JP2001337251A - 光ファイバー素線の端面保護装置と光ファイバー - Google Patents

光ファイバー素線の端面保護装置と光ファイバー

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JP2001337251A
JP2001337251A JP2000158722A JP2000158722A JP2001337251A JP 2001337251 A JP2001337251 A JP 2001337251A JP 2000158722 A JP2000158722 A JP 2000158722A JP 2000158722 A JP2000158722 A JP 2000158722A JP 2001337251 A JP2001337251 A JP 2001337251A
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JP2000158722A
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Kiyoshi Takada
清志 高田
Kazuki Kuba
一樹 久場
Akira Hisakuni
晶 久国
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバー素線の端面保護装置とその保護
装置を備えた光ファイバーの提供。 【解決手段】 光ファイバー素線の端面保護装置は、光
ファイバー素線の端面を塵埃が侵入しないように囲うカ
バーを設け、当該カバーに前記端面への或いは端面から
のレーザ光を透過させるウインドを設けたことを特徴と
する。光ファイバーは、前記の端面保護装置を備えたこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、YAGレーザ等の
レーザ発振器から出射される高出力レーザ光を伝送する
光ファイバーの端面保護に関し、詳しくは、レーザ加工
装置等で高出力レーザ光を伝送する光ファイバー素面の
端面に粉塵等の異物が付着するのを防止する保護装置及
びその保護装置を備えた光ファイバーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図5は、例えば実開平4ー59970号
公報に示された従来の光ファイバーを用いたレーザ加工
装置の構成図であり、図6は、この光ファイバー素線の
端面部を示す正面図である。図5において、1は気密構
造のレーザ発振器筐体、2はこのレーザ発振器筐体1内
に充填される不活性ガス3の給排を行うバルブ、4はレ
ーザ発振器筐体1内に収納されレーザ光5を出射するレ
ーザ共振器、6はこのレーザ共振器4から出射されるレ
ーザ光5を集光する集光レンズ、7はこの集光レンズ6
によって集光されたレーザ光5を伝送する光ファイバー
である。この光ファイバー7の入射端面側には、レーザ
発振器筐体1に取付けられる光ファイバーコネクタ8と
結合される取付部7aが、又、出射端側にはレーザ光5
を集光して被加工物9に照射する加工ヘッド10が、夫
々取付けられている。
【0003】次に、上記のように構成された従来のレー
ザ加工装置における光ファイバーの機能について説明す
る。まず、レーザ共振器4から出射されたレーザ光5
は、集光レンズ6により集光されて光ファイバー7の入
射端面側に光ファイバーコネクタ8を介して入射され
る。この場合、例えば金属の溶接や切断を行うレーザ加
工装置では、レーザ光の平均出力は数百W〜数KWとい
う高出力となり、光ファイバー7にはコア直径300〜
1200μm程度の光ファイバー素線が使用されてい
る。又、レーザ光が入射される際、出力の高いレーザ光
5は直径数百μmの小さなスポットに集光されるため、
光ファイバーの入射端面におけるエネルギー強度は、例
えば104W/mm2程度にまで達する。
【0004】上記の光ファイバー7の入射端面部は、図
6に示すような、石英で形成されたコア7bと、この周
囲に形成された屈折率の異なるクラッド7cからなる光
ファイバー素線が直接外気と接触した状態にあって、レ
ーザ光5の集光スポット5aはレーザ発振器筐体1内に
露出したコア7bの中心部に入射される。
【0005】従って、図6に示すように、コア7bの端
面に異物11が付着していない場合は、入射されるレー
ザ光5の内数%が反射し残りは光ファイバー7内を伝播
して行く。他方、図7に示すように、コア7bの端面に
異物11が付着している場合には、この異物11がレー
ザ光エネルギーの一部を吸収して、コア7bの端面に溶
着してレーザ光5を散乱させ、光ファイバー伝送ロスを
増やしたり、コア7bの端面の温度勾配を局所的に大き
くして、熱破壊を引き起こすといった問題を生じさせ
る。
【0006】このため、レーザ共振器4が収納されるレ
ーザ発振器筐体1内は気密構造とされ、バルブ2を介し
て不活性ガス3を充填させて、クリーンな雰囲気に保持
すると共に、光ファイバー7の入射端面取付部7aを光
ファイバーコネクタ8によりレーザ発振器筐体1に対し
て密に結合することにより、コア7bの端面に異物11
が付着するのを防止している。このようにして、光ファ
イバー7内に入射されたレーザ光5は、光ファイバー7
内を伝送された後、加工ヘッド10により被加工物9上
に集光照射される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の光ファイバー
は、以上のように、光ファイバー素線の端面が外気に露
出しており、このコア7aの端面に異物11を付着させ
ないために、レーザ発振器筐体1内全体を、まず排気し
た後に、不活性ガスを充填させた気密構造としてある。
しかし、光ファイバー7の種類や長さを変更する場合
や、光ファイバー7が破損してこれを取り換える場合等
では、チャンバー内が大気開放されるので、取り替え後
には、再び、排気及び不活性ガスの充填作業を実施する
必要があり、時間と手間がかかるという問題点があっ
た。特に、レーザ加工装置が生産ラインで使用される場
合、光ファイバー7の交換にこのような時間と手間とが
かかるのは問題であった。又、気密構造の大型筐体や給
気排気の手段が必要であり、発振器の構成を複雑で大が
かりなものにする必要があるといった問題点があった。
【0008】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたもので、光ファイバー素線の端部が不活
性ガス等を用いたクリーン度の高い雰囲気中でなくと
も、光ファイバー素線のコア端面に異物が付着すること
のない光ファイバー素線の端面保護装置とその装置を備
えた光ファイバーの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の光ファイバー
素線の端面保護装置の発明は、光ファイバー素線の端面
を塵埃が侵入しないように囲うカバーを設け、当該カバ
ーに前記端面への或いは端面からのレーザ光を透過させ
るウインドを設けたことを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の光フ
ァイバー素線の端面保護装置において、ウインドは光フ
ァイバー素線の端面に接触させて或いは光ファイバーの
前方に設けたことを特徴とする。
【0011】請求項3の発明は、求項1又は請求項2の
光ファイバー素線の端面保護装置において、カバーは気
密に構成されたことを特徴とする。
【0012】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
の何れかに記載の光ファイバー素線の端面保護装置にお
いて、カバーの内部はクリーンな空気で満たされたこと
を特徴とする。
【0013】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3
の何れかに記載の光ファイバー素線の端面保護装置にお
いて、カバーの内部は不活性ガスで満たされたことを特
徴とする。
【0014】請求項6の発明は、請求項1又は請求項2
の光ファイバー素線の端面保護装置において、カバーは
防塵フィルタで構成されたことを特徴とする。
【0015】請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6
の何れかに記載の光ファイバー素線の端面保護装置にお
いて、ウインドの外側に当該ウインドを覆う保護ウイン
ドを着脱自在に設けたことを特徴とする。
【0016】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7
の何れかに記載の光ファイバー素線の端面保護装置にお
いて、ウインドの表面を入射レーザ光の光軸に対して傾
けたことを特徴とする。
【0017】請求項9の発明は、請求項8に記載の光フ
ァイバー素線の端面保護装置において、ウインドはオプ
ティカルコートを施さないガラス基板で設けたことを特
徴とする。
【0018】請求項10の光ファイバーの発明は、請求
項1乃至請求項9の何れかに記載の光ファイバー素線の
端面保護装置を備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.実施の形態1は、
光ファイバーコネクタとして、例えば、レーザ光を伝導
させる光ファイバー素線と、前記光ファイバー素線を保
護する被覆と、前記被覆を保護する管と、前記管を固定
する光ファイバー端末具を備えた光ファイバーにおい
て、前記光ファイバー素線の端面を囲うカバーを設ける
と共に、当該カバーに、前記光ファイバー素線の端面の
前面側、即ち端面に接触して或いは端面の前方に、当該
端面への或いは当該端面からのレーザ光を透過させるウ
インドを設けると共に、前記カバーの内部を清浄な気体
で満たした構成とした光ファイバー素線の端面保護装置
である。
【0020】以下、図1に基づいてこれを説明する。図
1は,端末保護装置の構成を示す断面図である。尚、上
記した従来例(図5乃至図7)とにおけると同様な部分
は同一符号を付してその説明を省略する。図において、
11は光ファイバー素線であり、レーザ光が伝播する石
英で形成されたコアとクラッドとからなる。12は光フ
ァイバー素線11を保護する被覆であり、この形態1で
は、光ファイバー素線11の接続側の端部分以外を覆う
ようシリコン樹脂が施されている。13は前記の被覆1
2を保護する管であり、被覆された光ファイバー素線1
1を保護する。光ファイバー7はこれらの光ファイバー
素線11、被覆12、及び管13で構成されている。
【0021】図中の14は光ファイバー7の端末具であ
り、管13の端部を機器側のコネクタ8への取付部7a
に固定するものである。
【0022】11aは光ファイバー素線11の端面を示
す。以下、単に端面ともいう。15はウインドである。
ウインド15は、前記端面11aへ向けて或いは前記端
面11aからのレーザ光を透過させるものである。この
ウインド15は、光ファイバー素線11の端面11aの
前面側、ここでは端面11aの前方に設置されており、
光ファイバー素線1の端面11a側を塵埃などの異物が
付着しないように覆うように構成されたカバーに設けら
れる。実施例では、筒状に形成された端末具14が取付
部7aの内部に延在する部分をカバーとし、その開放端
側即ち接続端側を気密に覆うように設けた蓋16の中央
部にウインド15が設けられている。このウインド15
は、例えば、直径数mm乃至数十mm程度の大きさであ
る。
【0023】17はシール部材としてのシリコンOリン
グであり、被覆12と端末具14との間、ウインド15
と端末具14及び蓋16との間に、それぞれ一定量のつ
ぶししろで挟み込まれている。このシリコンOリング1
7は、この実施の形態1では、前記端面11aが向く方
向とは反対側方向の当該光ファイバー素線11の外周と
前記の筒状に形成された端末具14の内周面との間隙、
並びにウインド15と端末具14及び蓋16との間隙
を、それぞれ気密に遮断するためのもので、前記カバー
で囲まれた内部を気密にする構造の一構成要素をなして
いる。
【0024】即ち、この実施の形態1では、筒状の端末
具14と、当該端末具14の開放端側に位置して当該端
末具14の開放端を気密に塞ぐウインド15と、当該端
末具14の開放端側とは反対側に位置する前記シリコン
Oリングとによって、カバーの内部空間18が外部に対
して気密に構成されており、この空間18に、例えば、
クリーン(清浄)な空気が満たされて構成されている。
【0025】19はYAGレーザ共振器である。このレ
ーザ共振器19及び集光レンズ6を含む周囲の空間20
は、通常の金属製パネル構成のレーザ発振器筐体21で
閉じられている。22は集塵フィルター付きファンであ
り、レーザ発振器筐体21の外部の空気中にある塵や埃
を除去したクリーンエアーをレーザ発振器筐体21の内
部に送り込む。23はフィルター付排気口である。
【0026】次に、上記実施の形態1の機能について説
明する。まず、レーザ共振器19から出射されたレーザ
光5は、集光レンズ6により集光され、ウインド15を
透過した後、光ファイバー素線11の端面11aに入射
される。端面11aのコアは直径300〜1200μm
程度であり、この領域に出力数kWのレーザ光5が直径
数百μmの小さなスポットに集光されて照射され、光フ
ァイバー素線11内を伝播して行く。ここで、端面11
aはクリーン(清浄)な空気で満たされた気密空間18
内にあるため、塵や埃といった異物が付着することはな
い。このクリーンな空気で満たされた気密空間18は、
例えばクリーンルーム内で上記構成の光ファイバーを組
立てることで実現できる。
【0027】光ファイバー素線11の端面11aでは、
レーザ光5は、上述のように非常に小さいスポット径に
集光されているため、スポット径内のエネルギー強度は
極めて高く、集光スポット内に異物が付着した場合に
は、溶着して光ファイバー伝送ロスを増やしたり、熱破
壊を引き起こすといった問題が生じやすい。一方、レー
ザ発振器筐体21内の空間20では、レーザ光5のビー
ム径は数mm乃至数十mmと大きく、ビーム径内のエネ
ルギー強度も端面11a上の入射スポット径内と比べる
と3桁以上弱い。又、直径数mm乃至数十mmのウイン
ド15の発振器側表面においてもビーム径は同様に大き
い。
【0028】このため、多少の埃等の異物がウインド1
5や集光レンズ6等の光学部品の表面に付着しても、レ
ーザ出力の透過ロスや熱破壊を生じることは殆どない。
従って、これらの光学部品が含まれるレーザ発振器筐体
21内の空間20は、例えば、クリーンルームにおける
クリーン度合を示すクラス数値に換算して、クラス1
0,000程度で十分であり、通常の集塵フィルター付
きファン22により排気されるクリーンな空気流を空間
20内に送り込み、レーザ発振器筐体21のパネル間の
隙間やフィルター付排気口23から空気流をレーザ発振
器筐体21外に出すことにより、クラス数千程度のクリ
ーン度は容易に維持できる。
【0029】以上のように、実施の形態1によれば、従
来のように、レーザ発振器筐体21全体や、集光レンズ
6等の光学部品が配置されている部位全体を気密構造に
して内部を不活性ガスで満たすといった複雑な構成を取
る必要がなく、光ファイバー素線11の端面11aに熱
破壊等の問題が生じるのを防ぐことができる。又、何ら
かの理由により新しい光ファイバー7と取り換える必要
が生じた場合は、図2に示すように、光ファイバー7の
取付部7aを緩めて、機器側のコネクタ8から抜き外
し、別の光ファイバー7をコネクタ8にねじ込んで固定
する。
【0030】この際、レーザ発振器筐体21の内部空間
20がコネクタ8の開口部で外気に開放されることにな
るが、レーザ発振器筐体21内は集塵フィルター付きフ
ァン22によりクリーン空気で正圧になっており、コネ
クタ8の開口部からはクリーン空気が外に向かって流出
しているため、光ファイバー7の交換作業により内部空
間20の雰囲気が大きく変化することはない。
【0031】又、従来のように、光ファイバー素線11
の端面11aが露出している場合では、この取替え作業
中に、その端面11aが外気と接触するため、端面11
aに外気中の塵や埃が付着することがあり、これらが付
着した場合には、微小領域のコア部を顕微鏡で覗きなが
らアセトンやアルコールを浸した綿棒等で異物を拭き取
るといった、困難で時間のかかる作業が必要であった。
【0032】しかし、上記実施の形態1の光ファイバー
7では、その端面11aが外気と接触することはなく、
直径数mm乃至数十mmの大きさのウインド15の外面
が外気と接触するので、目視で見えないような微小な塵
等の異物が付着する程度ではクリーニングの必要はな
く、たとえ目に見える異物が付着したとしても、簡単に
拭き取ることができる。
【0033】又、図示していないが、加工ヘッドに接続
されている光ファイバー7の出射側においても、レーザ
光5が光ファイバー素線11の端面11aから出射し
て、レンズによってコリメートされる光学系の構成は、
図1に示す上記実施の形態1と同様に構成することがで
き、従って同様の効果が得られる。又、上記実施の形態
1では、気密空間18をクリーンな空気で満たしている
が、光ファイバー7の組立の際に、ArやN2等の不活
性ガスを充填してもよい。又、上記実施の形態1では、
空間18はシリコンOリング17で気密にしているが、
代りに隙間を接着剤で封じてもよいし、異物がレーザ光
5に影響しない程度に十分の厚さのあるウインド15を
直接接着してもよい。又、空間18内をクリーンな空気
で満たす場合は、気密にする代りに外気中の塵や埃が進
入しないような微細な防塵フィルターで封じるようカバ
ーを構成しても同様の効果が得られる。
【0034】実施の形態2.実施の形態2は、上記実施
の形態1において、ウインドの外側に当該ウインドを覆
う保護ウインドを着脱自在に設けた構成のものである。
これを図3に基づいて説明する。図3は実施の形態2の
構成を示す断面図である。尚、上記実施の形態1におけ
ると同様な部分は同一符号を付してその説明を省略す
る。図3において、25は保護ウインド、26は保護ウ
インド25をウインド15の前方に着脱自在に固定する
為の蓋である。保護ウインド25の取付は、ウインド1
5の取付と同様に、クリーンな環境下で行うことによ
り、ウインド15と保護ウインド25との間の空間27
をクリーンな空気で満たした構成とすることができる。
【0035】上記実施の形態2によれば、ウインド15
の前方に更に保護ウインド25を設けると共に、この保
護ウインド25とウインド15の表面との間の空間18
を、クリーンな空気で満たすことにより、ウインド15
の外側表面に異物や汚れが付着したり、ウインド15に
無反射コートがなされている場合でも、そのコート面の
劣化といった不具合が生じることはない。他方、レーザ
発振器筐体21の空間20内で何らかの原因で塵や微粒
子が充満するといった特別な場合でも、発生した微粒子
がウインド15の表面に付着することがなく、保護ウイ
ンド25の表面に付着するので、劣化した保護ウインド
25を新しいものと交換することにより、極めて容易に
復旧させることができる。
【0036】しかも、この交換作業は、クリーン度の高
い環境下で行う必要はなく、通常の室内環境でも実施で
きる。従って、保護ウインド25がない上記実施の形態
1のウインド15を直接交換する場合では、光ファイバ
ー素線11の端面11aが交換作業環境の雰囲気に露出
するため、クリーンルーム等のクリーン度の高い作業場
が必要であり、作業中にそれまで外気にさらされて汚れ
ている光ファイバー7の短部からは塵や埃が発生し易
く、クリーン状態で組立てるのは困難であることに比
べ、交換作業や組立作業を容易に行うことができる。。
【0037】又、上記実施の形態2では、保護ウインド
25を光ファイバー7側に設けてあるが、機器側のコネ
クタ8の同じ位置に設けてもほぼ同様の効果が得られ
る。
【0038】実施の形態3.実施の形態3は、ウインド
の表面を入射レーザ光の光軸に対して傾けた構成とした
ものである。以下、これを図4に基づいて説明する。図
4は実施の形態3の構成を示す断面図である。尚、図に
おいて、上記実施の形態1におけると同様な部分は同一
符号を付してその説明を省略する。この実施の形態3で
は、ウインド15は光ファイバー素線11の入射端面1
1aに入射するレーザ光5の光軸に対して45°の角度
に傾けて取付けてある。尚、28はウインド15の表面
で反射された反射光。29はこの反射光28のレーザ出
力を計測するためのフォトセンサーである。
【0039】このように、上記実施の形態3によれば、
ウインド15がレーザ光5の光軸に対して45°の角度
で配置されているので、ウインド15の表面で反射した
反射光28がレーザ共振器19に戻り、レーザ発振動作
を不安定にすることがない。又、反射光28のレーザ出
力をフォトセンサー29で計量することにより、光ファ
イバー7へ入射するレーザ発振器19のレーザ出力をモ
ニターすることができ、出力モニター用の部分レーザ光
を得ることができる。この場合、ウインド15には特に
無反射コートを施さない石英ガラス基板を用いることに
より、レーザ光5の照射に起因する無反射コート面の温
度上昇が引き起こす反射光28のレーザ出力変化を無く
すことができる。
【0040】通常のウインド15には、無反射コートを
施して、反射光28を入射レーザ光5の0.1〜0.3
%以下に抑えて、光ファイバー伝送損失を低減させる
が、高出力レーザ光照射によるコートの反射率変化は、
反射光28のレーザ出力に対して数十%程度と大きく、
光ファイバー7に入射するレーザ出力及び光ファイバー
7により伝送されるレーザ出力は殆ど変化しなくとも、
反射光28の変化割合だけが大きくなり、反射光28の
レーザ出力からレーザ発振器のレーザ光5の出力を換算
する際に実際と違った値になるという問題が生じる。
【0041】又、レーザ共振器19が、例えばスラブ型
YAGレーザ共振器である場合等では、レーザ光5は直
線偏光の特性を有しており、そのような場合には、上述
のウインド15の取付角度をブリュースター角にするこ
とにより、無反射コートを施さなくとも、理論的には反
射光量をゼロにすることができ、光ファイバー伝送損失
を大幅に低減することができる。
【0042】
【発明の効果】請求項1及び請求項5の発明によれば、
何れも、光ファイバー素線の端面の前方側にウインドを
設けて、前記端面と当該ウインドとの間の空間を気密構
造としたので、光ファイバー素線の端面への異物の付着
を阻止することができる。又、前記空間をクリーンな空
気で満たすには、例えばクリーンルームで組立てればよ
く、従って製造が非常に簡単であり、製造コストを低減
することもできる。又、光ファイバー素線の端面に入出
射する高エネルギー密度レーザ光により異物の溶着、端
部の熱破壊等の問題が生じない。又、従来のように、レ
ーザ発振器筐体側を気密構造にするといった複雑な構成
に比べて、非常に簡単な構造で上記の問題を解決でき
る。又、レーザ発振器筐体内に不活性ガスを充填すると
いったこともなく、光ファイバー交換時の手間と作業時
間とを大幅に削減することができる。又、光ファイバー
内部全体をクリーン環境にするのに比べ、光ファイバー
の端部のみをクリーン環境にするだけで済むから、構造
が簡単であり、100mといった長尺光ファイバーにお
いても容易に適用することができる。又、直径1mm以
下の光ファイバー素線の端面に数mm乃至数十mmの大
直径のガラスロッドを光学的に接続することも考えられ
るが、接続部が応力により壊れやすい等の取扱い上の問
題があるのに比べて、このような問題も生じない。
【0043】請求項6の発明によれば、気密構造に比べ
て簡単な構成で粉塵等の進入を防止できる。
【0044】請求項7の発明によれば、ウインドに対し
て更に保護ウインドを設けたので、光ファイバーにレー
ザ光が入射する近傍の空間に一時的に塵や微粒子が存在
しても、ウインドが汚れることがない。又、保護ウイン
ドの表面に微粒子が付着する等劣化が生じても、光ファ
イバー素線の端面をクリーンな状態に維持したまま保護
ウインドを交換することにより簡単に短時間に復旧させ
ることができる。
【0045】請求項8の発明によれば、ウインドの表面
を入射レーザ光の光軸に対して傾けたので、ウインドの
表面反射光がレーザ共振器へ戻って共振器動作を不安定
にさせることがない。又、反射光をフォトセンサーで受
光するさせることで、光ファイバーに入射する直前のレ
ーザ光の出力をモニターすることができる。又、光ファ
イバーに入射するレーザ光が直線偏光の特性を持つ場合
には、傾け角をブリュースター角にすることにより、レ
ーザ光の反射損失を大幅に低減することができる。
【0046】請求項9の発明によれば、ウインドにはオ
プティカルコートを施さないガラス基板を用いたので、
ウインドの反射光により光ファイバーに入射するレーザ
光の出力をモニターする場合に、オプティカルコートの
温度上昇による反射光の光量変化が生じること無く、一
定係数を乗じた出力換算により入射レーザ光の出力を正
しく把握することができる。
【0047】請求項10の発明によれば、請求項1乃至
請求項9による何れかの作用効果を備えた光ファイバー
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の構成を示す断面図である。
【図2】 実施の形態1の取外し状態を示す断面図であ
る。
【図3】 実施の形態2の構成を示す断面図である。
【図4】 実施の形態3の構成を示す断面図である。
【図5】 従来の光ファイバーの構造を示す断面図であ
る。
【図6】 従来の光ファイバーのコア端面を示す正面図
である。
【図7】 従来の光ファイバーのコア端面に異物が付着
している状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器筐体、2 バルブ、3 不活性ガス、
4 レーザ共振器、5レーザ光、6 集光レンズ、7
光ファイバー、8 光ファイバーコネクタ、9 被加工
物、10 加工ヘッド、11 光ファイバー素線、12
被覆、13管(カバー)、14 光ファイバーの端末
具(カバー)、15 ウインド(カバー)、16 蓋
(カバー)、17 Oリング(カバー)、18 空間
(カバー)、19 レーザ共振器、20 空間、21
レーザ発振器筐体、22 集塵フィルター付きファン、
23 フィルター付排気口、25 保護ウインド、26
蓋、27 空間、28 反射光、29 フォトセンサ
ー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久国 晶 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H036 NA01 QA03 QA34 QA44 QA54 2H037 AA03 BA06 DA06 DA32 DA36 DA37

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバー素線の端面を塵埃が侵入し
    ないように囲うカバーを設け、当該カバーに前記端面へ
    の或いは端面からのレーザ光を透過させるウインドを設
    けたことを特徴とする光ファイバー素線の端面保護装
    置。
  2. 【請求項2】 ウインドは光ファイバー素線の端面に接
    触させて或いは光ファイバーの前方に設けたことを特徴
    とする請求項1に記載の光ファイバー素線の端面保護装
    置。
  3. 【請求項3】 カバーは気密に構成されたことを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の光ファイバー素線の
    端面保護装置。
  4. 【請求項4】 カバーの内部はクリーンな空気で満たさ
    れたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1
    項に記載の光ファイバー素線の端面保護装置。
  5. 【請求項5】 カバーの内部は不活性ガスで満たされた
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に
    記載の光ファイバー素線の端面保護装置。
  6. 【請求項6】 カバーは防塵フィルタで構成されたこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバ
    ー素線の端面保護装置。
  7. 【請求項7】 ウインドの外側に当該ウインドを覆う保
    護ウインドを着脱自在に設けたことを特徴とする請求項
    1乃至請求項6の何れか1項に記載の光ファイバー素線
    の端面保護装置。
  8. 【請求項8】 ウインドの表面を入射レーザ光の光軸に
    対して傾けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の
    何れか1項に記載の光ファイバー素線の端面保護装置。
  9. 【請求項9】 ウインドはオプティカルコートを施さな
    いガラス基板で設けたこととを特徴とする請求項8に記
    載の光ファイバー素線の端面保護装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9の何れか1項に
    記載の光ファイバー素線の端面保護装置を備えたことを
    特徴とする光ファイバー。
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