JP3622871B2 - コーティング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコーティング装置に関し、詳しくはウエブなどの被塗装体表面に、易滑、易印刷、易接着等の付加価値を付与するために液体(以下、コート液と言う)を計量塗布することができるコーティング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウェブなどの被塗装体上にコート液を所定量塗布する際には、従来から種々の方法が採用されている。
【0003】
例えば、バーコート法では、連続して走行される被塗装体上にコート液を必要量以上に塗布しておき、スムージングバー(単にバーとも言う)と呼ばれる丸棒で必要量までコート液を掻き落として計量する。
【0004】
この塗装方法では、コート液の計量方法は以下に示す方法で行われる。
【0005】
(1)始めに、被塗装体上に塗布されるコート液の量およびコート液の性状から、使用するバーの径およびバーの種類を決める。
【0006】
(2)次に、バー表面と被塗装体表面との間隔を正確に決める。あるいは、被塗装体表面に対するバーの押込量を正確に決める。いずれにしてもバーと被塗装体表面との位置関係を調整してコート液の計量を行う。
【0007】
この際、バーと被塗装体表面との間に要求される位置関係の精度は、コート量のバラツキの許容量にもよるが、多くの場合0.01mm以下のミクロンオーダーの精度が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のバーコート法では、バーとウェブの位置関係を非常に高い精度で調整することでコート液の計量を行っていたので以下に示す問題があった。
【0009】
(1)実際のコーティングにおいては、装置の洗浄や部品の交換といった定期作業が必要である。この場合、コーティングを一旦中止してから再度開始する場合、バーと被塗装体との正確な位置関係の調整が再び必要となる。位置関係の再現は、手動の場合はダイヤルゲージ等の位置表示目盛りをみながら調整ネジ等を回して行い、自動の場合はサーボモーターやスッテピングモーターを使ってボールネジ等を回して行う。いずれの場合も、再現性の高い装置を製作するには費用がかかり、且つ高価な割りには機械のがたや歯車のバックラッシは避けられず、期待通りの再現性が得られない場合が多い。
【0010】
(2)また、一般にコーティングでは、所定幅が必要であるが、この幅方向のコート量の均一性を必要な精度で達成することが容易でない場合が多い。前述の如く、バーとウェブの位置関係の再現には非常な手間と時間を要するが、これが幅方向に少なくとも左右2点必要となると、より多くの時間と労力を要する。
【0011】
本発明はこのような欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、精度の高いコーティングをより低コストでかつ簡便に行うことができるコーティング装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では、バーと被塗装体の位置関係を調整してコート液を計量する方法に変えて、バーが被塗装体を押込む力を調整、制御することにより、コート液を計量する方法を採ることで、前述の如き問題を解決する。
【0013】
すなわち、本発明のコーティング装置は、連続的に走行する被塗布体上にコート液を塗布する塗布装置と、該被塗装体上のコート液を押圧して該コート液のコート量を計量する計量装置と、該計量装置のコート液に対する押圧力を設定範囲内に調整する制御手段と、を有するコーティング装置であって、該制御手段はアクチュエータを有し、該アクチュエータによって駆動された計量装置のコート液に対する押圧力を検出し、その検出値をフィードバックして該押圧力が設定範囲内となるよう調整され、そのことにより上記目的が達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のコーティング装置に使用されるコート液塗布装置は、従来公知の装置が使用され、例えば、カーテン塗装装置、浸漬塗装装置、ロール塗装装置、ナイフ塗装装置等が挙げられる。いずれの塗装装置においても、連続的に走行する無端帯状の被塗装体上に必要量以上のコート液が塗装される。
【0015】
被塗装体としては、紙、フィルム等のウェブ等が挙げられ、何等限定されない。これらの被塗装体表面に、易滑、易印刷、易接着等の付加価値を付与するためにコート液が塗布される。
【0016】
本発明に使用される計量装置としては、以下の理由から、比較的低精度で安価なものを使用することができる。
【0017】
本発明では、例えば、計量装置の動作ガイドとして、比較的低精度なリニアガイドを使用することができる。比較的低精度なリニアガイドとは、例えば、適当な幅を持つ2つの平板の間にローラーを転がすだけの設備等である。
【0018】
従来技術で示したバーコート法(位置決め方式)では、被塗装体に対するバーの位置を決める際の機械的ガタは許容範囲がミクロンオーダーであるため、計量装置の動作ガイドも極めて高精度に作製する必要がある。これに対し、本発明では、計量装置がコート液を被塗装体側へ押し込む力(押圧力)を制御するので、動作ガイドのガタ等位置に関わる精度的な問題は無視できる。従って、計量装置の動作ガイドとして比較的低精度なリニアガイドを使用することが可能となり、設備製作費の大幅削減が可能となる。
【0019】
計量装置はコート液を押圧して掻き取ることができるバーまたはブレード等を備えたものが好ましい。
【0020】
本発明に使用される上記計量装置のコート液に対する押圧力を設定範囲内に調整する制御手段は、圧力制御を実現するためのアクチュエーターを含有し、該アクチュエーターとしては、例えば、エア摺動式エアシリンダーや電動式トルクアクチュエーター等を使用することができる。
【0021】
エア摺動式エアシリンダーとは、シリンダーとピストンの摺動面に微小な隙間を有し、シリンダーに供給された作動エアーが前記微小隙間を流れて外部に排出される構造とすることで、シリンダーとピストンとの間に空気ベアリングを生じせしめ、シリンダーとピストンの非接触状態を維持し、殆ど摩擦抵抗無しに動作するよう考えられた、エア駆動式アクチュエーターのことである。
【0022】
該シリンダーは、供給されたエアを常時外部に排気しているため、外力に対して非常にソフトに応答する。即ち、過応答に対して自己抑制力がある。この特性が、コーティングという微妙な操作に適することに着目し、コート量計量の際の押圧発生手段として使用する。該シリンダーは、前述の如くエア摺動式であるので、ゴムチューブ式の低摩擦シリンダーに比べ保守性が良い。ゴムチューブ式の低摩擦シリンダーは、ゴムの劣化に伴うパンクが起こり、しばしば機械故障の原因となるが、該シリンダーにおいては、このようなことがない。
【0023】
圧力制御を実現するためのアクチュエーターとして、エア摺動式エアシリンダーを使用する場合、圧力制御のためのフィードバック圧力は、エアがシリンダーに流入する直前、またはシリンダーヘッドそのものの内圧を検出することが好ましい。その理由は次の通りである。
【0024】
従来より、シリンダーの動作速度を調整するために、シリンダーに供給されるエアの配管途中、多くの場合シリンダーの直前に、スピードコントローラー(通称スピコン)と呼ばれるエア流量調整装置が使用される。一方、従来のシリンダー圧力制御では、フィードバック圧力の検出はエア配管中のどこでも良く、通常は、エアの供給源に近い場所で行う場合が多い。つまり、上述のエア流量調整装置に対しては1次側に当たる部分のエア圧力を検出する場合が多い。
【0025】
しかし、本発明で使用するエア摺動式エアシリンダーの場合、供給されたエアを常時外部に排気しているため、シリンダーに供給されるエアの流量によって内圧が異なり、発生する力が異なる。一方、通常の密閉式シリンダーでは、内圧は供給圧に等しく、エア流量は最終的なシリンダーの発生力に何ら影響することはない。
【0026】
この特性の違いから、圧力制御のためのフィードバック圧力を、流量調整装置の2次側で、エアが当該シリンダーに流入する直前または当該シリンダーヘッドそのものから検出することが好ましい。
【0027】
作用は次の通りである。
【0028】
コート液塗布装置のバー本体又はバーを把持するホルダーの両端を、エア摺動式エアシリンダーに接続する。該シリンダーの圧力を、制御装置によって所定の圧力に制御することでバーがコート液を介してウェブを押し込む力が一定範囲とされる。
【0029】
この方法に依れば、バーの押圧力を設定するだけでバーとウェブとの間に毎回同じ関係を再現することができる。その理由は以下の通りである。
【0030】
バーコートでは、バーとウェブとの間に常にコート液が介在しており、バーによって計量されるコート量はこのバーとウェブとの間に介在するコート液がどういう状態にあるかによって決まる。コート液の状態とは具体的に言うと、バーとウェブとの間でコート液がどういう圧力の分布状態をしているかということである。この圧力の分布状態によって、設定の押圧力を有するバーがどれだけウェブを押し込むか決まり、またバーとウェブとの間に生じるギャップの大きさが決まり、結局被塗装体上に塗布されるコート液の量が決定される。そして、圧力の分布状態は、コート液の性状、ウェブの性状及びバーの性状による影響を除けば、バーがウェブを押し込む力の大きさによって決定される。
【0031】
故に、上述の如くバーの押圧制御を行うことでバーとウェブととの間に毎回同じ関係を再現することができ、毎回同じコート量を得ることができるのである。他のコーティング方式、例えばブレードコートではバーの代わりにブレード先端の押圧を制御することで、上述したバーコートの場合と同様の結果を得ることができる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0033】
(実施例1)
図1に示すように、コーティング装置は、連続的に走行する被塗装体としてのウエブ1上にコート液2を塗布する装置3を有する。
【0034】
ウエブ1は、ガイドロール11、12、13上を連続的に走行するようにされる。ガイドロール11、12間にコート液塗布装置3が配設され、所定量以上のコート液2がウエブ1上に塗布される。両ガイドロール12、13間には計量装置4が配設されている。該計量装置4は、計量バー41とバーホルダー42とを有する。該バーホルダー42は押圧シリンダー6のロッド7先端に固定されている。押圧シリンダ6は、エアポンプ8にエア管9を介して接続されている。該エア管9には電空レギュレター10が設けられ、またエア圧力を表示する表示器16が接続されている。図中、17は電空変換器、20はコントローラー、21は設定器であり、制御を自動で行う場合にPIDコントローラーやシーケンサー・コンピューター等を用いることができる。
【0035】
ウエブ1上にはコート液塗布装置3によって所定量以上のコート液2が塗布され、次いで上記計量装置4によって、該コート液2が設定圧力で押圧されることで、コート液2の表面が一様に掻き均される。この計量装置4の押圧力は、上記電空レギュレター10によって制御されているので、一定量、一定厚みののコート液2がウエブ1上に塗布される。
【0036】
(実施例2)
図2に示すように、本実施例のコーティング装置は、連続的に走行する被塗装体としてのウエブ1上にコート液2を塗布する装置を有する。
【0037】
該ウエブ1は、ガイドロール14、15上を連続的に走行するようにされる。一方のガイドロール14の下方にコート液パン19が配設され、コート液パン19上にウエブ1が走行することでウエブ1の片面にコート液が塗布される。
【0038】
両ガイドロール14、15間には計量装置4が配設されている。該計量装置4は、ブレード43と、該ブレード43のコート液2に対する押圧力を制御する電動式のトルクアクチュエーター44と、を有する。該トルクアクチュエーター44は電源46に接続されたスライダック45に連結され、設定の押圧力でウエブ1上のコート液2を押圧するように構成されている。
【0039】
この実施例においても、PIDコントローラーやシーケンサー・コンピューター等を用い自動制御することができる。
【0040】
上記ウエブ1上にはコート液パン19のコート液2が塗布され、次いで設定圧力に制御されたブレード43によってウエブ1上のコート液2が掻き取られ、一定量とされる。この実施例においてもブレード43のコート液2に対する押圧力が設定されているので、一定量、および一定厚みのコート液2がウエブ1上に塗布されることになる。
【0041】
(実験例1)
図1に示した装置を使用して、ウエブ上にコート液を塗布した。そのときの、設備コスト、調整時間短縮の効果を評価した。また、ウェブ幅方向及び長手方向でのコートの均一性改善効果を評価した。
【0042】
ただし、コート液は、樹脂スラリーを重量比20%含有する水系溶液を使用した。ウエブの走行速度は160m/分、計量装置の設定圧力は、1.0kg/cm(約0.1MPa)、コート幅は1500mm、ウエットコート量は2g/m、バー径は10mmとした。その結果を表1および表2に示す。
【0043】
(実験例2)
従来のバーコート法(位置決め方式)を用いたこと以外は、実験例1と同様にして、設備コスト、調整時間短縮の効果、およびウェブ幅方向及び長手方向でのコートの均一性改善効果を評価した。
【0044】
ただし、コート幅は1500mm、ウエットコート量は2g/m、バー径は10mmとした。その結果を表1および表2に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003622871
【0046】
【表2】
Figure 0003622871
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、計量装置のコート液に対する押圧力を設定範囲内に調整するするだけで、設定量のコート液を被塗装体上に塗布することができるので、従来技術である位置決め方式に比べ、比較的安価な設備でしかもコート量の均一性が良いコーティングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクチュエーターとしてエア摺動式エアシリンダーを使用した本発明のコーティング装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】アクチュエーターとして電動式トルクアクチュエーターを使用した本発明のコーティング装置の一実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 被塗装体
2 コート液
3 塗布装置
4 計量装置
5 制御装置

Claims (3)

  1. 連続的に走行する被塗布体上にコート液を塗布する塗布装置と、該被塗装体上のコート液を押圧して該コート液のコート量を計量する計量装置と、該計量装置のコート液に対する押圧力を設定範囲内に調整する制御手段と、を有するコーティング装置であって、該制御手段はアクチュエータを有し、該アクチュエータによって駆動された計量装置のコート液に対する押圧力を検出し、その検出値をフィードバックして該押圧力が設定範囲内となるよう調整されるコーティング装置。
  2. 前記アクチュエータがエア摺動式アクチュエータであり、前記制御手段が該アクチュエータの動作圧力を制御し得る請求項1記載のコーティング装置。
  3. 前記制御手段は、前記アクチュエータの動作圧力を制御するためのフィードバック圧力が、該アクチュエータの動作媒体が動作する系に設定されたる当該作動媒体の流量調整装置の2次側より検出されるよう構成されている請求項2記載のコーティング装置。
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