JP2001341224A - 易剥離性フィルム - Google Patents

易剥離性フィルム

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JP2001341224A JP2001092314A JP2001092314A JP2001341224A JP 2001341224 A JP2001341224 A JP 2001341224A JP 2001092314 A JP2001092314 A JP 2001092314A JP 2001092314 A JP2001092314 A JP 2001092314A JP 2001341224 A JP2001341224 A JP 2001341224A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少なくともポリスチレン系樹脂製容器とポリプ
ロピレン系樹脂製容器の両方に対して良好な密着性と易
剥離性を示す易剥離性フィルムおよび積層体を提供す
る。 【解決手段】ゴム変性ポリスチレン及びポリスチレンか
らなる群から選択されるスチレン系樹脂100重量部に
対してエチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を
250〜1600重量部、190℃、荷重2.16kgで
測定されるメルトフローレート(MFR)が15g/1
0分以下であるエチレン/α−オレフィン共重合体を5
0〜300重量部含む樹脂組成物(A)からなる層をフ
ィルム中に設け、当該層の少なくとも一方の表面でフィ
ルムの一方の表面を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それ単独で、また
は基材と積層された状態で、容器用の蓋材や包装袋など
の包装材料に好適に使用することができる易剥離性フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】包装材料の分野においては、基材フィル
ムとシール層(シーラントフィルム)とからなる積層体
が広く用いられている。シール層には、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン系共重合体などのオレフィン
系樹脂が主に用いられている。シール層を有するこのよ
うな積層体は、袋状の包装容器として使用されたり、プ
ラスチックや紙などからなるカップ状、箱状などの包装
容器の蓋材として使用される。これらの包装材料では、
シール強度が高く密封性に優れていると同時に、開封時
の易開封性に優れていることが必要である。袋状の包装
容器の場合には袋を引き裂いて開封することもあるが、
蓋材で密封されたカップ状、箱状などの包装容器の場合
は、蓋材を容器本体から剥がして開封することが多く、
蓋材には、容器との適度の密着性と容器からの適度の剥
がし易さ(易剥離性)が必要である。つまり、密封性と
易剥離性との適度のバランスが重要である。
【0003】例えばスチレン系樹脂からなる包装容器に
対して適度の密着性と易剥離性を示す易剥離性フィルム
としては、スチレン系樹脂と特定のオレフィン系樹脂を
含むスチレン系樹脂組成物とエチレン系樹脂との共押出
インフレーションフィルムが知られている(特開平11
−115089号公報)。このフィルムは、スチレン系
樹脂からなる容器およびエチレン系樹脂からなる容器に
対しては非常に良好な密着性と易剥離性を示すが、プロ
ピレン系樹脂からなる容器に対する密着性は十分ではな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況において、
本発明の目的は、少なくともスチレン系樹脂製物品とプ
ロピレン系樹脂製物品の両方に対して良好な密着性と易
剥離性を示す易剥離性フィルム、およびそれを基材と積
層してなる積層体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、スチレン系樹脂、エチレン/不飽和カルボン酸エ
ステル共重合体およびエチレン/α−オレフィン共重合
体を特定の割合で含む樹脂組成物からなる層で少なくと
も一方の表面を形成したフィルムによって本発明の目的
を達成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、ゴム変性ポリスチレ
ン及びポリスチレンからなる群から選択されるスチレン
系樹脂100重量部に対して、エチレン/不飽和カルボ
ン酸エステル共重合体を250〜1600重量部、19
0℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート
(MFR)が15g/10分以下であるエチレン/α−
オレフィン共重合体を50〜300重量部含む樹脂組成
物(A)からなる層を有する易剥離性フィルムであっ
て、該フィルムの一方の表面が前記樹脂組成物(A)の
層の一方の表面であることを特徴とする易剥離性フィル
ムを提供する。また、本発明は、上記易剥離性フィルム
の層と基材の層とを有する積層体であって、少なくとも
その一方の表面が前記易剥離性フィルムの樹脂組成物
(A)の層で構成されていることを特徴とする積層体を
提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の易剥離性フィルムにおけ
る樹脂組成物(A)は、ゴム変性ポリスチレン及びポリ
スチレンからなる群から選択されるスチレン系樹脂10
0重量部に対して、エチレン/不飽和カルボン酸エステ
ル共重合体を250〜1600重量部、および190
℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート
(MFR)が15g/10分以下であるエチレン/α−
オレフィン共重合体を50〜300重量部含む樹脂組成
物である。エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合
体が250重量部未満である場合には、低温シール時の
密封性に劣り、1600重量部を超える場合には、剥離
強度と密封性とのバランスに劣る。エチレン/α−オレ
フィン共重合体についても、上記の範囲外では、剥離強
度と密封性とのバランスに劣る。
【0008】樹脂組成物(A)におけるゴム変性ポリス
チレンとは、ゴム状重合体の存在下でスチレン系単量体
を重合して得られるもので、一般に耐衝撃性ポリスチレ
ン、またはHIPS(high impact polystyrene)と呼
ばれるものであり、ポリスチレンの連続相の中にゴム重
合体が分散相として存在した構造を有する。一般にゴム
状重合体の含有量は5〜25重量%程度である。スチレ
ン系単量体としては、例えばスチレンや、α−メチルス
チレンなどのα−アルキル置換スチレンなどが挙げられ
る。ゴム状重合体としては、ポリジブタジエン、スチレ
ン/ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、スチレン/
イソプレン共重合体などが挙げられる。樹脂組成物
(A)におけるポリスチレンとは、ゴム状重合体の不存
在下でスチレン系単量体を重合し得られたポリスチレン
であり、一般にGPPS(generalpurpose polystyren
e)と呼ばれるものである。
【0009】樹脂組成物(A)中のエチレン/不飽和カ
ルボン酸エステル共重合体において、不飽和カルボン酸
エステルとしては、アクリル酸エステルまたはメタクリ
ル酸エステルが好ましく、具体的にはアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルな
どが適用可能であり、特に、アクリル酸メチルおよびメ
タクリル酸メチルが易剥離性の点で好ましい。また、易
剥離性と剥離後の剥離部分の外観の点からは、不飽和カ
ルボン酸エステル単位の含有量は25〜50重量%が好
ましく、25〜45重量%がより好ましい。
【0010】樹脂組成物(A)中のエチレン/α−オレ
フィン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)は、一般
にLLDPEと呼ばれるエチレン系重合体である。ここ
でいうα−オレフィンとは、ブテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1,デセン−1、ドデセンー1などの炭
素数3〜12のα−オレフィンであり、その含量は通常
20重量%以下である。また、本発明の目的を達成すた
めには、JIS K 7210に準拠し、温度190
℃、荷重2.16kgの条件で測定した上記直鎖状低密度
ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、15
g/10分以下であることが好ましく、より好ましくは
1〜10g/10分以下である。MFRが15g/10
分を超えると、プロピレン系樹脂製容器に対する剥離強
度が十分発現しないことがある。かかるエチレン/α−
オレフィン共重合体の密度は、通常0.89〜0.92
4g/cm3である。
【0011】樹脂組成物(A)は、本発明の効果が著し
く阻害されない限り、エチレン/α−オレフィン共重合
体以外のポリエチレン、エチレン/不飽和カルボン酸エ
ステル共重合体以外のエチレン系共重合体、ポリプロピ
レン、プロピレン/α−オレフィン共重合体などのオレ
フィン系樹脂などの熱可塑性樹脂を含有してもよい。
【0012】また、本発明の効果が著しく損なわれない
限り、樹脂組成物(A)は、相溶化剤、帯電防止剤、酸
化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、抗菌
剤、防曇剤、滑剤、抗ブロッキング剤、可塑剤(ミネラ
ルオイルなど)などを含有してもよい。滑剤としては、
ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミ
ド、エチレンビスオレイン酸アミドなど炭素数1〜50
の高級脂肪酸アミドが用いられ、その添加量は、通常、
樹脂組成物(A)中のスチレン系樹脂100重量部中に
0.3〜50重量部である。また、抗ブロッキング剤と
は、球状の微粒子であり、具体的にはアルミノシリケー
トビーズ、珪藻土ビーズなどの無機ビーズや、アクリル
樹脂ビーズ、スチレン樹脂ビーズなどの有機ビーズが挙
げられる。抗ブロッキング剤の添加量は、通常、樹脂組
成物(A)中のスチレン系樹脂100重量部中に1〜1
00重量部である。
【0013】樹脂組成物(A)は、各成分を予め所定の
比率でドライブレンドした後、混練装置で溶融混練する
方法や、各成分を所定の比率で直接混練装置に供給し、
溶融混練する方法などにより製造することができる。
【0014】本発明の易剥離性フィルムは、樹脂組成物
(A)の層のみからなる単層フィルムであってもよく、
また、樹脂組成物(A)に該当するが互いに組成の異な
る2種以上の樹脂組成物からなる2層以上からなる積層
フィルムであってもよく、更には、少なくとも1層の樹
脂組成物(A)からなる層と樹脂組成物(A)以外の素
材からなる少なくとも1層とからなる積層フィルムであ
ってもよい。上記樹脂組成物(A)以外の素材からなる
層としては、樹脂組成物(A)以外の樹脂材料(すなわ
ち、樹脂または樹脂組成物)の層、アルミニウム箔など
金属箔の層、紙の層などが挙げられる。
【0015】本発明の易剥離性フィルムが樹脂組成物
(A)からなる単層フィルムである場合、その厚さは、
本発明の効果を阻害しない範囲で適宜決定することがで
きるが、一般的に20〜100μmが好ましい。
【0016】樹脂組成物(A)からなる単層フィルムを
製造する方法に特に制限はなく、例えばTダイキャスト
成形法、インフレーション成形法、テンター成形法など
によって樹脂組成物(A)をフィルム状に成形すること
により製造することができる。
【0017】本発明の易剥離性フィルムが、樹脂組成物
(A)からなる層と樹脂組成物(A)以外の樹脂材料か
らなる少なくとも1層とからなる積層フィルムである場
合、樹脂組成物(A)と積層される樹脂材料としては、
例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エ
チレン/α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エ
チレン/プロピレン共重合体、ポリスチレン、ゴム変性
ポリスチレン、ポリエステルおよびポリアミドからなる
群から選ばれる1種類以上の樹脂や、樹脂組成物(A)
以外の樹脂組成物が挙げられる。これらの樹脂材料から
なる層は、未延伸フィルム層でも、二軸延伸フィルムで
あってもよく、無機物や塩化ビニリデンなどの有機物が
塗工されていてもよく、また表面に印刷が施されていて
もよい。
【0018】本発明の易剥離性フィルムが積層フィルム
である場合には、樹脂組成物(A)からなる層は2層以
上あってもよく、この場合、各層の組成は同一であって
も異なっていてもよいが、樹脂組成物(A)からなる層
の少なくとも1層の一つの表面が、その積層フィルムの
一つの表面を形成する。本発明の易剥離性フィルムを容
器の蓋材に用いる場合、易剥離性フィルムは、それ単独
で、または基材に貼合された状態で蓋材の形に打ち抜き
成形される。このときの打ち抜き性を考慮すると、本発
明の易剥離性フィルムは、ゴム変性ポリスチレン及びポ
リスチレンからなる群から選択されるスチレン系樹脂1
00重量部当たり200〜900重量部のエチレン/不
飽和カルボン酸エステル共重合体ではないエチレン系樹
脂を含有する樹脂組成物(B)からなる層を有すること
が好ましい。
【0019】樹脂組成物(B)におけるゴム変性ポリス
チレン及びポリスチレンからなる群から選択されるスチ
レン系樹脂は、樹脂組成物(A)におけるスチレン系樹
脂と同様であるが、樹脂組成物(A)におけるスチレン
系樹脂とは独立して選択することができる。
【0020】樹脂組成物(B)におけるエチレン系樹脂
とは、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン/α
−オレフィン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)
(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)など
である。樹脂組成物(B)は一種類のみのエチレン系樹
脂を含有してもよく、また二種類以上のエチレン系樹脂
を含有してもよい。本発明の易剥離性フィルムを容器の
蓋材の形に打ち抜く際の打ち抜き性を考慮すると、LD
PEまたはLLDPEが好ましい。
【0021】樹脂組成物(B)は、本発明の効果が著し
く阻害されない範囲で、ポリプロピレン、プロピレン/
α−オレフィン共重合体などのオレフィン系樹脂などを
含有してもよい。
【0022】また、本発明の効果が損なわれない範囲内
において樹脂組成物(B)は、相溶化剤、帯電防止剤、
酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、抗
菌剤、防曇剤、滑剤、抗ブロッキング剤、可塑剤(ミネ
ラルオイルなど)などを含有してもよい。上記相溶化剤
としてはスチレン-共役ジエンブロック共重合体の水素
添加物などが使用できる。より具体的には、スチレン-
イソプレンブロック共重合体の水素添加物(SEPS)
やスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物
(SEBS)などを用いることができ、これらの添加量
は一般的に樹脂組成物(B)中のスチレン系樹脂100
重量部に対し、20〜100重量部である。
【0023】本発明の易剥離性フィルムが積層フィルム
である場合、その厚さは、本発明の効果が阻害されない
範囲で適宜決定することができるが、樹脂組成物(A)
からなる層の厚さは、一般に15〜50μ程度であるこ
とが易剥離性の面から好ましい。さらに樹脂組成物
(B)からなる層を設ける場合には、打ち抜き性の面か
ら、その厚みは5〜50μm程度が好ましい。
【0024】樹脂組成物(B)は、各成分を所定の比率
でドライブレンドした後、混練装置で溶融混練する方法
や、各成分を所定の比率で直接混練装置に供給し、溶融
混練する方法などにより調製することができる。
【0025】樹脂組成物(A)からなる層と樹脂組成物
(A)以外の素材からなる層とからなる積層フィルム場
合は、例えば、例えば共押出Tダイキャスト成形法、共
押出インフレーション成形法、共押出テンター成形法、
共押出ラミネート成形法、押出ラミネート成形法、ドラ
イラミネート成形法などにより製造することができる。
ドライラミネート成形法の場合は、貼合する面の少なく
とも一方にコロナ処理等の表面処理を施し、接着剤を用
いて貼着する。積層フィルムを上記のドライラミネート
成形法で積層する場合、樹脂組成物(A)以外の樹脂素
材からなるフィルムとは、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリアミド、エチレン/ビニルアルコール共重合体
などの未延伸フィルム、あるいはこれらの二軸延伸フィ
ルム、さらには上記フィルムのコーティング品、金属な
どの蒸着品などが挙げられる。
【0026】本発明の易剥離性フィルムは、それ単独で
容器用の蓋材や包装袋として使用することができる。ま
た、強度などの性能の向上または所望の機能の付与のた
めに、本発明の易剥離性フィルムは、適宜の材料からな
る基材と積層されて積層体を構成することができる。こ
のような積層体は、前記易剥離性フィルムの機能を有効
に発揮するために、少なくともその一方の表面が前記易
剥離性フィルムの樹脂組成物(A)の層によって構成さ
れていることが重要である。なお、易剥離性フィルムと
基材とは直接積層されていてもよいし、他の層を介して
積層されていてもよい。基材としては、二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムなどの熱可塑
性樹脂フィルムや、アルミニウム箔などの金属箔、紙な
どが適用される。易剥離性フィルムと基材との積層は、
両者の積層面の材質の組み合わせに応じて、接着剤によ
る接合、熱融着による接合など、適宜の方式を用いて行
うことができる。
【0027】本発明の易剥離性フィルム、またはこれを
基材と積層してなる積層体を包装材として用いる場合、
容器などに貼着される面の反対側の表面には、発明の効
果を阻害しない範囲で、コロナ処理などの表面処理を行
ってもよく、印刷インキなどの塗工や金属などの蒸着を
施してもよい。
【0028】本発明の易剥離性フィルム、およびこれを
基材と積層してなる積層体は、所定の形状に加工して、
カップ状の包装容器用の蓋材として用いることができ
る。本発明の易剥離性フィルム、およびこれを基材と積
層してなる積層体は、スタンディングパウチなどのパウ
チ状の容器としても用いることができる。かかる容器と
して用いる場合にも、通常は積層フィルムが採用され、
例えば一方に開口部を有する3方シール袋、スタンディ
ングパウチ状の容器などを予め製造し、開口部から内容
物を充填した後、開口部をシールする方法がある。この
際、樹脂組成物(A)の層が袋の内部に面し、樹脂組成
物(A)の層同士がシールされる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、少なくともスチレン系
樹脂製物品およびプロピレン系樹脂製物品の両方に対し
て優れた密着性と易剥離性を示す易剥離性フィルムおよ
び積層体を提供できる。具体的には、本発明の易剥離性
フィルム、およびこれを基材と積層してなる積層体は、
120〜200℃程度のヒートシール温度でスチレン系
樹脂製物品またはプロピレン系樹脂製物品にシールされ
た場合に、スチレン系樹脂物品およびプロピレン系樹脂
製物品のいずれに対しても、0.3〜2.0kg/15
mm幅の剥離強度が達成される。一般に、剥離強度が
0.3kg/15mm幅未満の場合は密封性に劣り、
2.0kg/15mm幅を超えると易開封性に劣る。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれに限定されない。
【0031】(実施例1)ゴム変性ポリスチレン(HI
PS:日本ポリスチレン(株)製 日本ポリスチH55
0)100重量部と、エチレン/メタクリル酸メチル共
重合体(EMMA:住友化学工業(株)製 アクリフト
WM403、メタクリル酸メチル含量:38重量%)3
75重量部と、エチレン/1−ヘキセン共重合体(LL
DPE:住友化学工業(株)製 スミカセン−E FV
402、MFR:4g/10分)138重量部とを混合
し、この混合物100重量部に対し高級脂肪酸アミド
2.45重量部、ポリメタクリル酸メチルビーズ9.2
重量部を添加し、同方向2軸押出機を用いてシリンダー
温度190℃にて溶融混合し、樹脂組成物(1)のペレ
ットを得た。この樹脂組成物(A)とエチレン/1−ヘ
キセン共重合体(LLDPE:住友化学工業(株)製ス
ミカセン−E FV405)とエチレン/1−ヘキセン
共重合体(LLDPE:住友化学工業(株)製 スミカ
セン−α CS8051)を、中外テック(株)製3種
3層Tダイキャスト成形機を用いて、押出温度230℃
にて厚み比 樹脂組成物(1)/FV405/CS80
51=20/10/10(μm)となる条件で製膜し、
易剥離性フィルムを得た。尚、後述する剥離強度試験に
おける基材とのラミネートに際しては、上記易剥離性フ
ィルムのCS8051層の表面にコロナ処理を施した。
【0032】(実施例2)ゴム変性ポリスチレン(HI
PS:日本ポリスチレン(株)製 日本ポリスチH55
0)100重量部と、エチレン/アクリル酸メチル共重
合体(EMA:住友化学工業(株)製 アクリフトCG
4002、アクリル酸メチル含量:31重量%)900
重量部と、エチレン/1−ヘキセン共重合体(LLDP
E:住友化学工業(株)製 スミカセン−E FV40
2、MFR:4g/10分)235重量部とを混合し、
この混合物100重量部に対し高級脂肪酸アミド3重量
部、ポリメタクリル酸メチルビーズ12.5重量部を添
加し、同方向2軸押出機を用いてシリンダー温度190
℃にて溶融混合し、樹脂組成物(2)のペレットを得
た。ゴム変性ポリスチレン(HIPS:日本ポリスチレ
ン(株)製 日本ポリスチH550)100重量部と、
低密度ポリエチレン(LDPE:住友化学工業(株)製
スミカセン L211、MFR:2g/10分)70
0重量部とスチレン/イソプレンブロック共重合体水素
添加物(SEPS:クラレ(株)セプトン2104)5
0重量部とを混合し、同方向2軸押出機を用いてシリン
ダー温度190℃にて溶融混合し、樹脂組成物(3)の
ペレットを得た。この樹脂組成物(2)と樹脂組成物
(3)と低密度ポリエチレン(LDPE:住友化学工業
(株)製スミカセン CE3506)とを、中外テック
(株)製3種3層Tダイキャスト成形機を用いて、押出
温度230℃にて厚み比 樹脂組成物(2)/樹脂組成
物(3)/CE3506=20/10/10(μm)と
なる条件で製膜し、易剥離性フィルムを得た。尚、後述
する剥離強度試験における基材とのラミネートに際して
は、上記易剥離性フィルムのCE3506層の表面にコ
ロナ処理を施した。
【0033】(比較例1)ゴム変性ポリスチレン(HI
PS:日本ポリスチレン(株)製 日本ポリスチH55
0)100重量部と、エチレン/メタクリル酸メチル共
重合体(EMMA:住友化学工業(株)製 アクリフト
WM403、メタクリル酸メチル含量:38重量%)1
50重量部とを混合し、同方向2軸押出機を用いてシリ
ンダー温度190℃にて溶融混合し、樹脂組成物(4)
のペレットを得た。ゴム変性ポリスチレン(HIPS:
日本ポリスチレン(株)製 日本ポリスチH550)1
00重量部と、エチレン/1−ヘキセン共重合体(LL
DPE:住友化学工業(株)製スミカセン−E FV2
02、MFR:2g/10分)700重量部とスチレン
/イソプレンブロック共重合体水素添加物(SEPS:
クラレ(株)セプトン2104)50重量部とを混合
し、同方向2軸押出機を用いてシリンダー温度190℃
にて溶融混合し、樹脂組成物(5)のペレットを得たこ
の樹脂組成物(4)と樹脂組成物(5)とエチレン/1
−ヘキセン共重合体(LLDPE:住友化学工業(株)
製スミカセン−α CS8051)とを、中外テック
(株)製3種3層Tダイキャスト成形機を用いて、押出
温度230℃にて厚み比 樹脂組成物(4)/樹脂組成
物(5)/CS8051 =15/10/10(μm)
となる条件で製膜し、易剥離性フィルムを得た。尚、後
述する剥離強度試験における基材とのラミネートに際し
ては、上記易剥離性フィルムのCS8051層の表面に
コロナ処理を施した。
【0034】(1)剥離強度 基材として二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム(厚さ12μm)またはアルミニウム箔
(厚さ25μm)を用い、基材と易剥離性フィルムのそ
れぞれの貼り合わせる表面にコロナ処理して両者をドラ
イラミネートした。ドライラミネートは、康井精機(株)
製 マルチパーパスコーターを用い、脂肪族エステル系
接着剤(主剤:武田薬品(株)製 商品名「A51
5」、硬化剤:武田薬品(株)製、商品名「A50」、
および酢酸エチルをそれぞれ10:1:18(重量%)
の割合で配合し十分に混合したもの)を基材フィルムの
ラミネートする面に塗布し、十分に酢酸エチルを乾燥除
去した後、易剥離性フィルムのコロナ処理面(製膜時に
42dyne/cm以上になるようにコロナ処理を実
施)とを接触させ、圧着し、積層体を得た。この易剥離
性フィルムを有する積層体を40℃の乾燥器中で48時
間エージングし、評価に用いた。得られた積層体の易剥
離性フィルム側と、被着体であるゴム変性ポリスチレン
(HIPS)(日本ポリスチレン(株)製 日本ポリス
チ H550)で作製した0.6mm厚みのシート、ま
たはポリプロピレン(住友化学工業(株)製 ノーブレ
ンFS2011D)で作製した0.5mm厚みのシート
とを、テスター産業(株)製ヒートシールテスターを用
いて、圧力3kg/cm2、時間1秒、巾20mm、及
び表1に示した温度の条件にてヒートシール(熱貼合)
した。ヒートシール部を15mm巾に切り出し、島津製
作所(株)製 オートグラフAGS−500型引張り試
験機にて剥離角度180度、引張り速度:300mm/
minで剥離し、剥離強度(単位:kg/15mm巾)
を求めた。剥離強度の測定結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/08 C08L 23/08 //(C08L 23/08 (C08L 23/08 25:04) 25:04) Fターム(参考) 4F071 AA13 AA14 AA22 AH04 AH05 BA01 BB06 BC01 4F100 AB01B AB33B AK01B AK04A AK04J AK12A AK24A AK24J AK25 AK25J AK62A AK63 AL01A AL05A AL06A AN00A BA02 DG10B GB16 JA06A JL11 JL14 4J002 AC032 AC062 AC082 BB053 BB081 BC032 GG01 GG02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム変性ポリスチレン及びポリスチレンか
    らなる群から選択されるスチレン系樹脂100重量部に
    対してエチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を
    250〜1600重量部、190℃、荷重2.16kgで
    測定されるメルトフローレート(MFR)が15g/1
    0分以下であるエチレン/α−オレフィン共重合体を5
    0〜300重量部含む樹脂組成物(A)からなる層を有
    する易剥離性フィルムであって、該フィルムの一方の表
    面が前記樹脂組成物(A)の層の一方の表面であること
    を特徴とする易剥離性フィルム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の易剥離性フィルムの層と
    基材の層とを有する積層体であって、少なくともその一
    方の表面が前記易剥離性フィルムの樹脂組成物(A)の
    層で構成されていることを特徴とする積層体。
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