JP2001335682A - 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム - Google Patents
金属板ラミネート用ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
形やしごき成形等の高加工性を有するとともに、成形後
の耐衝撃性や耐レトルト性にも優れる金属缶の被覆に好
適な、金属板ラミネート用ポリエステルフィルムを提供
する。 【解決手段】 融点200〜223℃のポリブチレンテ
レフタレート、またはこれを主体とするポリエステル
(A)40〜80質量%と、融点230〜256℃のポ
リエチレンテレフタレート、またはこれを主体とするポ
リエステル(B)60〜20質量%とからなるフィルム
であり、非晶状態からの昇温結晶化ピーク温度が60〜
100℃の範囲に存在し、60〜100℃での比熱容量
が0J/g・℃以上である。
Description
ポリエステルフィルムに関し、特に、金属缶体のよう
な、金属にポリエステル樹脂をラミネートして得られる
ラミネート金属板に加工を施し、特に、絞り成形やしご
き成形等の加工に使用される材料として有用な金属板ラ
ミネート用ポリエステルフィルムに関するものである。
熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型の塗料が塗布されて
いた。しかし、溶剤型塗料は塗膜を形成するために高温
での加熱が必要であり、その時に多量の溶剤が発生する
ため、作業の安全性および環境の面からも問題があっ
た。そのため、最近は溶剤を用いない腐食防止法とし
て、熱可塑性樹脂による金属の被覆が提案され、熱可塑
性樹脂の中でも特にポリエステルは加工性、耐熱性等に
優れることから、ポリエステルをベースとした金属ラミ
ネート用フィルムの開発が進められている。
は、熱可塑性樹脂を溶融させて直接金属上に押出す方法
や、熱可塑性樹脂フィルムを直接、または接着剤を介し
て熱圧着する方法がある。中でも、熱可塑性樹脂フィル
ムを用いる方法は、樹脂の取扱いが容易で作業性に優
れ、かつ、樹脂膜厚の均一性にも優れるために有効な手
法とされている。また、接着剤を介した方法では環境面
やコストの問題があるために、フィルムを直接熱圧着す
る方法が注目されている。
は、鋼板、アルミ板等の金属板(メッキ等の表面処理を
施したものを含む)に熱可塑性樹脂フィルムをラミネー
トし、ラミネート金属板を成形加工して製造される。こ
のような用途に用いられる熱可塑性樹脂フィルムには、
金属板との熱ラミネート性がよいこと、缶の成形性
に優れていること、つまり、缶の成形時にフィルムの剥
離、亀裂、ピンホール等の発生がないこと、缶成形後
の印刷、レトルト殺菌処理および長期の保存の際に脆化
しないこと、内容物の保味保香性に優れること等の数
々の特性が同時に要求される。
ルフィルムとしては、熱ラミネート性を付与し、缶の成
形性を向上させる目的で、他の成分を混合したり、共重
合する方法が提案がされている。例えば、(イ)PET
に他の成分を共重合したものが特公平8−19245号
公報、特公平8−19246号公報、特許第25282
04号公報等に開示されている。また、(ロ)共重合P
ETにPBTもしくはその共重合体を配合したもの(特
許第2851468号公報、特開平5−186612号
公報、特開平5−186613号公報)、(ハ)PET
もしくはその共重合体にPBTもしくはその共重合体を
配合し、結晶特性を限定した缶蓋用フィルム(特開平5
−331302号公報、特開平7−145252号公
報)が開示されている。
化し、低融点化、低結晶化することにより熱ラミネート
性と成形性は改良されるものの、缶成形後の熱処理およ
びレトルト殺菌処理時に脆化し、耐衝撃性が低下すると
いう問題があった。また、(ロ)ではPBT系の樹脂を
配合させることにより、熱ラミネート性と上記(イ)の
欠点である脆化や耐衝撃性をバランス良く改良しようと
したものであるが、金属との熱ラミネート性や接着性は
十分ではなく、特に絞り成形やしごき成形等の高加工成
形性が十分ではなかった。(ハ)では、結晶性を限定す
ることによりレトルト殺菌処理等の比較的低温での熱処
理後の白化や白斑は改善されるものの、絞り成形やしご
き成形等の厳しい条件での成形性(高加工性)について
は考慮されておらず、十分な成形性は付与されていなか
った。
チレンテレフタレートまたはこれを主体とするポリエス
テルと、ポリブチレンテレフタレートまたはこれを主体
とするポリエステルよりなる2軸延伸フィルムを提案し
ている(特開平9−194604号公報、特開平10−
110046号公報)。このフィルムは、結晶化度が高
くても、比較的低温で熱圧着でき、しかも得られたラミ
ネート金属板は加工性に優れる。また、レトルト殺菌処
理および長期の保存の際に脆化せず、耐衝撃性にも優れ
るが、絞り成形やしごき成形等の高加工の際には、厳し
い加工部でフィルムが白化したりミクロクラックが発生
する場合があった。
板との熱ラミネート性、缶の成形性、特に絞り成形やし
ごき成形等の高加工性に優れ、ラミネート金属缶に好適
な、金属板ラミネート用ポリエステルフィルムを提供す
ることにある。
を解決するために鋭意検討した結果、結晶性の異なる実
質的に非相溶の2種以上のポリエステル、すなわちポリ
ブチレンテレフタレート主体のポリエステルと、ポリエ
チレンテレフタレート主体のポリエステルを特定割合で
溶融混合したフィルムからなり、このフィルムの結晶化
特性を特定の性能に調整することにより、缶の成形性、
特に絞り成形やしごき成形等の高加工性が改良されるこ
とを見出し、本発明に到達した。
る。 (1)融点200〜223℃のポリブチレンテレフタレ
ート、またはこれを主体とするポリエステル(A)40
〜80質量%と、融点230〜256℃のポリエチレン
テレフタレート、またはこれを主体とするポリエステル
(B)60〜20質量%とからなるフィルムであり、非
晶状態からの昇温結晶化ピーク温度が60〜100℃の
範囲に存在し、60〜100℃での比熱容量が0J/g
・℃以上であることを特徴とする金属板ラミネート用ポ
リエステルフィルム。 (2)200〜223℃の温度範囲と、230〜256
℃の温度範囲にそれぞれ1つ以上の融点を有する、上記
(1)記載の金属板ラミネート用ポリエステルフィル
ム。 (3)昇温結晶化ピーク温度での破断伸度が100%以
上である、上記(1)又は(2)記載の金属板ラミネー
ト用ポリエステルフィルム。
する。本発明におけるポリブチレンテレフタレート(P
BT)主体のポリエステル(A)としてはPBT、およ
びこれに他の成分を共重合したものであるが、融点は2
00〜223℃であることが必要であり、融点が200
℃より低いと耐熱性が低下する。共重合割合は、融点が
上記範囲内であればよく、全アルコール成分に対し、
1,4−ブタンジオールは80mol%以上が好まし
く、特に90モル%以上が好ましい。1,4−ブタンジ
オールが80モル%未満であると、結晶性、特に結晶化
速度が低下し、レトルト処理後の耐衝撃性が低下する。
が、酸成分としてイソフタル酸、フタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイ
ン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジ
カルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラク
トンや乳酸などが挙げられる。また、アルコール成分と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチ
レンオキシド付加体等が挙げられる。さらに、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3
官能化合物等を少量用いてもよい。これらの共重合成分
は2種以上併用しても良い。
ト(PET)主体のポリエステル(B)としては、PE
T、およびPETに他の成分を共重合したものを挙げる
ことができ、融点は230〜256℃の範囲であること
が必要である。融点が230℃未満であると、結晶性が
低下し、レトルト処理後に白化や白斑が発生したり、レ
トルト処理後の耐衝撃性が劣る。
ては特に限定されず、ポリエステル(A)と同様な化合
物を例示できる。
ために用いられるポリエステルの極限粘度は、ポリエス
テル(A)は0.6〜1.6、ポリエステル(B)は
0.5〜0.9が好ましく、溶融混合した後の極限粘度
は0.6〜1.0が好ましい。極限粘度が上記範囲未満
では、フィルムの実用性能が不足し、上記範囲内を超え
ると生産性に劣り、また、フィルムの金属板への熱ラミ
ネート性も損なわれる。
されることはなく、例えば、エステル交換法、直接重合
法等で重合することができる。エステル交換触媒として
は、Mg、Mn、Zn、Ca、Li、Tiの酸化物、酢
酸塩等が挙げられる。また、重縮合触媒としては、S
b、Ti、Ge酸化物、酢酸塩等の化合物が挙げられ
る。重合後のポリエステルは、モノマーやオリゴマー、
副生成物のアセトアルデヒドやテトラヒドロフラン等を
含有しているため、減圧もしくは不活性ガス流通下、2
00℃以上の温度で固相重合することが好ましい。
添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤等を添加することができる。酸化防止剤とし
ては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダー
ドアミン系化合物等を、熱安定剤としては、例えばリン
系化合物等を、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフ
ェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系の化合物等を挙
げることができる。
特定の配合比で溶融混合するが、その配合比は(A)/
(B)=40〜80/60〜20(質量%)、好ましく
は(A)/(B)=50〜70/50〜30(質量%)
であることが必要である。ポリエステル(A)が80質
量%を超えると、結晶性の高いポリエステル(A)の特
性が顕著に発現し、成形性に劣るばかりか、耐衝撃性も
悪くなる。また、ポリエステル(A)が40質量%未満
の場合には、結晶化速度が低下し、レトルト処理後の物
性が低下する。本発明では、特に、ポリエステル(A)
の結晶化速度に関する特性が失われないようにするた
め、ポリエステル(A)を40質量%以上配合すること
が重要である。
は、フィルムの非晶状態での特性を限定している。これ
は、缶の成形性が非晶状態の結晶性に大きく影響される
ためである。つまり、缶の成形はポリエステルフィルム
を積層した金属板を、円柱状またはその特殊型に変形ま
たは絞り、しごき加工することであるが、その際にポリ
エステルフィルムの金属板との接着側は非晶状態もしく
はそれに近い状態となっている場合が多い。特に、接着
剤を介さず熱圧着する場合には非晶状態の割合が高くな
る。また、絞り、しごき加工性を向上させるためには、
樹脂の一部または全部を非晶化する方法が行われてい
る。上述したように、従来、厳しい絞り、しごき加工に
耐えうる成形性と耐衝撃性や耐レトルト性等の缶の品位
を両立させることは困難であったが、本発明者らはフィ
ルムの非晶状態に着目することにより上記の品質を両立
させることに成功した。
からの昇温結晶化ピーク温度(Tc)が60〜100
℃、好ましくは、60〜90℃の範囲に存在することが
必要である。Tcが100℃を超えると、レトルト殺菌
処理の際に脆化するだけでなく、白斑が生じフィルムの
見栄えが悪くなる場合がある。また、Tcが60℃を下
回ると、成形温度が高い場合に成形性に劣る場合があ
り、また、内容物の保味保香性も低下する。
での比熱容量(Cp)が0J/g・℃以上であることが
必要である。Cpが0J/g・℃未満の場合には、結晶
化開始温度付近での結晶化速度が速くなりすぎて、成形
性が悪化し、絞り成形やしごき成形等の高加工性の際に
白化したり、ピンホールやクラックが発生し易い。ここ
で、60〜100℃とは、缶の成形が通常行われている
温度範囲であり、成形温度範囲でのCpが0J/g・℃
以上であることが重要である。
件は特に限定されず、ブレンドした原料チップを同一の
押出機で溶融混合する方法、また、各々別々の押出機で
溶融させた後に混合する方法等が挙げられる。溶融混合
条件として、高い溶融温度下もしくは高せん断下で長時
間混合した場合には、エステル交換反応や分解反応が進
行して、混合物の特性が大きく変化する。特に、エステ
ル交換が進行しすぎると、融点やガラス転移温度が低下
し、かつ、比熱容量も0J/g・℃以下になる。その結
果、ポリエステル(A)および(B)によるフィルムの
優れた特性が消失し、耐熱性や成形性が低下するため、
溶融混合条件は、(B)の融点+20℃以下の温度で、
滞留時間15分以下とすることが好ましい。
3℃の温度範囲と、230〜256℃の温度範囲にそれ
ぞれ1つ以上の融点を有することが好ましい。すなわ
ち、本発明のフィルムは、ポリエステル(A)とポリエ
ステル(B)に由来する独立した融点を有することが好
ましい状態である。特に、ポリエステル(A)に由来す
る融点が200℃を下回るとフィルムの耐熱性が低下
し、成形性や耐衝撃性が劣る。
ーク温度での破断伸度が100%以上であることが好ま
しい。伸度が100%未満の場合には缶の成形性に劣る
場合がある。
ムとして用いられる。例えば、ドライブレンドしたポリ
エステル(A)と(B)をTダイを備えた押出機に供給
し、250〜280℃の温度で3〜15分間溶融混合後
にシート状に押し出し、この押出されたシートを室温以
下に温度調節した冷却ドラム上に密着させて冷却し、得
られた未延伸シートを必要に応じて縦方向(MD)に1
〜1.2倍程度の予備延伸し、その後にテンターにより
50〜150℃の温度でMD及び横方向(TD)にそれ
ぞれ2〜4倍程度の延伸倍率となるように2軸延伸し、
さらに、TDの弛緩率を数%として、80〜220℃で
数秒間熱処理を施すことによって製造することができ
る。2軸延伸方法としては、逐次または同時2軸延伸法
を用いることができる。
を付与するために必要な工程であるが、その方法として
は、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マ
イクロ波を照射する方法等の公知の方法を用いることが
できる。このうち、均一に精度良く加熱できることから
熱風を吹き付ける方法が最適である。
くするため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤
を少量添加して製膜してフィルム表面にスリップ性を付
与することが望ましい。さらに、フィルム外観や印刷性
を向上させるため、たとえば、フィルムにシリコーン化
合物等を含有させることもできる。また、金属とのラミ
ネート性を向上させたり、強度をさらに高めるために、
フィルム製造中のインラインコーティングもしくはフィ
ルム製造後のポストコーティングにより、接着層等の任
意のコーティング層を形成させてもよい。
アルミ等の金属板に熱ラミネートされるが、ラミネート
する金属板は、クロム酸処理、リン酸処理、電解クロム
酸処理、クロメート処理等の化成処理や、ニッケル、ス
ズ、亜鉛、アルミ、砲金、真鍮、その他の各種メッキ処
理などを施した鋼板を用いることができる。
明する。実施例及び比較例におけるフィルムの原料、お
よび、特性値の測定法は、次の通りである。
成分がない場合は、それぞれPBT、PETを示し、極
限粘度(IV)、および、融点(Tm)は表1に示すと
おりである。なお、共重合成分がSEA8mol%、お
よび12mol%のPBT、および、共重合成分がIP
A12mol%のPETを除いたポリエステルについて
は、全て固相重合を施した。また、ポリエステル樹脂に
は、平均粒径1.1μmのシリカが0.1wt%充填さ
れている。表1において、”IPA”はイソフタル酸を
表わし、”SEA”はセバシン酸を表す。 (2)測定法 A.極限粘度(IV) フェノール/四塩化エタンの等重量混合溶媒を用いて、
温度20℃で測定した溶液粘度から求めた。 B.融点(Tm)および昇温結晶化ピーク温度(Tc) Perkin Elmer社製DSCを用い、10℃/
minで昇温時の融点および結晶化ピーク温度を測定し
た。測定サンプルは、延伸フィルムを溶融後、100℃
/min以上の速度で急冷して非晶状態としたものを用
いた。 C.比熱容量(Cp) Perkin Elmer社製DSCを用い、JISK
7123−1987に準じて測定した。標準物質にはサ
ファイアを使用した。測定サンプルは、延伸フィルムを
溶融後、100℃/min以上の速度で急冷して非晶状
態としたものを用いた。 D.引張伸度(%) 幅10mm、長さ10cmのフィルム試料(n=5枚)を用
いて、ASTM D882に規定される測定方法に準じ
て、昇温結晶化ピーク温度(Tc)での引張伸度を測定
した。なお、データはMDとTDの最小値で示した。 E.熱ラミネート性 加熱した金属ロールと、シリコンゴムロールとの間に、
試料フィルムと厚みが0.21mmのティンフリースチー
ル板とを重ね合わせて供給し、速度20m/min、線
圧50kgf/cmで加熱接着し、2sec後に氷水中
に浸漬し、冷却してラミネート金属板を得た。得られた
積層体から、幅18mmの短冊状の試験片(端部はラミ
ネートせず、ラミネートされた部分がMDに8cm以上
確保されるようにする)をTDに11枚切り出した。次
に、この試験片のフィルム面に、JIS Z−1522
に規定された粘着テープを貼り付け、島津製作所社製オ
ートグラフで、10mm/minの速度で180度剥離
試験を行い、その剥離強力を測定することにより、次の
基準にしたがって接着性を評価した。 ◎:10枚以上の試験片の剥離強力が300gf以上で
あるか、または300gf以上でフィルムが破断。 ○:5〜9枚の試験片の剥離強力が300gf以上であ
るか、または300gf以上でフィルムが破断。 △:剥離強力が300gf未満の試験片が7枚以上。 F.成形性 上記Eで得られたラミネート金属板のフィルム側を缶胴
内面として、350ml相当、および、500ml相当
の2ピース缶の深絞り成形を行った時の状態を観察し
た。評価は、剥離、破断または白化が目視で認められる
ものを××、目視では認められないが、硫酸銅水溶液に
浸して金属の腐食が認められたものを×、硫酸銅水溶液
に浸しても金属の腐食が認められないものを○とした。 G.耐レトルト性 上記Eで得られたラミネート金属板を、125℃で30
minレトルト処理後のフィルムの状態を観察した。評
価は、明らかな白化または白斑が認められるものを×、
明らかではないが目視で識別可能程度の白化が認められ
るものを△、目視では変化が認められないものを○とし
た。 H.耐衝撃性 上記Eで得られたラミネート金属板を、125℃で30
minレトルト処理後、5℃において、50cmの高さ
から1kgの重り(先端は直径1/2inchの球面)
をフィルム側から落下させたときのフィルムの状態を観
察した。評価は、剥離または破断が目視で認められるも
のを××、目視では認められないが、硫酸銅水溶液に浸
して金属の腐食が認められたものを×、硫酸銅水溶液に
浸しても金属の腐食が認められないものを○とした。
質量部と、(B)を50質量部をドライブレンドし、こ
れをTダイを備えた押出機を用いて、275℃でシート
状に溶融押出し(滞留時間は8分)、表面温度18℃の
冷却ドラムに密着させて冷却し、厚さ240μmの未延
伸シートを得た。得られた未延伸シートの端部をテンタ
ー式同時2軸延伸機のクリップに把持し、60℃の予熱
ゾーンを走行させた後、温度80℃でMDに3.0倍、
TDに3.3倍で同時2軸延伸した。その後、TDの弛
緩率を5%として、温度150℃で4秒間の熱処理を施
した後、室温まで冷却して巻き取り、厚さ25μmの2
軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの各種の特性
値を表2に示す。
したように変更し、実施例1と同様にして各種フィルム
を得た。得られたフィルムの各種の特性値を表2に示
す。
ミネート性、成形性、耐衝撃性、耐レトルト性に優れて
いたが、比較例1〜6で得られたフィルムは、上記の全
ての性能を満足するものは得られなかった。
性、成形性、特に絞り成形やしごき成形等の高加工性を
有するとともに、成形後の耐衝撃性や耐レトルト性にも
優れる金属缶の被覆に好適な、金属板ラミネート用ポリ
エステルフィルムを提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 融点200〜223℃のポリブチレンテ
レフタレート、またはこれを主体とするポリエステル
(A)40〜80質量%と、融点230〜256℃のポ
リエチレンテレフタレート、またはこれを主体とするポ
リエステル(B)60〜20質量%とからなるフィルム
であり、非晶状態からの昇温結晶化ピーク温度が60〜
100℃の範囲に存在し、60〜100℃での比熱容量
が0J/g・℃以上であることを特徴とする金属板ラミ
ネート用ポリエステルフィルム。 - 【請求項2】 200〜223℃の温度範囲と、230
〜256℃の温度範囲にそれぞれ、1つ以上の融点を有
する請求項1記載の金属板ラミネート用ポリエステルフ
ィルム。 - 【請求項3】 昇温結晶化ピーク温度での破断伸度が1
00%以上である請求項1又は2記載の金属板ラミネー
ト用ポリエステルフィルム。
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