JP2001342887A - エンジンの気筒判別装置 - Google Patents

エンジンの気筒判別装置

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JP2001342887A
JP2001342887A JP2000165669A JP2000165669A JP2001342887A JP 2001342887 A JP2001342887 A JP 2001342887A JP 2000165669 A JP2000165669 A JP 2000165669A JP 2000165669 A JP2000165669 A JP 2000165669A JP 2001342887 A JP2001342887 A JP 2001342887A
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    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/009Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents using means for generating position or synchronisation signals
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/04Introducing corrections for particular operating conditions
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】クランキング開始後、初回の気筒判別を速やか
かつ確実に行なう。 【解決手段】クランキング開始後、クランクシャフトの
回転に同期して出力されるポジション信号POS信号の
数をメインカウンタCRACNT0でカウントすると共
に、カムシャフトの回転に同期して気筒判別信号Phase
が出力されたときのメインカウンタCRACNT0のカ
ウント値を、最新値から過去複数回分(気筒数分)、サ
ブカウンタCMTMPn〜(n−3)で更新保持し、メ
インカウンタのカウント値から各サブカウンタのカウン
ト値を減算した値に基づいて、所定クランク角期間に出
力された気筒判別信号Phaseの数を検出して初回の気筒
判別を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの(所定
行程にある)気筒を判別する技術に関し、特に、クラン
キング開始後、速やかに気筒判別を行なうための技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の気筒判別装置としては、クランク
角センサからの基準クランク角信号の出力間でカムセン
サから気筒数に対応する数の気筒判別信号を出力させ
て、気筒判別を行わせるものが知られている(特開平5
−106500号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、クランクシ
ャフトに対するカムシャフトの回転位相を検出して、該
回転位相を連続的に可変制御するバルブタイミング制御
装置を備えるような場合は、クランクシャフトの回転に
同期して出力されるクランク角信号のみで、基準クラン
ク角位置に対する単位クランク角毎のクランク角位置を
検出する必要がある。そのため、単位クランク角信号と
は別系統で基準クランク角信号を発生させて検出するこ
とは、実質的に2個のクランク角センサを設け、信号処
理系も2系統必要になるなど、コスト,スペースを要す
る。また、基準クランク角信号を単位クランク角毎の信
号と混在させると、検出が難しくなる。そこで、単位ク
ランク角信号を、基準クランク角位置に相当する部分で
抜かす構成として、前後の信号間の周期の比によって基
準クランク角位置を検出するような方式が採られること
がある。
【0004】しかし、このように周期比などで基準クラ
ンク角位置を検出するようなものでは、クランキング開
始直後の回転が不安定な状態では、正確に基準クランク
角位置を検出することが難しく、実質的に2回目の基準
クランク角位置で検出が可能となり、該基準クランク角
位置検出で検出される初回の気筒判別タイミングと次の
気筒判別タイミングとの間の気筒判別信号の数に基づい
て気筒判別が可能となる。つまり、クランキング開始後
に検出される2回目の気筒判別タイミング(最初の検出
不可能な気筒判別タイミングを含めると3回目の気筒判
別タイミング)で、初めて気筒判別が可能となる。
【0005】このように、気筒判別が遅れると燃焼が行
なわれないまま無駄に燃料噴射されて始動性、排気エミ
ッションが損なわれることがあった。本発明は、このよ
うな従来の課題に着目してなされたもので、クランキン
グ開始後速やかに気筒判別が行なわれるようにすること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、クランクシャフトの回転に同期して、気筒間
の行程位相差毎の基準クランク角位置を基準とした単位
クランク角毎のクランク角位置でクランク角信号を出力
するとともに、気筒間の行程位相差毎の所定クランク角
期間中に被判別気筒に応じて異なる数の気筒判別信号を
出力するエンジンにおいて、クランキング開始後に出力
されるクランク角信号の数をカウントすると共に、前記
気筒判別信号が出力される毎にそのときのカウント値を
保持し、初回の気筒判別タイミングにおけるクランク角
信号出力数のカウント値と、前記保持された過去のカウ
ント値とを比較して前記所定クランク角期間中に出力さ
れた気筒判別信号の数を検出し、該気筒判別信号の数に
基づいて、クランキング開始後初回の気筒判別を行うこ
とを特徴とする。
【0007】請求項1に係る発明によると、クランキン
グ開始後、気筒判別信号が出力される毎に、それまでの
クランク角信号の出力数カウント値が保持され、これら
保持されたカウント値の中、気筒判別タイミングにおけ
るカウント値との差が一定値以内のものは、前記所定ク
ランク角期間中に気筒判別信号が出力されたためと判別
することができ、その結果、該所定クランク角期間中に
出力された気筒判別信号の数を検出して、気筒判別を行
うことができる。
【0008】このようにすれば、クランキング開始後、
1つ目の気筒判別タイミングをその時点では検出できな
くても、2つ目の気筒判別タイミングにおいて、確実に
気筒判別を行うことができ、速やかな気筒判別を行なっ
て始動性、排気エミッション性を向上することができ
る。
【0009】また、請求項2に係る発明は、前記過去の
カウント値は、最新に更新されたものからそれ以前の複
数回分が保持され、初回の気筒判別タイミングにおける
カウント値から前記過去の各カウント値を減算した値に
基づいて、前記所定のクランク角期間中に出力された気
筒判別信号の数を検出することを特徴とする。
【0010】請求項2に係る発明によると、クランク角
信号のカウント値を、気筒判別に必要な数だけ保持する
だけで、初回の気筒判別タイミングにおけるカウント値
から前記過去の各カウント値を減算した値に基づいて、
前記所定のクランク角期間中に出力された気筒判別信号
の数を検出して気筒判別を行うことができる。
【0011】また、請求項3に係る発明は、クランキン
グ開始後前記クランク角信号が所定数出力されるまで
は、前記基準クランク角位置の検出を禁止することを特
徴とする。
【0012】請求項3に係る発明によると、クランキン
グ開始直後に、最初の基準クランク角位置がくるような
場合は、該基準クランク角位置検出に基づいて初回の気
筒判別タイミングを検出しても、まだ、前記気筒判別が
可能な所定のクランク角期間を経過していないため、気
筒判別を行うことができず、また、クランキング開始直
後はエンジン回転が不安定であるため、基準クランク角
位置を誤検出してしまうおそれもある。
【0013】そこで、クランキング開始後クランク角信
号が所定数出力されるまでは、前記基準クランク角位置
の検出を禁止することにより、基準クランク角位置の誤
検出を防止するとともに、最初の基準クランク角位置検
出に基づく初回の気筒判別タイミングで、確実に気筒判
別を行うことができる。
【0014】また、請求項4に係る発明は、クランキン
グ開始後気筒判別タイミングを検出したときのクランク
角信号のカウント値が、前記所定のクランク角期間を経
過したときのカウント値に達していないときは、該気筒
判別タイミングでの気筒判別を禁止することを特徴とす
る。
【0015】請求項4に係る発明によると、クランキン
グ開始後、とりあえず基準クランク角位置検出を禁止せ
ず、検出された基準クランク角位置に基づいて気筒判別
タイミングを検出したときのクランク角信号のカウント
値が、前記所定のクランク角期間を経過したときのカウ
ント値に達していないときは、気筒判別を正常に行えな
ず、基準クランク角位置を誤検出している可能性もある
ので、その段階で気筒判別を禁止する。
【0016】また、請求項5に係る発明は、エンジン
が、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相
を検出して、該回転位相を連続的に可変制御するバルブ
タイミング制御装置を備え、前記クランク角信号は、前
記クランクシャフトの回転に同期して出力され、前記気
筒判別信号は、前記カムシャフトの回転に同期して出力
されることを特徴とする。
【0017】請求項5に係る発明によると、上記バルブ
タイミング制御装置を備える場合は、前記カムシャフト
の回転位相の検出も兼ねて気筒判別信号をカムシャフト
の回転に同期して出力させるのが、合理的であるが、そ
の場合、クランク角信号のみで、基準クランク角位置を
検出しようとすると、既述したように一部を歯抜けする
などしてクランク角信号出力間の周期比で検出するよう
なことが行なわれる。
【0018】このような場合に、クランキング開始直後
の基準クランク角位置を正確に検出することが難しく、
ひいては気筒判別に遅れを生じることがあるので、本発
明を適用する効用が大きい。
【0019】また、請求項6に係る発明は、クランキン
グ開始後2回目以降の気筒判別は、前記各気筒判別タイ
ミングの間に出力された気筒判別信号の数を直接検出し
て行なうことを特徴とする。
【0020】請求項6に係る発明によると、本発明にか
かるクランキング開始後初回の気筒判別方式を2回目以
降の気筒判別に適用することも可能ではあるが、2回目
以降の気筒判別は、前記各気筒判別タイミングの間に出
力された気筒判別信号の数を直接検出して行なうことに
より、演算負荷を軽減できる。
【0021】また、請求項7に係る発明は、V型エンジ
ンにおいて、前記気筒判別信号を各バンクのカムシャフ
トに同期してそれぞれ出力させ、それぞれの気筒判別信
号の数の組み合わせにより気筒判別を行なうことを特徴
とする。
【0022】請求項7に係る発明によると、各バンクの
カムシャフトに同期した気筒判別信号の数の組み合わせ
により気筒判別を行なう。
【0023】このようにすれば、バンク毎の気筒判別信
号の数を少なくして、高精度に気筒判別を行うことがで
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。図1は直列4気筒エンジン1を示し、吸気側カム
シャフト2及び排気側カムシャフト3を備える。
【0025】そして、前記吸気側カムシャフト2及び排
気側カムシャフト3に、シグナルプレート4,5が軸支
され、該シグナルプレート4,5に形成される突起部
(図示省略)をそれぞれに検出して気筒判別信号Phase
を出力する磁気式のカムセンサ6,7が設けられる。
【0026】また、クランクプーリに取り付けられたシ
グナルプレート8に形成される突起部(図示省略)を検
出して単位角度(10°)毎のポジション信号POSを
出力する磁気式のクランク角センサ9が設けられる。
【0027】前記クランク角センサ9及びカムセンサ
6,7の検出信号はコントロールユニット10に入力さ
れ、コントロールユニット10は前記検出信号に基づき
気筒判別を行い、該気筒判別結果に基づいてエンジンに
おける燃料噴射や点火を制御する。また、クランクシャ
フトに対するカムシャフトの回転位相を変化させること
で作動角一定のままバルブタイミングを変化させるバル
ブタイミング制御装置(以下VTCという)を備え、前
記検出信号に基づき前記回転位相を検出し、前記回転位
相をフィードバック制御する。
【0028】以下、第1の実施の形態における前記各種
制御に用いられる気筒判別について、図2〜図4のタイ
ムチャート及び図5〜図7のフローチャートを併用して
説明する。ここで、図2は、上記直列4気筒エンジンに
おけるクランク角センサ9、カムセンサ6,7の出力特
性と、それに基づく通常時の気筒判別の様子を示し、図
3は、本発明にかかるクランキング開始後初回の気筒判
別の様子を示し、図4は、クランキング開始直後に行な
われるマスク処理の様子を示す。一方、図5は、気筒判
別信号Phase出力による割込みルーチン、図6は、ポジ
ション信号POSによる割込みルーチン、図7は初回の
気筒判別処理ルーチンを示す。
【0029】図2において、クランク角センサ9から出
力されるポジション信号POSは、所定の単位クランク
角(本実施の形態では10°)毎に出力され、かつ、気
筒間の行程位相差に相当する180°毎に歯抜けを生じ
るように構成される。そして、該歯抜け位置を検出する
ことで基準クランク角位置が検出され、該基準クランク
角位置からのポジション信号POSの出力数をカウンタ
CRACNTで計測することによって単位クランク角毎
のクランク角位置が検出される。
【0030】一方、カムセンサ6,7から出力される気
筒判別信号Phaseは、気筒別に気筒ナンバーに対応した
数の信号が、所定クランク角(本実施の形態では30
°)毎に出力される。
【0031】そして、通常は、前記クランク角センサ9
により検出される気筒行程位相差相当のクランク角期間
(本実施の形態では、気筒毎のATDC30°間)18
0°毎の気筒判別信号Phaseの数を直接計測して(図5
のステップ4)、該計測数に対応した気筒を判別する
(図6のステップ20)。具体的には、点火順序が#1
−#3−#4−#2の場合、カウンタCAMCNTによ
る気筒判別信号Phaseの計測数が1のときは、次の点火
気筒を#3、同様にCAMCNTの値が3のときは#
4、CAMCNTの値が4のときは#2、CAMCNT
の値が2のときは#1として順次判別する。
【0032】一方、本発明にかかるクランキング開始後
初回の気筒判別は、以下のようにして行なう(図3参
照)。メインカウンタCRACNT0は、クランキング
開始後に出力されるポジション信号POS(クランク角
信号)の数をカウントする(図6のステップ11)。
【0033】第1のサブカウンタCMTMPnは、気筒
判別信号Phaseが出力される毎に、そのときの前記メイ
ンカウンタCRACNT0のカウント値に更新して保持
する(図5のステップ2,3)。
【0034】第2〜第4のサブカウンタCMTMP(n
−1)〜CMTMP(n−3)は、前記気筒判別信号Ph
aseが出力される毎に直前にそれぞれ第1〜第3のサブ
カウンタCMTMPn〜CMTMP(n−2)に保持さ
れているカウント値に更新して保持する(図5のステッ
プ3)。
【0035】そして、クランキング開始後初回の気筒判
別タイミング(図6のステップ17→18→19)で、
前記メインカウンタCRACNT0のカウント値から前
記各サブカウンタCMTMPn〜CMTMP(n−3)
のカウント値を減算した値に基づいて、気筒判別を行
う。
【0036】図3に示す具体例で説明すると、クランキ
ング開始後メインカウンタCRACNT0のカウント値
が2になった後に最初の気筒判別信号Phaseが出力され
て第1のサブカウンタCMTMPnに前記メインカウン
タCRACNT0のカウント値2が保持され、続いて2
番目、3番目の気筒判別信号Phaseが出力される毎に、
そのときのメインカウンタCRACNT0のカウント値
3、6に更新保持される。そして、第1のサブカウンタ
CMTMPnは、前記カウント値6を維持したまま、次
の気筒判別用の最初の気筒判別信号Phaseが出力された
ときに、そのときのメインカウンタCRACNT0のカ
ウント値18に更新保持され、続いて2番目〜4番目の
気筒判別信号Phaseが出力される毎に、同様に順次カウ
ント値19,22,24に更新保持される。
【0037】また、第2のサブカウンタCMTMP(n
−1)は、最初の気筒判別信号Phaseが出力されたとき
は、直前の第1のサブカウンタCMTMPnのカウント
値0をそのまま保持し、2番目、3番目の気筒判別信号
Phaseが出力される毎に、そのときの第1のサブカウン
タCMTMPnのカウント値2、3に更新保持され、次
の気筒判別用の4個の気筒判別信号Phaseが出力される
毎に、順次カウント値6,18,19,22に更新保持
される。
【0038】以下、同様に第3のサブカウンタCMTM
P(n−2)は、クランキング開始後3個目の気筒判別
信号Phaseが出力されたときに初めて、0から直前の第
2のサブカウンタCMTMP(n−1)のカウント値2
に更新保持され、次の気筒判別用の4個の気筒判別信号
Phaseが出力される毎に、順次カウント値3,6,1
8,19に更新保持され、第4のサブカウンタCMTM
P(n−3)は、クランキング開始後2回目の気筒判別
用の気筒判別信号Phaseが出力されて初めて0から直前
の第3のサブカウンタCMTMP(n−2)のカウント
値2に更新保持され、以下順次カウント値3,6,18
に更新保持される。
【0039】そして、初回の気筒判別は、クランキング
開始後2つ目の気筒判別タイミングで(該2つ目の気筒
判別タイミングを初回の気筒判別タイミングとして検
出)行なう。即ち、気筒判別は、本発明においても2つ
の気筒判別タイミングの間における気筒判別信号Phase
の数に基づいて行なうが、基準クランク角位置直後にク
ランキングが開始される場合は、該基準クランク角位置
検出に基づく1つ目の気筒判別タイミングの検出が不可
能である。また、クランキング開始直後に基準クランク
角位置となる場合は、エンジン回転が不安定であり、周
期比に基づく正確な基準クランク角位置検出が難しいの
で、該基準クランク角位置の検出を禁止する。これによ
り、該基準クランク角位置に基づく1つ目の気筒判別タ
イミングも検出されない。しかし、通常時(2回目以
降)の気筒判別方式を初回の気筒判別に採用する場合
は、さらにもう1回気筒判別タイミングを検出したとき
(クランキング開始後検出不可能な気筒判別タイミング
を含めて3つ目の気筒判別タイミング)に気筒判別が可
能となるのに対し、本発明では、前記2つめの気筒判別
タイミングを初回の気筒判別タイミングとして検出した
ときに、気筒判別が可能となる。
【0040】ここで、本実施の形態では、前記不安定な
エンジン回転時における不正確な基準クランク角位置検
出を禁止するとともに、初回の基準クランク角位置検出
に応じた初回の気筒判別タイミング検出時に正確に気筒
判別が行なえるように、クランキング開始後所定期間、
基準クランク角位置の検出を禁止するマスク処理を行な
う。
【0041】図4は、前記マスク処理の様子を示す。具
体的な気筒判別タイミングを上死点後(ATDC)30
°に設定すると、初回の気筒判別タイミング検出時に気
筒判別を可能とするためには、その前に気筒行程位相差
相当のクランク角期間(本実施の形態の4気筒エンジン
では180°)を経過していることが必要である。基準
クランク角位置(クランク角信号の歯抜け区間後1個目
の位置)を上死点前(BTDC)40°に設定すると、
該初回の基準クランク角位置検出時から前記初回の気筒
判別タイミング検出時までのポジション信号POSの出
力数が7個、気筒行程位相差相当のクランク角期間(1
80°)中のポジション信号POSの出力数が16個で
あるから、余裕代を1個として、クランキング開始後か
ら基準クランク角位置の検出を禁止するポジション信号
POSの出力数(マスク数)は、次式のように求められ
る。
【0042】マスク数=16−7+1=10(個) 即ち、クランキング開始後から前記メインカウンタCR
ACNT0によるポジション信号POSのカウント値が
10になるまでは、ポジション信号POSの周期比によ
る基準クランク角位置の検出を禁止し(図6のステップ
12の判定がNO)、前記カウント値が10以上となっ
てから基準クランク角位置の検出を開始し(前記ステッ
プ12の判定がYES)、初回の基準クランク角位置
後、所定数(7個)のポジション信号POSの出力を検
出したとき、初回の気筒判別タイミングとして検出する
(ステップ13,14→16,17→18)。
【0043】次に、このようにして検出された初回の気
筒判別タイミングにおける初回の気筒判別について説明
する(図3及び図7参照)。該初回の気筒判別タイミン
グ検出時における前記メインカウンタCRACNT0の
カウント値から第1〜第4のサブカウンタCMTMPn
〜CMTMP(n−3)のカウント値を、それぞれ減算
し、これら減算された4個の値が所定値16以下である
かを判定する。該所定値16とは、気筒間行程位相差相
当のクランク角期間、つまりこの間に出力される気筒判
別信号の出力数に基づいて気筒判別が可能であるクラン
ク角期間において出力されるポジション信号POSの数
である。したがって、前記減算された値が前記所定値1
6以下の時は、対応するサブカウンタCMTMPのカウ
ント値が、前記所定のクランク角期間に気筒判別信号Ph
aseの出力によって更新されたことになる。
【0044】このことを利用し、メインカウンタCRA
CNT0と第1〜第4のサブカウンタCMTMPn〜C
MTMP(n−3)との4個の減算値が全て16以下の
場合(図7のステップ31,33,35,37の判定が
全てYES)は、所定のクランク角期間に4個の気筒判
別信号Phaseが出力されたので、(直後に燃焼行程にあ
る気筒を)#2気筒と判別する(同じくステップ3
9)。以下同様に、第1〜第3のサブカウンタCMTM
Pn〜CMTMP(n−2)に対する3個の減算値が1
6以下の場合は3個の気筒判別信号Phaseが出力された
ので#4気筒と判別し(同じくステップ38)、第1及
び第2のサブカウンタCMTMPn、CMTMP(n−
1)に対する2個の減算値が16以下の場合は2個の気
筒判別信号Phaseが出力されたので#1気筒と判別し
(同じくステップ36)、第1のサブカウンタCMTM
Pnに対する1個の減算値のみが16以下の場合は1個
の気筒判別信号Phaseが出力されたので#3気筒と判別
する(同じくステップ34)。なお、前記4個の減算値
が全て16を超えるとき(第1のサブカウンタCMTM
Pnとの減算値が16を超えるとき)は、前記所定のク
ランク角期間に気筒判別信号Phaseの出力を1個も検出
されなかったことになり、正常ではないので気筒判別を
禁止する(同じくステップ32)。
【0045】次に本発明をV型6気筒エンジンに適用し
た実施の形態について説明する。図8において、V型6
気筒エンジン1は、各バンク毎に吸気側カムシャフト2
a,2b及び排気側カムシャフト3a,3bを備える。
【0046】そして、左右各バンクの吸気側カムシャフ
ト2a,2bそれぞれにシグナルプレート4,5がそれ
ぞれ軸支され、各シグナルプレート4,5に形成される
突起部(図示省略)をそれぞれに検出して気筒判別信号
PhaseLH,PhaseRHを出力する磁気式の左側カムセンサ
6,右側カムセンサ7が設けられる。
【0047】但し、左右各バンクの排気側カムシャフト
3a,3bそれぞれに左側カムセンサ6、右側カムセン
サ7を設けてもよいし、一方のバンクの吸気側カムシャ
フト2a及び排気側カムシャフト3aに左側カムセンサ
6,右側カムセンサ7を設置する構成であっても良い。
【0048】また、クランクプーリには、第1の実施の
形態と同様、シグナルプレート8の突起部(図示省略)
を検出して単位角度(10°)毎のポジション信号PO
Sを出力する磁気式のクランク角センサ9が設けられ
る。
【0049】さらに、クランクシャフトに対する吸気
側、排気側カムシャフトの回転位相を変化させることで
作動角一定のままバルブタイミングを変化させる吸気バ
ルブタイミング制御装置及び排気バルブタイミング制御
装置を備える。
【0050】そして、コントロールユニット10が、前
記各センサからの検出信号に基づき気筒判別を行いつつ
エンジン制御を行なうと共に、前記検出信号に基づき吸
気側カムシャフトの前記回転位相を検出し、前記回転位
相をフィードバック制御する。なお、排気側カムシャフ
トの回転位相は、図外の別のセンサによる検出信号に基
づき検出される。
【0051】以下、第2の実施の形態における前記各種
制御に用いられる気筒判別について、図9〜図11のタ
イムチャート及び図12〜図15のフローチャートを併
用して説明する。ここで、図9は、上記V型6気筒エン
ジンにおける左側カムセンサ6,右側カムセンサ7及び
クランク角センサ9の出力特性と、それに基づく通常時
の気筒判別の様子を示し、図10は、本発明にかかるク
ランキング開始後初回の気筒判別の様子を示し、図11
は、クランキング開始直後に行なわれるマスク処理の様
子を示す。一方、図12は、気筒判別信号PhaseLH出力
による割込みルーチン、図13は、気筒判別信号PhaseR
H出力による割込みルーチン、図14は、ポジション信
号POSによる割込みルーチン、図15は初回の気筒判
別処理ルーチンを示す。
【0052】図9において、クランク角センサ9から出
力されるポジション信号POSは、気筒間の行程位相差
に相当する120°毎に歯抜けを生じるように構成さ
れ、該歯抜け位置を検出することで基準クランク角位置
が検出される。
【0053】一方、気筒判別タイミングは、BTDC3
0°に設定され、該気筒判別タイミング間での気筒判別
信号PhaseLHと気筒判別信号PhaseRHの出力数の組み合わ
せで、気筒判別されるようになっている。具体的には、
カウンタCAMCNT1によってカウントされる気筒判
別信号PhaseLHのカウント値が0で、カウンタCAMC
NT2によってカウントされる気筒判別信号PhaseRHの
カウント値が1のときは#2、同じく気筒判別信号Phas
eLHのカウント値が2、気筒判別信号PhaseRHのカウント
値が2のときは#3、気筒判別信号PhaseLHのカウント
値が0、気筒判別信号PhaseRHのカウント値が2のとき
は#4、気筒判別信号PhaseLHのカウント値が1、気筒
判別信号PhaseRHのカウント値が0のときは#5、気筒
判別信号PhaseLHのカウント値が2、気筒判別信号Phase
RHのカウント値が1のときは#6、気筒判別信号PhaseL
Hのカウント値が2、気筒判別信号PhaseRHのカウント値
が0のときは#1と判別される。
【0054】そして、クランキング開始後2回目以降の
通常の気筒判別時は、実際にカウンタCAMCNT1、
CAMCNT2によって気筒判別信号PhaseLH、PhaseRH
の出力数をカウントして気筒判別を行うが(図12のス
テップ54、図13のステップ64、図14のステップ
80)、本発明にかかる初回の気筒判別は第1の実施の
形態と同様にして実行する。
【0055】すなわち、図10に示すように、気筒判別
信号PhaseLHの出力毎に、メインカウンタCRACNT
0によるポジション信号POSのカウント値を更新保持
する左側第1サブカウンタCMTMPLH(n)、該左
側第1サブカウンタCMTMPLH(n)の直前のカウ
ント値を更新保持する左側第2サブカウンタCMTMP
LH(n−1)を設けるとともに(図12参照)、気筒
判別信号PhaseRHの出力毎に、メインカウンタCRAC
NT0によるポジション信号POSのカウント値を更新
保持する右側第1サブカウンタCMTMPRH(n)、
該右側第1サブカウンタCMTMPRH(n)の直前の
カウント値を更新保持する右側第2サブカウンタCMT
MPRH(n−1)を設ける(図13参照)。
【0056】そして、第1の実施の形態と同様な考え方
でマスク処理を行なう(図11参照)。6気筒エンジン
なので、気筒間行程位相差が120°となり、その間に
出力されるポジション信号POSの数は10個、基準ク
ランク角位置(BTDC60°)から気筒判別タイミン
グ(BTDC30°)までのポジション信号POSの出
力数が3個であるので、余裕代を1個として、クランキ
ング開始後から基準クランク角位置の検出を禁止するポ
ジション信号POSの出力数(マスク数)は、次式のよ
うに求められる。
【0057】マスク数=10−3+1=8(個) 即ち、クランキング開始後から前記メインカウンタCR
ACNT0によるポジション信号POSのカウント値が
8になるまでは、ポジション信号POSの周期比による
基準クランク角位置の検出を禁止し(図14のステップ
72の判定がNO)、前記カウント値が8以上となって
から基準クランク角位置の検出を開始し(同じくステッ
プ72の判定がYES)、初回の基準クランク角位置検
出後、所定数(3個)のポジション信号POSの出力を
検出したとき、初回の気筒判別タイミングとして検出す
る(ステップ73,74→76,77→78)。
【0058】次に、このようにして検出された初回の気
筒判別タイミングにおける初回の気筒判別について説明
する。該初回の気筒判別タイミング検出時における前記
メインカウンタCRACNT0のカウント値から、左側
第1サブカウンタCMTMPLH(n)、左側第2サブ
カウンタCMTMPLH(n−1)、右側第1サブカウ
ンタCMTMPRH(n)、右側第2サブカウンタCM
TMPRH(n−1)のカウント値を、それぞれ減算
し、これら減算された4個の値が所定値10(気筒間行
程位相差120°相当のクランク角期間中に出力される
ポジション信号POSの数)以下であるかを判定する
(図15のステップ91,93,96,98)。前記減
算された値が前記所定値10以下の時は、対応するサブ
カウンタCMTMPのカウント値が、前記所定のクラン
ク角期間に気筒判別信号Phaseの出力によって更新され
たことになる。
【0059】即ち、メインカウンタCRACNT0と左
側第1サブカウンタCMTMPLH(n)との減算値が
11以上のときは、左側第2サブカウンタCMTMPL
H(n−1)との減算値も当然に11以上となり、前記
所定のクランク角期間中に気筒判別信号PhaseLHは出力
されなかったことになるので、前記カウンタCAMCN
T1のカウント値を0にセットする(図15のステップ
92)。また、左側第1サブカウンタCMTMPLH
(n)との減算値が10以下の場合は、左側第2サブカ
ウンタCMTMPLH(n−1)との減算値が11以上
のときは、気筒判別信号PhaseLHが1回出力されたこと
になるので、前記カウンタCAMCNT1のカウント値
を1にセットし(同じくステップ94)、左側第2サブ
カウンタCMTMPLH(n−1)との減算値も10以
下のときは、気筒判別信号PhaseLHが2回出力されたこ
とになるので、前記カウンタCAMCNT1のカウント
値を2にセットする(同じくステップ95)。
【0060】同様に、メインカウンタCRACNT0
と、右側第1サブカウンタCMTMPRH(n)、左側
第2サブカウンタCMTMPLH(n−1)との減算値
が共に11以上のときは、前記所定のクランク角期間中
に気筒判別信号PhaseRHは出力されなかったことになる
ので、前記カウンタCAMCNT2のカウント値を0に
セットし(同じくステップ97)、以下右側第1サブカ
ウンタCMTMPRH(n)との減算値が10以下の場
合は、右側第2サブカウンタCMTMPRH(n−1)
との減算値が11以上のときは、前記カウンタCAMC
NT2のカウント値を1にセットし(同じくステップ9
9)、右側第2サブカウンタCMTMPRH(n−1)
との減算値も10以下のときは、前記カウンタCAMC
NT2のカウント値を2にセットする(同じくステップ
101)。
【0061】そして、このようにしてセットされたカウ
ンタCAMCNT1、CAMCNT2の値の組み合わせ
に基づいて、気筒判別を行う。なお、以上の実施の形態
においては、所定数のポジション信号POSが出力され
るまでは、基準クランク角位置検出を禁止するマスク処
理を行なったが、とりあえず基準クランク角位置検出を
禁止せず、検出された基準クランク角位置に基づいて気
筒判別タイミングを検出したときのポジション信号PO
Sのカウント値が、気筒間行程位相差相当のクランク角
期間を経過したときのカウント値に達していないとき
は、気筒判別を禁止する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における直列4気筒エンジン
のシステム構成を示す図。
【図2】同上実施の形態における通常時の気筒判別の様
子を示すタイムチャート。
【図3】同上実施の形態の初回の気筒判別の様子を示す
タイムチャート。
【図4】同上実施の形態の初回気筒判別時のマスク処理
の様子を示すタイムチャート。
【図5】同上実施の形態の気筒判別信号割込み処理ルー
チンを示すフローチャート。
【図6】同上実施の形態のクランク角信号信号割込み処
理ルーチンを示すフローチャート。
【図7】同上実施の形態の初回気筒判別処理ルーチンを
示すフローチャート。
【図8】第2の実施の形態におけるV型6気筒エンジン
のシステム構成を示す図。
【図9】同上実施の形態における通常時の気筒判別の様
子を示すタイムチャート。
【図10】同上実施の形態の初回の気筒判別の様子を示す
タイムチャート。
【図11】同上実施の形態の初回気筒判別時のマスク処理
の様子を示すタイムチャート。
【図12】同上実施の形態の左側バンクの気筒判別信号割
込み処理ルーチンを示すフローチャート。
【図13】同上実施の形態の右側バンクの気筒判別信号割
込み処理ルーチンを示すフローチャート。
【図14】同上実施の形態のクランク角信号信号割込み処
理ルーチンを示すフローチャート。
【図15】同上実施の形態の初回気筒判別処理ルーチンを
示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン 2,2a,2b…吸気側カムシャフト 3,3a,3b…排気側カムシャフト 4,5,8…シグナルプレート 6,7…カムセンサ 9…クランク角センサ 10…コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 AA00 AA03 BA23 CA01 DA05 DA09 DA10 EA04 EB01 FA00 FA39 3G092 AA11 AA15 DA01 DA02 DA08 EA14 EA22 EB05 EB09 EC01 FA06 FA15 FA24 FA31 FA44 GA01 HA13Z HE04Z HE05Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランクシャフトの回転に同期して、気筒
    間の行程位相差毎の基準クランク角位置を基準とした単
    位クランク角毎のクランク角位置でクランク角信号を出
    力するとともに、気筒間の行程位相差毎の所定クランク
    角期間中に被判別気筒に応じて異なる数の気筒判別信号
    を出力するエンジンにおいて、 クランキング開始後に出力されるクランク角信号の数を
    カウントすると共に、前記気筒判別信号が出力される毎
    にそのときのカウント値を保持し、初回の気筒判別タイ
    ミングにおけるクランク角信号出力数のカウント値と、
    前記保持された過去のカウント値とを比較して前記所定
    クランク角期間中に出力された気筒判別信号の数を検出
    し、該気筒判別信号の数に基づいて、クランキング開始
    後初回の気筒判別を行うことを特徴とする請求項1に記
    載のエンジンの気筒判別装置。
  2. 【請求項2】前記過去のカウント値は、最新に更新され
    たものからそれ以前の複数回分が保持され、初回の気筒
    判別タイミングにおけるカウント値から前記過去の各カ
    ウント値を減算した値に基づいて、前記所定のクランク
    角期間中に出力された気筒判別信号の数を検出すること
    を特徴とする請求項1に記載のエンジンの気筒判別装
    置。
  3. 【請求項3】クランキング開始後前記クランク角信号が
    所定数出力されるまでは、前記基準クランク角位置の検
    出を禁止することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のエンジンの気筒判別装置。
  4. 【請求項4】クランキング開始後気筒判別タイミングを
    検出したときのクランク角信号のカウント値が、前記所
    定のクランク角期間を経過したときのカウント値に達し
    ていないときは、該気筒判別タイミングでの気筒判別を
    禁止することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載のエンジンの気筒判別装置。
  5. 【請求項5】エンジンが、クランクシャフトに対するカ
    ムシャフトの回転位相を検出して、該回転位相を連続的
    に可変制御するバルブタイミング制御装置を備え、 前記クランク角信号は、前記クランクシャフトの回転に
    同期して出力され、前記気筒判別信号は、前記カムシャ
    フトの回転に同期して出力されることを特徴とする請求
    項1〜請求項4のいずれか1つに記載のエンジンの気筒
    判別装置。
  6. 【請求項6】クランキング開始後2回目以降の気筒判別
    は、前記各気筒判別タイミングの間に出力された気筒判
    別信号の数を直接検出して行なうことを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれか1つに記載のエンジンの気筒
    判別装置。
  7. 【請求項7】V型エンジンにおいて、前記気筒判別信号
    を各バンクのカムシャフトに同期してそれぞれ出力さ
    せ、それぞれの気筒判別信号の数の組み合わせにより気
    筒判別を行なうことを特徴とする請求項1〜請求項6の
    いずれか1つに記載のエンジンの気筒判別装置。
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