JP2001179904A - 易引裂性フィルム - Google Patents

易引裂性フィルム

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JP2001179904A
JP2001179904A JP37066999A JP37066999A JP2001179904A JP 2001179904 A JP2001179904 A JP 2001179904A JP 37066999 A JP37066999 A JP 37066999A JP 37066999 A JP37066999 A JP 37066999A JP 2001179904 A JP2001179904 A JP 2001179904A
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JP37066999A
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Tatsuma Kuroda
竜磨 黒田
Hiroaki Takahata
弘明 高畑
Yasuyuki Takagi
康行 高木
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂を主体とし直線引裂性に優れ、かつ易剥離
性を有する易引裂性フィルムを提供すること。 【解決手段】下記樹脂組成物(X)からなる層(A層)
及び樹脂組成物(Y)からなる層(B層)を含む多層フ
ィルムであって、少なくとも一方の表層がB層であるこ
とを特徴とする易引裂性フィルム。 樹脂組成物(X):スチレン系樹脂(P1)100重量
部に対して、オレフィン系樹脂(P2)を140〜18
00重量部、スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体
の水素添加物(P3)を5〜600重量部の割合で含む
樹脂組成物。 樹脂組成物(Y):溶解性パラメータ(SP値)が8.
45〜8.70であり、かつポリマー中に芳香族ビニル
化合物から誘導される繰り返し単位を含まないオレフィ
ン系樹脂(P4)100重量部に対し、(P4)の繰り
返し単位と異なる繰り返し単位からなる熱可塑性樹脂
(P5)を100〜900重量部含む樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の包装材とし
て有用な易引裂性フィルム関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック、金属、ガラスなどを成形
してなるトレイあるいはカップ様の容器(例えば、プリ
ン、ゼリーなどの食品の包装容器など)は、内容物の充
填後、種々の材料からなる蓋材によって封緘される。こ
のとき用いられる蓋材は、通常、内容物の取出し時に容
易に開封することができるように、その封緘面にはそれ
を貼着する容器に適した易剥離性材料の層(シーラント
層)が設けられている。近年、容器用蓋材として、易剥
離性を備えると同時に易引裂性も備えたもの要求が高ま
っている。
【0003】一方、袋状の包装材は、一表面に接着性の
シーラント層を有するフィルムを用い、そのシーラント
層同士を接着して形成されているものが多いが、その開
封は、袋を引き裂くことにより行われることが多い。と
ころが、従来のこのような袋状包装材では、通常、その
シーラント層にオレフィン系樹脂が用いられているた
め、袋全体としては引裂性に劣り、鋏などの器具を用い
なければ開封できないことが多いことから、引裂性に優
れた易引裂性の袋状包装材が望まれている。また、袋状
包装材については剥離によって開封できることも望まれ
ており、従って、袋状包装材の分野においても、易引裂
性と易剥離性とを兼ね備えたものの開発が望まれてい
る。
【0004】上記のような蓋材や袋状包装材などの包装
材として用いられるフィルムは、接着機能を奏する接着
性材料からなるシーラント層と、それ以外の部分である
基材フィルムの層とで構成される積層体である。従来、
易引裂性と易剥離性とを兼ね備えた包装材用フィルムと
して、易引裂性に優れた基材フィルムを有するフィルム
が提案され、実用化されている。易引裂性に優れた持つ
基材フィルムの代表的なものにアルミ箔や紙があり、こ
れらにシーラント層を設けた積層体は、包装材として広
く用いられている。しかしながら、アルミ箔および紙
は、それ自身、直線引裂性に乏しく、引裂方向をガイド
する手段を併用しなければ、意図した通りに直線状に引
裂くことが難しい。易引裂性を持つ基材フィルムとし
て、樹脂材料からなる基材フィルムも知られている。例
えば、特開平1−153733号公報は、互いに非相溶
の複数のポリマーからなる組成物からなるフィルムを開
示している。しかしながら、このフィルムは、直線引裂
性において十分ではない。一方、特開平7−29217
1号公報には、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合
体(A)とスチレン系重合体(B)とを(A)/(B)
=61/39〜98/2(重量比)の割合で含み、
(A)と(B)の総和100重量部に対して、水素添加
されたスチレン系モノマー/共役ジエン系共重合体など
の相溶剤(C)を0.1〜30重量部の割合で含む樹脂
組成物からなる易引裂性フィルムが開示されている。こ
の易引裂性フィルムは凝集力が大きいため、取扱性や加
工性において優れるが、直線引裂性が十分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹脂
を主体とし直線引裂性に優れ、かつ易剥離性を有する易
引裂性フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、下記特定組
成の二層を少なくとも有するフィルムが上記目的に適う
ことを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、下記樹脂組成物(X)からなる層(A層)及び樹脂
組成物(Y)からなる層(B層)を含む多層フィルムで
あって、少なくとも一方の表層がB層であることを特徴
とする易引裂性フィルムである。 樹脂組成物(X):スチレン系樹脂(P1)100重量
部に対して、オレフィン系樹脂(P2)を140〜18
00重量部、スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体
の水素添加物(P3)を5〜600重量部の割合で含む
樹脂組成物。 樹脂組成物(Y):溶解性パラメータ(SP値)が8.
45〜8.70であり、かつポリマー中に芳香族ビニル
化合物から誘導される繰り返し単位を含まないオレフィ
ン系樹脂(P4)100重量部に対し、(P4)の繰り
返し単位と異なる繰り返し単位からなる熱可塑性樹脂
(P5)を100〜900重量部含む樹脂組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の易引裂性フィルムは、下
記樹脂組成物(X)からなる層(A層)及び樹脂組成物
(Y)からなる層(B層)を含む多層フィルムであっ
て、少なくとも一方の表層がB層であることを特徴とす
る易引裂性フィルムである。 樹脂組成物(X):スチレン系樹脂(P1)100重量
部に対して、オレフィン系樹脂(P2)を140〜18
00重量部、スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体
の水素添加物(P3)を5〜600重量部の割合で含む
樹脂組成物。 樹脂組成物(Y):溶解性パラメータ(SP値)が8.
45〜8.70であり、かつポリマー中に芳香族ビニル
化合物から誘導される繰り返し単位を含まないオレフィ
ン系樹脂(P4)100重量部に対し、(P4)の繰り
返し単位と異なる繰り返し単位からなる熱可塑性樹脂
(P5)を100〜900重量部含む樹脂組成物。 ここで、上記樹脂組成物(X)中の(P1)、(P
2)、(P3)と樹脂組成物(Y)中の(P4)、(P
5)の含有割合が本発明の範囲内にあることが、易引裂
性、直線引裂性、易剥離性などのバランスなどの点で好
ましい。
【0008】本発明で用いる樹脂組成物(X)中の(P
1)のスチレン系樹脂は、特に制限が無く、従来のポリ
スチレン(スチレン単独重合体)、スチレン/(メタ)
アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、
スチレン/アクリロニトリル共重合体、ゴム変性ポリス
チレン、ゴム変性スチレン/アクリロニトリル共重合体
及びそれらの混合物などが使用できる。上記ゴム変性ポ
リスチレンとは、5〜25重量%の軟質成分粒子を含有
するスチレン単独重合体である。易引裂性と直線引裂性
の観点を考慮すると、上記したスチレン系樹脂の中で
も、ポリスチレンおよびゴム変性ポリスチレンが特に好
ましい。
【0009】本発明で用いる樹脂組成物(X)中の(P
2)は、オレフィン系樹脂であり、スチレン系樹脂(P
1)100重量部に対し、140〜1800重量部が好
ましい。さらに好ましくは、140〜1000である。
この範囲外である場合、連続相を形成するオレフィン系
樹脂の易引裂性を阻害する因子(引裂時の伸び)が強く
なり、易引裂性が失われたり、あるいは、フィルムの柔
軟さが乏しくなり、包装材として使用し難い場合が生
じ、好ましくない。ここでいうオレフィン系樹脂とは、
エチレン,プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンなど
炭素数2〜8のα−オレフィンの単独、あるいは2種以
上の共重合体であり、具体例には、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、エチ
レン/ブテン−1共重合体、エチレン/ヘキセン−1共
重合体等のエチレン/α−オレフィン共重合体、プロピ
レン単独重合体、プロピレン/α−オレフィンブロック
共重合体、プロピレン/α−オレフィンランダム共重合
体などのプロピレン系重合体、及びそれらの2種以上の
混合物が挙げられる。上記の中でも、エチレン系樹脂と
しては、温度190℃、荷重2.16kgの条件にてJ
IS K7210に準拠して測定されるメルトフローレ
ート(MFR)が0.2〜10g/10分の、ポリエチ
レン、エチレン/α−オレフィン共重合体またはそれら
の混合物が好ましい。MFRが上記の範囲内にあると、
(P1)成分のスチレン系樹脂とのMFRが近く、易引
裂性フィルムとしたときの易剥離性、易引裂性などのバ
ランスの点で良好となる。エチレン/α−オレフィン共
重合体のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数3
〜10のα−オレフィンが挙げられる。また、プロピレ
ン系樹脂としては、温度230℃、荷重2.16kgの
条件にてJIS K7210に準拠して測定されるMF
Rが0.2〜10g/10分の、プロピレン単独重合
体、プロピレン/α−オレフィンブロック共重合体、プ
ロピレン/α−オレフィンランダム共重合体またはそれ
らの混合物が好ましい。MFRが上記の範囲内にある
と、(P1)成分のスチレン系樹脂とのMFRが近く、
易引裂性フィルムとしたときの易剥離性、易引裂性など
のバランスの点で良好となる。プロピレン/α−オレフ
ィンブロック共重合体、プロピレン/α−オレフィンラ
ンダム共重合体のα−オレフィンとしては、例えばエチ
レン、ブテン−1等が挙げられる。
【0010】また、本発明の樹脂組成物(X)中の(P
3)とは、水素添加されたスチレン系化合物/共役ジエ
ン系共重合体である。水素添加されたスチレン系化合物
/共役ジエン系共重合体として、具体的には、スチレン
から誘導される繰り返し単位の含有量が30〜80重量
%であるスチレン/イソプレンブロック共重合体ゴムの
水添物またはスチレン/ブタジエンブロック共重合体ゴ
ムの水添物が挙げられる。直線引裂性の観点でスチレン
/ブタジエンブロック共重合体ゴムの水添物が好まし
い。また、直線引裂性の観点から、その添加量は、樹脂
組成物(X)中のスチレン系樹脂(P1)100重量部
に対し、5〜600重量%が好ましい。さらに好ましく
は5〜300重量%である。
【0011】また、本発明で用いる樹脂組成物(X)に
は、必要に応じて、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防
止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染
料、抗菌剤、防曇剤などを含有させてもよく、更に本発
明の効果を損なわない範囲内において、ミネラルオイル
などの可塑剤を含有させてもよい。
【0012】本発明の易引裂フィルムは、易引裂性を有
する樹脂組成物(X)に易剥離性を有する樹脂組成物
(Y)を多層化することで直線引裂性の改善効果が見ら
れる。この樹脂組成物(Y)とは、易剥離層であり、樹
脂組成物(Y)からなるフィルム、あるいはシートがス
チレン系樹脂、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、カ
ーボネート系樹脂、及びエステル系樹脂からなる群から
選ばれる少なくとも1つ樹脂からなるフィルム、または
シートに100〜200℃のシール温度、1〜3kg/
cm2のシール圧力、1〜3秒のシール時間でシールし
たその強度が、シール強度が0.2kg/15mm以
上、2kg/15mm未満である熱可塑性樹脂組成物
が、樹脂組成物(X)からなるフィルムの直線引裂性を
向上させる効果が大きいため好ましい。
【0013】さらに本発明で用いる樹脂組成物(Y)
は、2種類以上の繰り返し単位の異なる熱可塑性樹脂か
らなる特定の樹脂組成物のとき、易引裂性フィルムの直
線引裂性を改良できる。樹脂組成物(Y)中の(P4)
成分は、溶解性パラメータ(SP)が8.45〜8.7
0であり、かつポリマー中に芳香族ビニル化合物から誘
導される繰り返し単位(以下、「芳香族ビニル化合物単
位」と称する)を含まないオレフィン系樹脂である。
【0014】溶解性パラメータ(SP)が8.45〜
8.70の範囲のとき、フィルムの直線引裂性は良好で
あり、同時に易剥離性と易引裂性とのバランスも良好と
なる。ここで、溶解性パラメータ(SP)とは、Hil
debrand−Scatchardの理論によって、
分子間の引き合う力を定義したものである。詳しい解説
は高分子化学の一般的な教科書、例えば“ポリマーブレ
ンド、秋山三郎ら、(株)シーエムシー、第4刷、12
5〜144頁(1991年)”等に記載されている。と
ころで、この溶解性パラメーターは、粘度法や膨潤度法
などの実験により求める方法、または分子構造から計算
で求める方法などがあるが、本発明では、Smallに
よって提案された、分子構造から計算により求める方法
を用いる。この方法の詳細については、“ジャーナル・
オブ・アプライド・ケミストリー(Journal o
f Applied Chemistry)、3巻、7
1〜80頁(1953年)”に詳しく記載されている。
これにより、溶解性パラメータは次式を用いて算出す
る。 SP値=ΣFi/V=ρ・ΣFi/M ここで、Fiは分子を構成する原子又は原子団、結合型
など構成グループのモル吸引力、Vはモル容積、ρは密
度をそれぞれ示す。Mは分子量を示し、高分子の場合は
繰り返し単位(つまりモノマー単位)の分子量を示す。
iの値は、上記2つの文献に記載されているSmal
lの値を用いた。共重合体のρ、ΣFiおよびMについ
ては、共重合体を構成するモノマー単位の各単独重合体
のρ、ΣFiまたはMの数値にモノマー単位のモル分率
を乗じたものの和を算出して用いる。
【0015】樹脂組成物(Y)中の(P4)の代わりに
ポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を含有するオレフ
ィン系樹脂を用いた場合、直線引裂性の点で好ましくな
い場合がある。芳香族ビニル化合物としては、例えばス
チレン、α−メチルスチレンなどのα−アルキル置換ス
チレン、p−メチルスチレンなどの核置換アルキルスチ
レンなどが挙げられる。
【0016】溶解性パラメータ(SP)が8.45〜
8.70であり、かつポリマー中に芳香族ビニル化合物
を含まないオレフィン系樹脂としては、不飽和カルボン
酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸無水
物、及び酢酸ビニルからなる群から選ばれる一種以上の
ビニルモノマーから誘導される繰り返し単位(以下、
「ビニルモノマー単位」とする)とエチレンから誘導さ
れる繰り返し単位(以下、「エチレン単位」とする)か
らなるエチレン系共重合体が挙げられる。
【0017】不飽和カルボン酸としては、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸等が挙げられる、また、不飽和カル
ボン酸エステルとしては、例えばエチルアクリレート、
メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ステアリルアクリレート、グリシジルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリ
レート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。不
飽和カルボン酸無水物としては、例えば無水マレイン酸
等が挙げられる。
【0018】(P4)の具体例としては、エチレン/ア
クリル酸共重合体、エチレン/メタアクリル酸共重合
体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/
アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタアクリル酸
メチル共重合体、エチレン/メタアクリル酸エチル共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アク
リル酸メチル/メタアクリル酸グリシジル共重合体、エ
チレン/メタアクリル酸メチル/メタアクリル酸グリシ
ジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタアクリル酸
グリシジル共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合
体などが挙げられる。
【0019】上記エチレン系共重合体中の上記ビニルモ
ノマー単位とエチレン単位の含有割合は、溶解性パラメ
ータ(SP)が、8.45〜8.70である共重合体を
与える範囲で適宜決められる。また、上記エチレン系共
重合体中の上記ビニルモノマー単位とエチレン単位の結
合様式、例えばランダム、ブロック、交互については何
等限定されるものではない。上記(P4)の具体例の中
でもエチレン/メタアクリル酸メチル共重合体、エチレ
ン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル
共重合体が易剥離性を有しながら樹脂組成物(X)から
なる層の易引裂性を向上させる効果大きい点で好まし
く、更にメタアクリル酸メチル単位あるいはアクリル酸
メチル単位の含有量が15〜50重量%、更には20〜
45重量%であるエチレン/メタアクリク酸メチル共重
合体とエチレン/アクリル酸メチル共重合体がよりフィ
ルムの直線引裂性の点で好ましい。
【0020】樹脂組成物(Y)中の(P5)成分として
は、(P4)成分と繰り返し単位の異なる繰り返し単位
からなる熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、ス
チレン系樹脂、プロピレン系樹脂、カーボネート系樹
脂、及びエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる群
より選ばれる1種、あるいは2種以上の混合物が挙げら
れる。これらの中でもスチレン系樹脂、あるいはプロピ
レン系樹脂を用いた場合が直線引裂性の点で特に好まし
い。
【0021】本発明の易引裂性フィルムの厚みは、特に
限定されないが、引裂強度を考慮すると20〜200μ
mが好ましい。ここでいう引裂強度は、実際にフィルム
を引き裂く時の抵抗感であり、厚みに比例し大きくなる
ため上記の厚み範囲外の場合、「引裂にくい」と感じら
れることがある。樹脂組成物(X)からなる層(A層)
と樹脂組成物(Y)からなる層(B層)の厚み比も特に
制限されないが、A層を1とした場合B層の厚み比は
0.2〜5程度が良い。さらに、B層が一方の表層であ
る以外は、易引裂性を阻害しない範囲で層構成は特に限
定されない。
【0022】本発明の易引裂性フィルムは直線引裂性な
ど本発明の効果を阻害しない範囲で、様々な特徴を有す
る層を含んでもよい。具体的には、耐熱保護層、バリア
層、印刷層、接着層などである。耐熱保護層、ガスバリ
ア層や水蒸気バリア層などは、市販のポリエステル系樹
脂、ポリアミド樹脂、プロピレン系樹脂やエチレン−酢
酸ビニル共重合体鹸化物樹脂などが必要に応じて用いら
れる。これらの樹脂は、共押出技術により本発明のA
層、B層と多層化される場合や、また、上記樹脂の未延
伸フィルム、延伸フィルムやそれらの表面に各種性能を
有する層を塗工したフィルムなどと本発明の易引裂性フ
ィルムとをラミネート技術によっても多層化できる。さ
らに印刷層は、印刷インキを用いて、多層化する層のい
ずれかにグラビア印刷など公知の方法で形成することが
できる。接着層は、共押出成形においては、本発明のA
層、B層と上記したような特徴を有する層との間で接着
性を担う層であり、ラミネート技術では、アンカーコー
ト剤などの接着剤からなる層である。
【0023】本発明の易引裂性フィルムは、包装材とし
て易引裂性蓋材や易引裂性容器として用いられる。本発
明の易引裂性蓋材とは、凹部を有するプラスチック製、
金属製及びガラス製の容器の蓋であり、例えばプラスチ
ック、アルミ箔、紙などから構成される基材と本発明の
易引裂性フィルムとをラミネートして多層フィルムとな
し、次に該多層フィルムを所定の形状に打ち抜きなどの
加工法で成形する方法により製造することができる。ま
た、多層フィルムを打ち抜き前に容器のフランジ部に貼
着し、その後に打ち抜き加工などを行って、容器に貼着
された状態で蓋材に仕上げることもできる。
【0024】本発明の易引裂性容器とは、スタンディン
グパウチの様に容器であり、例えばプラスチック、アル
ミ箔、紙などから構成される基材とシール層と本発明の
易引裂性フィルムをラミネートした多層フィルムを例え
ば、三方シール袋状、四方シール袋状、スタンディング
パウチ状の所定の形状に加工し製袋する方法により製造
することができる。
【0025】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれ
ば、プラスチック材料からなり、易剥離性、直線引裂性
に優れる易引裂性フィルムを提供することができる。さ
らに、この易引裂性フィルムを含む易引裂性蓋材は、凹
部を有するプラスチック容器などのフランジ部にシール
され、使用される。開封時には蓋材の一部を引裂くこと
でも剥離することでも簡単に内容物を取り出すことがで
きる。さらに、本発明の易引裂性フィルムを用いた容器
は、シール部分を剥がすことによっても、また一部分を
容易に引き裂くことによっても開封することができ、
「また裂け」現象を起こすことがない。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、評価項目のうち、上記に記載した項目以外の項目
については以下のとおり実施した。
【0027】引裂強度 得られたフィルムのフィルム巻き取り方向(MD)につ
いて、ASTM D1922―67に基づき(エレメン
ドルフ試験法)引裂強度を求めた。この値が20kg/
cm以下である場合、易引裂性は良好である。 (2)直線引裂性 得られたフィルムのフィルム巻き取り方向(MD)に垂
直な方向(TD)について、鋏で40mm幅の切り込み
を入れた後、手で200mmの長さ引裂き、引裂き終了
点での幅L(mm)を測定し、40−L(mm)の値を
求めた。この値の絶対値が小さいほど直線引裂性に優れ
る。この値が4以下である場合、直線引裂性は良好であ
る。 剥離強度 製膜した易引裂性フィルムを二軸延伸ポリエステルフィ
ルム(PET:東洋紡績(株)製 東洋紡エステルフィ
ルムE5102、膜厚=12μm)と接着剤(武田薬品
(株)製 タケラックA−515/タケネートA−50
=10/1(重量比)で混合比酢酸エチルにて固形分含
量15wt%になるように調製したもの)を用いてドラ
イラミネートし、40℃で48時間エージングしたサン
プルの易引裂フィルムのシール面をHIPSシート(3
00μm)上にヒートシーラーを用い、温度160℃、
200℃の2水準、圧力3kg/cm2、時間1秒の条
件でヒートシールした後、15mm巾の短冊状に切り出
し、島津製作所(株)製オートグラフAGS−500で
剥離速度300mm/分、剥離角度180度で剥離し、
そのときの剥離過重を求めた。
【0028】実施例1 Tダイキャスト成形機を用い、スチレン単独重合体(G
PPS)(日本ポリスチレン(株)製 日本ポリスチ:
G590)、低密度ポリエチレン(LDPE:住友化学
工業(株)製 スミカセンL211;MI=2kg/1
0分)、スチレン/ブタジエンブロック共重合体水素添
加物(クラレ(株)製セプトン8007)を30/60
/10の重量比で混合した樹脂組成物(X)からなる層
とゴム変性ポリスチレン(HIPS)(日本ポリスチレ
ン(株)製 日本ポリスチ:H550)とエチレン/メ
タクリル酸メチル共重合体(EMMA:住友化学工業
(株)製 アクリフトWM403、SP値=8.50)
を40/60の重量比で混合した樹脂組成物(Y)から
なる層を、シリンダー温度が230℃、ダイス温度23
0℃の条件で厚みが前者/後者=22/8μmとなる条
件で溶融押出し、製膜した。結果を表1に示した。
【0029】比較例1 樹脂組成物(Y)からなる層を低密度ポリエチレン(L
DPE:住友化学工業(株)製 スミカセンL211)
の層に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を
表1に示した。
【0030】比較例2 Tダイキャスト成形機を用い、スチレン単独重合体(G
PPS)(日本ポリスチレン(株)製 日本ポリスチ:
G590)、低密度ポリエチレン(LDPE:住友化学
工業(株)製 スミカセンL211、MI=2kg/1
0分)、スチレン/ブタジエンブロック共重合体水素添
加物(クラレ(株)製 セプトン8007)を30/7
0/10の重量比で混合した樹脂組成物(X)をシリン
ダー温度が230℃、ダイス温度230℃の条件で厚み
が50μmとなる条件で溶融押出し、製膜した。シーラ
ント層を設けてないため剥離強度は求められないが他の
測定は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示し
た。
【0031】比較例3 Tダイキャスト成形機を用い、ゴム変性ポリスチレン
(HIPS)(日本ポリスチレン(株)製 日本ポリス
チ:H550)とエチレン/メタクリル酸メチル共重合
体(EMMA:住友化学工業(株)製 アクリフトWM
403、SP値=8.50)を40/60の重量比で混
合した樹脂組成物を、シリンダー温度が230℃、ダイ
ス温度230℃の条件で厚みが50μmとなる条件で溶
融押出し、製膜した。結果を表1に示した。
【0032】
【表1】 1) スチレン/ブタジエンブロック共重合体水素添加物 2) 引裂のゆらぎがあった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25/06 C08L 25/06 31/04 31/04 S 33/06 33/06 51/04 51/04 53/00 53/00 53/02 53/02 101/00 101/00 (72)発明者 高木 康行 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK01B AK03A AK03B AK06 AK12 AK12A AK12J AK28A AK28J AK62A AK62B AK66A AK66B AK71 AK73 AK73A AL01A AL05 AL05A AL05B AL06A BA02 EH20 GB17 GB18 GB23 JA04B JA20A JA20B JB16B JK03 JK06 JL14 YY00A YY00B 4J002 BB03X BB05X BB06W BB07W BB08W BB09X BB10W BB10X BB12X BB14X BB15X BB17X BC00X BC03W BC06W BC07W BH01W BN14W BP01Y CD19W CF00X CG00X GG02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記樹脂組成物(X)からなる層(A層)
    及び樹脂組成物(Y)からなる層(B層)を含む多層フ
    ィルムであって、少なくとも一方の表層がB層であるこ
    とを特徴とする易引裂性フィルム。 樹脂組成物(X):スチレン系樹脂(P1)100重量
    部に対して、オレフィン系樹脂(P2)を140〜18
    00重量部、スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体
    の水素添加物(P3)を5〜600重量部の割合で含む
    樹脂組成物。 樹脂組成物(Y):溶解性パラメータ(SP値)が8.
    45〜8.70であり、かつポリマー中に芳香族ビニル
    化合物から誘導される繰り返し単位を含まないオレフィ
    ン系樹脂(P4)100重量部に対し、(P4)の繰り
    返し単位と異なる繰り返し単位からなる熱可塑性樹脂
    (P5)を100〜900重量部含む樹脂組成物。
  2. 【請求項2】スチレン系樹脂(P1)がポリスチレン及
    び/またはゴム変性ポリスチレンであることを特徴とす
    る請求項1に記載の易引裂性フィルム。
  3. 【請求項3】B層の厚みに対するA層の厚みの比が1/
    0.2〜1/5であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の易引裂性フィルム。
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