JP2001342115A - 油性洗浄料 - Google Patents

油性洗浄料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用性・使用感(メイクアップ除去効果、使
用時の洗い流し感、肌の柔軟性向上、肌荒れ防止)に優
れた、経時安定性の良好な油性洗浄料を提供すること。 【解決手段】 (a)分子内に分岐鎖を有する炭素数1
4〜30の脂肪酸エステルを全油性成分中40質量%以
上含有する油性成分を70〜97.99質量%、(b)
水酸基を3個以上有する多価アルコ−ル0.01〜3質
量%、(c)HLB値が5〜16であり且つ常温で液状
からペ−スト状である非イオン性界面活性剤2〜20質
量%を必須成分として含有し、油相を連続相とする油性
洗浄料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油性洗浄料におい
て、更に詳しくは、使用感に優れ、安定性の良好な油性
洗浄料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より油性洗浄料は、メイクアップ除
去料として、その優れた洗浄効果の高さから、多数の提
案がなされており、また商品としても様々なものが上市
されていた。なかでも、特定の非イオン性界面活性剤と
水と液状の油分を必須成分とするクレンジング化粧料の
提案として特開平3−161428号公報、特定の非イ
オン性界面活性剤と分子内に疎水性基と極性基を有する
化合物と液状の油分を必須成分とする液状油性皮膚洗浄
料の提案として特開平11−35421号公報等の提案
があった。
【0003】また、メイクアップ除去料以外の提案とし
ては、特定の非イオン性界面活性剤と水と液状の油分を
必須成分とするオイル含有組成物の提案として特開平1
−238518号公報、特定のアルキルリン酸エステル
系界面活性剤と液状の油分と水と多価アルコ−ルを必須
成分とし、透明である皮膚化粧料の提案として特公平7
−78009号公報、特定の親水性界面活性剤と分子内
に水酸基を有する水溶性物質と油性成分と水を必須成分
とする液晶構造体を基剤とする提案として特開平1−5
3845号公報等の提案があった。
【0004】さらに、油性洗浄料においても、経時安定
性に優れたものだけでなく、メイクアップ除去効果以外
にも優れた品質の化粧料の開発が望まれていた。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、使用感に
優れた、経時安定性の良好な油性洗浄料を提供すること
をその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、分
子内に分岐鎖を有する脂肪酸エステルを特定量含有する
油性成分、水酸基を3個以上有する多価アルコ−ル、特
定の非イオン性界面活性剤を含有する油性洗浄料が、優
れた使用性(メイクアップ除去効果)、優れた使用感
(良好な洗い流し感、肌の柔軟性向上、肌荒れ防止)が
得られ、経時安定性も良好なことを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち本発明は(a)分子内に分岐鎖を
有する炭素数14〜30の脂肪酸エステルを全油性成分
中40質量%以上含有する油性成分を70〜97.99
質量%、(b)水酸基を3個以上有する多価アルコ−ル
0.01〜3質量%、(c)HLB値が5〜16であり
且つ常温で液状からペ−スト状である非イオン性界面活
性剤2〜20質量%を必須成分として含有し、油相を連
続相とする油性洗浄料である。またさらに(d)陰イオ
ン性界面活性剤を含有する油性洗浄料である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について説明
する。本発明に用いられる成分(a)の油性成分は、メ
イクアップ料を除去する為の溶媒として含有されるもの
であり、その油性成分中、分子内に分岐鎖を有する炭素
数14〜30の脂肪酸エステルが40質量%以上(以下
質量%は%と略す)であればよい。また、本発明に用い
られる成分(a)の油性成分は全組成中70〜97.9
9%であればよく、さらに75〜95%であれば溶媒と
しての効果を得られやすく、好ましい。
【0009】本発明に用いられる成分(a)の油性成分
中の分子内に分岐鎖を有する炭素数14〜30の脂肪酸
エステルは、全油性成分中40%以上であればよく、好
ましくは45〜90%である。油性成分中、該脂肪酸エ
ステルが40%未満であると、系の経時安定性を確保で
きない場合がある。また炭素数14未満の脂肪酸エステ
ルが、全油性成分中40%以上であると、皮膚刺激と感
じる場合があり、炭素数30を超える脂肪酸エステル
が、全油性成分中40%以上であると、系に配合される
非イオン性界面活性剤を溶解し難い場合がある。さら
に、炭素数が14〜30で分子内に分岐鎖を有していな
い脂肪酸エステルが、全油性成分中40%以上である
と、メイクアップ料を除去する為の溶媒としては、十分
な機能を発現しない。
【0010】本発明に用いられる成分(a)中の分子内
に分岐鎖を有する炭素数14〜30の脂肪酸エステルを
具体的に例示するのであれば、イソプロピルパルミテ−
ト、イソプロピルミリステ−ト、イソプロピルステアレ
−ト、イソブチルステアレ−ト、2−エチルヘキシルス
テアレ−ト、イソプロピルイソステアレ−ト、ブチルイ
ソステアレ−ト、デシルイソステアレ−ト、ラウリルイ
ソステアレ−ト、イソデシルイソデカノエ−ト、イソデ
シルイソノナノエ−ト、イソトリデシルイソノナノエ−
ト、イソノニルイソノナノエ−ト、ネオペンチルグリコ
−ルジオクタノエ−ト、トリ2−エチルヘキサン酸グリ
セリル、プロピレングリコ−ルジカプレ−ト、プロピレ
ングリコ−ルジカプリ−ト等であり、なかでも化粧料へ
の配合が容易であり、良好な経時安定性が得られるとい
う観点から、分子内に分岐を2個以上有するイソトリデ
シルイソノナノエ−ト、イソノニルイソノナノエ−ト、
ネオペンチルグリコ−ルジオクタノエ−ト、トリ2−エ
チルヘキサン酸グリセリル等を挙げる事ができる。これ
らは、必要に応じて1種、又は2種以上を組み合わせて
用いることが出来る。
【0011】本発明に用いられる成分(a)の油性成分
中の分子内に分岐鎖を有する炭素数14〜30の脂肪酸
エステル以外の油性成分は、通常化粧料に用いられるも
のであればよく、常温において、固型状、ペ−スト状、
液状等の性状は問わない。好ましくは、常温にてぺ−ス
ト〜液状であれば、使用性が向上する。その油性成分を
具体的に例示するのであれば、流動パラフィン、スクワ
ラン、ワセリン、小麦胚芽油、米胚芽油、メドフォーム
油、ローズマリー油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ
油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、ラノリン、メ
チルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、
メチルシクロポリシロキサン、油溶性美容成分、香料等
を挙げる事ができ、好ましくは、脂肪酸エステルと相溶
性の良い、流動パラフィン、メドフォーム油、マカデミ
アナッツ油、メチルシクロポリシロキサン等である。こ
れらは1種または2種以上組み合わせて用いることが出
来る。
【0012】本発明に用いられる成分(b)の水酸基を
3個以上有する多価アルコ−ルは化粧料の経時安定性を
確保し、肌への柔軟性向上効果、肌荒れ防止効果を付与
するものとして含有されるものであり、また経時安定性
のなかでも、特に高温域(40〜50℃)での経時安定
性を良好にするものである。
【0013】本発明に用いられる成分(b)の水酸基を
3個以上有する多価アルコ−ルを具体的に例示するので
あれば、グリセリン、ジグリセリン、ソルビト−ル、マ
ンニト−ル、エリスリト−ル等であり、なかでも化粧料
への配合が容易であり、肌への柔軟性向上効果、肌荒れ
防止効果、良好な経時安定性が得られ易いという観点か
ら、グリセリンを挙げる事ができる。これらは、必要に
応じて1種、又は2種以上を組み合わせて用いることが
出来る。
【0014】本発明に用いられる成分(b)の水酸基を
3個以上有する多価アルコ−ルは、全組成中0.01〜
3%であればよく、好ましくは0.03〜2%である。
0.01%未満であると、肌への柔軟性向上効果、肌あ
れ防止効果を付与する事ができず、また3%を超える場
合は、分離等を生じる。
【0015】本発明に用いられる成分(c)のHLB値
が5〜16であり、且つ常温で液状からペ−スト状であ
る非イオン性界面活性剤はメイクアップ除去効果を目的
として含有されるものである。HLB値が5未満である
場合は、均一な油性洗浄料を得る事ができず、またHL
B値が16を超える場合は、メイクアップ除去効果を得
る事はできない。さらに常温で固体である場合は、油性
洗浄料中で析出してしまう。
【0016】本発明に用いられる成分(c)のHLB値
が5〜16であり、且つ常温で液状からペ−スト状であ
る非イオン性界面活性剤を具体的に例示するのであれ
ば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビッ
ト脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、プロピ
レングリコール脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
プロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘
導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体等の骨格
を有するものであり、なかでも化粧料への配合が容易で
あり、良好なメイクアップ除去効果が得られるという観
点から、ポリオキシエチレンテトラオレイン酸ソルビッ
ト、ポリオキシエチレントリイソステアリン酸グリセリ
ルの骨格を有するものを挙げる事ができ、そのポリオキ
シエチレン鎖は6〜60モル付加したものが好ましい。
これらは、必要に応じて1種、又は2種以上を組み合わ
せて用いることが出来る。
【0017】本発明に用いられる成分(c)のHLB値
が5〜16であり、且つ常温で液状からペ−スト状であ
る非イオン性界面活性剤は、全組成中2〜20%であれ
ばよく、好ましくは5〜15%である。2%未満である
と、メイクアップ除去効果を十分に得る事は出来ず、ま
た20%を超える場合は、皮膚刺激を生じる場合があ
る。
【0018】本発明には、更なる洗い流し感向上を目的
として、成分(d)の陰イオン性界面活性剤を含有する
ことも可能である。
【0019】本発明に用いられる成分(d)の陰イオン
性界面活性剤を、具体的に例示するのであれば、脂肪酸
セッケン、エーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と
脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、
アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸
塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキル硫酸エステ
ル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキ
ロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、エ
ーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、ア
ミドリン酸塩等の骨格を有するものであり、なかでも更
なる良好な洗い流し感を得られるという観点から、ポリ
オキシエチレン鎖の付加したモノアルキルリン酸塩の骨
格を有するものを挙げることができる。また、成分
(d)の陰イオン性界面活性剤は、全組成中0.01〜
0.5%であれば、更なる洗い流し感の向上が図れる。
【0020】本発明の油性洗浄料は、上記必須成分に加
え、更に通常の化粧料に用いられる成分、具体的には、
低級アルコ−ル、水、酸化防止剤、殺菌剤、防腐剤、香
料、着色粉体、ワックス、油系ゲル化剤、美容成分等を
本発明の効果を損なわない範囲で使用することができ、
通常の化粧料を製造する方法にて得られるものである。
特に限定されるものではないが、具体的にその製法を例
示するのであれば、成分(a)(c)中に、(b)を添
加し、分散せしめる方法等を挙げる事ができる。
【0021】本発明の油性洗浄料は、油相が連続相であ
り、外観は透明〜半透明である。好ましくは外観が透明
であれば、商品としての付加価値をより高める事ができ
るものである。
【0022】本発明の油性洗浄料は、マッサージ料、メ
イクアップ除去料等に適用することができる。
【0023】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。
【0024】実施例1〜7、比較例1〜7:油性洗浄料 表1、2に示す油性洗浄料を調製し、経時安定性、使用
性、及び使用感について評価を行い、その評価結果も表
1及び2に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】 *比較例3、7は製造後分離を生じた。
【0027】<製造方法> A:成分1〜9を均一に混合する。 B:成分10〜15を混合し、Aに添加する。
【0028】<経時安定性の評価>表1、2の油性洗浄
料を5、40℃に恒温放置し、2ケ月間放置後の外観変
化を目視にて観察し、以下の基準により判定をおこなっ
た。
【0029】 [評価基準] [判定] ・外観の変化はみられない ◎ ・わずかに濁りは見られるが、 ○ 進行はしていない ・若干の濁り/分離がみられ、 △ 進行している ・分離している ×
【0030】<使用性・使用感>表1、2の油性洗浄料
について女性専門パネル10名により、以下の項目に関
する評価をし、以下の基準に従って判定を行った。また
結果は表1に示した。
【0031】
【0032】
【0033】表1、2の結果から明らかなように本発明
の実施例1〜7の油性洗浄料は比較例1〜7と比較し
て、経時安定性に優れ、メイク除去効果、使用時の洗い
流し感、及び使用後の肌の柔軟性向上、肌荒れ防止に優
れた油性洗浄料であった。
【0034】
【0035】<製造方法> A:1〜3を混合する。 B:4〜8を混合し、Aを添加する。
【0036】実施例8で得られたメイクアップクレンジ
ング料は、経時安定性に優れ、メイクアップ除去効果、
使用時の洗い流し感、及び使用後の肌の柔軟性向上、肌
荒れ防止に優れたメイクアップクレンジング料であっ
た。
【0037】
【0038】<製造方法> A:1〜5を混合する。 B:6〜11を混合し、Aを添加する。
【0039】実施例9で得られたマッサ−ジ洗浄料は、
経時安定性に優れ、使用時の洗い流し感、使用後の肌の
柔軟性向上、肌荒れ防止、及びメイクアップ除去効果も
有する優れたマッサ−ジ洗浄料であった。
【0040】
【0041】<製造方法> A:1〜4を混合する。 B:5〜7を混合し、Aを添加する。
【0042】実施例10で得られたオイルクレンジング
料は、経時安定性に優れ、使用時の洗い流し感、使用後
の肌の柔軟性向上、肌荒れ防止、及びメイクアップ除去
効果も有する優れたマッサ−ジ洗浄料であった。
【0043】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の油性洗浄料
は、経時安定性、使用性・使用感(メイクアップ除去効
果、使用時の洗い流し感、肌の柔軟性向上、肌荒れ防
止)に優れたものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA112 AA122 AC022 AC111 AC122 AC172 AC351 AC352 AC392 AC422 AC442 AC902 AD112 AD172 AD512 AD662 BB04 BB05 CC23 DD23 DD30 EE01 EE06 EE07 EE12 4H003 AB38 AC05 BA12 DA02 EB02 EB04 EB05 EB06 EB09 EB25 EB40 EB43 ED02 FA16 FA21 FA22 FA23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の成分(a)、(b)、(c) (a)分子内に分岐鎖を有する炭素数14〜30の脂肪
    酸エステルを全油性成分中40質量%以上含有する油性
    成分70〜97.99質量% (b)水酸基を3個以上有する多価アルコ−ル0.01
    〜3質量% (c)HLB値が5〜16であり且つ常温で液状からペ
    −スト状である非イオン性界面活性剤2〜20質量%を
    必須成分として含有し、油相を連続相とすることを特徴
    とする油性洗浄料。
  2. 【請求項2】更に成分(d)陰イオン性界面活性剤を含
    有する事を特徴とする請求項1記載の油性洗浄料。
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