JP2001335551A - 5−(3−シアノフェニル)−3−ホルミル安息香酸誘導体の製法 - Google Patents

5−(3−シアノフェニル)−3−ホルミル安息香酸誘導体の製法

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JP2001335551A
JP2001335551A JP2000162277A JP2000162277A JP2001335551A JP 2001335551 A JP2001335551 A JP 2001335551A JP 2000162277 A JP2000162277 A JP 2000162277A JP 2000162277 A JP2000162277 A JP 2000162277A JP 2001335551 A JP2001335551 A JP 2001335551A
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nickel
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Toshihiro Ishii
敏弘 石井
Takayuki Hara
崇行 原
Kishiyun Tsutsumi
貴春 堤
Tomohide Ida
智英 井田
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 選択的な活性化血液凝固第X因子抑制剤とな
り得るビフェニルアミジン誘導体の製造中間体として有
用なシアノビフェニル誘導体を、安価な原料から高収率
で製造する方法を提供する。 【解決手段】 下記式(I) [式中、Rは水素原子またはC1−C8アルキル基を表
す。以下同じ。]で表される化合物を、エーテル類の溶
媒中、ニッケル(II)化合物、亜鉛およびトリフェニル
ホスフィンの存在下、アルカリ金属シアニドと反応させ
てシアノ化し、これをを水素化ホウ素金属塩または水素
化トリメトキシホウ素ナトリウムと反応させることによ
りヒドロキシメチル安息香酸エステル誘導体とし、さら
にこれを有機溶媒中、二酸化マンガンと反応させること
による下記式(IV)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、5−(3−シアノ
フェニル)−3−ホルミル安息香酸誘導体(以下「シア
ノビフェニル誘導体」と略記する。)の製造方法に関す
る。さらに詳しくは、選択的な活性化血液凝固第X因子
(以下「FXa」と略記する。)抑制剤となり得るビフ
ェニルアミジン誘導体の製造中間体として有用なシアノ
ビフェニル誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、血栓形成抑制剤として抗トロンビ
ン剤の開発が行われてきた。しかし、この抗トロンビン
剤は抗凝固作用と共にトロンビンによる血小板の凝集作
用も併せて抑制することから出血傾向を来す危険性のあ
ることが知られており、凝固能のコントロールを容易に
行えるものではなかった。そこで、トロンビン阻害作用
以外の作用機序に基づく抗凝固剤の開発が行われ、その
結果、優れたFXa阻害作用を有する抗凝固剤として国
際公開WO99/26918号に記載のビフェニルアミ
ジン誘導体が見出されている。
【0003】これらのビフェニルアミジン誘導体の重要
な製造中間体である下記式(IV)
【0004】
【化5】
【0005】[式(IV)中、Rは水素原子またはC1
8アルキル基を表す。]で表されるシアノビフェニル
誘導体の製造方法についても国際公開WO99/269
18号に記載されている。また、かかるシアノビフェニ
ル誘導体は、下記式(I)
【0006】
【化6】
【0007】[式(I)中、Rは水素原子またはC1
8アルキル基を表す。]で表される化合物を出発原料
とし、(a)芳香族ジエステル類の一方のエステル基の
みを還元する反応(特表平10−503770号公
報)、(b)ヒドロキシメチル基を酸化してホルミル基
に変換する反応(特表平10−503770号公報)、
および(c)芳香族ハロゲン化合物をシアノ化して芳香
族シアノ化合物を得る反応(特開平10−195017
号公報)の3つの反応を組み合わせて実施することによ
っても製造することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
3つの反応を組み合わせて実施した場合でも、例えば下
記の反応工程式
【0009】
【化7】
【0010】[反応工程式中、Rは前記式(I)の定義
に同じである。]に示すように、各反応を(a)、
(b)、(c)の順序で組み合わせて実施した場合に
は、第3工程の芳香族ハロゲン化合物をシアノ化して芳
香族シアノ化合物を得る反応を特開平10−19501
7号公報に記載の方法に従って行っても芳香族シアノ化
合物は低収率でしか得られず、前記式(IV)で表される
シアノビフェニル誘導体を高収率で得ることは困難であ
った。
【0011】本発明の目的は、以上の課題を解決し、安
価で入手容易な原料から、前記式(IV)で表されるシア
ノビフェニル誘導体を高収率で得ることができる新規製
造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、安価な1,3−
ジクロロベンゼンから容易に合成可能な前記式(I)で
表される化合物を出発原料として用いて、(a)芳香族
ジエステル類の一方のエステル基のみを還元する反応、
(b)ヒドロキシメチル基を酸化してホルミル基に変換
する反応および(c)芳香族ハロゲン化合物をシアノ化
して芳香族シアノ化合物を得る反応を、(c)、
(a)、(b)の順序で実施することにより、高収率で
前記式(IV)で表されるシアノビフェニル誘導体を製造
することができることを見出し、本発明を完成するに到
った。
【0013】すなわち、本発明は、下記式(I)
【0014】
【化8】
【0015】[式(I)中、Rは水素原子またはC1
8アルキル基を表す。]で表される化合物を、エーテ
ル類の溶媒中、ニッケル(II)化合物、亜鉛、および必
要によりトリフェニルホスフィンの存在下、アルカリ金
属シアニドと反応させてシアノ化することにより、下記
式(II)
【0016】
【化9】
【0017】[式(II)中、Rは前記式(I)の定義に
同じである。]で表される化合物を製造する方法であ
る。
【0018】また、本発明は前記式(II)で表される化
合物を水素化ホウ素金属塩または水素化トリメトキシホ
ウ素ナトリウムと反応させることにより、下記式(II
I)
【0019】
【化10】
【0020】[式(III)中、Rは前記式(I)の定義
に同じである。]で表される化合物を製造する方法であ
る。
【0021】さらに、本発明は前記式(III)で表され
る化合物を有機溶媒中、二酸化マンガンと反応させるこ
とにより、下記式(IV)
【0022】
【化11】
【0023】[式(IV)中、Rは式(I)の定義に同じ
である。]で表される5−(3−シアノフェニル)−3
−ホルミル安息香酸誘導体を製造する方法である。
【0024】
【発明の実施の形態】まず、本発明にかかる化合物の置
換基について説明する。Rにおける「C1−C8アルキル
基」とは、炭素数1〜8の直鎖状または分枝状の炭素鎖
を意味し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペ
ンチル基、イソペンチル基、1,2−ジメチルプロピル
基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブ
チル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル
基、2−エチルブチル基、イソヘプチル基、オクチル
基、イソオクチル基などが挙げられる。その中でも好ま
しくは炭素数1ないし4のものであり、特に好ましくは
メチル基、エチル基である。
【0025】次に、本発明の製造方法の一般的な実施形
態について説明する。本発明の製造方法において原料と
して使用される前記式(I)で表される化合物は以下の
反応式(A)に従って製造することができる。
【0026】
【化12】
【0027】すなわち、1,3−ジクロロベンゼン
(V)を無水条件下で金属マグネシウムと反応させるこ
とによりグリニャール試薬(VI)を調製し、次いで触媒
量のパラジウム錯体存在下、式(VII)で表される5−
ブロモ−イソフタル酸誘導体とカップリング反応を行う
ことによって製造することができる。
【0028】反応式(A)の第1段階で示されるグリニ
ャール試薬(VI)の調製においては、反応を容易にする
ために、用いる金属マグネシウムは金属の表面に形成さ
れる酸化マグネシウムを含まないことが好ましく、金属
マグネシウムの使用量は、式(V)で表される化合物に
対して下限は1.0当量、好ましくは1.5当量であ
り、上限は5.0当量、好ましくは3.0当量である。
反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテルなどのエーテル類、トルエンやキシレンなど
の芳香族炭化水素類、およびそれらの混合溶媒などが挙
げられ、好ましくはテトラヒドロフランである。本反応
は、反応開始までの時間を短縮するために少量の活性化
剤存在下で行うことが好ましく、活性化剤としては、例
えば1,2−ジブロモエタン、ブロモエタンなどのハロ
ゲン化アルキル、ヨウ素などが挙げられ、好ましくは
1,2−ジブロモエタンである。反応温度は金属マグネ
シウムの使用量、反応溶媒の種類などにより異なるが、
通常下限は室温、好ましくは60℃であり、上限は10
0℃、好ましくは70℃である。反応時間は金属マグネ
シウムの使用量、反応溶媒の種類、反応温度などにより
異なるが、通常下限は10分、好ましくは1時間であ
り、上限は24時間、好ましくは3時間である。
【0029】反応式(A)の第2段階で示されるカップ
リング反応は、米国特許第5,922,898号に記載
の方法に従い、パラジウム(II)化合物、亜鉛(II)ハ
ロゲン化物、およびトリフェニルホスフィンの存在下、
前記式(VII)で表される化合物にグリニャール試薬(V
I)を作用させることにより行うことができる。パラジ
ウム(II)化合物としてはパラジウム(II)クロリドま
たはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ムが好ましく、パラジウム(II)化合物の使用量は前記
式(VII)で表される化合物に対して下限は0.000
05当量、好ましくは0.0025当量であり、上限は
0.02当量、好ましくは0.01当量である。亜鉛
(II)ハロゲン化物としては亜鉛(II)クロリドが好ま
しく、亜鉛(II)ハロゲン化物の使用量は前記式(VI
I)で表される化合物に対して下限は0.0001当
量、好ましくは0.0005当量であり、上限は0.0
5当量、好ましくは0.025当量である。トリフェニ
ルホスフィンはパラジウム(II)化合物がパラジウム
(II)クロリドである場合のみ用いればよく、その場合
の使用量はパラジウム(II)化合物に対して2.0当量
が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフ
ラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、およびそ
れらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくはテトラヒド
ロフランである。反応温度はパラジウム(II)化合物の
使用量、反応溶媒の種類などにより異なるが、通常下限
は25℃、好ましくは40℃であり、上限は100℃、
好ましくは80℃である。反応時間はパラジウム(II)
化合物の使用量、反応溶媒の種類、反応温度などにより
異なるが、通常1時間ないし4時間である。
【0030】前記式(II)で表される化合物は、前記式
(I)で表される化合物をエーテル類の溶媒中、ニッケ
ル(II)化合物、亜鉛およびトリフェニルホスフィンの
存在下、アルカリ金属シアニドと反応させてシアノ化す
ることにより製造することができる。ニッケル(II)化
合物としてはニッケル(II)ブロミド、ニッケル(II)
クロリドなどのニッケル(II)ハライド、ジブロモビス
(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス
(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどのニッケル
(II)ホスフィン配位子錯化合物が挙げられる。ニッケ
ル(II)化合物の使用量は、前記式(I)で表される化
合物に対して下限は0.01当量、好ましくは0.02
当量であり、上限は0.1当量、好ましくは0.05当
量である。亜鉛の使用量はニッケル(II)化合物に対し
て下限は1.0当量、好ましくは2.0当量であり、上
限は5.0当量、好ましくは3.0当量である。トリフ
ェニルホスフィンの使用量はニッケル(II)化合物がニ
ッケル(II)ハライドの場合はニッケル(II)化合物に
対して下限は2.0当量、好ましくは3.0当量であ
り、上限は6.0当量、好ましくは5.0当量である。
ニッケル(II)化合物がニッケル(II)ホスフィン配位
子錯化合物の場合はニッケル(II)化合物に対して下限
は0当量、好ましくは1.0当量であり、上限は5.0
当量、好ましくは3.0当量である。反応溶媒として
は、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンな
どのエーテル類、およびそれらの混合溶媒などが挙げら
れ、好ましくはテトラヒドロフランである。反応溶媒中
の式(I)で表される化合物の濃度は下限は0.1M、
好ましくは0.5Mであり、上限は5M、好ましくは2
Mである。反応温度はニッケル(II)化合物の使用量、
反応溶媒の種類などにより異なるが、通常下限は30
℃、好ましくは40℃であり、上限は100℃、好まし
くは70℃である。反応時間はニッケル(II)化合物の
使用量、反応溶媒の種類、反応温度などにより異なる
が、通常下限は5分間、好ましくは2時間であり、上限
は100時間、好ましくは4時間である。
【0031】前記式(III)で表される化合物は、前記
式(II)で表される化合物を有機溶媒中、必要により低
級アルコール存在下で水素化ホウ素金属塩または水素化
トリメトキシホウ素ナトリウムと反応させることにより
製造することができる。反応溶媒としては、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサン、イソプロピルエーテル
などのエーテル類、tert−ブチルアルコールなどの
3級アルコールが挙げられ、好ましくはテトラヒドロフ
ランである。水素化ホウ素金属塩としては水素化ホウ素
ナトリウムが好ましく、水素化ホウ素金属塩または水素
化トリメトキシホウ素ナトリウムの使用量は前記式(I
I)で表される化合物に対して下限は2.0当量、好ま
しくは3.0当量、上限は5.0当量、好ましくは4.
0当量である。このように水素化ホウ素金属塩または水
素化トリメトキシホウ素ナトリウムを過剰量用いないと
反応が進行しない理由は、前記式(I)で表される化合
物を製造する際に用いたパラジウム(II)化合物が前記
式(I)で表される化合物および前記式(II)で表され
る化合物を製造する際の精製で除去することができてい
ないためである。低級アルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げ
られ、好ましくはメタノールまたはエタノールであり、
これらは反応溶媒として用いてもよい。2つのエステル
基がともにヒドロキシメチル基に還元された5−(3−
シアノフェニル)−3−ヒドロキシメチルベンジルアル
コールの生成を最小限に抑えるため、反応温度は上限は
30℃、好ましくは25℃であり、下限は0℃、好まし
くは10℃である。さらに、反応停止時にはクエンチ剤
として水または塩化アンモニウム水を用いるのがよく、
その際にも温度を25℃以下に保つことにより5−(3
−シアノフェニル)−3−ヒドロキシメチルベンジルア
ルコールの生成を最小限に抑えることができる。
【0032】前記式(IV)で表される化合物は、前記式
(III)で表される化合物を有機溶媒中、二酸化マンガ
ンと反応させることにより製造することができる。有機
溶媒としてはアセトンまたは酢酸エチルが好ましく、反
応の際の操作性および反応後の精製の容易さの観点から
酢酸エチルが特に好ましい。反応温度は通常、室温から
用いる反応溶媒の沸点付近までの範囲であり、安全性の
観点から反応溶媒の沸点より20℃程度低い温度までで
あることが好ましい。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0034】[参考例1] 3−クロロフェニルマグネシウムクロリドの合成
【0035】
【化13】
【0036】窒素雰囲気下、マグネシウム9.72gを
テトラヒドロフラン30mLに懸濁させ、これに1,2
−ジブロモエタン0.2mLを加えて攪拌した。発熱を
確認した後、滴下漏斗より1,3−ジクロロベンゼン2
2.8mLおよびテトラヒドロフラン150mLの混合
溶液を加え、さらにテトラヒドロフラン20mLで滴下
漏斗内に残った1,3−ジクロロベンゼンを洗い込ん
だ。混合物を67℃に加熱し、還流が開始したら1,2
−ジブロモエタン0.3mLを加え、還流させながら1
時間攪拌した。室温に戻した後、テトラヒドロフラン2
0mLを用いてセライトを通じてろ過し、3−クロロフ
ェニルマグネシウムクロリドの0.62Mテトラヒドロ
フラン溶液を得た。
【0037】[参考例2] 5−(3−クロロフェニル)−イソフタル酸ジメチルエ
ステルの合成
【0038】
【化14】
【0039】窒素雰囲気下、ジクロロビス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム140.4mgをテトラヒド
ロフラン200mLに溶解し、0.5Mの塩化亜鉛テト
ラヒドロフラン溶液2.0mL、3−ブロモイソフタル
酸ジメチルエステル27.3gを順に加えて攪拌した。
この溶液を61℃に加熱し、参考例1で得た0.62M
3−クロロフェニルマグネシウムクロリドのテトラヒ
ドロフラン溶液208mLを15分間かけて滴下し、3
0分間加熱攪拌した。室温に戻した後、反応液を100
mLの水に注ぎ、3M塩酸50mlを加えてしばらく攪
拌し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた粗
生成物を熱エタノール(30ml)から再結晶し、5−
(3−クロロフェニル)−イソフタル酸ジメチルエステ
ル13.3gを淡黄色結晶として得た。1 H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ
3.92(s,6H),7.5〜7.9(m,4H),
8.3〜8.5(m,3H)
【0040】[実施例1] 5−(3−シアノフェニル)−イソフタル酸ジメチルエ
ステルの合成
【0041】
【化15】
【0042】ニッケル(II)ブロミド108mg、トリ
フェニルホスフィン531mg、金属亜鉛107mgを
テトラヒドロフラン4mLに溶解し、窒素気流下、55
℃で30分間攪拌し、触媒を活性化した。次にカリウム
シアニド706mg、続いて5−(3−クロロフェニ
ル)−イソフタル酸ジメチルエステル3.08gをテト
ラヒドロフラン20mLに溶解した溶液を加え、そのま
まの温度で3時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルで
抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタ
ノール40mLを加えて1時間加熱還流後、室温に冷却
することにより再結晶を行い、5−(3−シアノフェニ
ル)−イソフタル酸ジメチルエステル2.17gを得
た。1 H−NMR(270MHz、CDCl3):δ 4.0
0(s,6H),7.5〜8.0(m,4H),8.4
〜9.0(m,3H)
【0043】[実施例2] 5−(3−シアノフェニル)−3−ヒドロキシメチル安
息香酸メチルエステルの合成
【0044】
【化16】
【0045】5−(3−シアノフェニル)−イソフタル
酸ジメチルエステル21.5gをテトラヒドロフラン3
00mLに溶解し、食塩を含む氷浴に浸して反応液温が
0℃以下になるまで約15分間攪拌した。このまま攪拌
しながら水素化ホウ素ナトリウムを反応液の温度が5℃
以下を保つように少量ずつ加えた。反応液の温度が0℃
に戻った後、メタノール42mLを反応液の温度が10
℃以下を保つように滴下ロートより約40分間かけて滴
下した。このまま氷冷下90分間攪拌した後、約20℃
の水浴に浸し、液体クロマトグラフィー(254nm)
で反応の進行を観察しながらさらに6時間攪拌した。液
体クロマトグラフィーで原料が5%以下に消失したのを
確認後、反応液を0℃以下に冷却し、攪拌しながら水2
00mL、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液200m
Lを液温が20℃以下を保つようにゆっくり加えた。発
泡の停止を確認した後、酢酸エチルで抽出した。有機層
を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、淡黄色油状の粗生成
物18.0gを得た。得られた粗生成物にメタノール2
7gを加え、60℃に加熱して溶解し、−15℃の冷凍
庫にて終夜静置した。析出した固体をろ別し、0℃のメ
タノール約100mLで洗浄して、5−(3−シアノフ
ェニル)−3−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステ
ル8.99gを得た。ろ液と洗浄液を合わせて濃縮して
得た7.44gの黄色油状物を同様にメタノール7.5
gで再結晶し、5−(3−シアノフェニル)−3−ヒド
ロキシメチル安息香酸メチルエステル1.68gを得
た。合わせて5−(3−シアノフェニル)−3−ヒドロ
キシメチル安息香酸メチルエステル10.6gを得た。1 H−NMR(270MHz、CDCl3):δ 3.9
6(s,3H),4.85(s,2H),7.58
(t,1H,J=7.8Hz),7.67(d,1H,
J=7.8Hz),7.79(s,1H),7.86
(d,1H,J=7.8Hz),7.90(s,1
H),8.07(s,1H),8.16(s、1H)
【0046】[実施例3] 5−(3−シアノフェニル)−3−ホルミル安息香酸メ
チルエステルの合成
【0047】
【化17】
【0048】5−(3−シアノフェニル)−3−ヒドロ
キシメチル安息香酸メチルエステル4.0gを酢酸エチ
ル100mLに溶解し、二酸化マンガン9.1gを加え
て60℃に加熱し、2時間攪拌した。反応液に二酸化マ
ンガン9.1gを加えて2時間攪拌した後、さらに二酸
化マンガン9.1gを反応液に加えた。液体クロマトグ
ラフィー/質量分析で原料の消失を確認した後、反応液
をセライトを通じて熱時ろ過し、ろ別した固体を60℃
の酢酸エチル200mLで洗浄した。ろ液と洗浄液を合
わせたものに1M水酸化ナトリウム水溶液100mLを
加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化アンモニ
ウム水溶液200mLで中和した。有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣に
エタノール120mLを加え、30分加熱還流して均一
溶液とした後、室温に戻すことによって再結晶を行い、
5−(3−シアノフェニル)−3−ホルミル安息香酸メ
チルエステル3.8gを得た。1 H−NMR(400MHz、CDCl3):δ 4.0
2(s,3H),7.64(dd,1H,J=7.8H
z),7.74(d,1H,J=7.8Hz),7.9
1(d,1H,J=7.8Hz),7.96(s,1
H),8.29(s,1H),8.51(s,1H)
8.57(s,1H),10.16(s,1H)
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、優れたFXa阻害作用
に基づく抗血液凝固作用を示すビフェニルアミジン誘導
体の重要な製造中間体であるシアノビフェニル誘導体を
簡便に、かつ安価に製造することができる。また、本発
明は操作面、経済面からも工業的製造法として満足し得
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 貴春 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 (72)発明者 井田 智英 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC54 BA07 BA21 BA37 BA48 BB15 BB17 BB25 BC31 BC34 BE06 BE23 BE33 4H039 CA70 CD20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 [式(I)中、Rは水素原子またはC1−C8アルキル基
    を表す。]で表される化合物を、エーテル類の溶媒中、
    ニッケル(II)化合物、亜鉛、および必要によりトリフ
    ェニルホスフィンの存在下、アルカリ金属シアニドと反
    応させてシアノ化することを特徴とする下記式(II) 【化2】 [式(II)中、Rは前記式(I)の定義に同じであ
    る。]で表される化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 エーテル類の溶媒がテトラヒドロフラン
    である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ニッケル(II)化合物がニッケル(II)
    ブロミドまたはニッケル(II)クロリドである請求項1
    または請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ニッケル(II)化合物がジブロモビス
    (トリフェニルホスフィン)ニッケルまたはジクロロビ
    ス(トリフェニルホスフィン)ニッケルである請求項1
    または請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ニッケル(II)化合物の使用量が前記式
    (I)の化合物に対して0.01当量〜0.1当量であ
    る請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記式(II)で表される化合物を水素化
    ホウ素金属塩または水素化トリメトキシホウ素ナトリウ
    ムと反応させることを特徴とする下記式(III) 【化3】 [式(III)中、Rは前記式(I)の定義に同じであ
    る。]で表される化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 水素化ホウ素金属塩が水素化ホウ素ナト
    リウムである請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 水素化ホウ素金属塩または水素化トリメ
    トキシホウ素ナトリウムの使用量が前記式(II)で表さ
    れる化合物に対して2.0当量〜5.0当量であり、反
    応温度が0℃〜30℃である請求項6または請求項7に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記式(III)で表される化合物を有機
    溶媒中、二酸化マンガンと反応させることを特徴とする
    下記式(IV) 【化4】 [式(IV)中、Rは前記式(I)の定義に同じであ
    る。]で表される5−(3−シアノフェニル)−3−ホ
    ルミル安息香酸誘導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 有機溶媒が酢酸エチルである請求項9
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 次の反応工程1から3までを順次行う
    ことを特徴とする、前記式(I)で表される化合物から
    前記式(IV)で表される5−(3−シアノフェニル)−
    3−ホルミル安息香酸誘導体を製造する方法。 反応工程1;請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    方法。 反応工程2;請求項6から請求項8のいずれかに記載の
    方法。 反応工程3:請求項9または請求項10に記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007119379A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Tosoh Corp ジハロゲン化ビフェニル類の製造方法
JP2010532365A (ja) * 2007-06-29 2010-10-07 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 2−アミノ−5−シアノ安息香酸誘導体の製造方法

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