JP2001340793A - ロール塗布装置および塗布方法 - Google Patents

ロール塗布装置および塗布方法

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JP2001340793A
JP2001340793A JP2000164328A JP2000164328A JP2001340793A JP 2001340793 A JP2001340793 A JP 2001340793A JP 2000164328 A JP2000164328 A JP 2000164328A JP 2000164328 A JP2000164328 A JP 2000164328A JP 2001340793 A JP2001340793 A JP 2001340793A
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roll
coating
squeeze
coating liquid
squeeze roll
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Hidekazu Marukawa
英和 丸川
Yasutaka Morikawa
容任 森川
Munehiro Ishioka
宗浩 石岡
Akira Takagi
昭 高木
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗液付着量の制御性を良好にして、付着量変
動を低減できる塗布装置および塗布方法を提供する。 【解決手段】 走行する金属帯を挟んで配設され、ゴム
ライニングが施された塗液塗布用の一対のスクイズロー
ル2−1,2−2を備えるロール塗布装置において、一
方のスクイズロール2−1は、該スクイズロールを支持
するロールチョック4を介して圧下力が調整可能であっ
て、該ロールチョック4の摺動部7には低摩擦部材7a
が配設されており、他方のスクイズロール2−2は固定
であって、該スクイズロール2−2を支持するロールチ
ョック4に圧下力測定用のロードセル6が配設されてい
るロール塗布装置。前記ロール塗布装置を用いて塗液を
塗布するにあたり、金属帯の幅、金属帯の厚さ、金属帯
の走行速度、塗液の濃度、またはさらにスクイズロール
表面の溝形状に応じて、塗液乾燥後の付着量が一定にな
るように、スクイズロール圧下力を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行金属帯の表面
に、スクイズロールを用いて塗液を塗布する装置及び方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板等の金属帯に化成処理を施して耐食
性等の性能を向上させることが行われている。安価で高
能率の化成処理方法として、スクイズロールを用いて化
成処理液を塗布する方法がある。この方法では、塗液
(化成処理液)を走行金属帯上あるいはスクイズロール
上に過剰に供給した後、回転しながら所定の荷重で押付
けられている一対のスクイズロールで塗液を絞り取って
金属板表面の塗液付着量を調整する。ロール回転方向と
しては金属板の走行方向と同じ方向あるいは逆方向の2
種類がある。
【0003】前記した装置では、スクイズロールを回転
可能に支持する左右一対のロールチョックがロール架台
のチョック案内部に収納されている。スクイズロールで
絞り取る塗液量の制御は、流体圧シリンダーで前記ロー
ルチョックの加圧力を制御し、ロールチョックをチョッ
ク案内部の摺動面を摺動させて、スクイズロールの押付
荷重(圧下力)を制御して行われる。
【0004】スクイズロールで絞り取られた後の塗液付
着量が変動すると、耐食性、その他の品質のバラツキが
大きくなるので、付着量変動をなるべく低減できること
が好ましい。
【0005】特開平9−256166号公報には、スク
イズロールの圧下力を調整する機構を有する流体圧シリ
ンダーを配設し、オンライン付着量計で測定された塗液
付着量に応じて、スクイズロールの圧下力をフィードバ
ック制御し、付着量を均一にすることが記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記方法で、
流体圧シリンダーの圧力を制御しても、塗液付着量を精
度良く制御できないため、付着量変動を低減する効果が
少ない。
【0007】本発明は、前記問題を考慮し、塗液付着量
の制御性を良好にして、付着量変動を低減できる塗布装
置および塗布方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】スクイズロールで絞り取
られた後の塗液付着量に影響を及ぼすのは、流体圧シリ
ンダーの加圧力からロールチョック摺動面の摩擦力を差
引いた差分である。ロールの押付荷重を直接制御しよう
とすると、ロールチョック摺動面の摩擦力が無視できな
い。すなわち、流体圧シリンダーの圧力を制御しても、
ロールチョック摺動面の静止摩擦力により、小さい圧力
変更はロールの押付荷重の変更に反映されず、その結果
塗液付着量の変更に反映されない。また、金属帯の走行
速度の変動や周囲の振動等により、ロールチョック摺動
面に作用する摩擦力は刻々と変化しているため、それに
応じて流体圧シリンダーの加圧力との差分、すなわちロ
ールの押付荷重も刻々と変化し、塗液付着量が安定しな
い。
【0009】スクイズロールのロールチョック摺動部に
作用する摩擦力を小さくすることにより、摺動面の摩擦
力や振動等に起因するロールの押付荷重の不安定化要因
を取り除き、均一な付着量を安定して得ることができ
る。本発明は、この考えに基づくものであり、その手段
は以下のとおりである。
【0010】(1)走行する金属帯を挟んで配設され、
ゴムライニングが施された塗液塗布用の一対のスクイズ
ロールを備えるロール塗布装置において、一方のスクイ
ズロールは、該スクイズロールを支持するロールチョッ
クを介して圧下力が調整可能であって、該ロールチョッ
クの摺動部には低摩擦部材が配設されており、他方のス
クイズロールは固定であって、該スクイズロールを支持
するロールチョックに圧下力測定用のロードセルが配設
されていることを特徴とするロール塗布装置(第1発
明)。
【0011】(2)低摩擦部材として、金属の転がり接
触ガイドが配設されていることを特徴とする前記(1)
に記載のロール塗布装置(第2発明)。
【0012】(3)ゴムライニングが施されたスクイズ
ロールが、表面に0.2〜3mmピッチのV型の溝を有
することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の
ロール塗布装置(第3発明)。
【0013】(4)ロール塗布装置が、塗布部の下流側
にオンライン付着量計を備え、また該付着量計で検出し
た塗液付着量に基づいて、スクイズロール圧下力を制御
可能に配設された制御装置を備えることを特徴とする前
記(1)〜(3)のいずれかに記載のロール塗布装置
(第4発明)。
【0014】(5)前記(1)〜(3)のいずれかに記
載のロール塗布装置を用いて塗液を塗布するにあたり、
金属帯の幅、金属帯の厚さ、金属帯の走行速度、塗液の
濃度、またはさらにスクイズロール表面の溝形状に応じ
て、塗液乾燥後の付着量が一定になるように、スクイズ
ロール圧下力を付与することを特徴とする塗液の塗布方
法(第5発明)。
【0015】(6)前記(4)に記載のロール塗布装置
を用いて塗液を塗布するにあたり、金属帯の幅、金属帯
の厚さ、金属帯の走行速度、塗液の濃度、またはさらに
スクイズロール表面の溝形状に応じて、塗液乾燥後の付
着量が一定になるように、スクイズロール圧下力を付与
し、オンライン付着量計で測定した塗液付着量に基づい
て、測定付着量と目標付着量の偏差に応じて前記で付与
したスクイズロール圧下力を修正するフィードバック制
御を行うことを特徴とする塗液の塗布方法(第6発
明)。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態に
係るロール塗布装置の一例を示す概略図、図2は図1の
ロール塗布装置に配設されているスクイズロールの圧下
力を調整する装置の要部を示す概略図、図3は図1のロ
ール塗布装置に配設されているスクイズロール表面に施
されたゴムライニングの溝形状を説明するロールの軸方
向断面図である。
【0017】図1において、1は金属帯、2−1,2−
2は一対のスクイズロール、4はロールチョック、5は
圧下力調整装置、6はロードセル、7はロールチョック
摺動部、8はロール圧下力制御装置である。
【0018】図2に示すように、ロールチョック4は、
一方のスクイズロール2−1および他方のスクイズロー
ル2−2の左右両側に各々1組づつ、すなわちロールチ
ョック4−1と4−2、および4−3と4−4が配設さ
れ、また圧下力調整装置5は、一方のスクイズロール2
−1の左右両側に各1組、5−1,5−2が配設され、
ロードセル6は他方のスクイズロール2−2の左右両側
に各1組、6−1,6−2が配設されている。
【0019】本装置では、走行する金属帯1を挟む一対
のスクイズロール2−1と2−2を用い、その間の圧下
力を調整して、金属帯1上に過剰に供給された塗液3を
絞り取ることによって塗液付着量を制御する。スクイズ
ロール2−1と2−2間の圧下力を調整する手段とし
て、一方のスクイズロール2−1のロールチョック4−
1,4−2に連結した圧下力調整装置5−1,5−2
と、もう一方の固定されたスクイズロール2−2のロー
ルチョック4−3,4−4に連結され、ロールの圧下力
を検出するロードセル6−1,6−2を備えている。ロ
ール圧下力制御装置8は、圧下力調整装置5−1,5−
2を動作させて、ロードセル6−1,6−2で検出する
スクイズロールの圧下力が所定の圧下力になるように制
御可能に配設されている。
【0020】圧下力調整装置5−1,5−2にはエアシ
リンダーが配設されており、ロールチョック摺動部7に
は、摺動部の摩擦力を低減させるために、低摩擦部材7
aが配設されている。
【0021】ここで、低摩擦部材とは、ロールチョック
が摺動する面の摺動抵抗(摩擦力)を低減する加工を施
した部材や低減する機構を備える部材を意味する。摺動
抵抗を低減する加工を施した部材としては、摺動面にテ
フロン加工を施した低摩擦ライナーを例示できる。摺動
抵抗を低減する機構を備えた部材としては、金属の転が
り接触ガイドを例示できる。金属の転がり接触ガイドと
しては、例えば市販のTHK社製のLMガイド(商品
名)を使用できる。ロールチョック摺動部7の摩擦力を
より低減するという観点からは、金属の転がり接触ガイ
ドを配設することが最も適している。
【0022】塗布装置のロールチョック摺動部7に、通
常の摺動ライナーを用いると、ロールチョック摺動部分
の摩擦力が大きいため、圧下力調整装置5−1,5−2
への圧下入力に対して、ロードセル6−1,6−2の出
力値が応答よく得られない。その結果、適正なロール圧
下力調整を行えない。
【0023】本装置では、ロールチョック摺動部7に低
摩擦部材7aを配設することによって、ロールチョック
摺動時の摩擦力を小さくできるので、圧下力調整装置5
すなわち5−1,5−2の入力に対してロードセル6す
なわち6−1,6−2の出力値が応答よく得られる。さ
らに、圧下力測定用ロードセル6−1,6−2を固定側
のスクイズロール2−2のロールチョック4−3,4−
4に連結させることによって、ロールチョック摺動部7
の摩擦力を含まない精度の高い圧下力の出力を得ること
ができる。すなわち、圧下力調整装置5−1,5−2へ
の圧下力入力値がスクイズロール圧下力となり、この圧
下力をロードセル6−1,6−2で精度良く検出できる
ことになり、この圧下力に基づいてスクイズロールの圧
下力を制御することにより、スクイズロールの圧下力を
所要の圧下力に迅速且つ精度良く制御することが可能に
なる。
【0024】スクイズロール2−1,2−2には、ゴム
ライニングが施されており、その表面に、w=0.2〜
3mmピッチのV型の溝を有する(図3)。スクイズロ
ール2−1,2−2のゴムライニングの表面にw=0.
2〜3mmピッチの溝を設けてあるのは、塗液を塗布す
る場合、0.2mm未満では塗液が目詰まりしやすくな
り、3mmを超えると塗膜厚が厚くなりすぎるためであ
る。なお、塗液の目詰まりを防ぎ、所要の塗膜厚を得る
には、溝の深さdは、0.05〜1.5mmが好まし
い。
【0025】なお、スクイズロールのゴムライニング表
面に設けられている溝形状は、前記V型形状に限定され
ず、矩形形状、台形形状等、必要に応じて適宜形状のも
のを採用してもよい。
【0026】図4は、本発明の実施の形態に係る別のロ
ール塗布装置の例を示す概略図である。図4の装置で
は、図1のロール塗布装置の塗布部(スクイズロール2
−1,2−2)の下流側に、更に付着量計9を付設する
とともに、この付着量計9で検出した塗液付着量に基づ
いて、スクイズロール2−1,2−2間のロール圧下力
をフィードバック制御可能に配設されたロール圧下力制
御装置10を備える。付着量計9には、蛍光X線分析装
置などの公知の付着量計を使用される。
【0027】本装置では、付着量計9で検出した塗液付
着量に基づいて、スクイズロール2−1と2−2間のロ
ール圧下力を修正するフィードバック制御を行うことに
よって、付着量変動を一層低減できるようになる。
【0028】前記装置では、走行する金属帯1を挟む一
対のスクイズロール2−1,2−2で、金属帯1表面に
過剰に供給された塗液を絞り取ることによって塗液を塗
布する。塗液を塗布する方法の一例を図5を用いて説明
する。
【0029】図5では、スクイズロール2−1,2−2
は金属帯1の走行方向と一致する方向に回転している。
塗料供給ヘッダー11を介してスクイズロール2−1に
供給された塗液3が金属帯1の上面に供給され、塗液パ
ン12内の塗液3に下部が浸漬されているスクイズロー
ル2−2が汲み上げた塗液3が金属帯1下面に供給され
る。供給された塗液3は、以下の2通りの方法により、
スクイズロール圧下力を制御することで、塗液付着量を
高精度に制御することが可能となる。
【0030】(1)塗液付着量と、走行する金属帯の
幅、厚さ、走行速度、塗液濃度、スクイズロール表面の
溝形状、スクイズロール圧下力との関係は、有限要素法
による解析や実機データとの突き合わせを行うことによ
って求めることができる。金属帯の幅、厚さ、走行速
度、塗液濃度、スクイズロール表面の溝形状が既知であ
れば、前記で求めた関係に基づいて、目標とする塗液付
着量に対して必要なスクイズロール圧下力を求めること
ができる。そこで、予めこれらの関係をモデル式として
求めて、その関係をロール圧下力制御装置8に入力して
おき、ロール圧下力制御装置8により必要なスクイズロ
ール圧下力を圧下力調整装置5−1,5−2へ指令し、
ロードセル6−1,6−2で検出するロール圧下力が前
記圧下力になるようにスクイズロール圧下力を制御す
る。
【0031】(2)さらに、前記(1)で求めた塗液付
着量と、走行する金属帯の幅、厚さ、走行速度、塗液濃
度、スクイズロール表面の溝形状、スクイズロール圧下
力との関係に基づいて、スクイズロール圧下力を変更し
た場合、スクイズロール圧下力の変化量と塗液付着量の
変化量の関係も求めることができる。
【0032】そこで、前記(1)で求めた関係をロール
圧下力制御装置10に入力しておく。さらに、ロール圧
下力制御装置10では、実測付着量と目標付着量の偏差
に応じて、その偏差を減少する(ゼロにする)のに必要
なスクイズロール圧下力の修正量を演算可能に配設して
おく。
【0033】そして、前記(1)と同様にして、ロール
圧下力制御装置10により、金属帯の幅、厚さ、走行速
度、塗液濃度、スクイズロール表面の溝形状に応じて、
必要なスクイズロールの圧下力を求め、求めた値を圧下
力調整装置5−1,5−2へ指令し、ロードセル6−
1,6−2で検出するロール圧下力が前記圧下力になる
ようにスクイズロールの圧下力を制御する。
【0034】さらに、スクイズロール2−1,2−2
(塗布部)の下流側に設けた付着量計9により測定され
た塗液付着量測定値と目標とする塗液付着量の偏差に基
づいて、ロール圧下力制御装置10で、前記偏差を減少
する(ゼロにする)のに必要なロール圧下力の修正量を
求め、さらに修正後のロール圧下力を求め、求めた修正
後のロール圧下力を圧下力調整装置5−1,5−2へ指
令することで、スクイズロール圧下力をフィードバック
制御する。本方法では、迅速なフィードバック制御が可
能になるので塗液付着量の変動を一層低減できる。
【0035】なお、前記説明では、金属帯の走行方向は
水平方向であるが、本発明では金属帯の走行方向は特に
限定されない。鉛直方向、その他の方向に走行していて
もさしつかえない。また、金属帯への塗液の塗液の供給
方法も特に限定されない。例えば、直接金属帯表面に塗
液を供給しても良いし、鉛直方向に走行する場合は、金
属帯を塗液中に浸漬してもよい。また、前記説明では、
スクイズロールの回転方向は金属帯の走行方向と一致す
る方向(順方向)であったが、スクイズロールの回転方
向は金属帯の走行方向と逆方向であってもよい。また順
方向の場合、鋼帯の走行速度と異なる周速(走行速度よ
り少し早いまたは遅い速度)であってもよい。
【0036】
【実施例】本発明例については、図1〜3に示した塗布
装置を用いて、スクイズロールとして長さ2000m
m、外径(直径)300mm、ゴムライニング厚み20
mm、ゴムライニングの表面に彫刻された溝(V型)の
ピッチw=0.55mm、溝の深さd=0.11mm、
ゴム硬度JIS−A70°のロールを配設し、板厚0.
5〜1.6mm、板幅600〜1200mmの鋼板に、
粘度8cpsの水溶性樹脂を含む塗液(樹脂濃度:18
%)を塗布した。具体的には、図5に示すように、スク
イズロールの上流側に過剰な塗液を供給し、スクイズロ
ールで絞り取りながら塗布した。スクイズロールの回転
方向は鋼板の通板方向と一致する方向とし、周速は鋼板
の走行速度と同一とした。低摩擦部材7aには、金属の
転がり接触ガイド(THK社製の商品名:LMガイド)
を配設した。
【0037】本実施例で用いた金属の転がり接触ガイド
7aの構造について説明する。金属の転がり接触ガイド
7aは、ロール架台のロールチョック摺動部分に取りつ
けられたガイドレール21と、ロールチョック4に取り
付けられた複数のガイドブロック22で構成される。図
6はガイドブロック22の要部を示す図で、(a)は正
面図、(b)は側面図である。ガイドブロック22の一
方の側が凹状に形成され、凹状部23の両側面に複数の
回転自在の金属製ボール24が、その頂部が凹状部23
の内部に突出する状態で一列に配設されている。図7
は、ガイドレール21の要部を示す図で、(a)は正面
図、(b)は断面図である。断面中央部が幅狭に形成さ
れ、ここから両側に幅が広がるように傾斜状に形成され
た凸状部25を備える。また凸状部25は、ガイドブロ
ック22の凹状部23に挿入可能に配設されている。
【0038】図8は、ロールチョックの摺動部分に取り
つけられたガイドブロック22とガイドレール21の取
り付け状態を示す図で、(a)は図1の一点鎖線で囲ん
だAの部分を示す図で、(b)は(a)のA−A矢視断
面図である。ガイドレール21は一方の側がロール架台
のロールチョック摺動部側に固定され、ガイドブロック
22はロールチョック4の摺動方向に2組取り付けられ
ている。ガイドレール21の凸状部25がガイドブロッ
ク22の凹状部23に挿入され、ガイドブロック22の
各ボール24の頂部はガイドレール21の凸状部25の
傾斜部と接触して回転可能に配設される。ロールチョッ
ク4のもう一方の側の摺動部分にも同様のガイドレール
21とガイドブロック22が配設され、また、スクイズ
ロール2−1の他方のロールチョックの摺動部分、およ
びスクイズロール2−2の両側のロールチョックの摺動
部分も同様に構成されている。
【0039】前記装置で、圧下力制御装置5−1、5−
2を介してスクイズロール2−1に加えられる圧下力が
変化した場合、スクイズロール2−1のロールチョック
4に取り付けられている各ボール24は、ガイドレール
21の凸状部25の傾斜部と接触して容易に回転し、ス
クイズロール2−1のロールチョック4が容易に摺動す
る。ロールチョック摺動部の摩擦抵抗は従来に比べて著
しく小さく、圧下力制御装置5−1、5−2から加えら
れた圧下力は、スクイズロール2−1から鋼板を介して
スクイズロール2−2に加えられ、またスクイズロール
2−2のロールチョック4の摺動部の摩擦抵抗も小さい
ので、スクイズロール2−2に加えられた圧下力はロー
ドセル6−1、6−2で応答よく検出される。
【0040】前記した本発明の実施の形態に係る塗布装
置を用いて、鋼板の走行速度を一定にして、ロール圧下
力を様々に変化させ、塗液が乾燥した後の付着量(樹脂
付着量)を調査した。調査結果を図9に示す。板厚、板
幅が異なっていても、ロール圧下力と樹脂付着量の間に
は、良い相関が認められる。
【0041】比較例として、図10に示す装置を用い
て、スクイズロール2−1,2−2には前記本発明例と
同じものを配設し、塗布装置のロールチョック摺動部1
4に通常の摺動ライナーを用い、ロールチョック部4−
1、4−2をエアーシリンダー13で加圧し、ロードセ
ル値を用いないで、エアーシリンダーのエアー圧力のみ
で塗液付着量を制御した場合の加圧力と樹脂付着量の関
係を本発明例と同様にして調査した。塗液は本発明例と
同じものを用いた。調査結果を図11に示す。
【0042】本比較例の装置の場合、エアシリンダー1
3の加圧力を変化させても、付着量の変化が殆ど認めら
れず、また付着量のバラツキが大きく、エアシリンダー
13の加圧力では付着量制御が困難であり、付着量の変
動を低減する効果が期待できないことが明らかである。
【0043】図9および図11から、図1〜3の塗布装
置を用い、ロードセル出力値に基づいて付着量制御すれ
ば、従来法に比べて付着量制御精度を大幅に向上できる
ことになる。しかし、実機では金属帯の走行速度が一定
でなく、また、金属帯寸法が異なると、付着量が幾分変
動する。したがって、前記の条件が変わった場合でも、
より精度のよい付着量制御を行えることが望ましい。
【0044】ところで、スクイズロールのロール圧下
力、金属帯の幅、厚さ、走行速度と付着量の関係は、式
(1)で表すことができる。 P=A1+A2(Cw/NV)+A3t+A4W+A5V+A6 …(1) ここで、 P:スクイズロールのロール圧下力(kgf) Cw:付着量(g/m2) NV:塗液濃度(%) t:金属帯の厚さ(mm) W:金属帯の幅(mm) V:金属帯の走行速度(mpm) A1〜A6:係数
【0045】なお、A6はスクイズロールの表面形状に
より決まる係数で、V型溝の場合、溝深さをR(μm)
とした場合、A6=A7R(但し、A7は係数)で表され
る。したがって、V型溝のスクイズロールを使用した場
合、式(1)は式(2)で表される。 P=A1+A2(Cw/NV)+A3t+A4W+A5V+A7R …(2)
【0046】図1〜3の塗布装置で前記したV型溝のス
クイズロールを用い、種々の走行速度で厚さ0.5〜
1.6mm、幅600〜1200mmの金属帯に前記水
溶性樹脂を含む塗液を塗布し、スクイズロールのロール
間圧力Pと付着量Cwの関係を調査し、式(2)の各係
数を決定したところ、A1=3.836、A2=−1.7
30×104、A3=−1.189×102、A4=3.4
75×10-1、A5=4.431、A7=2.964×1
0であった。
【0047】図12は、図1の塗布装置を用い、前記塗
液について目標付着量を変えて種々の条件で塗布し、式
(2)を演算して求められる付着量計算値と付着量実績
値の関係を示す図である。図12から、付着量計算値と
付着量目標値の偏差が著しく少ないことが判る。
【0048】また、式(2)から、金属帯寸法(板厚、
板幅)、走行速度、塗液濃度、スクイズロールの溝形状
に応じて、所要の目標付着量を得るのに必要なスクイズ
ロールのロール圧下力を求めることができる。また付着
量の測定値と目標値に偏差ΔCwがあった場合、その偏
差をゼロにするのに必要なスクイズロールのロール圧下
力の修正量ΔPを式(3)から求めることができる。 ΔP=A2(ΔCw/NV) …(3)
【0049】そこで、図1の装置において、式(2)の
関係をロール圧下力制御装置8に入力しておき、金属帯
寸法(厚さ、幅)、走行速度、塗液濃度、スクイズロー
ルの溝形状に応じて、所要の目標付着量にするのに必要
な所要のスクイズロール圧下力を求める。求めたスクイ
ズロール圧下力を圧下力調整装置5へ指令し、スクイズ
ロール2−1と2−2のロール圧下力を前記で求めた圧
下力に設定し、塗液を塗布する。これによって、実績付
着量を目標付着量に近づけることができ、付着量変動を
低減できる。
【0050】また、図4の装置において、式(2)の関
係をロール圧下力制御装置10に入力しておき、前記と
同様にして、所要の目標付着量にするのに必要な所要の
スクイズロール圧下力を求め、スクイズロール2−1と
2−2のロール圧下力を前記で求めた圧下力に設定し、
塗液を塗布する。また、付着量計9で実績付着量を測定
し、ロール圧下力制御装置10で目標付着量と実績付着
量の偏差ΔCwを求め、さらに式(3)から前記偏差Δ
Cwをゼロにするのに必要なスクイズロール圧下力の修
正量ΔPを求め、さらに修正後のロール圧下力を求め、
修正後のロール圧下力を圧下力調整装置5へ指令し、ス
クイズロール2−1と2−2のロール圧下力を前記で求
めた圧下力に修正するフィードバック制御を行うことに
よって、付着量の変動を一層低減できるようになる。
【0051】塗液種類の異なる塗液を塗布し、あるいは
異なる溝形状のスクイズロールを使用する場合、これに
応じて式(2)(スクイズロールの表面形状が一定の場
合、式(1))の各係数を決定し、係数を決定した式を
用いて前記と同様に行うことによって付着量変動を低減
できる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、精度良く目標とする付
着量が得られる。その結果、製品毎の品質性能のばらつ
きが小さくなるだけでなく、従来品質要求を満足するた
めに過度に塗布していた塗液を要求下限に制御すること
が可能となり、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るロール塗布装置の一
例を示す概略図である。
【図2】図1のロール塗布装置に配設されているスクイ
ズロール圧下力調整機構の要部を示す概略図である。
【図3】図1のロール塗布装置に配設されているスクイ
ズロール表面に施されたゴムライニングの溝形状を説明
するロールの軸方向断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る別のロール塗布装置
の例を示す概略図である。
【図5】本発明において、塗液の塗布方法の一例を説明
する概略図である。
【図6】ガイドブロックの要部を示す図で、(a)は正
面図、(b)は側面図である。
【図7】ガイドレールの要部を示す図で、(a)は正面
図、(b)は断面図である。
【図8】ロールチョックの摺動部分に取り付けられたガ
イドブロックとガイドレールの取り付け状態を示す図
で、(a)は図1の一点鎖線で囲んだAの部分を示す図
で、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。
【図9】本発明例で得られたロードセル出力値と樹脂付
着量の関係を示す図である。
【図10】比較例で用いた塗布装置の概略図である。
【図11】図10に示す比較例の塗布装置を用いて得ら
れたロール圧下力(エアシリンダー加圧力)と樹脂付着
量の関係を示す図である。
【図12】本発明の実施例において、付着量計算値と付
着量実績値の関係を説明する図である。
【符号の説明】
1 金属帯 2−1,2−2 スクイズロール 3 塗液 4,4−1〜4−4 スクイズロールのロールチョック 5,5−1,5−2 圧下力調整装置 6,6−1,6−2 ロードセル 7 ロールチョック摺動部 7a 低摩擦部材(金属の転がり接触ガイド) 8 ロール圧下力制御装置 9 付着量計 10 ロール圧下力制御装置 11 塗料供給ヘッダー 12 塗液パン 13 流体圧シリンダー(エアーシリンダー) 14 ロールチョック摺動部 w スクイズロール表面に彫刻された溝のピッチ d スクイズロール表面に彫刻された溝の深さ 21 ガイドレール 22 ガイドブロック。 23 凹状部 24 ボール(金属製ボール) 25 凸状部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石岡 宗浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 高木 昭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AC24 AC29 AC32 AC92 AC93 AC95 DA03 DB01 4F040 AA24 BA27 CB03 CB06 CB12 CB31 CB38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行する金属帯を挟んで配設され、ゴム
    ライニングが施された塗液塗布用の一対のスクイズロー
    ルを備えるロール塗布装置において、一方のスクイズロ
    ールは、該スクイズロールを支持するロールチョックを
    介して圧下力が調整可能であって、該ロールチョックの
    摺動部には低摩擦部材が配設されており、他方のスクイ
    ズロールは固定であって、該スクイズロールを支持する
    ロールチョックに圧下力測定用のロードセルが配設され
    ていることを特徴とするロール塗布装置。
  2. 【請求項2】 低摩擦部材として、金属の転がり接触ガ
    イドが配設されていることを特徴とする請求項1に記載
    のロール塗布装置。
  3. 【請求項3】 ゴムライニングが施されたスクイズロー
    ルが、表面に0.2〜3mmピッチのV型の溝を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のロール塗布
    装置。
  4. 【請求項4】 ロール塗布装置が、塗布部の下流側にオ
    ンライン付着量計を備え、また該付着量計で検出した塗
    液付着量に基づいて、スクイズロール圧下力を制御可能
    に配設された制御装置を備えることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のロール塗布装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のロール
    塗布装置を用いて塗液を塗布するにあたり、金属帯の
    幅、金属帯の厚さ、金属帯の走行速度、塗液の濃度、ま
    たはさらにスクイズロール表面の溝形状に応じて、塗液
    乾燥後の付着量が一定になるように、スクイズロール圧
    下力を付与することを特徴とする塗液の塗布方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のロール塗布装置を用い
    て塗液を塗布するにあたり、金属帯の幅、金属帯の厚
    さ、金属帯の走行速度、塗液の濃度、またはさらにスク
    イズロール表面の溝形状に応じて、塗液乾燥後の付着量
    が一定になるように、スクイズロール圧下力を付与し、
    オンライン付着量計で測定した塗液付着量に基づいて、
    測定付着量と目標付着量の偏差に応じて前記で付与した
    スクイズロール圧下力を修正するフィードバック制御を
    行うことを特徴とする塗液の塗布方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013172692A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Samson Co Ltd 加熱殺菌装置
DE102016100146B3 (de) * 2016-01-05 2017-04-06 Wemhöner Surface Technologies GmbH & Co. KG Bedruckvorrichtung
CN115318542A (zh) * 2022-08-10 2022-11-11 成都中建材光电材料有限公司 一种太阳能电池的湿膜涂覆装备

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