JP2001335946A - Cvd成膜装置及びcvd成膜方法 - Google Patents

Cvd成膜装置及びcvd成膜方法

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JP2001335946A
JP2001335946A JP2000152871A JP2000152871A JP2001335946A JP 2001335946 A JP2001335946 A JP 2001335946A JP 2000152871 A JP2000152871 A JP 2000152871A JP 2000152871 A JP2000152871 A JP 2000152871A JP 2001335946 A JP2001335946 A JP 2001335946A
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gas
external electrode
electrode
internal electrode
container
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JP2000152871A
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English (en)
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Kenichi Hama
浜  研一
Takeshi Kage
鹿毛  剛
Tomoyuki Araki
智幸 荒木
Takumi Kobayashi
小林  巧
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Mitsubishi Corp Plastics Ltd
Universal Technics Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Corp Plastics Ltd
Universal Technics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部電極に付着した薄膜が容器内に剥がれ落
ちるのを防止し、且つ、装置の稼働率の低下を抑制でき
るCVD成膜装置を提供する。 【解決手段】 本発明に係るCVD成膜装置は、ペット
ボトル7の外側を囲むように配置された外部電極3と、
この外部電極3内に配置され、ペットボトル7の内部に
配置される内部電極9と、ペットボトルの内部に原料ガ
スを導入する原料ガス導入手段と、外部電極3の内部に
クリーニング用のガスを導入するガス導入手段と、外部
電極3に接続されたマッチングボックス14と、このマ
ッチングボックスに接続された高周波電源15と、を具
備する。ガス導入手段によりガスが外部電極内に導入さ
れ、高周波電源によりマッチングボックスを介して外部
電極に高周波出力が供給され、内部電極と外部電極の間
にプラズマを発生させることにより、内部電極に付着し
た薄膜を分解して除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器の内側に薄膜
を成膜するCVD成膜装置及びCVD成膜方法であっ
て、クリーニング機構を備えたCVD成膜装置及びCV
D成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のCVD(Chemical Vapor Deposit
ion)成膜装置は、プラズマCVD法を用いて容器等の
内側にDLC(Diamond Like Carbon)膜又はSi含有D
LC膜等を成膜する装置である。DLC膜は、炭素間の
SP3結合を主体としたアモルファスな炭素で、非常に
硬く、絶縁性に優れ、高屈折率で非常に滑らかなモルフ
ォロジを有する硬質炭素膜である。DLC膜を成膜する
原料ガスとしては炭化水素系ガスを用い、Si含有DL
C膜を成膜する原料ガスとしてはSi含有炭化水素系ガ
スを用いる。
【0003】従来のCVD成膜装置は真空チャンバーを
備え、この真空チャンバーは外部電極を有している。こ
の外部電極の内部には空間が形成されており、この空間
はコーティング対象のプラスチック容器であるペットボ
トルを収容するためのものである。外部電極はインピー
ダンス整合器(マッチングボックス)に接続されてお
り、マッチングボックスは同軸ケーブルを介して高周波
電源(RF電源)に接続されている。
【0004】外部電極内の空間には内部電極が差し込ま
れており、内部電極の先端は外部電極内の空間であって
外部電極内に収容されたペットボトルの内部に配置され
る。内部電極は、その内部が中空からなる管形状を有し
ている。内部電極の先端にはガス吹き出し口が設けられ
ている。内部電極の基端はガス導入手段に接続されてい
る。
【0005】内部電極は接地されている。外部電極内の
空間は真空バルブを介して大気開放状態とされている。
また、外部電極内の空間は真空ポンプに接続されてい
る。
【0006】次に、上記CVD成膜装置を用いて容器の
内部にDLC膜を成膜する方法について説明する。
【0007】まず、真空バルブを開いて真空チャンバー
内を大気開放する。これにより、空気が外部電極内の空
間に入り、真空チャンバー内が大気圧にされる。次に、
外部電極内の空間にペットボトルを収容する。この際、
内部電極はペットボトル内に挿入された状態になる。
【0008】この後、真空バルブを閉じた後、真空ポン
プを作動させることにより、ペットボトル内を含む真空
チャンバー内が排気され、外部電極内の空間が真空とな
る。
【0009】次に、ガス導入手段を用いて流量制御され
た炭化水素ガスをアース電位の内部電極を通してガス吹
き出し口から吹き出す。これにより、炭化水素ガスがペ
ットボトル内に導入される。そして、真空チャンバー内
とペットボトル内は、制御されたガス流量と排気能力の
バランスによって、DLC成膜に適した圧力に保たれ
る。
【0010】この後、外部電極にマッチングボックスを
介して高周波電源(RF電源)からRF出力を供給す
る。これにより、外部電極と内部電極間にプラズマを着
火する。このとき、マッチングボックスは、外部電極と
内部電極のインピーダンスに、インダクタンスL、キャ
パシタンスCによって合わせている。これによって、ペ
ットボトル内に炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜
がペットボトルの内側に成膜される。
【0011】次に、RF電源からのRF出力を停止し、
原料ガスの供給を停止する。この後、真空チャンバー内
及びペットボトル内の炭化水素ガスを真空ポンプによっ
て排気する。この後、真空バルブを開いて真空チャンバ
ー内を大気開放し、前述した成膜方法を繰り返すことに
より、複数のペットボトル内にDLC膜が成膜される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
CVD成膜装置において、ペットボトルの内面にDLC
膜を成膜すると、内部電極の外表面にもDLC膜が成膜
されてしまう。このため、複数のペットボトル内へのD
LC膜の成膜を繰り返していくと、内部電極の外表面に
成膜されたDLC膜の膜厚が徐々に厚くなり、その膜厚
がある厚さ(例えば5μm程度の厚さ)になると内部電
極から剥がれ落ちてしまう。この剥がれ落ちたDLC膜
はペットボトル内に落ち、その結果、ペットボトル内に
落ちたDLC膜によってそのペットボトルの中に成膜さ
れない部分が生じ、ガスバリア性を低下させ、不良品と
なってしまう。
【0013】一方、内部電極の外表面からDLC膜がペ
ットボトル内に剥がれ落ちることを防止するには次の方
法が考えられる。つまり、内部電極の外表面に成膜され
たDLC膜が剥がれ落ちる前であって、ある程度の本数
のペットボトル内にDLC膜を成膜した後に、CVD成
膜装置を分解して内部電極を取り外し、DLC膜が付着
している内部電極の外表面を作業者がヤスリで削る等し
て掃除する方法である。このように内部電極の外表面を
掃除すれば、ペットボトル内にDLC膜が剥がれ落ちる
ことを防止することができるはずである。
【0014】このような方法を用いれば、ペットボトル
内にDLC膜が剥がれ落ちることは防止できる。しか
し、内部電極を掃除する毎に、稼動しているCVD成膜
装置を停止させなければならない上に、CVD成膜装置
を分解して内部電極を掃除し、その後、CVD成膜装置
を組み立てるといった作業にも長時間(例えば1日程
度)を要することになる。その結果、CVD成膜装置の
稼働率が低下し、量産の障害となってしまう。
【0015】本発明は上記のような事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的は、内部電極に付着した薄膜
が容器内に剥がれ落ちるのを防止し、且つ、装置の稼働
率の低下を抑制できるCVD成膜装置及びCVD成膜方
法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るCVD成膜装置は、容器の内側に薄膜
を成膜するCVD成膜装置であって、容器の外側を囲む
ように配置された外部電極と、この外部電極内に配置さ
れ、容器の内部に配置される内部電極と、容器の内部に
原料ガスを導入する原料ガス導入手段と、上記外部電極
の内部にクリーニング用のガスを導入するガス導入手段
と、外部電極に接続されたマッチングボックスと、この
マッチングボックスに接続された高周波電源と、を具備
することを特徴とする。
【0017】また、本発明に係るCVD成膜装置におい
ては、上記ガス導入手段によりガスが上記外部電極内に
導入され、上記高周波電源によりマッチングボックスを
介して外部電極に高周波出力が供給され、上記内部電極
と外部電極の間にプラズマを発生させることにより、内
部電極に付着した薄膜を分解して除去することが可能で
ある。
【0018】上記CVD成膜装置によれば、内部電極と
外部電極の間にプラズマを発生させ、内部電極に付着し
ている薄膜をアッシングにより除去できる。従って、内
部電極に付着した薄膜が剥がれて容器内に落ちることを
防止できる。また、CVD成膜装置がこのようなクリー
ニング機構を有することにより、内部電極に付着した薄
膜を除去するためにCVD成膜装置を分解する必要がな
い。従って、CVD成膜装置の稼働率の低下を抑制する
ことができる。
【0019】また、本発明に係るCVD成膜装置におい
ては、上記クリーニング用のガスは、酸素ガス、酸素ガ
スとアルゴンガスの混合ガス、フッ素系のエッチングガ
ス、及び、酸素ガスとフッ素系のエッチングガスの混合
ガスからなる群より選ばれた一つのガスであることも可
能である。なお、フッ素系のエッチングガスとしては、
例えばCH22、CF4、SiF6等を用いることも可能
である。
【0020】本発明に係るCVD成膜方法は、アース電
位の内部電極を容器の内部に配置し、この容器の外部に
外部電極を配置し、容器内に原料ガスを供給し、外部電
極に高周波出力を供給し、内部電極と外部電極の間に原
料ガス系プラズマを発生させることにより、容器の内面
に薄膜を成膜する第1工程と、この第1工程により内部
電極に付着した薄膜をアッシングにより除去する第2工
程と、を具備し、上記第2工程は、外部電極内にガスを
導入し、外部電極にエネルギーを供給し、内部電極と外
部電極の間にプラズマを発生させることにより、内部電
極に付着した薄膜を分解して除去する工程であることを
特徴とする。
【0021】また、本発明に係るCVD成膜方法におい
て、上記ガスは、酸素ガス、酸素ガスとアルゴンガスの
混合ガス、フッ素系のエッチングガス、及び、酸素ガス
とフッ素系のエッチングガスの混合ガスからなる群より
選ばれた一つのガスであることも可能である。なお、フ
ッ素系のエッチングガスとしては、例えばCH22、C
4、SiF6等を用いることも可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施の形態について説明する。本発明の実施の形態によ
るCVD成膜装置は、プラズマCVD法を用いて容器等
の内側にDLC膜又はSi含有DLC膜等を成膜する装
置である。
【0023】図1は、本発明の実施の形態によるCVD
成膜装置を模式的に示す構成図である。このCVD成膜
装置は真空チャンバー6を有し、この真空チャンバー6
は、導電性の蓋部5、絶縁部材4及び外部電極3から構
成されている。蓋部5の下には絶縁部材4が配置されて
おり、この絶縁部材4の下には外部電極3が配置されて
いる。この外部電極3は、上部電極2と下部電極1から
なり、上部電極2の下部に下部電極1の上部がOリング
8を介して着脱自在に取り付けられるよう構成されてい
る。また、外部電極3は絶縁部材4によって蓋部5と絶
縁されている。
【0024】外部電極3の内部には空間が形成されてお
り、この空間はコーティング対象のプラスチック容器で
あるペットボトル7を収容するためのものである。外部
電極内の空間は、そこに収容されるペットボトル7の外
形よりも僅かに大きくなるように形成されている。絶縁
部材4及び蓋部5には、外部電極内の空間につながる開
口部が設けられている。また、蓋部5の内部には空間が
設けられており、この空間は上記開口部を介して外部電
極内の空間につながっている。外部電極内の空間は、上
部電極2と下部電極1の間に配置されたOリング8によ
って外部から密閉されている。
【0025】外部電極の下部電極1はインピーダンス整
合器(マッチングボックス)14に接続されており、マ
ッチングボックス14は同軸ケーブルを介して高周波電
源(RF電源)15に接続されている。
【0026】蓋部5の上部から蓋部内の空間、蓋部と絶
縁部材の開口部を通して、外部電極内の空間に内部電極
9が差し込まれている。即ち、内部電極9の基端は蓋部
5の上部に配置され、内部電極9の先端は外部電極内の
空間であって外部電極内に収容されたペットボトル7の
内部に配置される。
【0027】内部電極9は、その内部が中空からなる管
形状を有している。内部電極9の先端にはガス吹き出し
口9aが設けられている。内部電極9の基端には配管1
0の一方側が接続されており、この配管10の他方側は
真空バルブ16を介してマスフローコントローラー19
の一方側に接続されている。マスフローコントローラー
19の他方側は配管11を介して原料ガス発生源20に
接続されている。この原料ガス発生源20は炭化水素ガ
ス等を発生させるものである。
【0028】また、配管10の他方側は配管23に接続
されており、この配管23は真空バルブ24を介してマ
スフローコントローラー25の一方側に接続されてい
る。マスフローコントローラー25の他方側は酸素ボン
ベ等の酸素供給源(クリーニングガス供給源)26に接
続されている。酸素供給源26及びマスフローコントロ
ーラー25等はO2クリーニング機構として作用する。
【0029】内部電極9は蓋部5を介して接地されてい
る。蓋部内の空間は配管12の一方側に接続されてお
り、配管12の他方側は真空バルブ17を介して大気開
放状態とされている。また、蓋部内の空間は配管13の
一方側に接続されており、配管13の他方側は真空バル
ブ18を介して真空ポンプ21に接続されている。この
真空ポンプ21は排気側に接続されている。
【0030】次に、図1に示すCVD成膜装置を用いて
容器の内部にDLC膜を成膜する方法について説明す
る。
【0031】まず、真空バルブ17を開いて真空チャン
バー6内を大気開放する。これにより、配管12を通し
て空気が蓋部内の空間、外部電極内の空間に入り、真空
チャンバー6内が大気圧にされる。次に、外部電極の下
部電極1を上部電極2から取り外し、上部電極2の下側
から上部電極内の空間にペットボトル7を差し込み、設
置する。この際、内部電極9はペットボトル7内に挿入
された状態になる。次に、下部電極1を上部電極2の下
部に装着し、外部電極3はOリング8によって密閉され
る。
【0032】この後、真空バルブ17を閉じた後、真空
バルブ18を開き、真空ポンプ21を作動させる。これ
により、ペットボトル7内を含む真空チャンバー内(外
部電極内の空間及び蓋部内の空間)が配管13を通して
排気され、外部電極内が真空となる。
【0033】次に、真空バルブ16を開き、原料ガス発
生源20において炭化水素ガスを発生させ、この炭化水
素ガスを配管11内に導入し、マスフローコントローラ
ー19によって流量制御された炭化水素ガスを配管10
及びアース電位の内部電極9を通してガス吹き出し口9
aから吹き出す。これにより、炭化水素ガスがペットボ
トル7内に導入される。そして、真空チャンバー内とペ
ットボトル内は、制御されたガス流量と排気能力のバラ
ンスによって、DLC成膜に適した圧力(例えば0.0
5〜0.5Torr程度)に保たれる。
【0034】この後、外部電極3にマッチングボックス
14を介して高周波電源(RF電源)15からRF出力
(例えば13.56MHz)を供給する。これにより、
外部電極3と内部電極9間にプラズマを着火する。この
とき、マッチングボックス14は、外部電極と内部電極
のインピーダンスに、インダクタンスL、キャパシタン
スCによって合わせている。これによって、ペットボト
ル内に炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜がペット
ボトルの内側に成膜される。このときの成膜時間は数秒
程度と短いものとなる。
【0035】次に、RF電源15からのRF出力を停止
し、真空バルブ16を閉じて原料ガスの供給を停止す
る。この後、真空バルブ18を開き、真空チャンバー6
内及びペットボトル7内の炭化水素ガスを真空ポンプ2
1によって排気する。その後、真空バルブ18を閉じ、
真空ポンプ21を停止する。このときの真空チャンバー
内の真空度は5×10-3Torr〜5×10-2Torrである。
この後、真空バルブ17を開いて真空チャンバー6内を
大気開放し、前述した成膜方法を繰り返すことにより、
複数のペットボトル内にDLC膜が成膜される。
【0036】上述したような方法で所定数のペットボト
ル(例えば10本のペットボトル)それぞれの内部にD
LC膜を成膜した後、プラズマO2クリーニング機構を
用いて内部電極9の表面に付着したDLC膜をアッシン
グにより除去する。この後、前述した方法でペットボト
ル内にDLC膜を成膜する工程を再開する。
【0037】次に、上記アッシングの具体的方法につい
て説明する。真空チャンバー6からペットボトル7を取
り外した後、ペットボトルを収納しない状態で下部電極
1を上部電極2に装着し、外部電極3内をOリング8に
よって密閉する。これにより、外部電極内の空間は何も
入れられていない状態になる。
【0038】次に、真空ポンプ21を作動させることに
より、真空チャンバー内(外部電極内の空間及び蓋部内
の空間)が排気され、真空チャンバー内を真空とする。
次に、真空ポンプ21を停止した後、真空バルブ24を
開き、酸素供給源26から供給された酸素ガスをマスフ
ローコントローラー25によって流量制御する。そし
て、流量制御された酸素ガスを、配管23,10及びア
ース電位の内部電極9を通してガス吹き出し口9aから
吹き出す。これにより、酸素ガスが真空チャンバー内に
導入される。そして、真空チャンバー内は、制御された
酸素ガス流量と排気能力のバランスによって、アッシン
グに適した圧力に保たれる。
【0039】この後、外部電極3にマッチングボックス
14を介してRF電源15からRF出力を供給する。こ
れにより、外部電極3と内部電極9間にO2プラズマを
着火し、O2プラズマを発生させる。この際、内部電極
の外表面に付着しているDLC膜はカーボンと水素から
なる膜であるため、下記式(1)の反応が起こり、その
DLC膜がO2クリーニングにより酸素で分解されて除
去される。例えば、水素量が25原子%のDLC膜で
は、 2C4H+9O2→8CO2+H2O (1)
【0040】次に、RF電源15からのRF出力を停止
し、真空バルブ24を閉じて原料ガスの供給を停止す
る。次に、真空バルブ18を開き、真空チャンバー6内
のO2、CO2、H2Oを真空ポンプ21によって排気す
る。
【0041】上記実施の形態によれば、CVD成膜装置
にO2クリーニング機構を配置し、所定回数のDLC成
膜を実施した後に、O2クリーニングを行うことによ
り、内部電極9に付着したDLC膜が剥がれてペットボ
トル内に落ちることを防止することができる。従って、
従来のCVD成膜装置のようにペットボトル内に落ちた
DLC膜によってそのペットボトルが不良品となること
がない。
【0042】また、CVD成膜装置にO2クリーニング
機構を配置しているため、従来のCVD成膜装置のよう
に装置を分解しなくても内部電極9に付着したDLC膜
をアッシングで除去することができる。従って、従来の
CVD成膜装置では内部電極のクリーニングに1日必要
であったが、そのクリーニングに必要な時間を大幅に低
減することができる。具体的に実験したところ、10回
のDLC成膜を実施した後に、DLC成膜と同じ時間で
2クリーニングを行うことにより、内部電極9の表面
に付着したDLC膜をきれいに剥離することができた。
【0043】尚、上記実施の形態では、酸素供給源26
及びマスフローコントローラー25等からなるO2クリ
ーニング機構を用いて内部電極9の表面に付着したDL
C膜をアッシングにより除去しているが、クリーニング
用のガスとしては酸素ガスに限定されず、クリーニング
作用を有するものであれば他のガスを用いることも可能
であり、例えば、O2とArの混合ガス、フッ素系のエ
ッチングガス、又は、O2ガスとフッ素系のエッチング
ガスの混合ガスを用いることも可能である。フッ素系の
エッチングガスとしては、例えばCH22、CF4、S
iF6等を用いることも可能である。
【0044】すなわち、O2とArの混合ガス、フッ素
系のエッチングガス、O2ガスとフッ素系のエッチング
ガスの混合ガスなどのガス供給源から供給されたクリー
ニング用のガスをマスフローコントローラー25によっ
て流量制御し、このガスを、配管23,10及びアース
電位の内部電極9を通してガス吹き出し口9aから吹き
出させることにより、クリーニング用ガスが真空チャン
バー内に導入される。そして、真空チャンバー内をアッ
シングに適した圧力に保ち、外部電極3にマッチングボ
ックス14を介してRF電源15からRF出力を供給す
ることにより、外部電極3と内部電極9間にプラズマを
着火し、プラズマを発生させる。それにより、内部電極
の外表面に付着しているDLC膜が分解される。
【0045】また、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々変更して実施することが可能である。例えば、
原料ガス発生源としては、炭化水素ガスの発生源に限ら
れず、種々の発生源を用いることも可能であり、例えば
Si含有炭化水素系ガスなどを用いることも可能であ
る。
【0046】また、本実施の形態では、内部に薄膜を成
膜する容器として飲料用のペットボトルを用いている
が、他の用途に使用される容器を用いることも可能であ
る。
【0047】また、本実施の形態では、CVD成膜装置
で成膜する薄膜としてDLC膜又はSi含有DLC膜を
挙げているが、容器内に他の薄膜を成膜する際に上記C
VD成膜装置を用いることも可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、内
部電極と外部電極の間にプラズマを発生させ、内部電極
に付着している薄膜をアッシングにより除去できる。し
たがって、内部電極に付着した薄膜が容器内に剥がれ落
ちるのを防止し、且つ、装置の稼働率の低下を抑制でき
るCVD成膜装置及びCVD成膜方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるCVD成膜装置を模
式的に示す構成図である。
【符号の説明】
1…下部電極 2…上部電極 3…外部電極 4…絶縁部材 5…蓋部 6…真空チャンバー 7…ペットボトル 8…Oリング 9…内部電極 9a…ガス吹き出し口 10,11,12,13,23…配管 14…マッチングボックス(インピーダンス整合器) 15…高周波電源(RF電源) 16,17,18,24…真空バルブ 19,25…マスフローコントローラー 20…原料ガス発生源 21…真空ポンプ 26…酸素供給源(クリーニングガス供給源)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿毛 剛 東京都品川区西五反田1−27−2五反田富 士ビル三菱商事プラスチック株式会社内 (72)発明者 荒木 智幸 千葉県流山市大字西平井956番地の1株式 会社ユーテック内 (72)発明者 小林 巧 千葉県流山市大字西平井956番地の1株式 会社ユーテック内 Fターム(参考) 3E062 AA09 AC02 JA01 JA07 JB24 4K030 AA09 BA28 CA07 CA15 DA06 EA06 FA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の内側に薄膜を成膜するCVD成膜
    装置であって、 容器の外側を囲むように配置された外部電極と、 この外部電極内に配置され、容器の内部に配置される内
    部電極と、 容器の内部に原料ガスを導入する原料ガス導入手段と、 上記外部電極の内部にクリーニング用のガスを導入する
    ガス導入手段と、 外部電極に接続されたマッチングボックスと、 このマッチングボックスに接続された高周波電源と、 を具備することを特徴とするCVD成膜装置。
  2. 【請求項2】 上記ガス導入手段によりガスが上記外部
    電極内に導入され、上記高周波電源によりマッチングボ
    ックスを介して外部電極に高周波出力が供給され、上記
    内部電極と外部電極の間にプラズマを発生させることに
    より、内部電極に付着した薄膜を分解して除去すること
    を特徴とする請求項1記載のCVD成膜装置。
  3. 【請求項3】 上記クリーニング用のガスは、酸素ガ
    ス、酸素ガスとアルゴンガスの混合ガス、フッ素系のエ
    ッチングガス、及び、酸素ガスとフッ素系のエッチング
    ガスの混合ガスからなる群より選ばれた一つのガスであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のCVD成膜装
    置。
  4. 【請求項4】 アース電位の内部電極を容器の内部に配
    置し、この容器の外部に外部電極を配置し、容器内に原
    料ガスを供給し、外部電極に高周波出力を供給し、内部
    電極と外部電極の間に原料ガス系プラズマを発生させる
    ことにより、容器の内面に薄膜を成膜する第1工程と、 この第1工程により内部電極に付着した薄膜をアッシン
    グにより除去する第2工程と、 を具備し、 上記第2工程は、外部電極内にガスを導入し、外部電極
    にエネルギーを供給し、内部電極と外部電極の間にプラ
    ズマを発生させることにより、内部電極に付着した薄膜
    を分解して除去する工程であることを特徴とするCVD
    成膜方法。
  5. 【請求項5】 上記ガスは、酸素ガス、酸素ガスとアル
    ゴンガスの混合ガス、フッ素系のエッチングガス、及
    び、酸素ガスとフッ素系のエッチングガスの混合ガスか
    らなる群より選ばれた一つのガスであることを特徴とす
    る請求項4記載のCVD成膜方法。
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