の効果を奏する。
【0043】(第4の実施の形態)負極側リードを金属
製外筒に接続するためには、図5に示すように接続孔内
のろう材を金属製外筒の内周面に接合させる構成を採る
ことができる。図5は負極側リードをろう材によって金
属製外筒に接続する他の実施の形態を示す図で、同図
(a)はセラミックス発熱体の後端面を示す図、同図
(b)はセラミックス発熱体の焼成後の状態を示す断面
図、同図(c)は接続孔を形成した状態を示す断面図、
同図(d)は接続部材をろう付けした状態を示す断面
図、同図(e)はセラミックス発熱体を金属製外筒に装
着した状態を示す断面図である。
【0044】この実施の形態によるセラミックス発熱体
22は、第1〜第3の実施の形態を採るときとは異な
り、接続部材27を使用することなく負極側リード25
を金属製外筒3に接続している。すなわち、負極側リー
ド25の接続側端部が露出する接続孔29をセラミック
ス発熱体22の後端部にセラミックス発熱体22の後端
面と外周面とに開口するように形成し、この接続孔29
に充填したろう材32{(図5(e)参照}を介して負
極側リード25を金属製外筒3にろう付けしている。
【0045】この実施の形態によるグロープラグ21を
製造するためには、先ず、第1の実施の形態を採るとき
と同様に、接続孔形成用部材30を正極側リード24と
負極側リード25に取付け、この組立体を成形型に装填
して図5(a),(b)に示すようにセラミックス発熱
体22を焼成する。焼成後に、接続孔形成用部材30を
溶解や切削によって除去し、同図(c)に示すように接
続孔28,29を形成する。これらの接続孔28,29
のうち接続孔28に正極側リード24の接続側端部24
aが露出し、接続孔29に負極側リード25の接続側端
部25aが露出する。この実施の形態においても、接続
孔28,29を形成した後に接続孔28,29の孔壁面
にメタライジング処理を施すことができる。
【0046】しかる後、図5(d)に示すように、正極
側リード24が露出している方の接続孔28に電極取出
し金具11を挿入してろう付けし、同図(e)に示すよ
うにセラミックス発熱体22を金属製外筒3に圧入す
る。圧入後、負極側リード25が露出している接続孔2
9に金属製外筒3の後端側からろう材32を充填し、負
極側リード25を金属製外筒3の内周面にろう付けす
る。この後の工程は、第1の実施の形態を採る場合と同
一である。
【0047】図5に示すように構成しても第1の実施の
形態を採る場合と同等の効果を奏する。すなわち、この
実施の形態においては、負極側リード25の接続側端部
25aが露出する接続孔29をセラミックス発熱体22
の後端面と外周面とに開口するように形成し、この接続
孔29に充填したろう材32を介して負極側リード25
を金属製外筒3の内面に接続しているから、負極側リー
ド25と金属製外筒3の電気的接続部分は、ろう材32
によって相対的な変位が阻止されるようになる。この結
果、このグロープラグ21の発熱部分で熱膨張・収縮が
繰り返されたとしても、負極側リード25と金属製外筒
3とが導通する状態を維持することができる。
【0048】しかも、セラミックス発熱体22を焼成す
る以前に埋設した接続孔形成用部材30を焼成後に除去
することによって接続孔29を形成しているから、セラ
ミックス発熱体22の後端面と外周面に開口する接続孔
29を、硬度が高いセラミックス発熱体22に機械加工
を施すことなく形成することができる。しかも、セラミ
ックス材料に対するろう材32の濡れ性は低いから、特
別なマスク材を使用することなく接続孔29内のみにろ
う材32を充填することができる。その上、セラミック
ス発熱体22を焼結した後に接続孔29を形成している
から、焼結前に接続孔を形成する方法に較べて熱や圧力
によって変形することがなく、接続孔29の開口部を高
い精度をもって形成することができる。
【0049】(第5の実施の形態)セラミックス発熱体
のリードは、図6および図7に示すように導電性セラミ
ックスによって形成することができる。図6はリードを
導電性セラミックスによって形成したセラミックヒータ
型グロープラグの断面図、図7はリードを導電性セラミ
ックスによって形成したセラミックス発熱体を示す図
で、同図(a)はセラミックス発熱体の後端面を示す
図、同図(b)はセラミックス発熱体の焼成後の状態を
示す断面図、同図(c)は電極取出し金具をろう付けし
た状態を示す断面図、同図(d)はセラミックス発熱体
を金属製外筒に装着した状態を示す断面図である。図6
および図7において、前記図1ないし図5によって説明
したものと同一もしくは同等の部材については、同一符
号を付し詳細な説明は省略する。
【0050】図6および図7に示すセラミックス発熱体
22は、先端部の発熱体23を導電性セラミックスによ
って形成するとともに、正極側リード24と負極側リー
ド25を導電性セラミックスによって形成している。正
極側リード24は、セラミックス発熱体22の後端部ま
で延設し、セラミックス発熱体22の後端面に露出させ
ている。この露出部分に接続孔28を形成し、この接続
孔28に電極取出し金具11を挿入してろう付けしてい
る。一方、負極側リード25は、後端部(接続側端部2
5a)をセラミックス発熱体22の後端面と外周面に露
出させている。この負極側リード25の後端部に接続孔
29をセラミックス発熱体22の後端面と外周面に開口
するように形成し、この接続孔29に充填したろう材3
2によって負極側リード25を金属製外筒3の内周面に
接続している。
【0051】この実施の形態によるセラミックス発熱体
22を有するグロープラグ21を製造するためには、正
極側リード24および負極側リード25を導電性セラミ
ックスによって成形するときに成形型によって接続孔2
8,29を成形する。そして、正極側リード24と、負
極側リード25と、発熱体23とからなる組立体をセラ
ミックス発熱体用の成形型に装填する。この成形型は、
上述した各実施の形態を採るときに用いるものと同等の
ものである。成形時に成形型において前記組立体を装填
するときは、正極側リード24の後端面がセラミックス
発熱体22の後端面と同一平面上に位置するように正極
側リード24を配置する。また、負極側リード25の後
端部がセラミックス発熱体22の後端面と外周面に露出
するように負極側リード25を配置する。なお、前記組
立体は、セラミックス成形体の状態で成形型に装填する
他に、セラミックス発熱体22を焼成する以前に別工程
で焼成させてから前記成形型に装填してもよい。
【0052】セラミックス発熱体22を焼成することに
よって、図7(a),(b)に示すように接続孔28,
29がセラミックス発熱体22の後端部に形成される。
接続孔28の孔壁面は正極側リード24によって形成さ
れ、接続孔29の孔壁面は負極側リード25によって形
成される。焼成後、同図(c)に示すように、正極側リ
ード24の接続孔28に電極取出し金具11を挿入して
ろう付けし、同図(d)に示すように、セラミックス発
熱体22を金属製外筒3に圧入する。正極側リード24
の接続孔28と負極側リード25の接続孔29に焼成後
にメタライジング処理を施しておくことによって、後工
程のろう付け工程でろう材が接続孔の孔壁面に濡れ拡が
るようになる。
【0053】金属製外筒3にセラミックス発熱体22を
圧入した後、金属製外筒3の後端側から負極側リード2
5の接続孔29にろう材32を充填する。このろう付け
作業によって、負極側リード25がろう材32を介して
金属製外筒3に接続される。この後の工程は、第1の実
施の形態を採る場合と同一である。
【0054】図6および図7に示したように構成しても
第1の実施の形態を採る場合と同等の効果を奏する。こ
の実施の形態においては、導電性セラミックスからなる
負極側リード25の後端部にセラミックス発熱体22の
後端面および外周面に開口する接続孔29を形成し、セ
ラミックス発熱体22を焼成して金属製外筒3に嵌入さ
せた後、前記接続孔29にろう材を32充填して負極側
リード25と金属製外筒3の内面とを接続しているか
ら、接続孔29をセラミックス発熱体22の焼成前に形
成するにもかかわらず、ろう材32によって負極側リー
ド25を金属製外筒3に確実に接続することができる。
すなわち、接続孔29を負極側リード25に形成してお
り、接続孔29の開口形状が焼成時に僅かに変形したと
しても、開口部分が閉塞されることがない限りは、ろう
材32によって負極側リード25を金属製外筒3に接続
することができる。
【0055】この実施の形態では、正極側リード24お
よび負極側リード25と発熱体23とを別体に形成した
例を示したが、これらの部材は導電性セラミックスによ
って一体に形成してもよい。
【0056】上述した第1〜第5の実施の形態では負極
側リード25を金属製外筒3に接続する例を示したが、
負極側リード25と正極側リード24の極性を逆にして
もよい。この構成を採る場合には、ハウジング22とシ
リンダヘッドとの間に絶縁部材を介装する。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、導
体と金属製外筒との間の電気的接続部分は、ろう材によ
って相対的な変位が緩和されるから、熱膨張・収縮が繰
り返されたとしても導通状態を維持することができる。
このため、前記導体により負極側リードを構成すること
によって、負極側リードが接続不良を起こすことがない
セラミックヒータ型グロープラグを実現することができ
る。
【0058】請求項2記載の発明によれば、この接続孔
に挿入する接続部材を一直線状に形成することができ、
この接続部材を長手方向の全域にわたって金属製外筒に
ろう付けすることができる。このため、接続部材と金属
製外筒とのろう付け部分の長さを長くすることができる
から、負極側リードと金属製外筒との間の電気的接続部
分の信頼性がより一層高くなるセラミックヒータ型グロ
ープラグを提供することができる。
【0059】請求項3記載の発明によれば、導体と金属
製外筒の電気的接続部分は、ろう材によって相対的な変
位が緩和されるから、熱膨張・収縮が繰り返されたとし
ても導通状態を維持することができる。このため、前記
導体により負極側リードを構成することによって、負極
側リードが接続不良を起こすことがないセラミックヒー
タ型グロープラグを実現することができる。
【0060】請求項4記載の発明によれば、硬度が高い
セラミックス発熱体に機械加工を施すことなく接続孔を
形成することができるから、コストダウンを図りなが
ら、電気的接続部の信頼性が高いセラミックヒータ型グ
ロープラグを製造することができる。また、セラミック
ス発熱体を焼結した後に接続孔を形成しているから、焼
結前に接続孔を形成する方法に較べて熱や圧力によって
変形することがなく、接続孔を接続部材が正確に挿入さ
れるように高い精度をもって形成することができる。こ
のため、前記導体により負極側リードを構成することに
よって、負極側リードと接続部材との接続部分の信頼性
を向上させることができ、負極側リードが接続不良を起
こすことがないセラミックヒータ型グロープラグを製造
することができる。
【0061】請求項5記載の発明によれば、セラミック
ス発熱体の後端面と外周面に開口する接続孔を、硬度が
高いセラミックス発熱体に機械加工を施すことなく形成
することができる。しかも、セラミックス材料に対する
ろう材の濡れ性は低いから、特別なマスク材を使用する
ことなく接続孔内のみにろう材を充填することができ
る。このため、コストダウンを図りながら、電気的接続
部の信頼性が高いセラミックヒータ型グロープラグを製
造することができる。
【0062】また、セラミックス発熱体を焼結した後に
接続孔を形成しているから、焼結前に接続孔を形成する
方法に較べて熱や圧力によって変形することがなく、接
続孔の開口部を高い精度をもって形成することができ
る。このため、ろう材が確実に金属製外筒の内面に濡れ
拡がるようになるから、前記導体により負極側リードを
構成することによって、負極側リードと金属製外筒との
接続部分の信頼性を向上させることができ、負極側リー
ドが接続不良を起こすことがないセラミックヒータ型グ
ロープラグを製造することができる。
【0063】請求項6記載の発明によれば、接続孔形成
用部材の形状の自由度を増大させることができるから、
接続部材に適合する形状に接続孔を形成することがで
き、また、接続孔の開口形状をろう付けがし易くなると
ともに、ろう材が金属製外筒と導体とに確実に接触する
ように形成することができる。したがって、接続部の信
頼性や接続作業の作業性を向上させることができる。
【0064】請求項7記載の発明によれば、導体に接続
孔が形成されているから、接続孔を焼成前に形成するに
もかかわらず、ろう材によって導体を金属製外筒に確実
に接続することができる。このため、前記導体により負
極側リードを構成することによって、負極側リードを確
実にしかも接続不良を起こすことがないように金属製外
筒に接続することができる。また、接続孔を焼成後に形
成する方法に較べて接続孔の形成が簡単で、コスト低減
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るセラミックヒータ型グロープラ
グの断面図である。
【図2】 負極側リードを接続部材によって金属製外筒
に接続するグロープラグの製造方法を説明するための図
である。
【図3】 クランク軸状に曲げられた接続部材を使用す
る他の実施の形態を示す図である。
【図4】 接続子を使用して二つのリードを電極取出し
金具と接続部材に接続する他の実施の形態を示す図であ
る。
【図5】 負極側リードをろう材によって金属製外筒に
接続する他の実施の形態を示す図である。
【図6】 リードを導電性セラミックスによって形成し
たセラミックヒータ型グロープラグの断面図である。
【図7】 リードを導電性セラミックスによって形成し
たセラミックス発熱体を示す図である。
【図8】 自動車用ディーゼルエンジンに装備する従来
のセラミックヒータ型グロープラグの断面図である。
【符号の説明】
3…金属製外筒、21…グロープラグ、22…セラミッ
クス発熱体、23…発熱体、24…正極側リード、25
…負極側リード、27…接続部材、28,29…接続
孔、30…接続孔形成用部材、32…ろう材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 俊嗣 埼玉県東松山市神明町2丁目11番6号 ボ ッシュ ブレーキ システム株式会社内 Fターム(参考) 3K092 PP16 QA01 QB02 QB24 QC02 QC16 QC28 QC38 QC52 RA02 RB02 RD02 VV40

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス発熱体を金属製外筒に挿入
    し、前記セラミックス発熱体内の導体を前記金属製外筒
    に接続したセラミックヒータ型グロープラグにおいて、
    前記導体の後端部が露出する接続孔をセラミックス発熱
    体の後端面に開口するように形成し、この接続孔に挿入
    した接続部材の挿入側端部を前記導体にろう付けすると
    ともに、この接続部材におけるセラミックス発熱体の後
    方へ突出する外端部を前記金属製外筒の内面にろう付け
    したことを特徴とするセラミックヒータ型グロープラ
    グ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセラミックヒータ型グロ
    ープラグにおいて、接続孔を金属製外筒の軸線方向に延
    びるように形成してセラミックス発熱体の外周面に開口
    させたことを特徴とするセラミックヒータ型グロープラ
    グ。
  3. 【請求項3】 セラミックス発熱体を金属製外筒に挿入
    し、前記セラミックス発熱体内の導体を前記金属製外筒
    に接続したセラミックヒータ型グロープラグにおいて、
    前記導体の後端部が露出する接続孔をセラミックス発熱
    体の後端面と外周面とに開口するように形成し、この接
    続孔に充填したろう材を介して前記導体を前記金属製外
    筒の内面に接続したこと特徴とするセラミックヒータ型
    グロープラグ。
  4. 【請求項4】 セラミックス発熱体を焼成した後にセラ
    ミックス発熱体を金属製外筒に嵌入させ、セラミックス
    発熱体内の導体を前記金属製外筒の内面に接続するセラ
    ミックヒータ型グロープラグの製造方法において、セラ
    ミックス発熱体を焼成する以前の成形体の後端部に、高
    融点金属からなる接続孔形成用部材を導体の後端部が接
    触するように埋設し、セラミックス発熱体を焼成した
    後、前記接続孔形成用部材を除去することによってセラ
    ミックス発熱体の後端面に開口する接続孔を形成し、こ
    の接続孔に接続部材を挿入して挿入側端部を前記導体に
    ろう付けした後、セラミックス発熱体を前記金属製外筒
    に嵌入させ、前記接続部材におけるセラミックス発熱体
    の後方に突出する外端部を前記金属製外筒の内面にろう
    付けすることを特徴とするセラミックヒータ型グロープ
    ラグの製造方法。
  5. 【請求項5】 セラミックス発熱体を焼成した後にセラ
    ミックス発熱体を金属製外筒に嵌入させ、セラミックス
    発熱体内の導体を前記金属製外筒の内面に接続するセラ
    ミックヒータ型グロープラグの製造方法において、セラ
    ミックス発熱体を焼成する以前の成形体の後端部に、高
    融点金属からなる接続孔形成用部材を導体の後端部が接
    触するとともに前記成形体の後端面および外周面に露出
    するように埋設し、セラミックス発熱体を焼成した後、
    前記接続孔形成用部材を除去することによってセラミッ
    クス発熱体の後端面および外周面に開口する接続孔を形
    成し、セラミックス発熱体を前記金属製外筒に嵌入させ
    た後、前記接続孔にろう材を充填して前記導体と金属製
    外筒の内面とを接続することを特徴とするセラミックヒ
    ータ型グロープラグの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5記載のセラミッ
    クヒータ型グロープラグの製造方法において、接続孔形
    成用部材を酸で溶解することによって除去することを特
    徴とするセラミックヒータ型グロープラグの製造方法。
  7. 【請求項7】 セラミックス発熱体を焼成した後にセラ
    ミックス発熱体を金属製外筒に嵌入させ、セラミックス
    発熱体内の導体を前記金属製外筒の内面に接続するセラ
    ミックヒータ型グロープラグの製造方法において、前記
    導体の材料を導電性セラミックスとしてこの導体の後端
    部に前記後端面および外周面に開口する接続孔を形成
    し、セラミックス発熱体を焼成し前記金属製外筒に嵌入
    させた後、前記接続孔にろう材を充填して導体と金属製
    外筒の内面とを接続することを特徴とするセラミックヒ
    ータ型グロープラグの製造方法。
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